JP2003147731A - 回折音波低減用パネル組立体及びそれを用いた防音壁 - Google Patents
回折音波低減用パネル組立体及びそれを用いた防音壁Info
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- JP2003147731A JP2003147731A JP2001346806A JP2001346806A JP2003147731A JP 2003147731 A JP2003147731 A JP 2003147731A JP 2001346806 A JP2001346806 A JP 2001346806A JP 2001346806 A JP2001346806 A JP 2001346806A JP 2003147731 A JP2003147731 A JP 2003147731A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 防音壁の高さを嵩上げすることなく、防音壁
の上端から廻り込む回折音を低減する。 【解決手段】 防音壁の上端部に回折音波低減用パネル
組立体10を取り付ける。回折音波低減用パネル組立体10
は、騒音源に面して取り付けられる吸音性の正面パネル
12と、この正面パネル12の上端に、一端側が騒音源側に
張り出し、他端側が騒音源と反対側に騒音源側より大き
く張り出すように、水平に取り付けられた吸音性の天端
パネル14と、この天端パネル14の騒音源と反対側の端縁
と正面パネル12の下端縁とを連結する吸音性の背面パネ
ル16とから構成される。正面パネル12及び天端パネル14
の表面板17は、多数の羽板19の間にスリット状開口部20
を有するがらり板で構成され、背面パネル16の表面板17
は多数の穴21を有するパンチング板で構成される。各パ
ネルの表面板17の内側には、吸音材18が配置されてい
る。
の上端から廻り込む回折音を低減する。 【解決手段】 防音壁の上端部に回折音波低減用パネル
組立体10を取り付ける。回折音波低減用パネル組立体10
は、騒音源に面して取り付けられる吸音性の正面パネル
12と、この正面パネル12の上端に、一端側が騒音源側に
張り出し、他端側が騒音源と反対側に騒音源側より大き
く張り出すように、水平に取り付けられた吸音性の天端
パネル14と、この天端パネル14の騒音源と反対側の端縁
と正面パネル12の下端縁とを連結する吸音性の背面パネ
ル16とから構成される。正面パネル12及び天端パネル14
の表面板17は、多数の羽板19の間にスリット状開口部20
を有するがらり板で構成され、背面パネル16の表面板17
は多数の穴21を有するパンチング板で構成される。各パ
ネルの表面板17の内側には、吸音材18が配置されてい
る。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】 本発明は、道路、鉄道、工
場等より発生する騒音を低減するための防音壁に取り付
けられる回折音波低減用パネル組立体と、それを取り付
けた防音壁に関するものである。
場等より発生する騒音を低減するための防音壁に取り付
けられる回折音波低減用パネル組立体と、それを取り付
けた防音壁に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】 これまで、道路、鉄道、工場等より発
生する騒音を低減するための防音壁としては、Ｈ型鋼か
らなる支柱の間に防音パネルを落とし込んだ構造のもの
が広く採用されている。こうした防音壁は、様々な騒音
発生源に対して直接的に騒音の伝達経路を遮断するた
め、効果的、かつ経済的である。しかしこのような単純
な構造の防音壁では、遮音効果を高めるために防音壁上
方から裏側に廻り込んでくる回折音を減衰させる必要が
あり、具体的には高速道路などの側壁の防音壁では防音
壁上部を道路側にアーチ形に湾曲させる等して、防音壁
の高さを嵩上げすることで回折音による影響を抑えるこ
とが実際に行われている。
生する騒音を低減するための防音壁としては、Ｈ型鋼か
らなる支柱の間に防音パネルを落とし込んだ構造のもの
が広く採用されている。こうした防音壁は、様々な騒音
発生源に対して直接的に騒音の伝達経路を遮断するた
め、効果的、かつ経済的である。しかしこのような単純
な構造の防音壁では、遮音効果を高めるために防音壁上
方から裏側に廻り込んでくる回折音を減衰させる必要が
あり、具体的には高速道路などの側壁の防音壁では防音
壁上部を道路側にアーチ形に湾曲させる等して、防音壁
の高さを嵩上げすることで回折音による影響を抑えるこ
とが実際に行われている。
【０００３】 しかし防音壁を高くすることは、風荷重
に耐えられるよう支柱構造が大型になり、施工が複雑に
なるだけでなく、周辺の電波障害、日照権、景観性等の
問題を惹起し、さらには圧迫感やメンテナンス性、コス
トアップなど多くの新たな問題を招いている。
に耐えられるよう支柱構造が大型になり、施工が複雑に
なるだけでなく、周辺の電波障害、日照権、景観性等の
問題を惹起し、さらには圧迫感やメンテナンス性、コス
トアップなど多くの新たな問題を招いている。
【０００４】 この問題に対処するため、特開２００１
−３３１８号公報には、防音壁本体の上端部に、３枚の
吸音性パネルを組み合わせた三角筒形の回折音波低減用
パネル組立体を取り付けることが開示されている。この
回折音波低減用パネル組立体は、防音壁の上端部に騒音
源に面して取り付けられる吸音性の正面パネルと、この
正面パネルの上端に、一端側が騒音源側に張り出し、他
端側が騒音源と反対側に騒音源側より大きく張り出すよ
うに、実質的に水平に取り付けられた吸音性の天端パネ
ルと、この天端パネルの騒音源と反対側の端縁と前記正
面パネルの下端縁とを連結する吸音性の背面パネルとか
らなるものである。このようなパネル組立体を防音壁本
体の上端部に取り付けることにより、防音壁の高さを高
くすることなく、防音壁の上端からまわり込む音を吸音
して、回折音を低減することが可能となる。
−３３１８号公報には、防音壁本体の上端部に、３枚の
吸音性パネルを組み合わせた三角筒形の回折音波低減用
パネル組立体を取り付けることが開示されている。この
回折音波低減用パネル組立体は、防音壁の上端部に騒音
源に面して取り付けられる吸音性の正面パネルと、この
正面パネルの上端に、一端側が騒音源側に張り出し、他
端側が騒音源と反対側に騒音源側より大きく張り出すよ
うに、実質的に水平に取り付けられた吸音性の天端パネ
ルと、この天端パネルの騒音源と反対側の端縁と前記正
面パネルの下端縁とを連結する吸音性の背面パネルとか
らなるものである。このようなパネル組立体を防音壁本
体の上端部に取り付けることにより、防音壁の高さを高
くすることなく、防音壁の上端からまわり込む音を吸音
して、回折音を低減することが可能となる。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】 しかしながら特開２
００１−３３１８号公報に開示されている回折音波低減
用パネル組立体は、音の伝播行路差は道路建築限界内で
は効率的に設計されているものの、特に回折音が防音壁
上部を回り込むときに重要となる天端パネルの吸音特性
が十分とはいえないことが分かった。
００１−３３１８号公報に開示されている回折音波低減
用パネル組立体は、音の伝播行路差は道路建築限界内で
は効率的に設計されているものの、特に回折音が防音壁
上部を回り込むときに重要となる天端パネルの吸音特性
が十分とはいえないことが分かった。
【０００６】 本発明の目的は、以上のような問題点に
鑑み、さらに回折音波低減性能を向上させた回折音波低
減用パネル組立体と、それを用いた防音壁を提供するこ
とにある。
鑑み、さらに回折音波低減性能を向上させた回折音波低
減用パネル組立体と、それを用いた防音壁を提供するこ
とにある。
【０００７】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するた
め、本発明は、防音壁本体の上端部に騒音源に面して取
り付けられる吸音性の正面パネルと、この正面パネルの
上端に、一端側が騒音源側に張り出し、他端側が騒音源
と反対側に騒音源側より大きく張り出すように、実質的
に水平に取り付けられた吸音性の天端パネルと、この天
端パネルの騒音源と反対側の端縁と前記正面パネルの下
端縁とを連結する吸音性の背面パネルとからなる回折音
波低減用パネル組立体において、前記正面パネル及び天
端パネルの表面板が多数の羽板の間にスリット状開口部
を有するがらり板で構成され、前記背面パネルの表面板
が多数の穴を有するパンチング板で構成されており、正
面パネル、天端パネル及び背面パネルは表面板の内側に
吸音材を有しており、かつ正面パネル及び天端パネルは
吸音材の背後に遮音板を有している、ことを特徴とする
ものである。
め、本発明は、防音壁本体の上端部に騒音源に面して取
り付けられる吸音性の正面パネルと、この正面パネルの
上端に、一端側が騒音源側に張り出し、他端側が騒音源
と反対側に騒音源側より大きく張り出すように、実質的
に水平に取り付けられた吸音性の天端パネルと、この天
端パネルの騒音源と反対側の端縁と前記正面パネルの下
端縁とを連結する吸音性の背面パネルとからなる回折音
波低減用パネル組立体において、前記正面パネル及び天
端パネルの表面板が多数の羽板の間にスリット状開口部
を有するがらり板で構成され、前記背面パネルの表面板
が多数の穴を有するパンチング板で構成されており、正
面パネル、天端パネル及び背面パネルは表面板の内側に
吸音材を有しており、かつ正面パネル及び天端パネルは
吸音材の背後に遮音板を有している、ことを特徴とする
ものである。
【０００８】 また本発明に係る防音壁は、防音壁本体
の上端部に上記のような回折音波低減用パネル組立体を
取り付けたことを特徴とするものである。
の上端部に上記のような回折音波低減用パネル組立体を
取り付けたことを特徴とするものである。
【０００９】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面を
参照して詳細に説明する。図１及び図２は本発明に係る
回折音波低減用パネル組立体の一実施形態を示す。この
回折音波低減用パネル組立体10は、吸音性の正面パネル
12、天端パネル14、背面パネル16で構成される。正面パ
ネル12は防音壁本体の上端部に騒音源（図１で左側）に
面して取り付けられる。天端パネル14は正面パネル12の
上端に、一端側が騒音源側に張り出し、他端側が騒音源
と反対側に騒音源側より大きく張り出すように、水平に
取り付けられている。背面パネル16は、天端パネル14の
騒音源と反対側の端縁と、正面パネル12の下端縁とを連
結している。したがって回折音波低減用パネル組立体10
の全体の形は、中空の三角筒形となる。
参照して詳細に説明する。図１及び図２は本発明に係る
回折音波低減用パネル組立体の一実施形態を示す。この
回折音波低減用パネル組立体10は、吸音性の正面パネル
12、天端パネル14、背面パネル16で構成される。正面パ
ネル12は防音壁本体の上端部に騒音源（図１で左側）に
面して取り付けられる。天端パネル14は正面パネル12の
上端に、一端側が騒音源側に張り出し、他端側が騒音源
と反対側に騒音源側より大きく張り出すように、水平に
取り付けられている。背面パネル16は、天端パネル14の
騒音源と反対側の端縁と、正面パネル12の下端縁とを連
結している。したがって回折音波低減用パネル組立体10
の全体の形は、中空の三角筒形となる。
【００１０】 正面パネル12、天端パネル14及び背面パ
ネル16はそれぞれ、表面にアルミ板等からなる表面板17
を有しており、この表面板17の内側に吸音材18を有して
いる。正面パネル12及び天端パネル14の表面板17は、多
数の羽板19の間に横長のスリット状開口部20を有するが
らり板で構成されている。正面パネル12の表面板17を構
成するがらり板の羽板19は斜め下向きに形成され、天端
パネル14の表面板17を構成するがらり板の羽板19はスリ
ット状開口部20が騒音源側に向くように斜め上向きに形
成されている。一方、背面パネル16の表面板17は円形又
は楕円形の穴21が多数形成されたパンチング板で構成さ
れている。吸音材18は例えばグラスウールをプラスチッ
クシートで包んだものである。
ネル16はそれぞれ、表面にアルミ板等からなる表面板17
を有しており、この表面板17の内側に吸音材18を有して
いる。正面パネル12及び天端パネル14の表面板17は、多
数の羽板19の間に横長のスリット状開口部20を有するが
らり板で構成されている。正面パネル12の表面板17を構
成するがらり板の羽板19は斜め下向きに形成され、天端
パネル14の表面板17を構成するがらり板の羽板19はスリ
ット状開口部20が騒音源側に向くように斜め上向きに形
成されている。一方、背面パネル16の表面板17は円形又
は楕円形の穴21が多数形成されたパンチング板で構成さ
れている。吸音材18は例えばグラスウールをプラスチッ
クシートで包んだものである。
【００１１】 また正面パネル12と天端パネル14は吸音
材18の背後に鉄板等からなる遮音板22を有している。こ
の遮音板22は吸音材18の背後に空気層24ができるように
配置されている。天端パネル14の遮音板22は、図１に示
すように、天端パネル14の騒音源側の端面とそれと反対
側の端面をも覆うように形成されている。一方、背面パ
ネル16の吸音材18の背後には遮音板がなく、吸音材18を
部分的に押さえる押さえ部材26が設けられているだけで
ある。
材18の背後に鉄板等からなる遮音板22を有している。こ
の遮音板22は吸音材18の背後に空気層24ができるように
配置されている。天端パネル14の遮音板22は、図１に示
すように、天端パネル14の騒音源側の端面とそれと反対
側の端面をも覆うように形成されている。一方、背面パ
ネル16の吸音材18の背後には遮音板がなく、吸音材18を
部分的に押さえる押さえ部材26が設けられているだけで
ある。
【００１２】 図２に示すように、正面パネル12は天端
パネル14及び背面パネル16より横方向の長さが長く、正
面パネル12の横方向の両端部は、天端パネル14及び背面
パネル16の横方向の両端から突出している。これは、正
面パネル12の横方向の両端部をＨ型鋼の支柱の溝に落と
し込めるようにして、取付け工事を容易にするためであ
る。
パネル14及び背面パネル16より横方向の長さが長く、正
面パネル12の横方向の両端部は、天端パネル14及び背面
パネル16の横方向の両端から突出している。これは、正
面パネル12の横方向の両端部をＨ型鋼の支柱の溝に落と
し込めるようにして、取付け工事を容易にするためであ
る。
【００１３】 また正面パネル12と天端パネル14と背面
パネル16で構成される三角筒の両端は、図２（ｃ）に示
すように、略三角形の端面板28によって塞がれている。
この端面板28にはジョイナー支持プレート30が取り付け
られている。
パネル16で構成される三角筒の両端は、図２（ｃ）に示
すように、略三角形の端面板28によって塞がれている。
この端面板28にはジョイナー支持プレート30が取り付け
られている。
【００１４】 以上が回折音波低減用パネル組立体10の
構造である。この回折音波低減用パネル組立体10は図３
に示すように防音壁本体32の上端部に取り付けられる。
防音壁本体32は、従来公知のもので、Ｈ型鋼の支柱を所
定の間隔で立て、支柱の間に防音パネルを多段に落とし
込む構造である。この実施形態では回折音波低減用パネ
ル組立体10の正面パネル12は、防音パネルと同じ構造、
同じ寸法にしてある。したがって、回折音波低減用パネ
ル組立体10は、正面パネル12を、防音パネルと同様に、
支柱の間に落とし込むことにより、防音壁本体に取り付
けることができる。
構造である。この回折音波低減用パネル組立体10は図３
に示すように防音壁本体32の上端部に取り付けられる。
防音壁本体32は、従来公知のもので、Ｈ型鋼の支柱を所
定の間隔で立て、支柱の間に防音パネルを多段に落とし
込む構造である。この実施形態では回折音波低減用パネ
ル組立体10の正面パネル12は、防音パネルと同じ構造、
同じ寸法にしてある。したがって、回折音波低減用パネ
ル組立体10は、正面パネル12を、防音パネルと同様に、
支柱の間に落とし込むことにより、防音壁本体に取り付
けることができる。
【００１５】 図１及び図２に示す回折音波低減用パネ
ル組立体を、図３のように防音壁本体の上端部に取り付
けると、次のような理由により回折音波を低減すること
ができる。すなわち、防音壁本体の上端から回り込む音
波は、伝搬途中で、正面パネル12、天端パネル14及び背
面パネル16の表面に入射して吸音される。また正面パネ
ル12及び天端パネル14は吸音材18の背後に空気層24を介
して遮音板22があるため、特に500 Ｈｚ以上の周波数領
域の吸音特性が良好で、パネル内部を透過する回折音を
遮音する効果がある。さらに天端パネル14の表面板17が
がらり板で構成されているため、防音壁上部を回り込む
回折音の吸音特性がすぐれている。
ル組立体を、図３のように防音壁本体の上端部に取り付
けると、次のような理由により回折音波を低減すること
ができる。すなわち、防音壁本体の上端から回り込む音
波は、伝搬途中で、正面パネル12、天端パネル14及び背
面パネル16の表面に入射して吸音される。また正面パネ
ル12及び天端パネル14は吸音材18の背後に空気層24を介
して遮音板22があるため、特に500 Ｈｚ以上の周波数領
域の吸音特性が良好で、パネル内部を透過する回折音を
遮音する効果がある。さらに天端パネル14の表面板17が
がらり板で構成されているため、防音壁上部を回り込む
回折音の吸音特性がすぐれている。
【００１６】 また背面パネル16は、吸音材18の背後に
遮音板がなく、吸音材18の背面の一部が押さえ部材26に
よって押さえられているだけなので、押さえ部材26が吸
音材18と接触しない部分では背後空気層が三角筒内の空
洞全体に及び、このために500 Ｈｚ以下の低周波領域の
吸音特性が向上する。したがって前述した正面パネル1
2、天端パネル14と合わせて回折音波が効果的に減衰さ
れる。
遮音板がなく、吸音材18の背面の一部が押さえ部材26に
よって押さえられているだけなので、押さえ部材26が吸
音材18と接触しない部分では背後空気層が三角筒内の空
洞全体に及び、このために500 Ｈｚ以下の低周波領域の
吸音特性が向上する。したがって前述した正面パネル1
2、天端パネル14と合わせて回折音波が効果的に減衰さ
れる。
【００１７】 さらに天端パネル14の背後の遮音板22
が、騒音源側とその反対側の両端部最上位まで形成され
ているため、少なくとも回折音波低減用パネル組立体10
の天端部最上位よりも下位部分に入射する音波は完全に
遮断できる。したがって騒音発生源と受音点との位置関
係から単純に導かれる音の伝搬経路差、いわゆる行路差
を効率的にかせぐことができ、この回折音波低減用パネ
ル組立体10を設置することによる挿入損失量が大きい。
また正面パネル12、天端パネル14及び背面パネル16は、
表面板17の裏側に吸音材18が配置され、かつ正面パネル
12及び天端パネル14は、吸音材18の背後に遮音板22によ
り背後空気層を有するよう構成されているため、吸音性
に優れる。
が、騒音源側とその反対側の両端部最上位まで形成され
ているため、少なくとも回折音波低減用パネル組立体10
の天端部最上位よりも下位部分に入射する音波は完全に
遮断できる。したがって騒音発生源と受音点との位置関
係から単純に導かれる音の伝搬経路差、いわゆる行路差
を効率的にかせぐことができ、この回折音波低減用パネ
ル組立体10を設置することによる挿入損失量が大きい。
また正面パネル12、天端パネル14及び背面パネル16は、
表面板17の裏側に吸音材18が配置され、かつ正面パネル
12及び天端パネル14は、吸音材18の背後に遮音板22によ
り背後空気層を有するよう構成されているため、吸音性
に優れる。
【００１８】 また、この回折音波低減用パネル組立体
10の防音壁本体32への取付けは、遮音壁本体32の片側だ
けから行うことが可能であり、例えば騒音源側からだ
け、あるいは騒音源側とは反対側からだけしか作業が出
来ない所でも問題なく施工できると共に、これまでの一
般的な防音壁の施工方法を何ら変更することなくＨ型鋼
等からなる支柱間に落とし込むだけで設置できるので、
施工性に富む。また特に道路側壁においては建築限界が
設定されるが、この回折音波低減用パネル組立体10は騒
音源側への突出部が小さくこの建築限界を越えることは
ない。
10の防音壁本体32への取付けは、遮音壁本体32の片側だ
けから行うことが可能であり、例えば騒音源側からだ
け、あるいは騒音源側とは反対側からだけしか作業が出
来ない所でも問題なく施工できると共に、これまでの一
般的な防音壁の施工方法を何ら変更することなくＨ型鋼
等からなる支柱間に落とし込むだけで設置できるので、
施工性に富む。また特に道路側壁においては建築限界が
設定されるが、この回折音波低減用パネル組立体10は騒
音源側への突出部が小さくこの建築限界を越えることは
ない。
【００１９】 次に、本発明の回折音波低減用パネル組
立体10を取り付けた本発明の防音壁と、特開２００１−
３３１８号公報記載の回折音波低減用パネル組立体を取
り付けた比較例の防音壁との比較試験について説明す
る。
立体10を取り付けた本発明の防音壁と、特開２００１−
３３１８号公報記載の回折音波低減用パネル組立体を取
り付けた比較例の防音壁との比較試験について説明す
る。
【００２０】 防音壁の実寸大モデルを用いたフィール
ド試験にて、音響的性能の比較実験を実施した。フィー
ルド試験の配置図を図４に示す。平坦なアスファルト路
面上に土台Ｈ鋼を２列平行に、設定された位置に固定
し、一方の土台上に、日本道路公団仕様金属製遮音板を
用いた統一型防音壁（反射側）を設置し、これと相対す
るように他方の土台上に、統一型防音壁の最上段の遮音
板のみを特開２００１−３３１８号公報記載の回折音波
低減用パネル組立体に置き換えた比較例の防音壁を設置
した。両防音壁とも、高さ3.03ｍ、長さ20.0ｍである。
さらに測定点側の防音壁の両側には回り込み防止のため
に同一高さ3.03ｍの統一型防音壁を10.0ｍ設置した。
ド試験にて、音響的性能の比較実験を実施した。フィー
ルド試験の配置図を図４に示す。平坦なアスファルト路
面上に土台Ｈ鋼を２列平行に、設定された位置に固定
し、一方の土台上に、日本道路公団仕様金属製遮音板を
用いた統一型防音壁（反射側）を設置し、これと相対す
るように他方の土台上に、統一型防音壁の最上段の遮音
板のみを特開２００１−３３１８号公報記載の回折音波
低減用パネル組立体に置き換えた比較例の防音壁を設置
した。両防音壁とも、高さ3.03ｍ、長さ20.0ｍである。
さらに測定点側の防音壁の両側には回り込み防止のため
に同一高さ3.03ｍの統一型防音壁を10.0ｍ設置した。
【００２１】 この状態Ａで、図４に示すように、音源
（ホーンスピーカーを下向き0.5 ｍ高さに設置し、ピン
クノイズを発生）、測定点（遮音壁より５ｍ、10ｍ離れ
た点P1、P2に、各々高さ1.2 ｍにマイクロフォンを設
置）を設定し、この位置関係を保持しつつ、音源と測定
点間に遮音壁が一切介在しない状態Ｂに対する音圧レベ
ル差、すなわち挿入損失Ｌ1 ＝（ＬB −ＬA ）を同期積
分法にて求めた。
（ホーンスピーカーを下向き0.5 ｍ高さに設置し、ピン
クノイズを発生）、測定点（遮音壁より５ｍ、10ｍ離れ
た点P1、P2に、各々高さ1.2 ｍにマイクロフォンを設
置）を設定し、この位置関係を保持しつつ、音源と測定
点間に遮音壁が一切介在しない状態Ｂに対する音圧レベ
ル差、すなわち挿入損失Ｌ1 ＝（ＬB −ＬA ）を同期積
分法にて求めた。
【００２２】 一方、上記比較例の防音壁の代わりに、
最上段に本発明の回折音波低減用パネル組立体10を取り
付けた本発明の防音壁（高さ3.03ｍ、長さ20.0ｍ）を設
置した状態Ｃの、前記音源と測定点間に遮音壁が一切介
在しない状態Ｂに対する挿入損失Ｌ2 ＝（ＬB −ＬC ）
を同期積分法にて求めた。
最上段に本発明の回折音波低減用パネル組立体10を取り
付けた本発明の防音壁（高さ3.03ｍ、長さ20.0ｍ）を設
置した状態Ｃの、前記音源と測定点間に遮音壁が一切介
在しない状態Ｂに対する挿入損失Ｌ2 ＝（ＬB −ＬC ）
を同期積分法にて求めた。
【００２３】 なお回折音波低減用パネル組立体の寸法
は、本発明、比較例とも、図１において、Ａ＝520 mm、
Ｂ＝520 mm、Ｃ＝597 mm、Ｄ＝80mm、Ｅ＝50mmである。
は、本発明、比較例とも、図１において、Ａ＝520 mm、
Ｂ＝520 mm、Ｃ＝597 mm、Ｄ＝80mm、Ｅ＝50mmである。
【００２４】 本発明の防音壁の挿入損失（Ａ特性加
重）Ｌ2 と、比較例の防音壁の挿入損失（Ａ特性加重）
Ｌ1 と、その差分を表１に示す。
重）Ｌ2 と、比較例の防音壁の挿入損失（Ａ特性加重）
Ｌ1 と、その差分を表１に示す。
【００２５】
【表１】
【００２６】 表１から明らかなように本発明の防音壁
は、特開２００１−３３１８号公報に記載された防音壁
よりも、回折音波低減性能をさらに２dB(A)向上させる
ことができる。
は、特開２００１−３３１８号公報に記載された防音壁
よりも、回折音波低減性能をさらに２dB(A)向上させる
ことができる。
【００２７】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、回
折音波低減用パネル組立体の天端パネルの表面板にがら
り板を使用したことにより、防音壁の上端部を回り込む
回折音波をさらに低減することができ、顕著な騒音低減
効果が得られる。
折音波低減用パネル組立体の天端パネルの表面板にがら
り板を使用したことにより、防音壁の上端部を回り込む
回折音波をさらに低減することができ、顕著な騒音低減
効果が得られる。
【図１】 本発明に係る回折音波低減用パネル組立体の
一実施例を示す断面図。
一実施例を示す断面図。
【図２】 図１の回折音波低減用パネル組立体の、
（ａ）は平面図、（ｂ）は正面図、（ｃ）は側面図、
（ｄ）は底面図、（ｅ）は背面図。
（ａ）は平面図、（ｂ）は正面図、（ｃ）は側面図、
（ｄ）は底面図、（ｅ）は背面図。
【図３】 図１の回折音波低減用パネル組立体を取り付
けた本発明の防音壁の断面図。
けた本発明の防音壁の断面図。
【図４】 防音壁の音響性能試験場の配置を示す、
（ａ）は垂直断面図、（ｂ）は平面図。
（ａ）は垂直断面図、（ｂ）は平面図。
10：回折音波低減用パネル組立体
12：正面パネル
14：天端パネル
16：背面パネル
17：表面板
18：吸音材
19：羽板
20：スリット状開口部
21：穴
22：遮音板
24：空気層
26：押さえ部材
28：端面板
30：ジョイナー支持プレート
32：防音壁本体
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(72)発明者 戸井 武司
東京都文京区春日１丁目13番27号 中央大
学理工学部内
(72)発明者 山田 良司
東京都千代田区内神田２丁目16番８号 古
河アルテック株式会社内
(72)発明者 池田 宏
東京都千代田区丸の内２丁目６番１号 古
河電気工業株式会社内
Ｆターム(参考） 2D001 AA01 BA01 BB01 CA02 CB03
CD03 CD05
2E001 DF02 DF03 DF04 FA03 FA30
GA18 HF15
5D061 FF01 FF07
Claims (2)
- 【請求項１】 防音壁本体の上端部に騒音源に面して取
り付けられる吸音性の正面パネル（12）と、この正面パ
ネル（12）の上端に、一端側が騒音源側に張り出し、他
端側が騒音源と反対側に騒音源側より大きく張り出すよ
うに、実質的に水平に取り付けられた吸音性の天端パネ
ル（14）と、この天端パネル（14）の騒音源と反対側の
端縁と前記正面パネル（12）の下端縁とを連結する吸音
性の背面パネル（16）とからなる回折音波低減用パネル
組立体において、 前記正面パネル（12）及び天端パネル（14）の表面板
（17）が多数の羽板（19）の間にスリット状開口部（2
0）を有するがらり板で構成され、前記背面パネル（1
6）の表面板（17）が多数の穴（21）を有するパンチン
グ板で構成されており、 正面パネル（12）、天端パネル（14）及び背面パネル
（16）は表面板の内側に吸音材（18）を有しており、か
つ正面パネル（12）及び天端パネル（14）は吸音材（1
8）の背後に遮音板（22）を有している、 ことを特徴とする回折音波低減用パネル組立体。 - 【請求項２】 防音壁本体（32）の上端部に請求項１記
載の回折音波低減用パネル組立体（10）を取り付けたこ
とを特徴とする防音壁。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2001346806A JP2003147731A (ja) | 2001-11-13 | 2001-11-13 | 回折音波低減用パネル組立体及びそれを用いた防音壁 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2001346806A JP2003147731A (ja) | 2001-11-13 | 2001-11-13 | 回折音波低減用パネル組立体及びそれを用いた防音壁 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2003147731A true JP2003147731A (ja) | 2003-05-21 |
Family
ID=19159906
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2001346806A Pending JP2003147731A (ja) | 2001-11-13 | 2001-11-13 | 回折音波低減用パネル組立体及びそれを用いた防音壁 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2003147731A (ja) |
Cited By (6)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2013053447A (ja) * | 2011-09-02 | 2013-03-21 | Shutoko Maintenance East Tokyo | 吸音部材 |
| CN106013486A (zh) * | 2016-07-28 | 2016-10-12 | 上海坦泽环保科技有限公司 | 一种墙面吸声体 |
| JP2019044573A (ja) * | 2017-08-29 | 2019-03-22 | 株式会社神戸製鋼所 | 防音壁 |
| JP2020094340A (ja) * | 2018-12-10 | 2020-06-18 | 日鉄建材株式会社 | 吸音パネル |
| JP2020176448A (ja) * | 2019-04-18 | 2020-10-29 | 日鉄建材株式会社 | 吸音パネル |
| JP7461773B2 (ja) | 2020-03-30 | 2024-04-04 | 日鉄神鋼建材株式会社 | 防音壁の頂部構造及び防音壁 |
-
2001
- 2001-11-13 JP JP2001346806A patent/JP2003147731A/ja active Pending
Cited By (8)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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| JP2013053447A (ja) * | 2011-09-02 | 2013-03-21 | Shutoko Maintenance East Tokyo | 吸音部材 |
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| JP2019044573A (ja) * | 2017-08-29 | 2019-03-22 | 株式会社神戸製鋼所 | 防音壁 |
| JP7058169B2 (ja) | 2017-08-29 | 2022-04-21 | 株式会社神戸製鋼所 | 防音壁 |
| JP2020094340A (ja) * | 2018-12-10 | 2020-06-18 | 日鉄建材株式会社 | 吸音パネル |
| JP7175734B2 (ja) | 2018-12-10 | 2022-11-21 | 日鉄神鋼建材株式会社 | 吸音パネル |
| JP2020176448A (ja) * | 2019-04-18 | 2020-10-29 | 日鉄建材株式会社 | 吸音パネル |
| JP7461773B2 (ja) | 2020-03-30 | 2024-04-04 | 日鉄神鋼建材株式会社 | 防音壁の頂部構造及び防音壁 |
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