JP2003147835A - 介護用トイレ設備 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 介護者がリモコン操作しやすい介護用トイレ
設備を提供する。リモコンの紛失等が防止される介護用
トイレ設備を提供する。 【解決手段】 架台１２の上面に便座ボックス３０が設
置されており、便座ボックス３０内には、便座に着座し
た人体の臀部を温水で洗浄するためのシャワーノズル３
６のほか、このシャワーノズル３６に温水を供給するた
めの温水タンク、ポンプ、該ポンプの制御回路等が設置
されている。この制御回路へは、リモコン６０に設けら
れた洗浄スイッチ、洗浄強さ調節スイッチ、洗浄停止用
ストップスイッチのほか、リードスイッチ２２から信号
が入力される。リモコン６０がロータンク４４の上面に
設けられているので、介護者が便器１４の左側及び右側
のいずれに居ても手を少し伸ばすだけでリモコン６０を
操作できる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、介護用トイレ設備
に係り、特にリモコンによって操作される温水洗浄装置
を備えた介護用トイレ設備に関する。さらに詳しくは、
本発明は、病室や、個人住宅の寝室などに置くことが可
能なポータブルトイレに適用するのに好適な介護用トイ
レ設備に関する。

【０００２】

【従来の技術】近年、高齢者時代の到来とともに寝たき
り老人の介護が大きな社会問題となりつつある。この介
護に際しては特に排泄物の処理が大変である。

【０００３】近年、病室などの室内に家具の如く置いて
おくことができるポータブルトイレが種々市販されるよ
うになってきた。このポータブルトイレは、椅子の座部
に相当する部分に便器上縁を配置し、この便器の下側に
可搬式の容器を配置したものである。要介護者の排泄物
は、この容器内に落下する。この容器は、介護者が適時
に容器収容室から取り出し、トイレルーム等にて処理す
る。

【０００４】近年、このポータブルトイレに臀部を温水
で洗浄する温水洗浄装置を組み込んだものが市販される
ようになってきた。この温水洗浄装置を用いると、臀部
を清潔にすることができると共に、容器内に溜った汚物
を水が覆うようになり臭気発散も防止されるというメリ
ットも得られる。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】温水洗浄装置を操作す
るためにリモコンを用いることは既に広く行われてい
る。通常の場合、このリモコンはトイレルームの壁面に
取り付けられているが、介護用トイレ設備の場合、壁面
にリモコンが取り付けられていると、リモコンが便器か
ら遠くなることがある。また、便器の脇に居る介護者の
背後側にリモコンが位置したり、便器を挟んで該介護者
と反対側の壁面にリモコンが位置することになり、リモ
コンを操作しにくいことがある。リモコンを壁から外し
たのでは、紛失するおそれがある。また、リモコンを介
護者が所持した場合にも、リモコンを紛失したり、ある
いは便鉢に落したりするおそれもある。

【０００６】本発明は、介護者がリモコン操作しやすい
介護用トイレ設備を提供することを第１の目的とする。
また、本発明は、リモコンの紛失等が防止される介護用
トイレ設備を提供することを第２の目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明の介護用トイレ設
備は、便鉢を有する便器と、該便鉢に供給する便鉢洗浄
水を貯水するためのロータンクと、該便器使用者の臀部
を温水で洗浄するように温水を噴出する温水洗浄装置
と、該温水洗浄装置を操作するためのリモコンとを有す
る介護用トイレ設備において、該リモコンの保持部を該
ロータンク又はロータンクを覆うカバーに設けたことを
特徴とするものである。

【０００８】かかる本発明の介護用トイレ設備にあって
は、リモコンがロータンク又はロータンクを覆うカバー
に設けられているから、便器の脇に居る介護者にとって
きわめて操作し易い。

【０００９】特に、このリモコンを該ロータンク又はカ
バーの上面に設けておくことにより、介護者が便器の右
側及び左側のいずれに居ても介護者がリモコンを操作し
易い。

【００１０】この場合、リモコンの保持部として平面フ
ァスナを設けておくのが好ましい。この平面ファスナで
あれば、リモコンをきわめてしっかりと保持することが
できると共に、着脱もきわめて容易である。

【００１１】本発明は、トイレ設備を居室や病室内に置
いておくポータブルトイレ設備に適用するのに好適であ
る。

【００１２】

【発明の実施の形態】以下、図面を参照して実施の形態
について説明する。図１は実施の形態に係るポータブル
式の介護用トイレ設備の断面図である。

【００１３】脚１０を有した箱状の架台１２に便器１４
が設置されている。この便器１４はその上縁が架台１２
の上面に係止されており、上縁以外は架台１２内に配置
されている。便器１４の便鉢１６の下方に容器１８が配
置されている。容器１８は上方が開放しており、便鉢１
６からの落下物をその内部に受け入れるようになってい
る。

【００１４】架台１２内にはストッパ２０が設けられ、
このストッパ２０にリードスイッチ２２が設けられてい
る。容器１８の奥側面には、該リードスイッチ２２と対
面するようにマグネット２４が設けられている。架台１
２の前面下部には扉２６が設けられており、この扉２６
を開けて容器１８を出入れしうるようになっている。こ
の容器１８の前面部には把手１８ａが設けられている。
架台１２内には脱臭装置２８が設置されている。

【００１５】架台１２の上面に便座ボックス３０が設置
されており、この便座ボックス３０に便座３２及び便蓋
３４が起倒方向回動可能に連結されている。

【００１６】この便座ボックス３０内には、便座に着座
した人体の臀部を温水で洗浄するためのシャワーノズル
３６のほか、このシャワーノズル３６に温水を供給する
ための温水タンク、ポンプ、該ポンプの制御回路等が設
置されている。

【００１７】この制御回路へは、後述のリモコン６０に
設けられた洗浄スイッチ、洗浄強さ調節スイッチ、洗浄
停止用ストップスイッチのほか、前記リードスイッチ２
２から信号が入力される。図示はしないが、温水タンク
にはヒータと温度センサが設けられ、この温度センサの
検出水温が設定温度となるようにヒータへの通電が制御
される。また、上記のリモコンには、この設定温度を調
節するためのスイッチが設けられ、制御回路にはヒータ
への通電制御部も設けられている。

【００１８】前記シャワーノズル３６は、突出可能なノ
ズル本体３６ａを有している。シャワーノズル３６内に
温水が供給されると、ノズル本体３６ａが前進し、その
先端から温水が上方に向けて噴出し、人体臀部が温水で
洗浄される。

【００１９】便器１４は、便鉢１６の上縁に周設された
リム通水路４０と、該リム通水路４０への給水口３８と
を備えている。架台１２の最後部の後部上面にはロータ
ンク４４が設置されており、給水ホース４２を介して、
リム通水路４０内に便鉢洗浄水を供給可能としている。

【００２０】このロータンク４４は、底部の洗浄水流出
口に設けられたバルブシート４６と、該バルブシート４
６に着座可能なフロート弁４８と、該フロート弁４８に
対し鎖５０によって連結されており、該フロート弁４８
を引き上げ可能なレバーハンドル５２と、バルブシート
４６から立設されたオーバーフロー管５４とを備えてい
る。

【００２１】なお、レバーハンドル５２にはソレノイド
によって作動されるロック機構が設けられており、この
ロック機構は前記リードスイッチ２２がＯＮの場合にの
みロック解除され、フロート弁４８を引き上げ得るよう
構成されている。

【００２２】このロータンク４４の上部の蓋５６の上面
にリモコン６０の保持部として平面ファスナ５８の雄側
（又は雌側）が付着されている。この平面ファスナ５８
としては、マジックテープ（登録商標）という商品名で
市販されているものが好適である。リモコン６０には、
この平面ファスナ５８の雌側（又は雄側）が付着されて
おり、リモコン６０はこの平面ファスナ５８によってロ
ータンク４４の上面にきわめてしっかりと且つ着脱自在
に保持されている。

【００２３】この介護用トイレ設備にあっては、容器１
８を架台１２内に挿入し、マグネット２４がリードスイ
ッチ２２に対面すると、該リードスイッチ２２がＯＮと
なり、リモコン６０が操作可能となると共に、前記の通
りレバーハンドル５２もロック解除されて操作可能とな
る。

【００２４】被介護者が便座３２に座って用便した後、
介護者がリモコン６０を操作してシャワーノズル３６か
ら温水を噴出させ、臀部を温水で洗浄する。

【００２５】この際、リモコン６０がロータンク４４の
上面に設けられているので、介護者が便器１４の左側及
び右側のいずれに居ても手を少し伸ばすだけでリモコン
６０を操作でき、きわめて便利である。その後レバーハ
ンドル５２を操作してロータンク４４から水をリム通水
路４０に供給し、便鉢１６を洗浄する。排泄物や便器洗
浄水などは、すべて容器１８に収容される。

【００２６】介護者は、この容器１８を架台１２から取
り出してトイレルームにて処置し、綺麗になった容器１
８を再度架台１２に挿入する。

【００２７】上記実施の形態はポータブル式の介護用ト
イレ設備に関するものであるが、本発明は固定式の介護
用トイレ設備にも適用できる。

【００２８】また、上記実施の形態では平面ファスナ５
８を用いてリモコン６０を固定しているが、トレー状あ
るいは差し込み式など各種のリモコン受容部をロータン
ク４４に設けてもよい。

【００２９】なお、介護者が常に便器の左側（又は右
側）にのみ居る場合には、リモコン保持部をロータンク
の左側（又は右側）の側面に設けてもよい。ただし、本
発明では、リモコンが見易く、しかもスイッチ操作し易
いところから、リモコン保持部はロータンク又はカバー
上面に設けるのが好適である。

【００３０】上記実施の形態ではロータンクにリモコン
保持部を設けているが、ロータンクを覆うカバーが設け
られているときには、このカバーにリモコン保持部を設
ける。

【００３１】

【発明の効果】以上の通り、本発明によると、温水洗浄
装置を有する介護用トイレ設備において、温水洗浄装置
操作用リモコンを介護者が使用し易いものとなる。ま
た、リモコンの紛失も防止できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】実施の形態に係るポータブルトイレの断面図で
ある。

【符号の説明】

１２ 架台 １４ 便器 １６ 便鉢 １８ 容器 ２２ リードスイッチ ２４ マグネット ３０ 便座ボックス ３６ シャワーノズル ４４ ロータンク ５８ 平面ファスナ ６０ リモコン

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 便鉢を有する便器と、該便鉢に供給する
   便鉢洗浄水を貯水するためのロータンクと、該便器使用
   者の臀部を温水で洗浄するように温水を噴出する温水洗
   浄装置と、該温水洗浄装置を操作するためのリモコンと
   を有する介護用トイレ設備において、 該リモコンの保持部を該ロータンク又はロータンクを覆
   うカバーに設けたことを特徴とする介護用トイレ設備。
2. 【請求項２】 請求項１において、該保持部を前記ロー
   タンク又はカバーの上面に設けたことを特徴とする介護
   用トイレ設備。
3. 【請求項３】 請求項２において、前記ロータンク又は
   カバーの上面に前記保持部として平面ファスナが設けら
   れていることを特徴とする介護用トイレ設備。
4. 【請求項４】 請求項１ないし３のいずれか１項におい
   て、前記便器は移動可能式であり、且つ該便器からの排
   出物が導入される出入れ自在な容器を備えたポータブル
   式トイレ設備であることを特徴とする介護用トイレ設
   備。