JP3997918B2 - 風呂追い焚き付き電気温水器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、風呂追い焚き機能を有する電気温水器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の風呂追い焚き機能を有する電気温水器はよく知られており、浴槽内の湯を、貯湯タンク内の風呂追い焚き熱交換器に循環させることにより、貯湯タンク内の湯と熱交換させて追い焚きをするものである(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−48393号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来の電気温水器では、風呂保温運転時に風呂温度を確認するための風呂循環運転、あるいは風呂に水が有る時の凍結防止ための風呂循環運転等の風呂加熱が不要な状況で風呂循環運転する場合や、湯張りのための風呂注湯する場合は、風呂追い焚き熱交換器を湯が通過するため、貯湯タンクの湯との熱交換が行われ、貯湯タンクの熱量が浪費され不必要に浴槽の温度が上昇するという課題がある。また、風呂加熱していない時は、風呂追い焚き熱交換器内部の湯が貯湯タンクの湯温と同じ温度になっているため、風呂加熱開始時には、高温の湯が出てくるという安全上の課題もある。
【0005】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、風呂加熱が不要な状況で風呂循環運転する場合等においては、貯湯タンクの熱量が浪費されることのないようにし、また風呂加熱開始時には、いきなり高温の湯が出て来ないようにすることが可能で安全性が確保できる風呂追い焚き付き電気温水器を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本発明の風呂追い焚き付き電気温水器は、風呂追い焚き熱交換器の貯湯タンク入口配管に三方弁を設け、三方弁で分岐した配管を風呂追い焚き熱交換器の貯湯タンク出口配管に接続したものである。
【0007】
これにより、三方弁により風呂追い焚き熱交換器を通過する経路と風呂追い焚き熱交換器を通過しない経路を切り替えることができるため、風呂加熱が不要な状況で風呂循環運転する場合等においては、貯湯タンクの熱量が浪費されることがないようにでき、また風呂加熱開始時には、三方弁の位置を配慮することで、風呂追い焚き熱交換器を通過する経路と風呂追い焚き熱交換器を通過しない経路へ同時に浴槽の湯を流し、風呂追い焚き熱交換器内部の高温の湯に浴槽の湯を混合でき、風呂加熱開始時に、いきなり高温の湯が出て来ないようにすることが可能で安全性が確保できるものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
請求項1に記載の発明は、貯湯タンクと、前記貯湯タンク内の湯を浴槽へ供給する風呂注湯配管と、前記風呂注湯配管を開閉する風呂注湯弁と、前記風呂注湯弁の下流で前記風呂注湯配管から分岐して浴槽と連絡した、風呂往き配管および風呂戻り配管からなる風呂循環配管と、前記風呂循環配管の一部に接続し前記貯湯タンク内部の上方に装備した風呂追い焚き熱交換器とを備え、前記風呂追い焚き熱交換器の貯湯タンク入口配管には三方弁を設け、三方弁で分岐した配管を風呂追い焚き熱交換器の貯湯タンク出口配管に接続するとともに、浴槽水の加熱運転開始時には、前記三方弁を駆動して浴槽水を前記風呂追い炊き熱交換器をバイパスし、浴槽水の加熱運転開始後に、前記三方弁を駆動して浴槽水を前記風呂追い炊き熱交換器に通水させることにより、三方弁により風呂追い焚き熱交換器を通過する経路と風呂追い焚き熱交換器を通過しない経路を切り替えることができるため、風呂加熱が不要な状況で風呂循環運転する場合等においては、貯湯タンクの熱量が浪費されることがないようにでき、また風呂加熱開始時には、三方弁の位置を配慮することで、風呂追い焚き熱交換器を通過する経路と風呂追い焚き熱交換器を通過しない経路へ同時に浴槽の湯を流し、風呂追い焚き熱交換器内部の高温の湯に浴槽の湯を混合でき、風呂加熱開始時に、いきなり高温の湯が出て来ないようにすることが可能で安全性が確保できるものである。
【0009】
請求項2に記載の発明は、三方弁に代えて混合弁を用いた請求項1に記載の風呂追い焚き付き電気温水器とすることにより、混合弁の作用により請求項1に記載の発明と同様な効果が得られる。
【0010】
請求項3に記載の発明は、貯湯タンクの側面上部に開口部を設け、この開口部に対し風呂追い焚き熱交換器を着脱自在に取り付けた請求項1または2に記載の風呂追い焚き付き電気温水器とすることにより、風呂追い焚き熱交換器のサービスが容易となる。すなわち、風呂追い焚き熱交換器には浴槽の湯を流すため、湯垢、毛髪、ゴミにより詰まり等の問題の発生が考えられる。電気温水器は大型の設備商品であり商品交換には大きな労力、時間、費用を必要とするため、風呂追い焚き熱交換器を着脱可能な構成にしておくことで、風呂追い焚き熱交換器にかかわる問題発生に対して現場での対応が可能となる。
【0011】
請求項4に記載の発明は、風呂追い焚き熱交換器は2系統以上の並列した流路を有し、貯湯タンク内部の天面に沿うような形状とした請求項1〜3のいずれか1項に記載の風呂追い焚き付き電気温水器とすることにより、流路を細管とすることができるとともに配管の圧損が増大することを低減し、さらに、流速の低減による潰蝕防止が図れる。また、風呂追い焚き熱交換器の形状から貯湯タンク内部の天面に近づけることができ、貯湯タンクの湯を効率よく風呂加熱に利用することができる。
【0012】
【実施例】
以下、本発明の実施例における風呂追い焚き付き電気温水器について図1、図2を用いて説明する。
【0013】
図1において、11は貯湯タンク、12は貯湯タンク11の内部の上方に備えた沸き上げヒータ、13は貯湯タンク11の下部と上部を接続する循環配管、14は循環配管13に設けて貯湯タンク11内下部の水を上部に循環搬送するための循環ポンプ、15は貯湯タンク11上部に接続した出湯配管、16は水道水を減圧する減圧弁、17は減圧弁16を通して水道水を後記する混合弁へ給水する給水配管で、一部を分岐して貯湯タンク11内下部にも給水するものである。18は出湯配管15と給水配管17間に設け湯と水を設定温度に混合する混合弁、19は混合弁18を通して貯湯タンク11内の湯、または水道水との混合湯を浴槽22へ供給する風呂注湯配管、20は風呂注湯配管19を開閉する風呂注湯弁、21は風呂注湯弁20の下流で風呂注湯配管19から分岐して浴槽22と連絡した、風呂往き配管21aおよび風呂戻り配管21bからなる風呂循環配管、23は風呂戻り配管21bに設けられた風呂循環ポンプ、24は風呂循環配管21の一部に接続し貯湯タンク11内部の上方に装備した風呂追い焚き熱交換器である。この風呂追い焚き熱交換器24は沸き上げヒータ12直上の貯湯タンク11の最上部に配置されている。25は風呂追い焚き熱交換器24の貯湯タンク入口配管24aに設けた三方弁、26は三方弁25より浴槽側に配した風呂温度サーミスタ、27は三方弁25で分岐し風呂追い焚き熱交換器24の貯湯タンク出口配管24bに接続した短絡用の配管、28は風呂往き配管21と配管27の合流部より浴槽側に配した熱交換器出口サーミスタ、29は浴槽22内の風呂往き配管21aと風呂戻り配管21bの端部に装備した循環アダプター、30は注湯栓である。
【0014】
次に動作、作用について説明すると、貯湯タンク11の上方に備えた沸き上げヒータ12にて貯湯タンク11内の湯を沸き上げる。次に、循環配管13を通して循環ポンプ14にて、貯湯タンク11下部の水を上部に搬送することにより、貯湯タンク11上部から下部に向かって全量沸き上げる。浴槽22の湯張りは、貯湯タンク11上部から出る出湯配管15の湯と、水道水を減圧弁16で減圧した給水配管17からの水が設定温度に混合され混合弁18を通って風呂注湯配管19、風呂循環配管21に導かれ、風呂注湯弁20を開けることで開始し、閉じることで終了する。湯張り時を含め、風呂加熱が不要な場合には、風呂追い焚き熱交換器24に湯が流れないように、三方弁25は配管27に全量流すように駆動されている。浴槽22の湯温が低下した場合は、三方弁25を切り替え、風呂循環ポンプ23を駆動することで、浴槽22の湯を風呂戻り配管21bから風呂往き配管
21aへと循環させ、途中の風呂追い焚き熱交換器24において浴槽22の湯と貯湯タンク11上部の高温の残湯で熱交換し、浴槽22の湯を加熱する。このとき、熱交換器出口サーミスタ28の信号により三方弁25を駆動し、風呂追い焚き熱交換器24に流す流量を調整することで、風呂加熱能力を制御することが可能である。
【0015】
この方式では、風呂保温運転時に風呂温度を確認するための風呂循環運転、あるいは浴槽22に水が有る時の凍結防止ための風呂循環運転等の風呂加熱が不要な風呂循環運転時や、湯張りのための風呂注湯時は、三方弁25を駆動して風呂追い焚き熱交換器24を通過しない短絡経路に流すことにより、貯湯タンク11の熱量が浪費され不必要に浴槽22の温度が上昇するという課題を防止することができる。さらに、熱交換器出口サーミスタ28の信号によるフィードバック制御もできるため、風呂加熱能力の制御が可能となり、風呂保温時に循環アダプター29から出る風呂加熱後の湯温の上がりすぎを抑制することや、風呂加熱開始時に、高温の湯が循環アダプター29から出て来るということも抑制することができる。
【0016】
また、三方弁25は、自動あるいは手動で切り替えることができるようにするとともに、中間位置に止めることにより、風呂追い焚き熱交換器24を通過する経路と、配管27を通過する短絡経路とに同時に流れるようにし、その分配比率調整を可能とすることもできる。これにより、風呂加熱開始時には、短絡経路の循環にしておき、風呂循環運転開始後は、三方弁25を中間位置に駆動して、風呂追い焚き熱交換器24を通過する経路と短絡経路に同時に流し、風呂追い焚き熱交換器24内部の高温の湯に浴槽22の湯を混合し、風呂追い焚き熱交換器24内部の高温の湯が完全に置換した後、風呂追い焚き熱交換器24側の循環に切り替えることができる。したがって、いきなり高温の湯が循環アダプター29から出て来るという安全上の課題を防止することができる。さらに、風呂温度サーミスタ28を配しているため、三方弁25の切替えに関係なく風呂温度を検知することができる。
【0017】
なお、三方弁25に代えて混合弁を用いることができるものであり、この場合も上記と同様な作用効果を得ることができる。
【0018】
次に、図2に基づいて、貯湯タンク11と風呂追い焚き熱交換器24の関係構成について説明する。
【0019】
貯湯タンク11の上側部には開口部31が設けてあり、ここから風呂追い焚き熱交換器24が貯湯タンク11内に装備されている。すなわち、開口部31には取り付け用フランジ32があり、ここにシール用パッキン33を介して風呂追い焚き熱交換器24の取り付け部材34がネジ止めにより着脱自在に取り付けられている。そして、風呂追い焚き熱交換器24は、2系統以上の並列した複数の細管35よりなる流路を有し、貯湯タンク11内部の天面に沿うよう上方に凸の形状としている。なお、36は2系統以上の並列した複数の細管35に流れるように流路を形成するためのヘッダーである。
【0020】
上記構成とすることで、風呂追い焚き熱交換器24のサービスが容易となるものである。すなわち、風呂追い焚き熱交換器24には浴槽22の湯を流すため、湯垢、毛髪、ゴミにより詰まり等の問題の発生が考えられる。電気温水器は大型の設備商品であり商品交換には大きな労力、時間、費用を必要とするため、風呂追い焚き熱交換器24を着脱可能な構成にしておくことで、風呂追い焚き熱交換器24にかかわる問題発生に対して現場での対応が可能となるものである。
【0021】
また、風呂追い焚き熱交換器24は2系統以上の並列した複数の細管35よりなる流路を有したコンパクトなものであり、細管による配管の圧損が増大することを低減し、流速
の低減による潰蝕防止を図っている。また、貯湯タンク11内部の天面に沿うような形状としたことにより、風呂追い焚き熱交換器24を貯湯タンク11内部の天面に近づけることができ、貯湯タンク11の湯を効率よく風呂加熱に利用することができる。
【0022】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の風呂追い焚き付き電気温水器は、風呂追い焚き熱交換器の貯湯タンク入口配管に三方弁を設け、三方弁で分岐した配管を風呂追い焚き熱交換器の貯湯タンク出口配管に接続したものである。これにより、三方弁により風呂追い焚き熱交換器を通過する経路と風呂追い焚き熱交換器を通過しない経路を切り替えることができるため、風呂加熱が不要な状況で風呂循環運転する場合等においては、貯湯タンクの熱量が浪費されることがないようにでき、また風呂加熱開始時には、三方弁の位置を配慮することで、風呂追い焚き熱交換器を通過する経路と風呂追い焚き熱交換器を通過しない経路へ同時に浴槽の湯を流し、風呂追い焚き熱交換器内部の高温の湯に浴槽の湯を混合でき、風呂加熱開始時に、いきなり高温の湯が出て来ないようにすることが可能で安全性が確保できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例における風呂追い焚き付き電気温水器の構成図
【図2】 同風呂追い焚き付き電気温水器の風呂追い焚き熱交換器部分の詳細図
【符号の説明】
11 貯湯タンク
12 沸き上げヒータ
19 風呂注湯配管
20 風呂注湯弁
21 風呂循環配管
21a 風呂往き配管
21b 風呂戻り配管
22 浴槽
23 風呂循環ポンプ
24 風呂追い焚き熱交換器
24a 貯湯タンク入口配管
24b 貯湯タンク出口配管
25 三方弁
27 短絡用の配管
31 開口部
35 細管

Claims (4)

  1. 貯湯タンクと、前記貯湯タンク内の湯を浴槽へ供給する風呂注湯配管と、前記風呂注湯配管を開閉する風呂注湯弁と、前記風呂注湯弁の下流で前記風呂注湯配管から分岐して浴槽と連絡した、風呂往き配管および風呂戻り配管からなる風呂循環配管と、前記風呂循環配管の一部に接続し前記貯湯タンク内部の上方に装備した風呂追い焚き熱交換器とを備え、前記風呂追い焚き熱交換器の貯湯タンク入口配管には三方弁を設け、三方弁で分岐した配管を風呂追い焚き熱交換器の貯湯タンク出口配管に接続するとともに、浴槽水の加熱運転開始時には、前記三方弁を駆動して浴槽水を前記風呂追い炊き熱交換器をバイパスし、浴槽水の加熱運転開始後に、前記三方弁を駆動して浴槽水を前記風呂追い炊き熱交換器に通水させることを特徴とした風呂追い焚き付き電気温水器。
  2. 三方弁に代えて混合弁を用いた請求項1に記載の風呂追い焚き付き電気温水器。
  3. 貯湯タンクの側面上部に開口部を設け、この開口部に対し風呂追い焚き熱交換器を着脱自在に取り付けた請求項1または2に記載の風呂追い焚き付き電気温水器。
  4. 風呂追い焚き熱交換器は2系統以上の並列した流路を有し、貯湯タンク内部の天面に沿うような形状とした請求項1〜3のいずれか1項に記載の風呂追い焚き付き電気温水器。
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