JP2003148576A - バリエータ用ディスクの製造方法 - Google Patents
バリエータ用ディスクの製造方法Info
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- JP2003148576A JP2003148576A JP2001348196A JP2001348196A JP2003148576A JP 2003148576 A JP2003148576 A JP 2003148576A JP 2001348196 A JP2001348196 A JP 2001348196A JP 2001348196 A JP2001348196 A JP 2001348196A JP 2003148576 A JP2003148576 A JP 2003148576A
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Abstract
のスプライン穴との直角度を良好に確保することができ
るバリエータ用ディスクの製造方法を提供する。 【解決手段】ブランクBの他側面Yの内周近傍に環状の
突起5を形成し、ブランクBを熱処理硬化させた後、前
記突起5の端面5aを加工基準としてブランクBの一側
面Xの外周側縁部3を仕上げる。その後、縁部3を加工
基準として前記突起5の端面5aを仕上げ、この端面5
aを加工基準としてスプライン穴9を、ブローチCによ
りシェービングする。
Description
段変速機に装備されるバリエータ用ディスクの製造方法
に関する。
無段変速機のバリエータを示す概略図である。このバリ
エータ10は、車両の動力源12により回転駆動される
入力軸13を備えており、この入力軸13はその両端近
傍にそれぞれ入力ディスク15を支持している。これら
入力ディスク15の中心部には、複数条のスプライン溝
を切ったスプライン穴15aが形成されており、入力デ
ィスク15は前記スプライン穴15aを入力軸13のス
プライン軸13aに噛合させることにより、入力軸13
の軸方向への僅かな移動が許容された状態で、入力軸1
3と一体回転可能になっている。このように入力ディス
ク15の移動が許容されているのは、油圧動力源16に
接続した油圧シリンダ17により例えば図において右側
の入力ディスク15を左側の入力ディスク15側へ付勢
することにより、バリエータ10に所要の端末負荷を加
えるためである。また、前記入力ディスク15の一側面
Xには凹湾曲状の軌道面15bが形成されている。
エータ10の出力部18が相対回転自在に支持されてい
る。この出力部18は出力部材19と、この出力部材1
9にそれぞれ一体回転可能に支持された一対の出力ディ
スク20とを備えており、この出力ディスク20の前記
入力ディスク15の軌道面15bに対向する一側面に
は、凹湾曲状の軌道面20bが形成されている。また、
前記出力部材19の外周には動力伝達用のチェーン23
と噛み合うスプロケットギヤ19aが形成されている。
さらに、互いに対向する入力ディスク15の軌道面15
bと出力ディスク20の軌道面20bとの間には、それ
ぞれ各軌道面15b,20bと転がり接触する3個の円
盤状のローラ21が円周等配に配置されている。各ロー
ラ21はキャリッジ22によって回転自在に支持されて
いるとともに、当該キャリッジ22によって各軌道面1
5b,20bとの相対位置を調整できるようになってい
る。
ィスク15、出力ディスク20、及びローラ21を1組
としてこれを一対設けた、いわゆるダブルキャビティ型
に構成されており、入力ディスク15から出力ディスク
20に対して、前記6個のローラ21を介してトルクが
伝達される。また、前記6個のローラ21の位置をキャ
リッジ22によって調整することにより(図3の二点鎖
線参照)、出力ディスク20の回転数(変速比)を増減
させることができる。
らなるものであり、その製造に際しては、切削加工にて
前記スプライン穴15aや軌道面15bが取り代を有し
て形成されたブランクを熱処理硬化させた後、前記スプ
ライン穴15aの内周面(最小内径面)を加工基準とし
て、前記軌道面15bを切削或いは研削にて仕上げるこ
とが行われている。したがって、前記軌道面15bを高
精度に仕上げるには、前記スプライン穴15aの精度を
高める必要がある。そこで、ブランクを熱処理硬化させ
た後、前記スプライン穴15aをブローチにてシェービ
ングすることにより所望の精度を確保している。
る場合、軌道面15bの背面である他側面Yを加工基準
としている。このため、当該他側面Yについても所定の
精度が要求される。そこで、図4に示すように、ブラン
ク31を熱処理硬化させた後、スプライン穴15aを旋
盤の段付き主軸32の小径部32aに嵌合し、その一側
面Xの内周寄りの平面15eを主軸32の大径部32b
の端面に押し当てて当該平面15eを加工基準とした状
態で、一側面Xの外周側の縁部15dを旋削にて平坦に
仕上げ、この縁部15dを平面研削盤のベッド33に載
置した状態で、つまり当該縁部15dを加工基準とした
状態で、他側面Yを研削砥石34によって研削仕上げす
ることにより(図5参照)、その精度を確保している。
ク31を熱処理した場合、その部位によって熱処理の歪
量が異なる。すなわち、ブランク31の外周側の熱処理
歪が最も大きく、次いで、一側面Xの軌道面15b内方
の熱処理歪が大きく、他側面Yの内周近傍の熱処理歪が
最も小さい。これは、図6の矢印で示すように、バリエ
ータ用ディスクの特徴的形状に起因して、熱処理時にブ
ランク31の外周側が図において右方の中心側に向かっ
て倒れるように変形するためである。
度の悪い前記平面15eを加工基準として、入力ディス
ク15の縁部15dを旋削仕上げしていることになる。
このため、スプライン穴15aに対する縁部15dの直
角度が悪くなり、ひいてはシェービング前のスプライン
穴15aと、そのシェービングの加工基準となる研削仕
上げされた他側面Yとの直角度も悪くなる。この結果、
スプライン穴15aをシェービングする際に、ブローチ
がスプライン穴15aに対して片当たりして、その寿命
が短くなり、加工コストが高くつくという問題があっ
た。また、他側面Yに対してシェービング後のスプライ
ン穴15aの軸線が傾き、入力ディスク15の組み付け
精度が低下するという問題もあった。この発明は前記問
題点に鑑みてなされたものであり、シェービングの加工
基準面とシェービング前後のスプライン穴との直角度を
良好に確保することができるバリエータ用ディスクの製
造方法を提供することを目的とする。
のこの発明のバリエータ用ディスクの製造方法は、トロ
イダル型無段変速機のバリエータに用いられ、一側面に
ローラが転走する凹湾曲状の軌道面を有し、中心部に入
力軸と噛合するスプライン穴を有するバリエータ用ディ
スクの製造方法であって、前記ディスク用のブランクの
前記一側面又は他側面の内周近傍に環状の突起を形成す
る工程と、前記突起を形成したブランクを熱処理硬化さ
せる工程と、前記突起の端面を加工基準としてブランク
の前記一側面の外周側縁部を仕上げる工程と、前記一側
面の外周側縁部を加工基準としてブランクの他側面を仕
上げる工程と、前記他側面を加工基準として前記スプラ
イン穴をシェービングする工程とをこの順に含むことを
特徴としている(請求項1)。
れば、前記環状の突起をブランクの内周近傍に形成して
いるので、その熱処理歪を小さくすることができる。こ
のため、この突起の端面を加工基準としてブランクの一
側面の縁部を仕上げる際に、スプライン穴に対する当該
縁部の直角度が大きく崩れるおそれがない。したがっ
て、前記縁部を加工基準としてブランクの他側面を仕上
げる際に、当該他側面とスプライン穴との直角度を良好
に確保することができる。
しく(請求項2)、この場合には、環状突起の熱処理歪
をより小さくすることができるので、前記他側面とスプ
ライン穴との直角度をより一層良好に確保することがで
きる。
の形態について添付図面を参照しながら説明する。図1
はこの発明を適用したバリエータ用ディスクの製造方法
を示す工程図である。この製造方法は、バリエータの入
力ディスク1の製造に適用されるものであり、まず鍛造
等によって得られた軸受鋼等からなる環状素材に切削加
工を施してブランクBを形成する。
り、図1(a)に示すように、一側面Xの径方向中間部に
凹湾曲面からなる環状の軌道面2を、この軌道面2の径
方向外方に軸線とほぼ直角な平面からなる縁部3を、軌
道面2の径方向内方に軸線と直角な平面からなる第1の
平面4をそれぞれ形成し、他側面Yの内周近傍に環状の
突起5を、その径方向外方に軸線と直角な平面からなる
第2の平面6をそれぞれ形成し、前記第2の平面6と外
周面7とをテーパ面8で連続させる。
り、前記環状素材の中心部に複数条のスプライン溝から
なるスプライン穴9を形成する。このスプライン穴9の
加工は突起5の端面5aを加工基準として行って、当該
端面5aに対するスプライン穴9の直角度を確保する。
なお、前記ブランクBの第2の平面6及びテーパ面8を
除いた部分には、熱処理歪みを考慮して所定の取り代が
設けられている。また、前記縁部3は第1の平面4より
も僅かに図1の右方へ突出している。
Bを熱処理して例えばHRC60〜64の硬さに硬化さ
せる(図1(b)参照)。その後、ブランクBのスプライ
ン穴9を旋盤の段付き主軸Sの小径部S1に嵌合し、バ
イトAを用いて縁部3を平坦に旋削仕上げする。この
際、ブランクBの突起5の端面5aを主軸Sの大径部S
2の端面に押し当てて当該端面5aを加工基準として旋
削する(図1(c)参照)。ここに、前記突起5部分は、
熱処理歪みの最も少ない部分であり、熱処理によって当
該端面5aに対するスプライン穴9の直角度が大きく崩
れるおそれがないので、スプライン穴9と旋削仕上げし
た縁部3との直角度を良好に確保することができる。
削盤を用いて当該縁部3を加工基準として突起5の端面
5aを研削仕上げする(図1(d)参照)。この際、スプ
ライン穴9に対する縁部3の直角度が良好に確保されて
いるので、研削仕上げした前記端面5aとスプライン穴
9との直角度についても良好に確保される。
ブローチCを用いてスプライン穴9の歯面をシェービン
グする(図1(e)参照)。この際、端面5aとシェービ
ング前のスプライン穴9との直角度が良好に確保されて
いるので、ブローチCがスプライン穴9に対して片当た
りするのが抑制される。このため、ブローチCの寿命を
延ばすことができる。また、前記端面5aに対するシェ
ービング後のスプライン穴9の直角度も良好に確保する
ことができるので、入力ディスク1の組み付け精度が低
下するのを防止することができる。
と、前記スプライン穴4の歯面の内周面を加工基準とし
て、NC旋盤或いは研削盤等を用いて一側面X側の軌道
面2を仕上げるとともに、第1の平面4及び外周面7等
の所要部を旋削加工又は研削加工によって仕上げる(図
1(f)参照)。以上により、バリエータ用の入力ディス
ク1を得ることができる。
る。この実施の形態においては、ブランクBの突起5を
一側面Xの内周近傍に形成している(図2(a)参照)。
この一側面Xの内周近傍の熱処理歪みは内周に近づくほ
ど少ないので、前記突起5の外径は必要最小限に設定し
ている。このブランクBは、熱処理硬化させた後(図2
(b)参照)、そのスプライン穴9を旋盤の段付き主軸S
の小径部S1に嵌合し、突起5の端面5aを主軸Sの大
径部S2の端面に押し当てて当該端面5aを加工基準と
して縁部3を平坦に旋削仕上げする(図2(c)参照)。
ここに、前記突起5部分は熱処理歪みが比較的少ないの
で、その端面5aに対するスプライン穴9の直角度を良
好に確保することができる。このため、スプライン穴9
と旋削仕上げした縁部3との直角度を良好に確保するこ
とができる。
削盤を用いて当該縁部3を加工基準として他側面Yとし
ての第2の平面6を研削仕上げする(図2(d)参照)。
この際、スプライン穴9に対する縁部3の直角度が良好
に確保されているので、スプライン穴9と研削仕上げし
た第2の平面6との直角度についても良好に確保するこ
とができる。次に、前記第2の平面6を加工基準とし
て、ブローチCを用いてスプライン穴9の歯面をシェー
ビングする(図2(e)参照)。この際、シェービング前
のスプライン穴9と前記第2の平面6との直角度が良好
に確保されているので、ブローチCがスプライン穴9に
対して片当たりするのが抑制されるとともに、前記第2
の平面6とシェービング後のスプライン穴9との直角度
も良好に確保することができる。
完了すると、前記スプライン穴4の歯面の内周面を加工
基準として、NC旋盤或いは研削盤等を用いて一側面X
側の軌道面2を仕上げるとともに、突起5の端面5a及
び外周面7等の所要部を旋削加工又は研削加工によって
仕上げる。以上により入力ディスク1を得ることができ
る(図2(f)参照)。
材との連結構造として、スプラインを採用する場合に
は、この出力ディスクについても前記の製造方法を適用
することができる。
タ用ディスクの製造方法によれば、熱処理歪の小さい突
起の端面を加工基準としてブランクの一側面の縁部を仕
上げるので、スプライン穴に対する当該縁部の直角度が
大きく崩れるおそれがなく、前記縁部を加工基準として
ブランクの他側面を仕上げた際に、当該他側面とシェー
ビング前のスプライン穴との直角度を良好に確保するこ
とができる。このため、ブローチがスプライン穴に対し
て片当たりするのを抑制してその寿命を延ばすことがで
き、ディスクの製造コストを安くすることができる。ま
た、前記他側面とシェービング後のスプライン穴との直
角度についても良好に確保することができるので、ディ
スクの組み付け精度が低下するのを防止することができ
る。
造方法によれば、環状突起の熱処理歪をより小さくする
ことができるので、ブローチがスプライン穴に対して片
当たりするのをさらに効果的に抑制することができると
ともに、ディスクの組み付け精度が低下するのをさらに
効果的に防止することができる。
示す工程図である。
法を示す工程図である。
る。
ある。
ある。
Claims (2)
- 【請求項1】トロイダル型無段変速機のバリエータに用
いられ、一側面にローラが転走する凹湾曲状の軌道面を
有し、中心部に入力軸と噛合するスプライン穴を有する
バリエータ用ディスクの製造方法であって、 前記ディスク用のブランクの前記一側面又は他側面の内
周近傍に環状の突起を形成する工程と、 前記突起を形成したブランクを熱処理硬化させる工程
と、 前記突起の端面を加工基準としてブランクの前記一側面
の外周側縁部を仕上げる工程と、 前記一側面の外周側縁部を加工基準としてブランクの他
側面を仕上げる工程と、 前記他側面を加工基準として前記スプライン穴をシェー
ビングする工程とをこの順に含むことを特徴とするバリ
エータ用ディスクの製造方法。 - 【請求項2】前記突起を前記他側面に形成する請求項1
記載のバリエータ用ディスクの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001348196A JP3930296B2 (ja) | 2001-11-14 | 2001-11-14 | バリエータ用ディスクの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001348196A JP3930296B2 (ja) | 2001-11-14 | 2001-11-14 | バリエータ用ディスクの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003148576A true JP2003148576A (ja) | 2003-05-21 |
JP3930296B2 JP3930296B2 (ja) | 2007-06-13 |
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP (1) | JP3930296B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2013187488A1 (ja) * | 2012-06-13 | 2013-12-19 | 日本精工株式会社 | パワーローラユニットおよびその製造方法、並びに、ハーフトロイダル無段変速機 |
-
2001
- 2001-11-14 JP JP2001348196A patent/JP3930296B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2013187488A1 (ja) * | 2012-06-13 | 2013-12-19 | 日本精工株式会社 | パワーローラユニットおよびその製造方法、並びに、ハーフトロイダル無段変速機 |
JP2013256996A (ja) * | 2012-06-13 | 2013-12-26 | Nsk Ltd | トロイダル型無段変速機及びその製造方法 |
CN103732948A (zh) * | 2012-06-13 | 2014-04-16 | 日本精工株式会社 | 动力滚子单元、该动力滚子单元的制造方法和半环形无级变速器 |
Also Published As
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---|---|
JP3930296B2 (ja) | 2007-06-13 |
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