JP2003148800A - 貯湯式給湯風呂装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】貯湯タンク内の温水との間接熱交換により追焚
きまたは保温を行う貯湯式給湯装置に関し、湯張り時に
適温の湯を安定して供給できるようにする。 【解決手段】温水を貯湯する貯湯タンク１と、貯湯タン
ク１内に配置された間接熱交換器１７と、間接熱交換器
１７と浴槽３とを循環可能に接続する風呂循環回路１６
と、浴槽水を循環させる風呂循環ポンプ１８と、貯湯タ
ンク１に接続された出湯管８からの温水と給水管７から
の水とを混合する混合弁９と、混合弁９の下流側と風呂
循環回路１６とを接続する湯張り管２４とを備えた貯湯
式給湯風呂装置に於いて、風呂循環回路１６に間接熱交
換器１７をバイパスするバイパス管２２を設けると共
に、間接熱交換器１７側を閉鎖してバイパス管２２と風
呂循環回路１６を連通するか、バイパス管２２側を閉鎖
して間接熱交換器１７と風呂循環回路１６を連通するか
を切換える流路切換手段２３を設けた。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、貯湯タンク内の温
水との間接熱交換により浴槽内の湯水の追焚きまたは保
温を行う貯湯式給湯風呂装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来より、この種の貯湯式給湯風呂装置
に於いては、例えば特開平１１−８３１５６号に開示さ
れているように、風呂循環回路に貯湯タンク内に設けら
れた間接熱交換器を接続し、貯湯タンク内の温水を利用
して電熱ヒータ等を用いなくとも浴槽の追焚きや保温を
できるようにしたものであった。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところが、この従来の
ものでは、浴槽への湯張り時に混合弁にて適温に調節さ
れた後に風呂循環回路に流入した湯が貯湯タンク内の間
接熱交換器を通過して加熱されて適温よりも高い温度と
なって湯張りしてしまうという問題があった。また、冬
季に凍結防止のため風呂循環回路の風呂循環ポンプを駆
動して浴槽水を循環させることがあるが、このときに貯
湯タンクの熱を間接熱交換器内を通過する低温の浴槽水
が奪って貯湯タンク内の湯温を下げてしまい、給湯可能
な湯量を減らしてしまうという問題があった。

【０００４】

【課題を解決するための手段】そこで、上記課題を解決
するため、本発明の請求項１では、温水を貯湯する貯湯
タンクと、前記貯湯タンク内に配置された間接熱交換器
と、前記間接熱交換器と浴槽とを循環可能に接続する風
呂循環回路と、浴槽水を循環させる風呂循環ポンプと、
前記貯湯タンクに接続された出湯管からの温水と給水管
からの水とを混合する混合弁と、前記混合弁の下流側と
前記風呂循環回路とを接続する湯張り管とを備えた貯湯
式給湯風呂装置に於いて、前記風呂循環回路に前記間接
熱交換器をバイパスするバイパス管を設けると共に、前
記間接熱交換器側を閉鎖して前記バイパス管と前記風呂
循環回路を連通するか、前記バイパス管側を閉鎖して前
記間接熱交換器と前記風呂循環回路を連通するかを切換
える流路切換手段を設けたものである。

【０００５】また、請求項２では、前記請求項１のもの
に於いて、前記風呂循環ポンプを駆動して浴槽水を加熱
する追焚き時あるいは保温時には、前記流路切換手段を
前記バイパス管側を閉鎖して前記間接熱交換器と前記風
呂循環回路を連通するよう切換え、前記混合弁で混合さ
れた湯を前記湯張り管を介して浴槽に湯張りする湯張り
時には、前記流路切換手段を前記間接熱交換器側を閉鎖
して前記バイパス管と前記風呂循環回路を連通するよう
切換えるようにしたものである。

【０００６】また、請求項３では、前記請求項１のもの
に於いて、前記風呂循環ポンプを駆動して浴槽水を加熱
する追焚き時あるいは保温時には、前記流路切換手段を
前記バイパス管側を閉鎖して前記間接熱交換器と前記風
呂循環回路を連通するよう切換え、前記風呂循環回路内
の温水の凍結のおそれがある時には、前記流路切換手段
を前記間接熱交換器側を閉鎖して前記バイパス管と前記
風呂循環回路を連通するよう切換え、前記風呂循環ポン
プを駆動して凍結防止運転を行うようにしたものであ
る。

【０００７】これにより、浴槽の追焚きまたは保温時に
は流路切換手段を切換えて間接熱交換器と風呂循環回路
とを連通すれば、風呂循環回路の風呂循環ポンプを駆動
すると浴槽水が間接熱交換器を通過して貯湯タンク内の
高温の温水によって間接的に加熱され、追焚きまたは保
温が行われる。そして、湯張り運転時には流路切換手段
を切換えてバイパス管と風呂循環回路とを連通すれば、
貯湯タンク内の高温の湯と給水管からの冷水とが混合手
段にて適温に調節されて湯張り管から風呂循環回路に流
入し、風呂循環回路に流入した適温の湯は貯湯タンク内
の間接熱交換器の手前でバイパス管を通過し、間接熱交
換器を通過することなく浴槽に湯張りされる。そのため
混合弁にて適温に調節された温度のまま湯張りされ、湯
張り時に浴槽の湯温が熱くなりすぎることがないもので
ある。また、凍結防止運転時には流路切換手段を切換え
てバイパス管と風呂循環回路とを連通すれば、風呂循環
回路の冷水は間接熱交換器の手前でバイパス管を通過
し、間接熱交換器を通過することなく循環される。その
ため冷たい浴槽水を凍結防止のために循環させても貯湯
タンク内の高温の温水の熱を奪ってしまうことがなく給
湯可能な湯量を減らしてしまうことがなくなる。

【０００８】

【発明の実施の形態】次に、本発明の一実施形態を図面
に基づいて説明する。１は温水を貯湯する貯湯タンク、
２は温水を加熱する加熱手段としてのヒートポンプユニ
ット、３は浴槽である。

【０００９】４は貯湯タンク１とヒートポンプユニット
２を循環可能に接続する加熱循環回路で、加熱循環ポン
プ５を有し貯湯タンク１の下部に接続されたヒーポン往
き管４ａ及び貯湯タンク１上部に接続されたヒーポン戻
り管４ｂより構成され、貯湯タンク１下部の冷水をヒー
ポン往き管４ａを介してヒートポンプユニット２で加熱
し、加熱された高温の温水をヒーポン戻り管４ｂで貯湯
タンク１上部に戻して貯湯タンク１内に温水を加熱貯湯
するものである。なお、貯湯タンク１の外周面には縦に
複数個の貯湯温度センサ６ａ、６ｂ、６ｃ、６ｄを有し
ており、この貯湯温度センサが所定温度以上を検出する
ことで貯湯量を検知するものである。

【００１０】７は貯湯タンク１に水を供給する給水管、
８は貯湯タンク１内の温水を出湯する出湯管、９は給水
管７からの冷水と出湯管８からの温水を設定温度になる
ように混合する混合弁、１０は混合された設定温度の温
水を給湯する給湯管、１１は給湯管１０の端部に設けら
れる蛇口である。１２は混合弁９の下流に設けた給湯温
度センサ、１３は給湯量をカウントする給湯流量センサ
である。なお、１４は水道圧を所定の圧力に減圧する減
圧弁、１５は加熱されることによる過圧を逃がす圧力逃
し弁である。

【００１１】１６は風呂循環回路で、貯湯タンク１内に
設けられた蛇管よりなる間接熱交換器１７と浴槽３とを
風呂往き管１６ａ及び風呂戻り管１６ｂとで循環可能に
接続するものである。１８は風呂循環回路１６に設けら
れた風呂循環ポンプ、１９は流水の有無を検知する流水
センサ、２０は風呂循環回路１６を流れる浴槽水の温度
を検出する風呂温度センサ、２１は浴槽水の水圧から浴
槽３内の水位を検出する水位センサである。

【００１２】２２は間接熱交換器１７をバイパスして風
呂往き管１６ａと風呂戻り管１６ｂとを接続するバイパ
ス管で、三方弁よりなる流路切換手段２３がバイパス管
２２と風呂戻り管１６ｂの接続部に設けられ、風呂循環
回路１８を流れる温水を間接熱交換器１７を流すか否か
を選択的に切換えるものである。

【００１３】２４は給湯管１０途中から分岐されて風呂
循環回路１８に接続され浴槽３への湯張りを行うための
湯張り管、２５はこの湯張り管２４に設けられ浴槽３へ
の湯張りの開始、停止を行う湯張り弁、２６は浴槽３へ
の湯張り量をカウントする風呂流量センサである。な
お、２７は湯張り管２４と水位センサ２１との間に設け
られる二方弁で、湯張り時に一旦開弁して風呂戻り管１
６ｂの湯張り管２４から浴槽３までの配管のエアパージ
を行った後、閉弁して水位センサ２１で正確な水位を監
視しながら湯張りを行えるようにするものである。

【００１４】２８はヒートポンプユニット２の加熱制御
を行う加熱制御部、２９は給湯および風呂の制御を行う
給湯風呂制御部である。

【００１５】次に、この貯湯式給湯風呂装置の特徴的作
動を以下に説明する。前記給湯風呂制御部２９に接続さ
れたリモコン（図示せず）にて風呂の追焚きが指示され
ると、風呂給湯制御部２９は流路切換手段２３を間接熱
交換器１７側に切換えて風呂循環ポンプ１８を駆動し、
浴槽３内の湯水を貯湯タンク１内の高温の温水中に設け
られた間接熱交換器１７を流通させ、貯湯タンク１の貯
湯温水の熱を利用して浴槽水を加熱するものである。貯
湯タンク１の温水を用いて浴槽３内の温水を追焚きある
いは保温可能にしたため、追焚きあるいは保温専用の電
熱ヒータが不要となり、コストの低減および電力消費量
の低減を計れるものである。

【００１６】また、リモコンにて風呂の湯張りが指示さ
れると、給湯風呂制御部２９は湯張り弁２５を開弁し、
給水管７からの冷水と出湯管８からの温水とが混合弁９
にて風呂リモコンにて設定された温度に調節されて湯張
り管２４および風呂循環回路１６を介して浴槽３へ風呂
流量センサ２６で所定量をカウントするまで湯張りを行
う。このとき、バイパス管２２に設けられた流路切換手
段２３はバイパス管２２側に切換えられ、湯張りによっ
て風呂循環回路１６に流入する設定温度に調節された湯
はバイパス管２２を流れるので、一度混合弁９にて設定
温度に調節された湯がそれよりも高温の温水が貯められ
た貯湯タンク１内の間接熱交換器１７を流れることがな
く、間接熱交換器１７によって設定温度を上回って加熱
されてしまうことがなくなる。

【００１７】ここでもしも、バイパス管２２および流路
切換手段２３がなく湯張り時に間接熱交換器１７をバイ
パスすることができないとすると、湯張り時には混合弁
９で調節する温度を貯湯タンク１内の間接熱交換器１７
付近の湯温を監視して間接熱交換器１７によって加熱さ
れる分を考慮した温度に調節しなければならず、制御が
複雑になると共に湯張りの湯温が安定しないといった不
具合があるが、本発明のようにバイパス管２２および流
路切換手段２３を設ければ湯張り時には間接熱交換器１
７をバイパスすることができるので、混合弁９で設定温
度に調節するのみの比較的簡単な制御にて湯温を安定さ
せることができるものである。

【００１８】次に、冬季に浴槽水の凍結のおそれが生じ
た場合は、給湯風呂制御部２９は流路切換手段２３をバ
イパス管２２側に切換えて風呂循環ポンプ１８を駆動
し、浴槽水を流動させることで浴槽水および風呂循環回
路１６内の水の凍結を防止する。このとき浴槽水は間接
熱交換器１７を流通しないので貯湯タンク１内の高温の
温水の熱を無為に奪ってしまうことがなく、貯湯タンク
１内の給湯可能な貯湯量を減らすことがなくなる。な
お、ここで凍結のおそれを検知するのには、例えば風呂
循環回路１６途中に設けられた風呂温度センサ２０や給
水温度センサ（図示せず）やヒートポンプユニット２に
設けた外気温度センサ（図示せず）の何れかで凍結危険
温度を検知することにより凍結のおそれを検知すれば良
く、既に公知な多様な方法で検知可能であり、何れかの
方法に限定されるものではない。

【００１９】また、浴槽水を流動させるだけでは凍結予
防が行えないほど気温が低く、流路切換手段２３をバイ
パス管２２側に切換えた状態で浴槽水を循環させても風
呂温度センサ２０で検知する浴槽水の温度が低下し続け
る場合には、流路切換手段２３を間接熱交換器１７側に
切換えて貯湯タンク１の貯湯温水の熱で浴槽水を加熱し
て凍結を予防するようにすることができるものである。

【００２０】なお、本発明はこの一実施形態に限定され
るものではなく、例えば貯湯タンク内１の温水を沸かし
上げる電熱ヒータを貯湯タンク１内に有した公知の電気
温水器でもよく、また、混合弁９は給湯専用、風呂湯張
り専用として２つ設ける公知の構成にしてもよく、さら
に、流路切換手段２３は三方弁に限られず、例えばバイ
パス管２２および間接熱交換器１７の入口または出口に
それぞれ開閉弁を設け、何れか一方を選択的に開弁する
ように構成しても良いものである。

【００２１】

【発明の効果】以上のように、本発明によれば、電熱ヒ
ータを設けることなく浴槽水を追焚きまたは保温するこ
とが可能で、また風呂循環回路を流れる湯水を間接熱交
換器で加熱するかしないかを切換えることができる。

【００２２】また、湯張り運転時に混合弁で適温に調節
された湯が間接熱交換器で再加熱されて適温を上回って
しまうようなことがなくなり、適温の湯を安定して湯張
りすることができる。

【００２３】また、凍結防止運転時にも冷たい浴槽水が
間接熱交換器をバイパスして循環するので、凍結防止運
転を行っても貯湯タンク内の熱を無為に奪うことがな
く、給湯可能な貯湯量を無駄に減らしてしまうことがな
くなる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施形態の概略構成図。

【符号の説明】

１ 貯湯タンク ３ 浴槽 ７ 給水管 ８ 出湯管 ９ 混合弁 １６ 風呂循環回路 １７ 間接熱交換器 １８ 風呂循環ポンプ ２２ バイパス管 ２３ 流路切換手段 ２４ 湯張り管

フロントページの続き (72)発明者 石田 英樹 愛知県刈谷市昭和町１丁目１番地 株式会 社デンソー内 (72)発明者 和泉 哲哉 愛知県刈谷市昭和町１丁目１番地 株式会 社デンソー内 (72)発明者 上村 和也 愛知県刈谷市昭和町１丁目１番地 株式会 社デンソー内 (72)発明者 村端 秀峰 愛知県刈谷市昭和町１丁目１番地 株式会 社デンソー内 (72)発明者 土屋 静男 愛知県刈谷市昭和町１丁目１番地 株式会 社デンソー内 Ｆターム(参考） 3L024 DD17 DD28 HH15 HH22 HH24

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 温水を貯湯する貯湯タンクと、前記貯湯
   タンク内に配置された間接熱交換器と、前記間接熱交換
   器と浴槽とを循環可能に接続する風呂循環回路と、浴槽
   水を循環させる風呂循環ポンプと、前記貯湯タンクに接
   続された出湯管からの温水と給水管からの水とを混合す
   る混合弁と、前記混合弁の下流側と前記風呂循環回路と
   を接続する湯張り管とを備えた貯湯式給湯風呂装置に於
   いて、前記風呂循環回路に前記間接熱交換器をバイパス
   するバイパス管を設けると共に、前記間接熱交換器側を
   閉鎖して前記バイパス管と前記風呂循環回路を連通する
   か、前記バイパス管側を閉鎖して前記間接熱交換器と前
   記風呂循環回路を連通するかを切換える流路切換手段を
   設けたことを特徴とする貯湯給湯風呂装置。
2. 【請求項２】 前記風呂循環ポンプを駆動して浴槽水を
   加熱する追焚き時あるいは保温時には、前記流路切換手
   段を前記バイパス管側を閉鎖して前記間接熱交換器と前
   記風呂循環回路を連通するよう切換え、前記混合弁で混
   合された湯を前記湯張り管を介して浴槽に湯張りする湯
   張り時には、前記流路切換手段を前記間接熱交換器側を
   閉鎖して前記バイパス管と前記風呂循環回路を連通する
   よう切換えるようにしたことを特徴とした請求項１記載
   の貯湯式給湯風呂装置。
3. 【請求項３】 前記風呂循環ポンプを駆動して浴槽水を
   加熱する追焚き時あるいは保温時には、前記流路切換手
   段を前記バイパス管側を閉鎖して前記間接熱交換器と前
   記風呂循環回路を連通するよう切換え、前記風呂循環回
   路内の温水の凍結のおそれがある時には、前記流路切換
   手段を前記間接熱交換器側を閉鎖して前記バイパス管と
   前記風呂循環回路を連通するよう切換え、前記風呂循環
   ポンプを駆動して凍結防止運転を行うようにしたことを
   特徴とする請求項１記載の貯湯式給湯風呂装置。