JP2001167798A - 固体電解質電池 - Google Patents
固体電解質電池Info
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Abstract
ができる。 【解決手段】 帯状の正極集電体の両面に正極活物質層
が形成されてなる正極と、帯状の負極集電体の両面に負
極活物質層が形成されてなる負極とが、固体電解質層を
介して積層され、長手方向に巻回されてなる巻回体を有
する。そして、上記巻回体が、最外周部となる電極の長
さ方向の一端部に、集電体の片面が露出している集電体
片面露呈部分を有し、その集電体片面露呈部分が、巻回
体の外周を1周以上覆っている。
Description
状の負極とが固体電解質層(さらには、必要に応じてセ
パレータ)を介して積層され、長手方向に巻回されてな
る電極巻回体を備えた固体電解質電池に関する。
化、高性能化に伴い、エネルギー貯蔵源である電池の小
型化、高容量化が急がれており、その中でも、高作動電
圧、高エネルギー密度を有するリチウムイオン二次電池
が注目されている。現在のリチウムイオン二次電池に使
用されている電解質は非水電解液であり、これには電解
液の漏液という問題を抱えている。この問題を解決する
方法として、ゲル状電解質、固体電解質を用いた電池が
挙げられる。これらの電池は電解液の漏液問題がない、
電池の薄型化が可能、フレキシビリティがあるという利
点を有していることから、小型携帯機器への適用が盛ん
になっている。
の技術では、帯状の正極と、セパレータと、帯状の負極
とを重ね合わせ、作製された素電池を巻回し、その後に
正極及び負極に電極端子を取り付け、プラスチックフィ
ルムのラミネート材に数カ所熱融着もしくは真空シール
することにより薄型電池を作製していた。
固体電解質電池においては、電池が外部からの圧力によ
り押しつぶされたりする等、不慮の事故にあって、電池
内において正極と負極とが短絡することで、発熱や発煙
等により電池全体に損傷を与えるおそれがあった。ま
た、既存の電池はベタ塗り電極、すなわち電極集電体露
呈部分のない帯状電極を使用しており、この電極を用い
て巻回した際には最外周にも電極活物質層がきており、
この電極活物質層は未使用部分となるため、体積エネル
ギー密度的にもロスが生じる。
て提案されたものであり、電池が圧壊しても損傷を最小
限に抑えることができる固体電解質電池を提供すること
を目的とする。
は、帯状の正極集電体の両面に正極活物質層が形成され
てなる正極と、帯状の負極集電体の両面に負極活物質層
が形成されてなる負極とが、少なくとも固体電解質層を
介して積層され、長手方向に巻回されてなる巻回体を有
する。そして、本発明の固体電解質電池は、上記巻回体
が、最外周部となる電極の長さ方向の一端部に、集電体
の片面が露出している集電体片面露呈部分を有し、その
集電体片面露呈部分が、上記巻回体の外周を1周以上覆
っていることを特徴とする。
池では、最外周部となる電極の一端部に集電体露呈部分
を有し、その集電体片面露呈部分が、上記巻回体の外周
を1周以上覆っているので、電池が圧壊して正極と負極
とが短絡しても、初期の段階において集電体露呈部分が
短絡により発生する熱を拡散するので、電極活物質層へ
の影響はほとんどなく、電池全体に損傷を及ぼさない。
いて、正極と負極とが固体電解質層及びセパレータを介
して積層され、巻回されていてもよい。
のみにした場合、電池の歩留まりが低下する傾向が見ら
れる。例えばゲル電解質層は、セパレータよりも軟らか
いことから、面方向に圧力が加わった場合に、正極・負
極間でショートが起こり、電池本来の役割を果たさなく
なる可能性があるからである。
とにより、固体電解質層+セパレータの合計厚さを固体
電解質層単独の場合に比べて薄くしても歩留まりは下が
らず、したがって、セパレータの導入により、歩留まり
良く高エネルギー密度の固体電解質電池が実現される。
て説明する。
成例を図1及び図2に示す。このゲル電解質電池1は、
帯状の正極2と、正極2と対向して配された帯状の負極
3と、正極2と負極3との間に配されたゲル電解質層4
とを備える。そして、このゲル電解質電池1は、正極2
と負極3とがゲル電解質層4を介して積層されるととも
に長手方向に巻回された、図3に示す電極巻回体5が、
絶縁材料からなる外装フィルム6により覆われて密閉さ
れている。そして、正極2には正極端子7が、負極3に
は負極端子8がそれぞれ接続されており、これらの正極
端子7と負極端子8とは、外装フィルム6の周縁部であ
る封口部に挟み込まれている。
を含有する正極活物質層2aが、正極集電体2bの両面
上に形成されている。この正極集電体2bとしては、例
えばアルミニウム箔等の金属箔が用いられる。
物質と、導電材と、結着材とを均一に混合して正極合剤
とし、この正極合剤を溶剤中に分散させてスラリー状に
する。次にこのスラリーをドクターブレード法等により
正極集電体2b上に均一に塗布し、高温で乾燥させて溶
剤を飛ばすことにより形成される。ここで、正極活物
質、導電材、結着材及び溶剤は、均一に分散していれば
よく、その混合比は問わない。
移金属との複合酸化物が用いられる。具体的に、正極活
物質としては、LiCoO2、LiNiO2、LiMn2
O4等が例示される。遷移金属元素は1種類のみの使用
だけでなく、2種類以上の使用も可能である。LiNi
0.5Co0.5O2等がその例として挙げられる。
が用いられる。また、結着材としては、例えばポリフッ
化ビニリデン等が用いられる。また、溶剤としては、例
えばN−メチルピロリドン等が用いられる。
さ方向の一端部に、正極集電体2bの一方の面にのみ正
極活物質層2aが形成され、正極集電体2bの他方の面
が露出している正極集電体片面露呈部分10aを有して
いる。
されている側の端部は、電極巻回体5とされたときには
電極巻回体5の外周側となる。そして、この正極集電体
片面露呈部分10aは、図5に示すように、電極巻回体
5の外周を1周以上覆うこととなる。ここで、電極巻回
体5の最外周部分において、正極集電体片面露呈部分1
0aに対向して負極3は配されておらず、正極集電体片
面露呈部分10aのみが電極巻回体5の外周を覆ってい
る。
aの、電極巻回体5とされたときに外周側となる端部
は、正極活物質層2aが形成されず、正極集電体2bの
両面が露出している正極集電体両面露呈部分10bとさ
れている。そして、この正極集電体両面露呈部分10b
は、図5に示すように、電極巻回体5の外周を1周以上
覆う正極集電体片面露呈部分10aの外側を更に1周以
上覆うこととなる。ここで、以下の説明において、上記
正極集電体片面露呈部分10aと上記正極集電体両面露
呈部分10bとを併せて単に正極集電体露呈部分10と
称する場合がある。
ット溶接又は超音波溶接で接続された正極端子7を有し
ている。この正極端子7は、金属箔、網目状のものが望
ましいが、電気化学的及び化学的に安定であり、導通が
とれるものであれば金属でなくとも問題はない。正極端
子7の材料としては、例えば銅、ニッケル、アルミニウ
ム等が挙げられる。
ていることが好ましいが、短絡等が起こらず電池性能に
も問題が起こらなければ、どの方向に出ていようが問題
はない。また、正極端子7の接続箇所は、電気的接触が
とれているのであれば、取り付ける場所、取り付ける方
法は上記の例に限られない。
活物質を含有する負極活物質層3aが、負極集電体3b
の両面上に形成されている。この負極集電体3bとして
は、例えば銅箔等の金属箔が用いられる。
物質と、導電材と、結着材とを均一に混合して負極合剤
とし、この負極合剤を溶剤中に分散させてスラリー状に
する。次にこのスラリーをドクターブレード法等により
負極集電体上に均一に塗布し、高温で乾燥させて溶剤を
飛ばすことにより形成される。ここで、負極活物質、導
電材、結着材及び溶剤は、均一に分散していればよく、
その混合比は問わない。
ープ可能な材料が用いられる。具体的に、負極活物質と
しては、グラファイト、難黒鉛化炭素、易黒鉛化炭素等
が挙げられる。
が用いられる。また、結着材としては、例えばポリフッ
化ビニリデン等が用いられる。また、溶剤としては、例
えばN−メチルピロリドン等が用いられる。
さ方向の一端部に、負極集電体の一方の面にのみ負極活
物質層3aが形成され、負極集電体3bの他方の面が露
出している負極集電体片面露呈部分11aを有してい
る。この負極集電体片面露呈部分11aが形成されてい
る側の端部は、電極巻回体5とされたときには電極巻回
体5の内周側となる。
層3aが形成されていないのは、巻回を行う際に、初め
は図7に示すような折り込みをするからである。折り込
みをした際に、この部分の負極活物質層3aは未反応部
分となるため、負極活物質層3aを形成すると、体積エ
ネルギー密度のロスとなる。
ット溶接又は超音波溶接で接続された負極端子8を有し
ている。この負極端子8は、金属箔、網目状のものが望
ましいが、電気化学的及び化学的に安定であり、導通が
とれるものであれば金属でなくとも問題はない。負極端
子8の材料としては、例えば銅、ニッケル、アルミニウ
ム等が挙げられる。
ていることが好ましいが、短絡等が起こらず電池性能に
も問題が起こらなければ、どの方向に出ていようが問題
はない。また、負極端子8の接続箇所は、電気的接触が
とれているのであれば、取り付ける場所、取り付ける方
法は上記の例に限られない。
マトリクスポリマとを含有する。
として用いられてる公知の溶媒を用いることが出来る。
これらの溶媒は1種類を単独で用いてもよいし、複数種
を所定の組成で混合してもよい。その中でも特に、例え
ばエチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、γ
−ブチロラクトン等の環状エステル化合物を1種もしく
は2種以上混合したものが好ましい。
るものを用いることができる。カチオンにはリチウム等
のアルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオンが挙げ
られる。また、アニオンとしては、Cl-、Br-、
I-、SCN-、ClO4 -、BF4 -、PF6 -、CF3SO3
-、(CF3SO2)2N-等が挙げられる。そして、これ
らのカチオンとアニオンとを組み合わせて得られる電解
質塩が用いられる。用いられる電解質塩としては、例え
ばLiPF6、LiBF4が例として挙げられる。
ることができる濃度であれば問題ない。
媒に上記電解質塩が溶解されてなる電解液をゲル化する
ものである。このようなマトリクスポリマとして具体的
には、例えばポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニリ
デン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、ポリフッ化
ビニリデン−テトラフルオロプロピレン共重合体、ポリ
アクリロニトリル、ポリアクリロニトリル−酢酸ビニル
共重合体、ポリアクリロニトリル−ブタジエン共重合
体、ポリアクリロニトリル−スチレン共重合体、ポリメ
タクリル酸メチル、ポリエチレンオキサイド、ポリエチ
レンオキサイド−プロピレンオキサイド共重合体等が挙
げられる。これらのポリマは、1種類を単独で用いても
よいし、2種類以上を混合して用いてもよい。
ル電解質層4を介して積層されるとともに長手方向に巻
回されてなる電極巻回体5を密閉パックするものであ
る。この外装フィルムは、例えば順にポリエチレンテレ
フタレート層、アルミニウム層、ポリエチレンテレフタ
レート層、直鎖状低密度ポリエチレン層の順に積層され
た防湿性、絶縁性の多層フィルムからなる。
ポリエチレン層であり、電池を密閉する際には直鎖状低
密度ポリエチレン層が内側となる。なお、熱融着高分子
膜としては、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン、
直鎖状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、高密度ポ
リエチレン及びそれらの共重合体が用いられる。
のアルミニウム層が存在しており、且つ、熱融着性高分
子膜が少なくとも片面の表面に存在しており、かつ、防
湿性、絶縁性が保たれていれば上記の構成に限られるも
のではない。
発煙等の問題は、巻回体が押しつぶされて電池内部で正
極と負極とが短絡することにより発熱し、この熱により
反応が引き起こされて発煙するものと考えられる。
電解質電池1では、最外周部となる電極の一端部に正極
集電体露呈部分10を有し、その集電体露呈部分10
が、電極巻回体5の外周を1周以上覆っているので、電
池が圧壊して正極2と負極3とが短絡しても、初期の段
階において正極集電体露呈部分10が、短絡により発生
する熱を拡散するので、電極活物質層への影響はほとん
どなく、電池全体に損傷を及ぼさない。
集電体片面露呈部分10aの外側をを正極集電体両面露
呈部分10bが覆っているので、熱の拡散をより効率的
に行うことができ、信頼性をより高めることが出来る。
造方法について説明する。
材と結着剤とを含有する正極合剤を、正極集電体2bと
なる例えばアルミニウム箔等の金属箔上に均一に塗布、
乾燥することにより正極活物質層2aが形成されて正極
シートが作製される。上記正極合剤の結着剤としては、
公知の結着剤を用いることができるほか、上記正極合剤
に公知の添加剤等を添加することができる。
する際、図4に示すように、正極集電体2bの一端部の
片面には正極合剤を塗布せず、正極集電体片面露呈部分
10aとする。この正極集電体片面露呈部分10aとさ
れた側は、電極巻回体5とされたときには電極巻回体5
の外周側となる。
aの一端部には、両面とも正極合剤を塗布せず、正極集
電体両面露呈部分10bとする。この正極集電体両面露
呈部分10bとされた側は、電極巻回体5とされたとき
には電極巻回体5の外周側となる。
成する。ゲル電解質層4を形成するには、まず、非水溶
媒に電解質塩を溶解させて非水電解液を作製する。そし
て、この非水電解液にマトリクスポリマを添加し、よく
攪拌してマトリクスポリマを溶解させてゾル状の電解質
溶液を得る。
定量塗布する。続いて、室温にて冷却することによりマ
トリクスポリマがゲル化して、正極活物質2a及び正極
集電体露呈部分10上にゲル電解質層4が形成される。
ートを帯状に切り出す。そして、正極リードが溶接され
る部分のゲル電解質層4及び正極活物質層2aを削り取
り、ここに例えばアルミニウム製のリード線を溶接して
正極端子7とする。このようにしてゲル電解質層4が形
成された帯状の正極2が得られる。
着剤とを含有する負極合剤を、負極集電体3bとなる例
えば銅箔等の金属箔上に均一に塗布、乾燥することによ
り負極活物質層3aが形成されて負極シートが作製され
る。上記負極合剤の結着剤としては、公知の結着剤を用
いることができるほか、上記負極合剤に公知の添加剤等
を添加することができる。
布する際、図6に示すように、負極集電体の一端部の、
片面には負極合剤を塗布せず、負極集電体片面露呈部分
11aとする。この負極集電体片面露呈部分11aとさ
れた側の端部は、電極巻回体5とされたときには電極巻
回体5の内周側となる。
成する。ゲル電解質層4を形成するには、まず上記と同
様にして調製された電解質溶液を負極活物質層3a上に
所定量塗布する。続いて、室温にて冷却することにより
マトリクスポリマがゲル化して、負極活物質3b及び負
極集電体片面露呈部分11a上にゲル電解質層4が形成
される。
ートを帯状に切り出す。そして、正極リードが溶接され
る部分のゲル電解質層4及び負極活物質層3aを削り取
り、ここに例えばニッケル製のリード線を溶接して負極
端子8とする。このようにしてゲル電解質層4が形成さ
れた帯状の負極3が得られる。
の正極2と負極3とを、ゲル電解質層4が形成された側
を対向させて張り合わせてプレスし、電極積層体とす
る。さらに、この電極積層体を長手方向に巻回して電極
巻回体5とする。このとき、図5に示したように、この
正極集電体片面露呈部分10aは、電極巻回体5の外周
を1周以上覆うこととなる。さらに、正極集電体両面露
呈部分10bは、電極巻回体5の外周を1周以上覆う正
極集電体片面露呈部分10aの外側を更に1周以上覆う
こととなる。
らなる外装フィルム6によってパックするとともに、正
極端子7と負極端子8とを封口部に挟み込むことによ
り、ゲル電解質電池1が完成する。
1では、図8に示すように、負極3が、長さ方向の他端
部に、負極活物質層3aが形成されず、負極集電体の両
面が露出している負極集電体両面露呈部分11bを有し
ていても構わない。この負極集電体両面露呈部分11b
が形成されている側の端部は、電極巻回体5とされたと
きには電極巻回体5の外周側となる。そして、この負極
集電体両面露呈部分11bは、図9に示すように、正極
集電体片面露呈部分10aと正極集電体両面露呈部分1
0bとの間に挟まれて巻回されることとなる。
外周部となる電極の一端部に集電体露呈部分を有し、そ
の集電体露呈部分が、電極巻回体5の外周を1周以上覆
っているので、電池が圧壊しても、初めに正極集電体露
呈部分10と負極集電体両面露呈部分11bとが初めに
短絡する。そして、このゲル電解質電池1では、正極集
電体露呈部分10と負極集電体両面露呈部分11bとの
短絡により発生する熱を拡散するので、電極活物質層へ
の影響はほとんどなく、電池全体に損傷を及ぼさない。
質層のみを介して巻回し、巻回体を構成するようにして
いるが、歩留まりの向上やエネルギー密度の向上を目的
に、セパレータを介在させることも可能である。
パレータを介して巻回し、巻回体を構成することにな
る。
の構成の固体電解質電池において、セパレータを介在さ
せた例を示すものである。ここで、図10は図2に、図
11は図5に、図12は図7にそれぞれ対応する。
層4の中央部に配された形になっており、正極2と負極
3は、これらセパレータ12とゲル電解質層4の両者を
介して積層され、巻回された状態となっている。
状の正極2と負極3とを、ゲル電解質層4が形成された
側を対向させ、その間にセパレータ12を入れて張り合
わせ、プレスして電極積層体とすればよい。
ても同様であり、図13に示すように、ゲル電解質層4
が形成された正極2,負極3をセパレータ12を介して
積層すればよい。この図13は、図9の構成に対応する
ものである。
絡を防ぐ目的を持っており、通常、絶縁性高分子の多孔
質膜等が用いられる。セパレータの材質としては、具体
的には、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリフッ化ビ
ニリデン等を挙げることができる。この場合、セパレー
タは1種類の材料から形成されたものに限らず、2種類
以上の材料を混合して作製されたものであってもよい。
あるいは、2種類以上の膜を張り合わせたものも使用可
能である。例えば、ポリエチレン−ポリプロピレンを張
り合わせたセパレータがその代表例である。
15μm程度にすることが望ましい。セパレータの厚さ
が5μm未満であると、歩留まりが低下する虞れがあ
る。逆に、セパレータの厚さが15μmを越えると、電
池内においてセパレータの占める割合が増加し、エネル
ギー密度の低下を招く。
の場合には、片面に15μm以上の固体電解質層を塗布
しないと、図14に示すように歩留まり率が急激に下が
ることになる。
びセパレータを介した場合には、例えばセパレータ10
μm、正極固体電解質層8μm、負極固体電解質層8μ
mの合計26μmでも歩留まり率は下がらない。セパレ
ータが正負極間の短絡を抑えるためである。
おいては、通常、有機溶剤として環状カーボネート系の
プロピレンカーボネート(PC)やエチレンカーボネー
ト(EC)を主として用いている。ECやPCは粘性が
高く、満足する特性を出すためには、電極塗布膜厚みを
薄くすることが有効である。電極厚みを薄くした場合に
は、正負極間距離を短くすることによる効果は大きくな
る。
40μm、負極塗布厚みを50μm、非水電解液系リチ
ウムイオン電池の正極塗布厚みを70μm、負極塗布厚
みを75μmとして、正負極間距離とエネルギー密度の
相関を調べた。正負極間距離を25μmとしたときのエ
ネルギー密度を100%とし、正負極間距離を大きくし
た場合、若しくは小さくした場合のエネルギー密度の増
減を図15に示す。
が正負極間距離に対するエネルギー密度の変化率が大き
く、したがって、固体電解質電池では、セパレータの導
入により電極間距離を短くすることが、エネルギー密度
を向上させる上で有効な手段であると言える。
解質電池1は、円筒型、角型等、その形状については特
に限定されることはなく、また、薄型、大型等の種々の
大きさにすることができる。
質電池として、膨潤溶媒を含有し、ゲル状の固体電解質
を用いたゲル電解質電池1を例に挙げて説明したが、本
発明はこれに限定されるものではなく、膨潤溶媒を含有
しない固体電解質を用いた固体電解質電池についても適
用可能である。また、本発明は、一次電池についても二
次電池についても適用可能である。
すべく、上述したような構成の固体電解質電池を作製
し、圧壊試験を行った。
て作製した。
を0.5モルと、炭酸コバルトを1モルとを混合し、9
00℃の空気中で5時間焼成することにより正極活物質
となるLiCoO2を得た。このLiCoO2を91重量
部と、導電剤としてグラファイトを6重量部と、結着剤
としてポリフッ化ビニリデンを3重量部とを混合し、N
−メチルピロリドンに分散させてスラリー状とした。こ
のスラリーを、厚さ20μmのアルミニウム箔からなる
正極集電体の両面に均一に塗布して乾燥させて正極活物
質層を形成した。
する際、正極集電体の一端部の片面には正極合剤を塗布
せず、正極集電体片面露呈部分とした。この正極集電体
片面露呈部分とされた側は、巻回体とされたときには巻
回体の外周側となる。乾燥後にロールプレス機でプレス
して正極シートを得た。
シート上ににゲル電解質層を形成した。ゲル電解質層を
形成するには、まず、炭酸エチレンを42.5重量部
と、炭酸プロピレンを42.5重量部と、LiPF6を
15重量部とを混合して可塑剤とした。この可塑剤を3
0重量部と、マトリクスポリマーとして、ビニリデンフ
ルオライドとヘキサフルオロプロピレンが重合比で97
対3で共重合されたものを10重量部と、テトラヒドロ
フランを60重量部とを混合して溶解させることによ
り、ゾル状の電解質溶液を得た。
一に塗布した。その後、乾燥させてテトラヒドロフラン
を除去した。次に、この正極を返して、正極の他方の面
にも同様にして電解質溶液を塗布し、乾燥した。このよ
うにして、正極シートの両面に厚さ15.0μmのゲル
電解質層を形成した。
ートを、帯状に切り出した。リード溶接部分のゲル電解
質層及び正極活物質層は削り取り、ここにアルミニウム
製のリードを溶接して正極端子とした。このようにして
正極を作製した。
極集電体の他方の面が露出している正極集電体片面露呈
部分とされている。この正極集電体片面露呈部分が形成
されている側の端部は、巻回体とされたときには巻回体
の外周側となる。
量部と、ポリフッ化ビニリデンを10重量部とを混合
し、N−メチルピロリドンに分散させてスラリー状とし
た。このスラリーを、厚さ10μmの銅箔からなる負極
集電体の両面に均一に塗布して乾燥させて負極活物質層
を形成した。乾燥後にロールプレス機でプレスして負極
シートを得た。
した。ゲル電解質層を形成するには、上述と同様にして
調製された電解質溶液を、負極シートの両面に均一に塗
布して乾燥させ、テトラヒドロフランを除去した。この
ようにして、負極シート上に厚さ15.0μmのゲル電
解質層を形成した。
ートを、帯状に切り出した。リード溶接部分のゲル電解
質層及び負極活物質層は削り取り、ここにニッケル製の
リードを溶接して負極端子とした。このようにして負極
を作製した。
にゲル電解質層が形成された帯状の正極と、両面にゲル
電解質層が形成された帯状の負極とを積層して積層体と
し、さらにこの積層体をその長手方向に、正極が外側、
負極が内側となるように巻回することにより電極巻回体
を得た。このとき、正極集電体片面露呈部分は、巻回体
の外周を1周以上覆うこととなる。
5μm厚のナイロンと40μm厚のアルミニウムと30
μm厚のポリプロピレンとが積層されてなる外装フィル
ムで挟み、外装フィルムの外周縁部を減圧下で熱融着す
ることによって封口し、巻回体を外装フィルム中に密閉
した。なお、このとき、正極端子と負極端子とを外装フ
ィルムの封口部に挟み込んだ。このようにしてゲル電解
質電池を完成した。
して正極を作製した。
リーを調製し、この正極合剤スラリーを正極集電体の両
面に均一に塗布して乾燥させて正極活物質層を形成し
た。
する際、正極集電体の一端部の片面には正極合剤を塗布
せず、正極集電体片面露呈部分とした。この正極集電体
片面露呈部分とされた側は、巻回体とされたときには巻
回体の外周側となる。さらに、この正極集電体片面露呈
部分の一端部には、両面とも正極合剤を塗布せず、正極
集電体両面露呈部分とした。この正極集電体両面露呈部
分とされた側は、巻回体とされたときには巻回体の外周
側となる。乾燥後にロールプレス機でプレスして正極シ
ートを得た。
した。ゲル電解質層を形成するには、上述と同様にして
調製された電解質溶液を、正極シートの両面に均一に塗
布して乾燥させ、テトラヒドロフランを除去した。この
ようにして、正極シート上に厚さ15.0μmのゲル電
解質層を形成した。
ートを、帯状に切り出した。リード溶接部分のゲル電解
質層及び正極活物質層は削り取り、ここにアルミニウム
製のリードを溶接して正極端子とした。このようにして
正極を作製した。
極集電体の他方の面が露出している正極集電体片面露呈
部分とされている。この正極集電体片面露呈部分が形成
されている側の端部は、巻回体とされたときには巻回体
の外周側となる。さらに、この正極集電体片面露呈部分
の、巻回体とされたときに外周側となる端部は、正極集
電体の両面が露出している正極集電体両面露呈部分とさ
れている。そして、この正極集電体両面露呈部分は、巻
回体の外周を1周以上覆う正集電体片面露呈部分の外側
を更に1周以上覆うこととなる。
用いたこと以外は、実施例1と同様にしてゲル電解質電
池を完成した。
体において、正極集電体片面露呈部分が、巻回体の外周
を1周以上覆い、さらにその外側を、正極集電体両面露
呈部分が1周以上覆うこととなる。
して負極を作製した。
リーを調製し、この負極合剤スラリーを負極集電体の両
面に均一に塗布して乾燥させて負極活物質層を形成し
た。
する際、負極集電体の一端部の、片面には負極合剤を塗
布せず、負極集電体片面露呈部分とした。この負極集電
体片面露呈部分とされた側の端部は、巻回体とされたと
きには巻回体の内周側となる。乾燥後にロールプレス機
でプレスして負極シートを得た。
した。ゲル電解質層を形成するには、実施例1と同様に
して調製された電解質溶液を、負極シートの両面に均一
に塗布して乾燥させ、テトラヒドロフランを除去した。
このようにして、負極シート上に厚さ15.0μmのゲ
ル電解質層を形成した。
ートを、帯状に切り出した。リード溶接部分のゲル電解
質層及び負極活物質層は削り取り、ここにニッケル製の
リードを溶接して負極端子とした。このようにして負極
を作製した。
極集電体の他方の面が露出している負極集電体片面露呈
部分とされている。この負極集電体片面露呈部分が形成
されている側の端部は、巻回体とされたときには巻回体
の内周側となる。
用いたこと以外は、実施例1と同様にしてゲル電解質電
池を完成した。
体において、負極集電体片面露呈部分が、巻回体の内周
を1周以上覆うことになる。
して正極及び負極を作製した。
リーを調製し、この正極合剤スラリーを正極集電体の両
面に均一に塗布して乾燥させて正極活物質層を形成し
た。
する際、正極集電体の一端部には、両面とも正極合剤を
塗布せず、正極集電体両面露呈部分とした。この正極集
電体両面露呈部分とされた側は、巻回体とされたときに
は巻回体の外周側となる。乾燥後にロールプレス機でプ
レスして正極シートを得た。
した。ゲル電解質層を形成するには、上述と同様にして
調製された電解質溶液を、正極シートの両面に均一に塗
布して乾燥させ、テトラヒドロフランを除去した。この
ようにして、正極シート上に厚さ15.0μmのゲル電
解質層を形成した。
ートを、帯状に切り出した。リード溶接部分のゲル電解
質層及び正極活物質層は削り取り、ここにアルミニウム
製のリードを溶接して正極端子とした。このようにして
正極を作製した。
極集電体の両面が露出している正極集電体両面露呈部分
とされている。そして、この正極集電体両面露呈部分が
形成されている側の端部は、巻回体とされたときには巻
回体の外周側となる。
リーを調製し、この負極合剤スラリーを負極集電体の両
面に均一に塗布して乾燥させて負極活物質層を形成し
た。
する際、負極集電体の一端部の、両面に負極合剤を塗布
せず、負極集電体両面露呈部分とした。この負極集電体
片面露呈部分とされた側の端部は、巻回体とされたとき
には巻回体の外周側となる。乾燥後にロールプレス機で
プレスして負極シートを得た。
した。ゲル電解質層を形成するには、実施例1と同様に
して調製された電解質溶液を、負極シートの両面に均一
に塗布して乾燥させ、テトラヒドロフランを除去した。
このようにして、負極シート上に厚さ15.0μmのゲ
ル電解質層を形成した。
ートを、帯状に切り出した。リード溶接部分のゲル電解
質層及び負極活物質層は削り取り、ここにニッケル製の
リードを溶接して負極端子とした。このようにして負極
を作製した。
極集電体の両面が露出している負極集電体両面露呈部分
とされている。そして、この負極集電体両面露呈部分が
形成されている側の端部は、巻回体とされたときには巻
回体の外周側となる。
負極とを用いて、実施例1と同様にしてゲル電解質電池
を完成した。
体において、正極集電体両面露呈部分と負極集電体両面
露呈部分とが、ゲル殿電解質層を介して巻回体の外周を
1周以上覆うことになる。
布する際に、正極集電体露呈部分を設けず、また、負極
合剤を負極集電体上に塗布する際に、負極集電体露呈部
分を設けなかったこと以外は、実施例1と同様にしてゲ
ル電解質電池を作製した。
電解質電池について、圧壊試験を行った。
条件で4.2Vまで定電流充電し、4.2Vまで達した
後、定電圧充電を行い、所定の電流値でカットした。
した後、外部より力を加えることにより電池を短絡させ
た。そして、そのときの外装フィルム表面の最高到達温
度を測定した。
ルについて行い、5個のサンプルにおける外装フィルム
表面の最高到達温度の平均値を算出した。その結果を表
1に示す。
ー密度の測定結果についても、表1に併せて示す。
呈部分を設けた実施例1〜実施例4の電池では、電極集
電体露呈部分を設けなかった比較例1の電池に比べて、
圧壊時の外装フィルム表面の最高到達温度がいずれも低
く抑えられていることがわかる。
めに巻回体最外周の電極集電体露呈部分で短絡し、熱を
拡散させるため、電極活物質層に与える影響を最小限に
抑えることが出来るためであると考えられる。
タを使用して同様の電池を作製し、その効果を確認し
た。
解質電池を作製した。
正極と負極の間に厚さ10μmのセパレータを入れて積
層し、積層体とした。
解質層の厚さは、それぞれ8μmとした。
解質電池を作製した。
正極と負極の間に厚さ10μmのセパレータを入れて積
層し、積層体とした。
解質層の厚さは、それぞれ8μmとした。
解質電池を作製した。
正極と負極の間に厚さ10μmのセパレータを入れて積
層し、積層体とした。
解質層の厚さは、それぞれ8μmとした。
解質電池を作製した。
正極と負極の間に厚さ10μmのセパレータを入れて積
層し、積層体とした。
解質層の厚さは、それぞれ8μmとした。
おいて、正極集電体両面露呈部分と負極集電体両面露呈
部分とが、ゲル電解質層+セパレータ、若しくはセパレ
ータのみを介して巻回体の外周を1周以上覆うことにな
るが、本実施例では、セパレータのみを介して作製し
た。
解質電池を作製した。
正極と負極の間に厚さ10μmのセパレータを入れて積
層し、積層体とした。
解質層の厚さは、それぞれ8μmとした。
行い、外装フィルム表面の最高到達温度の平均値を算出
した。その結果を表2に示す。
ー密度の測定結果についても、表2に併せて示す。
呈部分を設けた実施例5〜実施例8の電池は、先の実施
例1〜実施例4の電池に比べてエネルギー密度が高く、
しかも、実施例1〜実施例4の電池と同様に、電極集電
体露呈部分を設けなかった比較例2の電池に比べて、圧
壊時の外装フィルム表面の最高到達温度がいずれも低く
抑えられていることがわかる。
解質電池では、電池が押し潰されたときに、初めに、電
極集電体露呈部分で短絡を起こして熱を拡散したため、
電極活物質層への影響はほとんどなく、発熱や発煙を抑
えることができる。
集電体露呈部分が巻回体の外周を一周以上覆っているの
で、電池が押し潰されたときの発熱や発煙をより抑える
ことができる。
影響を最小限に抑えることができ、信頼性に優れた固体
電解質電池を実現することができる。
斜視図である。
ける断面図である。
極巻回体を示す斜視図である。
極を模式的に示す斜視図である。
を抜き出して模式的に示す断面図である。
極を模式的に示す斜視図である。
抜き出して模式的に示す断面図である。
る。
終わりの部分を抜き出して模式的に示す断面図である。
れた状態を示す断面図である。
れた状態を示す断面図である。
れた状態を示す断面図である。
れた状態を示す断面図である。
まりの関係を示す特性図である。
質電池における正負間距離と体積エネルギー密度の相関
を示す特性図である。
ゲル電解質層、 5電極巻回体、 6 外装フィルム、
7 正極端子、 8 負極端子、 10a正極集電体
片面露呈部分、 10b 正極集電体両面露呈部分、
11a 負極集電体片面露呈部分、 11b 負極集電
体両面露呈部分、 12 セパレータ
Claims (8)
- 【請求項1】 帯状の正極集電体の両面に正極活物質層
が形成されてなる正極と、帯状の負極集電体の両面に負
極活物質層が形成されてなる負極とが、少なくとも固体
電解質層を介して積層され、長手方向に巻回されてなる
巻回体を有し、 上記巻回体は、最外周部となる電極の長さ方向の一端部
に、集電体の片面が露出している集電体片面露呈部分を
有し、その集電体片面露呈部分が、上記巻回体の外周を
1周以上覆っていることを特徴とする固体電解質電池。 - 【請求項2】 上記巻回体は、最外周部となる電極の長
さ方向の一端部に、集電体の片面が露出している集電体
片面露呈部分を有するとともに、両面とも集電体が露呈
している集電体両面露呈部分を有し、 上記巻回体において、上記集電体両面露呈部分が、上記
集電体片面露呈部分の外側を更に1周以上覆っているこ
とを特徴とする請求項1記載の固体電解質電池。 - 【請求項3】 上記巻回体は、最内周部となる電極の長
さ方向の一端部に、片面のみ集電体が露出している集電
体片面露呈部分を有し、上記集電体片面露呈部分が上記
巻回体の内周を1周以上覆っていることを特徴とする請
求項1記載の固体電解質電池。 - 【請求項4】 上記正極は、長さ方向の一端部に両面と
も正極集電体が露呈している正極集電体両面露呈部分を
有し、 上記負極は、長さ方向の一端部に両面とも負極集電体が
露呈している負極集電体両面露呈部分を有し、 上記正極集電体両面露呈部分と上記負極集電体両面露呈
部分とが、固体電解質層を介して上記巻回体の外周を1
周以上覆っていることを特徴とする請求項1記載の固体
電解質電池。 - 【請求項5】 上記固体電解質層は、膨潤溶媒を含有
し、ゲル状であることを特徴とする請求項1記載の固体
電解質電池。 - 【請求項6】 上記正極と負極とが、固体電解質層及び
セパレータを介して積層され、巻回されていることを特
徴とする請求項1記載の固体電解質電池。 - 【請求項7】 上記セパレータは、ポリオレフィンを含
む1種又は2種以上の混合材料、若しくはポリオレフィ
ンを含む張り合わせ材料からなることを特徴とする請求
項6記載の固体電解質電池。 - 【請求項8】 上記セパレータは、膜厚が5μm〜15
μmであることを特徴とする請求項6記載の固体電解質
電池。
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- 2000-09-29 JP JP2000301412A patent/JP4055345B2/ja not_active Expired - Lifetime
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