JP2003151365A - 透明導電性フィルム、透明導電性シートおよびタッチパネル - Google Patents
透明導電性フィルム、透明導電性シートおよびタッチパネルInfo
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Abstract
優れ、特にポリアセタール製のペンを使用し、5.0N
の荷重で20万回の摺動試験後でも透明導電性薄膜が破
壊されない、透明導電性フィルムまたは透明導電性シー
ト、及びこれらを用いたタッチパネルを提供する。 【解決手段】 透明プラスチックフィルム基材上に、硬
化型樹脂を主たる構成成分とする硬化物層、及び透明導
電性薄膜をこの順に積層した透明導電性フィルムであっ
て、前記透明導電性フィルムの透明導電性薄膜面の自乗
平均面粗さが広領域では4.0nm〜20.0nm、狭
領域では0.3nm〜2.0nmであることを特徴とす
る透明導電性フィルム。
Description
ィルム基材上に硬化物層及び透明導電性薄膜をこの順に
積層した透明導電性フィルムまたは透明導電性シート、
及びこれらを用いたタッチパネルに関するものであり、
特にペン入力用タッチパネルに用いた際にペン摺動耐久
性に優れる透明導電性フィルムまたは透明導電性シー
ト、及びこれらを用いたタッチパネルに関するものであ
る。
明でかつ抵抗が小さい薄膜を積層した透明導電性フィル
ムは、その導電性を利用した用途、例えば、液晶ディス
プレイやエレクトロルミネッセンス(EL)ディスプレ
イなどのようなフラットパネルディスプレイや、タッチ
パネルの透明電極など、電気、電子分野の用途に広く使
用されている。
ートパソコンの普及により、従来以上にペン摺動耐久性
に優れたタッチパネルが要求されるようになってきた。
側の透明導電性薄膜と可動電極(フィルム電極)側の透
明導電性薄膜同士が接触するが、この際にペン荷重で透
明導電性薄膜にクラック、剥離などの破壊が生じない、
優れたペン摺動耐久性を有する透明導電性フィルムが要
望されている。
透明導電性フィルムは次のような課題を有していた。
フィルム基材上に透明導電性薄膜を形成し、粘着剤層で
他の透明基体と貼りあわせた透明導電性フィルムが特開
平2−66809号公報に開示されている。しかしなが
ら、後述のペン摺動耐久性試験に記載のポリアセタール
製のペンを使用し、5.0Nの荷重で20万回の直線摺
動試験後には、透明導電性薄膜に剥離が生じ、ペン入力
に対する耐久性は不十分であった。そのため、この剥離
部の白化により、タッチパネル付きディスプレイ用に使
用した際に表示品位が低下するという問題があった。
に、有機ケイ素化合物の加水分解により生成された下地
層を設け、さらに結晶質の透明導電性薄膜を積層した透
明導電性フィルムが、例えば特開昭60−131711
号公報、特開昭61−79647号公報、特開昭61−
183809号公報、特開平2−194943号公報、
特開平2−276630号公報、特開平8−64034
号公報などに提案されている。
ムは非常に脆く、後述のペン摺動耐久性試験に記載のポ
リアセタール製のペンを使用し、5.0Nの荷重で20
万回の直線摺動試験後には、透明導電性薄膜にクラック
が発生するという問題があった。
問題点に鑑み、タッチパネルに用いた際のペン摺動耐久
性に優れ、特にポリアセタール製のペンを使用し、5.
0Nの荷重で20万回の摺動試験後でも透明導電性薄膜
が破壊されない、透明導電性フィルムまたは透明導電性
シート、及びこれらを用いたタッチパネルを提供するこ
とにある。
状況に鑑みなされたものであって、上記の課題を解決す
ることができた透明導電性フィルム、透明導電性シート
およびタッチパネルとは、以下の通りである。
ラスチックフィルム基材上に、硬化型樹脂を主たる構成
成分とする硬化物層、及び透明導電性薄膜をこの順に積
層した透明導電性フィルムであって、前記透明導電性フ
ィルムの透明導電性薄膜面の自乗平均面粗さ(Rms)
が広領域では4.0nm〜20.0nm、狭領域では
0.3nm〜2.0nmであることを特徴とする透明導
電性フィルムである。
に原子間力顕微鏡を用いて行う評価範囲のことであり、
10μm×10μmのことである。また、狭領域とは1
μm×1μmを意味する。)
脂中に非相溶な高分子樹脂を含有し、かつ前記非相溶高
分子樹脂が粒子状に分散していることを特徴とする第1
の発明に記載の透明導電性フィルムである。
成成分とする硬化物層と前記透明導電性薄膜との付着力
が0.1N/15mm以上であることを特徴とする第1
または2の発明に記載の透明導電性フィルムである。
ジウム−スズ複合酸化物またはスズ−アンチモン複合酸
化物からなることを特徴とする第1、2、または3の発
明に記載の透明導電性フィルムである。
透明導電性薄膜面とは反対面に、ハードコート層を積層
することを特徴とする第1、2、3、または4の発明に
記載の透明導電性フィルムである。
性を有することを特徴とする第5の発明に記載の透明導
電性フィルムである。
射処理を施したことを特徴とする第5または6の発明に
記載の透明導電性フィルムである。
6、または7の発明に記載の透明導電性フィルムの透明
導電性薄膜面とは反対面に、粘着剤を介して透明樹脂シ
ートを貼り合わせることを特徴とする透明導電性シート
である。
る一対のパネル板を透明導電性薄膜が対向するようにス
ペーサーを介して配置してなるタッチパネルにおいて、
少なくとも一方のパネル板が第1、2、3、4、5、
6、7、または8の発明に記載の透明導電性フィルムも
しくは透明導電性シートからなることを特徴とするタッ
チパネルである。
スチックフィルム基材上に、硬化型樹脂を主たる構成成
分とする硬化物層、及び透明導電性薄膜をこの順に積層
した構成を有する。中間層の硬化物層は、プラスチック
フィルム基材と透明導電層との密着性を向上させ、耐薬
品性を付与する目的で使用される。
化物層は、さらに硬化物樹脂中に非相溶な高分子樹脂を
含有し、かつ前記非相溶高分子樹脂が粒子状に分散して
いることが好ましい。この粒子状に分散した非相溶高分
子樹脂により、硬化物層の表面に微粒子状の非相溶樹脂
に基づく微細凸部が形成され、その上に積層した透明導
電性薄膜にも同様の微細凸部が付与される。この硬化物
層により形成される微細凸部により、透明導電性薄膜の
広領域における自乗平均面粗さを適切な範囲に制御する
ことができる。
物の結晶グレインにより、狭領域における自乗平均面粗
さを適切な範囲に制御することができる。これらの広領
域及び狭領域における自乗平均面粗さを適切な範囲に制
御することにより、ポリアセタールペンに荷重をかけ透
明導電性薄膜をガラスに接触させた際に真の接触面積が
減少し、ガラス面と透明導電性薄膜面との滑り性が改善
される。その結果、ペン摺動耐久性をさらに向上させる
ことができる。
mの測定範囲を意味し、狭領域とは1μm×1μmの測
定範囲を意味する。硬化物層の表面粗さに比べ透明導電
性薄膜の厚みが薄いため、硬化物層の表面形態が透明導
電性薄膜面に反映される。そのため、硬化物層の表面形
態を制御することにより、広領域における透明導電性薄
膜の自乗平均面粗さを適正範囲にすることができる。
を適正化することにより、透明導電性薄膜を構成する複
合酸化物の結晶グレインの形態を制御し、狭領域におけ
る透明導電性薄膜の自乗平均面粗さを適正範囲にするこ
とができる。
記透明導電性フィルムは透明導電性薄膜面の広領域にお
ける自乗平均面粗さ(Rms)が4.0nm〜20.0
nmであることが必要であり、好ましくは下限値が5.
5nmであり、上限値は15.0nmである。
満の平滑な表面では、透明導電性薄膜がガラスと接触す
る際の真の接触面積が大きくなり、ガラス面と透明導電
性薄膜面との滑り性が不十分となる。その結果、ペン摺
動耐久性試験時に透明導電性薄膜の摺動部分が白化した
り、透明導電性薄膜が破壊され試験後ON抵抗が異常と
なったりする。
0nmを超えると、透明導電性薄膜をガラスに接触させ
た際に凸部に応力が集中し、凸部がペン摺動試験に耐え
られず破壊するため、ペン摺動耐久性試験時に摺動部分
が白化する。
性薄膜面の狭領域おける自乗平均面粗さ(Rms)が
0.3nm〜2.0nmであることが必要であり、好ま
しくは下限値が0.45nmであり、上限値が1.5n
mである。
では、透明導電性薄膜をガラスに接触させた際に真の接
触面積が大きくなり、ガラス面と透明導電性薄膜面との
滑り性が不十分となる。その結果、ペン摺動耐久性試験
時に透明導電性薄膜の摺動部分が白化したり、透明導電
性薄膜が破壊され試験後ON抵抗が異常となったりす
る。
mを越えると、透明導電性薄膜を構成する複合酸化物の
結晶グレインに起因する凸部に応力が集中し、凸部がペ
ン摺動試験に耐えられず破壊するため、ペン摺動耐久性
試験時に摺動部分が白化する。
フィルム基材とは、有機高分子を溶融押出し又は溶液押
出しをして、必要に応じ、長手方向及び/又は幅方向に
延伸、冷却、熱固定を施したフィルムであり、有機高分
子としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチ
レンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレ
ート、ポリプロピレンテレフタレート、ナイロン6、ナ
イロン4、ナイロン66、ナイロン12、ポリイミド、
ポリアミドイミド、ポリエーテルサルファン、ポリエー
テルエーテルケトン、ポリカーボネート、ポリアリレー
ト、セルロースプロピオネート、ポリ塩化ビニール、ポ
リ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリエーテ
ルイミド、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェニレン
オキサイド、ポリスチレン、シンジオタクチックポリス
チレン、ノルボルネン系ポリマーなどが挙げられる。
ンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポ
リエチレン−2,6−ナフタレート、シンジオタクチッ
クポリスチレン、ノルボルネン系ポリマー、ポリカーボ
ネート、ポリアリレートなどが好適である。また、これ
らの有機高分子は他の有機重合体の単量体を少量共重合
したり、他の有機高分子をブレンドしてもよい。
基材の厚みは、10μmを越え、300μm以下の範囲
であることが好ましく、上限値は260μm、下限値は
70μmであることが特に好ましい。プラスチックフィ
ルムの厚みが10μm以下では機械的強度が不足し、特
にタッチパネルに用いた際のペン入力に対する変形が大
きくなる傾向があり、耐久性が不十分となりやすい。一
方、厚みが300μmを越えると、タッチパネルに用い
た際に、フィルムを変形させるためのペン荷重が大きく
なりやすく、好ましくない。
基材は、本発明の目的を損なわない範囲で、前記フィル
ムをコロナ放電処理、グロー放電処理、火炎処理、紫外
線照射処理、電子線照射処理、オゾン処理などの表面活
性化処理を施してもよい。
熱、紫外線照射、電子線照射などのエネルギー印加によ
り硬化する樹脂であれば特に制限はなく、シリコーン樹
脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、エポキシ樹脂、メ
ラミン樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂などが挙
げられる。生産性の観点からは、紫外線硬化型樹脂を主
成分とすることが好ましい。
えば、多価アルコールのアクリル酸又はメタクリル酸エ
ステルのような多官能性のアクリレート樹脂、ジイソシ
アネート、多価アルコール及びアクリル酸又はメタクリ
ル酸のヒドロキシアルキルエステルなどから合成される
ような多官能性のウレタンアクリレート樹脂などを挙げ
ることができる。必要に応じて、これらの多官能性の樹
脂に単官能性の単量体、例えば、ビニルピロリドン、メ
チルメタクリレート、スチレンなどを加えて共重合させ
ることができる。
力を向上するために、硬化物層を表面処理することが有
効である。具体的な手法としては、カルボニル基、カル
ボキシル基、水酸基を増加するためにグローまたはコロ
ナ放電を照射する放電処理法、アミノ基、水酸基、カル
ボニル基などの極性基を増加させるために酸またはアル
カリで処理する化学薬品処理法などが挙げられる。
を添加して使用される。光重合開始剤としては、紫外線
を吸収してラジカルを発生する公知の化合物を特に制限
なく使用することができ、このような光重合開始剤とし
ては、例えば、各種ベンゾイン類、フェニルケトン類、
ベンゾフェノン類などを挙げることができる。光重合開
始剤の添加量は、紫外線硬化型樹脂100質量部当たり
通常1〜5質量部とすることが好ましい。
る構成成分である硬化型樹脂のほかに、硬化型樹脂に非
相溶な樹脂を併用することが好ましい。マトリックスの
硬化型樹脂に非相溶な樹脂を少量併用することで、硬化
型樹脂中で相分離が起こり非相溶樹脂を粒子状に分散さ
せることができる。この非相溶樹脂の分散粒子により、
硬化物表面に凹凸を形成させ、広領域における表面粗さ
を適切な範囲に制御することができる。
合、非相溶樹脂としてはポリエステル樹脂、ポリオレフ
ィン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミド樹脂などが例
示される。
で5,000〜50,000と高分子量であることが好
ましい。前記平均分子量の下限値は、8,000である
ことが特に好ましく、上限値は30,000であること
が特に好ましい。ポリエステル樹脂の重量平均分子量が
5,000未満であると、ポリエステル樹脂が硬化物層
中で適切な大きさの粒子となって分散することが困難と
なる傾向があり好ましくない。一方、ポリエステル樹脂
の重量平均分子量が50,000を超えると、塗布液を
調整する際、溶剤に対する溶解性が低下しやすくなるの
で好ましくない。
価アルコールと二価カルボン酸を重合することにより得
られる非結晶性の飽和ポリエステル樹脂であり、上記の
紫外線硬化型樹脂と共通の溶媒に溶解することができる
ものである。
エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−
ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘ
キサンジオール、ジエチレングリコール、ネオペンチル
グリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、水
素化ビスフェノールAなどを挙げることができる。
えば、イソフタル酸、テレフタル酸、アジピン酸、無水
フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無
水フタル酸などを挙げることができる。
囲で、トリメチロールプロパンやペンタエリスリトール
のような三価以上のアルコール、及び、無水トリメリッ
ト酸や無水ピロメリット酸のような三価以上のカルボン
酸を共重合することができる。
分である硬化型樹脂として紫外線硬化型樹脂を用い、硬
化型樹脂に非相溶な高分子樹脂として高分子量のポリエ
ステル樹脂を用いる場合、それらの配合割合は、ペン摺
動耐久性の点から、紫外線硬化型樹脂100質量部当た
りポリエステル樹脂0.1〜20質量部であることが好
ましい。前記ポリエステル樹脂の配合比の上限値は、1
0質量部がさらに好ましく、特に好ましくは5質量部で
ある。また、前記ポリエステル樹脂の配合比の下限値
は、0.2質量部がさらに好ましく、特に好ましくは
0.5質量部である。
化型樹脂100質量部当たり0.1質量部未満である
と、硬化物層表面に形成される凸部の高さが小さくなっ
たり、凸部の個数が減少する傾向にあり、本発明で規定
する広領域における自乗平均面粗さの下限範囲外となり
やすい。
外線硬化型樹脂100質量部当たり20質量部を超える
と、本発明で規定する広領域における自乗平均面粗さの
上限範囲外となりやすい。そのため、硬化物層の強度が
低下し、耐薬品性が悪化しやすくなる。
硬化型樹脂と屈折率に差異があるため、硬化物層のヘー
ズ値が上昇し透明性を悪化させる傾向があるので好まし
くない。逆に、高分子量のポリエステル樹脂の分散粒子
による透明性の悪化を積極的に利用し、ヘーズ値が高く
防眩機能を有する防眩フィルムとして使用することもで
きる。
び高分子量のポリエステル樹脂は、それぞれに共通の溶
剤に溶解して塗布液を調製する。使用する溶剤には特に
制限はなく、例えば、エチルアルコール、イソプロピル
アルコールなどのようなアルコール系溶剤、酢酸エチ
ル、酢酸ブチルなどのようなエステル系溶剤、ジブチル
エーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルなど
のようなエーテル系溶剤、メチルイソブチルケトン、シ
クロヘキサノンなどのようなケトン系溶剤、トルエン、
キシレン、ソルベントナフサなどのような芳香族炭化水
素系溶剤などを単独に、あるいは混合して使用すること
ができる。
グ法に応じた粘度などを考慮して適切に選択することが
できる。例えば、塗布液中に紫外線硬化型樹脂、光重合
開始剤及び高分子量のポリエステル樹脂の合計量が占め
る割合は、通常は20〜80質量%である。また、この
塗布液には、必要に応じて、その他の公知の添加剤、例
えば、シリコーン系レベリング剤などを添加してもよ
い。
プラスチックフィルム基材上にコーティングされる。コ
ーティング法には特に制限はなく、バーコート法、グラ
ビアコート法、リバースコート法などの従来から知られ
ている方法を使用することができる。
程で溶剤が蒸発除去される。この工程で、塗布液中で均
一に溶解していた高分子量のポリエステル樹脂は微粒子
となって紫外線硬化型樹脂中に析出する。塗膜を乾燥し
た後、プラスチックフィルムに紫外線を照射することに
より、紫外線硬化型樹脂が架橋・硬化して硬化物層を形
成する。この硬化の工程で、高分子量のポリエステル樹
脂の微粒子はハードコート層中に固定されるとともに、
硬化物層の表面に突起を形成させる。該突起の高さ及び
個数により、広領域における自乗平均面粗さを制御する
ことができる。
の範囲であることが好ましい。硬化物層の厚みの下限値
は、0.5μmがより好ましく、特に好ましくは1μm
である。また、硬化物層の厚みの上限値は、10μmが
より好ましく、特に好ましくは8μmである。硬化物層
の厚みが0.1μm未満の場合には、突起が十分に形成
されにくくなる。一方、15μmを超える場合には生産
性の観点から好ましくない。
透明性及び導電性をあわせもつ材料であれば特に制限は
ないが、酸化インジウム、酸化スズ、酸化亜鉛、インジ
ウム−スズ複合酸化物、スズ−アンチモン複合酸化物、
亜鉛−アルミニウム複合酸化物、インジウム−亜鉛複合
酸化物、銀および銀合金、銅および銅合金、金等が単層
もしくは2層以上の積層構造したものが挙げられる。こ
れらのうち、環境安定性や回路加工性の観点から、イン
ジウム−スズ複合酸化物またはスズ−アンチモン複合酸
化物が好適である。
範囲が好ましい。前記透明導電性薄膜の膜厚の上限値
は、500nmが特に好ましい。また、前記透明導電性
薄膜の膜厚の下限値は、5nmが特に好ましい。透明導
電性薄膜の膜厚が4nmよりも薄い場合、連続した薄膜
になりにくく良好な導電性を示しにくい傾向がある。一
方、800nmよりも厚い場合、透明性が低下しやすく
なる。
としては、真空蒸着法、スパッタリング法、CVD法、
イオンプレーティング法、スプレー法などが知られてお
り、必要とする膜厚に応じて、前記の方法を適宜用いる
ことができる。
ターゲットを用いた通常のスパッタリング法、あるい
は、金属ターゲットを用いた反応性スパッタリング法等
が用いられる。この時、反応性ガスとして、酸素、窒
素、等を導入したり、オゾン添加、プラズマ照射、イオ
ンアシスト等の手段を併用してもよい。また、本発明の
目的を損なわない範囲で、基板に直流、交流、高周波な
どのバイアスを印加してもよい。
粗くするのは、タッチパネルに用いた際のペン摺動耐久
性試験において、ガラス基板との摩擦が生じる真の接触
面積を小さくして滑り性を向上させ、導電性薄膜の表面
凸部にかかる応力集中を小さくすることにより、ペン摺
動耐久性を向上させるためである。
面粗さを0.3nm〜2.0nmとするためには、透明
導電性薄膜を成膜する際に、次の二つの方法を用いるこ
とが有効である。 (1)フィルム基板の温度を高くする。 (2)成膜雰囲気中の水分や有機物などの不純物を除去
する。
るためには、基板となるフィルムの温度を高くすること
が重要なポイントの1つである。これは、透明導電性薄
膜の成膜時に、蒸着粒子が堆積する際に基板(フィル
ム)表面でマイグレーションが生じるために、より大き
な複合酸化物(例えば、ITO)グレインが最表面にお
いて形成される。その結果、ITOグレイン間の界面に
おける溝深さが深くなり、表面粗さを適度に高くするこ
とができる。
式装置を用いて、透明導電性薄膜をフィルム上に成膜す
る場合には、フィルム背面(透明導電性薄膜形成面とは
反対面)に接触するロール温度を高くすることで、基板
となるフィルムの温度を高くすることが可能である。
明導電性薄膜を成膜する際の温度は、10〜150℃と
することが好ましい。成膜時の温度が150℃を越える
と、プラスチックフィルム表面が柔らかくなり、真空チ
ェンバー走行中にフィルム表面に傷が発生しやすくな
る。また、10℃未満の温度では表面粗さの大きな導電
性薄膜を得ることが難しくなる。
路を設けて、この水路中に温度調整された熱媒を流せば
よい。この熱媒としては、特に制限はないが、水やオイ
ル、エチレングリコール、プロピレングリコールなどの
単体およびこれらの混合物が好適である。
るためには、成膜雰囲気中の水や有機物などの不純物を
できるだけ除去することも重要なポイントである。
合には、スパッタリングを行う前に真空チェンバー内の
圧力を0.001Pa以下の真空度まで排気した後に、
Arなどの不活性ガスと酸素などの反応性ガスを真空チ
ェンバーに導入し、0.01〜10Paの圧力範囲にお
いて放電を発生させ、スパッタリングを行うのが好まし
い。また、蒸着法、CVD法などの他の方法においても
同様である。
導電性薄膜をスパッタリングなどの真空プロセスにより
成膜するが、硬化物層中および/またはプラスチックフ
ィルム中に揮発成分を含んでいると、真空プロセスに悪
影響を与える。
ィルム中に揮発成分を含んでいると、例えば、スパッタ
リング法でインジウム−スズ複合酸化物薄膜をフィルム
基板上に形成させる場合、スパッタリングされたインジ
ウム原子と硬化物層から揮発したガスが気相中で衝突し
て、インジウム原子のエネルギーが低下する。この結
果、硬化物層上に形成される透明導電性薄膜の自乗平均
面粗さは低下する。
電性薄膜中に不純物として取り込まれると、膜組成の変
動や膜構造の変化などにより、膜質の良くない透明導電
性薄膜が形成され、硬化物層上に形成される透明導電性
薄膜の自乗平均面粗さが低下する。
(Rms)の低い透明導電性薄膜が積層された透明導電
性フィルムをタッチパネルに用いると、5.0Nの荷重
で20万回の直線摺動試験後に、透明導電性薄膜が摩耗
劣化し好ましくない。
しては、前述した硬化物層の塗工に用いた塗工液の溶剤
や紫外線硬化反応に寄与しなかった、残留の光重合開始
剤およびその副生成物などが挙げられる。
外線照射による架橋反応の後に加熱処理を施すのが好適
である。このときの加熱処理温度は100〜200℃の
範囲であることが好ましい。100℃未満では揮発成分
を減少させる効果が不十分となりやすく、200℃を越
える温度では、フィルムの平面性を保つのが難しくなる
傾向にある。
バーの中でフィルムを真空暴露することで揮発成分を減
少させることも有効な手段である。真空暴露の際にフィ
ルムに接触するロール温度を高くしておいたり、赤外線
ヒーターによるフィルム加熱を併用することで揮発成分
をより減少させることが可能となる。
以下であることが好ましく、さらに好ましくは100P
a以下である。100Paよりも高い圧力では揮発成分
除去の効果が十分ではない。
することが好ましい。真空暴露時間が1分未満では、揮
発成分除去の効果が十分ではない。一方、100分を超
える時間では、生産性が著しく低下するために、工業的
に不適である。
子樹脂を併用しない場合には、ペン摺動耐久性の点か
ら、真空暴露時間を長めにすることが好ましい。具体的
には、真空暴露時間を15分間以上とすることが好まし
く、特に好ましくは20分間以上とする。
くすることでより効率的に揮発成分の低減を行うことが
できる。フィルム温度としては、0〜200℃の範囲が
好ましく、より好ましくは20〜180℃の範囲であ
る。
ムに接触するロール温度を高くすること、あるいは赤外
線ヒーターによるフィルム加熱を併用する手段が有効で
ある。この時のロール温度としては、上記フィルム温度
と同様に0〜200℃の範囲が好ましく、より好ましく
は20〜180℃の範囲である。
外線型、遠赤外線型のうちいずれでもよい。赤外線ヒー
ターへの投入電力は、5〜50,000W/m2・mi
nの範囲が好ましい。5W・m2/min未満の投入電
力ではフィルム温度を上昇させる効果がなく、50,0
00W/m2・minよりも高い投入電力では、フィルム
温度が高くなりすぎ、フィルムの平面性が低下するため
に好ましくない。
物などの不純物を可能な限り除去することで、膜質に優
れ、かつ狭領域における自乗平均面粗さが0.3nm〜
2.0nmである透明導電性薄膜を有する透明導電性フ
ィルムが得られる。そのため、この透明導電性薄膜をタ
ッチパネルに用いると、ポリアセタール製ペン(先端形
状:0.8mmR)を用いて、5.0Nの荷重で20万
回の直線摺動試験を行った後でも透明導電性薄膜の劣化
が見られない。
ms)がさらに高い透明導電性薄膜を得るために、成膜
後に加熱、紫外線照射などの手段でエネルギーを付与し
てもよい。これらのエネルギー付与手段のうち、酸素雰
囲気下での加熱処理が好適である。
好ましい。150℃未満の温度では、膜質改善の効果が
十分である。一方、200℃を超える温度ではフィルム
の平面性を維持するのが難しくなり、さらに透明導電性
薄膜の結晶化度が非常に高くなり、脆い透明導電性薄膜
となってしまう。
分の範囲が好適である。0.2分未満では、たとえ22
0℃程度の高温で加熱処理を行なっても膜質改善の効果
が十分でなく好ましくない。一方、60分を超える加熱
処理時間では工業的に不適である。
0.2Pa以下の圧力まで排気した後に酸素で満たした
空間で行うことが好ましい。このときの圧力は大気圧以
下であることが好ましい。
ン入力面)の耐擦傷性をさらに向上させるために、透明
プラスチックフィルムの透明導電性薄膜を形成させた表
面とは反対面(タッチパネルとした際の最外層のペン入
力面)に、ハードコート層を設けることが好ましい。前
記ハードコート層の硬度は、鉛筆硬度で2H以上である
ことが好ましい。2H未満の硬度では、透明導電性フィ
ルムのハードコート層としては耐擦傷性の点で不十分で
ある。
μmであることが好ましい。厚みが0.5μm未満で
は、耐擦傷性が不十分となりやすく、10μmよりも厚
い場合には生産性の観点から好ましくない。
脂組成物は、アクリレート系の官能基を有する樹脂が好
ましく、例えば、比較的低分子量のポリエステル樹脂、
ポリエーテル樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレ
タン樹脂、アルキッド樹脂、スピロアセタール樹脂、ポ
リブタジエン樹脂、ポリチオールポリエン樹脂、多価ア
ルコール等の多官能化合物の(メタ)アクリート等のオ
リゴマーまたはプレポリマーなどが挙げられる。
タ)アクリート、エチルヘキシル(メタ)アクリレー
ト、スチレン、メチルスチレン、N−ビニルピロリドン
等の単官能モノマー並びに多官能モノマー、例えば、ト
リメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ヘキ
サンジオール(メタ)アクリレート、トリプロピレング
リコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコー
ルジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ
(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ
(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ
(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メ
タ)アクリレート等を比較的多量に含有するものが使用
できる。
クリレート、モノマーとしてジペンタエリスリトールヘ
キサ(メタ)アクリレート等を混合することが好まし
い。
化型樹脂組成物としては、ポリエステルアクリレートと
ポリウレタンアクリレートとの混合物が特に好適であ
る。ポリエステルアクリレートは塗膜が非常に硬くてハ
ードコート層として適している。しかしながら、ポリエ
ステルアクリレート単独の塗膜では耐衝撃性が低く脆く
なりやすいという問題がある。そこで、塗膜に耐衝撃性
及び柔軟性を与えるために、ポリウレタンアクリレート
を併用することが好ましい。すなわち、ポリエステルア
クリレートにポリウレタンアクリレートを併用すること
で、塗膜はハードコート層としての硬度を維持しなが
ら、耐衝撃性及び柔軟性という機能を付与することがで
きる。
ート樹脂100質量部に対し、ポリウレタンアクリレー
ト樹脂を30質量部以下とするのが好ましい。ポリウレ
タンアクリレート樹脂の配合割合が30質量部を超える
と、塗膜が柔らかくなりすぎて耐衝撃性が不十分となる
傾向がある。
常の硬化方法、すなわち、加熱、電子線または紫外線の
照射によって硬化する方法を用いることができる。例え
ば、電子線硬化の場合は、コックロフトワルトン型、ハ
ンデグラフ型、共振変圧型、絶縁コア変圧器型、直線
型、ダイナミトロン型、高周波型等の各種電子線加速器
から放出される50〜1000keV、好ましくは10
0〜300keVのエネルギーを有する電子線等が使用
される。また、紫外線硬化の場合には、超高圧水銀灯、
高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク、キセノンア
ーク、メタルハイライドランプ等の光線から発する紫外
線等が利用できる。
の硬化型樹脂組成物中に光重合開始剤や光増感剤を含有
させることが好ましい。光重合開始剤としては、アセト
フェノン類、ベンゾフェノン類、ミヒラーベンゾイルベ
ンゾエート、α−アミロキシムエステル、テトラメチル
チウラムモノサルファイド、チオキサントン類などが挙
げられる。また、光増感剤としては、n−ブチルアミ
ン、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルホスフィン等
が好ましい。
は、硬化型樹脂中にCaCO3やSiO2などの無機粒子
を分散させたり、ハードコート層の表面に凹凸形状を形
成させることが有効である。例えば、凹凸を形成するた
めには、硬化型樹脂組成物を含む塗液を塗工後、表面に
凸形状を有する賦形フィルムをラミネートし、この賦形
フィルム上から紫外線を照射し硬化型樹脂を硬化させた
後に、賦形フィルムのみを剥離することにより得られ
る。
ポリエチレンテレフタレート(以後、PETと略す)等
の基材フィルム上に所望の凸形状を設けたもの、あるい
は、PET等の基材フィルム上に繊細な凸層を形成した
もの等を用いることができる。その凸層の形成は、例え
ば、無機粒子とバインダー樹脂からなる樹脂組成物を用
いて基材フィルム上に塗工することにより得ることがで
きる。
シアネートで架橋されたアクリルポリオールを用い、無
機粒子としては、CaCO3やSiO2などを用いること
ができる。また、この他にPET製造時にSiO2等の
無機粒子を練込んだマットタイプのPETも用いること
ができる。
膜にラミネートした後紫外線を照射して塗膜を硬化する
場合、賦型フィルムがPETを基材としたフィルムの場
合、該フィルムに紫外線の短波長側が吸収され、紫外線
硬化型樹脂の硬化が不足するという欠点がある。したが
って、紫外線硬化型樹脂の塗膜にラミネートする賦型フ
ィルムの透過率が20%以上のものを使用することが必
要である。
の透過率をさらに向上させるためにハードコート層上
に、低反射処理を施してもよい。この低反射処理は、ハ
ードコート層の屈折率とは異なる屈折率を有する材料を
単層もしくは2層以上に積層することが好ましい。
さな屈折率を有する材料を用いるのが好ましい。また、
2層以上の多層構造とする場合は、ハードコート層と隣
接する層は、ハードコート層よりも大きな屈折率を有す
る材料を用い、この上の層にはこれよりも小さな屈折率
を有する材料を選ぶのがよい。このような低反射処理を
構成する材料としては、有機材料でも無機材料でも上記
の屈折率の関係を満足すれば特に限定されない。例え
ば、CaF2、MgF2、NaAlF4、SiO2、ThF
4、ZrO2、Nd2O3、SnO2、TiO2、CeO2、
ZnS、In2O3、などの誘電体を用いるのが好まし
い。
リング法、CVD法、イオンプレーティング法などのド
ライコーティングプロセスでも、グラビア方式、リバー
ス方式、ダイ方式などのウェットコーティングプロセス
でもよい。
て、前処理として、コロナ放電処理、プラズマ処理、ス
パッタエッチング処理、電子線照射処理、紫外線照射処
理、プライマ処理、易接着処理などの公知の表面処理を
ハードコート層に施してもよい。
導電性薄膜を形成していない面と粘着剤を介して透明樹
脂シートと積層することで、タッチパネルの固定電極に
用いる透明導電性積層樹脂シートが得られる。すなわ
ち、タッチパネルの固定電極の基板をガラスから透明樹
脂シートに変更することで、軽量かつ割れにくいタッチ
パネルを作製することができる。
特に制限はないが、例えばアクリル系粘着剤、シリコー
ン系粘着剤、ゴム系粘着剤などが好適である。この粘着
剤の厚さは特に制限はないが、通常1〜100μmの範
囲に設定するのが望ましい。粘着剤の厚みが1μm未満
の厚さの場合、実用上問題のない接着性を得るのが難し
く、100μmを越える厚さでは生産性の観点から好ま
しくない。
ートは、ガラスと同等の機械的強度を付与するために使
用するものであり、厚さは0.05〜5mmの範囲が好
ましい。前記透明樹脂シートの厚みが0.05mm未満
では、機械的強度がガラスに比べ不足する。一方、厚さ
が5mmを越える場合には、厚すぎてタッチパネルに用
いるには不適当である。また、この透明樹脂シートの材
質は、前記の透明プラスチックフィルムと同様のものを
使用することができる。
用いた、タッチパネルの例を示す。これは、透明導電性
薄膜を有する一対のパネル板を、透明導電性薄膜が対向
するようにスペーサーを介して配置してなるタッチパネ
ルにおいて、一方のパネル板に本発明の透明導電性フィ
ルムを用いたものである。
力した時に、ペンからの押圧により、対向した透明導電
性薄膜同士が接触し、電気的にONの状態になり、タッ
チパネル上でのペンの位置を検出することができる。こ
のペン位置を連続的かつ正確に検出することで、ペンの
軌跡から文字を認識することができる。この際、ペン接
触側の可動電極が本発明の透明導電性フィルムを用いる
と、ペン摺動耐久性に優れるため、長期にわたって安定
なタッチパネルとすることができる。
明導電性シートを使用して得た、ガラス基板を用いない
プラスチック製のタッチパネルの断面図を図15に示し
た。このプラスチック製のタッチパネルは、ガラスを用
いていないため、非常に軽量であり、かつ、衝撃により
割れたりすることがない。
明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限定さ
れるものではない。なお、透明導電性フィルムの物性、
透明導電性薄膜面の広領域及び狭領域における自乗平均
面粗さ(Rms)、タッチパネルのペン摺動耐久性試験
は、下記の方法により測定した。
00/SPA300)を使用して、原子間力顕微鏡(AFM)に
より評価した。スキャナーはFS−20Aを使用した。
カンチレバーはシリコン製のSI−DF20を使用し
た。ともにSeikoInstruments社から購入できる一般的に
使用されているものである。観察モードはDFMモード
で行った。観察に用いるカンチレバーは探針汚染による
分解能低下がないように常に新品を使用した。また観察
時における磨耗劣化を防ぐために、分解能を犠牲にしな
い範囲でできる限り探針にかかる負荷が小さい条件で行
った。
の評価は、前記AFMにより10μm×10μmの面積
を分解能512ピクセル×512ピクセルで観察するこ
とで行った。走査速度は0.25Hz以下で行ったが、
分解能に支障がなければ、この速度にこだわる事はな
い。観察後付属のソフトウエアによりデータの傾斜を補
正し、その後、付属のソフトウエアにより表面粗さ評価
を行った。自乗平均面粗さ(Rms)の算出はランダム
に評価したAFM像10点以上の平均値とした。
評価は、前記AFMにより1μm×1μmの面積を分解
能256ピクセル×256ピクセル以上で観察すること
で行った。走査速度は0.5Hz以上で行ったが、分解
能に支障がなければ、この速度にこだわる事はない。観
察後付属のソフトウエアによりデータの傾斜を補正し、
その後、付属のソフトウエアにより表面粗さ評価を行っ
た。自乗平均面粗さ(Rms)の算出はランダムに評価
したAFM像10点以上の平均値とした。
正後の面内の最大高低差が12.5nm未満のものと
し、12.5nm以上のものは評価対象外とした。これ
は硬化型樹脂により誘起される導電層の凹凸、突起を狭
領域平均自乗粗さ評価対象内に含有させないための処理
である。もし含有させた場合、硬化型樹脂により導入さ
れる広領域で評価されるべき表面粗さを狭領域で評価す
る表面粗さに含ませることになってしまうためである。
DH−1001DPを用いて、光線透過率及びヘイズを
測定した。
測定機は、三菱油化(株)製 Lotest AMCP
−T400を用いた。単位はΩ/□である。
に5.0Nの荷重をかけ、20万回(往復10万回)の
直線摺動試験をタッチパネルに行った。この時の摺動距
離は30mm、摺動速度は60mm/秒とした。この摺
動耐久性試験後に、まず、摺動部が白化しているかを目
視によって観察した。さらに、ペン荷重0.5Nで上記
の摺動部にかかるように20mmφの記号○印を筆記
し、タッチパネルがこれを正確に読みとれるかを評価し
た。さらに、ペン荷重0.5Nで摺動部を押さえた際
の、ON抵抗(可動電極(フィルム電極)と固定電極と
が接触した時の抵抗値)を測定した。
ノマーフィルムを厚さ75μmのポリエチレンテレフタ
レートフィルムにラミネートし、付着力測定用積層体を
作製した。この付着力測定用積層体のアイオノマー面と
透明導電性フィルムの透明導電性薄膜面を対向させ、1
30℃でヒートシールした。この積層体を付着力測定用
積層体と透明導電性フィルムとを180度剥離法で剥離
し、この剥離力を付着力とした。この時の剥離速度は1
000mm/分とした。
セイカビームEXF−01J)100質量部に、共重合
ポリエステル樹脂(東洋紡績社製、バイロン200、重
量平均分子量18,000)を3質量部配合し、溶剤と
してトルエン/MEK(8/2:質量比)の混合溶媒
を、固形分濃度が50質量%になるように加え、撹拌し
て均一に溶解し塗布液を調製した。
Tフイルム(東洋紡績社製、A4340、厚み188μ
m)に、塗膜の厚みが5μmになるように、調製した塗
布液をマイヤーバーを用いて塗布した。80℃で1分間
乾燥を行った後、紫外線照射装置(アイグラフィックス
社製、UB042−5AM−W型)を用いて紫外線を照
射(光量:300mJ/cm2)し、塗膜を硬化させ
た。次いで、180℃で1分間の加熱処理を施して、揮
発成分の低減を行なった。
明PETフィルムを真空暴露するために、真空チェンバ
ー中で巻き返し処理を行なった。このときの圧力は0.
002Paであり、暴露時間は10分とした。また、セ
ンターロールの温度は40℃とした。
複合酸化物からなる透明導電性薄膜を成膜した。このと
き、スパッタリング前の圧力を0.0007Paとし、
ターゲットとして酸化スズを5質量%含有した酸化イン
ジウム(三井金属鉱業社製、密度7.1g/cm3)に
用いて、2W/cm2のDC電力を印加した。また、A
rガスを130sccm、O2ガスを10sccmの流
速で流し、0.4Paの雰囲気下でDCマグネトロンス
パッタリング法で成膜した。ただし、通常のDCではな
く、アーク放電を防止するために、日本イーエヌアイ製
RPG−100を用いて5μs幅のパルスを50kHz
周期で印加した。また、センターロール温度を50℃と
して、スパッタリングを行った。
スモニター(伯東社製、SPM200)にて常時観測し
ながら、インジウム−スズ複合酸化物薄膜中の酸化度が
一定になるように酸素ガスの流量計およびDC電源にフ
ィートバックした。以上のようにして、厚さ22nmの
インジウム−スズ複合酸化物からなる透明導電性薄膜を
堆積した。
ィルムを一方のパネル板として用い、他方のパネル板と
して、ガラス基板上にプラズマCVD法で厚みが20n
mのインジウム−スズ複合酸化物薄膜(酸化スズ含有
量:10質量%)からなる透明導電性薄膜(日本曹達社
製、S500)を用いた。この2枚のパネル板を透明導
電性薄膜が対向するように、直径30μmのエポキシビ
ーズを介して、配置しタッチパネルを作製した。
加する共重合ポリエステル樹脂を光重合開始剤含有アク
リル系樹脂100質量部に対し、9質量部配合した以外
は実施例1と同様にして導電性フィルムを作製した。さ
らに、この導電性フィルムを用いて、実施例1と同様に
してタッチパネルを製作した。
加する共重合ポリエステル樹脂を光重合開始剤含有アク
リル系樹脂100質量部に対し、0.2質量部配合した
以外は実施例1と同様にして導電性フィルムを作製し
た。さらに、この導電性フィルムを用いて、実施例1と
同様にしてタッチパネルを製作した。
硬化物層からなる積層体の、硬化物層面とは反対面にハ
ードコート層樹脂としてポリエステルアクリレートとポ
リウレタンアクリレートとの混合物からなる紫外線硬化
型樹脂(大日精化工業社製、EXG)を乾燥後の膜厚が
5μmになるようにグラビアリバース法により塗布し、
溶剤を乾燥させた。この後、160Wの紫外線照射装置
の下を10m/分の速度で通過させ、紫外線硬化型樹脂
を硬化させ、ハードコート層を形成させた。次いで、1
80℃で1分間の加熱処理をおこない、揮発成分の低減
を行った。
フィルム基材/硬化物層からなる積層体の硬化物層上
に、実施例1と同様にしてインジウム−スズ複合酸化物
薄膜を成膜した。さらに、この透明導電性フィルムを用
いて、実施例1と同様にしてタッチパネルを作製した。
材/硬化物層からなる積層体を作製した。この積層体の
硬化物層面とは反対面に、ハードコート層樹脂としてポ
リエステルアクリレートとポリウレタンアクリレートと
の混合物からなる紫外線硬化型樹脂(大日精化工業社
製、EXG)を乾燥後の膜厚が5μmになるようにグラ
ビアリバース法により塗布し、溶剤を乾燥した。その
後、表面に微細な凸形状が形成されたPETフィルムの
マット賦形フィルム(東レ社製、X)をマット面が紫外
線硬化型樹脂と接するようにラミネートした。このマッ
ト賦形フィルムの表面形状は、平均表面粗さ0.40μ
m、山の平均間隔160μm、最大表面粗さ25μmで
ある。
0Wの紫外線照射装置の下を10m/分の速度で通過さ
せ、紫外線硬化型樹脂を硬化させた。次いで、マット賦
形フィルムを剥離して、表面に凹形状加工が施され防眩
効果を有するハードコート層を形成させた。次いで、1
80℃で1分間の加熱処理をおこない、揮発成分の低減
を行った。
PETフィルム基材/硬化物層からなる積層体の硬化物
層上に、実施例1と同様にしてインジウム−スズ複合酸
化物薄膜を透明導電性薄膜として成膜した。さらに、こ
の透明導電性フィルムを一方のパネル板として用い、実
施例1と同様にしてタッチパネルを作製した。
透明PETフィルム基材/硬化物層/透明導電性薄膜層
からなる積層体を作製し、次いで、この防眩性ハードコ
ート層上に順次TiO2薄膜層(屈折率:2.30、膜
厚15nm)、SiO2薄膜層(屈折率:1.46、膜
厚29nm)、TiO2薄膜層(屈折率:2.30、膜
厚109nm)、SiO2薄膜層(屈折率:1.46、
膜厚87nm)を積層することで反射防止処理層を形成
した。TiO2薄膜層を形成するには、チタンをターゲ
ットに用いて、直流マグネトロンスパッタリング法で、
真空度を0.27Paとし、ガスとしてArガスを50
0sccm、O2ガスを80sccmの流速で流した。
また、基板の背面には0℃の冷却ロールを設けて、透明
プラスチックフィルムを冷却した。このときのターゲッ
トには7.8W/cm 2の電力を供給し、ダイナミック
レートは23nm・m/分であった。
ターゲットに用いて、直流マグネトロンスパッタリング
法で、真空度を0.27Pa、ガスとしてArガスを5
00sccm、O2ガスを80sccmの流速で流し
た。また、基板の背面には0℃の冷却ロールを設けて、
透明プラスチックフィルムを冷却した。このときのター
ゲットには7.8W/cm2の電力を供給し、ダイナミ
ックレートは23nm・m/分であった。さらに、この
透明導電性フィルムを一方のパネル板として用い、実施
例1と同様にしてタッチパネルを作製した。
クリル系粘着剤を介して、厚みが1.0mmのポリカー
ボネート製のシートに貼り付けて、透明導電性積層シー
トを作製した。この透明導電性積層シートを固定電極と
して用い、実施例4の透明導電性フィルムを可動電極に
用いて、実施例1と同様にしてタッチパネルを作製し
た。
空チェンバー中で巻き返す際のセンターロールの温度及
びITOをスパッタリングする際のセンターロールの温
度を20℃とした以外は、実施例1と同様にして導電性
フィルムを作製した。さらに、この導電性フィルムを用
いて、実施例1と同様にしてタッチパネルを製作した。
0007Paとし、暴露時間を30分、真空チェンバー
中で巻き返す際のセンターロールの温度を50℃、IT
Oをスパッタリングする際のセンターロールの温度を6
0℃とした以外は、実施例1と同様にして導電性フィル
ムを作製した。さらに、この導電性フィルムを用いて、
実施例1と同様にしてタッチパネルを製作した。
理の揮発成分低減のプロセスを省略した以外は、実施例
1と同様にして導電性フィルムを作製した。さらに、こ
の導電性フィルムを用いて、実施例1と同様にしてタッ
チパネルを製作した。
脂を添加しなかったこと以外は実施例1と同様にして導
電性フィルムを作製した。さらに、この導電性フィルム
を用いて、実施例1と同様にしてタッチパネルを製作し
た。
加する共重合ポリエステル樹脂を光重合開始剤含有アク
リル系樹脂100質量部に対し、30質量部を配合した
以外は実施例1と同様にして導電性フィルムを作製し
た。さらに、この導電性フィルムを用いて、実施例1と
同様にしてタッチパネルを製作した。
ンで200℃に加熱し、5分間保持した以外は実施例1
と同様にして導電性フィルムを作製した。さらにこの導
電性フィルムを用いて、実施例1と同様にしてタッチパ
ネルを製作した。
導電性フィルムおよび透明導電性シートは、透明導電性
薄膜の広領域および狭領域における自乗平均面粗さ(R
ms)がともに本発明で規定した要件をすべて満足す
る。そのため、この透明導電性フィルムを用いたタッチ
パネルは、ポリアセタール製ペン(先端形状:0.8m
mR)に5.0Nの荷重をかけ20万回の摺動試験を行
なった後でも白化もなく、ON抵抗にも異常がなかっ
た。また、入力した記号○印も正確に認識していた。
ルムおよび透明導電性シートは、透明導電性薄膜の広領
域あるいは狭領域における自乗平均面粗さ(Rms)の
どちらかが本発明で規定した要件を満足していない。そ
のため、比較例1及び2記載の透明導電フィルムを用い
たタッチパネルはポリアセタール製ペン(先端形状:
0.8mmR)に5.0Nの荷重をかけ20万回の摺動
試験を行なった後に白化が生じ、ON抵抗に異常が生じ
た。また入力した記号○印も正確に認識されなかった。
では光線透過率が低く、ヘイズも高くなり、実用上十分
な光学特性を得ることができなかった。また比較例4記
載の透明導電性フィルムを用いたタッチパネルではポリ
アセタール製ペン(先端形状:0.8mmR)に5.0
Nの荷重をかけ20万回の摺動試験を行なった後に白化
やON抵抗に異常は生じなかったものの、入力した記号
○印が正確に認識されず、実用上十分な性能を満足する
ことができなかった。
ラスチックフィルム基材上に、硬化型樹脂を主たる構成
成分とする硬化物層、及び透明導電性薄膜をこの順に積
層した透明導電性フィルムであって、前記透明導電性フ
ィルムの透明導電性薄膜面の自乗平均面粗さ(Rms)
が広領域では4.0nm〜20.0nm、狭領域では
0.3nm〜2.0nmであることを特徴とする透明導
電性フィルムであるため、前記透明導電性フィルムを用
いたペン入力用タッチパネルは、ペンの押圧で対向の透
明導電性薄同士が接触しても、剥離、クラック等を生じ
ることがないなどペン摺動耐久性に優れており、かつ位
置検出精度や表示品位にも優れている。したがって、ペ
ン入力タッチパネルとして好適である。
た説明図である。
た説明図である。
た説明図である。
た説明図である。
た説明図である。
た説明図である。
た説明図である。
た説明図である。
た説明図である。
した説明図である。
した説明図である。
した説明図である。
した説明図である。
チパネルの例の説明図である。
ス基板を使用しないタッチパネルの例の説明図である。
Claims (9)
- 【請求項1】 透明プラスチックフィルム基材上に、硬
化型樹脂を主たる構成成分とする硬化物層、及び透明導
電性薄膜をこの順に積層した透明導電性フィルムであっ
て、前記透明導電性フィルムの透明導電性薄膜面の自乗
平均面粗さ(Rms)が広領域では4.0nm〜20.
0nm、狭領域では0.3nm〜2.0nmであること
を特徴とする透明導電性フィルム。(ここで広領域とは
Rmsを算出するために原子間力顕微鏡を用いて行う評
価範囲のことであり、10μm×10μmのことであ
る。また、狭領域とは1μm×1μmを意味する。) - 【請求項2】 前記硬化物層は、硬化物樹脂中に非相溶
な高分子樹脂を含有し、かつ前記非相溶高分子樹脂が粒
子状に分散していることを特徴とする請求項1記載の透
明導電性フィルム。 - 【請求項3】 前記硬化型樹脂を主たる構成成分とする
硬化物層と前記透明導電性薄膜との付着力が0.1N/
15mm以上であることを特徴とする請求項1または2
記載の透明導電性フィルム。 - 【請求項4】 前記透明導電性薄膜が、インジウム−ス
ズ複合酸化物またはスズ−アンチモン複合酸化物からな
ることを特徴とする請求項1、2、または3記載の透明
導電性フィルム。 - 【請求項5】 前記透明導電性フィルムの透明導電性薄
膜面とは反対面に、ハードコート層を積層することを特
徴とする請求項1、2、3、または4記載の透明導電性
フィルム。 - 【請求項6】 前記ハードコート層が防眩性を有するこ
とを特徴とする請求項5記載の透明導電性フィルム。 - 【請求項7】 前記ハードコート層に低反射処理を施し
たことを特徴とする請求項5または6記載の透明導電性
フィルム。 - 【請求項8】 請求項1、2、3、4、5、6、または
7記載の透明導電性フィルムの透明導電性薄膜面とは反
対面に、粘着剤を介して透明樹脂シートを貼り合わせる
ことを特徴とする透明導電性シート。 - 【請求項9】 前記透明導電性薄膜を有する一対のパネ
ル板を透明導電性薄膜が対向するようにスペーサーを介
して配置してなるタッチパネルにおいて、少なくとも一
方のパネル板が請求項1、2、3、4、5、6、7、ま
たは8記載の透明導電性フィルムもしくは透明導電性シ
ートからなることを特徴とするタッチパネル。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2002218510A JP3627865B2 (ja) | 2001-07-31 | 2002-07-26 | 透明導電性フィルム、透明導電性シートおよびタッチパネル |
Applications Claiming Priority (3)
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---|---|---|---|
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