JP2003151642A - リチウム二次電池の評価方法 - Google Patents

リチウム二次電池の評価方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電池に悪影響を与えることなく、電池の
密封性が十分であることを確認する試験方法が求められ
ていた。 【解決手段】 リチウム化合物を正極活物質とする正極
と、リチウムをドープ・脱ドープし得る化合物を負極活
物質とする負極と、正極と負極を絶縁するスペーサー
と、非水電解質とを電池要素として具備してなり、それ
ら電池要素が外装材で密封されたリチウム二次電池の評
価方法であって、該電池を水分子よりも小さい分子の気
体ガス雰囲気中で加圧し、電池の膨れの有無により密封
性の評価をすることを特徴とする電池の評価方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電池の評価方法に
関し、より詳細には電池の密封性の評価による電池の評
価方法に関する。また更には、該電池の評価方法で評価
された電池に関する
【0002】
【従来の技術】近年、カメラ一体型VTR装置、オーデ
ィオ機器、携帯型コンピュータ、携帯電話等様々な機器
の小型化、軽量化が進んでおり、これら機器の電源とし
ての電池に対する高性能化の要請が高まっている。中で
も高電圧、高エネルギー密度の実現が可能なリチウム二
次電池の開発が盛んになっている。
【0003】リチウム二次電池の電解液は非水電解液で
あり、水が電解液中に入って行くと電池性能を悪化させ
てしまう。そのため、防湿の処理、例えば金属製の外装
材に密封したり、ガスバリア層の両面に樹脂層を設けて
なる外装材で密封したりする必要があった。例えば、近
年電池の薄膜化、電池の軽量化等の要求により、特開平
8−83596号公報に記載のような電池要素(例えば
正極、セパレータ及び負極の積層体からなる発電素子)
をラミネートフィルムで被覆した電池が開発されてい
る。そのような電池は、積層体を密着させ、外圧を加え
ることにより位置ずれの防止を行っている。該電池は正
極、負極とそれぞれ独立して電気的に結合された金属製
のリードを外装材の封止部分を貫通して外装材外部に出
す必要があるが、該リードが貫通するためにその外装材
封止部分は封止が充分ではなく、水分の侵入により電池
性能の低下が起こる可能性を含んでいた。そのため、該
電池を商品として世に送り出すためにはその封止が充分
か否かチェックすることが求められるが、引っ張り試験
等では電池封止部分の封止を弱めることとなり、該試験
自体が電池に悪影響を与えるので、試験をすることがで
きなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】電池に悪影響を与える
ことなく、電池の密封性が十分であることを確認する試
験方法が求められていた。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等は上記課題を
解決すべく鋭意検討した結果、密封性(封止)の程度は
水分子が電池内部に入らない程度であればよいことに着
目し、水分子よりも小さい分子の気体ガスの出入りが無
ければ明らかに水を封止部分が通さないこととなるの
で、水分子よりも小さい分子の気体ガスを用いることに
より測定を行えば電池に外力ダメージによる悪影響を与
えるとなく電池の封止程度の判定をすることができるこ
とを見出し、本発明を完成するに至った。即ち本発明の
要旨は下記(1)〜(6)に存する。
【0006】(1)リチウム化合物を正極活物質とする
正極と、リチウムをドープ・脱ドープし得る化合物を負
極活物質とする負極と、正極と負極を絶縁するスペーサ
ーと、非水電解質とを電池要素として具備してなり、そ
れら電池要素が外装材で密封されたリチウム二次電池の
評価方法であって、該電池を水分子よりも小さい分子の
気体ガス雰囲気中で加圧し、電池の膨れの有無により密
封性の評価をすることを特徴とする電池の評価方法。
【0007】(2)電池要素が外装材間に介在され、該
外装材はガスバリア層の両面に樹脂層を設けてなる外装
材であり、該外装材の周縁部同士が封止されて電池要素
が密閉された電池である上記(1)に記載の評価方法。 (3)電池の膨れの有無により密封性の評価をした後、
続いて吸引減圧下に置き、吸引した気体中における使用
ガスのリーク量を計測することにより密封性の評価をす
る上記(1)又は(2)に記載の評価方法。
【0008】(4)水分子よりも小さい分子の気体ガス
が、ヘリウムガスである上記(1)〜(3)のいずれか
に記載の評価方法。 (5)加圧が、0.2〜1.0MPaである上記(1)
〜(4)のいずれかに記載の評価方法。 (6)リチウム化合物を正極活物質とする正極と、リチ
ウムをドープ・脱ドープし得る化合物を負極活物質とす
る負極と、正極と負極を絶縁するスペーサーと、非水電
解質とを電池要素として具備してなり、それら電池要素
が外装材で密封されたリチウム二次電池であって、請求
項1〜5のいずれかの評価方法で評価されたリチウム二
次電池。
【0009】
【発明の実施の態様】以下、図面を用いて、本発明を詳
細に説明する。本発明は、リチウム化合物を正極活物質
とする正極と、リチウムをドープ・脱ドープし得る化合
物を負極活物質とする負極と、正極と負極を絶縁するス
ペーサーと、非水電解質とを電池要素として具備してな
り、それら電池要素が外装材で密封されたリチウム二次
電池の評価方法に関する。より好ましくは図1〜3に示
す通り、電池要素1が外装材2、3間に介在され、該外
装材の周縁部2a、3a同士が封止されて電池要素が密
閉された電池であって、該外装材はガスバリア層の両面
に樹脂層を設けてなる外装材であり、正極及び負極のそ
れぞれと独立して電気的に結合された金属製のリード2
1を有し、該リードが外装材の封止部分を貫通して外装
材外部に出ている電池の評価方法に関する。
【0010】本発明においては、外装材が合成樹脂から
なる内側保護層を有し、リードが貫通している外装材の
封止部分に合成樹脂からなる封止材106が介在され、
該封止材はリード21の両面に配置され、かつリードの
外装材の封止部分を貫通する部分が、極性基を有する合
成樹脂でコーティングされている(図2の101)こと
が好ましい。
【0011】以下本発明の電池の好ましい実施形態につ
いて以下、図1〜4を参照して説明する。なお、図3
は、この電池単体の分解斜視図、図2はこの電池単体の
要部の断面図、図4は電池要素の概略的な斜視図であ
る。この電池単体は、電池要素1を外装材2の凹部2a
に収容した後、外装材3を外装材2に被せ、真空封止に
より外装材2、3の周縁部2a、3aを接合したもので
ある。
【0012】本発明のリチウム二次電池は、電池要素を
所定の外装ケースに収納してなる電池収納体からなる。
使用する外装ケースの形態は特に限定されず、金属缶等
でもよいが、小型化が可能となる点から可撓性のある外
装ケースが好ましい。可撓性のある外装ケースとは柔軟
性、屈曲性等形状可変性を有するケースを意味し、その
具体例としては、ビニール袋の様な高分子フィルムから
なる袋、高分子フィルムからなる真空包装用袋もしくは
真空パック、金属箔と高分子フィルムとのラミネート素
材からなる真空包装用袋もしくは真空パック、プラスチ
ックで形成された缶、プラスチックの板で挟んで周囲を
溶着、接着、はめ込み等で固定したケース等が挙げられ
る。これらの中では、気密性、形状可変性の点で高分子
フィルムからなる真空包装用袋もしくは真空パック、ま
たは金属箔と樹脂(高分子フィルム)とのラミネート素
材からなる真空包装用袋もしくは真空パックが好まし
い。
【0013】材質としては、プラスチック、高分子フィ
ルム、金属フィルム、ゴム、薄い金属板、ガスバリア層
と樹脂層とを有するラミネートフィルム等が挙げられ
る。ケースの材質として、特に好ましいのは、金属や金
属酸化物からなるガスバリア層の両面に樹脂層を設けて
なるラミネートフィルムである。ラミネートフィルムを
電池要素の外装ケースとして用いれば、電気機器の軽量
化・小型化が達成される。 尚、電池要素は、上記ケー
ス中に減圧状態で封入されるのが、装置の小型化及び電
池要素の接触の面から好ましい。この場合、大気圧との
差分が電池要素を押さえ付ける力となる。
【0014】特に好ましいのは、ガスバリア層の両面を
樹脂層で被覆したラミネートフィルムからなるケースを
使用して、この中に、電池要素を減圧状態で密封して収
納することである。ケースの成形はフィルム状体の周囲
を融着して形成してもよく、シート状体を真空成形、圧
空成形、プレス成形等によって絞り成形してもよい。ま
た、合成樹脂を射出成形することによって成形すること
もできる。射出成形によるときは、金属層はスパッタリ
ング等によって形成されるのが通常である。
【0015】外装材に凹部よりなる収容部を設けるには
絞り加工等によって行うことができる。図3の通り、外
装材2は平板状である。外装材3は方形箱状の凹部より
なる収容部3bと、この収容部3bの4周縁からフラン
ジ状に外方に張り出す周縁部3aとを有した浅い無蓋箱
状のものである。
【0016】図2、4の通り、電池要素1は、複数の単
位電池要素を積層したものである。この単位電池要素か
らは、タブ4a又は4bが引き出されている。正極から
の各タブ4a同士は束ねられて(即ち、相互に重ね合わ
され)、正極リード21が接合されている。負極からの
タブ4b同志も束ねられ、負極リード21が接合されて
いる。
【0017】図2の通り、本発明においてはリードが貫
通している外装材の封止部分に合成樹脂からなる封止材
106が用いられ、該封止材はリード21の両面に用い
られているものが好ましい。封止材としては合成樹脂か
らなるフィルムが挙げられる。その材質としては内側保
護層と同様の合成樹脂を酸で変成したものが挙げられ、
特に内側保護層との接着性の観点から、内側保護層を構
成する合成樹脂と同一の合成樹脂を酸で処理し変成させ
たものが好ましい。合成樹脂の酸変成物とは、酸処理に
より極性基を導入した合成樹脂である。具体的には極性
基を有するポリオレフィン系樹脂酸変性物が挙げられ
る。
【0018】本発明における極性基としては、カルボキ
シル基、酸無水物基、水酸基、燐酸基、亜燐酸基、硫酸
基、亜硫酸基、アミノ基、シアノ基、ニトロ基等が挙げ
られ、好ましくはカルボキシル基、酸無水物基である。
合成樹脂の酸変成物の作り方としては、例えば、ポリオ
レフィン系樹脂を原料として、α,β−不飽和カルボン
酸またはその無水物をラジカル開始剤の存在下にグラフ
ト重合することによって得られる。
【0019】封止材は、封止強度の観点から、リードの
両面に配置されるのが好ましい。また、封止材は、リー
ドと外装材との絶縁効果を持たせるという観点から、封
止材の一部が外装材の外部へ0.1〜2.0mm、好ま
しくは0.5〜1.5mm出るように配置するのが好ま
しい(図1、図2参照)。本発明における電池の一例と
しては、外装材3の収容部3b内に電池要素1が収容さ
れ、外装材2が被せられる。電池要素1から延出した1
対のリード21は、それぞれ外装材2、3の1辺部の周
縁部2a、3aの同士の合わせ面を通って外部に引き出
される。その後、減圧(好ましくは真空)雰囲気下で外
装材2、3の4周縁の周縁部2a、3a同士が熱圧着、
超音波溶着などの手法によって気密に接合され、電池要
素1が外装材2、3内に封入される。
【0020】周縁部2a、3a同士が接合されることに
より、接合片部(フラップ)4A、4Fが形成される。
このフラップ4A、4Fは、電池要素1を被包している
被包部4Bから外方に張り出している。そこで、この接
合片部4Aを被包部4Bに沿うように折曲し、接着剤や
接着テープ(図示略)等によて被包部4Bの側面に留め
付けられる。
【0021】図3では、外装材2、3が別体となってい
るが、本発明では、図5のように外装材2、3が一連一
体となっていても良い。図6では、外装材3の一辺と外
装材2の一辺とが連なり、外装材2が外装材3に対し屈
曲可能に連なる蓋状となっている。この外装材2、3が
連なる一辺から、収容部3bの凹部が形成されており、
この一辺においてはフラップ(接合片部)が形成されて
いない以外は図3と同一の構成のものとなる。
【0022】図3、5では、収容部3bを有した外装材
3と平板状の外装材2とが示されているが、本発明では
図6のように、それぞれ浅箱状の収容部6b、7bと、
該収容部6b、7bの4周縁から張り出す周縁部6a、
7aとを有した外装材6、7によって電池要素1を被包
しても良い。図6は、外装材6、7が一連一体となって
いるが、前記図3と同様にこれらは別体となっていても
よい。
【0023】図7のように1枚の平たいシート状の外装
材8を中央片8aに沿って2ツ折り状に折り返して第1
片8Aと第2辺8Bとの2片を形成し、これら第1片8
Aと第2片8Bとの間に電池要素1を介在させ、図8の
如く、第1片8Aと第2片8Bの周縁部8b同士を接合
して電池要素1を封入してもよい。なお、この実施の形
態にあっては、折曲されたフラップ(接合片部4A)を
被包部4Bに沿わせ、接着剤や接着テープで固定してい
るため、電池の側面の強度、剛性が高い。
【0024】但し、このフラップ4Aが被包部4Bから
側方に張り出したままであってもよい。上記電池要素1
は、正極及び負極を有する平板状の単位電池要素を厚さ
方向に複数積層してなる平板積層型電池要素であること
が好ましい。図9は、このリチウム二次電池要素の単位
電池要素の好適な一例を示すものである。この単位電池
要素は、正極集電体22、正極活物質23、スペーサ
(電解質層)24、負極活物質25、負極集電体26を
積層したものである。通常、正極活物質23は正極集電
体22の片面上に結着され、負極活物質25は負極集電
体26の片面上に結着されている。
【0025】この単位電池要素を複数個積層して電池要
素とするのであるが、この積層に際しては、正極を上側
とし負極を下側とした順姿勢(図9)の単位電池要素
と、これとは逆に正極を下側とし負極を上側とした逆姿
勢(図示略)の単位電池要素とを交互に積層する。即
ち、積層方向に隣り合う単位電池要素は同極同士を(即
ち、正極同士及び負極同士)が対面するように積層され
る。
【0026】この単位電池要素の正極集電体22からは
正極タブ4aが延設され、負極集電体26からは負極タ
ブ4bが延設されている。図9のように正極集電体と負
極集電体との間に正極活物質、スペーサ及び負極活物質
を積層した単位電池要素の代わりに、図10に示すよう
に、正極集電体15a又は負極集電体15bを芯材とし
てその両面に正極活物質11a又は負極活物質12aを
積層してなる正極11、負極12を準備し、この正極1
1と負極12とを図11の如くスペーサ(電解質層)1
3を介して交互に積層して単位電池要素としてもよい。
この場合は、1対の正極11と負極12との組み合わせ
(厳密には正極11の集電体15aの厚み方向の中心か
ら負極12の集電体15bの厚み方向の中心まで)が単
位電池要素に相当する。
【0027】正極集電体15a,22としてはアルミニ
ウム、ステンレス、ニッケル等の金属箔が使用でき、特
にアルミニウムが好適であり、負極集電体15b,26
としては、銅、ステンレス、ニッケルなどの金属箔が使
用でき、特に銅が好適である。集電体の厚みは1〜30
μm程度が好ましい。正極活物質としては、リチウムイ
オンを吸蔵・放出可能であれば無機化合物でも有機化合
物でも使用できる。無機化合物として、遷移金属酸化
物、リチウムと遷移金属との複合酸化物、遷移金属硫化
物、具体的には、MnO、V25、V613、TiO2
の遷移金属酸化物、ニッケル酸リチウム、コバルト酸リ
チウム、マンガン酸リチウムなどのリチウムと遷移金属
との複合酸化物、TiS2、FeS、MoS2などの遷移
金属硫化物等が挙げられる。これらの化合物はその特性
を向上させるために部分的に元素置換したものであって
もよい。有機化合物としては、例えばポリアニリン、ポ
リピロール、ポリアセン、ジスルフィド系化合物、ポリ
スルフィド系化合物が挙げられる。正極活物質は、これ
らの無機化合物、有機化合物を混合して用いてもよい。
特に好ましいものは、コバルト、ニッケル及びマンガン
からなる群から選ばれる少なくとも1種の遷移金属とリ
チウムとの複合酸化物である。
【0028】正極活物質の粒径は、それぞれ電池の他の
構成要素との兼合で適宜選択すればよいが、通常1〜3
0μm、特に1〜10μmとするのが初期効率、サイク
ル特性等の電池特性が向上するので好ましい。負極活物
質としては、通常、グラファイトやコークス等の炭素系
物質が挙げられる。この炭素系物質は、金属、金属塩、
酸化物などとの混合体や、被覆体の形態として用いても
よい。負極活物質としては、ケイ素、錫、亜鉛、マンガ
ン、鉄、ニッケル等の酸化物や硫酸塩、金属リチウム、
Li−Al、Li−Bi−Cd、Li−Sn−Cd等の
リチウム合金、リチウム遷移金属窒化物、シリコン等も
使用できる。好ましくは、容量の面からグラファイト又
はコークスである。負極活物質の平均粒径は、初期効
率、レイト特性、サイクル特性などの電池特性の向上の
観点から、通常12μm以下、好ましくは、10μm以
下とする。この粒径が大きすぎると電子伝導性が悪化す
る。また、通常は0.5μm以上、好ましくは7μm以
上である。
【0029】これらの正極活物質及び負極活物質を集電
体上に結着させるために、バインダーを使用することが
好ましい。バインダーとしてはシリケート、ガラスのよ
うな無機化合物や、主として高分子からなる各種の樹脂
が使用できる。樹脂としては、例えば、ポリエチレン、
ポリプロピレン、ポリ−1,1−ジメチルエチレンなど
のアルカン系ポリマー;ポリブタジエン、ポリイソプレ
ンなどの不飽和系ポリマー;ポリスチレン、ポリメチル
スチレン、ポリビニルピリジン、ポリ−N−ビニルピロ
リドンなどの環を有するポリマー;ポリメタクリル酸メ
チル、ポリメタクリル酸エチル、ポリメタクリル酸ブチ
ル、ポリアクリル酸メチル、ポリアクリル酸エチル、ポ
リアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリアクリルアミド
などのアクリル系ポリマー;ポリフッ化ビニル、ポリフ
ッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ
素系樹脂;ポリアクリロニトリル、ポリビニリデンシア
ニドなどのCN基含有ポリマー;ポリ酢酸ビニル、ポリ
ビニルアルコールなどのポリビニルアルコール系ポリマ
ー;ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデンなどのハロゲ
ン含有ポリマー;ポリアニリンなどの導電性ポリマーな
どが使用できる。また、上記のポリマーなどの混合物、
変性体、誘導体、ランダム共重合体、交互共重合体、グ
ラフト共重合体、ブロック共重合体などであっても使用
できる。
【0030】活物質100重量部に対するバインダーの
配合量は好ましくは0.1〜30重量部、更に好ましく
は1〜15重量部である。樹脂の量が少なすぎると電極
の強度が低下することがある。樹脂の量が少なすぎると
容量が低下したり、レイト特性が低下したりすることが
ある。正極活物質及び負極活物質中には必要に応じて導
電材料、補強材などの各種の機能を発現する添加剤、粉
体、充填材などを添加しても良い。
【0031】導電材料としては、上記活物質に適量混合
して導電性を付与できるものであれば特に制限は無い
が、通常、アセチレンブラック、カーボンブラック、黒
鉛などの炭素粉末や、各種の金属のファイバー、箔など
が挙げられる。添加剤としては、トリフルオロプロピレ
ンカーボネート、ビニレンカーボネート、1,6−Di
oxaspiro〔4,4〕nonane−2,7−d
ione、12−クラウン−4−エーテルなどが電池の
安定性、寿命を高めるために使用することができる。補
強材としては、各種の無機、有機の球状、繊維状フィラ
ーなどが使用できる。
【0032】電極を集電体上に形成する手法としては、
例えば、粉体状の活物質をバインダーと共に溶剤と混合
し、ボールミル、サンドミル、二軸混練機などにより分
散塗料化したものを、集電体上に塗布して乾燥する方法
が好適に行われる。この場合、用いられる溶剤の種類
は、電極材に対して不活性であり且つバインダーを溶解
し得る限り特に制限されず、例えばN−メチルピロリド
ン等の一般的に使用される無機、有機溶剤のいずれも使
用できる。
【0033】また、活物質をバインダーと混合し加熱す
ることにより軟化させた状態で、集電体上に圧着、ある
いは吹き付ける手法によって電極材層を形成することも
できる。さらには活物質を単独で集電体上に焼成するこ
とによって形成することもできる。正極、負極内には通
常イオン移動相が形成される。電極中におけるイオン移
動相の占める割合は、高い方がイオン移動が容易にな
り、レイト特性上は好ましい一方で低い方が容量的には
高くなる。好ましくは10〜50体積%である。イオン
移動相の材料としては、後述する電解質相の材料と同様
のものが使用できる。
【0034】正極活物質及び負極活物質の膜厚は容量的
には厚い方が、レイト上は薄い方が好ましい。膜厚は通
常20μm以上、好ましくは、30μm以上、さらに好
ましくは50μm以上、最も好ましくは80μm以上で
ある。正極及び負極膜厚は、通常200μm以下、好ま
しくは150μm以下である。スペーサ(電解質層)1
3,24は、通常、流動性を有する電解液や、ゲル状電
解質や完全固体型電解質等の非流動性電解質等の各種の
電解質を含む。電池の特性上は電解液又はゲル状電解質
が好ましく、また、安全上は非流動性電解質が好まし
い。特に、非流動性電解質を使用した場合、従来の電解
液を使用した電池に対してより有効に液漏れが防止でき
るので、後述するラミネートフィルムのような形状可変
性を有するケースを使用する利点を最大に生かすことが
できる。
【0035】電解質層に使用される電解液は、通常支持
電解質を非水系溶媒に溶解したものである。支持電解質
としては、電解質として正極活物質及び負極活物質に対
して安定であり、かつリチウムイオンが正極活物質或い
は負極活物質と電気化学反応をするための移動をおこな
い得る非水物質であればいずれのものでも使用すること
ができる。具体的にはLiPF6、LiAsF6、LiS
bF6、LiBF4、LiClO4、LiI、LiBr、
LiCl、LiAlCl、LiHF2、LiSCN、L
iSO3CF2等のリチウム塩が挙げられる。これらのう
ちでは特にLiPF6、LiClO4が好適である。
【0036】これら支持電解質を非水系溶媒に溶解した
状態で用いる場合の濃度は、0.5〜2.5mol/L
が好適である。これら支持電解質を溶解する非水系溶媒
は特に限定されないが、比較的高誘電率の溶媒が好適に
用いられる。具体的には、エチレンカーボネート、プロ
ピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチル
カーボネート、エチルメチルカーボネートなどの非環状
カーボネート類、テトラヒドロフラン、2−メチルテト
ラヒドロフラン、ジメトキシエタン等のグライム類、γ
−ブチルラクトン等のラクトン類、スルフォラン等の硫
黄化合物、アセトニトリル等のニトリル類等の1種又は
2種以上が例示される。
【0037】これらのうちでは、特にエチレンカーボネ
ート、プロピレンカーボネート等の環状カーボネート
類、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エ
チルメチルカーボネートなどの非環状カーボネート類か
ら選ばれた1種又は2種以上の溶媒が好適である。ま
た、これらの溶媒に添加剤などを加えてもよい。添加剤
としては、例えば、トリフルオロプロピレンカーボネー
ト、ビニレンカーボネート、1,6−Dioxaspi
ro〔4,4〕nonane−2,7−dione、1
2−クラウン−4−エーテルなどが電池の安定性、寿命
を高める目的で使用できる。
【0038】電解質層に使用できるゲル状電解質は、通
常、上記電解液を高分子によって保持してなる。即ち、
ゲル状電解質は、通常電解液が高分子のネットワーク中
に保持されて全体として流動性が著しく低下したもので
ある。このようなゲル状電解質は、イオン伝導性などの
特性は通常の電解液に近い特性を示すが、流動性、揮発
性などは著しく抑制され、安全性が高められている。ゲ
ル状電解質中の高分子の比率は好ましくは1〜50重量
%である。低すぎると電解液を保持することができなく
なり、液漏れが発生することがある。高すぎるとイオン
伝導度が低下して電池特性が悪くなる傾向にある。
【0039】ゲル状電解質に使用する高分子としては、
電解液と共にゲルを構成しうる高分子であれば特に制限
は無く、ポリエステル、ポリアミド、ポリカーボネー
ト、ポリイミドなどの重縮合によって生成されるもの、
ポリウレタン、ポリウレアなどのように重付加によって
生成されるもの、ポリメタクリル酸メチルなどのアクリ
ル誘導体系ポリマーやポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニ
ル、ポリフッ化ビニリデンなどのポリビニル系などの付
加重合で生成されるものなどがある。好ましい高分子と
しては、ポリアクリロニトリル、ポリフッ化ビニリデン
を挙げることができる。ここで、ポリフッ化ビニリデン
とは、フッ化ビニリデンの単独重合体のみならず、ヘキ
サフルオロプロピレン等他のモノマー成分との共重合体
をも包含する。また、アクリル酸、アクリル酸メチル、
アクリル酸エチル、エトキシエチルアクリレート、メト
キシエチルアクリレート、エトキシエトキシエチルアク
リレート、ポリエチレングリコールモノアクリレート、
エトキシエチルメタクリレート、メトキシエチルメタク
リレート、エトキシエトキシエチルメタクリレート、ポ
リエチレングリコールモノメタクリレート、N,N−ジ
エチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジメチルア
ミノエチルアクリレート、グリシジルアクリレート、ア
リルアクリレート、アクリロニトリル、N−ビニルピロ
リドン、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエ
チレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリ
コールアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリ
レート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリ
エチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレン
グリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコール
ジメタクリレートなどのアクリル系モノマーを重合して
得られるアクリル系ポリマーも好ましく用いることがで
きる。
【0040】上記高分子の重量平均分子量は、通常10
000〜5000000の範囲である。分子量が低いと
ゲルを形成しにくくなる。分子量が高いと粘度が高くな
りすぎて取り扱いが難しくなる。高分子の電解液に対す
る濃度は、分子量に応じて適宜選べばよいが、好ましく
は0.1〜30重量%である。濃度が低すぎるとゲルを
形成しにくくなり、電解液の保持性が低下して流動、液
漏れの問題が生じることがある。濃度が高すぎると粘度
が高くなりすぎて工程上困難を生じると共に、電解液の
割合が低下してイオン伝導度が低下しレイト特性などの
電池特性が低下することがある。
【0041】電解質層として完全固体状の電解質層を用
いることもできる。このような固体電解質としては、こ
れまで知られている種々の固体電解質を用いることがで
きる。例えば、上述のゲル状電解質で用いられる高分子
と支持電解質塩を適度な比で混合して形成することがで
きる。この場合、伝導度を高めるため、高分子は極性が
高いものを使用し、側鎖を多数有するような骨格にする
ことが好ましい。
【0042】電解質層として、上記電解質を多孔膜等の
多孔性シートに含浸したものを用いてもよい。電解質層
の厚みは、通常1〜200μm、好ましくは、5〜10
0μmである。多孔性シートとしては、具体的には厚さ
通常1μm以上、好ましくは5μm以上、また通常20
0μm以下、好ましくは100μm以下のものが使用さ
れる。空隙率は、通常10〜95%、好ましくは30〜
85%程度である。多孔性シートの材料としては、ポリ
オレフィン又は水素原子の一部もしくは全部がフッ素置
換されたポリオレフィンを使用することができる。具体
的には、ポリオレフィン等の合成樹脂を用いて形成した
微多孔性膜、不織布、織布等を用いることができる。
【0043】電極の平面形状は任意であり、四角形、円
形、多角形等にすることができる。図9〜10の通り、
集電体22,26又は15a,15bには、通常、リー
ド結合用のタブ4a,4bが連設される。電極が四角形
であるときは、通常図4や9に示すように電極の一辺の
一サイド近傍に正極集電体より突出するタブ4aを形成
し、また、負極集電体のタブ4bは他サイド近傍に形成
する。
【0044】複数の電池要素を積層するのは、電池の高
容量化を図る上で有効であるが、この際、電池要素それ
ぞれからのタブ4aとタブ4bの夫々は、通常、厚さ方
向に結合されて正極と負極のリード結合端子が形成され
る。その結果、大容量の電池要素1を得ることが可能と
なる。タブ4a,4bには、前記図2に示すように、薄
片状の金属からなるリード21が結合される。その結
果、リード21と電池要素の正極及び負極とが電気的に
結合される。タブ4a同士、4b同士の結合及びタブ4
a,4bとリード21との結合はスポット溶接等の抵抗
溶接、超音波溶着あるいはレーザ溶接によって行うこと
ができる。
【0045】本発明においては、上記正極リードと負極
リードの少なくとも一方のリード21好ましくは両方の
リードとして、焼鈍金属を使用するのが好ましい。その
結果、強度のみならず折れ曲げ耐久性に優れた電池とす
ることができる。リードに使用する金属の種類として
は、一般的にアルミや銅、ニッケルやSUSなどを用い
ることができる。正極のリードとして好ましい材料はア
ルミニウムである。また、負極のリードとして好ましい
材質は銅である。
【0046】リード21の厚さは、通常1μm以上、好
ましくは10μm以上、更に好ましくは20μm以上、
最も好ましくは40μm以上である。薄すぎると引張強
度等リードの機械的強度が不十分になる傾向にある。ま
た、リードの厚さは、通常1000μm以下、好ましく
は500μm以下、さらに好ましくは100μm以下で
ある。厚すぎると折り曲げ耐久性が悪化する傾向にあ
り、また、ケースによる電池要素の封止が困難になる傾
向にある。リードに後述する焼鈍金属を使用することに
よる利点は、リードの厚さが厚いほど顕著である。
【0047】リードの幅は通常1mm以上20mm以
下、特に1mm以上10mm以下程度であり、リードの
外部への露出長さは通常1mm以上50mm以下程度で
ある。上記の外装材2,3,6,7,8は、形状可変性
を有することが好ましい。その結果、電池の形状を様々
に変更することが容易に可能となる。また、外装材の内
部を真空状態とした後、外装材の周縁部を封止すること
により、電池要素1に押し付け力を付与することがで
き、その結果、サイクル特性などの電池特性を向上させ
ることができる。
【0048】本発明は、上述した様なリチウム二次電池
の評価方法である。具体的には、評価する二次電池を水
分子よりも小さい分子の気体ガス雰囲気中で加圧し、電
池の膨れの有無により密封性の評価をするものである。
電池の膨れが無い場合は、水分子より小さい分子の気体
ガスが二次電池内部に侵入しない程度の密封性が確保さ
れているということであり、即ち、その気体ガスよりサ
イズの大きい水分子は二次電池内部に侵入できない程度
に密封性が確保されているということになる。水分子が
二次電池内部に侵入しなければ、水分子による電池性能
の低下を抑制できるので、合格品として評価できる。逆
に電池に膨れが発生した場合は、水分子が二次電池内部
に侵入する可能性があるので不合格品として評価でき
る。
【0049】本発明において「水分子より小さい分子」
とは、水分子よりその分子サイズが小さい分子を意味
し、例えば水素、ヘリウム等が挙げられる。取り扱い時
の安全性の観点、空気中の含有量が少ないという観点、
化学的不活性で無害であるという観点、電池材料からの
放出ガスに含まれないという観点等から、好ましくはヘ
リウムである。
【0050】水分子よりも小さい分子の気体ガス雰囲気
中で加圧する際の加圧の程度としては通常0.1MPa
より大であればよいが、好ましくは0.2MPa以上、
より好ましくは0.4MPa以上であり、通常1.0M
Pa以下、好ましくは0.8MPa以下、より好ましく
は0.6MPa以下である。加圧の程度が低すぎると水
分子より小さい分子の気体ガスが電池内部に侵入しにく
く、短期での評価が行えない。高すぎると電池そのもの
に悪影響を与えてしまう。
【0051】加圧の時間は加圧力にもよるが、通常1時
間以上が好ましく、2時間以下が好ましい。加圧時間が
短すぎると密封性が不充分でも電池が膨れない場合があ
り、正確な評価ができない。加圧時間の上限は特にない
が、むやみに長くしても評価において意味がない。本発
明においては、水分子よりも小さい分子の気体ガス雰囲
気中で加圧し、電池の膨れの有無により密封性の評価を
するが、加圧装置の構造上、加圧下での目視が難しい場
合は、水分子よりも小さい分子の気体ガス雰囲気中で加
圧した後、加圧装置から電池を取り出し、大気下にて電
池の膨れの有無により密封性の評価をしてもよい。
【0052】上記の様な評価を行うには、例えば、気体
ガスを充填することができる機構を備えた加圧容器を用
いればよい。本発明における電池の膨れの有無の評価
は、目視、触手、ノギス等による測定により行うことが
できる。本発明においては上記の様な評価が可能である
が、膨れの有無がはっきりしない場合は、更に、続いて
吸引減圧下に置き、吸引した気体中における使用ガスの
リーク量を計測することにより密封性の評価をすること
ができる。この操作により、水分子よりも小さい分子の
気体ガスが二次電池内部への侵入の有無を確認できる。
その際、35mm×62mm×3.8mmのサイズの二
次電池の場合であれば吸引した気体中における使用ガス
のリーク量が5×10-8Pa・m3/sec(=0.0
16cc/day)以下であれば密封性は合格(合格
品)と評価し、リーク量が5×10-8Pa・m3/se
c(=0.016cc/day)より多い場合は密封性
不合格(不合格品)と判断される。
【0053】この合格・不合格の判断基準となるリーク
量5×10-8Pa・m3/sec(=0.016cc/
day)は、前述の「電池を水分子よりも小さい分子の
気体ガス雰囲気中で加圧し、電池の膨れの有無による密
封性の評価」を行い、膨れが無い(密封性が確保されて
いる)と判断された電池複数個について上述の通り電池
を吸引減圧下に置き、吸引した気体中における使用ガス
のリーク量を計測し、それらの電池の中で最も大きいリ
ーク量をこの判断基準の値とする。この値を決める際に
は、同条件で製造した電池を前述の「電池を水分子より
も小さい分子の気体ガス雰囲気中で加圧し、電池の膨れ
の有無による密封性の評価」を行った際に、膨れが無い
電池と、膨れが有る電池及び/又は判断がつかない電池
があるような条件で製造した電池を用いて決めることが
好ましい。膨れの有無による密封性の評価で全てが膨れ
が無い製造条件の電池を用いた場合は、この合格・不合
格の判断基準が極めて高い水準におかれることとなり、
このリーク量の測定による判定が必要な膨れが有るか否
か不明な電池は全て不合格なる場合が生じ、実質的でな
い。この合格・不合格の判断基準としてのリーク量は、
電池のサイズにより異なってくるため、上記の様にして
決定すればよい。しかしながら、この基準は製品として
の電池の密封性のスペックをどこに置くかによるので、
上記の様にして得られた値を参考にして任意に選択して
もよい。
【0054】なお、二次電池を水分子よりも小さい分子
の気体ガス雰囲気中で加圧し、電池の膨れの有無により
密封性の評価をした後、更に、続いて吸引減圧下に置
き、吸引した気体中における使用ガスのリーク量を計測
することにより密封性の評価をする場合は、吸引減圧下
に置く前に大気中に15分程度放置することが好まし
い。すぐに吸引減圧下に置いてガスのリーク量を調べる
と、電池の膨れの有無により密封性の評価をした際に電
池外面についた気体ガスが十分に除去されず、リーク量
の測定時に測定されてしまうことがある。
【0055】本発明における吸引減圧の程度としては、
通常0.1MPaより小さい範囲であればよく、効率面
から真空又は真空近辺まで吸引減圧することが好まし
い。吸引減圧の程度に特に下限はないが、真空以上に減
圧することはできない。吸引減圧の程度が低すぎると短
期での評価が行えない。なお本発明において「使用ガ
ス」とは、この操作の前段階の「電池を水分子よりも小
さい分子の気体ガス雰囲気中で加圧し、次いで電池を大
気下に置き、電池の膨れの有無により密封性の評価をす
る」という段階で使用した「水分子よりも小さい分子の
気体ガス」を意味する。
【0056】吸引減圧下に置き、吸引した気体中におけ
る使用ガスのリーク量を計測する方法としては、例えば
減圧機構を有する市販の測定装置を用いれば良く、例え
ばアネルバ株式会社製 ヘリウムリークディテクタ A−
220M−LDを使用すればよい。本発明においては、
上記の様に非破壊で電池の評価が出来るため、電池評価
したそのものの電池を出荷することが可能であり、出荷
電池の全量検査も可能とするのもである。
【0057】なお本発明は、上述の評価方法で評価され
たリチウム二次電池(上述の評価方法で合格品と評価さ
れた電池)も包含する。
【0058】
【実施例】以下本発明を実施例により、より詳細に説明
する。 [封止材]無水マレイン酸で変性したポリプロピレン、三
菱化学製 商品名「モディックAP−P513V」を成
形して得られたフィルム(100μm厚)を使用した。
【0059】[外装材]外層(ナイロン)、中間層(アル
ミ)、内層(ポリプロピレン)からなる積層体であり、
各層は接着剤により接合されている [真空熱シール条件]リード貫通部を含め、外装材の合わ
せ面は、190℃で10秒間、0.5MPaで加圧し
て、熱融着させた。
【0060】[電池1の製造]活物質としてのコバルト酸
リチウムとポリフッ化ビニリデンとアセチレンブラック
とからなる厚さ60μm活物質層を厚さ20μmのアル
ミニウム集電体上に形成してなる正極と、活物質として
のグラファイトとポリフッ化ビニリデンとからなる厚さ
40μmの活物質層を厚さ10μmの銅集電体上に形成
してなる負極とを、厚さ約20μmの微多孔性のポリエ
チレン製延伸フィルムを介して積層してリチウム二次電
池からなる平板状の単位電池要素を作成した。電解質と
しては、LiPF6をカーボネート系溶媒に溶解してな
る電解液をアクリル系高分子によって保持したゲル状電
解質を使用した。このゲル状電解質は、上記延伸フィル
ムの空隙、並びに正極及び負極に存在させた。また、ス
ペーサーを構成する該延伸フィルムの周縁部が、正極及
び負極の周縁部よりも大きくなるようにした。
【0061】得られた単位電池要素を20枚厚さ方向に
積層し、正・負極タブを結集し、各アルミニウム箔、銅
箔のリードを超音波溶着した。これをラミネート状複合
材からなる外装材(構成は上述の通り)に収納し、真空
封止することによって、図2〜4に示すような平板積層
型電池とした。この際、外装材のリードが貫通する封止
部分に封止材を貼り付け、真空熱シールで封止して35
mm×62mm×3.8mmのサイズの電池を15個制
作した。
【0062】なお、本発明で用いた封止材及び真空熱シ
ール条件は上述の通りである。 [電池2の製造]封止材を貼り付けなかった以外は[電池
1の製造]と同様にして、電池を15個制作した。 [電池3の製造]真空熱シール条件を「190℃で5秒
間、0.5MPaで加圧して、熱融着させた」とした以
外は[電池1の製造]と同様にして、電池を10個作製し
た。
【0063】[電池4の製造]リード1個(5mm×20
mm×80μm)につき電解液1ccを塗布(1ccを
まんべんなく引き延ばして両面に塗布)した以外は[電
池1の製造]と同様にして、電池を10個制作した。 実施例1 電池10個を0.5MPaのヘリウムチャンバー内(ヘ
リウム濃度99.995%)に60分放置し、取り出し
て外装材の膨れを観察した。結果を表1に示す。
【0064】
【表1】 実施例2 上記実施例1で判定不能と判断された電池を、ヘリウム
チャンバーから取り出してから15分経過するまで大気
中に放置した。次いで該電池をアネルバ株式会社製 ヘ
リウムリークディテクタ A−220M−LDに入れ、
真空まで吸引減圧し、25秒間保ち、吸引した気体中に
おける使用ガスのリーク量を計測した。その結果、リー
ク量が5×10-8Pa・m3/sec(=0.016c
c/day)以下の電池を合格品、リーク量が5×10
-8Pa・m3/sec(=0.016cc/day)よ
り多い電池を不合格品と判定した。その結果を表2に示
す。
【0065】
【表2】 試験例1 電池1及び電池2の電池それぞれ5個を、50℃、相対
湿度90%の環境下に10日間放置した後、該電池を分
解し、電解液中に含まれる水分量を測定した。電池1の
電解液中の水分量(5個の平均)は15ppm、電池2
の電解液中の水分量は50ppmであった。(電池製造
に使用した電解液の水分濃度は0ppmである) 試験例2 上記実施例2において、電池3と電池4の合格品と不合
格品につき図12のようにリードが外装材を貫通してい
る部分と反対側の外装材をはさみでカットし、そのカッ
トした部分からインク(三菱瓦斯化学株式会社製 エイ
ジレス)5ccを注入した。リードが外装材を貫通して
いる部分が下になるような状態で電池を5分間保持した
ところ、合格品には特に変化は見られなかったが、不合
格品の方は、リードの周りにインクがしみ出て来た。
【0066】
【発明の効果】本発明により、電池に悪影響を与えるこ
となく、電池の密封性が十分であることを確認すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 平板型二次電池の斜視図である。
【図2】 平板型二次電池の要部の断面図である。
【図3】 平板型二次電池の分解斜視図である。
【図4】 平板型二次電池の電池要素を示す斜視図であ
る。
【図5】 平板型二次電池の製造途中の斜視図である。
【図6】 平板型二次電池の製造途中の斜視図である。
【図7】 平板型二次電池の製造途中の斜視図である。
【図8】 図10の平板型二次電池の製造途中の平板図
である。
【図9】 単位電池要素の斜視図である。
【図10】 正極又は負極の模式的な断面図である。
【図11】 電池要素の模式的な断面図である。
【図12】 試験例2の図である。
【符号の説明】
101 極性基を有する合成樹脂によるリードのコーテ
ィング 106 封止材 1 電池要素 2,3,6,7,8 外装材 4a,4b タブ 4A,4F 接合片部(フラップ) 4B 被包部 11 正極 11a 正極活物質 12 負極 12b 負極活物質 13 非流動性電解質層 15a 正極集電体 15b 負極集電体 21 リード 22 正極集電体 23 正極活物質 24 スペーサー(電解質層) 25 負極活物質 26 負極集電体 50 電池単体 C カット部分
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5H011 AA12 CC02 CC06 CC10 DD03 DD13 5H029 AJ14 AJ15 AK02 AK03 AK05 AK16 AL01 AL02 AL06 AL12 AM03 AM04 AM05 AM07 BJ04 BJ12 BJ21 CJ03 CJ28 HJ15 5H030 AA06 AA09 AS11 FF31

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 リチウム化合物を正極活物質とする正極
    と、リチウムをドープ・脱ドープし得る化合物を負極活
    物質とする負極と、正極と負極を絶縁するスペーサー
    と、非水電解質とを電池要素として具備してなり、それ
    ら電池要素が外装材で密封されたリチウム二次電池の評
    価方法であって、該電池を水分子よりも小さい分子の気
    体ガス雰囲気中で加圧し、電池の膨れの有無により密封
    性の評価をすることを特徴とする電池の評価方法。
  2. 【請求項2】 電池要素が外装材間に介在され、該外装
    材はガスバリア層の両面に樹脂層を設けてなる外装材で
    あり、該外装材の周縁部同士が封止されて電池要素が密
    閉された電池である請求項1に記載の評価方法。
  3. 【請求項3】 電池の膨れの有無により密封性の評価を
    した後、続いて吸引減圧下に置き、吸引した気体中にお
    ける使用ガスのリーク量を計測することにより密封性の
    評価をする請求項1又は2に記載の評価方法。
  4. 【請求項4】 水分子よりも小さい分子の気体ガスが、
    ヘリウムガスである請求項1〜3のいずれかに記載の評
    価方法。
  5. 【請求項5】 加圧が、0.2〜1.0MPaである請
    求項1〜4のいずれかに記載の評価方法。
  6. 【請求項6】 リチウム化合物を正極活物質とする正極
    と、リチウムをドープ・脱ドープし得る化合物を負極活
    物質とする負極と、正極と負極を絶縁するスペーサー
    と、非水電解質とを電池要素として具備してなり、それ
    ら電池要素が外装材で密封されたリチウム二次電池であ
    って、請求項1〜5のいずれかの評価方法で評価された
    リチウム二次電池。
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