JP2003148183A - 内燃機関の内部排気再循環制御装置 - Google Patents

内燃機関の内部排気再循環制御装置

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JP2003148183A
JP2003148183A JP2001385260A JP2001385260A JP2003148183A JP 2003148183 A JP2003148183 A JP 2003148183A JP 2001385260 A JP2001385260 A JP 2001385260A JP 2001385260 A JP2001385260 A JP 2001385260A JP 2003148183 A JP2003148183 A JP 2003148183A
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JP
Japan
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exhaust gas
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valve overlap
gas recirculation
internal
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JP2001385260A
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English (en)
Inventor
Nobuyuki Shibagaki
信之 柴垣
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
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    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
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    • Y02T10/40Engine management systems

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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)
  • Exhaust-Gas Circulating Devices (AREA)
  • Output Control And Ontrol Of Special Type Engine (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】成層燃焼可能な内燃機関にて、カムによる吸気
バルブや排気バルブの連続的なリフト量調整により内部
排気再循環を実行する場合において、NOx濃度を適切
に抑制する。 【解決手段】実吸気圧が目標吸気圧となるように第1ス
ライド補正量を算出した後、内部EGR実行の有無によ
り生じる吸気圧差ΔPM(S306)から空燃比差ΔA
Fを求めて(S308)、実内部排気再循環率egr1
を求めている(S310,S312)。この実内部排気
再循環率egr1と目標内部排気再循環率egrtとの
間で比較を行って(S314,S316)、適切な第2
スライド補正量vadjbを算出することができる(S
318,S320)。こうして内部排気再循環率の誤差
を適切に補償することができるので、NOx濃度を適切
に抑制することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、成層燃焼を可能と
する内燃機関における内部排気再循環を行う内部排気再
循環制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】内燃機関の運転状態に応じて、吸気バル
ブあるいは排気バルブの作用角やリフト量を変更するこ
とにより、エンジン特性を好適に制御する可変バルブ特
性装置が知られている(特開平10−89033号)。
この可変バルブ特性装置では、カムシャフトに回転軸方
向にプロフィールが異なるカム、いわゆる3次元カムを
設け、回転軸方向でのカムシャフトの位置調整を行うこ
とで、カムプロフィールを連続的に変化させて適切な作
用角やリフト量に調整している。
【0003】更に、この可変バルブ特性装置では、用い
られている3次元カムにメインリフト部以外にサブリフ
ト部を設けることにより、内部排気再循環のために最適
なリフトパターンを実現しようとしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した3
次元カム等のカムによる吸気バルブや排気バルブのリフ
ト量調整を行う可変バルブ特性装置を、成層燃焼を行う
ことが可能な内燃機関に適用して、成層燃焼時において
カムによる連続的なリフト量調整により内部排気再循環
を実行させることが考えられる。
【0005】しかし、サブリフト部の形状のばらつき等
により内部排気再循環率に誤差を生じると燃焼状態に対
する影響が大きくなる。特に成層燃焼時にNOx濃度に
対する影響が大きい。このため内部排気再循環率の誤差
を適切に補償してNOx濃度を適切に抑制することが望
まれている。又、成層燃焼時の失火対策などのために内
部排気再循環率を調整した場合には、やはりNOx濃度
に対する影響が大きいので、この場合もNOx濃度を適
切に抑制することが望まれている。
【0006】本発明は、成層燃焼可能な内燃機関にて、
カムによる吸気バルブや排気バルブの連続的なリフト量
調整により内部排気再循環を実行する場合において、N
Ox濃度を適切に抑制することを目的とするものであ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】以下、上記目的を達成す
るための手段及びその作用効果について記載する。請求
項1記載の内燃機関の内部排気再循環制御装置は、成層
燃焼を可能とする内燃機関における内部排気再循環を行
う内部排気再循環制御装置であって、内燃機関の吸気圧
を検出する吸気圧検出手段と、内燃機関の運転状態に応
じて、カムによる連続的リフト量調整にて吸気バルブと
排気バルブとの間のバルブオーバーラップ量を設定する
ことにより、内燃機関における内部排気再循環率の調整
を行うバルブオーバーラップ調整手段と、内燃機関が成
層燃焼運転状態にある時に、前記吸気圧検出手段にて検
出された実吸気圧が、内燃機関の運転状態に応じて設定
される目標吸気圧に近づく又は同一となるようにバルブ
オーバーラップ量補正値を算出し、該バルブオーバーラ
ップ量補正値により前記バルブオーバーラップ調整手段
におけるバルブオーバーラップ調整量を補正するバルブ
オーバーラップ補正手段とを備えたことを特徴とする。
【0008】バルブオーバーラップ調整手段が、内燃機
関の運転状態に応じてバルブオーバーラップ量を設定し
た場合、この設定により内燃機関における内部排気再循
環率の調整が正確になされていれば、排気中のNOx濃
度等のエミッションが適切な範囲になっているはすであ
る。そして、このように内部排気再循環率の調整が正確
であれば、吸気圧検出手段にて検出された実吸気圧は、
適切な内部排気再循環率状態を前提として得られる目標
吸気圧に一致しているはずである。
【0009】しかし、実吸気圧が目標吸気圧に一致して
いない場合には、適切な内部排気再循環率状態が実現さ
れていないことが判る。したがって、バルブオーバーラ
ップ補正手段が、実吸気圧が、目標吸気圧に近づく又は
同一となるようにバルブオーバーラップ量補正値を算出
し、このバルブオーバーラップ量補正値によりバルブオ
ーバーラップ調整量を補正する。このことにより、バル
ブオーバーラップ調整手段における内部排気再循環率の
調整が正確なものとなる。
【0010】こうして、成層燃焼可能な内燃機関にて、
カムによる吸気バルブや排気バルブの連続的なリフト量
調整により内部排気再循環を実行する場合において、内
部排気再循環率の誤差を適切に補償することができるの
で、NOx濃度を適切に抑制することができる。
【0011】請求項2記載の内燃機関の内部排気再循環
制御装置は、成層燃焼を可能とする内燃機関における内
部排気再循環を行う内部排気再循環制御装置であって、
内燃機関の排気成分から空燃比を検出する空燃比検出手
段と、内燃機関の運転状態に応じて、カムによる連続的
リフト量調整にて吸気バルブと排気バルブとの間のバル
ブオーバーラップ量を設定することにより、内燃機関に
おける内部排気再循環率の調整を行うバルブオーバーラ
ップ調整手段と、前記バルブオーバーラップ調整手段に
よる内部排気再循環が行われている状態での前記空燃比
検出手段の実出力値と標準空燃比検出手段の標準出力値
との間の比較を、前記空燃比検出手段と前記標準空燃比
検出手段との出力値のずれを考慮して行ない、該比較に
基づいて、バルブオーバーラップ量補正値を算出し、該
バルブオーバーラップ量補正値により前記バルブオーバ
ーラップ調整手段におけるバルブオーバーラップ調整量
を補正するバルブオーバーラップ補正手段とを備えたこ
とを特徴とする。
【0012】バルブオーバーラップ調整手段が正確に内
部排気再循環率の調整をしていれば、空燃比検出手段と
標準空燃比検出手段との出力値のずれの考慮により、空
燃比検出手段の実出力値は、標準空燃比検出手段による
標準出力値と一致しているはずである。
【0013】しかし、前記ずれを考慮しても実出力値と
標準出力値とが一致していない場合には、適切な内部排
気再循環率状態が実現されていないことが判る。したが
って、バルブオーバーラップ補正手段が、前記ずれを考
慮した状態での実出力値と標準出力値との比較に基づい
て、バルブオーバーラップ量補正値を算出し、該バルブ
オーバーラップ量補正値によりバルブオーバーラップ調
整手段におけるバルブオーバーラップ調整量を補正す
る。この補正により、バルブオーバーラップ調整手段に
おける内部排気再循環率の調整が正確なものとなる。
【0014】こうして、成層燃焼可能な内燃機関にて、
カムによる吸気バルブや排気バルブの連続的なリフト量
調整により内部排気再循環を実行する場合において、内
部排気再循環率の誤差を適切に補償することができるの
で、NOx濃度を適切に抑制することができる。
【0015】請求項3記載の内燃機関の内部排気再循環
制御装置では、請求項2記載の構成において、前記バル
ブオーバーラップ補正手段は、空燃比と標準出力値との
対応関係、前記バルブオーバーラップ調整手段による内
部排気再循環が行われている状態での成層燃焼における
前記空燃比検出手段の実出力値、及び前記バルブオーバ
ーラップ調整手段による内部排気再循環が停止している
状態での成層燃焼と均質燃焼とにおける前記空燃比検出
手段の各実出力値を用いて、前記比較を行うことを特徴
とする。
【0016】より具体的には、バルブオーバーラップ補
正手段は、前記比較のために、空燃比と標準出力値との
対応関係、内部排気再循環が行われている状態での成層
燃焼における空燃比検出手段の実出力値、及び内部排気
再循環が停止している状態での成層燃焼と均質燃焼とに
おける空燃比検出手段の各実出力値を用いている。
【0017】このことにより、適切なバルブオーバーラ
ップ量補正値を算出し、該バルブオーバーラップ量補正
値によりバルブオーバーラップ調整手段におけるバルブ
オーバーラップ調整量を適切に補正することができる。
そして、この補正により、バルブオーバーラップ調整手
段における内部排気再循環率の調整が正確なものとな
る。
【0018】こうして、成層燃焼可能な内燃機関にて、
カムによる吸気バルブや排気バルブの連続的なリフト量
調整により内部排気再循環を実行する場合において、内
部排気再循環率の誤差を適切に補償することができるの
で、NOx濃度を適切に抑制することができる。
【0019】請求項4記載の内燃機関の内部排気再循環
制御装置では、請求項3記載の構成において、前記バル
ブオーバーラップ補正手段は、内燃機関が成層燃焼運転
状態にある時に前記バルブオーバーラップ調整手段によ
り調整された内部排気再循環率において、前記空燃比検
出手段が出力する第1実出力値を求めるとともに、内燃
機関の運転状態に対応した目標空燃比に基づいて前記対
応関係から第1標準出力値を求める第1出力値検出手段
と、内燃機関が成層燃焼運転状態にある時に内部排気再
循環を停止した状態において、前記空燃比検出手段が出
力する第2実出力値を求めるとともに、内燃機関の運転
状態から得られる空燃比に基づいて前記対応関係から第
2標準出力値を求める第2出力値検出手段と、内燃機関
が内部排気再循環が停止している均質燃焼運転状態にあ
る時に、前記空燃比検出手段が出力する第3実出力値を
求めるとともに、内燃機関の運転状態から得られる空燃
比に基づいて前記対応関係から第3標準出力値を求める
第3出力値検出手段と、前記第1出力値検出手段にて求
められた第1実出力値、第1標準出力値、前記第2出力
値検出手段にて求められた第2実出力値、第2標準出力
値、及び前記第3出力値検出手段にて求められた第3実
出力値、第3標準出力値を用いて前記比較を行い、該比
較に基づいてバルブオーバーラップ量補正値を算出し、
該バルブオーバーラップ量補正値により前記バルブオー
バーラップ調整手段におけるバルブオーバーラップ調整
量を補正する比較補正手段とを備えたことを特徴とす
る。
【0020】ここで比較補正手段は、上述した第1実出
力値、第1標準出力値、第2実出力値、第2標準出力
値、第3実出力値、及び第3標準出力値を用いて前記比
較を行っている。これらの各出力値を用いることによ
り、空燃比検出手段の検出誤差の全体の傾向が判明す
る。又、第1実出力値と第1標準出力値との関係は、空
燃比検出手段の検出誤差と共に、バルブオーバーラップ
調整手段により調整される内部排気再循環率の誤差を反
映している。
【0021】したがって、比較補正手段は、第2実出力
値、第2標準出力値、第3実出力値、及び第3標準出力
値を、第1実出力値と第1標準出力値との比較に加味す
ることにより、内部排気再循環率の誤差のみを補正でき
るバルブオーバーラップ量補正値を算出することができ
る。
【0022】このようにして、成層燃焼可能な内燃機関
にて、カムによる吸気バルブや排気バルブの連続的なリ
フト量調整により内部排気再循環を実行する場合におい
て、内部排気再循環率の誤差を適切に補償することがで
きるので、NOx濃度を適切に抑制することができる。
【0023】請求項5記載の内燃機関の内部排気再循環
制御装置では、請求項4記載の構成において、前記比較
補正手段は、第3標準出力値−前記第3実出力値=ΔA
F、第1実出力値−ΔAF=A、第2実出力値−ΔAF
=B、第1標準出力値=C、第2標準出力値=D、第3
標準出力値=Eとした場合に、Aと(B−E)×(C−
E)/(D−E)+Eとを比較してAが(B−E)×
(C−E)/(D−E)+Eに近づく又は同一となるよ
うに、バルブオーバーラップ量補正値を算出し、該バル
ブオーバーラップ量補正値により前記バルブオーバーラ
ップ調整手段におけるバルブオーバーラップ調整量を補
正することを特徴とする。
【0024】上述したごとく、空燃比検出手段と標準空
燃比検出手段との出力値のずれを考慮するために、(B
−E)×(C−E)/(D−E)+Eなる算出式にて比
較用の出力値を算出している。そしてAが(B−E)×
(C−E)/(D−E)+Eに近づく又は同一となるよ
うにバルブオーバーラップ量補正値を算出している。
【0025】したがって、成層燃焼可能な内燃機関に
て、カムによる吸気バルブや排気バルブの連続的なリフ
ト量調整により内部排気再循環を実行する場合におい
て、内部排気再循環率の誤差を適切に補償することがで
きるので、NOx濃度を適切に抑制することができる。
【0026】請求項6記載の内燃機関の内部排気再循環
制御装置は、成層燃焼を可能とする内燃機関における内
部排気再循環を行う内部排気再循環制御装置であって、
内燃機関の排気成分からNOx濃度を検出するNOx濃
度検出手段と、内燃機関の運転状態に応じて、カムによ
る連続的リフト量調整にて吸気バルブと排気バルブとの
間のバルブオーバーラップ量を設定することにより、内
燃機関における内部排気再循環率の調整を行うバルブオ
ーバーラップ調整手段と、前記バルブオーバーラップ調
整手段による内部排気再循環が行われている状態での前
記NOx濃度検出手段の実出力値と標準NOx濃度検出
手段の標準出力値との間の比較を、前記NOx濃度検出
手段と前記標準NOx濃度検出手段との出力値のずれを
考慮して行い、該比較に基づいて、バルブオーバーラッ
プ量補正値を算出し、該バルブオーバーラップ量補正値
により前記バルブオーバーラップ調整手段におけるバル
ブオーバーラップ調整量を補正するバルブオーバーラッ
プ補正手段とを備えたことを特徴とする。
【0027】バルブオーバーラップ調整手段が正確に内
部排気再循環率の調整をしていれば、NOx濃度検出手
段と標準NOx濃度検出手段との出力値のずれの考慮に
より、NOx濃度検出手段の実出力値は、標準NOx濃
度検出手段による標準出力値と一致しているはずであ
る。
【0028】しかし、前記ずれを考慮しても実出力値と
標準出力値とが一致していない場合には、適切な内部排
気再循環率状態が実現されていないことが判る。したが
って、バルブオーバーラップ補正手段が、前記ずれを考
慮した状態での実出力値と標準出力値との比較に基づい
て、バルブオーバーラップ量補正値を算出し、該バルブ
オーバーラップ量補正値によりバルブオーバーラップ調
整手段におけるバルブオーバーラップ調整量を補正す
る。この補正により、バルブオーバーラップ調整手段に
おける内部排気再循環率の調整が正確なものとなる。
【0029】こうして、成層燃焼可能な内燃機関にて、
カムによる吸気バルブや排気バルブの連続的なリフト量
調整により内部排気再循環を実行する場合において、内
部排気再循環率の誤差を適切に補償することができるの
で、NOx濃度を適切に抑制することができる。
【0030】請求項7記載の内燃機関の内部排気再循環
制御装置では、請求項6記載の構成において、前記バル
ブオーバーラップ補正手段は、NOx濃度と標準出力値
との対応関係、前記バルブオーバーラップ調整手段によ
る内部排気再循環が行われている状態での成層燃焼にお
ける前記NOx濃度検出手段の実出力値、及び前記バル
ブオーバーラップ調整手段による内部排気再循環が停止
している状態での成層燃焼における前記NOx濃度検出
手段の実出力値を用いて、前記比較を行うことを特徴と
する。
【0031】より具体的には、バルブオーバーラップ補
正手段は、前記比較のために、NOx濃度と標準出力値
との対応関係、内部排気再循環が行われている状態での
成層燃焼におけるNOx濃度検出手段の実出力値、及び
内部排気再循環が停止している状態での成層燃焼におけ
る実出力値を用いている。
【0032】このことにより、適切なバルブオーバーラ
ップ量補正値を算出し、該バルブオーバーラップ量補正
値によりバルブオーバーラップ調整手段におけるバルブ
オーバーラップ調整量を適切に補正することができる。
そして、この補正により、バルブオーバーラップ調整手
段における内部排気再循環率の調整が正確なものとな
る。
【0033】こうして、成層燃焼可能な内燃機関にて、
カムによる吸気バルブや排気バルブの連続的なリフト量
調整により内部排気再循環を実行する場合において、内
部排気再循環率の誤差を適切に補償することができるの
で、NOx濃度を適切に抑制することができる。
【0034】請求項8記載の内燃機関の内部排気再循環
制御装置では、請求項7記載の構成において、前記バル
ブオーバーラップ補正手段は、内燃機関が成層燃焼運転
状態にある時に前記バルブオーバーラップ調整手段によ
り調整された内部排気再循環率において、前記NOx濃
度検出手段が出力する第1実出力値を求めるとともに、
内燃機関の運転状態に対応した目標NOx濃度に基づい
て前記対応関係から第1標準出力値を求める第1出力値
検出手段と、内燃機関が成層燃焼運転状態にある時に内
部排気再循環を停止した状態において、前記NOx濃度
検出手段が出力する第2実出力値を求めるとともに、内
燃機関の運転状態から得られるNOx濃度に基づいて前
記対応関係から第2標準出力値を求める第2出力値検出
手段と、前記第1出力値検出手段にて求められた第1実
出力値、第1標準出力値、及び前記第2出力値検出手段
にて求められた第2実出力値、第2標準出力値を用いて
前記比較を行い、該比較に基づいてバルブオーバーラッ
プ量補正値を算出し、該バルブオーバーラップ量補正値
により前記バルブオーバーラップ調整手段におけるバル
ブオーバーラップ調整量を補正する比較補正手段とを備
えたことを特徴とする。
【0035】ここで比較補正手段は、上述した第1実出
力値、第1標準出力値、第2実出力値及び第2標準出力
値を用いて前記比較を行っている。これらの各出力値を
用いることにより、NOx濃度検出手段の検出誤差の全
体の傾向が判明する。又、第1実出力値と第1標準出力
値との関係は、NOx濃度検出手段の検出誤差と共に、
バルブオーバーラップ調整手段により調整される内部排
気再循環率の誤差を反映している。
【0036】したがって、比較補正手段は、第2実出力
値及び第2標準出力値を、第1実出力値と第1標準出力
値との比較に加味することにより、内部排気再循環率の
誤差のみを補正できるバルブオーバーラップ量補正値を
算出することができる。
【0037】このようにして、成層燃焼可能な内燃機関
にて、カムによる吸気バルブや排気バルブの連続的なリ
フト量調整により内部排気再循環を実行する場合におい
て、内部排気再循環率の誤差を適切に補償することがで
きるので、NOx濃度を適切に抑制することができる。
【0038】請求項9記載の内燃機関の内部排気再循環
制御装置では、請求項8記載の構成において、前記バル
ブオーバーラップ補正手段は、第1実出力値=A、第2
実出力値=B、第1標準出力値=C、第2標準出力値=
Dとした場合に、AとB×C/Dとを比較してAがB×
C/Dに近づく又は同一となるように、バルブオーバー
ラップ量補正値を算出し、該バルブオーバーラップ量補
正値により前記バルブオーバーラップ調整手段における
バルブオーバーラップ調整量を補正することを特徴とす
る。
【0039】上述したごとく、NOx濃度検出手段と標
準NOx濃度検出手段との出力値のずれを考慮するため
に、B×C/Dなる算出式にて比較用の出力値を算出し
ている。そしてAがB×C/Dに近づく又は同一となる
ようにバルブオーバーラップ量補正値を算出している。
【0040】したがって、成層燃焼可能な内燃機関に
て、カムによる吸気バルブや排気バルブの連続的なリフ
ト量調整により内部排気再循環を実行する場合におい
て、内部排気再循環率の誤差を適切に補償することがで
きるので、NOx濃度を適切に抑制することができる。
【0041】請求項10記載の内燃機関の内部排気再循
環制御装置では、成層燃焼を可能とする内燃機関におけ
る内部排気再循環を行う内部排気再循環制御装置であっ
て、内燃機関の排気成分から空燃比を検出する空燃比検
出手段と、内燃機関の負荷相当量を検出する負荷相当量
検出手段と、内燃機関の運転状態に応じて、カムによる
連続的リフト量調整にて吸気バルブと排気バルブとの間
のバルブオーバーラップ量を設定することにより、内燃
機関における内部排気再循環率の調整を行うバルブオー
バーラップ調整手段と、前記バルブオーバーラップ調整
手段による内部排気再循環が停止されている状態での負
荷相当量出力値と標準空燃比出力値との対応関係と、前
記バルブオーバーラップ調整手段による内部排気再循環
が停止している状態での成層燃焼における前記負荷相当
量検出手段の実負荷相当量出力値及び前記空燃比検出手
段の実空燃比出力値と、前記バルブオーバーラップ調整
手段による内部排気再循環が行われている状態での成層
燃焼における前記負荷相当量検出手段の実負荷相当量出
力値及び前記空燃比検出手段の実空燃比出力値とを用い
て実内部排気再循環率を求め、該実内部排気再循環率と
内燃機関の運転状態に応じて設定される目標内部排気再
循環率との間の比較に基づいて、バルブオーバーラップ
量補正値を算出し、該バルブオーバーラップ量補正値に
より前記バルブオーバーラップ調整手段におけるバルブ
オーバーラップ調整量を補正するバルブオーバーラップ
補正手段とを備えたことを特徴とする。
【0042】バルブオーバーラップ補正手段が、上述し
たごとく実内部排気再循環率を求めているので、目標内
部排気再循環率との比較に基づいて、バルブオーバーラ
ップ量補正値を算出することができる。こうして、バル
ブオーバーラップ調整手段におけるバルブオーバーラッ
プ調整量を適切に補正することができ、バルブオーバー
ラップ調整手段における内部排気再循環率の調整が正確
なものとなる。
【0043】このように、成層燃焼可能な内燃機関に
て、カムによる吸気バルブや排気バルブの連続的なリフ
ト量調整により内部排気再循環を実行する場合におい
て、内部排気再循環率の誤差を適切に補償することがで
きるので、NOx濃度を適切に抑制することができる。
【0044】請求項11記載の内燃機関の内部排気再循
環制御装置では、請求項10記載の構成において、前記
バルブオーバーラップ補正手段は、内燃機関が成層燃焼
運転状態にある時に前記バルブオーバーラップ調整手段
により内部排気再循環率が調整された内燃機関運転状態
において、前記空燃比検出手段が出力する第1実空燃比
出力値を求めるとともに、前記負荷相当量検出手段によ
り検出される実負荷相当量出力値に基づいて前記対応関
係から第1標準空燃比出力値を求める第1出力値検出手
段と、内燃機関が成層燃焼運転状態にある時に前記バル
ブオーバーラップ調整手段による内部排気再循環を停止
した内燃機関運転状態において、前記空燃比検出手段が
出力する第2実空燃比出力値を求めるとともに、前記負
荷相当量検出手段により検出される実負荷相当量出力値
に基づいて前記対応関係から第2標準空燃比出力値を求
める第2出力値検出手段と、前記第1出力値検出手段に
て求められた第1実空燃比出力値、第1標準空燃比出力
値、前記第2出力値検出手段にて求められた第2実空燃
比出力値、及び第2標準空燃比出力値を用いて前記第1
実空燃比出力値が得られた時の実内部排気再循環率を求
め、該実内部排気再循環率と前記目標内部排気再循環率
との間で比較を行い、前記実内部排気再循環率が前記目
標内部排気再循環率に近づく又は同一となるようにバル
ブオーバーラップ量補正値を算出し、該バルブオーバー
ラップ量補正値により前記バルブオーバーラップ調整手
段におけるバルブオーバーラップ調整量を補正する比較
補正手段とを備えたことを特徴とする。
【0045】比較補正手段は、上述した第1実空燃比出
力値、第1標準空燃比出力値、第2実空燃比出力値、及
び第2標準空燃比出力値を用いて、第1実空燃比出力値
が得られた時の実内部排気再循環率を求め、この実内部
排気再循環率と目標内部排気再循環率との間で比較を行
っている。この比較により適切なバルブオーバーラップ
量補正値を算出することができるので、バルブオーバー
ラップ調整手段における内部排気再循環率の調整が正確
なものとなる。
【0046】こうして、成層燃焼可能な内燃機関にて、
カムによる吸気バルブや排気バルブの連続的なリフト量
調整により内部排気再循環を実行する場合において、内
部排気再循環率の誤差を適切に補償することができるの
で、NOx濃度を適切に抑制することができる。
【0047】請求項12記載の内燃機関の内部排気再循
環制御装置では、請求項11記載の構成において、前記
比較補正手段は、第1実空燃比出力値=A、第1標準空
燃比出力値=B、第2実空燃比出力値=C、第2標準空
燃比出力値=D、及びE=B−(D−C)とした場合
に、式(E−A)/Eにより実内部排気再循環率を算出
することを特徴とする。
【0048】上述したごとく、第1実空燃比出力値、第
1標準空燃比出力値、第2実空燃比出力値、及び第2標
準空燃比出力値の各値を用いて、前記式(E−A)/E
により実内部排気再循環率を算出することにより、容易
に目標内部排気再循環率との比較ができる。
【0049】したがって、成層燃焼可能な内燃機関に
て、カムによる吸気バルブや排気バルブの連続的なリフ
ト量調整により内部排気再循環を実行する場合におい
て、内部排気再循環率の誤差を適切に補償することがで
きるので、NOx濃度を適切に抑制することができる。
【0050】請求項13記載の内燃機関の内部排気再循
環制御装置では、請求項10〜12のいずれか記載の構
成において、前記負荷相当量検出手段は、内燃機関の負
荷相当量として吸気圧又は負荷率を検出することを特徴
とする。
【0051】このように吸気圧又は負荷率を検出して、
負荷相当量として用いることができる。尚、負荷率と
は、内燃機関の最大負荷に対する現在の負荷の割合を示
す値である。
【0052】請求項14記載の内燃機関の内部排気再循
環制御装置は、成層燃焼を可能とする内燃機関における
内部排気再循環を行う内部排気再循環制御装置であっ
て、内燃機関の吸気圧を検出する吸気圧検出手段と、内
燃機関の排気成分から空燃比を検出する空燃比検出手段
と、内燃機関の運転状態に応じて、カムによる連続的リ
フト量調整にて吸気バルブと排気バルブとの間のバルブ
オーバーラップ量を設定することにより、内燃機関にお
ける内部排気再循環率の調整を行うバルブオーバーラッ
プ調整手段と、前記バルブオーバーラップ調整手段によ
る内部排気再循環が行われている状態と内部排気再循環
が停止された状態とにおける前記吸気圧検出手段の各実
吸気圧出力値及び前記空燃比検出手段の各実空燃比出力
値に基づいて実内部排気再循環率を求め、該実内部排気
再循環率と内燃機関の運転状態に応じて設定される目標
内部排気再循環率との間の比較に基づいて、バルブオー
バーラップ量補正値を算出し、該バルブオーバーラップ
量補正値により前記バルブオーバーラップ調整手段にお
けるバルブオーバーラップ調整量を補正するバルブオー
バーラップ補正手段とを備えたことを特徴とする。
【0053】バルブオーバーラップ補正手段が、上述し
たごとく実内部排気再循環率を求めているので、目標内
部排気再循環率との比較に基づいて、バルブオーバーラ
ップ量補正値を算出することができる。こうして、バル
ブオーバーラップ調整手段におけるバルブオーバーラッ
プ調整量を適切に補正することができ、バルブオーバー
ラップ調整手段における内部排気再循環率の調整が正確
なものとなる。
【0054】このように、成層燃焼可能な内燃機関に
て、カムによる吸気バルブや排気バルブの連続的なリフ
ト量調整により内部排気再循環を実行する場合におい
て、内部排気再循環率の誤差を適切に補償することがで
きるので、NOx濃度を適切に抑制することができる。
【0055】請求項15記載の内燃機関の内部排気再循
環制御装置では、請求項14記載の構成において、前記
バルブオーバーラップ補正手段は、内燃機関が成層燃焼
運転状態にある時に前記バルブオーバーラップ調整手段
により内部排気再循環率が調整された状態において、前
記空燃比検出手段が出力する第1実空燃比出力値を求め
るとともに、前記吸気圧検出手段が出力する第1実吸気
圧出力値を求める第1出力値検出手段と、内燃機関が成
層燃焼運転状態にある時に前記バルブオーバーラップ調
整手段による内部排気再循環率が停止された状態におい
て、前記空燃比検出手段が出力する第2実空燃比出力値
を求めるとともに、前記吸気圧検出手段が出力する第2
実吸気圧出力値を求める第2出力値検出手段と、前記第
1出力値検出手段にて求められた第1実吸気圧出力値と
前記第2出力値検出手段にて求められた第2実吸気圧出
力値との差及び前記第2出力値検出手段にて求められた
第2実空燃比出力値に基づいて、前記第1出力値検出手
段にて求められた第1実吸気圧出力値と同一の吸気圧を
内部排気再循環を行わずに実現した場合に予想される予
想空燃比を求める予想空燃比検出手段と、前記予想空燃
比検出手段にて求められた予想空燃比と前記第1出力値
検出手段にて求められた第1実空燃比出力値とから実内
部排気再循環率を求め、該実内部排気再循環率と前記目
標内部排気再循環率との間の比較に基づいて、バルブオ
ーバーラップ量補正値を算出し、該バルブオーバーラッ
プ量補正値により前記バルブオーバーラップ調整手段に
おけるバルブオーバーラップ調整量を補正する比較補正
手段とを備えたことを特徴とする。
【0056】ここで、比較補正手段は上述した予想空燃
比と第1実空燃比出力値とから実内部排気再循環率を求
め、この実内部排気再循環率と目標内部排気再循環率と
の間で比較を行っている。この比較により適切なバルブ
オーバーラップ量補正値を算出することができるので、
バルブオーバーラップ調整手段における内部排気再循環
率の調整が正確なものとなる。
【0057】このように、成層燃焼可能な内燃機関に
て、カムによる吸気バルブや排気バルブの連続的なリフ
ト量調整により内部排気再循環を実行する場合におい
て、内部排気再循環率の誤差を適切に補償することがで
きるので、NOx濃度を適切に抑制することができる。
【0058】請求項16記載の内燃機関の内部排気再循
環制御装置では、請求項15記載の構成において、前記
予想空燃比検出手段は、内部排気再循環の実行時と停止
時との吸気圧差をΔPMとし、内部排気再循環実行時の
吸気圧と同一の吸気圧を内部排気再循環を行わずに実現
した場合の空燃比と内部排気再循環停止時の空燃比との
空燃比差をΔAFとすると、予め得られているΔPMと
ΔAFとの対応関係を用いることにより、前記第1出力
値検出手段にて求められた第1実吸気圧出力値と前記第
2出力値検出手段にて求められた第2実吸気圧出力値と
の差に基づいてΔAFの値を求め、該値を前記第2出力
値検出手段により求められた第2実空燃比出力値に加算
することにより前記予想空燃比を算出することを特徴と
する。
【0059】このように予想空燃比検出手段は、ΔPM
とΔAFとの対応関係を用いることにより、第1実吸気
圧出力値と第2実吸気圧出力値との差に基づいてΔAF
の値を求め、この値を第2実空燃比出力値に加算するこ
とにより予想空燃比を算出している。このように予想空
燃比を容易に求めることができるので、比較補正手段で
は、この予想空燃比を用いて実内部排気再循環率を容易
に求めることができ、目標内部排気再循環率との間の比
較を実行することができる。
【0060】請求項17記載の内燃機関の内部排気再循
環制御装置は、成層燃焼を可能とする内燃機関における
内部排気再循環を行う内部排気再循環制御装置であっ
て、内燃機関の運転状態に応じて、カムによる連続的リ
フト量調整にて吸気バルブと排気バルブとの間のバルブ
オーバーラップ量を設定することにより、内燃機関にお
ける内部排気再循環率の調整を行うバルブオーバーラッ
プ調整手段と、内燃機関の失火の程度を検出する失火検
出手段と、内燃機関がアイドル回転数制御時での成層燃
焼運転状態にある時に前記失火検出手段にて検出される
失火の程度に応じて、前記バルブオーバーラップ調整手
段による内部排気再循環率を調整することにより失火の
程度を調整する失火調整手段と、前記失火調整手段によ
る内部排気再循環率の調整に連動してNOx濃度を調整
するNOx濃度調整手段とを備えたことを特徴とする。
【0061】内部排気再循環率が高い場合は内燃機関の
失火程度が大きくなる傾向にある。このため失火調整手
段は、失火検出手段にて検出される失火の程度に応じ
て、バルブオーバーラップ調整手段による内部排気再循
環率を調整することにより失火の程度を調整している。
しかし、単に失火対策のために内部排気再循環率を調整
すると、NOx濃度が変動してエミッションの悪化を招
くおそれがある。このためNOx濃度調整手段が失火調
整手段による内部排気再循環率の調整に連動してNOx
濃度を調整するように機能することにより、NOx濃度
を適切に抑制することができる。
【0062】請求項18記載の内燃機関の内部排気再循
環制御装置では、請求項17記載の構成において、前記
NOx濃度調整手段は、前記失火調整手段による内部排
気再循環率の増減に応じて内燃機関の吸入空気量を増減
させることによりNOx濃度を基準範囲内に維持するよ
う調整することを特徴とする。
【0063】より具体的には、NOx濃度調整手段は、
失火調整手段による内部排気再循環率の増減に応じて内
燃機関の吸入空気量を増減させることによりNOx濃度
を基準範囲内に維持するよう調整している。このことに
より容易にNOx濃度を適切に抑制することができる。
【0064】請求項19記載の内燃機関の内部排気再循
環制御装置では、請求項17又は18記載の構成におい
て、前記失火調整手段は、前記失火検出手段にて検出さ
れる失火の程度に応じてバルブオーバーラップ量補正値
を算出し、該バルブオーバーラップ量補正値により前記
バルブオーバーラップ調整手段におけるバルブオーバー
ラップ調整量を補正することにより失火の程度を調整す
ることを特徴とする。
【0065】失火調整手段による失火程度の調整は、上
述のごとく算出されたバルブオーバーラップ量補正値を
用いてバルブオーバーラップ調整手段におけるバルブオ
ーバーラップ調整量を補正することによりなすことがで
きる。このことにより他の運転領域においても前記バル
ブオーバーラップ量補正値を用いることにより容易にN
Ox濃度を適切に抑制することができるようになる。
【0066】請求項20記載の内燃機関の内部排気再循
環制御装置では、請求項19記載の構成において、前記
失火調整手段は、前記バルブオーバーラップ量補正値に
より前記バルブオーバーラップ調整手段におけるバルブ
オーバーラップ調整量を補正するに際しては、該補正の
程度を、前記バルブオーバーラップ調整量又は内燃機関
負荷に応じて変更することを特徴とする。
【0067】バルブオーバーラップ調整量又は内燃機関
負荷の違いに応じてバルブオーバーラップ量補正値に反
映されている内部排気再循環率の誤差は異なる。したが
ってバルブオーバーラップ量補正値を求めた際のバルブ
オーバーラップ調整量又は内燃機関負荷と、実際にバル
ブオーバーラップ量補正値を適用する時の、バルブオー
バーラップ調整量又は内燃機関負荷が異なる場合には、
バルブオーバーラップ調整量に対する補正の程度を変更
して補正した方が、より適切な内部排気再循環率の誤差
補償が可能となる。
【0068】したがって失火調整手段が、補正の程度
を、前記バルブオーバーラップ調整量又は内燃機関負荷
に応じて変更することにより、NOx濃度を適切に抑制
することができるようになる。
【0069】請求項21記載の内燃機関の内部排気再循
環制御装置では、請求項1〜16のいずれか記載の構成
において、前記バルブオーバーラップ補正手段は、前記
バルブオーバーラップ量補正値により前記バルブオーバ
ーラップ調整手段におけるバルブオーバーラップ調整量
を補正するに際しては、該補正の程度を、前記バルブオ
ーバーラップ調整量又は内燃機関負荷に応じて変更する
ことを特徴とする。
【0070】同様に、バルブオーバーラップ補正手段に
ついても補正の程度を、前記バルブオーバーラップ調整
量又は内燃機関負荷に応じて変更することにより、NO
x濃度を適切に抑制することができるようになる。
【0071】請求項22記載の内燃機関の内部排気再循
環制御装置では、請求項20又は21記載の構成におい
て、前記補正の程度は、前記バルブオーバーラップ量補
正値が算出された時のバルブオーバーラップ調整量又は
内燃機関負荷と、前記バルブオーバーラップ量補正値に
よりバルブオーバーラップ調整量を補正する際のバルブ
オーバーラップ調整量又は内燃機関負荷との比率に応じ
て設定されることを特徴とする。
【0072】このようにバルブオーバーラップ量補正値
の算出時と適用時とのバルブオーバーラップ調整量又は
内燃機関負荷の比率により寄与率を設定することによ
り、適切に寄与率を変更でき、NOx濃度を適切に抑制
することができるようになる。
【0073】請求項23記載の内燃機関の内部排気再循
環制御装置では、請求項20又は21記載の構成におい
て、前記補正は、前記バルブオーバーラップ量補正値を
係数としてバルブオーバーラップ調整量に乗算すること
により、前記補正の程度を、前記バルブオーバーラップ
調整量又は内燃機関負荷に応じて変更することを特徴と
する。
【0074】このようにバルブオーバーラップ量補正値
の適用時に、係数としてバルブオーバーラップ調整量に
乗算することにより、補正の程度を、バルブオーバーラ
ップ調整量又は内燃機関負荷に応じて変更することがで
きる。こうして適切に寄与率を変更でき、NOx濃度を
適切に抑制することができるようになる。
【0075】請求項24記載の内燃機関の内部排気再循
環制御装置では、請求項1〜16のいずれか記載の構成
において、成層燃焼運転状態とは、アイドル回転数制御
時での安定した成層燃焼運転状態であることを特徴とす
る。
【0076】このようにアイドル回転数制御時での安定
した成層燃焼運転状態にて、前述した各処理を実行する
ことにより、正確にバルブオーバーラップ量補正値を算
出して内部排気再循環率の誤差を適切に補償することが
できるので、NOx濃度をより効果的に抑制することが
できる。
【0077】請求項25記載の内燃機関の内部排気再循
環制御装置では、請求項1〜24のいずれか記載の構成
において、前記バルブオーバーラップ調整手段は、軸方
向にカムプロフィールが連続的に変化する3次元カムを
吸気カムと排気カムとの一方又は両方に用い、該3次元
カムの軸方向移動量を、内燃機関の運転状態に応じて設
定することにより内部排気再循環率の調整を行うことを
特徴とする。
【0078】このような3次元カムを用いることによ
り、バルブオーバーラップ調整手段は、カムによりリフ
ト量調整を連続的に行うことが可能となり、内燃機関の
運転状態に応じた内部排気再循環率の調整を精密なもの
とすることができるので、NOx濃度を効果的に抑制す
ることができる。
【0079】請求項26記載の内燃機関の内部排気再循
環制御装置では、請求項25記載の構成において、前記
3次元カムは、バルブオーバーラップを生じさせるため
のサブリフト部が形成されており、該サブリフト部のバ
ルブ作用角とバルブリフト量との一方又は両方が軸方向
にて変化する形状とされていることを特徴とする。
【0080】このように3次元カムにサブリフト部を形
成することにより、カムの軸方向位置とバルブオーバー
ラップ量との間に所望とする対応関係を設定しても良
い。この場合、カムの軸方向位置の調整量がバルブオー
バーラップ調整量に相当する。
【0081】
【発明の実施の形態】[実施の形態1]図1は、車両に
搭載された筒内噴射型ガソリンエンジン(以下、「エン
ジン」と略す)2及びその電子制御ユニット(以下、
「ECU」と称す)4の概略構成を示している。尚、エ
ンジン2の出力は変速機(図示略)を介して最終的に車
輪に走行駆動力として伝達される。エンジン2には、燃
焼室10内に燃料を直接噴射する燃料噴射バルブ12
と、この噴射された燃料に点火する点火プラグ14とが
それぞれ設けられている。燃焼室10に接続している吸
気ポート16は吸気バルブ18の駆動により開閉され
る。吸気ポート16に接続された吸気通路20の途中に
はサージタンク22が設けられ、サージタンク22の上
流側にはスロットルモータ24によって開度が調節され
るスロットルバルブ26が設けられている。このスロッ
トルバルブ26の開度(スロットル開度TA)により吸
気量が調整される。スロットル開度TAはスロットル開
度センサ28により検出され、サージタンク22内の吸
気圧PMは、サージタンク22に設けられた吸気圧セン
サ30により検出されて、ECU4に読み込まれてい
る。
【0082】燃焼室10に接続している排気ポート32
は排気バルブ34の駆動により開閉される。排気ポート
32に接続された排気通路36の途中には上流側にエン
ジン始動時に多量に放出されるHCやCO成分を除去す
るためのO2ストレージ機能を有する三元触媒であるス
タートキャタリスト38が設けられ、下流にはNOx吸
蔵還元触媒40が設けられている。
【0083】ここで吸気バルブ18は、後述するごとく
軸方向で変化するカムプロフィールを有する3次元吸気
カム50により、カムフォロア50bを介してリフトさ
れることで開閉駆動される。また排気バルブ34は、軸
方向でのカムプロフィールは一定の平カムである排気カ
ム52により、カムフォロア52bを介してリフトされ
ることで開閉駆動される。エンジン2のクランクシャフ
ト54の回転に吸気カムシャフト50a及び排気カムシ
ャフト52aが連動することにより3次元吸気カム50
及び排気カム52がエンジン回転数NEの1/2の回転
数で回転し、吸気バルブ18及び排気バルブ34がエン
ジンの行程に対応して開閉駆動される。
【0084】ECU4はデジタルコンピュータを中心と
して構成されているエンジン制御回路である。このEC
U4は、スロットル開度センサ28及び吸気圧センサ3
0以外に、アクセルペダル44の踏み込み量(アクセル
開度ACCP)を検出するアクセル開度センサ56から
の信号を入力している。更に、ECU4は、クランクシ
ャフト54の回転からエンジン回転数NEを検出するエ
ンジン回転数センサ58、吸気カムシャフト50aの回
転から基準クランク角を決定する基準クランク角センサ
60、吸気カムシャフト50aの軸方向のスライド量を
検出するためのシャフト位置センサ62、スタートキャ
タリスト38の上流側に設けられて排気成分から空燃比
を検出する空燃比センサ64、スタートキャタリスト3
8とNOx吸蔵還元触媒40との間に設けられて排気成
分中の酸素を検出する第1O2センサ66及びNOx吸
蔵還元触媒40の下流に設けられて排気成分中の酸素を
検出する第2O2センサ68からそれぞれ信号を入力し
ている。尚、このようなセンサ以外にも、図示省略して
いるが、車速センサなどの制御に必要なセンサが設けら
れている。
【0085】ECU4は、上述した各種センサからの検
出内容に基づいて、エンジン2の燃料噴射時期、燃料噴
射量、及びスロットル開度TAを適宜制御する。このこ
とにより、燃焼形態については成層燃焼と均質燃焼との
間で切り替えがなされている。本実施の形態1では、冷
間時などの状態を除いた通常運転時においては、図2に
示すごとくエンジン回転数NEと負荷率eklqとのマ
ップに基づいて、燃焼形態が決定されている。ここで負
荷率eklqは、負荷に相当する値であり、最大機関負
荷に対する現在の負荷の割合を示すものとして、例えば
アクセル開度ACCPとエンジン回転数NEとをパラメ
ータとするマップから求められる値である。
【0086】燃焼形態が成層燃焼に設定された場合に
は、スロットルバルブ26は可成り開いた状態となり、
吸気量に対して理論空燃比よりも可成り少ない量の燃料
が、圧縮行程後期に噴射されるように制御される。この
結果、点火時期においては点火プラグ14近傍に層状に
存在する点火可能な濃い混合気に点火がなされて成層燃
焼が行われる。
【0087】一方、燃焼形態が均質燃焼に設定された場
合には、アクセル開度ACCPの程度に応じてスロット
ルバルブ26の開度が調整され、理論空燃比となる量
(場合により理論空燃比よりも濃くなる量)の燃料が吸
気行程中に噴射されるように制御される。この結果、点
火時期においては燃焼室10内全体を占める理論空燃比
(場合により理論空燃比より濃厚)でかつ均質な混合気
に点火がなされて均質燃焼が行われる。
【0088】更に、ECU4は、上述した各種センサか
らの検出内容に基づいて、目標スライド量vsldtを
設定することでシャフトスライド機構70を駆動して、
吸気カムシャフト50aの軸方向のスライド量を適宜制
御する。この場合の目標スライド量vsldtは、予め
実験により求められているエンジン運転状態をパラメー
タとするマップ、ここではエンジン回転数NEと負荷率
eklqとをパラメータとするマップから得られた基本
スライド量vsldを用いて、次式1に示す算出式にて
算出される。
【0089】
【数1】 vsldt ← vsld + vadja + vadjb … [式1] ここで、第1スライド補正量vadja及び第2スライ
ド補正量vadjbは、後述する処理により算出される
補正量である。ただし、第2スライド補正量vadjb
については、アイドル時のみに限って補正項として働く
ようにしても良く、又、アイドル時以外についてはアイ
ドル運転領域から離れるに従って第2スライド補正量v
adjbによる補正項としての寄与を小さくしても良
い。又、第2スライド補正量vadjbは、アイドル及
びその周辺の運転領域のみに補正項として寄与するよう
にしても良い。
【0090】このようにエンジン運転状態に応じて吸気
カムシャフト50aのスライド量を調整し、3次元吸気
カム50のカムプロフィールにより吸気バルブ18の開
弁タイミングの進角量を連続的に調整することで、無段
階に調量できる内部排気再循環(以下、「内部EGR」
と称する)を実行している。
【0091】次に3次元吸気カム50について説明す
る。図3の斜視図に示すごとく3次元吸気カム50のカ
ムプロフィールは、カム面80において吸気カムシャフ
ト50aの回転軸方向(矢印S方向)に連続的に変化し
ている。なお図3の矢印Cは吸気カムシャフト50aの
回転方向を示している。
【0092】図4(A)は3次元吸気カム50の正面
図、図4(B)は左側面図を示す。図示するごとく3次
元吸気カム50においては、ノーズ82の高さは回転軸
方向では一定とされている。そして、3次元吸気カム5
0の方向R側の端面(以下、「第1端面」と称する)8
4側では、バルブ開き側とバルブ閉じ側とはほぼ左右対
称なカムプロフィールである。しかし、3次元吸気カム
50の方向F側の端面(以下、「第2端面」と称する)
86側では左右対称なカムプロフィールではなく、バル
ブ閉じ側は第1端面84側と同じカムプロフィールであ
るが、バルブ開き側の方は第1端面84側よりも高いリ
フトパターンとされている。なお、図4において破線の
円はリフト量ゼロのカム高さを示している。
【0093】したがって、吸気バルブ18のリフト量で
表す3次元吸気カム50のプロフィールは、3次元吸気
カム50のノーズ82によるピーク位置を0°として、
第2端面86側のカム面80では図5(A)のごとくで
あり、第1端面84側のカム面80では図5(B)のご
とくである。
【0094】図示したごとく、第2端面86側のカムプ
ロフィールはピーク位置のバルブ開き側に台地状にサブ
カムCsubが形成されている。第1端面84側にはサ
ブカムCsubは存在しない。このため、第2端面86
側での3次元吸気カム50の作用角dθ12は、第1端
面84側での作用角dθ11よりもバルブの開弁タイミ
ング側が大きく進角している。
【0095】なお、クランク角(°CA)に対応するリ
フトパターンは図6に示すごとくとなる。ここで、図6
(A)は第2端面86側のカム面80がカムフォロア5
0bに当接した場合のリフトパターンであり、図6
(B)は第1端面84側のカム面80がカムフォロア5
0bに当接した場合のリフトパターンである。又、一点
鎖線は排気バルブ34のリフトパターンを示している。
したがって、図6(A)に示す第2端面86側のカム面
80のリフトパターンでは、排気バルブ34とのバルブ
オーバーラップは最大バルブオーバーラップ量Rpma
xであり、図6(B)にて示す第1端面84側のカム面
80のリフトパターンでは、最小バルブオーバーラップ
量Rpminである。
【0096】3次元吸気カム50における第2端面86
と第1端面84との間のカム面80は、第2端面86側
のプロフィールと第1端面84側のプロフィールとの間
で連続的に変化している。このため、シャフトスライド
機構70の駆動により、図6(A)の最大バルブオーバ
ーラップ量Rpmaxと図6(B)の最小バルブオーバ
ーラップ量Rpminとの間の任意の位置になるように
吸気バルブ18のリフトパターンを無段階に調整するこ
とができる。
【0097】シャフトスライド機構70について説明す
る。シャフトスライド機構70は、図7に示すごとく、
シリンダチューブ90と、このシリンダチューブ90内
に配置されたシャフト移動用ピストン92と、オイルコ
ントロールバルブ(以下、「OCV」と略す)94とを
備えている。シリンダチューブ90はタイミングスプロ
ケット96と一体に形成されている。タイミングスプロ
ケット96はクランクシャフト54(図1)とはタイミ
ングチェーン(図示略)にて連結されている。このた
め、エンジン2の回転に連動してシリンダチューブ90
全体がエンジン回転数NEの1/2の回転数で回転す
る。
【0098】シャフト移動用ピストン92は吸気カムシ
ャフト50aに固定されている。このシャフト移動用ピ
ストン92により、シリンダチューブ90内は軸方向
に、第1圧力室90aと第2圧力室90bとに区画され
ている。第1圧力室90a側には圧縮状態のスプリング
98が配置されているが、第2圧力室90b側にはスプ
リングは配置されていない。したがってスプリング98
は、シャフト移動用ピストン92を図示左方向に付勢し
ている。
【0099】更に、第2圧力室90b側には、シャフト
移動用ピストン92からスプライン部92aが軸方向に
円筒状に突出して設けられている。このスプライン部9
2aは、シリンダチューブ90の内周面に形成されてい
るストレートスプライン部90cに噛み合っている。し
たがって、シリンダチューブ90内でシャフト移動用ピ
ストン92が軸方向に移動しても、タイミングスプロケ
ット96と吸気カムシャフト50aとの間に位相差が生
じないようにされる。
【0100】第1圧力室90a及び第2圧力室90bに
はOCV94を介してオイルポンプPから作動油が供給
される。OCV94は、電磁ソレノイド式4ポート3位
置切替弁として構成されている。図示しているごとくの
電磁ソレノイドの消磁状態では、第2圧力室90b内の
作動油は排出通路100を介してオイルパン102内へ
戻される。第1圧力室90a内へは供給通路104を介
してオイルポンプPから高圧の作動油が供給される。し
たがってシャフト移動用ピストン92を図示左側に移動
させることができ、連動する吸気カムシャフト50aを
同様に移動させることができる。又、電磁ソレノイドが
100%励磁された状態では、第2圧力室90b内へは
供給通路104を介してオイルポンプPから高圧の作動
油が供給される。第1圧力室90aの作動油は排出通路
100を介してオイルパン102内へ戻される。したが
ってシャフト移動用ピストン92を図示右側に移動させ
ることができ、連動する吸気カムシャフト50aを同様
に移動させることができる。更に、電磁ソレノイドへの
給電を中程度の状態に制御すると、各圧力室90a,9
0bは供給通路104にも排出通路100にも接続され
ずに密封される。したがってシャフト移動用ピストン9
2を停止させることができ、吸気カムシャフト50aの
位置を固定することができる。
【0101】このようにしてECU4はOCV94に対
する通電制御を行うことにより、シャフト移動用ピスト
ン92をスプリング98の付勢力とともに図示左側に移
動させてバルブオーバーラップ量を最小バルブオーバー
ラップ量Rpmin側に連続的に変化させることができ
る。そして、シャフト移動用ピストン92をスプリング
98の付勢力に抗して図示右側に移動させてバルブオー
バーラップ量を最大バルブオーバーラップ量Rpmax
側に連続的に変化させることができる。このことにより
任意のバルブオーバーラップ量を実現することができ
る。そして吸気カムシャフト50aの位置を固定すれ
ば、バルブオーバーラップ量を一定に維持することがで
きる。
【0102】尚、内部EGR率とバルブオーバーラップ
量との関係は、最小バルブオーバーラップ量Rpmin
では内部EGRはなされないが、最小バルブオーバーラ
ップ量Rpminよりもバルブオーバーラップ量を増加
させることにより、バルブオーバーラップ量の増加に応
じて内部EGR率が増加するように3次元吸気カム50
及びシャフトスライド機構70が設定してある。
【0103】ECU4は、エンジン2の始動完了後に
は、燃焼方式を均質燃焼に固定した状態でアイドル運転
を行い、アイドル回転数フィードバック制御によりエン
ジン回転数NEが予め定められたアイドル回転数となる
ようにスロットルバルブ26を駆動してスロットル開度
TAを調整する。こうしたアイドル回転数フィードバッ
ク制御によるスロットル開度調整により、エンジン2の
吸気量がアイドル回転を実現できる値に調整される。
【0104】そして、ECU4は、マップとして予め用
意されている標準エンジンのアイドル時でのエンジン回
転数NE、吸気圧PM及びスロットル開度TAの間の対
応関係を用いて、アイドル回転数フィードバック制御時
の実エンジン回転数NE及び実吸気圧PMとに基づいて
標準スロットル開度を算出する。そして、この標準スロ
ットル開度と実スロットル開度TAとの差により、スロ
ットル開度補正量を学習している。このことにより、E
CU4はスロットルバルブ26の駆動により標準エンジ
ンと同じようにスロットル開度TAの制御を実行するこ
とができる。このようにスロットル開度補正量の学習が
完了した後に成層燃焼のアイドル回転数フィードバック
制御に移行している。
【0105】次に、ECU4により実行される制御の
内、スライド補正量学習処理について説明する。図8に
スライド補正量学習処理のフローチャートを示す。本処
理は、エンジン2の始動後に短時間周期で繰り返し実行
される処理である。
【0106】本処理が開始されると、まず第2スライド
補正量の学習が完了したことを示す第2学習完了フラグ
XGBが「OFF」か否かが判定される(S110)。
ここでエンジン始動時の初期設定により第2学習完了フ
ラグXGB=「OFF」に設定されているので、最初は
「YES」と判定されて、次に現在のエンジン運転状態
がアイドル時であるか否かが判定される(S120)。
すなわちアイドル回転数制御によりアイドル時の目標回
転数になるようにエンジン2の出力制御がなされている
か否かが判定される。アイドル時でなければ(S120
で「NO」)、本処理を一旦終了する。
【0107】アイドル時であれば(S120で「YE
S」)、次に現在の燃焼状態が成層燃焼か否かが判定さ
れる(S130)。前述した図2のマップに従って成層
燃焼が実行されている場合には「YES」と判定され、
これ以外の場合には均質燃焼が行われているので「N
O」と判定される。従って、均質燃焼の場合には(S1
30で「NO」)、このまま一旦本処理を終了する。
【0108】成層燃焼が行われている場合には(S13
0で「YES」)、次に安定状態か否かが判定される
(S140)。すなわち、成層燃焼下でのアイドル運転
状態が安定状態にあるか否かが判定される。ここでアイ
ドル安定状態とは、例えば、車速=0km/hで、かつ
アクセルペダル44が完全に戻されてから十分な時間が
経過することでエンジン回転数が安定している状態を表
している。
【0109】安定状態でなければ(S140で「N
O」)、このまま一旦本処理を終了する。安定状態であ
れば(S140で「YES」)、次に第1スライド補正
量の学習が完了したことを示す第1学習完了フラグXG
Aが「ON」か否かが判定される(S150)。ここで
エンジン始動時の初期設定により第1学習完了フラグX
GA=「OFF」に設定されているので、最初は「N
O」と判定されている。そして、次に説明する第1スラ
イド補正量vadja学習処理が実行されて(S16
0)。本処理を一旦終了する。
【0110】第1スライド補正量vadja学習処理を
図9のフローチャートに示す。本処理が開始されると、
まず、吸気圧センサ30から検出されている現在の吸気
圧PMが変数PMaに読み込まれる(S162)。
【0111】次に、現在の負荷率eklqとエンジン回
転数NEとに基づいて、予め実験により標準エンジンに
おいて得られている負荷率eklqとエンジン回転数N
Eとをパラメータとする目標吸気圧のマップから目標吸
気圧PMtを算出する(S164)。
【0112】次に、吸気圧PMaが目標吸気圧PMtと
一致しているか否かが判定される(S166)。ここで
吸気圧PMaと目標吸気圧PMtとの一致は、完全に数
値が一致する場合のみでなく、制御の精度やハンチング
等を勘案して一致と認められる範囲内に吸気圧PMaと
目標吸気圧PMtとが近接している場合も一致と判断し
ている。
【0113】吸気圧PMaと目標吸気圧PMtとが一致
していないと判定された場合には(S166で「N
O」)、次に吸気圧PMaが目標吸気圧PMtより小さ
いか否かが判定される(S168)。PMa<PMtで
あれば(S168で「YES」)、次式2により第1ス
ライド補正量vadjaの増加処理がなされる(S17
0)。
【0114】
【数2】 vadja ← vadja + da … [式2] ここで補正量変動幅daは第1スライド補正量vadj
aを徐々に変化させるために設けられた値である。
【0115】一方、PMa>PMtであれば(S168
で「NO」)、次式3により第1スライド補正量vad
jaの減少処理がなされる(S172)。
【0116】
【数3】 vadja ← vadja − da … [式3] ステップS170又はステップS172の次には、後述
するタイマカウンタTcaに「0」を設定して(S17
4)、一旦本処理を終了する。
【0117】上述したごとく、PMa<PMtであれば
内部EGR率の不足により、吸気圧PMaが目標吸気圧
PMtに達していない状態であるとして、第1スライド
補正量vadjaを増加することで、前記式1により計
算される目標スライド量vsldtを増加させて、内部
EGR率を高くしている。又、PMa>PMtであれば
内部EGR率の過剰により、吸気圧PMaが目標吸気圧
PMtを越えている状態であるとして、第1スライド補
正量vadjaを減少することで、目標スライド量vs
ldtを減少させて、内部EGR率を低くしている。
【0118】上述した第1スライド補正量vadjaに
対する増減処理(S170,S172)の結果、吸気圧
PMaと目標吸気圧PMtとが一致すれば(S166で
「YES」)、次に吸気圧PMaと目標吸気圧PMtと
の一致以後、タイマカウンタTcaが安定状態を判断す
るための基準時間Tcxに到達したが否かが判定される
(S176)。タイマカウンタTca=0からカウント
が開始されるので、最初はタイマカウンタTca<基準
時間Tcxであることから(S176で「NO」)、タ
イマカウンタTcaをインクリメントして(S17
8)、一旦本処理を終了する。
【0119】以後、吸気圧PMa=目標吸気圧PMtの
状態で(S166で「YES」)、インクリメント(S
178)が繰り返されて、タイマカウンタTca=基準
時間Tcxとなれば(S176で「YES」)、第1学
習完了フラグXGAに「ON」が設定される(S18
0)。
【0120】このことにより、ステップS150(図
8)では「YES」と判定されるようになり、第1スラ
イド補正量vadja学習処理(ステップS160:図
9)は終了する。このことで第1スライド補正量vad
jaの学習が完了し、この代わりに、第2スライド補正
量vadjb学習処理(ステップS190)の実行に移
行することになる。
【0121】尚、ここで第1スライド補正量vadja
学習処理(ステップS160:図9)による処理の一例
を図10のタイミングチャートに示す。時刻t0にて本
処理が開始されると、この時、PMa<PMtであるた
め(S168で「YES」)、第1スライド補正量va
djaの漸増(S170)が開始される。このことによ
り、前記式1により目標スライド量vsldtは増加す
るので、内部EGR率も増加して、吸気圧PMaは徐々
に目標吸気圧PMtに近づく。そして時刻t1にて吸気
圧PMaと目標吸気圧PMtとは一致する。吸気圧PM
aと目標吸気圧PMtとが一致した状態で、基準時間T
cxが経過すると(時刻t2)、第1学習完了フラグX
GAが「ON」となり(S180)、第1スライド補正
量vadja学習処理(ステップS160:図9)によ
る処理が終了し、1スライド補正量vadjaの値が決
定する。
【0122】次に、第2スライド補正量vadjb学習
処理(ステップS190)について説明する。本処理を
図11のフローチャートに示す。本処理では、まず、内
部EGRを停止していることを示す内部EGR強制停止
中フラグXSDが「OFF」か否かが判定される(S1
92)。エンジン始動時の初期設定ではXSD=「OF
F」と設定されているので最初は「YES」と判定され
る。次に前記式1により求められる目標スライド量vs
ldtを達成するためにシャフトスライド機構70に対
するスライド量制御が実行される(S193)。既にス
ライド量制御が実行されている場合は、スライド制御を
継続することになる。
【0123】次にXSD=「OFF」となってから予め
設定している待機時間が経過したか否かが判定される
(S194)。この待機時間は、XSD=「ON」とX
SD=「OFF」との間で切り替わった場合には、スラ
イド量制御の実行と停止との間で切り替わることになる
ので、この切替時にエンジン2の状態を安定化するまで
待機するための時間が設定されている。尚、第1スライ
ド補正量vadja学習処理(ステップS160:図
9)が終了して、本第2スライド補正量vadjb学習
処理(ステップS190:図11)が開始された時も待
機時間が経過するまでステップS194では「NO」と
判定される。
【0124】待機時間が経過すると(S194で「YE
S」)、次に吸気圧センサ30にて検出されている現在
の吸気圧PMが変数PM1に設定され(S196)、空
燃比センサ64にて検出されている空燃比が、変数AF
1に設定される(S198)。そして、負荷率eklq
とエンジン回転数NEとをパラメータとする目標内部E
GR率マップから、目標内部EGR率egrtを算出す
る(S199)。次に、内部EGR強制停止中フラグX
SDに「ON」を設定して(S202)、一旦本処理を
終了する。
【0125】次の制御周期では内部EGR強制停止中フ
ラグXSD=「ON」であることから(S192で「N
O」)、次にスライド量制御が停止される(S20
3)。ここではスライド量を強制的に「0(mm)」に
設定して、前記式1によるスライド量制御を停止する。
したがって、図7において吸気カムシャフト50aが最
も左側に位置することで3次元吸気カム50の第1端面
84側がカムフォロア50bに当接するようになり、吸
気バルブ18のリフトパターンは図6(B)の状態に固
定される。すなわち内部EGRが完全に停止される。
【0126】次にXSD=「ON」となってから前述し
た待機時間が経過したか否かが判定される(S20
4)。待機時間が経過しない内は(S204で「N
O」)、このまま一旦本処理を終了する。
【0127】待機時間が経過すると(S204で「YE
S」)、次に第2スライド補正量vadjb算出処理が
実行されて(S300)、一旦本処理を終了する。第2
スライド補正量vadjb算出処理を図12のフローチ
ャートに示す。本処理が開始されると、まず、吸気圧セ
ンサ30にて検出されている現在の吸気圧PMが変数P
M2に設定され(S302)、空燃比センサ64にて検
出されている空燃比(A/F)が、変数AF2に設定さ
れる(S304)。
【0128】そして、内部EGRがエンジン運転状態に
応じて行われていた時の吸気圧PM1と、内部EGRが
停止されている時の吸気圧PM2との吸気差圧ΔPM
(=PM1−PM2)が算出される(S306)。
【0129】次に、差圧ΔPMに基づいて図13に示す
マップから空燃比差ΔAFを算出する(S308)。こ
のマップは、図14に示すごとく吸気圧PMと空燃比A
Fの2次元空間において、状態A,B,Cにおける関係
を表している。図14においてラインL0は内部EGR
を実行していない状態(スライド量=0mm)での吸気
圧PMと空燃比AFとの関係を表しており、ラインL1
は、内部EGRの実行による或るスライド量での吸気圧
PMと空燃比AFとの関係を表している。そして、状態
Aは内部EGRを実行している状態、状態Bは強制的に
スライド量=0mmにして内部EGRを停止した状態、
状態Cは状態Aと同一の吸気圧PM1を内部EGRを停
止した状態でスロットル開度TAで実現した状態を表し
ている。
【0130】すなわち、図13のマップは、状態Aと状
態Bとの吸気圧差ΔPMと、状態Bと状態Cとの空燃比
差ΔAFとの関係を、予め実験により測定して作成した
ものである。尚、図14の例では、状態Bは状態Aより
も空燃比が高い(空気に対する燃料量が少ない)が、エ
ンジンの種類によっては状態Bは状態Aよりも空燃比が
低い(空気に対する燃料量が多い)場合もあり得る。
【0131】ステップS308にて空燃比差ΔAFが算
出されると、次式4のごとく状態Bでの空燃比AF2と
空燃比差ΔAFとから状態Cでの空燃比AF0が算出さ
れる(S310)。
【0132】
【数4】 AF0 ← AF2 + ΔAF … [式4] 尚、図13のマップでは、ΔAFは状態Bと状態Cとの
間の空燃比差として設定されていたため、上記式4では
状態Bでの空燃比AF2を用いたが、ΔAFは状態Aと
状態Cとの間の空燃比差としてマップを設定しても良
く、この場合は、上記式4では状態Bでの空燃比AF2
の代わりに、状態Aでの空燃比AF1を用いることにな
る。
【0133】次に、このようにして求められた状態Cで
の空燃比AF0と状態Aでの空燃比AF1とから、次式
5に示すごとく、状態Aでの内部EGR率egr1を算
出する(S312)。
【0134】
【数5】 egr1 ← 100×(AF0−AF1)/AF0 … [式5] ここで、状態Aでの空燃比AF1は空気量GA1/燃料
量Q1で表すことができ、状態Cでの空燃比AF0は空
気量GA0/燃料量Q0で表すことができる。しかし、
状態Aと状態Cとは吸気圧PMが同一であることからポ
ンピング損失が同じである。したがって、成層燃焼下の
アイドル状態である状態Aと状態Cとは燃料量Q0,Q
1が同一となる。このため、前記式5の内、「(AF0
−AF1)/AF0」は、(GA0−GA1)/GA0
で表される。(GA0−GA1)は、状態Aでの内部E
GR量を表しているため、前記式5の右辺は状態Aでの
内部EGR率egr1を表していることになる。
【0135】このようにして状態Aでの内部EGR率e
gr1が算出されると、この内部EGR率egr1が、
前述したステップS199で記憶された状態Aでの目標
内部EGR率egrtに一致しているか否かが判定され
る(S314)。ここで内部EGR率egr1と目標内
部EGR率egrtとの一致は、完全に数値が一致する
場合のみでなく、制御の精度やハンチング等を勘案して
一致と認められる範囲内に内部EGR率egr1と目標
内部EGR率egrtとが近づいている場合も一致と判
断している。
【0136】ここで、内部EGR率egr1と目標内部
EGR率egrtとが一致していないと判定された場合
には(S314で「NO」)、次に内部EGR率egr
1が目標内部EGR率egrtより小さいか否かが判定
される(S316)。egr1<egrtであれば(S
316で「YES」)、次式6により第2スライド補正
量vadjbの増加処理がなされる(S318)。
【0137】
【数6】 vadjb ← vadjb + db … [式6] ここで補正量変動幅dbは第2スライド補正量vadj
bを徐々に変化させるために設けられた値である。
【0138】一方、egr1>egrtであれば(S3
16で「NO」)、次式7により第2スライド補正量v
adjbの減少処理がなされる(S320)。
【0139】
【数7】 vadjb ← vadjb − db … [式7] ステップS318又はステップS320の次には、内部
EGR強制停止中フラグXSDに「OFF」を設定して
(S322)、一旦本処理を終了する。
【0140】上述したごとく、egr1<egrtであ
れば内部EGR率の不足状態であるとして、第2スライ
ド補正量vadjbを増加することで、前記式1により
計算される目標スライド量vsldtを増加させて、内
部EGR率を高くしている。又、egr1>egrtで
あれば内部EGR率の過剰状態であるとして、第2スラ
イド補正量vadjbを減少することで、目標スライド
量vsldtを減少させて、内部EGR率を低くしてい
る。
【0141】次の制御周期では、XSD=「OFF」で
あるため(S192で「YES」)、スライド量制御が
開始され(S193)、次にXSD=「OFF」となっ
てから待機時間が経過したか否かが判定される(S19
4)。最初は、待機時間は経過していないため(S19
4で「NO」)、このまま一旦本処理を終了する。
【0142】待機時間が経過すると(S194で「YE
S」)、前述したステップS196〜S202の処理が
繰り返される。この結果、再度、新しい状態Aの吸気圧
PM1、空燃比AF1及び目標内部EGR率egrtが
求められ、そしてステップS202にてXSD=「O
N」に設定されることにより(S192で「NO」)、
前述したごとくスライド量制御が停止され(S20
3)、待機時間が経過した後(S204で「YE
S」)、前述した第2スライド補正量vadjbの算出
処理(図12)が実行される。このことにより状態Cで
の空燃比AF0が求められ、egr1=egrtでなけ
れば(S314で「NO」)、第2スライド補正量va
djbの増減処理(S318,S320)が実行され
る。
【0143】このような処理が繰り返されることにより
第2スライド補正量vadjbが学習され、このことで
シャフトスライド機構70のスライド量が適正となっ
て、egr1=egrtとなると(S314で「YE
S」)、第2学習完了フラグXGBに「ON」が設定さ
れ(S324)、スライド量制御が再開されて(S32
5)、一旦本処理を終了する。
【0144】次の制御周期では、ステップS110(図
8)で「NO」と判定されるので、スライド補正量学習
処理での実質的な処理は終了する。したがって以後、上
述した各学習処理(S160,S190)にて学習され
て設定された第1スライド補正量vadja及び第2ス
ライド補正量vadjbを用いた前記式1により目標ス
ライド量vsldtが算出され、誤差を適切に補償した
内部EGR率制御が可能となる。
【0145】上述した構成において、ECU4により行
われるエンジン運転状態に応じたシャフトスライド機構
70に対するスライド量制御処理がバルブオーバーラッ
プ調整手段としての処理に相当し、第1スライド補正量
vadja学習処理(図9)と第2スライド補正量va
djb学習処理(図11,12)とがそれぞれバルブオ
ーバーラップ補正手段としての処理に相当する。又、第
2スライド補正量vadjb学習処理(図11,12)
の内でも、ステップS196,S198が第1出力値検
出手段としての処理に、ステップS302,S304が
第2出力値検出手段としての処理に、ステップS30
6,S308,S310が予想空燃比検出手段としての
処理に、ステップS312〜S320が比較補正手段と
しての処理に相当する。
【0146】以上説明した本実施の形態1によれば、以
下の効果が得られる。 (イ).第1スライド補正量vadja学習処理(図
9)により、吸気圧検出手段としての吸気圧センサ30
が検出した実吸気圧PMaが、適切な内部排気再循環率
状態を前提として得られる目標吸気圧PMtに一致して
いないと判断された場合には(S166で「NO」)、
適切な内部排気再循環率状態が実現されていないことが
判る。このことから、ステップS170,S172の処
理により、実吸気圧PMaが目標吸気圧PMtとなるよ
うに第1スライド補正量vadjaを算出している。こ
の第1スライド補正量vadjaは前記式1により目標
スライド量vsldtに反映されるので、シャフトスラ
イド機構70による内部EGR率の調整が正確なものと
なる。
【0147】このように、内部EGR率の誤差を適切に
補償することができるので、NOx濃度を適切に抑制す
ることができる。 (ロ).第2スライド補正量vadjb学習処理(図1
1,12)により、上述したごとく内部EGR率egr
1を求めているので、目標内部EGR率egrtとの比
較に基づいて、第2スライド補正量vadjbを算出す
ることができる(S318,S320)。この第2スラ
イド補正量vadjbは前記式1により目標スライド量
vsldtに反映されるので、シャフトスライド機構7
0による内部EGR率の調整が一層正確なものとなる。
【0148】[実施の形態2]本実施の形態では、吸気
圧センサ30の代わりに吸入空気量センサが用いられて
吸入空気量GAを検出している。ECU4は次に述べる
スライド補正量学習処理を実行している。
【0149】又、シャフトスライド機構70の目標スラ
イド量vsldtは、エンジン回転数NEと負荷率ek
lqとのマップに基づいて基本スライド量vsldを算
出し、次式8に示す算出式に用いることで目標スライド
量vsldtが算出される。
【0150】
【数8】 vsldt ← vsld + vadjc … [式8] ここで、スライド補正量vadjcは、後述する処理に
より算出される補正量である。これ以外の構成について
は特に説明しない限り前記実施の形態1と同じである。
【0151】本実施の形態のスライド補正量学習処理の
フローチャートを図15に示す。本処理は短時間周期で
繰り返し実行される処理である。本処理が開始される
と、まずスライド補正量の学習が完了したことを示す学
習完了フラグXGDが「OFF」か否かが判定される
(S410)。ここでエンジン始動時の初期設定により
学習完了フラグXGD=「OFF」に設定されているの
で、最初は「YES」と判定されて、次に現在のエンジ
ン運転状態がアイドル時であるか否かが判定される(S
420)。アイドル時でなければ(S420で「N
O」)、本処理を一旦終了する。
【0152】アイドル時であれば(S420で「YE
S」)、次に安定状態か否かが判定される(S43
0)。安定状態でなければ(S430で「NO」)、こ
のまま一旦本処理を終了する。
【0153】安定状態であれば(S430で「YE
S」)、次に現在の燃焼状態が成層燃焼か否かが判定さ
れる(S440)。前記実施の形態1で述べたマップ
(図2)に従って成層燃焼が実行されている場合には
「YES」と判定され、これ以外の場合には均質燃焼が
行われているので「NO」と判定される。前記実施の形
態1でも述べたごとくエンジン始動後のアイドル時にお
いては初期は均質燃焼に制御されるので、最初は「YE
S」と判定される。次にスロットル開度の学習が完了し
ているか否かが判定される(S450)。前記実施の形
態1にて述べたごとく、スライド補正量学習に先だって
別個の処理にてスロットル開度の学習が行われるので、
スロットル開度の学習が完了していない間は(S450
で「NO」)、このまま一旦本処理を終了する。
【0154】スロットル開度の学習が完了すると(S4
50で「YES」)、次に均質燃焼時空燃比検出誤差V
s算出処理が行われる(S460)。均質燃焼時空燃比
検出誤差Vs算出処理のフローチャートを図16に示
す。本処理では、まず空燃比検出誤差算出完了フラグX
GCが「OFF」か否かが判定される(S461)。こ
の空燃比検出誤差算出完了フラグXGCはエンジン始動
時の初期設定により「OFF」に設定されているので、
最初は「YES」と判定される。したがって次に均質燃
焼下での空燃比センサ64の出力値が変数Vaに設定さ
れる(S462)。そして、予め実験にて求められてい
る標準空燃比センサにおける空燃比と出力値との対応関
係を示すマップから、実空燃比に基づいて標準出力値V
bが算出される(S463)。
【0155】ここで空燃比センサ64は標準空燃比セン
サと同一出力パターンではないので、標準空燃比センサ
の出力から正確に空燃比を判定できないが、空燃比セン
サ64をO2センサと同様にリッチかリーンかを判断す
るセンサとして用いることで空燃比をストイキ(理論空
燃比=14.5)に制御している。したがって実空燃比
としてはストイキの値を用いる。尚、エンジンの1回転
当たりの吸入空気量センサが検出している吸入空気量G
Aと実際に燃料噴射バルブ12から燃焼室10内に噴射
されている燃料量との比により、実空燃比を算出しても
良い。
【0156】次に、均質燃焼時空燃比検出誤差Vsが次
式9に示すごとく算出される(S464)。
【0157】
【数9】Vs ← Vb − Va … [式9] 標準空燃比センサ(二点鎖線)と実際の空燃比センサ
(実線)との出力パターンを図19のグラフに示す。す
なわちストイキでの標準空燃比センサの出力(状態B)
と実際の空燃比センサの出力(状態A)との差を、均質
燃焼時空燃比検出誤差Vsとして求めている。
【0158】次に重み付け平均などの処理により均質燃
焼時空燃比検出誤差Vsの平均化処理を行う(S46
5)。最初は1つの均質燃焼時空燃比検出誤差Vsが求
められているのみであるので、ステップS464で算出
された値がそのまま均質燃焼時空燃比検出誤差Vsとし
て設定される。
【0159】次に均質燃焼時空燃比検出誤差Vsの算出
が完了したか否かが判定される(S466)。均質燃焼
時空燃比検出誤差Vs算出の完了とは、十分に高精度な
値を得るために必要とする数の均質燃焼時空燃比検出誤
差Vsを算出して、平均化処理が完了した場合である。
均質燃焼時空燃比検出誤差Vs算出が完了していなけれ
ば(S466で「NO」)、このまま一旦本処理を終了
する。
【0160】均質燃焼時空燃比検出誤差Vs算出が完了
すれば(S466で「YES」)、空燃比検出誤差算出
完了フラグXGCに「ON」を設定して(S467)、
一旦本処理を終了する。
【0161】次の制御周期では、XGC=「ON」であ
るので(S461で「NO」)、均質燃焼時空燃比検出
誤差Vs算出処理(図16)での実質的な処理は終了す
る。この後、ECU4の燃焼形態制御により均質燃焼が
終了して、前記図2に基づく成層燃焼に移行する。した
がって、ステップS440(図15)では「YES」と
判定され、スライド補正量vadjc算出処理が開始さ
れる(S470)。
【0162】スライド補正量vadjc算出処理のフロ
ーチャートを図17に示す。本処理では、まず内部EG
Rを停止していることを示す内部EGR強制停止中フラ
グXSFが「OFF」か否かが判定される(S47
2)。エンジン始動時の初期設定ではXSF=「OF
F」に設定されているので、最初はXSF=「OFF」
と判定されて(S472で「YES」)、次に前記式8
により求められた目標スライド量vsldtを達成する
ためにシャフトスライド機構70に対するスライド量制
御が実行される(S474)。次にXSF=「OFF」
となってから予め設定している待機時間が経過したか否
かが判定される(S476)。この待機時間は前記実施
の形態1のステップS194にて説明したものと同じで
ある。待機時間が経過しない内は(S476で「N
O」)、このまま一旦本処理を終了する。
【0163】そして待機時間が経過すると(S476で
「YES」)、次に内部EGR及び成層燃焼が共に実行
されている標準エンジンにおいて予め実験にて求められ
ている負荷率eklqとエンジン回転数NEとをパラメ
ータとする目標空燃比マップから、目標空燃比AFtが
算出される(S478)。
【0164】次に現在の空燃比センサ64の出力値が変
数Va1に設定される(S480)。更に、標準空燃比
センサにおいて予め実験にて求められている空燃比と出
力値との対応関係を示すマップから、前記ステップS4
78にて算出された目標空燃比AFtに基づいて標準出
力値を算出して変数Vb1に設定する(S482)。
【0165】次に内部EGR強制停止中フラグXSFに
「ON」を設定して(S484)、一旦本処理を終了す
る。この時、図19にて状態C及び状態Dで示す位置で
の出力値Va1,Vb1が求められたことになる。
【0166】次の制御周期では内部EGR強制停止中フ
ラグXSF=「ON」であることから(S472で「N
O」)、次にスライド量制御が停止される(S48
6)。この処理は前記実施の形態1のステップS203
と同じ処理が行われ、内部EGRが完全に停止される。
【0167】次にXSF=「ON」となってから予め設
定している待機時間が経過したか否かが判定される(S
488)。待機時間が経過しない内は(S488で「N
O」)、このまま一旦本処理を終了する。待機時間が経
過すると(S488で「YES」)、次に内部EGR停
止時処理が実行されて(S500)、一旦本処理を終了
する。
【0168】内部EGR停止時処理を図18のフローチ
ャートに示す。本処理が開始されると、まず、内部EG
Rが行われていない成層燃焼時の標準エンジンについて
予め実験にて求められている吸入空気量/エンジン回転
数と燃料噴射量とをパラメータとする空燃比マップか
ら、吸入空気量センサにより検出されている実吸入空気
量GA、回転数センサ58により検出されている実エン
ジン回転数NEとから求められるGA/NE及び実燃料
噴射量Qに基づいて標準空燃比を算出し、変数AF2に
設定する(S501)。次に、現在の空燃比センサ64
の出力値が、変数Va2に設定される(S502)。
【0169】そして前記ステップS482にて用いたマ
ップから、前記ステップS501にて算出された標準空
燃比AF2に基づいて標準出力値を算出して変数Vb2
に設定する(S503)。
【0170】この時、図19にて状態E及び状態Fで示
す位置での出力値Va2,Vb2が求められたことにな
る。次に均質燃焼時空燃比検出誤差Vsに基づいて、次
式10の計算により、図19での状態Ctの出力値Vx
を算出する(S504)。
【0171】
【数10】 Vx ← Va1 + Vs … [式10] 次に、均質燃焼時空燃比検出誤差Vsに基づいて、次式
11の計算により、図19での状態Etの出力値V2を
算出する(S505)。
【0172】
【数11】 V2 ← Va2 + Vs … [式11] そして、状態B,Et,Fが三角形をなし、この三角形
の辺上に状態Ct,Dが存在し、状態Et,F間の直線
が状態Ct,D間の直線と並行であることから、次式1
2の計算により、出力値Vb,V2,Vb1,Vb2の
値を用いて状態Ctでの出力値Vyを求める(S50
6)。
【0173】
【数12】 Vy ← (V2−Vb)×(Vb1−Vb)/(Vb2−Vb) + Vb … [式12] このようにして状態Ctにおける実測による出力値Vx
と計算上の出力値Vyとが求められると、出力値Vxと
出力値Vyとが一致しているか否かが判定される(S5
07)。ここで出力値Vxと出力値Vyとの一致は、完
全に数値が一致する場合のみでなく、制御の精度やハン
チング等を勘案して一致と認められる範囲内に出力値V
xと出力値Vyとが近づいている場合も一致と判断して
いる。
【0174】出力値Vxと出力値Vyとが一致していな
いと判定された場合には(S507で「NO」)、次に
出力値Vxが出力値Vyより大きいか否かが判定される
(S508)。Vx>Vyであれば(S508で「YE
S」)、次式13によりスライド補正量vadjcの増
加処理がなされる(S509)。
【0175】
【数13】 vadjc ← vadjc + dc … [式13] ここで補正量変動幅dcはスライド補正量vadjcを
徐々に変化させるために設けられた値である。
【0176】一方、Vx<Vyであれば(S508で
「NO」)、次式14によりスライド補正量vadjc
の減少処理がなされる(S510)。
【0177】
【数14】 vadjc ← vadjc − dc … [式14] ステップS509又はステップS510の次には、内部
EGR強制停止中フラグXSFに「OFF」を設定して
(S511)、一旦本処理を終了する。
【0178】上述したごとく、Vx>Vyであれば内部
EGR率の不足状態であるとして、スライド補正量va
djcを増加することで、前記式8により計算される目
標スライド量vsldtを増加させて、内部EGR率を
高くしている。又、Vx<Vyであれば内部EGR率の
過剰状態であるとして、スライド補正量vadjcを減
少することで、目標スライド量vsldtを減少させ
て、内部EGR率を低くしている。
【0179】次の制御周期では、XSF=「OFF」で
あるため(S472で「YES」)、スライド量制御が
開始され(S474)、XSF=「OFF」となってか
ら待機時間が経過したか否かが判定される(S47
6)。最初は、待機時間は経過していないため(S47
6で「NO」)、このまま一旦本処理を終了する。
【0180】待機時間が経過すると(S476で「YE
S」)、前述したステップS478〜S484の処理が
繰り返される。この結果、再度、出力値Va1,Vb1
が求められ、そしてステップS484の処理にてXSF
=「ON」に設定されることにより(S472で「N
O」)、前述したごとくスライド量制御が停止されて
(S486)、待機時間が経過した後(S488で「Y
ES」)、前述した内部EGR停止時処理(図18)が
実行される。このことにより出力値Vx,Vyが求めら
れ、Vx=Vyでなければ(S507で「NO」)、ス
ライド補正量vadjcの増減処理(S509,S51
0)が実行される。
【0181】このような処理が繰り返されることによ
り、スライド補正量vadjcが学習されることで、ス
ライド量が適正な位置に移動されてVx=Vyとなると
(S507で「YES」)、学習完了フラグXGDに
「ON」が設定され(S512)、スライド量制御が再
開されて(S513)、一旦本処理を終了する。
【0182】次の制御周期ではステップS410(図1
5)で「NO」と判定されるので、スライド補正量学習
処理での実質的な処理は終了する。したがって以後、上
述したスライド補正量学習処理(図15〜18)にて学
習されて設定されたスライド補正量vadjcを用いた
前記式8により目標スライド量vsldtが算出され、
誤差を適切に補償した内部EGR率制御が可能となる。
【0183】尚、スライド補正量vadjcは、アイド
ル時のみに限って補正項として働くようにしても良く、
又、アイドル時以外についてはアイドル運転領域から離
れるに従ってスライド補正量vadjcによる補正項と
しての寄与を小さくしても良い。又、スライド補正量v
adjcは、アイドル及びその周辺の運転領域のみに補
正項として寄与するようにしても良い。
【0184】上述した構成において、ECU4により行
われるエンジン運転状態に応じたシャフトスライド機構
70に対するスライド量制御処理がバルブオーバーラッ
プ調整手段としての処理に相当し、スライド補正量学習
処理(図15〜18)がバルブオーバーラップ補正手段
としての処理に相当する。又、スライド補正量学習処理
(図15〜18)の内でも、均質燃焼時空燃比検出誤差
Vs算出処理(図16)が第3出力値検出手段としての
処理に、スライド補正量vadjc算出処理(図17)
のステップS478〜S482が第1出力値検出手段と
しての処理に、内部EGR停止時処理(図18)のステ
ップS501〜S503が第2出力値検出手段としての
処理に、内部EGR停止時処理(図18)のステップS
504〜S510が比較補正手段としての処理に相当す
る。
【0185】以上説明した本実施の形態2によれば、以
下の効果が得られる。 (イ).内部EGR停止時処理(図18)のステップS
506にて算出された出力値Vyが実測出力値Vxに一
致していないと判断された場合には(S507で「N
O」)、適切な内部EGR率が実現されていないことが
判る。このことから、ステップS509,S510の処
理により、出力値Vxと出力値Vyとが一致するように
スライド補正量vadjcを算出している。このスライ
ド補正量vadjcは前記式8により目標スライド量v
sldtに反映されるので、シャフトスライド機構70
による内部EGR率の調整が正確なものとなる。
【0186】このように、内部EGR率の誤差を適切に
補償することができるので、NOx濃度を適切に抑制す
ることができる。 [実施の形態3]本実施の形態では、排気通路36に設
けた空燃比センサ64の代わりに、NOx濃度センサを
備えて、NOx濃度を検出することが可能なエンジンを
用いている。そしてECU4は次に述べるスライド補正
量学習処理を実行している。
【0187】又、シャフトスライド機構70の目標スラ
イド量vsldtは、エンジン回転数NEと負荷率ek
lqとのマップに基づいて基本スライド量vsldを算
出し、次式15に示す算出式に用いることで目標スライ
ド量vsldtが算出される。
【0188】
【数15】 vsldt ← vsld + vadjd … [式15] これ以外の構成については特に説明しない限り前記実施
の形態1と同じである。
【0189】本実施の形態のスライド補正量学習処理の
フローチャートを図20に示す。本処理は短時間周期で
繰り返し実行される処理である。本処理が開始される
と、まずスライド補正量の学習が完了したことを示す学
習完了フラグXGFが「OFF」か否かが判定される
(S610)。ここでエンジン始動時の初期設定により
学習完了フラグXGF=「OFF」に設定されているの
で、最初は「YES」と判定されて、次にステップS6
20以下の処理が行われる。この内、ステップS62
0,S630,S640は、前記実施の形態1で述べた
スライド補正量学習処理(図8)のステップS120,
S130,S140にて述べたごとくである。
【0190】成層燃焼下でアイドル安定状態となれば
(S640で「YES」)、次にスライド補正量vad
jd算出処理が開始される(S650)。スライド補正
量vadjd算出処理のフローチャートを図21に示
す。本処理では、まず内部EGRを停止していることを
示す内部EGR強制停止中フラグXSGが「OFF」か
否かが判定される(S652)。エンジン始動時の初期
設定ではXSG=「OFF」と設定されているので、最
初はXSG=「OFF」と判定されて(S652で「Y
ES」)、次に前記式15により求められる目標スライ
ド量vsldtを達成するためにシャフトスライド機構
70に対するスライド量制御が実行される(S65
4)。次にXSG=「OFF」となってから予め設定し
ている待機時間が経過したか否かが判定される(S65
6)。この待機時間は前記実施の形態1のステップS1
94にて説明したものと同じである。待機時間が経過し
ていない内は(S656で「NO」)、このまま一旦本
処理を終了する。
【0191】そして、待機時間が経過すれば(S656
で「YES」)、次に内部EGRと成層燃焼とが実行さ
れている状態の標準エンジンにおいて予め実験にて求め
られている負荷率eklqとエンジン回転数NEとをパ
ラメータとする目標NOx濃度マップから、目標NOx
濃度NOXtが算出される(S658)。
【0192】次に現在のNOx濃度センサの出力値が変
数NOXa1に設定される(S660)。更に、標準N
Ox濃度センサにおいて予め実験にて求められているN
Ox濃度と出力値との対応関係を示すマップから、前記
ステップS658にて算出された目標NOx濃度NOX
tに基づいて、標準出力値を算出して変数NOXb1に
設定する(S662)。
【0193】次に、内部EGR強制停止中フラグXSG
に「ON」を設定して(S664)、一旦本処理を終了
する。この時、図23にて状態A及び状態Bで示す位置
での出力値NOXa1,NOXb1が求められたことに
なる。
【0194】次の制御周期では内部EGR強制停止中フ
ラグXSG=「ON」であることから(S652で「N
O」)、次にスライド量制御が停止される(S66
6)。この処理は前記実施の形態1のステップS203
と同じ処理が行われ、内部EGRが完全に停止される。
【0195】次にXSG=「ON」となってから予め設
定している待機時間が経過したか否かが判定される(S
668)。待機時間が経過しない内は(S668で「N
O」)、このまま一旦本処理を終了する。
【0196】待機時間が経過すると(S668で「YE
S」)、次に内部EGR停止時処理が実行されて(S7
00)、一旦本処理を終了する。内部EGR停止時処理
を図22のフローチャートに示す。本処理が開始される
と、まず内部EGRが行われていない成層燃焼時の標準
エンジンについて予め実験にて求められている負荷率e
klqとエンジン回転数NEとをパラメータとするNO
x濃度マップから、負荷率eklqと実エンジン回転数
NEとに基づいて標準NOx濃度を算出し、変数NOX
2に設定する(S701)。次に、現在のNOx濃度セ
ンサの出力値が、変数NOXa2に設定される(S70
2)。
【0197】そして前記ステップS662にて用いたも
のと同一のマップから、前記ステップS701にて算出
された標準NOx濃度NOX2に基づいて標準出力値を
算出して変数NOXb2に設定する(S703)。
【0198】このようにして、図23にて状態C及び状
態Dで示す位置での出力値NOXa2,NOXb2が求
められたことになる。そして、次に図23において、原
点、状態C,Dが三角形をなし、この三角形の辺上に状
態A,Bが存在し、状態A,B間の直線が状態C,D間
の直線と並行であることから、次式16の計算により、
出力値NOXb1,NOXa2,NOXb2の値を用い
て状態Aでの出力値NOXyを求める(S704)。
【0199】
【数16】 NOXy ← NOXa2 × NOXb1/NOXb2 … [式16] このようにして状態Aにおける実測による出力値NOX
a1と計算上の出力値NOXyとが求められると、出力
値NOXa1と出力値NOXyとが一致しているか否か
が判定される(S705)。ここで出力値NOXa1と
出力値NOXyとの一致は、完全に数値が一致する場合
のみでなく、制御の精度やハンチング等を勘案して一致
と認められる範囲内に出力値NOXa1と出力値NOX
yとが近づいている場合も一致と判断している。
【0200】ここで出力値NOXa1と出力値NOXy
とが一致していないと判定された場合には(S705で
「NO」)、次に出力値NOXa1が出力値NOXyよ
り大きいか否かが判定される(S706)。NOXa1
>NOXyであれば(S706で「YES」)、次式1
7によりスライド補正量vadjdの増加処理がなされ
る(S707)。
【0201】
【数17】 vadjd ← vadjd + dd … [式17] ここで補正量変動幅ddはスライド補正量vadjdを
徐々に変化させるために設けられた値である。
【0202】一方、NOXa1<NOXyであれば(S
706で「NO」)、次式18によりスライド補正量v
adjdの減少処理がなされる(S708)。
【0203】
【数18】 vadjd ← vadjd − dd … [式18] ステップS707又はステップS708の次には、内部
EGR強制停止中フラグXSGに「OFF」を設定して
(S709)、一旦本処理を終了する。
【0204】上述したごとく、NOXa1>NOXyで
あれば内部EGR率の不足状態であるとして、スライド
補正量vadjdを増加することで、前記式15により
計算される目標スライド量vsldtを増加させて、内
部EGR率を高くしている。又、NOXa1<NOXy
であれば内部EGR率の過剰状態であるとして、スライ
ド補正量vadjdを減少することで、目標スライド量
vsldtを減少させて、内部EGR率を低くしてい
る。
【0205】次の制御周期では、XSG=「OFF」で
あるため(S652で「YES」)、スライド量制御が
開始され(S654)、次にXSG=「OFF」となっ
てから予め設定している待機時間が経過したか否かが判
定される(S656)。最初は、待機時間は経過してい
ないため(S656で「NO」)、このまま一旦本処理
を終了する。
【0206】待機時間が経過すると(S656で「YE
S」)、前述したステップS658〜S664の処理が
繰り返される。この結果、再度、出力値NOXa1,N
OXb1が求められる。そしてステップS664にてX
SG=「ON」に設定されることにより(S652で
「NO」)、前述したスライド量制御停止がなされ(S
666)、待機時間が経過した後(S668で「YE
S」)、前述した内部EGR停止時処理(S700:図
22)が実行される。このことにより出力値NOXyが
求められ、NOXa1=NOXyでなければ(S705
で「NO」)、スライド補正量vadjdの増減処理
(S707,S708)が実行される。
【0207】このような処理が繰り返されることによ
り、スライド補正量vadjdが学習されることでスラ
イド量が適正な位置に移動されて、NOXa1=NOX
yとなると(S705で「YES」)、学習完了フラグ
XGFに「ON」が設定され(S710)、スライド量
制御が再開されて(S711)、一旦本処理を終了す
る。
【0208】次の制御周期ではステップS610(図2
0)で「NO」と判定されるので、スライド補正量学習
処理での実質的な処理は終了する。したがって以後、上
述したスライド補正量学習処理(図20〜22)にて学
習されて設定されたスライド補正量vadjdを用いた
前記式15により目標スライド量vsldtが算出さ
れ、誤差を適切に補償した内部EGR率制御が可能とな
る。
【0209】尚、スライド補正量vadjdは、アイド
ル時のみに限って補正項として働くようにしても良く、
又、アイドル時以外についてはアイドル運転領域から離
れるに従ってスライド補正量vadjdによる補正項と
しての寄与を小さくしても良い。又、スライド補正量v
adjdは、アイドル及びその周辺の運転領域のみに補
正項として寄与するようにしても良い。
【0210】上述した構成において、ECU4により行
われるエンジン運転状態に応じたシャフトスライド機構
70に対するスライド量制御処理がバルブオーバーラッ
プ調整手段としての処理に相当し、スライド補正量学習
処理(図20〜22)がバルブオーバーラップ補正手段
としての処理に相当する。又、スライド補正量学習処理
(図20〜22)の内でも、ステップS658〜S66
2が第1出力値検出手段としての処理に、ステップS7
01〜S703が第2出力値検出手段としての処理に、
ステップS704〜S708が比較補正手段としての処
理に相当する。
【0211】以上説明した本実施の形態3によれば、以
下の効果が得られる。 (イ).内部EGR停止時処理(図22)のステップS
704にて算出された出力値NOXyが、NOx濃度セ
ンサの出力値NOXa1に一致していないと判断された
場合には(S705で「NO」)、適切な内部EGR率
が実現されていないことが判る。このことからステップ
S707,S708の処理により、出力値NOXyと出
力値NOXa1とが一致するようにスライド補正量va
djdを算出している。このスライド補正量vadjd
は前記式15により目標スライド量vsldtに反映さ
れるので、シャフトスライド機構70による内部EGR
率の調整が正確なものとなる。
【0212】このように、内部EGR率の誤差を適切に
補償することができるので、NOx濃度を適切に抑制す
ることができる。 [実施の形態4]本実施の形態では、ECU4は次に述
べるスライド補正量学習処理を実行している。又、シャ
フトスライド機構70の目標スライド量vsldtは、
エンジン回転数NEと負荷率eklqとのマップに基づ
いて基本スライド量vsldを算出し、次式19に示す
算出式に用いることで目標スライド量vsldtが算出
される。
【0213】
【数19】 vsldt ← vsld + vadje … [式19] これ以外の構成については特に説明しない限り前記実施
の形態1と同じである。
【0214】本実施の形態のスライド補正量学習処理の
フローチャートを図24に示す。本処理は短時間周期で
繰り返し実行される処理である。本処理が開始される
と、まずスライド補正量の学習が完了したことを示す学
習完了フラグXGGが「OFF」か否かが判定される
(S810)。ここでエンジン始動時の初期設定により
学習完了フラグXGG=「OFF」に設定されているの
で、最初は「YES」と判定されて、次にステップS8
20以下の処理が行われる。この内、ステップS82
0,S830,S840は、前記実施の形態1で述べた
スライド補正量学習処理(図8)のステップS120,
S130,S140にて述べたごとくである。
【0215】成層燃焼下でのアイドル安定状態となれば
(S840で「YES」)、次にスライド補正量vad
je算出処理が開始される(S850)。スライド補正
量vadje算出処理のフローチャートを図25に示
す。本処理では、まず内部EGRを実行していることを
示す内部EGR実行フラグXSHが「OFF」か否かが
判定される(S852)。エンジン始動時の初期設定で
はXSH=「OFF」に設定されているので、最初はX
SH=「OFF」と判定されて(S852で「YE
S」)、次にスライド量制御が停止される(S85
4)。ここでは、スライド量を強制的に0(mm)に設
定して、前記式19によるスライド量制御を停止する。
したがって内部EGRが完全に停止される。
【0216】次にXSH=「OFF」となってから予め
設定している待機時間が経過したか否かが判定される
(S856)。この待機時間は、前記実施の形態1のス
テップS194で説明したごとくである。待機時間が経
過していない間は(S856で「NO」)、このまま一
旦本処理を終了する。
【0217】待機時間が経過すると(S856で「YE
S」)、次に空燃比センサ64の検出による現在の空燃
比が実測されて変数AFc1に設定される(S85
8)、次に吸気圧センサ30にて検出されている現在の
吸気圧PMに基づいて、予め実験にて求められている内
部EGR停止時の標準エンジンにおける空燃比と吸気圧
との対応関係を示すマップから空燃比が算出されて、変
数AFd1に設定される(S860)。
【0218】そして、内部EGR実行フラグXSHに
「ON」を設定して(S862)、一旦本処理を終了す
る。この時、図27に示す状態C1の空燃比AFc1と
状態D1の空燃比AFd1が求められたことになる。
【0219】次の制御周期では内部EGR実行フラグX
SH=「ON」であることから(S852で「N
O」)、次にスライド量制御が実行される(S86
4)。すなわち前記式19により求められる目標スライ
ド量vsldtを達成するためにシャフトスライド機構
70に対するスライド量制御が実行される。
【0220】次にXSH=「ON」となってから待機時
間が経過したか否かが判定される(S866)。待機時
間が経過しない内は(S866で「NO」)、このまま
一旦本処理を終了する。
【0221】待機時間が経過すると(S866で「YE
S」)、次に内部EGR実行時処理が実行されて(S8
70)、一旦本処理を終了する。内部EGR実行時処理
を図26のフローチャートに示す。本処理が開始される
と、まず空燃比センサ64の検出により現在の空燃比が
実測されて変数AFc2に設定される(S872)、次
に吸気圧センサ30にて検出されている現在の吸気圧P
Mに基づいて、前記ステップS860にて用いたものと
同一のマップから空燃比が算出されて、変数AFd2に
設定される(S874)。
【0222】この時、図27に示す状態C2の空燃比A
Fc2と状態D2の空燃比AFd2が求められたことに
なる。次に、次式20により図27の状態Eでの空燃比
AFeが予想される(S876)。
【0223】
【数20】 AFe ← AFd2 − (AFd1 − AFc1) … [式20] この状態Eでの空燃比AFeは、状態C2において実測
されている吸気圧PM2を内部EGRが停止している状
態で達成した場合の空燃比を表している。
【0224】次に、次式21により状態C2における内
部EGR率egreが算出される(S878)。
【0225】
【数21】 egre ← 100×(AFe − AFc2)/AFe … [式21] ここで状態C2と状態Eとは同一の吸気圧PM2である
ことからポンピング損失が同じである。したがって前記
実施の形態1のステップS312にて説明したごとく、
前記式21の右辺は状態C2での内部EGR率egre
を表していることになる。
【0226】このようにして内部EGR率egreが算
出されると、内部EGR率egreが現在のエンジン運
転状態から求められる目標内部EGR率egrtに一致
しているか否かが判定される(S880)。ここで内部
EGR率egreと目標内部EGR率egrtとの一致
は、完全に数値が一致する場合のみでなく、制御の精度
やハンチング等を勘案して一致と認められる範囲内に内
部EGR率egreと目標内部EGR率egrtとが近
づいている場合も一致と判断している。
【0227】ここで内部EGR率egreと目標内部E
GR率egrtとが一致していないと判定された場合に
は(S880で「NO」)、次に内部EGR率egre
が目標内部EGR率egrtより小さいか否かが判定さ
れる(S882)。egre<egrtであれば(S8
82で「YES」)、次式22によりスライド補正量v
adjeの増加処理がなされる(S884)。
【0228】
【数22】 vadje ← vadje + de … [式22] ここで補正量変動幅deはスライド補正量vadjeを
徐々に変化させるために設けられた値である。
【0229】一方、egre>egrtであれば(S8
82で「NO」)、次式23によりスライド補正量va
djeの減少処理がなされる(S886)。
【0230】
【数23】 vadje ← vadje − de … [式23] ステップS884又はステップS886の次には、内部
EGR実行フラグXSHに「OFF」を設定して(S8
88)、一旦本処理を終了する。
【0231】上述したごとく、egre<egrtであ
れば内部EGR率の不足状態であるとして、スライド補
正量vadjeを増加することで、前記式19により計
算される目標スライド量vsldtを増加させて内部E
GR率を高くしている。又、egre>egrtであれ
ば内部EGR率の過剰状態であるとして、スライド補正
量vadjeを減少することで、目標スライド量vsl
dtを減少させて、内部EGR率を低くしている。
【0232】次の制御周期では、XSH=「OFF」で
あるため(S852で「YES」)、スライド量制御が
停止され(S854)、次にXSH=「OFF」となっ
てから待機時間が経過したか否かが判定される(S85
6)。最初は、待機時間は経過していないため(S85
6で「NO」)、このまま一旦本処理を終了する。
【0233】待機時間が経過すると(S856で「YE
S」)、前述したステップS858〜S862の処理が
繰り返される。この結果、再度、内部EGRが停止され
た状態で、状態C1の空燃比AFc1及び状態D1の空
燃比AFd1が求められ、そしてステップS862にて
XSH=「ON」に設定されることにより(S852で
「NO」)、スライド量制御が開始され(S864)、
待機時間が経過した後(S866で「YES」)、前述
した内部EGR実行時処理(図26)が実行される。こ
のことにより状態C2での空燃比AFc2及び状態D2
での空燃比AFd2が求められ、egre=egrtで
なければ(S880で「NO」)、スライド補正量va
djeの増減処理(S884,S886)が実行され
る。
【0234】このような処理が繰り返されることにより
スライド補正量vadjeが学習されることで、スライ
ド量が適正な位置に移動されてegre=egrtとな
ると(S880で「YES」)、学習完了フラグXGG
に「ON」が設定され(S890)、一旦本処理を終了
する。
【0235】次の制御周期ではステップS810(図2
4)で「NO」と判定されるので、スライド補正量学習
処理での実質的な処理は終了する。したがって以後、上
述したスライド補正量vadje算出処理(図25,2
6)にて学習されて設定されたスライド補正量vadj
eを用いた前記式19により目標スライド量vsldt
が算出され、誤差を適切に補償した内部EGR率制御が
可能となる。
【0236】尚、スライド補正量vadjeは、アイド
ル時のみに限って補正項として働くようにしても良く、
又、アイドル時以外についてはアイドル運転領域から離
れるに従ってスライド補正量vadjeによる補正項と
しての寄与を小さくしても良い。又、スライド補正量v
adjeは、アイドル及びその周辺の運転領域のみに補
正項として寄与するようにしても良い。
【0237】上述した構成において、吸気圧センサ30
が負荷相当量検出手段に相当し、ECU4により行われ
るエンジン運転状態に応じたシャフトスライド機構70
に対するスライド量制御処理がバルブオーバーラップ調
整手段としての処理に相当し、スライド補正量学習処理
(図24〜26)がバルブオーバーラップ補正手段とし
ての処理に相当する。又、スライド補正量vadje算
出処理(図25)の内、ステップS858,S860が
第2出力値検出手段としての処理に、ステップS87
2,S874が第1出力値検出手段としての処理に、ス
テップS876〜S886が比較補正手段としての処理
に相当する。
【0238】以上説明した本実施の形態4によれば、以
下の効果が得られる。 (イ).スライド補正量学習処理(図24〜26)で
は、内部EGRを実行した際の内部EGR率egreを
算出して、目標内部EGR率egrtと比較している。
このことにより内部EGR率egreと目標内部EGR
率egrtとが一致していなければ(S880で「N
O」)、適切な内部排気再循環率状態が実現されていな
いことが判る。このことからステップS884,S88
6の処理により、内部EGR率egreと目標内部EG
R率egrtとが一致するようにスライド補正量vad
jeを算出している。このスライド補正量vadjeは
前記式19により目標スライド量vsldtに反映され
るので、シャフトスライド機構70による内部EGR率
の調整が正確なものとなる。
【0239】このように、内部EGR率の誤差を適切に
補償することができるので、NOx濃度を適切に抑制す
ることができる。 [実施の形態5]本実施の形態では、エンジン2の失火
の程度を内部EGR率にて調整する例を示すものであ
り、このような失火に伴って内部EGR率が変化する際
にNOx濃度を適切な状態に維持させる処理を提供する
ものである。したがって、本実施の形態では、前述した
実施の形態1の処理が行われていると共に、後述する失
火制御処理が行われている。
【0240】尚、シャフトスライド機構70の目標スラ
イド量vsldtは、エンジン回転数NEと負荷率ek
lqとのマップに基づいて基本スライド量vsldを算
出し、次式24に示す算出式に用いることで目標スライ
ド量vsldtが算出される。
【0241】
【数24】 vsldt ← vsld + vadja + vadjb + dmf … [式24] ここで、vadja及びvadjbは前述した実施の形
態1にて求められたスライド補正量を示している。dm
fは、後述する失火制御に伴って算出される失火調整用
スライド量補正量である。
【0242】更に、ECU4は、次式25に示す算出式
により、目標スロットル開度TAtを算出する。
【0243】
【数25】 TAt ← TA0 + taadj + dta … [式25] ここで、taadjは前記実施の形態1で述べたごとく
均質燃焼時に行われる学習によって得られたスロットル
開度補正量等の補正量である。又、dtaは、前記失火
調整用スライド量補正量dmfの設定に伴って設定され
る内部EGR率調整用スロットル開度補正量である。
【0244】これ以外の構成については、特に説明しな
い限り前記実施の形態1と同じである。次に、失火制御
処理について説明する。本処理のフローチャートを図2
8に示す。本処理は短時間周期で繰り返し実行される処
理である。本処理が開始されると、まずアイドル時か否
かが判定される(S900)。アイドル時でなければ
(S900で「NO」)、このまま一旦本処理を終了す
る。アイドル時であれば(S900で「YES」)、次
に成層燃焼がなされているか否かが判定される(S91
0)。成層燃焼がなされていなければ(S910で「N
O」)、一旦本処理を終了する。成層燃焼がなされてい
れば(S910で「YES」)、次に、前記実施の形態
1にて説明したスライド補正量学習処理(図8,9,1
1,12)によるスライド補正量vadja,vadj
bの学習が完了したか否かが判定される(S920)。
学習が完了していなければ(S920で「NO」)、こ
のまま一旦本処理を終了する。
【0245】スライド補正量vadja,vadjbの
学習が完了していれば(S920で「YES」)、次に
別途実行されているエンジン2の失火頻度検出処理によ
り算出されている失火頻度が変数mfに設定される(S
930)。
【0246】ここで失火頻度検出処理は、例えば、回転
数センサ58の出力パルスからエンジン出力のトルク変
動を捉え、このトルク変動に対応して失火頻度mfを算
出している。
【0247】次に失火頻度mfがトルク変動過大判定値
mfupより大きいか否かが判定される(S940)。
失火頻度mf>トルク変動過大判定値mfupでなけれ
ば(S940で「NO」)、次に失火頻度mfがトルク
変動過小判定値mflowより小さいか否かが判定され
る(S950)。失火頻度mf<トルク変動過小判定値
mflowでなければ(S950で「NO」)、このま
ま一旦本処理を終了する。
【0248】一方、失火頻度mf>トルク変動過大判定
値mfupである場合には(S940で「YES」)、
次式26に示すごとく失火調整用スライド量補正量dm
fが微少量α減少される(S960)。
【0249】
【数26】 dmf ← dmf − α … [式26] 又、失火頻度mf<トルク変動過小判定値mflowで
ある場合には(S950で「YES」)、次式27に示
すごとく失火調整用スライド量補正量dmfが微少量α
増加される(S970)。
【0250】
【数27】 dmf ← dmf + α … [式27] 尚、微少量αは、空燃比において予定される微小変化量
をスライド量に換算して設けたものでも良く、又、内部
EGR率において予定される微小変化量をスライド量に
換算して設けたものでも良い。
【0251】そして、ステップS960又はステップS
970の次には、失火調整用スライド量補正量dmfに
基づいて、図29に実線で示すマップから内部EGR率
調整用スロットル開度補正量dtaを算出する(S98
0)。こうして一旦本処理を終了する。
【0252】尚、図29のマップは、NOx濃度が一定
となる実スライド量と実スロットル開度との対応関係を
表すものであり、予め実験にて求められている。尚、図
29において一点鎖線で内部EGR率の等高線を表して
いる。
【0253】このようにして求められた失火調整用スラ
イド量補正量dmf及び内部EGR率調整用スロットル
開度補正量dtaが、前記式24,25にて、目標スラ
イド量vsldt及び目標スロットル開度TAtに反映
される。
【0254】尚、失火調整用スライド量補正量dmf及
び内部EGR率調整用スロットル開度補正量dtaは、
アイドル時のみに限って補正項として働くようにしても
良く、又、アイドル時以外についてはアイドル運転領域
から離れるに従って補正項としての寄与を小さくしても
良い。又、アイドル及びその周辺の運転領域のみに補正
項として寄与するようにしても良い。
【0255】上述した構成において、ECU4により行
われるエンジン運転状態に応じたシャフトスライド機構
70に対するスライド量制御処理がバルブオーバーラッ
プ調整手段としての処理に、前述したトルク変動から失
火頻度mfを算出する処理が失火検出手段としての処理
に、失火制御処理(図28)のステップS930〜S9
70が失火調整手段としての処理に、ステップS980
がNOx濃度調整手段としての処理に相当する。
【0256】以上説明した本実施の形態5によれば、以
下の効果が得られる。 (イ).失火頻度mfは、内部EGR率を低下させるこ
とにより低くすることができ、内部EGR率を上昇させ
ることにより高くすることができる。したがって、内部
EGR率を調整することにより失火頻度mfを或る範囲
に維持することができる。しかし、失火制御のために単
にスライド量のみの変化により内部EGR率を調整する
と、図29の実線を横切ることになり、NOx濃度を適
切な範囲に維持できなくなり、NOx濃度の増加を招く
おそれがある。
【0257】このため、スロットル開度もスライド量の
変化に連動させて図29の実線上で内部EGR率の調整
を行わせている。このことで、NOx濃度を適切に抑制
することができる。
【0258】[実施の形態6]本実施の形態では、前記
実施の形態1において目標スライド量vsldtを算出
するために用いられている前記式1の代わりに次式28
が用いられる。
【0259】
【数28】 vsldt ← vsld + vadja・kqa + vadjb … [式28] ここで、基本スライド量vsld、第1スライド補正量
vadja及び第2スライド補正量vadjbは、前記
実施の形態1にて述べたごとくに算出される。
【0260】前記式1と異なる点は、第1スライド補正
量vadjaには寄与率係数kqaが乗算されている点
である。ここで寄与率係数kqaは次式29のごとく算
出される。
【0261】
【数29】 kqa ← eklq/eklqa … [式29] ここでeklqは前記式28により目標スライド量vs
ldtが計算される時の負荷率、eklqaは第1スラ
イド補正量vadjaが学習された時の負荷率である。
ECU4は第1スライド補正量vadjaの学習時に負
荷率eklqaを記憶しておくものとする。
【0262】以上説明した本実施の形態6によれば、以
下の効果が得られる。 (イ).前記実施の形態1の効果を生じる。 (ロ).エンジン負荷の違いに応じて第1スライド補正
量vadjaに反映されている内部EGR率の誤差は異
なる。したがって第1スライド補正量vadjaを求め
た際のエンジン負荷と、前記式28のごとく実際に第1
スライド補正量vadjaを適用して目標スライド量v
sldtを求める時のエンジン負荷が異なる場合には、
エンジン負荷の状態に応じて第1スライド補正量vad
jaによる補正の程度を変更した方が、より適切に内部
EGR率の誤差が補償された目標スライド量vsldt
を得ることができる。このように目標スライド量vsl
dtを前記式28のごとくに算出することにより、NO
x濃度を、より適切に抑制することができる。
【0263】[実施の形態7]本実施の形態では、前記
実施の形態6において目標スライド量vsldtを算出
するために用いられている前記式28の代わりに次式3
0が用いられる。
【0264】
【数30】 vsldt ← vsld + vadja・kqb + vadjb … [式30] ここで基本スライド量vsld、第1スライド補正量v
adja及び第2スライド補正量vadjbは、前記実
施の形態1にて述べたごとくに算出される。
【0265】前記式28と異なる点は、第1スライド補
正量vadjaには寄与率係数kqbが乗算されている
点である。ここで寄与率係数kqbは次式31のごとく
算出される。
【0266】
【数31】 kqb ← vsld/vsldb … [式31] ここでvsldは前記式30により目標スライド量vs
ldtが計算される時の基本スライド量、vsldbは
第1スライド補正量vadjaが学習された時の基本ス
ライド量である。ECU4は第1スライド補正量vad
jaの学習時に基本スライド量vsldbを記憶してお
くものとする。
【0267】以上説明した本実施の形態7によれば、以
下の効果が得られる。 (イ).前記実施の形態1の効果を生じる。 (ロ).スライド量の違いに応じて第1スライド補正量
vadjaに反映されている内部EGR率の誤差は異な
る。したがって第1スライド補正量vadjaを求めた
際の基本スライド量と、前記式30のごとく実際に第1
スライド補正量vadjaを適用して目標スライド量v
sldtを求める時の基本スライド量が異なる場合に
は、基本スライド量の状態に応じて第1スライド補正量
vadjaによる補正の程度を変更した方が、より適切
に内部EGR率の誤差が補償された目標スライド量vs
ldtを得ることができる。このように目標スライド量
vsldtを前記式30のごとくに算出することによ
り、NOx濃度を、より適切に抑制することができる。
【0268】[実施の形態8]本実施の形態では、前記
実施の形態1において目標スライド量vsldtを算出
するために用いられている前記式1の代わりに次式32
が用いられる。
【0269】
【数32】 vsldt ← vsld・kvadja … [式32] ここで、基本スライド量vsldは前記実施の形態1に
て述べたごとくに算出される。又、スライド補正係数k
vadjaは後述するごとく算出される。
【0270】更にECU4は次式33に示す算出式によ
り、目標スロットル開度TAtを算出する。
【0271】
【数33】 TAt ← TA0・ktaadj + taadj … [式33] ここで補正量taadjは前記実施の形態1で述べたご
とく均質燃焼時に行われる学習によって得られたスロッ
トル開度補正量等の補正量である。又、内部EGR率調
整時スロットル開度補正係数ktaadjは、前記式3
2に示したスライド補正係数kvadja及び失火調整
に伴って後述のごとく設定される補正係数である。
【0272】更に図1に示した吸気圧センサ30以外に
スロットルバルブ26の上流に吸入空気量センサが設け
られて吸入空気量GAもECU4により検出されている
ものとする。これ以外の構成については、特に説明しな
い限り前記実施の形態1と同じである。
【0273】図30にスライド補正係数学習処理を示
す。本処理は短時間周期で繰り返し実行される処理であ
る。本処理が開始されると、まずスライド補正係数の学
習が完了したことを示す学習完了フラグXGHが「OF
F」か否かが判定される(S1002)。ここでエンジ
ン始動時の初期設定により学習完了フラグXGH=「O
FF」に設定されているので、最初は「YES」と判定
されて、次にステップS1004以下の処理が行われ
る。この内、ステップS1004,S1006,S10
08は、前記実施の形態1で述べたスライド補正量学習
処理(図8)のステップS120,S130,S140
にて述べたごとくである。
【0274】成層燃焼下でのアイドル安定状態となれば
(S1008で「YES」)、次にスライド補正係数k
vadja学習処理が実行され(S1100)、そして
内部EGR率調整時スロットル開度補正係数ktaad
j学習処理が実行されて(S1200)、一旦本処理を
終了する。
【0275】図31にスライド補正係数kvadja学
習処理を示す。本処理が開始されると、まず吸気圧セン
サ30にて検出されている吸気圧PMと回転数センサ5
8にて検出されているエンジン回転数NEとに基づい
て、マップMeklpから吸気圧依存負荷率eklpを
算出する(S1102)。このマップMeklpは、予
め実験により求められたマップであり、内部EGRを考
慮していない状態での負荷率を表していることになる。
【0276】次に吸入空気量センサにて検出されている
吸入空気量GAと回転数センサ58にて検出されている
エンジン回転数NEとに基づいて、マップMeklaか
ら吸入空気量依存負荷率eklaを算出する(S110
4)。このマップMeklaは、予め実験により求めら
れたマップであり、内部EGRを考慮した状態での負荷
率を表していることになる。
【0277】次に次式34により現在の内部EGR率e
graが算出される(S1106)。
【0278】
【数34】 egra ← 100・(eklp−ekla)/eklp … [式34] ここで、吸気圧依存負荷率eklpは「(GA+EGR
量)/NE」に相当する吸入空気量に対応した値であ
り、吸入空気量依存負荷率eklaは「GA/NE」に
相当する吸入空気量に対応した値である。したがって、
これらの値を前記式34に代入すると、分母と分子のN
Eが同一であるため約されて、前記式34の右辺は、次
式35に示すごとくに表すことができる。
【0279】
【数35】 100・{(GA+EGR量)−GA}/(GA+EGR量) … [式35] そして、この式35の分子を整理すると次式36に表す
ごとくとなる。
【0280】
【数36】 100・EGR量/(GA+EGR量) … [式36] この式36はEGR率そのものである。したがって前記
式34により現在の内部EGR率egraが算出でき
る。
【0281】次に前記実施の形態1で述べた負荷率ek
lqとエンジン回転数NEとに基づいて目標EGRマッ
プMegrtから目標内部EGR率egrtが算出され
る(S1108)。そして、この目標内部EGR率eg
rtと前記ステップS1106にて求めた現在の内部E
GR率egraとが一致しているか否かが判定される
(S1110)。ここで目標内部EGR率egrtと現
在の内部EGR率egraとの一致は、完全に数値が一
致する場合のみでなく、制御の精度やハンチング等を勘
案して一致と認められる範囲内に目標内部EGR率eg
rtと現在の内部EGR率egraとが近づいている場
合も一致と判断している。
【0282】ここで目標内部EGR率egrtと現在の
内部EGR率egraとが一致していないと判定された
場合には(S1110で「NO」)、次に現在の内部E
GR率egraが目標内部EGR率egrtより小さい
か否かが判定される(S1112)。egra<egr
tであれば(S1112で「YES」)、次式37によ
りスライド補正係数kvadjaの増加処理がなされる
(S1114)。
【0283】
【数37】 kvadja ← kvadja + dk … [式37] ここで補正係数変動幅dkはスライド補正係数kvad
jaを徐々に変化させるために設けられた値である。
【0284】一方、egra>egrtであれば(S1
112で「NO」)、次式38によりスライド補正係数
kvadjaの減少処理がなされる(S1116)。
【0285】
【数38】 kvadja ← kvadja − dk … [式38] ステップS1114又はステップS1116の次にはタ
イマカウンタTvに「0」を設定して(S1118)、
一旦本処理を終了する。
【0286】上述したごとく、egra<egrtであ
れば内部EGR率の不足状態であるとして、スライド補
正係数kvadjaを増加することで、前記式32によ
り計算される目標スライド量vsldtを増加させて、
内部EGR率を高くしている。又、egra>egrt
であれば内部EGR率の過剰状態であるとして、スライ
ド補正係数kvadjaを減少することで、目標スライ
ド量vsldtを減少させて内部EGR率を低くしてい
る。
【0287】上述したスライド補正係数kvadjaに
対する増減処理(S1114,S1116)の結果、目
標内部EGR率egrtと現在の内部EGR率egra
とが一致すれば(S1110で「YES」)、次にeg
rt=egraとなった後、タイマカウンタTvが安定
状態を判断するための基準時間Cvに到達したが否かが
判定される(S1120)。タイマカウンタTv=0か
らカウントが開始されるので、最初はタイマカウンタT
v<基準時間Cvであることから(S1120で「N
O」)、タイマカウンタTvをインクリメントして(S
1122)、一旦本処理を終了する。
【0288】以後、egrt=egraの状態で(S1
110で「YES」)、インクリメント(S1122)
が繰り返されて、タイマカウンタTv=基準時間Cvと
なれば(S1120で「YES」)、一応、スライド補
正係数kvadjaの学習が完了したことになる。
【0289】そして、次に後述する内部EGR率調整時
スロットル開度補正係数ktaadjの学習が完了して
いるか否かが判定される(S1124)。ここで、内部
EGR率調整時スロットル開度補正係数ktaadjの
学習完了は後述する内部EGR率調整時スロットル開度
補正係数ktaadj学習処理(図32)のステップS
1218にて「YES」と判定されている状態である。
【0290】内部EGR率調整時スロットル開度補正係
数ktaadjの学習が完了していなければ(S112
4で「NO」)、このまま一旦本処理を終了する。内部
EGR率調整時スロットル開度補正係数ktaadjの
学習が完了していれば(S1124で「YES」)、学
習完了フラグXGHに「ON」が設定されて(S112
6)、一旦本処理を終了する。このようにスライド補正
係数kvadjaと内部EGR率調整時スロットル開度
補正係数ktaadjとが共に学習が完了すると、学習
完了フラグXGHに「ON」が設定されることになる。
このことにより次の補正係数学習処理(図30)の制御
周期ではステップS1002では「NO」と判定される
ようになるので、補正係数学習処理(図30)での実質
的な処理は終了する。
【0291】次に内部EGR率調整時スロットル開度補
正係数ktaadj学習処理(図32)について説明す
る。本処理が開始されると、まずエンジン2の失火状態
が検出される(S1202)。この失火状態としては例
えば前記実施の形態5にて述べたごとく失火頻度を算出
している。
【0292】次にこの失火状態が基準範囲よりも大きい
か否かが判定される(S1204)。失火状態が大きい
(失火が過剰な状態)場合には(S1204で「YE
S」)、次に失火調整用スロットル開度補正係数補正量
dktaが変動幅dt分増加され(S1206)、タイ
マカウンタTtに「0」が設定される(S1208)。
【0293】そして前記スライド補正係数kvadja
学習処理(図31)にて設定されている前記スライド補
正係数kvadjaに基づいて図33に示すマップMk
taadjbから基本スロットル開度補正係数ktaa
djbを算出する(S1210)。ここでマップMkt
aadjbは予め実験等により求められているマップで
あり、スライド補正係数kvadjaの値に応じて、エ
ンジン2の燃焼性を安定化させるために目標スロットル
開度TAtに加えられる補正係数の基本部分に相当す
る。
【0294】次にこのようにして求められた基本スロッ
トル開度補正係数ktaadjbと失火調整用スロット
ル開度補正係数補正量dktaとから次式39に示すご
とく、内部EGR率調整時スロットル開度補正係数kt
aadjが算出される(S1212)。
【0295】
【数39】 ktaadj ← ktaadjb + dkta … [式39] こうして一旦本処理を終了する。この内部EGR率調整
時スロットル開度補正係数ktaadjは前記式33に
て用いられて基本スロットル開度TA0に乗算されるこ
とにより、目標スロットル開度TAtが求められる。
【0296】一方、失火状態が基準範囲より大きくない
場合は(S1204で「NO」)、次に失火状態が基準
範囲より小さい(失火が過小あるいは失火が無い状態)
か否かが判定される(S1214)。失火状態が基準範
囲より小さい場合には(S1214で「YES」)、次
に失火調整用スロットル開度補正係数補正量dktaが
変動幅dt分減少され(S1216)、タイマカウンタ
Ttに「0」が設定される(S1208)。
【0297】そして前述したごとく前記スライド補正係
数kvadjaに基づいて図33に示すマップMkta
adjbから基本スロットル開度補正係数ktaadj
bを算出する(S1210)。そして前記式39のごと
く内部EGR率調整時スロットル開度補正係数ktaa
djが算出され(S1212)、一旦本処理を終了す
る。
【0298】このようなステップS1206,S121
6,S1210,S1212の処理が繰り返されること
により、失火状態が基準範囲内となれば(S1214で
「NO」)、次に失火状態が基準範囲内となった後、タ
イマカウンタTtが安定状態を判断するための基準時間
Ctに到達したが否かが判定される(S1218)。タ
イマカウンタTt=0からカウントが開始されるので、
最初はタイマカウンタTt<基準時間Ctであることか
ら(S1218で「NO」)、タイマカウンタTtをイ
ンクリメントする(S1220)。そして前記ステップ
S1210,S1212の処理後、一旦本処理を終了す
る。
【0299】以後、失火状態が基準範囲内の状態で(S
1214で「NO」)、インクリメント(S1220)
が繰り返されて、タイマカウンタTt=基準時間Ctと
なれば(S1218で「YES」)、一応、内部EGR
率調整時スロットル開度補正係数ktaadjの学習
(実際には内部EGR率調整時スロットル開度補正係数
ktaadjの内の失火調整用スロットル開度補正係数
補正量dkta部分の学習)が完了したことになる。
【0300】そして次に前記スライド補正係数kvad
ja学習処理(図31)におけるスライド補正係数kv
adjaの学習が完了しているか否かが判定される(S
1222)。ここでスライド補正係数kvadjaの学
習完了は、前述したごとくステップS1120にて「Y
ES」と判定されている状態である。
【0301】スライド補正係数kvadjaの学習が完
了していなければ(S1222で「NO」)、前記ステ
ップS1210,S1212を実行後、一旦本処理を終
了する。
【0302】スライド補正係数kvadjaの学習が完
了していれば(S1222で「YES」)、学習完了フ
ラグXGHに「ON」が設定されて(S1224)、前
記ステップS1210,S1212を実行後、一旦本処
理を終了する。このようにスライド補正係数kvadj
aと内部EGR率調整時スロットル開度補正係数kta
adjとが共に学習を完了すると、学習完了フラグXG
Hに「ON」が設定されることになる。このことにより
次の補正係数学習処理(図30)の制御周期ではステッ
プS1002では「NO」と判定されるようになるの
で、補正係数学習処理(図30)での実質的な処理は終
了する。
【0303】以上説明した本実施の形態8によれば、以
下の効果が得られる。 (イ).スライド補正係数kvadja学習処理(図3
1)及び内部EGR率調整時スロットル開度補正係数k
taadj学習処理(図32)により、現在の内部EG
R率egraと目標内部EGR率egrtとが一致する
ように、スライド補正係数kvadja及び内部EGR
率調整時スロットル開度補正係数ktaadjを求めて
いる。
【0304】このようにして求められたスライド補正係
数kvadjaが前記式32により目標スライド量vs
ldtに反映され、内部EGR率調整時スロットル開度
補正係数ktaadjが前記式33により目標スロット
ル開度TAtに反映されるので、シャフトスライド機構
70による内部EGR率の調整が正確なものとなり、同
時に失火も適切な状態とすることができる。
【0305】このように、燃焼安定性を維持して内部E
GR率の誤差を適切に補償することができるので、NO
x濃度を適切に抑制することができる。 (ロ).前記式32に示したごとく学習により求められ
たスライド補正係数kvadjaは、基本スライド量v
sldに対して乗算されることにより、目標スライド量
vsldtを求めている。このためスライド補正係数k
vadjaによる目標スライド量vsldtへの補正の
程度は基本スライド量vsldに応じて変化しているこ
とになる。又、基本スライド量vsldは負荷率ekl
qに応じて設定されるため、スライド補正係数kvad
jaによる目標スライド量vsldtへの補正の程度は
負荷率eklqに応じて変化していることにもなる。
【0306】このことによりスライド補正係数kvad
jaを求めた際の基本スライド量vsld又はエンジン
負荷と、前記式32のごとく実際にスライド補正係数k
vadjaを適用して目標スライド量vsldtを求め
る時の基本スライド量vsld又はエンジン負荷が異な
ったとしても、目標スライド量vsldtを求める際の
基本スライド量vsld又はエンジン負荷の状態に応じ
てスライド補正係数kvadjaの目標スライド量vs
ldtへの寄与も自動的に調整されることになる。この
ように目標スライド量vsldtを前記式32のごとく
に算出することにより、NOx濃度を、より適切に抑制
することができる。
【0307】(ハ).スロットル開度についても前記式
33のごとく、基本スロットル開度TA0と内部EGR
率調整時スロットル開度補正係数ktaadjとの乗算
により目標スロットル開度TAtを求めているため、前
記(ロ)と同様に基本スロットル開度TA0又はエンジ
ン負荷の状態に応じて、内部EGR率調整時スロットル
開度補正係数ktaadjの目標スロットル開度TAt
への寄与も変化する。したがって目標スロットル開度T
Atを前記式33のごとくに算出することにより、常に
適切なスロットル開度制御が可能となり、エンジン2の
燃焼性を安定化して、NOx濃度をより適切に抑制する
ことができる。
【0308】[その他の実施の形態] (a).前記各実施の形態においては、吸気バルブ18
の開弁タイミングを早めることにより吸気ポート16側
に燃焼室10内の排気を逆流させ、吸気行程時に吸気ポ
ート16側の排気を燃焼室10内に導入することで、内
部EGRを実現していたが、吸気カムは通常の平カムと
し排気カムを3次元カムとして排気バルブの閉弁タイミ
ングを遅くすることにより、内部EGRを実行するよう
にしても良い。すなわち、排気バルブの閉弁タイミング
を遅くすることにより、吸気行程において排気ポート3
2側に排出されていた排気を再度燃焼室10内に導入す
る手法である。このようにしても、前記各実施の形態と
同様な制御を実行することができる。又、吸気カムと排
気カムとを共に3次元カムとして、吸気バルブの早開き
及び排気バルブの遅閉じを共に行うことにより、内部E
GRを実行しても良い。
【0309】(b).各実施の形態において、シャフト
スライド機構70の3次元吸気カム50としては、図5
に示したごとくのサブカムCsubを備えたものを用い
たが、これ以外に、図34に示すごとくの台地形状のサ
ブカムCsubを設けないものでも良い。すなわち、吸
気バルブのリフトパターン全体が大きくなり且つ進角す
ることにより、吸気バルブの開弁タイミングθiが調整
可能とされている。図34(A)は、シャフトスライド
機構70によるスライド量は0mmであり、吸気バルブ
の開弁タイミングθiが最遅角状態にあるので排気バル
ブとのバルブオーバーラップは最小となっている。この
状態では、エンジンの燃焼室から排出される排気は吸気
ポートから吸気通路内に逆流することはない。したがっ
て、内部EGR量は「0」である。図34(B)は、シ
ャフトスライド機構70のスライド量を最大に調整した
ことにより吸気バルブの開弁タイミングθiが最進角状
態にあり、排気バルブとのバルブオーバーラップは最大
となっている。この状態では、吸気バルブの開弁が早期
となり、排気行程において燃焼室内の排気の一部は、吸
気ポートから吸気通路内に逆流することになる。したが
って、一旦、吸気通路に逆流した排気は吸気行程にて再
度燃焼室内に戻され、内部EGRが行われる。このよう
に図34(A)と(B)との間でスライド量を任意に調
整することにより、連続的な内部EGR率調整を実現す
ることができる。尚、図34のリフトパターンは吸気バ
ルブの場合であったが、排気バルブに適用し、排気バル
ブのリフトパターン全体が大きくなり且つ遅角すること
により、内部EGR率を連続的に調整できるようにして
も良い。また吸気バルブと排気バルブとの両方に適用し
ても良い。
【0310】(c).前述した実施の形態において、フ
ラグXGA,XGB,XGC,XGD,XGF,XG
G,XGHは、エンジン始動時に「OFF」に初期化さ
れるとしたが、アイドル毎に「OFF」に初期化して学
習を繰り返すようにしても良いし、又、一定距離走行毎
に初期化して学習を繰り返すようにしても良い。
【0311】(d).前述した実施の形態における変動
幅da,db,dc,dd,de,dk,dtは一定の
値が用いられたが、これ以外に実際の値と目標値との差
に応じて設定しても良い。
【0312】(e).前記実施の形態4のステップS8
60,S874においては吸気圧PMを用いていたが、
吸気圧PMの代わりに、負荷率eklqを用いても良
い。 (f).前記実施の形態6,7では、実施の形態1の式
1の変形例を示したが、前記実施の形態2において、前
記式8の代わりに次式40を用いても良い。
【0313】
【数40】 vsldt ← vsld + vadjc・kqc … [式40] ここで目標スライド量vsldt、基本スライド量vs
ld及びスライド補正量vadjcは前記実施の形態
1,2で述べたごとくである。前記式8と異なる点は、
スライド補正量vadjcには寄与率係数kqcが乗算
されている点である。ここで寄与率係数kqcは次式4
1のごとく算出される。
【0314】
【数41】 kqc ← eklq/eklqc … [式41] ここでeklqは目標スライド量vsldtが計算され
る時の負荷率、eklqcはスライド補正量vadjc
が学習された時の負荷率である。この場合、ECU4は
スライド補正量vadjcの学習時に負荷率eklqc
を記憶しておくものとする。
【0315】又、寄与率係数kqcは次式42のごとく
算出しても良い。
【0316】
【数42】 kqc ← vsld/vsldc … [式42] ここでvsldcはスライド補正量vadjcが学習さ
れた時の基本スライド量である。この場合、ECU4は
スライド補正量vadjcの学習時に基本スライド量v
sldcを記憶しておくものとする。
【0317】同様にして、前記実施の形態3において
も、前記式15の代わりに次式43を用いても良い。
【0318】
【数43】 vsldt ← vsld + vadjd・kqd … [式43] ここではスライド補正量vadjdには寄与率係数kq
dが乗算されている点が異なる。この寄与率係数kqd
も前記式41又は前記式42のごとく算出される。
【0319】又、前記実施の形態4においても、前記式
19の代わりに次式44を用いても良い。
【0320】
【数44】 vsldt ← vsld + vadje・kqe … [式44] ここではスライド補正量vadjeには寄与率係数kq
eが乗算されている点が異なる。この寄与率係数kqe
も前記式41又は前記式42のごとく算出される。
【0321】又、前記実施の形態5においても、前記式
24の代わりに次式45を用いても良い。
【0322】
【数45】 vsldt ← vsld + vadja・kqa + vadjb + dmf・kqmf … [式45] ここではスライド補正量vadjaには寄与率係数kq
a(実施の形態6の寄与率係数kqaと同じ)が、失火
調整用スライド量補正量dmfには寄与率係数kqmf
が乗算されている点が異なる。この寄与率係数kqmf
も前記式41又は前記式42のごとく算出される。
【0323】このことにより、前記実施の形態6,7の
(ロ)にて説明したごとく、より適切に内部EGR率の
誤差が補償された目標スライド量vsldtを得ること
ができ、NOx濃度を、より適切に抑制することができ
る。
【0324】(g).前記実施の形態8では、実施の形
態1の式1に対する係数の乗算による変形例を示した
が、前記実施の形態2において、前記式8の代わりに次
式46を用いても良い。
【0325】
【数46】 vsldt ← vsld・kvadjc … [式46] ここで目標スライド量vsldt及び基本スライド量v
sldは前記実施の形態1で述べたごとくである。前記
式8と異なる点は、スライド補正量vadjcの代わり
にスライド補正係数kvadjcが基本スライド量vs
ldに乗算されている点である。ここでスライド補正係
数kvadjcはスライド補正量vadjcと同様な処
理により算出される。
【0326】同様にして、前記実施の形態3において
も、前記式15の代わりに次式47を用いても良い。
【0327】
【数47】 vsldt ← vsld・kvadjd … [式47] ここではスライド補正量vadjdの代わりにスライド
補正係数kvadjdが基本スライド量vsldに乗算
されている点である。ここでスライド補正係数kvad
jdはスライド補正量vadjdと同様な処理により算
出される。
【0328】又、前記実施の形態4においても、前記式
19の代わりに次式48を用いても良い。
【0329】
【数48】 vsldt ← vsld・kvadje … [式48] ここではスライド補正量vadjeの代わりにスライド
補正係数kvadjeが基本スライド量vsldに乗算
されている点である。ここでスライド補正係数kvad
jeはスライド補正量vadjeと同様な処理により算
出される。
【0330】又、前記実施の形態5においても、前記式
24の代わりに次式49を用いても良い。
【0331】
【数49】 vsldt ← vsld・kvadja・kdmf … [式49] ここでは基本スライド量vsldには、スライド補正係
数kvadjaと失火調整用スライド補正係数kdmf
が乗算されている。この場合、失火調整用スライド補正
係数kdmfから、内部EGR率調整用スロットル開度
補正量dtaの代わりに内部EGR率調整用スロットル
開度補正係数kdtaを算出して、基本スロットル開度
TA0に乗算する。
【0332】このことにより、前記実施の形態8の
(ロ)にて説明したごとく、より適切に内部EGR率の
誤差が補償された目標スライド量vsldtを得ること
ができ、NOx濃度を、より適切に抑制することができ
る。
【0333】(h).各実施の形態では、すべてサブカ
ムCsubによる(図5,6)によるサブリフトの開始
点がスライド量=「0mm」の位置にある状態のシャフ
トスライド機構70を前提として説明した。サブリフト
の開始点がスライド量=「0mm」から外れている場合
には、このサブリフトの開始点を学習することになる。
この学習処理は、例えばシャフトスライド機構70のス
ライド量を次第に大きくした場合に吸気圧PMが変化し
始める位置をサブリフト開始点として学習することによ
り行われる。そしてスライド量制御では目標スライド量
vsldtに対して、この学習値による補正も加えられ
ることになる。
【0334】(i).各実施の形態では、内燃機関負荷
として負荷率を用いたが、この代わりに吸気圧PMや吸
入空気量GA/エンジン回転数NEなどのように負荷の
絶対的大きさを表す値を用いても良い。
【0335】以上、本発明の実施の形態について説明し
たが、本発明の実施の形態には、次のような形態を含む
ものであることを付記しておく。 (1).成層燃焼を可能とする内燃機関における内部排
気再循環を行う内部排気再循環制御装置であって、内燃
機関の吸気圧を検出する吸気圧検出手段と、内燃機関の
排気成分から空燃比を検出する空燃比検出手段と、内燃
機関の運転状態に応じて、カムによる連続的リフト量調
整にて吸気バルブと排気バルブとの間のバルブオーバー
ラップ量を設定することにより、内燃機関における内部
排気再循環率の調整を行うバルブオーバーラップ調整手
段と、前記バルブオーバーラップ調整手段による内部排
気再循環が行われている状態と内部排気再循環が停止さ
れた状態とにおける前記吸気圧検出手段の各実吸気圧出
力値及び前記バルブオーバーラップ調整手段による内部
排気再循環が行われている状態における前記空燃比検出
手段の実空燃比出力値に基づいて実内部排気再循環率を
求め、該実内部排気再循環率と内燃機関の運転状態に応
じて設定される目標内部排気再循環率との間の比較に基
づいて、バルブオーバーラップ量補正値を算出し、該バ
ルブオーバーラップ量補正値により前記バルブオーバー
ラップ調整手段におけるバルブオーバーラップ調整量を
補正するバルブオーバーラップ補正手段と、を備えたこ
とを特徴とする内燃機関の内部排気再循環制御装置。
【0336】(2).(1)記載の構成において、前記
バルブオーバーラップ補正手段は、内燃機関が成層燃焼
運転状態にある時に前記バルブオーバーラップ調整手段
により内部排気再循環率が調整された状態において、前
記空燃比検出手段が出力する第1実空燃比出力値を求め
るとともに、前記吸気圧検出手段が出力する第1実吸気
圧出力値を求める第1出力値検出手段と、内燃機関が成
層燃焼運転状態にある時に前記バルブオーバーラップ調
整手段による内部排気再循環率が停止された状態におい
て、前記吸気圧検出手段が出力する第2実吸気圧出力値
を求める第2出力値検出手段と、前記第1出力値検出手
段にて求められた第1実吸気圧出力値と前記第2出力値
検出手段にて求められた第2実吸気圧出力値との差及び
前記第1出力値検出手段にて求められた第1実空燃比出
力値に基づいて、前記第1出力値検出手段にて求められ
た第1実吸気圧出力値と同一の吸気圧を内部排気再循環
を行わずに実現した場合に予想される予想空燃比を求め
る予想空燃比検出手段と、前記予想空燃比検出手段にて
求められた予想空燃比と前記第1出力値検出手段にて求
められた第1実空燃比出力値とから実内部排気再循環率
を求め、該実内部排気再循環率と前記目標内部排気再循
環率との間の比較に基づいて、バルブオーバーラップ量
補正値を算出し、該バルブオーバーラップ量補正値によ
り前記バルブオーバーラップ調整手段におけるバルブオ
ーバーラップ調整量を補正する比較補正手段と、を備え
たことを特徴とする内燃機関の内部排気再循環制御装
置。
【0337】(3).(2)記載の構成において、前記
予想空燃比検出手段は、内部排気再循環の実行時と停止
時との吸気圧差をΔPMとし、内部排気再循環実行時の
吸気圧と同一の吸気圧を内部排気再循環を行わずに実現
した場合の空燃比と内部排気再循環実行時の空燃比との
空燃比差をΔAFとすると、予め得られているΔPMと
ΔAFとの対応関係を用いることにより、前記第1出力
値検出手段にて求められた第1実吸気圧出力値と前記第
2出力値検出手段にて求められた第2実吸気圧出力値と
の差に基づいてΔAFの値を求め、該値を前記第1出力
値検出手段により求められた第1実空燃比出力値に加算
することにより前記予想空燃比を算出することを特徴と
する内燃機関の内部排気再循環制御装置。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1としての筒内噴射型ガソリンエン
ジン及びECUの概略構成説明図。
【図2】燃焼形態を決定するためのマップの構成説明
図。
【図3】実施の形態1にて用いられる3次元吸気カムの
斜視図。
【図4】上記3次元吸気カムの形状説明図。
【図5】吸気バルブのリフト量で表す上記3次元吸気カ
ムのプロフィール説明図。
【図6】上記3次元吸気カムによるバルブオーバーラッ
プ状態説明図。
【図7】実施の形態1のシャフトスライド機構の構成説
明図。
【図8】実施の形態1のスライド補正量学習処理のフロ
ーチャート。
【図9】同じく第1スライド補正量vadja学習処理
のフローチャート。
【図10】実施の形態1の制御の一例を示すタイミング
チャート。
【図11】実施の形態1の第2スライド補正量vadj
b学習処理のフローチャート。
【図12】同じく第2スライド補正量vadjb算出処
理のフローチャート。
【図13】差圧ΔPMから空燃比差ΔAFを求めるため
のマップの構成説明図。
【図14】実施の形態1の制御の一例を示すグラフ。
【図15】実施の形態2のスライド補正量学習処理のフ
ローチャート。
【図16】同じく均質燃焼時空燃比検出誤差Vs算出処
理のフローチャート。
【図17】同じくスライド補正量vadjc算出処理の
フローチャート。
【図18】同じく内部EGR停止時処理のフローチャー
ト。
【図19】実施の形態2の制御の一例を示すグラフ。
【図20】実施の形態3のスライド補正量学習処理のフ
ローチャート。
【図21】同じくスライド補正量vadjd算出処理の
フローチャート。
【図22】同じく内部EGR停止時処理のフローチャー
ト。
【図23】実施の形態3の制御の一例を示すグラフ。
【図24】実施の形態4のスライド補正量学習処理のフ
ローチャート。
【図25】同じくスライド補正量vadje算出処理の
フローチャート。
【図26】同じく内部EGR実行時処理のフローチャー
ト。
【図27】実施の形態4の制御の一例を示すグラフ。
【図28】実施の形態5の失火制御処理のフローチャー
ト。
【図29】実施の形態5における失火調整用スライド量
補正量dmfから内部EGR率調整用スロットル開度補
正量dtaを求めるマップの構成説明図。
【図30】実施の形態8の補正係数学習処理のフローチ
ャート。
【図31】同じくスライド補正係数kvadja学習処
理のフローチャート。
【図32】同じく内部EGR率調整時スロットル開度補
正係数ktaadj学習処理のフローチャート。
【図33】同じくスライド補正係数kvadjaから基
本スロットル開度補正係数ktaadjbを求めるため
のマップの構成説明図。
【図34】他の形状のカムによるバルブオーバーラップ
状態説明図。
【符号の説明】
2…エンジン、4…ECU、10…燃焼室、12…燃料
噴射バルブ、14…点火プラグ、16…吸気ポート、1
8…吸気バルブ、20…吸気通路、22…サージタン
ク、24…スロットルモータ、26…スロットルバル
ブ、28…スロットル開度センサ、30…吸気圧セン
サ、32…排気ポート、34…排気バルブ、36…排気
通路、38…スタートキャタリスト、40…NOx吸蔵
還元触媒、44…アクセルペダル、50…3次元吸気カ
ム、50a…吸気カムシャフト、50b…カムフォロ
ア、52…排気カム、52a…排気カムシャフト、52
b…カムフォロア、54…クランクシャフト、56…ア
クセル開度センサ、58…回転数センサ、60…基準ク
ランク角センサ、62… シャフト位置センサ、64…
空燃比センサ、66…第1O2センサ、68…第2O2
センサ、70…シャフトスライド機構、80…カム面、
82…ノーズ、84…第1端面、86…第2端面、90
…シリンダチューブ、90a…第1圧力室、90b…第
2圧力室、90c…ストレートスプライン部、92…シ
ャフト移動用ピストン、92a…スプライン部、94…
OCV、96…タイミングスプロケット、98…スプリ
ング、100…排出通路、102…オイルパン、104
…供給通路、P…オイルポンプ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F02D 41/08 320 F02D 41/08 320 41/14 310 41/14 310A 310P 41/22 320 41/22 320 43/00 301 43/00 301E 301N 301Z 45/00 324 45/00 324 368 368Z F02M 25/07 550 F02M 25/07 550F 550R 570 570A Fターム(参考) 3G062 AA07 AA10 BA04 BA05 BA06 BA09 CA03 CA06 DA01 DA02 EA01 ED01 ED06 ED10 FA02 FA05 FA06 FA11 FA12 FA15 GA02 GA04 GA06 GA17 GA19 GA25 3G084 AA04 BA05 BA09 BA13 BA15 BA20 BA23 CA03 CA04 DA10 EA04 EA11 EB08 EB12 EB17 EB22 EC01 EC03 FA00 FA05 FA10 FA11 FA24 FA30 FA33 FA38 3G092 AA01 AA06 AA09 AA11 AA17 BA05 BA06 BB01 BB06 DA03 DA12 DC03 DC08 DE03S DG01 EA01 EA02 EB05 EC01 EC05 FA15 GA03 HA05X HA05Z HA06X HA06Z HA13X HA13Z HD06Z HE01Z HE03Z HF08Z HF21Z 3G301 HA01 HA04 HA13 HA16 HA19 JA21 KA06 LA03 LA07 LB04 LC03 LC08 MA01 MA11 MA18 NA06 NA08 NB03 NB13 NC02 ND21 PA07A PA07Z PA11Z PC09A PC09Z PD09A PD09Z PE01A PE01Z PE03Z PE10A PE10Z PF01Z PF03Z

Claims (26)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】成層燃焼を可能とする内燃機関における内
    部排気再循環を行う内部排気再循環制御装置であって、 内燃機関の吸気圧を検出する吸気圧検出手段と、 内燃機関の運転状態に応じて、カムによる連続的リフト
    量調整にて吸気バルブと排気バルブとの間のバルブオー
    バーラップ量を設定することにより、内燃機関における
    内部排気再循環率の調整を行うバルブオーバーラップ調
    整手段と、 内燃機関が成層燃焼運転状態にある時に、前記吸気圧検
    出手段にて検出された実吸気圧が、内燃機関の運転状態
    に応じて設定される目標吸気圧に近づく又は同一となる
    ようにバルブオーバーラップ量補正値を算出し、該バル
    ブオーバーラップ量補正値により前記バルブオーバーラ
    ップ調整手段におけるバルブオーバーラップ調整量を補
    正するバルブオーバーラップ補正手段と、 を備えたことを特徴とする内燃機関の内部排気再循環制
    御装置。
  2. 【請求項2】成層燃焼を可能とする内燃機関における内
    部排気再循環を行う内部排気再循環制御装置であって、 内燃機関の排気成分から空燃比を検出する空燃比検出手
    段と、 内燃機関の運転状態に応じて、カムによる連続的リフト
    量調整にて吸気バルブと排気バルブとの間のバルブオー
    バーラップ量を設定することにより、内燃機関における
    内部排気再循環率の調整を行うバルブオーバーラップ調
    整手段と、 前記バルブオーバーラップ調整手段による内部排気再循
    環が行われている状態での前記空燃比検出手段の実出力
    値と標準空燃比検出手段の標準出力値との間の比較を、
    前記空燃比検出手段と前記標準空燃比検出手段との出力
    値のずれを考慮して行ない、該比較に基づいて、バルブ
    オーバーラップ量補正値を算出し、該バルブオーバーラ
    ップ量補正値により前記バルブオーバーラップ調整手段
    におけるバルブオーバーラップ調整量を補正するバルブ
    オーバーラップ補正手段と、 を備えたことを特徴とする内燃機関の内部排気再循環制
    御装置。
  3. 【請求項3】請求項2記載の構成において、前記バルブ
    オーバーラップ補正手段は、空燃比と標準出力値との対
    応関係、前記バルブオーバーラップ調整手段による内部
    排気再循環が行われている状態での成層燃焼における前
    記空燃比検出手段の実出力値、及び前記バルブオーバー
    ラップ調整手段による内部排気再循環が停止している状
    態での成層燃焼と均質燃焼とにおける前記空燃比検出手
    段の各実出力値を用いて、前記比較を行うことを特徴と
    する内燃機関の内部排気再循環制御装置。
  4. 【請求項4】請求項3記載の構成において、前記バルブ
    オーバーラップ補正手段は、 内燃機関が成層燃焼運転状態にある時に前記バルブオー
    バーラップ調整手段により調整された内部排気再循環率
    において、前記空燃比検出手段が出力する第1実出力値
    を求めるとともに、内燃機関の運転状態に対応した目標
    空燃比に基づいて前記対応関係から第1標準出力値を求
    める第1出力値検出手段と、 内燃機関が成層燃焼運転状態にある時に内部排気再循環
    を停止した状態において、前記空燃比検出手段が出力す
    る第2実出力値を求めるとともに、内燃機関の運転状態
    から得られる空燃比に基づいて前記対応関係から第2標
    準出力値を求める第2出力値検出手段と、 内燃機関が内部排気再循環が停止している均質燃焼運転
    状態にある時に、前記空燃比検出手段が出力する第3実
    出力値を求めるとともに、内燃機関の運転状態から得ら
    れる空燃比に基づいて前記対応関係から第3標準出力値
    を求める第3出力値検出手段と、 前記第1出力値検出手段にて求められた第1実出力値、
    第1標準出力値、前記第2出力値検出手段にて求められ
    た第2実出力値、第2標準出力値、及び前記第3出力値
    検出手段にて求められた第3実出力値、第3標準出力値
    を用いて前記比較を行い、該比較に基づいてバルブオー
    バーラップ量補正値を算出し、該バルブオーバーラップ
    量補正値により前記バルブオーバーラップ調整手段にお
    けるバルブオーバーラップ調整量を補正する比較補正手
    段と、 を備えたことを特徴とする内燃機関の内部排気再循環制
    御装置。
  5. 【請求項5】請求項4記載の構成において、前記比較補
    正手段は、第3標準出力値−前記第3実出力値=ΔA
    F、第1実出力値−ΔAF=A、第2実出力値−ΔAF
    =B、第1標準出力値=C、第2標準出力値=D、第3
    標準出力値=Eとした場合に、Aと(B−E)×(C−
    E)/(D−E)+Eとを比較してAが(B−E)×
    (C−E)/(D−E)+Eに近づく又は同一となるよ
    うに、バルブオーバーラップ量補正値を算出し、該バル
    ブオーバーラップ量補正値により前記バルブオーバーラ
    ップ調整手段におけるバルブオーバーラップ調整量を補
    正することを特徴とする内燃機関の内部排気再循環制御
    装置。
  6. 【請求項6】成層燃焼を可能とする内燃機関における内
    部排気再循環を行う内部排気再循環制御装置であって、 内燃機関の排気成分からNOx濃度を検出するNOx濃
    度検出手段と、 内燃機関の運転状態に応じて、カムによる連続的リフト
    量調整にて吸気バルブと排気バルブとの間のバルブオー
    バーラップ量を設定することにより、内燃機関における
    内部排気再循環率の調整を行うバルブオーバーラップ調
    整手段と、 前記バルブオーバーラップ調整手段による内部排気再循
    環が行われている状態での前記NOx濃度検出手段の実
    出力値と標準NOx濃度検出手段の標準出力値との間の
    比較を、前記NOx濃度検出手段と前記標準NOx濃度
    検出手段との出力値のずれを考慮して行い、該比較に基
    づいて、バルブオーバーラップ量補正値を算出し、該バ
    ルブオーバーラップ量補正値により前記バルブオーバー
    ラップ調整手段におけるバルブオーバーラップ調整量を
    補正するバルブオーバーラップ補正手段と、 を備えたことを特徴とする内燃機関の内部排気再循環制
    御装置。
  7. 【請求項7】請求項6記載の構成において、前記バルブ
    オーバーラップ補正手段は、NOx濃度と標準出力値と
    の対応関係、前記バルブオーバーラップ調整手段による
    内部排気再循環が行われている状態での成層燃焼におけ
    る前記NOx濃度検出手段の実出力値、及び前記バルブ
    オーバーラップ調整手段による内部排気再循環が停止し
    ている状態での成層燃焼における前記NOx濃度検出手
    段の実出力値を用いて、前記比較を行うことを特徴とす
    る内燃機関の内部排気再循環制御装置。
  8. 【請求項8】請求項7記載の構成において、前記バルブ
    オーバーラップ補正手段は、 内燃機関が成層燃焼運転状態にある時に前記バルブオー
    バーラップ調整手段により調整された内部排気再循環率
    において、前記NOx濃度検出手段が出力する第1実出
    力値を求めるとともに、内燃機関の運転状態に対応した
    目標NOx濃度に基づいて前記対応関係から第1標準出
    力値を求める第1出力値検出手段と、 内燃機関が成層燃焼運転状態にある時に内部排気再循環
    を停止した状態において、前記NOx濃度検出手段が出
    力する第2実出力値を求めるとともに、内燃機関の運転
    状態から得られるNOx濃度に基づいて前記対応関係か
    ら第2標準出力値を求める第2出力値検出手段と、 前記第1出力値検出手段にて求められた第1実出力値、
    第1標準出力値、及び前記第2出力値検出手段にて求め
    られた第2実出力値、第2標準出力値を用いて前記比較
    を行い、該比較に基づいてバルブオーバーラップ量補正
    値を算出し、該バルブオーバーラップ量補正値により前
    記バルブオーバーラップ調整手段におけるバルブオーバ
    ーラップ調整量を補正する比較補正手段と、 を備えたことを特徴とする内燃機関の内部排気再循環制
    御装置。
  9. 【請求項9】請求項8記載の構成において、前記バルブ
    オーバーラップ補正手段は、第1実出力値=A、第2実
    出力値=B、第1標準出力値=C、第2標準出力値=D
    とした場合に、AとB×C/Dとを比較してAがB×C
    /Dに近づく又は同一となるように、バルブオーバーラ
    ップ量補正値を算出し、該バルブオーバーラップ量補正
    値により前記バルブオーバーラップ調整手段におけるバ
    ルブオーバーラップ調整量を補正することを特徴とする
    内燃機関の内部排気再循環制御装置。
  10. 【請求項10】成層燃焼を可能とする内燃機関における
    内部排気再循環を行う内部排気再循環制御装置であっ
    て、 内燃機関の排気成分から空燃比を検出する空燃比検出手
    段と、 内燃機関の負荷相当量を検出する負荷相当量検出手段
    と、 内燃機関の運転状態に応じて、カムによる連続的リフト
    量調整にて吸気バルブと排気バルブとの間のバルブオー
    バーラップ量を設定することにより、内燃機関における
    内部排気再循環率の調整を行うバルブオーバーラップ調
    整手段と、 前記バルブオーバーラップ調整手段による内部排気再循
    環が停止されている状態での負荷相当量出力値と標準空
    燃比出力値との対応関係と、前記バルブオーバーラップ
    調整手段による内部排気再循環が停止している状態での
    成層燃焼における前記負荷相当量検出手段の実負荷相当
    量出力値及び前記空燃比検出手段の実空燃比出力値と、
    前記バルブオーバーラップ調整手段による内部排気再循
    環が行われている状態での成層燃焼における前記負荷相
    当量検出手段の実負荷相当量出力値及び前記空燃比検出
    手段の実空燃比出力値とを用いて実内部排気再循環率を
    求め、該実内部排気再循環率と内燃機関の運転状態に応
    じて設定される目標内部排気再循環率との間の比較に基
    づいて、バルブオーバーラップ量補正値を算出し、該バ
    ルブオーバーラップ量補正値により前記バルブオーバー
    ラップ調整手段におけるバルブオーバーラップ調整量を
    補正するバルブオーバーラップ補正手段と、 を備えたことを特徴とする内燃機関の内部排気再循環制
    御装置。
  11. 【請求項11】請求項10記載の構成において、前記バ
    ルブオーバーラップ補正手段は、 内燃機関が成層燃焼運転状態にある時に前記バルブオー
    バーラップ調整手段により内部排気再循環率が調整され
    た内燃機関運転状態において、前記空燃比検出手段が出
    力する第1実空燃比出力値を求めるとともに、前記負荷
    相当量検出手段により検出される実負荷相当量出力値に
    基づいて前記対応関係から第1標準空燃比出力値を求め
    る第1出力値検出手段と、 内燃機関が成層燃焼運転状態にある時に前記バルブオー
    バーラップ調整手段による内部排気再循環を停止した内
    燃機関運転状態において、前記空燃比検出手段が出力す
    る第2実空燃比出力値を求めるとともに、前記負荷相当
    量検出手段により検出される実負荷相当量出力値に基づ
    いて前記対応関係から第2標準空燃比出力値を求める第
    2出力値検出手段と、 前記第1出力値検出手段にて求められた第1実空燃比出
    力値、第1標準空燃比出力値、前記第2出力値検出手段
    にて求められた第2実空燃比出力値、及び第2標準空燃
    比出力値を用いて前記第1実空燃比出力値が得られた時
    の実内部排気再循環率を求め、該実内部排気再循環率と
    前記目標内部排気再循環率との間で比較を行い、前記実
    内部排気再循環率が前記目標内部排気再循環率に近づく
    又は同一となるようにバルブオーバーラップ量補正値を
    算出し、該バルブオーバーラップ量補正値により前記バ
    ルブオーバーラップ調整手段におけるバルブオーバーラ
    ップ調整量を補正する比較補正手段と、 を備えたことを特徴とする内燃機関の内部排気再循環制
    御装置。
  12. 【請求項12】請求項11記載の構成において、前記比
    較補正手段は、第1実空燃比出力値=A、第1標準空燃
    比出力値=B、第2実空燃比出力値=C、第2標準空燃
    比出力値=D、及びE=B−(D−C)とした場合に、
    式(E−A)/Eにより実内部排気再循環率を算出する
    ことを特徴とする内燃機関の内部排気再循環制御装置。
  13. 【請求項13】請求項10〜12のいずれか記載の構成
    において、前記負荷相当量検出手段は、内燃機関の負荷
    相当量として吸気圧又は負荷率を検出することを特徴と
    する内燃機関の内部排気再循環制御装置。
  14. 【請求項14】成層燃焼を可能とする内燃機関における
    内部排気再循環を行う内部排気再循環制御装置であっ
    て、 内燃機関の吸気圧を検出する吸気圧検出手段と、 内燃機関の排気成分から空燃比を検出する空燃比検出手
    段と、 内燃機関の運転状態に応じて、カムによる連続的リフト
    量調整にて吸気バルブと排気バルブとの間のバルブオー
    バーラップ量を設定することにより、内燃機関における
    内部排気再循環率の調整を行うバルブオーバーラップ調
    整手段と、 前記バルブオーバーラップ調整手段による内部排気再循
    環が行われている状態と内部排気再循環が停止された状
    態とにおける前記吸気圧検出手段の各実吸気圧出力値及
    び前記空燃比検出手段の各実空燃比出力値に基づいて実
    内部排気再循環率を求め、該実内部排気再循環率と内燃
    機関の運転状態に応じて設定される目標内部排気再循環
    率との間の比較に基づいて、バルブオーバーラップ量補
    正値を算出し、該バルブオーバーラップ量補正値により
    前記バルブオーバーラップ調整手段におけるバルブオー
    バーラップ調整量を補正するバルブオーバーラップ補正
    手段と、 を備えたことを特徴とする内燃機関の内部排気再循環制
    御装置。
  15. 【請求項15】請求項14記載の構成において、前記バ
    ルブオーバーラップ補正手段は、 内燃機関が成層燃焼運転状態にある時に前記バルブオー
    バーラップ調整手段により内部排気再循環率が調整され
    た状態において、前記空燃比検出手段が出力する第1実
    空燃比出力値を求めるとともに、前記吸気圧検出手段が
    出力する第1実吸気圧出力値を求める第1出力値検出手
    段と、 内燃機関が成層燃焼運転状態にある時に前記バルブオー
    バーラップ調整手段による内部排気再循環率が停止され
    た状態において、前記空燃比検出手段が出力する第2実
    空燃比出力値を求めるとともに、前記吸気圧検出手段が
    出力する第2実吸気圧出力値を求める第2出力値検出手
    段と、 前記第1出力値検出手段にて求められた第1実吸気圧出
    力値と前記第2出力値検出手段にて求められた第2実吸
    気圧出力値との差及び前記第2出力値検出手段にて求め
    られた第2実空燃比出力値に基づいて、前記第1出力値
    検出手段にて求められた第1実吸気圧出力値と同一の吸
    気圧を内部排気再循環を行わずに実現した場合に予想さ
    れる予想空燃比を求める予想空燃比検出手段と、 前記予想空燃比検出手段にて求められた予想空燃比と前
    記第1出力値検出手段にて求められた第1実空燃比出力
    値とから実内部排気再循環率を求め、該実内部排気再循
    環率と前記目標内部排気再循環率との間の比較に基づい
    て、バルブオーバーラップ量補正値を算出し、該バルブ
    オーバーラップ量補正値により前記バルブオーバーラッ
    プ調整手段におけるバルブオーバーラップ調整量を補正
    する比較補正手段と、 を備えたことを特徴とする内燃機関の内部排気再循環制
    御装置。
  16. 【請求項16】請求項15記載の構成において、前記予
    想空燃比検出手段は、内部排気再循環の実行時と停止時
    との吸気圧差をΔPMとし、内部排気再循環実行時の吸
    気圧と同一の吸気圧を内部排気再循環を行わずに実現し
    た場合の空燃比と内部排気再循環停止時の空燃比との空
    燃比差をΔAFとすると、予め得られているΔPMとΔ
    AFとの対応関係を用いることにより、前記第1出力値
    検出手段にて求められた第1実吸気圧出力値と前記第2
    出力値検出手段にて求められた第2実吸気圧出力値との
    差に基づいてΔAFの値を求め、該値を前記第2出力値
    検出手段により求められた第2実空燃比出力値に加算す
    ることにより前記予想空燃比を算出することを特徴とす
    る内燃機関の内部排気再循環制御装置。
  17. 【請求項17】成層燃焼を可能とする内燃機関における
    内部排気再循環を行う内部排気再循環制御装置であっ
    て、 内燃機関の運転状態に応じて、カムによる連続的リフト
    量調整にて吸気バルブと排気バルブとの間のバルブオー
    バーラップ量を設定することにより、内燃機関における
    内部排気再循環率の調整を行うバルブオーバーラップ調
    整手段と、 内燃機関の失火の程度を検出する失火検出手段と、 内燃機関がアイドル回転数制御時での成層燃焼運転状態
    にある時に前記失火検出手段にて検出される失火の程度
    に応じて、前記バルブオーバーラップ調整手段による内
    部排気再循環率を調整することにより失火の程度を調整
    する失火調整手段と、 前記失火調整手段による内部排気再循環率の調整に連動
    してNOx濃度を調整するNOx濃度調整手段と、 を備えたことを特徴とする内燃機関の内部排気再循環制
    御装置。
  18. 【請求項18】請求項17記載の構成において、前記N
    Ox濃度調整手段は、前記失火調整手段による内部排気
    再循環率の増減に応じて内燃機関の吸入空気量を増減さ
    せることによりNOx濃度を基準範囲内に維持するよう
    調整することを特徴とする内燃機関の内部排気再循環制
    御装置。
  19. 【請求項19】請求項17又は18記載の構成におい
    て、前記失火調整手段は、前記失火検出手段にて検出さ
    れる失火の程度に応じてバルブオーバーラップ量補正値
    を算出し、該バルブオーバーラップ量補正値により前記
    バルブオーバーラップ調整手段におけるバルブオーバー
    ラップ調整量を補正することにより失火の程度を調整す
    ることを特徴とする内燃機関の内部排気再循環制御装
    置。
  20. 【請求項20】請求項19記載の構成において、前記失
    火調整手段は、前記バルブオーバーラップ量補正値によ
    り前記バルブオーバーラップ調整手段におけるバルブオ
    ーバーラップ調整量を補正するに際しては、該補正の程
    度を、前記バルブオーバーラップ調整量又は内燃機関負
    荷に応じて変更することを特徴とする内燃機関の内部排
    気再循環制御装置。
  21. 【請求項21】請求項1〜16のいずれか記載の構成に
    おいて、前記バルブオーバーラップ補正手段は、前記バ
    ルブオーバーラップ量補正値により前記バルブオーバー
    ラップ調整手段におけるバルブオーバーラップ調整量を
    補正するに際しては、該補正の程度を、前記バルブオー
    バーラップ調整量又は内燃機関負荷に応じて変更するこ
    とを特徴とする内燃機関の内部排気再循環制御装置。
  22. 【請求項22】請求項20又は21記載の構成におい
    て、前記補正の程度は、前記バルブオーバーラップ量補
    正値が算出された時のバルブオーバーラップ調整量又は
    内燃機関負荷と、前記バルブオーバーラップ量補正値に
    よりバルブオーバーラップ調整量を補正する際のバルブ
    オーバーラップ調整量又は内燃機関負荷との比率に応じ
    て設定されることを特徴とする内燃機関の内部排気再循
    環制御装置。
  23. 【請求項23】請求項20又は21記載の構成におい
    て、前記補正は、前記バルブオーバーラップ量補正値を
    係数としてバルブオーバーラップ調整量に乗算すること
    により、前記補正の程度を、前記バルブオーバーラップ
    調整量又は内燃機関負荷に応じて変更することを特徴と
    する内燃機関の内部排気再循環制御装置。
  24. 【請求項24】請求項1〜16のいずれか記載の構成に
    おいて、成層燃焼運転状態とは、アイドル回転数制御時
    での安定した成層燃焼運転状態であることを特徴とする
    内燃機関の内部排気再循環制御装置。
  25. 【請求項25】請求項1〜24のいずれか記載の構成に
    おいて、前記バルブオーバーラップ調整手段は、軸方向
    にカムプロフィールが連続的に変化する3次元カムを吸
    気カムと排気カムとの一方又は両方に用い、該3次元カ
    ムの軸方向移動量を、内燃機関の運転状態に応じて設定
    することにより内部排気再循環率の調整を行うことを特
    徴とする内燃機関の内部排気再循環制御装置。
  26. 【請求項26】請求項25記載の構成において、前記3
    次元カムは、バルブオーバーラップを生じさせるための
    サブリフト部が形成されており、該サブリフト部のバル
    ブ作用角とバルブリフト量との一方又は両方が軸方向に
    て変化する形状とされていることを特徴とする内燃機関
    の内部排気再循環制御装置。
JP2001385260A 2001-08-27 2001-12-18 内燃機関の内部排気再循環制御装置 Pending JP2003148183A (ja)

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