JP2003148288A - 管状燃料圧力ダンパ取付け方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 燃料レールダンパを燃料レール内に相対運動
を減少させた状態で固定する方法を提供する。 【解決手段】 燃料レールダンパ組立体（20）及び燃料
レール（10）の表面に係合するクリップ（60）及びフィ
ンガ（70）を用いて、レールとダンパ組立体の相対運動
を実質的に無くした状態で燃料レールダンパを燃料レー
ル内に固定する方法が提供される。

Description

【発明の詳細な説明】 【０００１】 【発明の分野】本発明は一般に、内燃機関の燃料系統の
ための燃料レールに関し、特に、燃料レール内に設けら
れるダンパに関する。 【０００２】 【情報開示】燃料レールは、燃料を燃料噴射器に供給
し、燃料噴射器は燃料を内燃機関内の燃焼シリンダ内へ
噴射する。代表的には、各燃料噴射器は、シリンダ内の
燃焼プロセスの効率を最大にするよう制御されたパルス
の状態で燃料を噴射する。これら噴射燃料パルスは、燃
料レール内に入っている燃料に圧力変動を生じさせる。
これら圧力変動は、種々の問題を引き起こし、かかる問
題としては、結果的にエンジン作動の非効率化を招く噴
射器への燃料分配の不良や結果的に振動及び騒音をもた
らすことになる燃料ラインの槌打ち現象が挙げられる。 【０００３】燃料レールダンパは、燃料レール内の圧力
変動を減衰させ又は抑制するために用いられる。燃料ダ
ンパの一形式は、完全に燃料レール内に納められ、かか
る燃料ダンパは、燃料レール内の圧力変動を実質的に減
衰させ又は抑制するようチューニングされた設計の密閉
室から成る。従来技術は、この圧力ダンパを燃料レール
内に設置する種々の方法を利用している。 【０００４】米国特許第５，６１７，８１７号明細書
は、２つのダンパ支持体を用いてダンパ内に位置決め状
態で保持されるダンパを開示している。支持体のうちの
一方は、キー留めされており、この支持体は、ダンパの
回転を防止するよう燃料レールの周囲部内に設けられた
ポジショナに相当している。これら支持構造体は、ダン
パ組立体と燃料レールの相対運動を可能にせず、ダンパ
を受け入れ、適正な位置決め状態を維持するのに必要な
手の込んだスロット、溝及びキーが設けられることに起
因して製造が困難であって、費用が高くつく場合があ
る。 【０００５】米国特許第６，２０５，９７９号明細書
は、ダンパを燃料レール内に吊り下げるためにダンパ組
立体の各端部のところに設けられた２つのばねを用いて
いる。これらばねは、管内に圧着される。ばねを保持す
る圧着部は、ダンパ室を燃料から封止するのにも役立
つ。特に、大量生産では、この圧着部が燃料をダンパ室
の内部に入らないようにするのに十分なシールを生じさ
せるようにすることは困難である。さらに、このシステ
ムは、ダンパ組立体を２つのばね押しマウント上で燃料
レール内に吊り下げるので、燃料の脈動、エンジン振動
又は他の加速状態に応答して燃料レールに対するダンパ
組立体の相対運動を可能にする。このレール内における
ばね押し動作により、燃料レール内でダンパ組立体と構
造的特徴部（例えば、燃料噴射器ポート）との望ましく
ない接触が生じる場合があり、これにより摩耗、騒音が
生じると共に噴射器ポートを詰まらせる場合のある金属
削り屑及び破片が生じる。 【０００６】したがって、レールとダンパ組立体の相対
運動を減少させ、しかも製造及び組立てが容易な燃料レ
ール内への燃料ダンパの取付けシステムを提供すること
が望ましい。 【０００７】 【発明の概要】本発明は、燃料レールと、燃料レール内
に収納された減衰組立体とを有する燃料レール組立体を
提供することにより従来技術の欠点を解決する。減衰組
立体は、第１の端部及び第２の端部を備えた減衰室と中
空部材とで構成されている。第１の端部及び第２の端部
はそれぞれ、中空部材を、第１の端部及び第２の端部の
断面輪郭が中空部材の断面輪郭を越えないような仕方で
圧着することにより形成される。減衰組立体は、第１の
端部又は第２の端部に対して固定された少なくとも１つ
のクリップを更に有している。クリップは、少なくとも
１つのフィンガを有し、このフィンガは、燃料レールの
内壁に接触する。１又は複数のフィンガは、減衰組立体
の第１の側部上に設けられ、減衰組立体の第２の側部を
燃料レールの内面に接触させ、かかる接触箇所の反対側
で、１又は複数のフィンガは、燃料レールの内面に接触
する。 【０００８】ダンパの一方の端部に設けられた単一のク
リップを用いてもよく、或いはダンパ組立体の各端部の
ところに設けられたクリップを用いてもよい。これらク
リップは、圧着、クリップ留め、接着又はリベット留め
により燃料レールに取り付けることができる。 【０００９】燃料レールは、ダンパを燃料レール内の定
位置に長手方向に及び（又は）回転的に係止するよう１
又は複数のフィンガと協働する構造的特徴部を有するの
がよい。１又は複数のフィンガは、ダンパ組立体をいっ
たん燃料レール内に挿入すると、これらが塑性変形して
燃料レールの内面に接触するように設計されたものであ
るのがよい。 【００１０】本発明の目的は、燃料レール内のダンパ組
立体の相対位置を効率的な且つ費用効果のよい方法で実
質的に維持することにあり、これが本発明の利点であ
る。本発明の上記利点、特徴及び目的並びに他の利点、
特徴及び目的は、図面、詳細な説明及び特許請求の範囲
の記載から明らかになろう。 【００１１】 【好ましい実施形態の説明】次に図面を参照すると、図
１は、燃料レール１０と、燃料レール１０内に収納され
た減衰組立体２０とを有する燃料レール組立体を示して
いる。減衰組立体は、第１の端部３０及び第２の端部４
０を備えた減衰室又はダンパ室と、中間中空部材５０と
で構成されている。単一のクリップ６０を用いてもよ
く、或いはクリップ６０をダンパ組立体２０の第１の端
部３０と第２の端部４０の両方に取り付けてもよい。圧
着、クリップ留め、接着又はリベット留めによりこれら
クリップ６０をダンパ組立体２０に取り付けるのがよ
い。燃料レール１０は、ダンパ２０を燃料レール１０内
の定位置に係止するよう１又は複数のフィンガ７０と協
働する既存の従来型特徴部、例えば丸み１００を有する
のがよい。また、ダンパを燃料レール内の定位置に係止
するよう１又は複数のフィンガと協働するのにもっぱら
用いられる燃料レールの特徴部、例えば、突条、隆起
部、凹み又は切欠きを設けてもよく、これらは、燃料レ
ールの内周部又は燃料レールの外周部の外部に更に延び
るのがよい。 【００１２】図２は、ダンパ組立体の第１の端部又は第
２の端部の端面図である。各端部は、中空部材５０を端
部５５の断面輪郭が中空部材５０の断面輪郭を越えない
ような仕方で圧着することにより形成されることが好ま
しい。 【００１３】図３は、減衰組立体の端部の斜視図であ
る。減衰組立体は、第１の端部３０又は第２の端部４０
のいずれかに対して固定された少なくとも１つのクリッ
プ６０を更に有している。クリップ６０は、燃料レール
１０の内壁に接触する少なくとも１つのフィンガ７０を
有している。このダンパが、ダンパ組立体に設けられた
構造的特徴部と相互作用し、かくして挿入時にクリップ
内での塑性変形を可能にするよう設計された平らな表面
７２をその端部のところにどのように備えているかに注
目されたい。 【００１４】図４は、減衰組立体２０及びフィンガ７０
の別の設計例の側面図である。この設計例では、フィン
ガ７０がダンパの表面に沿って摺動するよう形成された
平らな表面７２をその端部のところにどのように備えて
いるかに注目されたい。これは、フィンガがダンパに沿
って摺動し、かくして引っ掛かる傾向又は塑性変形する
傾向が無いようにするためである。 【００１５】図５は、燃料レール１０内に設置された減
衰組立体２０の端面図である。フィンガ７０を燃料レー
ル１０の内面に接触させ、かかる接触箇所の反対側で、
フィンガ７０は、燃料レール１０の内面に接触する。図
５の下のところに位置するフィンガ７０が減衰組立体９
０の反対側の端部を燃料レール１０の内面に押し付けな
がら、燃料レール１０の内面にどのように当接している
かに注目されたい。また、この図において、燃料レール
１０の内面に接触しているフィンガ７０の表面が、燃料
レール１０の内面の丸みと如何に形状が一致しているか
に注目されたい。最後に、この図において、クリップ６
０を減衰組立体２０に取り付けるためにクリップ６０が
減衰組立体２０の一部をどのように包囲しているかにつ
いて注目されたい。図５は又、減衰組立体２０を半径方
向又は長手方向に燃料レール１０内に固定するために減
衰組立体２０に付け加えられた溶接部又は接着剤２６を
示している。図５は又、燃料レール１０に設けられてい
て、フィンガ７０と相互作用して減衰組立体２０を燃料
レール１０内に位置決めする凹み１５を示している。凹
み１５は、燃料レール１０の内周部内へ延びるよう形成
され、或いは燃料レール１０の外周部を越えて延びるよ
う形成されたリブ、隆起部、突条又は切欠きの形態をし
ているのがよい。 【００１６】１又は複数のフィンガ７０は、ダンパ組立
体２０をいったん燃料レール１０内に挿入すると、これ
らが塑性変形して燃料レール１０の内面に接触するよう
に設計されたものであるのがよい。塑性変形は、本シス
テムの公差では、弾性変形しか生じないばねクリップを
精密に製造できない場合に望ましい場合がある。 【００１７】図６は、減衰組立体２０を燃料レール１０
内に挿入する設置方法を示している。クリップ６０の設
計では、クリップ６０と減衰組立体２０の両方を燃料レ
ール１０内に挿入するためにフィンガ７０を減衰組立体
２０に向かって押し下げることが必要である。 【００１８】図７は、フィンガ７０の移動を制限する平
らな表面７２を備えたフィンガ７０の別の設計例を示し
ている。この場合、平らな表面７２は、減衰組立体２０
に設けられた構造的特徴部２２と相互作用してフィンガ
７０の端部の運動を停止させる。 【００１９】図８は、クリップ６０とフィンガ７０の別
の設計例の端面図である。クリップ６０が減衰組立体２
０の端部の構造的特徴部１３０に巻き付くアーム１２０
をどのように備えているかに注目されたい。この設計例
では、特徴部１３０は、減衰組立体２０を封止するのに
も役立つ圧着部である。 【００２０】図９は、減衰組立体の端部に嵌まるよう設
計されたクリップ６０の別の設計例の側面図である。 【００２１】図１０は、減衰組立体２０の端部に嵌まる
よう設計されたクリップ６０の斜視図である。クリップ
６０は、定位置にスナップ嵌めされ、接着剤で取り付け
られ、或いは溶接されるのがよい。 【００２２】図１１は、減衰組立体２０の平らな端部に
取り付けられたクリップ６０の斜視図である。図１１は
又、クリップ６０をリベット２８で減衰組立体２０に取
り付ける一方法を示している。 【００２３】本発明の種々の他の改造例は、当業者には
想到できよう。例えば、フィンガは、ばね鋼、普通炭素
鋼、他の金属及びこれらと同等なプラスチックで作られ
たものであってもよい。加うるに、フィンガは、燃料レ
ールに接触するために燃料レール内にいったん挿入され
ると塑性変形してもよい。本明細書で示唆していない他
の改造例も又、想到でき、これらは本発明の範囲に属す
る。本発明の範囲は、すべての均等例を含む特許請求の
範囲の記載に基づいて定められる。

【図面の簡単な説明】 【図１】燃料レール内の燃料レールダンパ組立体の配置
状態を示す略図である。 【図２】圧着された減衰室が定位置にある状態の燃料レ
ールの断面図である。 【図３】燃料ダンパに取り付けられたクリップを示す図
である。 【図４】燃料レールダンパに取り付けられたクリップの
側面図である。 【図５】燃料レール内に取り付けられた燃料ダンパ組立
体の端面図である。 【図６】燃料レール内に設置された燃料レールダンパ組
立体の斜視図である。 【図７】変形例としてのクリップフィンガの形態を示す
側面図である。 【図８】端部のところの圧着部により形成されたＵ字形
チャネルを有するダンパ室に取り付けられたクリップの
端面図であり、クリップがダンパ室への取付けのために
実質的にＵ字形チャネルの周りにぐるりと巻き付いてい
る状態を示す図である。 【図９】ダンパ室の端部を覆うよう設計されたクリップ
の側面図である。 【図１０】図９に示したのと同一のクリップの斜視図で
ある。 【図１１】ダンパ室に設けられた平らな端部に取り付け
られたクリップの斜視図である。 【符号の説明】 １０ 燃料レール ２０ 減衰組立体 ３０ 第１の端部 ４０ 第２の端部 ５０ 中空部材 ６０ クリップ ７０ フィンガ

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 マイケル アンソニー アドコック アメリカ合衆国 ミシガン州 48191 ウ ィルズ グリーン ゲーブルズ 9820 (72)発明者 ポール ジョセフ ヴラハキス アメリカ合衆国 ミシガン州 48103 ア ン アーバー アボット アベニュー 2112 (72)発明者 ロバート ユージン ワトルウォース アメリカ合衆国 ミシガン州 48187 カ ントン エンバシー ドライヴ 7798 Ｆターム(参考） 3G066 AC09 AD04 BA12 BA56 BA61 CB01 CB18 CE13

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 【請求項１】 燃料レール内への燃料圧力ダンパの取付
   け方法であって、燃料レール、燃料圧力ダンパ組立体及
   び燃料圧力ダンパ組立体の第１の側部から延びる少なく
   とも１つのフィンガを含む少なくとも１つのクリップを
   準備する工程と、燃料レール用燃料圧力ダンパ組立体を
   燃料レール内へ挿入して、少なくとも１つのフィンガ付
   きクリップが前記燃料レールの内面に接触し、更に、燃
   料レールの内面が燃料レール用燃料圧力ダンパ組立体の
   第２の側部に接触するようになっていることを特徴とす
   る方法。