JP2014114878A - シール構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】シールリングの食い込み損傷を防ぐことができて低コストなシール構造を提供する。
【解決手段】シール構造は、第1環状溝3に取り付けられた第1シールキット5を備え、第1シールキット5の軸方向の一方側が、上記第1シールキットの軸方向の他方側よりも低圧になる。第1シールキット5は、第1シールリング51と、第1シールリング51の低圧側に配置されていると共に、周方向において切断端面がなくて連続し、熱可塑性エラストマーからなる第1バックアップリング52と、第1バックアップリング52の低圧側に配置されていると共に、熱可塑性エラストマー材よりも硬い材料からなる第2バックアップリング53とを有する。
【選択図】図1
【解決手段】シール構造は、第1環状溝3に取り付けられた第1シールキット5を備え、第1シールキット5の軸方向の一方側が、上記第1シールキットの軸方向の他方側よりも低圧になる。第1シールキット5は、第1シールリング51と、第1シールリング51の低圧側に配置されていると共に、周方向において切断端面がなくて連続し、熱可塑性エラストマーからなる第1バックアップリング52と、第1バックアップリング52の低圧側に配置されていると共に、熱可塑性エラストマー材よりも硬い材料からなる第2バックアップリング53とを有する。
【選択図】図1
Description
本発明は、例えば燃料電池の水素ガスの充填、貯蔵または供給システムの構成機器などに使用されるシール構造に関する。
従来、シール構造としては、特開11−72162号公報(特許文献1)に開示されたものがある。このシール構造は、図2に示すように、シールリング101と、このシールリング101の低圧側に配置された第1バックアップリング102と、この第1バックアップリング102の低圧側に配置された第2バックアップリング103とを備え、軸104とハウジング105の間をシールする。
上記第1バックアップリング102の材料はPTFE(4フッ化エチレン樹脂)であり、第1バックアップリング102の弾性率はゴムの弾性率よりも高い。このため、上記第1バックアップリング102を径方向に引き延ばして、軸104の外周面の環状溝106に取り付けるのは困難である。特に、上記環状溝106への第1バックアップリング102の取り付けは、第1バックアップリング102のサイズが小さいと困難である。
したがって、上記第1バックアップリング102の一部をバイアスカットして、環状溝106への第1バックアップリング102の取り付けを容易にしている。
ところで、上記従来のシール構造では、第1バックアップリング102の一部をバイアスカットで切断しているので、第1バックアップリング102の周方向では切断端面が形成されている。このため、上記シールリング101に高圧が繰り返し作用することで、図3に示すように、第1バックアップリング102のシールリング101側の表面において、上記切断端面近傍の部分が塑性変形してしまう恐れがある。
したがって、上記切断端面近傍の部分が塑性変形した場合、シールリング101が上記切断端面近傍の部分に食い込んで損傷する可能性がある。
すなわち、上記従来のシール構造には、いわゆる食い込み損傷の発生の可能性があるという問題がある。
上記食い込み損傷を回避する方法としては、第1バックアップリング102の換わりに、バイアスカットされてないエンドレス形状のバックアップリングを用いる方法が考えられる。
しかしながら、上記エンドレス形状のバックアップリングは、径方向へ引き延ばしが極めて困難となるため、図4の第1軸部材201および第2軸部材202を用いる必要が生じてしまう。
上記第1軸部材201および第2軸部材202を用いる場合、第2軸部材202の環状溝203にエンドレス形状のバックアップリング(図示せず)を取り付けた後、第2軸部材202に第1軸部材201を例えばネジで固定しなければならなくなって、コストが高くなってしまう。
また、上記切断端面近傍の部分へのシールリング101の食い込み量が大きくなると、シール機能が低下するという問題も生じてしまう。
そこで、本発明の課題は、シールリングの食い込み損傷を防ぐことができて低コストなシール構造を提供することにある。
なお、上記エンドレス形状とは、バックアップリングの周方向において端部が無い形状を意味する。
上記課題を解決するため、本発明のシール構造は、
軸の外周面とこの軸の周囲のハウジングの内周面との一方に第1環状溝が設けられ、上記軸と上記ハウジングの間にできる環状空間をシールするシール構造において、
上記第1環状溝に取り付けられた第1シールキットを備え、
上記第1シールキットの軸方向の一方側が、上記第1シールキットの軸方向の他方側よりも低圧になり、
上記第1シールキットは、
第1シールリングと、
上記第1シールリングの低圧側に配置されていると共に、周方向において切断端面がなくて連続し、熱可塑性エラストマーからなる第1バックアップリングと、
上記第1バックアップリングの低圧側に配置されていると共に、上記熱可塑性エラストマー材よりも硬い材料からなる第2バックアップリングと
を有することを特徴としている。
軸の外周面とこの軸の周囲のハウジングの内周面との一方に第1環状溝が設けられ、上記軸と上記ハウジングの間にできる環状空間をシールするシール構造において、
上記第1環状溝に取り付けられた第1シールキットを備え、
上記第1シールキットの軸方向の一方側が、上記第1シールキットの軸方向の他方側よりも低圧になり、
上記第1シールキットは、
第1シールリングと、
上記第1シールリングの低圧側に配置されていると共に、周方向において切断端面がなくて連続し、熱可塑性エラストマーからなる第1バックアップリングと、
上記第1バックアップリングの低圧側に配置されていると共に、上記熱可塑性エラストマー材よりも硬い材料からなる第2バックアップリングと
を有することを特徴としている。
上記構成によれば、上記第1バックアップリングは周方向において切断端面がなくて連続しているので、つまり、第1バックアップリングはエンドレス形状であるので、第1シールリングが第1バックアップリングの第1シールリング側の表面に当接しても、第1シールリングに食い込み損傷が生じるのを防ぐことができる。
また、上記第1シールリングの食い込み損傷を防ぐことができるので、第1シールリングのシール寿命を延ばすことができる。
また、上記第1バックアップリングは周方向において切断端面がなくて連続していているが、第1バックアップリングが熱可塑性エラストマーからなるので、図4の第1軸部材201および第2軸部材202を軸として用いなくても、第1環状溝に第1バックアップリングを容易に取り付けることができる。したがって、上記第1軸部材201および第2軸部材202を用いる場合よりもコストを下げることができる。
また、上記第1シールリングに高圧が繰り返し作用すると、第1シールリングは変形動作を繰り返すため、第1シールリングの第1バックアップリング側の表面に摩滅が生じる。このとき、上記第1バックアップリングが熱可塑性エラストマーからなるので、第1バックアップリングを例えばPTFEで構成するときよりも、第1シールリングの第1バックアップリング側の表面における摩滅を少なくすることができる。
また、上記第1シールリングの第1バックアップリング側の表面に生じる摩滅を少なくできるので、第1シールリングのシール寿命をさらに延ばすことができる。
また、上記第1バックアップリングはエンドレス形状であるが、第1バックアップリングが熱可塑性エラストマーからなり、第2バックアップリングは熱可塑性エラストマーよりも硬い材料からなるので、ハウジングと軸との間を埋めるように第1バックアップリングを拡径させることができる。したがって、上記第1シールリングの低圧側へのはみ出しを確実に防ぐことができる。
一実施形態のシール構造では、
上記軸の外周面と上記ハウジングの内周面との一方には、上記第1環状溝よりも低圧側に位置する第2環状溝が設けられ、
上記第2環状溝に取り付けられた第2シールキットを備え、
上記第2シールキットは、上記第1シールリングよりもガス透過性が大きい第2シールリングを有する。
上記軸の外周面と上記ハウジングの内周面との一方には、上記第1環状溝よりも低圧側に位置する第2環状溝が設けられ、
上記第2環状溝に取り付けられた第2シールキットを備え、
上記第2シールキットは、上記第1シールリングよりもガス透過性が大きい第2シールリングを有する。
上記実施形態によれば、上記第1環状溝よりも低圧側の第2環状溝に第2シールキットを取り付けているので、第1シールキットから低圧側に例えば水素ガスが漏れたとしても、水素ガスが第2シールキットよりも低圧側へ漏れるのを防ぐことができる。
また、上記第2シールリングのガス透過性は第1シールリングのガス透過性よりも大きいので、第1シールキットと第2シールキットの間の圧ごもりを防ぐことができる。
一実施形態のシール構造では、
上記第1シールリングはエチレンプロピレンゴムで形成され、
上記第2シールリングはシリコン系ゴムで形成されている。
上記第1シールリングはエチレンプロピレンゴムで形成され、
上記第2シールリングはシリコン系ゴムで形成されている。
上記実施形態によれば、上記シリコン系ゴムからなる第2シールリングは、エチレンプロピレンゴムからなる第1シールリングが弾性を失うような低温環境下(例えば、−60℃)でも弾性が低下せず、シール性を確保することができるため、シール構造全体としてガスのリークを適切に防止することができる。
本発明のシール構造は、第1シールキットは、第1シールリングの低圧側に配置されていると共に、周方向において切断端面がなくて連続する第1バックアップリングを有するので、第1シールリングに食い込み損傷が生じるのを防ぐことができる。
また、上記第1シールリングの食い込み損傷を防ぐことができるので、第1シールリングのシール寿命を長くすることができる。
また、上記第1バックアップリングが熱可塑性エラストマーからなるので、軸およびハウジングの構造を複雑にしなくても、第1環状溝に第1バックアップリングを容易に取り付けることができる。その結果、コストを下げることができる。
また、上記第1バックアップリングが熱可塑性エラストマーからなるので、第1シールリングの第1バックアップリング側の表面における摩滅を少なくすることができる。
また、上記第1シールリングの第1バックアップリング側の表面に生じる摩滅を少なくできるので、第1シールリングのシール寿命をさらに延ばすことができる。
また、上記第1シールキットは、第1バックアップリングの低圧側に配置されていると共に、熱可塑性エラストマー材よりも硬い材料からなる第2バックアップリングを有するので、ハウジングと軸との間を埋めるように第1バックアップリングを拡径させることができる。したがって、上記第1シールリングの低圧側へのはみ出しを確実に防ぐことができる。
以下、本発明のシール構造を図示の実施の形態により詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態のシール構造の要部を軸方向に平行な面で切った断面を模式的に示す図である。
上記シール構造は、軸1の外周面1aと、この軸1の周囲のハウジング2の内周面2aとの間にできる環状空間7をシールするものである。より詳しくは、上記シール構造は、軸1の外周面1aの第1環状溝3に取り付けられた第1シールキット5と、第2環状溝4に取り付けられた第2シールキット6とを備え、燃料電池の水素ガスの充填、貯蔵または供給システムの構成機器に使用される。この水素ガスにより、第1シールキット5の図中右側(第2シールキット6側とは反対側)が図中左側よりも高圧となる。
上記第1シールキット5は、第1シールリング51と、第1シールリング51の低圧側に配置された第1バックアップリング52と、第1バックアップリング52の低圧側に配置された第2バックアップリング53とを有する。
上記第1シールリング51は、繰り返し圧力による耐圧力性を高くする観点上、例えばEPDM(エチレンプロピレンゴム)で形成されている。このEPDMは、高温側の使用限界温度が+150℃であり、低温側の使用限界温度が−50℃である。すなわち、EPDMの使用可能温度は−50℃〜+150℃の範囲内である。また、EPDMのガス透過係数は、水素ガス温度が30℃で、25×10−12m2/sである。また、EPDMの耐強度(引張強さ)は20MPaである。
上記第1バックアップリング52の内周面および外周面は、軸方向に略平行な円筒面となっている。また、第1バックアップリング52は、バイアスカットされておらず、周方向において切断端面がなくて連続する形状、つまり、いわゆるエンドレス形状を有している。また、上記第1バックアップリング52は例えばウレタン系の熱可塑性エラストマーからなっている。この熱可塑性エラストマーは、架橋ゴム材料と樹脂材料の中間的な弾性を有するものである。また、上記熱可塑性エラストマーの硬度は、JIS A(デューロメータ A)90〜96が好適である。
上記第2バックアップリング53の内周面は、第1環状溝3の底面31のテーパ面31bに対応するテーパ面となっている。一方、第2バックアップリング53の外周面は、軸方向に略平行な円筒面となっている。また、第2バックアップリング53は、第1バックアップリング52と異なり、一部がバイアスカットされている。そして、第2バックアップリング53は、上記熱可塑性エラストマー材よりも硬い材料からなっている。この材料の具体例としては、例えばPEEK樹脂やナイロン樹脂などの硬質材がある。
上記第1環状溝3の底面31は、軸方向に略平行な円筒面31aと、高圧側から低圧側に向かって徐々に拡径するテーパ面31bとなっている。この円筒面31aには、第1シールリング51の内周部と第1バックアップリング52の内周面が全周に渡って密接する。一方、テーパ面31bには、第2バックアップリング53の内周面が全周に渡って密接する。
上記ハウジング2の内周面2aのうち第1環状溝3に対応する部分は、軸方向に略平行な円筒面である。この円筒面には、第1シールリング51の外周部、第1シールリング51の内周部、および、第2シールリング61の内周部が全周に渡って密接する。
上記第2シールキット6は、第2シールリング61と、第2シールリング61の低圧側に配置された第3バックアップリング62と、第3バックアップリング62の低圧側に配置された第4バックアップリング63とを有している。
上記第2シールリング61は、合成ゴムの中で最も、低温側および高温側の使用温度範囲が広く、第1シールリング51のEPDMよりもガス透過性が大きいシリコン系ゴムで形成されている。このシリコン系ゴムは、高温側の使用限界温度が+250℃であり、低温側の使用限界温度が−80℃である。すなわち、シリコン系ゴムの使用可能温度は−80℃〜+250℃の範囲内である。また、シリコン系ゴムのガス透過係数は、水素ガス温度が30℃で、500×10−12m2/sである。また、シリコン系ゴムの耐強度(引張強さ)は9MPaである。
上記第3バックアップリング62は、第1バックアップリング52と同様に、内周面および外周面が軸方向に略平行な円筒面であり、エンドレス形状を有する。また、第3バックアップリング62の材料はウレタン系の熱可塑性エラストマーである。
上記第4バックアップリング63は、第2バックアップリング53と同様に、内周面が第2環状溝4の底面41のテーパ面41bに対応するテーパ面の内周面を有する。また、第4バックアップリング63の外周面は軸方向に略平行な円筒面である。そして、第4バックアップリング63は、一部がバイアスカットされており、上記熱可塑性エラストマー材よりも硬い材料からなっている。この材料の具体例としては、例えばPEEK樹脂やナイロン樹脂などの硬質材がある。
上記第2環状溝4の底面41は、軸方向に略平行な円筒面41aと、高圧側から低圧側に向かって徐々に拡径するテーパ面41bとなっている。この円筒面41aには、第1シールリング51の内周部と第1バックアップリング52の内周面が全周に渡って密接する。一方、テーパ面41bには、第2バックアップリング53の内周面が全周に渡って密接する。
上記ハウジング2の内周面2aのうち第1環状溝3に対応する部分は、軸方向に略平行な円筒面である。この円筒面には、第1シールリング51の外周部、第1シールリング51の内周部、および、第2シールリング61の内周部が全周に渡って密接する。
上記構成のシール構造によれば、第1バックアップリング52はエンドレス形状であるので、第1シールリング51が第1バックアップリング52の第1シールリング51側の表面に当接しても、第1シールリング51に食い込み損傷が生じるのを防ぐことができる。
また、上記第1バックアップリング52と同様に、上記第3バックアップリング62もエンドレス形状であるので、第2シールリング61が第1バックアップリング52の第1シールリング51側の表面に当接しても、第1シールリング51に食い込み損傷が生じるのを防ぐことができる。
このように、上記第1シールリング51および第2シールリング61の食い込み損傷を防ぐことができるので、第1シールリング51および第2シールリング61を長寿命化できる。
また、上記第1バックアップリング52および第3バックアップリング62はエンドレス形状であるが、第1バックアップリング52および第3バックアップリング62が熱可塑性エラストマーからなるので、軸1を複数の部材で構成しなくても、第1環状溝3に第1バックアップリング52を容易に取り付けることができると共に、第2環状溝4に第2バックアップリング53を容易に取り付けることができる。したがって、上記軸1を複数の部材で構成する場合よりもコストを下げることができる。
また、上記第1バックアップリング52および第3バックアップリング62が熱可塑性エラストマーからなるので、第1バックアップリング52および第3バックアップリング62を例えばPTFEで構成するときよりも、第1シールリング51の第1バックアップリング52側の表面における摩滅を低減できると共に、第2シールリング61の第3バックアップリング62側の表面における摩滅を低減できる。
このように、上記第1シールリング51および第2シールリング61の摩滅を低減できるので、第1シールリング51および第2シールリング61をさらに長寿命化できる。
また、上記第1シールキット5では、第1バックアップリング52が熱可塑性エラストマーからなると共に、第2バックアップリング53は上記熱可塑性エラストマーよりも硬い材料からなっている。したがって、ハウジング2の内周面2aに第1バックアップリング52の外周部が密接するように、第1バックアップリング52を拡径させることができる。その結果、第1シールリング51の低圧側へのはみ出しを確実に防ぐことができる。
また、上記第1シールキット5と同様に、第2シールキット6でも、第3バックアップリング62が熱可塑性エラストマーからなると共に、第4バックアップリング63は上記熱可塑性エラストマーよりも硬い材料からなっている。したがって、ハウジング2の内周面2aに第1バックアップリング52の外周部が密接するように、第1バックアップリング52を拡径させることができる。その結果、第2シールリング61の低圧側へのはみ出しを確実に防ぐことができる。
また、上記第1環状溝3よりも低圧側の第2環状溝4に第2シールキット6を取り付けているので、第1シールキット5から低圧側に水素ガスが漏れたとしても、水素ガスが第2シールキット6よりも低圧側へ漏れるのを防ぐことができる。
また、上記第2シールリング61のガス透過性は第1シールリング51のガス透過性よりも大きいので、第1シールキット5と第2シールキット6の間の圧ごもりを防ぐことができる。
また、上記シール構造の使用環境温度範囲(−40℃〜+90℃)では、高圧側に配置されているEPDM製の第1シールリング51でガスシールを確実に行うことができる。
また、上記シール構造の使用環境温度範囲が極低温(−60℃)では、低圧側に配置されているシリコン系ゴム製の第2シールリング61でガスシールを確実に行うことができる。
したがって、上記第1シールリング51をEPDMで形成すると共に、第2シールリング61をシリコン系ゴムで形成するので、水素ガス温度が高温(+90℃)、低温(−40℃)および極低温(−60℃)になっても、優れたシール性能を発揮できる。
最近では、燃料電池の航続距離を延ばすため、燃料を貯蔵する水素ガスタンクの圧力をより35MPaから70MPaにアップすることが主流となっている。70MPaの水素ガスが急激に減圧されると、減圧膨張が生じて局所的にガス温度が極低温まで低下することがある。このような場合に、シリコン系ゴムからなる第2シールリング61は、EPDMからなる第1シールリング51が弾性を失うような低温環境下(例えば、−60℃)でも弾性が低下せず、シール性を確保することができるため、シール構造全体としてガスのリークを適切に防止することができる。したがって、本実施形態のシール構造は燃料電池の航続距離を延ばす上で極めて有益である。
上記実施形態では、ウレタン系の熱可塑性エラストマーからなる第1バックアップリング52を用いていたが、スチレン系、オレフィン系、塩ビ系、エステル系またはアミド系等の熱可塑性エラストマーからなる第1バックアップリング52を用いてもよい。この第1バックアップリング52も、上記実施形態と同様に、JIS A(デューロメータ A)90〜96の硬度のものが好適である。
上記実施形態では、シール構造は、第1シールキット5および第2シールキット6を備えていたが、第1シールキット5および第2シールキット6のうち第1シールキット5のみを備えるようにしてもよい。
上記実施形態では、軸1の外周面1aに第1環状溝3を設け、この第1環状溝3に第1シールキット5を取り付けていたが、ハウジング2の内周面2aに第1環状溝を設け、この第1環状溝に第1シールキット5を取り付けてもよい。
上記実施形態では、軸1の外周面1aに第2環状溝4を設け、この第2環状溝4に第2シールキット6を取り付けていたが、ハウジング2の内周面2aに第2環状溝を設け、この第2環状溝に第2シールキット6を取り付けてもよい。
上記実施形態では、EPDMからなる第1シールリング51を用いていたが、例えば、IIR(ブチルゴム)、FKM(フッ素ゴム)などのゴム材料からなる第1シールリングを用いてもよい。
上記実施形態では、シリコン系ゴムからなる第2シールリング61を用いていたが、例えば、SBR(スチレンブタジエンゴム)、CR(クロロプレンゴム)などのゴム材料からなる第2シールリングを用いてもよい。ただし、上記第2シールリングのゴム材料は、第1シールリングよりもガス透過性が大きいものである。
本発明の具体的な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で種々変更して実施することができる。例えば、上記実施形態と上述の変形例とを適宜組み合わせたものを、本発明の一実施形態としてもよい。
1 軸
1a 外周面
2 ハウジング
2a 内周面
3 第1環状溝
4 第2環状溝
5 第1シールキット
6 第2シールキット
7 環状空間
51 第1シールリング
52 第1バックアップリング
53 第2バックアップリング
61 第2シールリング
62 第3バックアップリング
63 第4バックアップリング
1a 外周面
2 ハウジング
2a 内周面
3 第1環状溝
4 第2環状溝
5 第1シールキット
6 第2シールキット
7 環状空間
51 第1シールリング
52 第1バックアップリング
53 第2バックアップリング
61 第2シールリング
62 第3バックアップリング
63 第4バックアップリング
Claims (3)
- 軸の外周面とこの軸の周囲のハウジングの内周面との一方に第1環状溝が設けられ、上記軸と上記ハウジングの間にできる環状空間をシールするシール構造において、
上記第1環状溝に取り付けられた第1シールキットを備え、
上記第1シールキットの軸方向の一方側が、上記第1シールキットの軸方向の他方側よりも低圧になり、
上記第1シールキットは、
第1シールリングと、
上記第1シールリングの低圧側に配置されていると共に、周方向において切断端面がなくて連続し、熱可塑性エラストマーからなる第1バックアップリングと、
上記第1バックアップリングの低圧側に配置されていると共に、上記熱可塑性エラストマー材よりも硬い材料からなる第2バックアップリングと
を有することを特徴とするシール構造。 - 請求項1に記載のシール構造において、
上記軸の外周面と上記ハウジングの内周面との一方には、上記第1環状溝よりも低圧側に位置する第2環状溝が設けられ、
上記第2環状溝に取り付けられた第2シールキットを備え、
上記第2シールキットは、上記第1シールリングよりもガス透過性が大きい第2シールリングを有することを特徴とするシール構造。 - 請求項2に記載のシール構造において、
上記第1シールリングはエチレンプロピレンゴムで形成され、
上記第2シールリングはシリコン系ゴムで形成されていることを特徴とするシール構造。
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