JP2003151648A - 可視光応答型酸化チタンを利用した太陽電池及びその作製方法 - Google Patents

可視光応答型酸化チタンを利用した太陽電池及びその作製方法

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JP2003151648A JP2001348658A JP2001348658A JP2003151648A JP 2003151648 A JP2003151648 A JP 2003151648A JP 2001348658 A JP2001348658 A JP 2001348658A JP 2001348658 A JP2001348658 A JP 2001348658A JP 2003151648 A JP2003151648 A JP 2003151648A
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electrode
solar cell
tio
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Hirohiko Murakami
村上  裕彦
Chizuru Koakutsu
千鶴 小圷
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 色素を利用しなくとも可視光で作動する
ことが可能な酸化チタンを利用した安価な太陽電池及び
その作製方法の提供。 【解決手段】 可視光領域で作動する可視光応答型酸化
チタンである、式:TiO2−x(式中、0<x<
1、0<y<1)を有する酸化チタンを電極として利用
した湿式タイプ又はpn接合型の乾式タイプの太陽電
池。TiOを窒素含有ガス(純NHガス又はNH
含有混合ガス)雰囲気中で400℃以上に加熱して、T
iOを窒化し、かくして得られた可視光応答型酸化チ
タンを一方の極として利用して太陽電池を作製する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、可視光応答型酸化
チタンを電極として利用した太陽電池及びその作製方法
に関するものである。特に、本発明は、太陽光の大部分
(約50〜60%)を占める可視光を吸収することが可
能であるTiO2−xを電極として利用した太陽電
池及びその作製方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】太陽電池は、照射された光により起電力
を生じせしめて、光電変換を行うものであり、電解液を
使用する湿式タイプやpn接合型の乾式タイプがある。
【0003】湿式タイプの太陽電池として、従来から、
二酸化チタン等の光触媒と呼ばれる酸化物を電極として
利用したものが提案されている。二酸化チタンを利用す
る場合には、二酸化チタンの価電子帯の電子を伝導帯に
励起させるために、約3.2eVに相当する波長の光が
必要となる。この波長の光は、太陽光でいうと紫外光よ
りも強い波長の光(380nm以下)に相当する。つま
り、二酸化チタンを利用した湿式太陽電池では、太陽光
のうち約5%の光しか利用できないということになる。
このため、可視光領域の光を利用することができる色素
を二酸化チタンに吸着させたものを電極として利用して
太陽電池を構成する方法がとられている。
【0004】図1は、従来の湿式タイプの太陽電池の構
成及び原理を説明するための模式図である。この太陽電
池1は一対の電極2及び3からなり、これらの電極2及
び3の間に電解液4が存在しているものである。電極2
は、半導体である二酸化チタンで構成され、電極3は、
例えば、白金、ITO(95%酸化インジウムと5%酸
化錫からなる化合物)等で構成されている。電解液は、
例えば、ヨウ素水溶液等が用いられる。
【0005】この湿式タイプの太陽電池1は、電極2に
太陽光が照射されると、この電極内で電子と正孔とが発
生する。次いで、電極2で発生した電子は、外部回路5
を介して、対極の電極3に引き渡される。一方、電極2
に残った正孔は、ヨウ素イオンを還元してIをI
に変える。このI は、電解液4中を拡散し、電極3
の表面に達すると、外部回路5を介して運ばれてきた電
子を受け取る。このサイクルが両電極の間に形成され、
電池として機能する。従来の太陽電池では、上記したよ
うに、二酸化チタンで構成された電極2に色素を混ぜて
可視光領域まで光の吸収を増感させているのが現状であ
る。
【0006】また、乾式タイプの太陽電池は、P型半導
体とN型半導体とを接合させたシリコン系太陽電池が主
流である。P型半導体にはシリコンにリンをドーピング
したものが、N型半導体にはシリコンに硼素をドーピン
グしたものが用いられている。 図2は、従来のpn接
合型の乾式タイプ太陽電池の構成及び原理を説明するた
めの模式図である。pn接合が形成されている半導体に
太陽光を照射すると、入射した光のうち、半導体のEg
よりも大きなエネルギー(短波長)によって、価電子帯
の電子が伝導帯に励起され、同時に価電子帯には正孔が
発生する。この半導体内で発生した電子−正孔対は、p
n接合部に形成された内部電界により、電子がnの方
向、正孔がpの方向にそれぞれ移動し、結果として起電
力が発生する。このpn接合型太陽電池では、p層側、
n層側にそれぞれ電極を形成して負荷を接続することに
より、上記のようにして発生した起電力・電流を利用し
て電池として機能する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
色素を利用した湿式タイプの太陽電池では、二酸化チタ
ンによる色素の劣化や蒸発の問題などがあり、実用電池
寿命が短く、実用化は困難であった。また、乾式タイプ
の太陽電池ではシリコンを使用するが、シリコンは高価
である上、その資源は有限である。このため、実用化は
しているもののそれほど普及していないのが現状であ
る。本発明の課題は、色素を利用しなくとも可視光で作
動することが可能な酸化チタンを利用した安価な太陽電
池及びその作製方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、二酸化チ
タン(TiO)を窒素含有ガス雰囲気中で加熱処理し
て得たTiO2−xを有する可視光応答型酸化チタ
ンを太陽電池の対極として利用することにより、上記課
題を解決することに成功し、本発明を完成するに至っ
た。
【0009】本発明の太陽電池は、電極として利用する
酸化チタンを、可視光領域で作動する可視光応答型酸化
チタンとしたものである。この可視光応答型酸化チタン
は、紫外光をも含む可視光領域(200nm〜1100
nm)の波長の光を吸収する。また、可視光応答型酸化
チタンは、式:TiO2−x(式中、0<x<1、
0<y<1)を有するものであることが好ましい。上記
可視光応答型酸化チタンを利用した太陽電池には、電解
液を使用する湿式タイプやpn接合型の乾式タイプがあ
る。
【0010】本発明の太陽電池の作製方法は、TiO
を窒素含有ガス雰囲気中で加熱して、TiOを窒化
し、式:TiO2−x(式中、0<x<1、0<y
<1)を有する可視光応答型酸化チタンを得、この可視
光応答型酸化チタンからなる電極を一方の極として用い
て、既知の手順で、電解液を使用する湿式タイプ又はp
n接合型の乾式タイプである太陽電池を作製することか
らなる。
【0011】上記窒素含有ガスは、純NHガス又はN
含有混合ガスであることが好ましく、前記加熱温度
は400℃以上、好ましくは500℃以上であり、そし
て前記可視光応答型酸化チタンは、紫外光をも含む可視
光領域(200nm〜1100nm)の波長の光を吸収
するものである。加熱温度が400℃未満であると、得
られた酸化チタンは、紫外光領域の波長の光は吸収でき
るが、可視光領域の波長の光を吸収し難いため、可視光
の照射では機能しないという問題がある。特に、500
℃以上で加熱処理して得たTiO2−xの場合、そ
の可視光領域の光吸収率は、従来の未処理のTiO
場合と比較すると大幅に増大する。なお、加熱処理する
前の二酸化チタンの形状には特に制限がない。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。本発明の一実施の形態である湿式タイプの太陽電
池は、一対の電極からなり、これらの電極の間に電解液
が介在している。この一対の電極のうち一方の電極は、
半導体であるTiO2−x(0<x<1、0<y<
1)を有する可視光応答型酸化チタンから構成されたも
のであり、200nm〜1100nmの波長の光を吸収
する。この電極は透明(無色透明、着色透明又は半透
明)電極上にTiO2−x膜を設けたものである。
【0013】他方の電極は、例えば、アルミニウム、ニ
ッケル、クロム、白金、銀、金、銅、モリブデン、チタ
ン、タンタルのような金属、又はこれらの合金、ITO
(95%酸化インジウムと5%酸化錫からなる化合
物)、酸化インジウム、酸化錫のような金属酸化物等で
構成されていても良い。また、電解液としては、例え
ば、ヨウ素水溶液等を含めて公知のものを使用すること
ができ、電解質としては固体の電解質を用いても良い。
【0014】この湿式タイプの太陽電池の作動原理は、
従来技術を示す図1を参照して既に説明した通りであ
る。例えば、可視光応答型酸化チタン電極と、白金電極
と、これらの間に存在するヨウ素水溶液とからなる太陽
電池は、酸化チタン電極に太陽光が照射されると、この
電極内で電子と正孔とが発生する。次いで、この酸化チ
タン電極で発生した電子は、外部回路を介して、対極の
白金電極に引き渡される。一方、酸化チタン電極に残っ
た正孔は、ヨウ素イオンを還元してIをI に変え
る。このI は、電解液中を拡散し、白金電極の表面
に達すると、外部回路を介して運ばれてきた電子を受け
取る。このサイクルが両電極の間に形成され、所望の太
陽電池として機能する。従来の太陽電池と異なり、本発
明で用いる酸化チタン電極は、可視光領域の波長の光を
充分に吸収することができるので、色素を混ぜて可視光
領域まで光の吸収を増感させる必要がない。
【0015】上記湿式タイプの太陽電池は、次のように
して作製される。例えば、酸化錫等から構成された透明
電極上に、公知の条件下、二酸化チタン(TiO)を
EBガンで蒸着して、又は二酸化チタンゾルをスピンコ
ート法で塗布して、TiO膜(例えば、膜厚500n
m)を形成し、次いで、純NHガス又はNH含有混
合ガス等の雰囲気中で、400℃以上の温度で所定の時
間加熱焼成し、式:TiO2−x(式中、0<x<
1、0<y<1)を有する可視光応答型酸化チタン膜を
得、この可視光応答型酸化チタン膜を一方の電極として
用い、他方の電極として上記したような白金等からなる
電極を用い、また、電解液として、例えば、ヨウ素水溶
液を用い、公知の湿式タイプの太陽電池の場合と同様に
して本発明の湿式タイプの太陽電池を作製する。
【0016】なお、スピンコート法によりTiO膜を
形成した場合は、まず、空気中で300〜600℃で加
熱焼成した後、純NHガス又はNH含有混合ガス等
の雰囲気中で所定の温度で焼成することが好ましい。上
記作製方法で用いる原料の二酸化チタンは資源が豊富で
あり、低コストであるために、製造コストはシリコン系
太陽電池の1/10〜1/5に抑えることができる。
【0017】また、本発明の別の実施の形態である乾式
タイプの太陽電池は、P型半導体とN型TiO2−x
とを接合させた可視光応答型TiO太陽電池であ
る。P型半導体としては、例えば、リンドープのシリコ
ンや、CuI等が用いられ、これにEBガン等でTiO
を蒸着して、又はTiOゾルをスピンコート法で塗
布して、TiO膜(例えば、膜厚500nm)を形成
し、次いで、純NH ガス又はNH含有混合ガス等の
雰囲気中で、400℃以上の温度で所定の時間加熱焼成
し、式:TiO2−x(式中、0<x<1、0<y
<1)を有するN型可視光応答型酸化チタン膜を得、こ
のN型可視光応答型酸化チタン膜を備えた太陽電池が得
られる。なお、スピンコート法によりTiO膜を形成
した場合は、まず、空気中で300〜600℃で加熱焼
成した後、純NHガス又はNH含有混合ガス等の雰
囲気中で所定の温度で焼成することが好ましい。
【0018】pn接合が形成されている半導体に太陽光
を照射すると、入射した光のうち、半導体のEgよりも
大きなエネルギー(短波長)によって、価電子帯の電子
が伝導帯に励起され、同時に価電子帯には正孔が発生す
る。この半導体内で発生した電子−正孔対は、pn接合
部に形成された内部電界により、電子がnの方向、正孔
がpの方向にそれぞれ移動し、結果として起電力が発生
する。このp層側、n層側にそれぞれ電極を形成して負
荷を接続することにより、上記したようにして発生した
起電力・電流を利用した本発明の乾式タイプの太陽電池
を公知の方法により構成することができる。
【0019】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して説明
する。 (実施例1)酸化錫透明電極上に二酸化チタン(TiO
)をEBガンで蒸着してTiO膜(膜厚500n
m)を形成し、これをNHガス雰囲気中でランプ方式
の加熱炉で500℃、15分間焼成した。かくして得ら
れた酸化チタン膜を有する電極を一方の極として、もう
一方の極として白金電極を用いた。両極をクリップで固
定した後、電解液(ヨウ素水溶液)を注入し、疑似太陽
光を照射して光電変換効率測定を行った。開放電圧値は
1.0V、短絡電流値は0.3mA/cm、光電変換
効率は1.0%であった。
【0020】上記のようにして得られた酸化チタン膜中
の窒素含有量を燃焼法にて測定したところ、その組成は
TiO2−x(x=0.2、y=0.2)であるこ
とがわかった。また、得られた酸化チタン膜の電気伝導
度(抵抗値)は、100Ωcmであった。さらに、得ら
れた酸化チタン(TiO1.80.2)膜の吸収スペ
クトルを調べるために、蛍光分光光度計による測定を行
った。無処理のTiO膜の吸収スペクトルを図3に、
500℃で15分間処理して得た酸化チタン膜の吸収ス
ペクトルを図4に示す。また、得られた酸化チタン膜に
ついて、エネルギーバンドギャップの測定を行った。無
処理のTiO膜の結果を図5に、500℃で処理して
得た酸化チタン膜の結果を図6に示す。
【0021】図3から明らかなように、無処理のTiO
膜は200〜400nm程度の紫外光領域の波長の光
を吸収することができたに過ぎなかったが、加熱処理し
て得られた膜は、図4から明らかなように、200〜6
75nmの波長の光を吸収することができることがわか
る。また、無処理のTiO膜の場合、図5から明らか
なように、2.97eVよりも大きなエネルギー準位に
相当する波長の光(紫外光のような短波長光)が必要で
あったが、加熱処理して得られた酸化チタン膜の場合、
図6から明らかなように、2.67eVよりも大きなエ
ネルギー準位に相当する波長の光、すなわち、無処理の
場合よりも長波長側の光(可視光)で充分である。従っ
て、後者の酸化チタン膜の場合、バンドギャップが太陽
光の吸収に適した大きさであり、可視光で十分に光電変
換機能を果たすことがわかる。
【0022】(実施例2)酸化錫透明電極上にTiO
をEBガンで蒸着しTiO膜(膜厚500nm)を形
成し、これをNHガス雰囲気中でランプ方式の加熱炉
で600℃、15分間焼成した。かくして得られた酸化
チタン膜を有する電極を一方の極として、もう一方の極
として白金電極を用いた。両極をクリップで固定した
後、電解液(ヨウ素水溶液)を注入し、疑似太陽光を照
射して光電変換効率測定を行った。開放電圧値は0.9
V、短絡電流値は0.2mA/cm、光電変換効率は
0.8%であった。
【0023】上記のようにして得られた酸化チタン膜中
の窒素含有量を燃焼法にて測定したところ、その組成は
TiO2−x(x=0.5、y=0.5)であるこ
とがわかった。また、得られた酸化チタン膜の電気伝導
度(抵抗値)は、10Ωcmであった。さらに、得られ
た酸化チタン(TiO1.50.5)膜の吸収スペク
トルを調べるために、蛍光分光光度計による測定を行っ
た。得られた結果を図7に示す。図7から明らかなよう
に、加熱処理して得られた酸化チタン膜は、200〜1
100nmの波長の光を吸収することができたことがわ
かる。
【0024】(実施例3)酸化錫透明電極上に市販のT
iOゾル(石原産業(株)製)をスピンコート法で塗布
し、これを空気中で400℃、30分間焼成した。その
後、NHガス雰囲気中において500℃、15分間焼
成した。かくして得られた酸化チタン膜を有する電極を
一方の極として、もう一方の極として白金電極を用い
た。両極をクリップで固定した後、電解液(ヨウ素水溶
液)を注入し、疑似太陽光を照射して光電変換効率測定
を行った。開放電圧値は0.9V、短絡電流値は0.3
mA/cm、光電変換効率は0.8%であった。上記
のようにして得られた酸化チタン膜中の窒素含有量を燃
焼法にて測定したところ、その組成はTiO2−x
(x=0.2、y=0.2)であることがわかった。ま
た、得られた酸化チタン膜の電気伝導度(抵抗値)は、
1kΩcmであった。
【0025】(実施例4)酸化錫透明電極上に実施例3
で用いたのと同じTiOゾルをスピンコート法で塗布
し、空気中で400℃、30分間焼成した。その後、N
ガス雰囲気中において600℃、15分間焼成し
た。かくして得られた酸化チタンを有する電極を一方の
極として、もう一方の極として白金電極を用いた。両極
をクリップで固定した後、電解液(ヨウ素水溶液)を注
入し、疑似太陽光を照射して光電変換効率測定を行っ
た。開放電圧値は1.0V、短絡電流値は0.3mA/
cm、光電変換効率は0.9%であった。上記のよう
にして得られた酸化チタン膜中の窒素含有量を燃焼法に
て測定したところ、その組成はTiO2−x(x=
0.5、y=0.5)であることがわかった。また、得
られた酸化チタン膜の電気伝導度(抵抗値)は、100
Ωcmであった。
【0026】(実施例5)P型半導体(リンドープのシ
リコン)にEBガンでTiO膜(膜厚500nm)を
蒸着し、これをNHガス雰囲気中において400℃、
15分間焼成した。これと酸化錫透明電極とをクリップ
で固定し、疑似太陽光を照射して光電変換効率測定を行
った。開放電圧値は1.0V、短絡電流値は0.2mA
/cm、光電変換効率は0.7%であった。上記のよ
うにして得られた酸化チタン膜中の窒素含有量を燃焼法
にて測定したところ、その組成はTiO2−x(x
=0.1、y=0.1)であることがわかった。また、
得られた酸化チタン膜の電気伝導度(抵抗値)は、10
kΩcmであった。
【0027】(実施例6)実施例1と同様にして、酸化
錫透明電極上にTiOをEBガンで蒸着してTiO
膜(膜厚500nm)を形成し、これをNHガス雰囲
気中において400℃、15分間焼成した。次いで、こ
の焼成されたTiO膜の上にCuIのP型半導体、酸
化錫透明電極の順に並べて封止した。これに疑似太陽光
を照射した結果、開放電圧値は0.9V、短絡電流値は
0.3mA/cm、光電変換効率は0.7%であっ
た。上記のようにして得られた酸化チタン膜の組成は実
施例5の場合と同様であった。
【0028】
【発明の効果】本発明によれば、特定の可視光応答型酸
化チタンを利用することにより、色素を使用せず、耐久
性がある太陽電池を提供することができる。この太陽電
池は、原料として二酸化チタンを用いるので、低コスト
で作製することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 従来の湿式タイプの太陽電池の構成及び原理
を説明するための模式図。
【図2】 従来のpn接合型の乾式タイプ太陽電池の構
成及び原理を説明するための模式図。
【図3】 無処理TiO膜の、分光光度計による吸収
波長の測定結果を示すグラフ。
【図4】 実施例1で作製したTiO2−x膜の、
分光光度計による吸収波長の測定結果を示すグラフ。
【図5】 無処理TiO膜の、エネルギーバンドギャ
ップを測定したグラフ。
【図6】 実施例1で作製したTiO2−x膜の、
エネルギーバンドギャップを測定したグラフ。
【図7】 実施例2で作製したTiO2−x膜の、
分光光度計による吸収波長の測定結果を示すグラフ。
【符号の説明】
1 太陽電池 2、3 電極 4 電解液 5 外部回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5F051 AA01 AA07 AA14 BA11 CB11 CB13 CB14 DA07 FA03 5H032 AA06 AS06 AS16 BB02 BB07 CC16 HH06 HH07

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸化チタンを電極として利用した太陽電
    池において、該酸化チタンは可視光領域で作動する可視
    光応答型であることを特徴とする太陽電池。
  2. 【請求項2】 前記可視光応答型酸化チタンは、紫外光
    をも含む可視光領域(200nm〜1100nm)の波
    長の光を吸収するものである請求項1記載の太陽電池。
  3. 【請求項3】 前記可視光応答型酸化チタンは、式:T
    iO2−x(式中、0<x<1、0<y<1)を有
    するものであることを特徴とする請求項1又は2に記載
    の太陽電池。
  4. 【請求項4】 前記可視光応答型酸化チタンを電極とし
    て利用した太陽電池は、電解液を使用する湿式タイプ又
    はpn接合型の乾式タイプであることを特徴とする請求
    項1〜3のいずれかに記載の太陽電池。
  5. 【請求項5】 酸化チタンを電極として利用した太陽電
    池の作製方法において、TiOを窒素含有ガス雰囲気
    中で加熱して、TiOを窒化し、式:TiO2−x
    (式中、0<x<1、0<y<1)を有する可視光応
    答型酸化チタンを得、この可視光応答型酸化チタンから
    なる電極を一方の極として用いて、電解液を使用する湿
    式タイプ又はpn接合型の乾式タイプである太陽電池を
    作製することを特徴とする太陽電池の作製方法。
  6. 【請求項6】 前記窒素含有ガスは、純NHガス又は
    NH含有混合ガスであり、前記加熱温度は400℃以
    上であり、そして前記可視光応答型酸化チタンは、紫外
    光をも含む可視光領域(200nm〜1100nm)の
    波長の光を吸収するものであることを特徴とする請求項
    5に記載の太陽電池の作製方法。
JP2001348658A 2001-11-14 2001-11-14 可視光応答型酸化チタンを利用した太陽電池及びその作製方法 Withdrawn JP2003151648A (ja)

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