JP2003148624A - 密封装置 - Google Patents

密封装置

Info

Publication number
JP2003148624A
JP2003148624A JP2001342622A JP2001342622A JP2003148624A JP 2003148624 A JP2003148624 A JP 2003148624A JP 2001342622 A JP2001342622 A JP 2001342622A JP 2001342622 A JP2001342622 A JP 2001342622A JP 2003148624 A JP2003148624 A JP 2003148624A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
backup ring
ring
elastic body
sealing device
felt
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001342622A
Other languages
English (en)
Inventor
Noriyuki Matsui
紀之 松井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nok Corp
Original Assignee
Nok Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nok Corp filed Critical Nok Corp
Priority to JP2001342622A priority Critical patent/JP2003148624A/ja
Publication of JP2003148624A publication Critical patent/JP2003148624A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Sealing With Elastic Sealing Lips (AREA)
  • Sealing Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 高圧緩衝用のバッファリング2を有する密封
装置1において、バッファリング2をバックアップする
バックアップリング3に破損が発生するのを防止し、も
って密封装置1の耐久性およびシール性を向上させる。 【解決手段】 バックアップリング3と、バッファリン
グ2およびバックアップリング3を装着する装着溝5に
おける反圧力側端面5aとの間に、前記溝端面5aの材
質よりも柔軟性がありかつ緩衝作用のあるPTFEまた
はフェルト等よりなる弾性体6を挿入することにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、密封装置に係り、
更に詳しくは、削岩機用油圧シリンダにおけるシリンダ
用シール等、衝撃圧が繰り返し作用する部位に用いられ
るのに適した密封装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、シリンダ用シール等における漏
れ量の計算には、下記(1)式が用いられる。
【0003】上記(1)式においては、理論上、Vp>
Vmで漏れが発生するために、最大圧力勾配A1,B2
の有り様や、パッキン多段使いによるパッキン部におけ
る介在油膜の薄膜化などが検討されている。
【0004】しかしながら、削岩機用油圧シリンダにお
いては、岩盤を砕く際のロッド出工程のポンピングスト
ローク時における作動速度(max10m/sec程
度)とロッド入り工程のモータリングストローク時にお
ける作動速度(1m/sec程度)との速度差が大きい
ために、上記(1)式による一般の密封理論をベースと
したシーリングシステムの検討は困難な状況にある。
【0005】一方、削岩機においては衝撃圧の発生を抑
制することも困難であり、シーリングシステムとして衝
撃圧による破損対策を考慮する必要がある。シール破損
対策としては従来、図8に示すように衝撃圧緩衝用にバ
ッファリング52を併用しているが、この構造による
と、パッキン53に代わって衝撃圧に晒されるバッファ
リング52に破損不具合が散発している状況である。こ
れまでの破損不具合品の調査結果より、破損メカニズム
は、衝撃圧の繰り返しにより強度の比較的低い材料が強
度の比較的高い材料により攻撃され、よって疲労破損に
至る可能性の高いことが分かってきている。破損メカニ
ズムの詳細は以下のとおりである。
【0006】すなわち例えば、図8の密封装置51にお
いては、図示したように衝撃圧Pが発生する高圧側から
順にバッファリング52、ロッドパッキン53およびダ
ストシール54が配置されており、バッファリング52
のパッキン部52aの反圧力側に、このパッキン部52
aをバックアップするバックアップリング55が配置さ
れている。各部品はそれぞれハウジング56に設けた装
着溝57に装着されている。各部品の材料強度および使
用条件は以下のとおりである。 材料強度・・・装着溝端面57a(金属)>バックアッ
プリング55(ナイロン樹脂)>バッファリングパッキ
ン部52a(ゴム) 使用条件 圧力変動:0〜30MPa 作動頻度:500〜600cycle/min
【0007】上記使用条件においては、約0.1sec
の間に0〜30MPaの圧力変動が発生し、そのたびに
バッファリング52は図9における(B)(D)間また
は(C)(D)間の状況を繰り返す。したがって衝撃圧
や圧力変動の作用により、バックアップリング55はこ
のバックアップリング55よりも強度の高い溝端面57
aとの繰り返し衝撃を受け、これによりバックアップリ
ング55に疲労破損C が発生する(図9(D))。ま
たバッファリング52のパッキン部52aはこのパッキ
ン部52aよりも強度の高いバックアップリング55と
の繰り返し衝撃を受け、これによりやはりパッキン部5
2aに疲労破損Cが発生する(図9(D))。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は以上の点に鑑
みて、衝撃圧の繰り返し作用によってバッファリングの
パッキン部やバックアップリング等に破損が発生するの
を防止することができ、もって密封装置の耐久性および
シール性を向上させることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の請求項1による密封装置は、高圧緩衝用の
バッファリングを有する密封装置において、前記バッフ
ァリングをバックアップするバックアップリングと、前
記バッファリングおよびバックアップリングを装着する
装着溝における反圧力側端面との間に、前記溝端面の材
質よりも柔軟性がありかつ緩衝作用のあるPTFE(四
フッ化エチレン樹脂)またはフェルト等よりなる弾性体
を挿入することを特徴とするものである。
【0010】また、本発明の請求項2による密封装置
は、上記した請求項1の密封装置において、バックアッ
プリングの材質がポリアミド樹脂であることを特徴とす
るものである。
【0011】また、本発明の請求項3による密封装置
は、高圧緩衝用のバッファリングを有する密封装置にお
いて、前記バッファリングのパッキン部と、前記パッキ
ン部をバックアップするバックアップリングとの間に、
前記バックアップリングの材質よりも柔軟性がありかつ
緩衝作用のあるPTFEまたはフェルト等よりなる弾性
体を挿入することを特徴とするものである。
【0012】上記構成を備えた本発明の請求項1による
密封装置においては、バックアップリングおよび溝端面
間に、溝端面の材質よりも柔軟性がありかつ緩衝作用の
あるPTFEまたはフェルト等よりなる弾性体が挿入さ
れるために、バックアップリングに衝撃圧が作用する
と、バックアップリングは溝端面ではなく溝端面よりも
強度の低いPTFEまたはフェルト等の弾性体に押し付
けられる。したがって、バックアップリングの受ける衝
撃が実質緩和されることになる。
【0013】バックアップリングの材質がポリアミド樹
脂である場合には、使用時の樹脂中の水分の蒸発により
ポリアミド樹脂の耐衝撃荷重が低下するため、繰り返し
の衝撃荷重に対する耐性、すなわち材料の疲れ特性が低
下することになり、バックアップリングが破損に至り易
くなる。したがって、バックアップリングの材質として
吸水性のあるポリアミド樹脂を使用する場合には、特に
PTFEまたはフェルト等の弾性体を挿入することによ
る破損防止効果が大きい(請求項2)。
【0014】また、上記構成を備えた本発明の請求項3
による密封装置においては、バッファリングパッキン部
およびバックアップリング間に、バックアップリングの
材質よりも柔軟性がありかつ緩衝作用のあるPTFEま
たはフェルト等よりなる弾性体が挿入されるために、バ
ッファリングパッキン部に衝撃圧が作用すると、バッフ
ァリングパッキン部はバックアップリングではなくバッ
クアップリングよりも強度の低いPTFEまたはフェル
ト等よりなる弾性体に押し付けられる。したがって、バ
ッファリングパッキン部の受ける衝撃が実質緩和される
ことになる。
【0015】尚、本件出願には、以下の技術的事項が含
まれる。
【0016】すなわち、上記目的を達成するため、本件
出願が提案する一の密封装置は以下の構成を備えてい
る。
【0017】 バッファリング用バックアップリング
と反圧力側溝端面との間に溝端面の材質(金属等)に比
べ、柔軟性があり、緩衝作用のある材料(被部材に与え
る衝撃が小さい)であるPTFE、フェルト等からなる
シートを挿入し、バックアップリングと溝端面とが直接
接触しないようにする。その結果、衝撃圧が負荷された
場合、バックアップリングはPTFE、フェルト等の弾
性体と接触し、バックアップリングの受ける衝撃が緩和
され、バックアップリング破損を対策できる。また、ブ
レーカに代表される削岩機用油圧シリンダのロッドシー
リングシステムのうち、衝撃圧を受けるバッファリング
部位において、PTFE、フェルト等、シール装着溝の
材料(金属等)に比べ、柔軟性があり、緩衝作用のある
材料(被部材に与える衝撃が小さい)からなるシートを
バッファリング用のナイロン樹脂等のバックアップリン
グと反圧力側の金属等からなる溝端面との間に挿入する
ことで、バックアップリングと溝端面との直接接触を防
ぎ、バックアップリングの受ける衝撃が緩和され、バッ
クアップリングの破損を対策する。この密封装置によれ
ば、バックアップリングと反圧力側溝端面との間にシー
ル装着溝の材料(金属等)に比べ、柔軟性があり、緩衝
作用のある材料(被部材に与える衝撃が小さい)である
PTFE、フェルト等のシートを挿入することで、バッ
クアップリングは溝端面との接触を回避でき、バックア
ップリング破損を対策できる。
【0018】 バックアップリングにポリアミド樹脂
を使用する場合は、使用時の樹脂中の水分の蒸発によ
り、ポリアミド樹脂の耐衝撃荷重が低下するため、繰り
返しの衝撃荷重に対する耐性、すなわち材料の疲れ特性
が低下することになり、バックアップリングは破損に至
り易くなる。吸水性のあるポリアミド樹脂を使用する場
合は、特にPTFE、フェルト等の弾性体を挿入するこ
とによる破損対策効果が大きい。
【0019】 また、バッファリングのパッキン部分
でのパッキン材よりも強度の高いバックアップリングと
の直接接触によりパッキン部分が破損する対策として
は、パッキン部分とバックアップリングとの間にバック
アップリング材質(ナイロン樹脂等)に比べ、柔軟性が
あり、緩衝作用のある材料であるPTFE、フェルト等
からなるシートを挿入することで、パッキン部分はバッ
クアップリングとの直接接触を回避でき、パッキン部分
の破損を対策できる。また、ブレーカに代表される削岩
機用油圧シリンダのロッドシーリングシステムのうち、
衝撃圧を受けるバッファリング部位において、PTF
E、フェルト等、バックアップリングの材料(ナイロン
樹脂等)に比べ、柔軟性があり、緩衝作用のある材料
(被部材に与える衝撃が小さい)からなるシートをバッ
ファリングのパッキン部分とバックアップリングとの間
に挿入することで、パッキン部分とバックアップリング
との直接接触を防ぎ、パッキン部分の受ける衝撃が緩和
され、パッキン部分の破損を対策する。この密封装置に
よれば、バッファリングのパッキン部分とバックアップ
リングとの間にも同様に、PTFE、フェルト等からな
る柔軟性があり、緩衝作用のある材料からなるシートを
挿入することで、パッキン部分はバックアップリングと
の接触を回避でき、パッキン部分の破損を対策できる。
【0020】
【発明の実施の形態】つぎに本発明の実施例を図面にし
たがって説明する。
【0021】第一実施例・・・図1は、本発明の第一実
施例に係る密封装置1の要部断面を示している。
【0022】当該実施例に係る密封装置1は、衝撃圧が
繰り返し作用する削岩機用油圧シリンダにおけるシリン
ダ用シール(削岩機用密封装置)として用いられるもの
であって、以下のように構成されている。
【0023】すなわち先ず、図示しないロッドパッキン
およびダストシール等とともに用いられる衝撃圧緩衝用
のバッファリング2が設けられており、このバッファリ
ング2にその一部として内向きリップ状のパッキン部2
aが設けられており、このパッキン部2aの反圧力側
(図上下側が反圧力側であり、これに対して図上上側が
衝撃圧Pの発生する圧力側である)に、このパッキン部
2aをバックアップするバックアップリング3が設けら
れており、更にこのバックアップリング3の反圧力側で
あって、ハウジング4に設けた装着溝5の反圧力側端面
5aとの間に、環状を呈するシート状の弾性体6が設け
られている。弾性体6は、その内周端部をロッド7の周
面に摺動自在に接触させるとともに、その外周端部を装
着溝5の溝底部5bにまで到達させており、よってバッ
クアップリング3の反圧力側のみでなくバッファリング
2の反圧力側にも配置されている。
【0024】バッファリング2は、NBR、H−NBR
またはウレタンゴム等よりなる所定のゴム材料によって
成形されており、バックアップリング3は上記ゴム材料
よりも強度の高いポリアミド樹脂(ナイロン樹脂)また
はポリアセタール等の所定の樹脂材料によって成形され
ており、ハウジング4は上記樹脂材料よりも更に強度の
高い金属材料によって成形されている。また弾性体6
は、溝端面5aを形成するハウジング4の金属材料より
も柔軟性がありかつ緩衝作用のあるPTFEまたはフェ
ルト等の弾性材料(図ではフェルト)によって成形され
ている。
【0025】上記構成を備えた密封装置1に対して衝撃
圧Pが繰り返し作用すると、そのたびにバックアップリ
ング3が反圧力側へ押し付けられるが、このバックアッ
プリング3と溝端面5aとの間に上記したようにPTF
Eまたはフェルト等の弾性材料よりなる弾性体6が介装
されているために、当該密封装置1においては、バック
アップリング3は溝端面5aに直接接触せず、溝端面5
aよりも強度の低い弾性体6に接触してこの弾性体6に
押し付けられる。したがって、このようにバックアップ
リング3と溝端面5aとの間に弾性体6が介在すること
により、バックアップリング3の樹脂材料が溝端面5a
の金属材料に押し付けられて破損するのを防止すること
ができる。
【0026】また、バッファリング2も衝撃圧が繰り返
し作用するとそのたびに反圧力側へ押し付けられるが、
このバッファリング2と溝端面5aとの間にはここにも
PTFEまたはフェルト等の弾性材料よりなる弾性体6
が介装されているために、バッファリング2は溝端面5
aに直接接触せず、弾性体6に接触して弾性体6に押し
付けられる。したがって、やはり弾性体6が介在するこ
とにより、バッファリング2のゴム材料が溝端面5aの
金属材料に押し付けられて破損するのを防止することが
できる。
【0027】バックアップリング3の材質がナイロン樹
脂である場合、このナイロン樹脂にはこれを放置すると
吸水する特性がある。図2は、このナイロン樹脂の吸水
特性をナイロン樹脂の試験片の厚みと吸水率の関係(大
気中放置時間と水分率の関係)で示している。またナイ
ロン樹脂を油圧シリンダ用シールとして使用する際は熱
により水分が蒸発し、吸水率が低下し、これに伴って図
3に示すように、弾性率が増大し、歪みにくく、剛体に
近付くことになる。また図4に示すように、衝撃強さが
低下し、衝撃による疲れ特性が低下し、破損に至り易く
なる。
【0028】ベースポリマーの異なる3種のナイロン材
について、乾燥時間と吸水率の関係を示すと図5に示す
ようになる。この図5に示されるとおり、ナイロン材料
は高温状態においては時間とともに吸水率が低下する。
シールに併用されるバックアップリングの環境条件とし
ては、直接、油に接触する部位ではなく(油膜レベルの
油には接触)、常に高温環境下(温度条件は変動する
が、使用を継続している場合、常時80〜100℃と推
定される)であり、水分が蒸発し易い条件である(吸水
率低下)。したがって、上記したように吸水率が低下す
ると衝撃強さが低下するため、衝撃圧によりバックアッ
プリングと溝端面とが繰り返し接触し攻撃し合うこと
で、強度の低いバックアップリングが破損する。
【0029】したがって本発明のように、樹脂からなる
バックアップリングと金属からなるハウジングとの間に
緩衝作用のあるPTFEまたはフェルト等の材料からな
るシートを挿入することにより、樹脂と金属との直接的
な接触・攻撃を回避することができ、よってバックアッ
プリングが破損するのを防止することができる。
【0030】第二実施例・・・図6は、本発明の第二実
施例に係る密封装置1の要部断面を示している。
【0031】当該実施例に係る密封装置1は、衝撃圧が
繰り返し作用する削岩機用油圧シリンダにおけるシリン
ダ用シール(削岩機用密封装置)として用いられるもの
であって、以下のように構成されている。
【0032】すなわち先ず、図示しないロッドパッキン
およびダストシール等とともに用いられる衝撃圧緩衝用
のバッファリング2が設けられており、このバッファリ
ング2にその一部として内向きリップ状のパッキン部2
aが設けられており、このパッキン部2aの反圧力側
(図上下側が反圧力側であり、これに対して図上上側が
衝撃圧Pの発生する圧力側である)に、このパッキン部
2aをバックアップするバックアップリング3が設けら
れており、更に上記パッキン部2aの反圧力側であって
バックアップリング3との間に、環状を呈するシート状
の弾性体8が設けられている。
【0033】バッファリング2は、NBR、H−NBR
またはウレタンゴム等よりなる所定のゴム材料によって
成形されており、バックアップリング3は上記ゴム材料
よりも強度の高いポリアミド樹脂(ナイロン樹脂)また
はポリアセタール等の所定の樹脂材料によって成形され
ており、ハウジング4は上記樹脂材料よりも更に強度の
高い金属材料によって成形されている。また弾性体8
は、バックアップリング3の樹脂材料よりも柔軟性があ
りかつ緩衝作用のあるPTFEまたはフェルト等の弾性
材料(図ではフェルト)によって成形されている。
【0034】上記構成を備えた密封装置1に対して衝撃
圧Pが繰り返し作用すると、そのたびにバッファリング
2のパッキン部2aが反圧力側へ押し付けられるが、こ
のパッキン部2aとバックアップリング3との間に上記
したようにPTFEまたはフェルト等の弾性材料よりな
る弾性体8が介装されているために、当該密封装置1に
おいては、パッキン部2aはバックアップリング3に直
接接触せず、バックアップリング3よりも強度の低い弾
性体8に接触してこの弾性体8に押し付けられる。した
がって、このようにパッキン部2aとバックアップリン
グ3との間に弾性体8が介在することにより、パッキン
部2aのゴム材料がバックアップリング3の樹脂材料に
押し付けられて破損するのを防止することができる。
【0035】第三実施例・・・上記第一実施例に係る弾
性体6と、第二実施例に係る弾性体8とは、これ双方同
時に用いることも可能である。図7は、この場合を示す
本発明の第三実施例に係る密封装置1の要部断面を示し
ている。
【0036】当該実施例に係る密封装置1は、衝撃圧が
繰り返し作用する削岩機用油圧シリンダにおけるシリン
ダ用シール(削岩機用密封装置)として用いられるもの
であって、以下のように構成されている。
【0037】すなわち先ず、図示しないロッドパッキン
およびダストシール等とともに用いられる衝撃圧緩衝用
のバッファリング2が設けられており、このバッファリ
ング2にその一部として内向きリップ状のパッキン部2
aが設けられており、このパッキン部2aの反圧力側
(図上下側が反圧力側であり、これに対して図上上側が
衝撃圧Pの発生する圧力側である)に、このパッキン部
2aをバックアップするバックアップリング3が設けら
れており、更にこのバックアップリング3の反圧力側で
あって、ハウジング4に設けた装着溝5の反圧力側端面
5aとの間に、環状を呈するシート状の弾性体6が設け
られている。弾性体6は、その内周端部をロッド7の周
面に摺動自在に接触させるとともに、その外周端部を装
着溝5の溝底部5bにまで到達させており、よってバッ
クアップリング3の反圧力側のみでなくバッファリング
2の反圧力側にも配置されている。また、上記パッキン
部2aの反圧力側であってバックアップリング3との間
に、環状を呈するシート状の弾性体8が設けられてい
る。
【0038】バッファリング2は、NBR、H−NBR
またはウレタンゴム等よりなる所定のゴム材料によって
成形されており、バックアップリング3は上記ゴム材料
よりも強度の高いポリアミド樹脂(ナイロン樹脂)また
はポリアセタール等の所定の樹脂材料によって成形され
ており、ハウジング4は上記樹脂材料よりも更に強度の
高い金属材料によって成形されている。また、弾性体6
は、溝端面5aを形成するハウジング4の金属材料より
も柔軟性がありかつ緩衝作用のあるPTFEまたはフェ
ルト等の弾性材料(図ではフェルト)によって成形され
ており、弾性体8は、バックアップリング3の樹脂材料
よりも柔軟性がありかつ緩衝作用のあるPTFEまたは
フェルト等の弾性材料(図ではフェルト)によって成形
されている。
【0039】上記構成を備えた密封装置1に対して衝撃
圧Pが繰り返し作用すると、そのたびにバックアップリ
ング3が反圧力側へ押し付けられるが、このバックアッ
プリング3と溝端面5aとの間に上記したようにPTF
Eまたはフェルト等の弾性材料よりなる弾性体6が介装
されているために、バックアップリング3は溝端面5a
に直接接触せず、溝端面5aよりも強度の低い弾性体6
に接触してこの弾性体6に押し付けられる。したがっ
て、このようにバックアップリング3と溝端面5aとの
間に弾性体6が介在することにより、バックアップリン
グ3の樹脂材料が溝端面5aの金属材料に押し付けられ
て破損するのを防止することができる。
【0040】また、バッファリング2も衝撃圧が繰り返
し作用するとそのたびに反圧力側へ押し付けられるが、
このバッファリング2と溝端面5aとの間にはここにも
PTFEまたはフェルト等の弾性材料よりなる弾性体6
が介装されているために、バッファリング2は溝端面5
aに直接接触せず、弾性体6に接触して弾性体6に押し
付けられる。したがって、やはり弾性体6が介在するこ
とにより、バッファリング2のゴム材料が溝端面5aの
金属材料に押し付けられて破損するのを防止することが
できる。
【0041】また、バッファリング2のパッキン部2a
も衝撃圧が繰り返し作用するとそのたびに反圧力側へ押
し付けられるが、このパッキン部2aとバックアップリ
ング3との間にもPTFEまたはフェルト等の弾性材料
よりなる弾性体8が介装されているために、パッキン部
2aはバックアップリング3に直接接触せず、バックア
ップリング3よりも強度の低い弾性体8に接触してこの
弾性体8に押し付けられる。したがって、このようにパ
ッキン部2aとバックアップリング3との間に弾性体8
が介在することにより、パッキン部2aのゴム材料がバ
ックアップリング3の樹脂材料に押し付けられて破損す
るのを防止することができる。
【0042】
【発明の効果】本発明は、以下の効果を奏する。
【0043】すなわち先ず、上記構成を備えた本発明の
請求項1による密封装置においてはバックアップリング
および溝端面間に、溝端面の材質よりも柔軟性がありか
つ緩衝作用のあるPTFEまたはフェルト等よりなる弾
性体が挿入されるために、バックアップリングに衝撃圧
が作用すると、バックアップリングは溝端面ではなく溝
端面よりも強度の低い上記PTFEまたはフェルト等よ
りなる弾性体に押し付けられる。したがって、バックア
ップリングの受ける衝撃が緩和され、バックアップリン
グに発生する応力が抑えられるために、バックアップリ
ングに破損が発生するのを有効に防止することができ
る。
【0044】また、本発明の請求項2による密封装置に
おいては、バックアップリングの材質が吸水性のあるポ
リアミド樹脂である場合にも上記作用効果を得ることが
できる。上記したようにポリアミド樹脂には、使用時の
水分の蒸発によりその耐衝撃荷重が低下するため、繰り
返しの衝撃荷重に対する耐性、すなわち材料の疲れ特性
が低下し、破損し易い懸念があるが、本発明の密封装置
によれば上記PTFEまたはフェルト等よりなる弾性体
による緩衝作用が発揮されるために、ポリアミド樹脂よ
りなるバックアップリングに破損が発生するのを有効に
防止することができる。
【0045】また、上記構成を備えた本発明の請求項3
による密封装置においては、バッファリングのパッキン
部およびバックアップリング間に、バックアップリング
の材質よりも柔軟性がありかつ緩衝作用のあるPTFE
またはフェルト等よりなる弾性体が挿入されるために、
パッキン部に衝撃圧が作用すると、パッキン部はバック
アップリングではなくバックアップリングよりも強度の
低い上記PTFEまたはフェルト等よりなる弾性体に押
し付けられる。したがって、パッキン部の受ける衝撃が
緩和され、パッキン部に発生する応力が抑えられるため
に、パッキン部に破損が発生するのを有効に防止するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施例に係る密封装置の要部断面
【図2】ナイロン樹脂の大気中放置時間と水分率の関係
を示すグラフ図
【図3】ナイロン樹脂の弾性率と水分率の関係を示すグ
ラフ図
【図4】ナイロン樹脂の吸水率とアイゾット衝撃値の関
係を示すグラフ図
【図5】ナイロン樹脂の乾燥時間と吸水率の関係を示す
グラフ図
【図6】本発明の第二実施例に係る密封装置の要部断面
【図7】本発明の第三実施例に係る密封装置の要部断面
【図8】従来例に係る密封装置の半裁断面図
【図9】同密封装置におけるバッファリングの半裁断面
図であって、(A)はロッド静止状態、(B)はロッド
上方移動時(パターン1)、(C)はロッド上方移動時
(パターン2)、(D)はロッド下方移動時の各状態を
示す断面図
【符号の説明】
1 密封装置 2 バッファリング 2a パッキン部 3 バックアップリング 4 ハウジング 5 装着溝 5a 溝端面 5b 溝底部 6,8 弾性体 7 ロッド

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高圧緩衝用のバッファリング(2)を有
    する密封装置(1)において、 前記バッファリング(2)をバックアップするバックア
    ップリング(3)と、前記バッファリング(2)および
    バックアップリング(3)を装着する装着溝(5)にお
    ける反圧力側端面(5a)との間に、前記溝端面(5
    a)の材質よりも柔軟性がありかつ緩衝作用のあるPT
    FEまたはフェルト等よりなる弾性体(6)を挿入する
    ことを特徴とする密封装置。
  2. 【請求項2】 請求項1の密封装置において、 バックアップリング(3)の材質が、吸水性のあるポリ
    アミド樹脂であることを特徴とする密封装置。
  3. 【請求項3】 高圧緩衝用のバッファリング(2)を有
    する密封装置(1)において、 前記バッファリング(2)のパッキン部(2a)と、前
    記パッキン部(2a)をバックアップするバックアップ
    リング(3)との間に、前記バックアップリング(3)
    の材質よりも柔軟性がありかつ緩衝作用のあるPTFE
    またはフェルト等よりなる弾性体(8)を挿入すること
    を特徴とする密封装置。
JP2001342622A 2001-11-08 2001-11-08 密封装置 Pending JP2003148624A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001342622A JP2003148624A (ja) 2001-11-08 2001-11-08 密封装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001342622A JP2003148624A (ja) 2001-11-08 2001-11-08 密封装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003148624A true JP2003148624A (ja) 2003-05-21

Family

ID=19156449

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001342622A Pending JP2003148624A (ja) 2001-11-08 2001-11-08 密封装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003148624A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006009311A1 (ja) * 2004-07-22 2006-01-26 Kayaba Industry Co., Ltd. 摺動部のシール構造
JP2008076207A (ja) * 2006-09-21 2008-04-03 Riken Kiki Kk 高圧圧力計
JP2009528481A (ja) * 2006-02-27 2009-08-06 トレルボルグ シーリング ソリューションズ ジャーマニー ゲーエムベーハー 圧力除去要素を備える封止装置と中間領域内に圧力カスケードを形成するための封止装置の使用法
ITRE20080069A1 (it) * 2008-07-22 2010-01-23 Annovi Reverberi Spa '' gruppo pompante per pompe a pistoni per idropulitrici ''
CN107208795A (zh) * 2015-01-16 2017-09-26 特瑞堡密封系统德国有限公司 具有压力卸载元件的密封系统和这种密封系统用于调整中间空间压力级的应用
JP2018521280A (ja) * 2015-07-24 2018-08-02 サン−ゴバン パフォーマンス プラスティックス コーポレイション スクレーパリング

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006009311A1 (ja) * 2004-07-22 2006-01-26 Kayaba Industry Co., Ltd. 摺動部のシール構造
JP2009528481A (ja) * 2006-02-27 2009-08-06 トレルボルグ シーリング ソリューションズ ジャーマニー ゲーエムベーハー 圧力除去要素を備える封止装置と中間領域内に圧力カスケードを形成するための封止装置の使用法
JP2008076207A (ja) * 2006-09-21 2008-04-03 Riken Kiki Kk 高圧圧力計
ITRE20080069A1 (it) * 2008-07-22 2010-01-23 Annovi Reverberi Spa '' gruppo pompante per pompe a pistoni per idropulitrici ''
CN107208795A (zh) * 2015-01-16 2017-09-26 特瑞堡密封系统德国有限公司 具有压力卸载元件的密封系统和这种密封系统用于调整中间空间压力级的应用
CN107208795B (zh) * 2015-01-16 2019-10-11 特瑞堡密封系统德国有限公司 密封系统和密封系统的应用
JP2018521280A (ja) * 2015-07-24 2018-08-02 サン−ゴバン パフォーマンス プラスティックス コーポレイション スクレーパリング
US10626994B2 (en) 2015-07-24 2020-04-21 Saint-Gobain Performance Plastics Corporation Scraper ring

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5326265B2 (ja) 密封装置
CN102483163B (zh) 密封件和密封装置
US7513690B2 (en) Bearing seal and swing device
JP2003148624A (ja) 密封装置
JP2008267449A (ja) バックアップリング
KR102003887B1 (ko) 밀봉 장치, 밀봉 장치를 갖는 쇼크 댐퍼 및 밀봉 장치를 갖는 유압 액츄에이터
JP2020530544A5 (ja)
JP5100062B2 (ja) 密封構造
JP2001355739A (ja) シーリングシステム
JPH05587B2 (ja)
CN111566359B (zh) 流体泄漏检测设备和往复运动型流体压力设备
US6283667B1 (en) Oil filled pin joint with pressure relieving buffer member
JP2007278459A (ja) オイルシール
JP2002022028A (ja) パワーステアリング用揺動シール
JP2008128377A (ja) 密封装置
JP2014114878A (ja) シール構造
JP5494329B2 (ja) 密封装置
KR20110013277A (ko) 밀봉장치
JP3019859U (ja) 冷凍コンプレッサのガスケット
JP2010014202A (ja) 密封装置
KR100799256B1 (ko) 운동용 고압 실링장치
KR100919740B1 (ko) 유압브레이커의 완충구조
CN202441888U (zh) 液压缸静密封结构和液压缸
CN220151875U (zh) 一种新型三角密封圈
CN219888392U (zh) 一种具有保护机构的气动元件

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040514

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060823

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20061013

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070613

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070726

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080206

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20080625