JP2003147672A - 不織布製造装置及び製造方法 - Google Patents

不織布製造装置及び製造方法

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JP2003147672A
JP2003147672A JP2001344223A JP2001344223A JP2003147672A JP 2003147672 A JP2003147672 A JP 2003147672A JP 2001344223 A JP2001344223 A JP 2001344223A JP 2001344223 A JP2001344223 A JP 2001344223A JP 2003147672 A JP2003147672 A JP 2003147672A
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conveyor
yarn
yarn group
air flow
traveling direction
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JP2001344223A
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Katsuhiko Yoshida
勝彦 吉田
Tomoaki Nakanishi
智明 中西
Akihisa Fujio
明久 藤尾
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Kobe Steel Ltd
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Kobe Steel Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 糸条の本数が多くても、ムラなく均一な地
合の不織布を製造することができるものとする。 【解決手段】 連続した糸条群2を紡出する多数の紡孔
4を有する紡糸ノズル3と、紡糸ノズル3からの糸条群
2を吸引し延伸する糸条延伸装置5と、延伸された糸条
群2を捕集するコンベア6と、を有してなり、糸条延伸
装置5が、紡糸ノズル3から紡出された糸条群2を吸引
する入口7aと、該糸条群2を延伸するための吸引方向
の空気流が形成される通路7eと、延伸後の糸条群2を
コンベア6上に吹出す出口7bと、で構成されるスリッ
ト7をコンベア6の幅方向に延在させて有する不織布製
造装置1において、糸条延伸装置5の出口7bの下部
に、糸条群2のコンベア6の幅方向の動きを抑制する板
状のガイド部21bを並設した気流調整プレート21が
設けられる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、連続する糸条から
形成される不織布の製造装置及び製造方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来、合成樹脂等の非織性シート状構造
物(不織布)は、連続した糸条を紡出する多数の紡孔を
有する紡糸ノズルから糸状に押し出された溶融樹脂の糸
条群を、冷却空気流により冷却固化し、糸条延伸装置に
より吸引することで引張力を付与して細化し、そして、
糸条延伸装置内部に形成された空気流で延伸し、延伸後
の糸条群をコンベア上に吹付けて定着させることで連続
的に製造されるものであった。
【0003】上記のような方法で不織布を製造する不織
布製造装置の糸条延伸装置には、様々な創意工夫が施さ
れている。例えば、紡糸ノズルから紡出される糸条群を
吸引する入口と、糸条群を延伸するための吸引方向の空
気流が形成される通路と、延伸後の糸条群をコンベア上
に向けて吹出す出口とで構成され、コンベアの幅方向に
延在されたスリットを、コンベアの進行方向に2つ以上
備える糸条延伸装置があった。この糸条延伸装置による
と、1つのスリットで吸引される糸条群の本数を低減さ
せることができ、糸条同士の絡み合いを低減することが
できた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、2つの
スリットから吹出された空気流が衝突してしまい、糸条
同士の絡み合い等が生じるという問題があった。そこ
で、糸条延伸装置下部の2つのスリットの出口の間に気
流調整手段を設け、噴流を面に沿って吹付けると、噴流
の下流が曲面であってもかなりの範囲にわたって面に沿
って噴流が流れるというコアンダ効果により、2つの空
気流の衝突力及び衝突方向を制御していた。しかし、空
気流は、スリットの出口から吹出されると室内空気を随
伴することにより失速するため、糸条群は気流プレート
面上でコンベアの幅方向に大きく移動していた。その結
果、糸条同士が絡み合い等を生じてしまい、不織布にム
ラが生じ、充分均一な地合が得られないという問題があ
った。
【0005】また、図13に示す不織布製造装置101
において、糸条延伸装置105に吸引される直前の糸条
群102の速度は数千(m/分)となり、周囲の空気を
随伴して空気流を形成する。そのため、水平方向に冷却
空気チャンバ111の下部から供給される冷却空気は、
糸条群102を通過しにくく、糸条群102に引き寄せ
られていた。しかし、紡糸ノズル103から紡出された
直後の糸条群102の速度は数(m/分)であり、冷却
空気チャンバ111の上部から供給される冷却空気は糸
条群102を通過していた。そのため、紡糸ノズル10
3の下方にて、2つの冷却空気チャンバからの冷却空気
流が衝突し、空気流の乱れ、渦を生じていた。この空気
流の作用により、糸条群102の振れが大きくなってし
まい、糸条同士が絡み合い等を生じていた。その結果、
製造される不織布に欠陥やムラが生じ、良好な品質のも
のが得られないという問題があった。特に、樹脂によっ
ては、絡み合いに伴い糸切れが生じ、下流側ロールへの
巻付き等安定運転を阻害するという問題があった。
【0006】また、糸条群を含む空気流をコンベア上に
吹付ける際に、該空気流を予め定められた振幅にて偏向
させ、糸条が特定の速度でコンベアを横切って振り動く
ようにする方法があった。しかし、この方法であると、
制御が複雑である上、設備が大掛りなものとなってしま
うという問題があった。
【0007】また、不織布の生産性を向上させる方法の
うちの一つとして、単位長さ当りの糸条群の本数を増や
す方法があるが、糸条群の本数が4000本〜6000
本/m程度等の本数に増加すると、隣接する糸条間の距
離が短くなり、糸条同士が絡み合いや糸切れ等を生じて
しまい、不織布にムラが生じ、充分均一な地合が得られ
ないという問題があった。
【0008】本発明は上記課題に鑑みなされたものであ
り、糸条の本数が多くても、ムラなく均一な地合の不織
布を製造することができる不織布製造装置を提供するこ
とを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の不織布
製造装置は、連続した糸条を紡出する多数の紡孔を有す
る紡糸ノズルと、前記紡糸ノズルからの糸条群を吸引し
延伸する糸条延伸装置と、延伸された糸条群を捕集する
コンベアとを有してなり、前記糸条延伸装置が、前記紡
糸ノズルから紡出された糸条群を吸引する入口と、該糸
条群を延伸するための吸引方向の空気流が形成される通
路と、延伸後の糸条群を前記コンベア上に吹出す出口と
で構成されるスリットを前記コンベアの幅方向に延在さ
せて有する不織布製造装置において、前記出口の下部
に、糸条群の前記コンベアの幅方向の動きを抑制する板
状のガイド部を並設した気流調整プレートが設けられた
ことを特徴としている。
【00010】上記の構成によると、出口の下部に、糸
条群のコンベアの幅方向の動きを抑制する板状のガイド
部が並設した気流調整プレートが設けられているため、
噴流を面に沿って吹付けると、噴流の下流が曲面であっ
てもかなりの範囲にわたって面に沿って噴流が流れると
いうコアンダ効果が生じる。このコアンダ効果により、
気流調整プレートに沿って空気流が形成され、糸条延伸
装置から吹出された糸条群は、コンベアの進行方向の移
動が抑制されると共に、ガイド部によりコンベアの幅方
向に均一に分散される。これによって、糸条同士が絡み
合い等を生じることなく、糸条の本数が多くても安定し
た運転ができると共に、ムラなく均一な地合の不織布を
製造することができる。
【0011】尚、ガイド部のピッチは小さければ小さい
程、糸条が細かく整列され、ムラのない地合の良好な不
織布とすることができる。糸条群がスムーズに夫々のガ
イド部の間に分散されるためには、隣接するガイド部の
間の距離は3〜10mmであることが好ましい。また、
ガイド部のピッチは8〜30mmであることが好まし
い。
【0012】請求項2に記載の不織布製造装置は、請求
項1において、前記ガイド部が、矩形断面であり、上方
から下方にいくに従い前記コンベアの進行方向に、垂直
軸に対して両側に略均等に拡幅されていることを特徴と
している。
【0013】上記の構成によると、コアンダ効果によ
り、糸条延伸装置から吹出された空気流を、上方から下
方にいくに従いコンベアの進行方向に、垂直軸に対して
両側に略均等に拡幅することができる。そのため、糸条
群も空気流と共に拡幅され、隣接糸条間距離が均一に拡
大でき、糸条同士が絡み合い等を生じることなく、糸条
の本数が多くても安定した運転ができると共に、ムラな
く均一な地合の不織布を製造することができる。
【0014】尚、ガイド部の拡幅する角度は、気流調整
プレートに吹付けられる空気流の速度及び空気量によ
り、プレート面に沿って流れることができる程度であれ
ばよい。具体的には、ガイド溝底部で空気流の剥離等が
起こらないため、垂直軸に対してコンベアの前後方向に
向かって5°以下であることが好ましい。
【0015】請求項3に記載の不織布製造装置は、請求
項1又は2において、前記ガイド部が、垂直軸に対して
前記コンベアの幅方向に傾きを有することを特徴として
いる。
【0016】上記の構成によると、コンベアの幅方向の
糸条群の配向性を高めることができる。尚、ガイド部の
傾き角度は、垂直軸に対して5°から10°であること
が好ましい。
【0017】請求項4に記載の不織布製造装置は、請求
項1〜3のいずれかにおいて、前記ガイド部が、前記コ
ンベアの進行方向に対して傾きを有することを特徴とし
ている。
【0018】上記の構成によると、コンベアの幅方向の
糸条群の配向性を高めることができる。尚、ガイド部の
傾き角度は、垂直軸に対して15°から45°であるこ
とが好ましい。
【0019】請求項5に記載の不織布製造装置は、請求
項1〜4のいずれかにおいて、前記ガイド部の下端が三
角形状に突出して形成されていることを特徴としてい
る。
【0020】上記の構成によると、コンベアの幅方向と
共に進行方向の糸条群の配向性を高めることができる。
【0021】請求項6に記載の不織布製造装置は、請求
項1〜5のいずれかにおいて、前記スリットが前記コン
ベアの進行方向に2つ以上設けられており、夫々の前記
スリットに対応して前記気流調整プレートが設けられて
いることを特徴としている。
【0022】上記の構成によると、糸条群は、2つ以上
のスリットに分けて吸引されるため、夫々のスリットに
吸引される糸条群の本数を低減することができる。
【0023】請求項7に記載の不織布製造方法は、紡糸
ノズルから紡出される糸条群を、延伸するための空気流
が吸引方向に形成されたスリットに吸引し延伸した後、
延伸された糸条群を、コンベアの幅方向に整列させると
共に、前記コンベアの進行方向の前後に略均等に開繊さ
せて吹付けることを特徴としている。
【0024】上記の構成によると、紡糸ノズルから紡出
される糸条群を、延伸するための空気流が吸引方向に形
成されたスリットに吸引し延伸した後、延伸された糸条
群を、コンベアの幅方向に整列させると共に、コンベア
の進行方向の前後に略均等に開繊させて吹付ける。その
ため、延伸された糸条群はコンベアの幅方向の移動が抑
制されると共に、コンベアの進行方向に均一なものとさ
れ、糸条同士が絡み合い等を生じることなく、糸条の本
数が多くても安定した運転ができると共に、ムラなく均
一な地合の不織布を製造することができる。
【0025】請求項8に記載の不織布製造方法は、紡糸
ノズルから紡出される糸条群を、延伸するための空気流
が吸引方向に形成されたスリットに吸引し延伸した後、
延伸された糸条群を、コンベアの幅方向に整列させると
共に、前記コンベアの進行方向に対して傾いた方向の前
後に略均等に開繊させて吹付けることを特徴としてい
る。
【0026】上記の構成によると、紡糸ノズルから紡出
される糸条群を、延伸するための吸引方向に空気流が形
成されたスリットに吸引し延伸した後、延伸された糸条
群を、コンベアの幅方向に整列させると共に、コンベア
の進行方向の前後に略均等に開繊させて吹付ける。その
ため、延伸された糸条群はコンベアの幅方向の移動が抑
制されると共に、コンベアの進行方向に対して傾いた方
向の前後に略均等に開繊されるため、コンベアの進行方
向に均一なものとされる。そのため、糸条同士が絡み合
い等を生じることなく、糸条の本数が多くても安定した
運転ができると共に、ムラなく均一な地合で、コンベア
の幅方向の強度が向上した不織布を製造することができ
る。
【0027】請求項9に記載の不織布製造装置は、連続
した糸条を紡出する多数の紡孔を有する紡糸ノズルと、
前記紡糸ノズルからの糸条群に冷却空気を送る冷却空気
チャンバと、冷却された糸条群を吸引し延伸する糸条延
伸装置と、延伸された糸条群を捕集するコンベアとを有
してなり、前記冷却空気チャンバが前記紡糸ノズルから
の糸条群を挟んで前記コンベアの進行方向前後に設けら
れており、前記糸条延伸装置が前記紡糸ノズルから紡出
された糸条群を吸引する入口と、該糸条群を延伸するた
めの吸引方向の空気流が形成される通路と、延伸後の糸
条群を前記コンベア上に吹出す出口とで構成されスリッ
トを前記コンベアの幅方向に延在させて有する不織布製
造装置において、前記スリットが前記コンベアの進行方
向に2つ以上設けられており、前記紡糸ノズルの前記多
数の紡孔が前記スリットに対応して配設され、夫々の前
記スリットに対応する前記多数の紡孔の間に間隔が設け
られていることを特徴としている。
【0028】上記の構成によると、スリットがコンベア
の進行方向に2つ以上設けられており、紡糸ノズルの多
数の紡孔がスリットに対応して配設され、夫々のスリッ
トに対応する多数の紡孔の間に間隔が設けられている。
そのため、冷却空気チャンバからの空気が、紡出された
直後の速度の遅い糸条間を通過し、紡糸ノズルの下部で
冷却空気が衝突して空気流の乱れや渦が生じる空間が形
成されても、糸条はその空気流の作用を受けない。その
ため、糸条同士が絡み合い等を生じることなく、糸条の
本数が多くても安定した運転ができると共に、ムラなく
均一な地合の不織布を製造することができる。尚、この
間隔は、コンベアの進行方向に30mmから50mmで
あることが好ましい。
【0029】請求項10に記載の不織布製造装置は、請
求項9において、前記間隔の下部に、隔壁が設けられて
いることを特徴としている。
【0030】上記の構成によると、夫々の冷却空気チャ
ンバからの空気流を下方に向かう空気流とすることがで
きるため、冷却空気が衝突するのを防止することができ
る。尚、この隔壁は、垂直方向に100mmから200
mmの長さであることが好ましい。
【0031】請求項11に記載の不織布製造方法は、紡
糸ノズルから紡出される糸条群を、コンベアの進行方向
に相互間に空間を形成して2つ以上に分割し、分割され
た糸条群を、前記コンベアの進行方向前後から冷却空気
を送って冷却し、延伸するための吸引方向に空気流が形
成された2つ以上のスリットに吸引し、延伸することを
特徴としている。
【0032】上記の構成によると、紡糸ノズルから紡出
される糸条群を、コンベアの進行方向に相互間に空間を
形成して2つ以上に分割し、分割された糸条群を、コン
ベアの進行方向前後から冷却空気を送って冷却し、延伸
するための吸引方向に空気流が形成された2つ以上のス
リットに吸引し、延伸する。そのため、その空間にて冷
却空気が衝突して空気流の乱れや渦が生じる空間が形成
されても、糸条はその空気流の作用を受けない。そのた
め、糸条同士が絡み合い等を生じることなく、糸条の本
数が多くても安定した運転ができると共に、ムラなく均
一な地合の不織布を製造することができる。
【0033】請求項12に記載の不織布製造装置は、連
続した糸条を紡出する多数の紡孔を有する紡糸ノズル
と、前記紡糸ノズルからの糸条群を吸引し延伸する糸条
延伸装置と、延伸された糸条群を捕集するコンベアと、
を有してなり、前記糸条延伸装置が、前記紡糸ノズルか
ら紡出された糸条群を吸引する入口と、該糸条群を延伸
するための吸引方向の空気流が形成される通路と、延伸
後の糸条群を前記コンベア上に吹出す出口と、で構成さ
れるスリットを前記コンベアの幅方向に延在させて有す
る不織布製造装置において、前記スリットが前記コンベ
アの進行方向に2つ設けられ、前記コンベア下部に、前
記出口下方の空気を吸引する吸引機構が設けられてお
り、前記吸引機構は、前記出口間をその周辺よりも強力
に吸引することを特徴としている。
【0034】上記の構成によると、スリットがコンベア
の進行方向に2つ設けられ、コンベア下部に、出口下方
の空気を吸引する吸引機構が設けられて吸引機構は、出
口間をその周辺よりも強力に吸引する。そのため、夫々
のスリットから吹出された空気流を、互いに干渉させあ
ってコンベアの進行方向に振幅運動させると共に、コン
ベアの幅方向に振幅運動を伝播させることができ、糸条
群は均一に開繊することができる。そのため、糸条同士
が絡み合い等を生じることなく、糸条の本数が多くても
安定した運転ができると共に、ムラなく均一な地合の不
織布を製造することができる。
【0035】また、吸引機構により吸引される空気量を
変更することにより、不織布の引張強度、縦横比率を変
更することができる。吸引機構を弱くすることにより、
糸条群がコンベアの進行方向により多く配向するため、
不織布の引張強度縦横比率は大きくなり、吸引空気量を
強くすることにより、糸条群がコンベアの幅方向により
多く配向するため、不織布の引張強度縦横比率を小さく
することができる。
【0036】尚、スリットの入口の幅は2mm〜6mm
で、出口は3mm〜10mmであることが好ましく、入
口と出口の間隙比は1.2〜2.0であることが好まし
い。また、吸引機構により吸引される空気量は、糸条延
伸装置からの噴出流に対して3倍から8倍であることが
好ましい。
【0037】請求項13に記載の不織布製造装置は、請
求項12において、前記出口の下部に、糸条群の前記コ
ンベアの幅方向の動きを抑制する板状のガイド部が並設
した気流調整プレートが設けられたことを特徴としてい
る。
【0038】上記の構成によると、コンベアの進行方向
の移動が抑制されると共に、ガイド部によりコンベアの
幅方向に均一に分散されて、コンベアの進行方向の移動
が抑制される。
【0039】請求項14に記載の不織布製造方法は、紡
糸ノズルから紡出される糸条群を、延伸するための吸引
方向に空気流が形成された、コンベアの進行方向に2つ
あるスリットに吸引し延伸した後、夫々のスリットから
延伸された糸条群を略同量の流量及び流速の空気流と共
に噴出させ、前記空気流を相互間に負圧を形成すること
で互いに干渉させ、前記空気流内に属する糸条群を前記
コンベアの進行方向に振幅運動させると共に、前記コン
ベアの幅方向に該振幅運動を伝播させることを特徴とし
ている。
【0040】上記の構成によると、紡糸ノズルから紡出
される糸条群を、延伸するための吸引方向に空気流が形
成された、コンベアの進行方向に2つあるスリットに吸
引し延伸した後、夫々のスリットから延伸された糸条群
を略同量の流量及び流速の空気流と共に噴出させ、空気
流を相互間に負圧を形成することで互いに干渉させ、空
気流内に属する糸条群を前記コンベアの進行方向に振幅
運動させると共に、コンベアの幅方向に該振幅運動を伝
播させる。そのため、糸条同士が絡み合い等を生じるこ
となく、糸条の本数が多くても安定した運転ができると
共に、ムラなく均一な地合の不織布を製造することがで
きる。
【0041】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施の形態につ
いて、図1乃至図5を参照して説明する。図1におい
て、連続した糸条を紡出する多数の紡孔4を有する紡糸
ノズル3と、紡糸ノズル3からの糸条群2に冷却空気を
送る冷却空気チャンバ11と、冷却された糸条群2を吸
引し延伸する糸条延伸装置5と、糸条延伸装置5の下部
に設けられた気流調整プレート21と、延伸された糸条
群2を捕集するコンベア6とを有する。更に、コンベア
6の下流にはエンボスロール13が配設されている。
【0042】紡糸ノズル3は、押出機12に連結されて
おり、下面に多数の紡孔4を有する。この紡孔4は、コ
ンベア6の進行方向の略中央に間隔を有してコンベア6
の進行方向の前後に略均等に配分して設けられている。
これにより、冷却空気チャンバ11からの空気が、紡出
された直後の速度の遅い糸条間を通過し、紡糸ノズル3
の下部で冷却空気が衝突して空気流の乱れや渦が生じる
空間が形成されても、糸条はその空気流の作用を受けな
い。尚、この間隔はコンベア6の進行方向に30mmか
ら50mmであることが好ましい。
【0043】上記に示した間隔の下部には、隔壁14が
設けられている。隔壁14は、紡糸ノズル3と糸条延伸
装置5との間の上方に存在していれば十分である。下方
まで存在すると、切れた糸がついて邪魔なものとなって
しまう場合がある。そのため、隔壁14は垂直方向に1
00mmから200mmであることが好ましい。
【0044】尚、本実施形態においては、上記の間隔に
隔壁14が設けられる場合について説明しているが、隔
壁14は設けられなくても、間隔が設けられていれば、
冷却空気チャンバ11、11からの空気流の衝突や渦が
生じても、その空気流の作用を受けることはない。その
ため、糸条群2の絡み合い等することを防止することが
できる。
【0045】冷却空気チャンバ11は、紡糸ノズル3か
らの糸条群2を挟んでコンベア6の進行方向前後に対向
して配設され、紡糸ノズル3の下端から、糸条延伸装置
5の間に設けられている。尚、冷却空気チャンバ11は
図示しない冷却空気供給源と接続されている。
【0046】糸条延伸装置5は、紡糸ノズル3から紡出
された糸条群2を吸引する入口7aと、糸条群2を延伸
するための吸引方向の空気流が形成される通路7eと、
延伸後の糸条群2をコンベア6上に吹出す出口7bとで
構成されるスリット7をコンベア6の幅方向に延在させ
て有する。このスリット7は、図1において、コンベア
6の進行方向に2つ設けられている。通路7eは、噴出
部7dを介して図示しない空気供給源と接続された空気
室7cが連結されており、圧縮空気が空気室7cに供給
されると、噴出部7dにて噴出流が形成され、通路7e
の下方に向かってこの噴出流を噴出させることで、通路
7eに糸条群2を吸引し延伸する空気流が形成される。
【0047】尚、2つのスリット7の、入口7aの間隙
は2mmから6mmであることが好ましい。出口7bの
間隙は3mmから10mmであることが好ましい。更
に、入口7aと出口7bとの間隙比(入口7a幅/出口
7b幅)は、1.2から2.0の間であることが好まし
い。
【0048】気流調整プレート21は、糸条延伸装置5
の夫々の出口7bの下部に設けられている。図2〜4に
おいて、気流調整プレート21は、基礎部21aと、基
礎部21aにコンベア6の幅方向に並設されたガイド部
21bとを備えている。図2において、ガイド部21b
は、垂直軸に対してθ1、θ2の傾きで、コンベア6の進
行方向前後に略均等に拡幅されている。
【0049】ガイド部21bは、垂直軸に対してθ1
θ2の傾きで、コンベア6の進行方向前後に略均等に拡
幅されているため、糸条延伸装置5から吹出された糸条
群2は、噴流を面に沿って吹付けると、噴流の下流が曲
面であってもかなりの範囲にわたって面に沿って噴流が
流れるというコアンダ効果により、気流調整プレート2
1に沿って空気流が形成される。そのため、糸条延伸装
置5から吹出された空気流は、上方から下方にいくに従
いコンベア6の進行方向に、垂直軸に対して両側に略均
等に拡幅される。この時、糸条群2も空気流と共に拡幅
され、隣接糸条間距離が均一に拡大でき、糸条同士が絡
み合い等を生じるのを防止することができる。
【0050】尚、この傾きθ1、θ2は、コアンダ効果に
よりコンベア6の進行方向に拡幅される空気流が、ガイ
ド部21b内部で剥離しない程度であればよい。具体的
には、θ1、θ2は8°以下であればよいが、5°以下で
あることが好ましい。また、加工が容易なものとなるた
め、3.5°であることが好ましい。
【0051】図3において、ガイド部21bは、垂直軸
に対してコンベア6の幅方向に垂直に並設されている。
また、図4において、ガイド部21bは、コンベア6の
進行方向に対して平行に並設されている。隣接するガイ
ド部21bの間の距離L、及びガイド部21bのピッチ
Pは小さければ小さい程、コンベア6の幅方向に糸条が
細かく整列され、ムラのない地合の良好な不織布とする
ことができる。尚、糸条群2がスムーズに夫々のガイド
部21bの間に分散されるためには、隣接するガイド部
21bの間の距離Lは3mmから10mmであることが
好ましく、また、ガイド部21bのピッチPは8mmか
ら30mmであることが好ましい。
【0052】コンベア6は、図示しない駆動装置に接続
された駆動ロール6bと、複数の従動ロール6cと、駆
動ロール6bと複数の従動ロール6cとの間に掛けられ
たベルト6aとで構成されている。更に、ベルト6aの
糸条延伸装置5の出口7bの下部付近に、吸引機構10
が備えられている。
【0053】吸引機構10は、略中央の出口7bの真下
付近に、強力に空気を吸引することが可能である中央吸
引部10aを有している。中央吸引部10aで周囲より
も強力に空気を吸引することで、出口7b、7bの下部
に負圧を形成し、スリット7、7から吹出された空気流
を、互いに干渉させあってコンベア6の進行方向に振幅
運動させると共に、コンベア6の幅方向に振幅運動を伝
播させることができる。これにより、糸条群2は均一に
開繊され、コンベア6の幅方向にも進行方向にも配向性
を高めることができる。
【0054】エンボスロール13は、コンベア6の下流
に設けられており、糸条延伸装置5から吹付けられた糸
条群2がコンベア6のベルト6a上に吹付けられてウェ
ブ8となったものを、上下から挟み込み、押圧力を与え
るものである。
【0055】本実施形態の不織布製造装置1は、上記の
ように構成されている。以下、不織布が製造される工程
について説明する。
【0056】押出機12により、紡糸ノズル3の夫々の
紡孔4から、連続する糸条として紡出された糸条は、糸
条群2となる。糸条群2は、ベルト6aの進行方向前後
に略均等に分割されている。この時、冷却空気チャンバ
11、11に冷却空気供給源から冷却空気が供給され、
冷却空気チャンバ11、11から糸条群2、2に向かっ
てコンベア6の進行方向前後から水平方向に冷却空気が
送られている。また、スリット7、7の空気室7c、7
cに空気供給源から空気が供給され、スリット7、7に
は下方に向かう空気流が形成されている。
【0057】紡糸ノズル3から紡出された糸条群2、2
は、冷却空気チャンバ11、11から冷却空気流が吹付
けられて冷却固化されながら、糸条延伸装置5の上面に
開口している入口7a、7aから吸引され、引張力を受
けて細化する。
【0058】この際、紡孔4から紡出された直後の糸条
群2、2は速度が遅く、吹付けられた冷却空気流は糸条
群2、2の糸条の間を通過する。しかし、糸条群2、2
の間を通過した冷却空気流は、隔壁14に夫々ぶつかり
下方への空気流となるため、冷却空気チャンバ11、1
1からの冷却空気流が衝突して、空気流が乱れたり、渦
が生じたりすることはない。
【0059】入口7a、7aから吸引された糸条群2、
2は、スリット7、7にて延伸され、出口7b、7bか
らコンベア6に向かって吹出される。この時、コンベア
6は、駆動ロール6bが回転駆動されることにより、ベ
ルト6aは走行している。
【0060】出口7b、7bから吹出された空気流に含
まれる糸条群2、2は、気流調整プレート21、21の
ガイド部21b、21bの間に均等に配分され、ベルト
6aの幅方向に整列される。また、出口7b、7bから
吹出された空気流は、噴流を面に沿って吹付けると、噴
流の下流が曲面であってもかなりの範囲にわたって面に
沿って噴流が流れるというコアンダ効果により、上方か
ら下方に向かって、ガイド部21bの拡幅に沿って、コ
ンベア6の進行方向の前後に均等に拡幅される。そのた
め、ガイド部21b間に均等に配分された糸条群2、2
は、上方から下方に向かってコンベア6の進行方向前後
に均等に開繊される。
【0061】図5において、気流調整プレート21から
放出された糸条群2、2は、吸引機10にて下方から吸
引され、ベルト6a上でウェブ8となる。この際、中央
吸引部10aにて強力に吸引することにより、気流調整
プレート21の基礎部21a、21aの下方に負圧領域
が形成される。周囲は大気圧であるため、該負圧領域が
形成されると、糸条群2、2を含む空気流は相互干渉し
てコンベア6の進行方向に振幅運動し、これに伴いベル
ト6aの幅方向に振幅運動が伝播する。そのため、糸条
群2、2は、コンベア6の進行方向及び幅方向に、均一
に分散して開繊されることとなる。
【0062】吸引機構10により吸引される空気量を変
更することにより、製造される不織布の引張強度、縦横
比率を変更することができる。例えば、吸引機構10か
らの吸引を弱くすることにより、糸条群2をコンベア6
の進行方向により多く配向させ、不織布の引張強度縦横
比率を大きくすることができる。また、吸引機構10か
らの吸引を強くすることにより、糸条群2をコンベア6
の幅方向により多く配向させ、不織布の引張強度縦横比
率を小さくすることができる。
【0063】尚、スリット7の入口7aの幅は2mm〜
6mmで、出口7bは3mm〜10mmであることが好
ましく、入口7aと出口7bの間隙比は1.2〜2.0
であることが好ましい。また、吸引機構10により吸引
される空気量は、糸条延伸装置5からの噴出流に対して
3倍から8倍であることが好ましい。
【0064】尚、気流調整プレートは上述した形態に限
定されるものではなく、以下に示す変形例がある。
【0065】(変形例1)気流調整プレートの変形例1
を、図6乃至図9を参照して説明する。気流調整プレー
ト31は、基礎部31aにガイド部31bがコンベア6
の幅方向に列設されて形成されている。図6において、
ガイド部31bは、下端が三角形状とされている。この
ガイド部31bの下端に設けられる三角形状は、基礎部
31aの高さH1に対して張り出し量H2を有して形成さ
れる。このH2は、H1の15〜30%の比率になるよう
に設定することが好ましい。図7において、ガイド部3
1bは、コンベア6の幅方向に垂直軸に対して角度θ3
傾けられている。この角度θ3は、5°から10°であ
ることが好ましい。
【0066】気流調整プレート31によると、ガイド部
31bの図中右側の糸条群2は、図9(ア)に示すよう
に、ガイド部31bの下端の三角形状にて、コンベア6
の進行方向に対してずれて案内される。また、同様に、
図9(イ)に示すように、ガイド部31bの図中左側の
糸条群2はコンベアの進行方向に対してずれて案内され
る。これらが合わさって、図9(ウ)に示すように糸条
群2は案内される。これにより、糸条群2のコンベア6
の幅方向の配向性を高めることができる。
【0067】また、変形例1において、図8(b)に示
すように、ガイド部31bは、コンベア6の進行方向に
対して角度α傾いているものとすることができる。ガイ
ド部31bのコンベア6の進行方向に対する角度αは、
45°以下の範囲であることが好ましい。
【0068】(変形例2)気流調整プレートの変形例2
を、図10乃至図12を参照して説明する。気流調整プ
レート41は、本体41に溝41aがコンベア6の幅方
向に列設されて形成される。
【0069】図12に示すように、溝41aはコンベア
6の進行方向に対して角度θ4傾けられている。この角
度θ4は45°以下であることが好ましい。
【0070】気流調整プレート41によると、溝41a
により、糸条群2をコンベア6の幅方向に配向すること
ができると共に、コンベア6の進行方向に対する角度θ
4の傾きにより、糸条群2をコンベア6の進行方向に傾
きを持たせて配向することができ、コンベア6の幅方向
の強度が向上した不織布を製造することができる。
【0071】なお、実施の形態は上記に限定されるもの
ではなく、例えば、以下に示すように変更して実施して
もよい。 (1)コンベアはベルトタイプの場合について説明した
が、これに限定されるものではない。例えば、コンベア
はドラムタイプのものであってもよい。
【0072】(2)気流調整プレートは、ガイド部のコ
ンベア進行方向両側に基礎部が設けられているものであ
ってもよい。
【0073】(3)糸条延伸装置にスリットが3つ以上
設けられ、気流調整プレートは3つ以上であってもよ
い。同様に、糸条延伸装置にスリットが1つ設けられ、
気流調整プレートが1つであってもよい。
【0074】(4)糸条群を糸条延伸装置下部にて振幅
運動をさせる方法は、他の手段を伴って、糸条群をコン
ベアの進行方向に振幅運動させるものであってもよい。
【0075】
【実施例】次に、気流調整プレートの種々の形態を採用
したいくつかの実施例に基づいて本発明を具体的に説明
する。 (実施例1)本実施形態例において、気流調整プレート
21のガイド部21bの、θ1、θ2が3.5°、ガイド
部21bのピッチPが8(mm)、ガイド部21b間の
距離Lが3(mm)、高さが250(mm)である気流
調整プレート21を用いて、不織布を製造し、コンベア
6の進行方向(MD方向)と、コンベア6の幅方向(C
D方向)について、引張強度を測定した。そして、(M
D方向強度)/(CD方向強度)を算出した。また、M
D方向、CD方向について、伸びを測定した。これらの
結果を、表1に示す。
【0076】(実施例2)本実施形態例において、変形
例1に示した気流調整プレート31のガイド部31b
の、θ1、θ2が3.5°、θ3が7°、ピッチPが8
(mm)、ガイド部31b間の距離Lが4(mm)、H
1が250(mm)、H2が60(mm)、角度αが0°
である気流調整プレート31を用いて、不織布を製造
し、コンベア6の進行方向(MD方向)と、コンベア6
の幅方向(CD方向)について、引張強度を測定した。
そして、(MD方向強度)/(CD方向強度)を算出し
た。また、MD方向、CD方向について、伸びを測定し
た。これらの結果を、表1に示す。
【0077】(実施例3)本実施形態例において、変形
例2で示した気流調整プレート41の、本体41の
θ1、θ2が3.5°、θ4が30°、ピッチPが30
(mm)、溝41aの間の距離Lが10(mm)、高さ
が250(mm)である気流調整プレート41を用い
て、不織布を製造し、コンベア6の進行方向(MD方
向)と、コンベア6の幅方向(CD方向)について、引
張強度を測定した。そして、(MD方向強度)/(CD
方向強度)を算出した。また、MD方向、CD方向につ
いて、伸びを測定した。これらの結果を、表1に示す。
【0078】
【表1】
【0079】[表1]を参照すると、実施例1では、糸条
群はMD方向に分散し、MD方向により多く配向するこ
とができるため、MD方向の強度を高めることができ
た。実施例2及び実施例3では、糸条群はCD方向に分
散し、CD方向により多く配向することができるため、
CD方向の強度を高めることができた。また、実施例1
〜3によると、気流調整プレートの形状を変化させるこ
とにより、引張強度の縦横比率(MD/CD)の値や、
MD方向、CD方向の伸びを変更することができた。
【0080】
【発明の効果】請求項1の発明によると、糸条延伸装置
の出口の下部に、糸条群のコンベアの幅方向の動きを抑
制する板状のガイド部が並設した気流調整プレートが設
けられているため、糸条延伸装置から吹出された糸条群
は、噴流を面に沿って吹付けると、噴流の下流が曲面で
あってもかなりの範囲にわたって面に沿って噴流が流れ
るというコアンダ効果により気流調整プレートに沿って
空気流が形成され、コンベアの進行方向の移動が抑制さ
れると共に、ガイド部によりコンベアの幅方向に均一に
分散されて、コンベアの進行方向の移動が抑制され、糸
条同士が絡み合い等を生じることなく、糸条の本数が多
くても安定した運転ができると共に、ムラなく均一な地
合の不織布を製造することができる。
【0081】請求項2の発明によると、コアンダ効果に
より、糸条延伸装置から吹出された空気流を、上方から
下方にいくに従いコンベアの進行方向に、垂直軸に対し
て両側に略均等に拡幅することができる。そのため、糸
条群も空気流と共に拡幅され、隣接糸条間距離が均一に
拡大でき、糸条同士が絡み合い等を生じることなく、糸
条の本数が多くても安定した運転ができると共に、ムラ
なく均一な地合の不織布を製造することができる。
【0082】請求項3、又は請求項4の発明によると、
コンベアの幅方向の糸条群の配向性を高めることができ
る。また、請求項5の発明によると、コンベアの幅方向
と共に進行方向の糸条群の配向性を高めることができ
る。
【0083】請求項6の発明によると、糸条群は、2つ
以上のスリットに分けて吸引されるため、夫々のスリッ
トに吸引される糸条群の本数を低減することができる。
【0084】請求項7の発明によると、紡糸ノズルから
紡出される糸条群を、延伸するための吸引方向に空気流
が形成されたスリットに吸引し延伸した後、延伸された
糸条群を、コンベアの幅方向に整列させると共に、コン
ベアの進行方向の前後に略均等に開繊させて吹付けるた
め、延伸された糸条群はコンベアの幅方向の移動が抑制
されると共に、コンベアの進行方向に均一なものとさ
れ、糸条同士が絡み合い等を生じることなく、糸条の本
数が多くても安定した運転ができると共に、ムラなく均
一な地合の不織布を製造することができる。
【0085】請求項8の発明によると、紡糸ノズルから
紡出される糸条群を、延伸するための吸引方向に空気流
が形成されたスリットに吸引し延伸した後、延伸された
糸条群を、コンベアの幅方向に整列させると共に、コン
ベアの進行方向の前後に略均等に開繊させて吹付ける。
そのため、延伸された糸条群はコンベアの幅方向の移動
が抑制されると共に、コンベアの進行方向に対して傾い
た方向の前後に略均等に開繊されるため、コンベアの進
行方向に均一なものとされる。そのため、糸条同士が絡
み合い等を生じることなく、糸条の本数が多くても安定
した運転ができると共に、ムラなく均一な地合で、コン
ベアの幅方向の強度が向上した不織布を製造することが
できる。
【0086】請求項9の発明によると、スリットがコン
ベアの進行方向に2つ以上設けられており、紡糸ノズル
の多数の紡孔がスリットに対応して配設され、夫々のス
リットに対応する多数の紡孔の間に間隔が設けられてい
るため、冷却チャンバからの空気が、紡出された直後の
速度の遅い糸条間を通過し、紡糸ノズルの下部で冷却空
気が衝突して空気流の乱れや渦が生じる空間が形成され
ても、糸条はその空気流の作用を受けない。そのため、
糸条同士が絡み合いや等を生じることがなく、糸条の本
数が多くても安定した運転ができると共に、ムラなく均
一な地合の不織布を製造することができる。
【0087】請求項10の発明によると、夫々の冷却空
気チャンバからの空気流を下方に向かう空気流とするこ
とができるため、冷却空気が衝突するのを防止すること
ができる。
【0088】請求項11の発明によると、紡糸ノズルか
ら紡出される糸条群を、コンベアの進行方向に相互間に
空間を形成して2以上に分割し、分割された糸条群を、
コンベアの進行方向前後から冷却空気を送って冷却し、
延伸するための吸引方向に空気流が形成された2以上の
スリットに吸引し、延伸するため、その空間にて冷却空
気が衝突して空気流の乱れや渦が生じる空間が形成され
ても、糸条はその空気流の作用を受けない。そのため、
糸条同士が絡み合い等を生じることなく、糸条の本数が
多くても安定した運転ができると共に、ムラなく均一な
地合の不織布を製造することができる。
【0089】請求項12の発明によると、スリットがコ
ンベアの進行方向に2つ設けられ、コンベア下部に、出
口下方の空気を吸引する吸引機構が設けられており、吸
引機構は、出口間をその周辺よりも強力に吸引するた
め、夫々のスリットから吹出された空気流を、互いに干
渉させあってコンベアの進行方向に振幅運動させると共
に、コンベアの幅方向に振幅運動を伝播させることがで
き、糸条群は均一に開繊することができる。そのため、
糸条同士が絡み合い等を生じることなく、糸条の本数が
多くても安定した運転ができると共に、ムラなく均一な
地合の不織布を製造することができる。
【0090】請求項13の発明によると、コンベアの進
行方向の移動が抑制されると共に、ガイド部によりコン
ベアの幅方向に均一に分散されて、コンベアの進行方向
の移動が抑制される。
【0091】請求項14の発明によると、紡糸ノズルか
ら紡出される糸条群を、延伸するための吸引方向に空気
流が形成された、コンベアの進行方向に2つあるスリッ
トに吸引し延伸した後、夫々のスリットから延伸された
糸条群を略同量の流量及び流速の空気流と共に噴出さ
せ、空気流を相互間に負圧を形成することで互いに干渉
させ、空気流内に属する糸条群を前記コンベアの進行方
向に振幅運動させると共に、コンベアの幅方向に該振幅
運動を伝播させるため、糸条群は均一に開繊することが
でき、糸条同士が絡み合い等を生じることなく、糸条の
本数が多くても安定した運転ができると共に、ムラなく
均一な地合の不織布を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の不織布製造装置の一実施形態例を示す
概略構成図である。
【図2】気流調整プレートの側面図である。
【図3】気流調整プレートの正面図である。
【図4】図3に示す気流調整プレートのA―A´線矢視
断面図である。
【図5】糸条延伸装置下方の作動を示す側面図である。
【図6】気流調整プレートの側面図である。
【図7】気流調整プレートの正面図である。
【図8】図7に示す気流調整プレートのB―B´線矢視
断面図である。
【図9】図7に示す点線部分での糸条群の動作を示す拡
大図である。
【図10】気流調整プレートの側面図である。
【図11】気流調整プレートの正面図である。
【図12】図11に示す気流調整プレートのC―C´線
矢視断面図である。
【図13】従来の不織布製造装置の概略構成図である。
【符号の説明】
1 不織布製造装置 2 糸条群 3 紡糸ノズル 4 紡孔 5 糸条延伸装置 6 コンベア 6a ベルト 6b 駆動ローラ 6b 従動ローラ 7 スリット 7a 入口 7b 出口 7c 空気室 7d 噴出部 7e 通路 8 ウェブ 10 吸引機構 10a 中央吸引部 11 冷却空気チャンバ 12 押出機 13 エンボスロール 14 隔壁 21 気流調整プレート 21a 基礎部 21b ガイド部
フロントページの続き (72)発明者 藤尾 明久 大阪府大阪市西区江戸堀1丁目6番14号 株式会社神戸製鋼所大阪支社内 Fターム(参考) 4L045 AA05 BA01 DA19 DA41 DC01 4L047 BA08 BA23 EA06

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 連続した糸条を紡出する多数の紡孔を有
    する紡糸ノズルと、前記紡糸ノズルからの糸条群を吸引
    し延伸する糸条延伸装置と、延伸された糸条群を捕集す
    るコンベアとを有してなり、 前記糸条延伸装置が、前記紡糸ノズルから紡出された糸
    条群を吸引する入口と、該糸条群を延伸するための吸引
    方向の空気流が形成される通路と、延伸後の糸条群を前
    記コンベア上に吹出す出口とで構成されるスリットを前
    記コンベアの幅方向に延在させて有する不織布製造装置
    において、 前記出口の下部に、糸条群の前記コンベアの幅方向の動
    きを抑制する板状のガイド部を並設した気流調整プレー
    トが設けられたことを特徴とする不織布製造装置。
  2. 【請求項2】 前記ガイド部が、矩形断面であり、上方
    から下方にいくに従い前記コンベアの進行方向に、垂直
    軸に対して両側に略均等に拡幅されていることを特徴と
    する請求項1に記載の不織布製造装置。
  3. 【請求項3】 前記ガイド部が、垂直軸に対して前記コ
    ンベアの幅方向に傾きを有することを特徴とする請求項
    1又は2に記載の不織布製造装置。
  4. 【請求項4】 前記ガイド部が、前記コンベアの進行方
    向に対して傾きを有することを特徴とする請求項1〜3
    のいずれかに記載の不織布製造装置。
  5. 【請求項5】 前記ガイド部の下端が三角形状に突出し
    て形成されていることを特徴とする請求項1〜4に記載
    の不織布製造装置。
  6. 【請求項6】 前記スリットが前記コンベアの進行方向
    に2つ以上設けられており、夫々の前記スリットに対応
    して前記気流調整プレートが設けられていることを特徴
    とする請求項1〜5のいずれかに記載の不織布製造装
    置。
  7. 【請求項7】 紡糸ノズルから紡出される糸条群を、延
    伸するための空気流が吸引方向に形成されたスリットに
    吸引し延伸した後、延伸された糸条群を、コンベアの幅
    方向に整列させると共に、前記コンベアの進行方向の前
    後に略均等に開繊させて吹付けることを特徴とする不織
    布製造方法。
  8. 【請求項8】 紡糸ノズルから紡出される糸条群を、延
    伸するための空気流が吸引方向に形成されたスリットに
    吸引し延伸した後、延伸された糸条群を、コンベアの幅
    方向に整列させると共に、前記コンベアの進行方向に対
    して傾いた方向の前後に略均等に開繊させて吹付けるこ
    とを特徴とする不織布製造方法。
  9. 【請求項9】 連続した糸条を紡出する多数の紡孔を有
    する紡糸ノズルと、前記紡糸ノズルからの糸条群に冷却
    空気を送る冷却空気チャンバと、冷却された糸条群を吸
    引し延伸する糸条延伸装置と、延伸された糸条群を捕集
    するコンベアとを有してなり、 前記冷却空気チャンバが前記紡糸ノズルからの糸条群を
    挟んで前記コンベアの進行方向前後に設けられており、
    前記糸条延伸装置が前記紡糸ノズルから紡出された糸条
    群を吸引する入口と、該糸条群を延伸するための吸引方
    向の空気流が形成される通路と、延伸後の糸条群を前記
    コンベア上に吹出す出口と、で構成されスリットを前記
    コンベアの幅方向に延在させて有する不織布製造装置に
    おいて、 前記スリットが前記コンベアの進行方向に2つ以上設け
    られており、前記紡糸ノズルの前記多数の紡孔が前記ス
    リットに対応して配設され、夫々の前記スリットに対応
    する前記多数の紡孔の間に間隔が設けられていることを
    特徴とする不織布製造装置。
  10. 【請求項10】 前記間隔の下部に、隔壁が設けられて
    いることを特徴とする請求項9に記載の不織布製造装
    置。
  11. 【請求項11】 紡糸ノズルから紡出される糸条群を、
    コンベアの進行方向に相互間に空間を形成して2つ以上
    に分割し、分割された糸条群を、前記コンベアの進行方
    向前後から冷却空気を送って冷却し、延伸するための吸
    引方向に空気流が形成された2つ以上のスリットに吸引
    し、延伸することを特徴とする不織布製造方法。
  12. 【請求項12】 連続した糸条を紡出する多数の紡孔を
    有する紡糸ノズルと、前記紡糸ノズルからの糸条群を吸
    引し延伸する糸条延伸装置と、延伸された糸条群を捕集
    するコンベアとを有してなり、 前記糸条延伸装置が、前記紡糸ノズルから紡出された糸
    条群を吸引する入口と、該糸条群を延伸するための吸引
    方向の空気流が形成される通路と、延伸後の糸条群を前
    記コンベア上に吹出す出口とで構成されるスリットを前
    記コンベアの幅方向に延在させて有する不織布製造装置
    において、 前記スリットが前記コンベアの進行方向に2つ設けら
    れ、前記コンベア下部に、前記出口下方の空気を吸引す
    る吸引機構が設けられており、前記吸引機構は、前記出
    口間をその周辺よりも強力に吸引することを特徴とする
    不織布製造装置。
  13. 【請求項13】 前記出口の下部に、糸条群の前記コン
    ベアの幅方向の動きを抑制する板状のガイド部を並設し
    た気流調整プレートが設けられたことを特徴とする請求
    項12に記載の不織布製造装置。
  14. 【請求項14】 紡糸ノズルから紡出される糸条群を、
    延伸するための吸引方向に空気流が形成された、コンベ
    アの進行方向に2つあるスリットに吸引し延伸した後、
    夫々のスリットから延伸された糸条群を略同量の流量及
    び流速の空気流と共に吹出させ、前記空気流を相互間に
    負圧を形成することで互いに干渉させ、前記空気流内に
    属する糸条群を前記コンベアの進行方向に振幅運動させ
    ると共に、前記コンベアの幅方向に該振幅運動を伝播さ
    せることを特徴とする不織布製造方法。
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