JP2003147550A - 表面処理アルミニウム缶用板材 - Google Patents

表面処理アルミニウム缶用板材

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JP2003147550A JP2002212844A JP2002212844A JP2003147550A JP 2003147550 A JP2003147550 A JP 2003147550A JP 2002212844 A JP2002212844 A JP 2002212844A JP 2002212844 A JP2002212844 A JP 2002212844A JP 2003147550 A JP2003147550 A JP 2003147550A
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    • C23CCOATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; SURFACE TREATMENT OF METALLIC MATERIAL BY DIFFUSION INTO THE SURFACE, BY CHEMICAL CONVERSION OR SUBSTITUTION; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 樹脂フィルムの接着性(密着性)及び耐食性
に優れ、フェザーリングやアルミニウム臭混入が生じな
い、2ピース缶のエンド材及びボディー材として好適な
表面処理アルミニウム缶用板材を提供する。 【解決手段】 アルミニウム又はアルミニウム合金から
なる金属基材1と、該金属基材の表面に形成された陽極
酸化皮膜からなる下地層2と、この下地層2の表面に塗
布されたシランカップリング剤の塗布層3と、塗布層3
の表面に形成された有機樹脂層4とを備える。前記陽極
酸化皮膜の空孔率は30%以下とする。また、シリコン
(Si)、りん(P)、硼素(B)、イオウ(S)若し
くは炭素(C)成分のうち少なくとも一種を合計50p
pm以上含有することとする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、食品を収納するア
ルミニウム缶、特に清涼飲料、アルコール飲料等飲料を
収納するための2ピース缶のボディー材及びエンド材
(蓋材)として好適な表面処理アルミニウム缶用板材及
びその製造方法に関するものである。特に、アルミニウ
ム缶用ボディー材及びエンド材表面に有機樹脂フィルム
をラミネートする際の板材と樹脂フィルムの接着性(密
着性)、耐食性、加工性を改善する技術に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来から飲料缶をはじめとするアルミニ
ウム缶用のボディー材やエンド材には、アルミニウム基
材の表面に硫酸アルマイトやリン酸アルマイト等の多孔
質の陽極酸化皮膜を下地層として形成し、その陽極酸化
皮膜の表面に樹脂フィルムをラミネートした表面処理ア
ルミニウム缶用板材が採用されている。この表面処理ア
ルミニウム缶用板材における陽極酸化皮膜は、基本的に
はアルミニウム板の表面部分に形成される無孔質のバリ
ア層の上に、多孔質層が成長して形成される。通常、こ
のような多孔質陽極酸化皮膜の空孔率は、60〜70%
である。なお、空孔率とは、陽極酸化皮膜の表面を見た
場合に、孔のあいている面積を全面積で除算した値であ
る。
【0003】ところが、かかる従来の表面処理アルミニ
ウム缶用板材は、必ずしも必要な接着性(密着性)や耐
食性を満たすものではなかった。すなわち、表面処理ア
ルミニウム缶用板材は、缶に加工する際にラミネートし
た有機樹脂フィルムがアルミニウム表面から剥離しない
よう強い接着性が要求されると共に、使用時においても
強い密着性を保つことが要求される。ボディー材の場
合、絞りしごき、絞り加工に加えてストレッチ加工して
さらにしごき加工を加えるような厳しい加工を行うの
で、板材と有機樹脂層の密着性が低い場合には有機樹脂
層が剥離してしまう場合がある。エンド材の場合、特に
使用時に密着性が充分でないと、缶を開缶したときに、
開缶タブの周辺で有機樹脂フィルムが剥がれて、フェザ
ーリングと呼ばれる羽毛状の剥離が生じるという現象が
生じてしまう。さらには、この剥離が大幅に生じると有
機樹脂膜が延びて切断されなくなり、開缶が困難になる
おそれもある。また、表面処理アルミニウム缶用板材
は、内容物に対する耐食性も要求される。耐食性が充分
でないと、アルミニウムが飲料中に溶出し、アルミニウ
ム臭が混入する現象が生じてしまう。
【0004】一方、本発明者は、かねてより多孔質陽極
酸化皮膜を有する表面処理アルミ材の、耐食性、ガス放
出性、アルミ基材に対する密着性を改善する目的で、空
孔率が5%未満である無孔質の陽極酸化皮膜を得る技術
について研究開発を進め、その成果を、特開平5−25
694号、特開平8−283991号、特開平8−28
3990号、特開平9−184093号などにおいて特
許出願していた。そこで、かかる無孔質の陽極酸化皮膜
を使用した表面処理アルミニウム缶エンド材についても
検討したところ、フェザーリング及びアルミニウム臭混
入の防止効果が得られたので、特開平11−12796
号において出願をした。さらには、表面処理アルミニウ
ム材の耐食性、ガス放出性及び密着性は、無孔質ではな
くとも、空孔率が5〜30%である微孔質陽極酸化皮膜
であれば著しく改善できることを知見し、その研究成果
は特願2000−379382号として出願した。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記特
開平11−12796号に係る表面処理アルミニウム缶
エンド材も、レトルト処理(100〜130℃に数分か
ら数十分加温する処理)をする飲料缶に使用すると、フ
ェザーリングやアルミニウム臭が混入することがあっ
た。これは、強い温飲料水環境にさらされるために、フ
ィルムの密着性が低下したり、フィルムに欠陥が生じて
耐食性が低下するためであると考えられた。ボディー材
の場合もレトルト処理のような高温環境では有機樹脂層
の密着性が低下し易く、有機樹脂層の剥離、浮き上がり
が生じて下地のアルミニウムが飲料中に流出してしまう
ことがあった。
【0006】本発明は、上記の課題を解決するためにな
されたものであって、樹脂フィルムの接着性(密着性)
及び耐食性に優れ、フェザーリングやアルミニウム臭混
入が生じない、2ピース缶のエンド材、及びアルミニウ
ム溶出の少ないボディー材として好適な表面処理アルミ
ニウム缶用板材を提供することを目的とする。また本発
明は、上記の優れた特性を有する表面処理アルミニウム
缶用板材の製造方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
検討した結果、密着性及び耐食性の低下は、フィルムか
ら僅かに浸透してくる水分により、下地層の陽極酸化皮
膜表面の水酸基(OH 基)を基点として水和反応が
生じることに起因することを見出した。そして、かかる
知見に基づき鋭意検討した結果、シランカップリング剤
を用いれば、上記水酸基とシランカップリング剤の官能
基が結合して、水酸基を基点とする水和反応を抑制でき
ること、及びシランカップリング剤がアルミニウムと有
機樹脂との結合を強めることを見出した。
【0008】すなわち、本発明は上記課題を解決するた
め、アルミニウム又はアルミニウム合金からなる金属基
材と、該金属基材の表面に形成された陽極酸化皮膜から
なる下地層と、この下地層の表面に塗布されたシランカ
ップリング剤の層と、このシランカップリング剤の層の
表面に形成された有機樹脂層とを備え、前記陽極酸化皮
膜の空孔率が30%以下で、かつ、シリコン(Si)、
りん(P)、硼素(B)、イオウ(S)若しくは炭素
(C)成分のうち少なくとも一種を合計50ppm以上
含有することを特徴とする表面処理アルミニウム缶用板
材を提供する。
【0009】本発明によれば、無孔質、又は微孔質の陽
極酸化皮膜にシランカップリング剤を塗布することによ
って、シランカップリング剤の官能基であるシラノール
基(−Si−OH)が、陽極酸化皮膜表面の水酸基と反
応してAl−O−Si結合を形成する。そのため、水和
の進行を抑制でき、極めて良好な耐食性、耐汚れ性、接
着適性を示す表面処理アルミニウム材とすることができ
る。また、本発明の陽極酸化皮膜は、シリコン(S
i)、りん(P)、硼素(B)、イオウ(S)若しくは
炭素(C)成分のうち少なくとも一種を合計50ppm
以上含有しているものとした。陽極酸化皮膜と有機樹脂
フィルムとの接着力は、物理的接着力(主にアンカー効
果)と化学的接着力(化学結合、水素結合、ファンデル
ワールス力)があるが、陽極酸化皮膜に上記Si、P、
B、S若しくはC成分が50ppm以上存在すると、S
i−O−Si、Si−O−P、Si−O−B、Si−O
−Sの結合を形成したり、また、Cがシランカップリン
グ剤の有機基の親和性を向上させ、シランカップリング
剤との結合力を増進させることを見出したからである。
このSi、P、B、S若しくはC成分による化学結合力
の増進効果は、これらの成分が合計で50ppm以上含
まれていることが好ましく、より好ましくは100pp
m以上含まれているのが良い。これらの成分の中でも、
Si又はPによる化学結合力の増進効果が大きく、特に
Siによる効果が著しい。Siの場合は100ppm以
上20,000ppm以下含有していると効果が大き
い。また、P、B、S若しくはCについては、50pp
m以上含まれていれば上記の効果を得ることができ、特
にP及びBは20,000ppm以下、Cは50,00
0ppm以下の範囲において効果が著しい。Sは250
00ppm以下が好ましい。25000ppmを越える
とフィルム貼り合せ時に表面から揮発して密着性を低下
させる場合がある。これらの成分を適量含んだ陽極酸化
皮膜を得るには、これらの成分を適量含む電解質溶液を
使用し、適正な電解条件を選択して陽極酸化処理を行
う。さらに、本発明によれば、シランカップリング剤の
有機官能基が有機樹脂と反応して強固な結合力を発揮
し、金属基材と有機樹脂との間に強い接着力が付与され
る。そのため、接着性(密着性)及び耐食性に優れ、フ
ェザーリングやアルミニウム臭混入が生じない、2ピー
ス缶のエンド材、及びアルミニウム溶出の少ないボディ
ー材として好適な表面処理アルミニウム缶用板材とする
ことができる。
【0010】本発明において、陽極酸化皮膜の膜厚は、
0.005μm以上とすることが望ましい。0.005
μmより薄ければ耐食性向上の効果が得られないからで
ある。また、陽極酸化皮膜の膜厚は0.05μm以上と
することがより望ましい。これにより、安定した空孔率
を有する皮膜の形成が可能となり、良好な耐食性及び密
着性が得られる。一方、陽極酸化皮膜の膜厚は0.5μ
m以下とすることが望ましい。陽極酸化皮膜の膜厚が厚
いほど、金属基材を保護して腐食を防止する効果の向上
が期待できるものの、あまり厚くしすぎると、缶の加工
に際し表面にクラックが発生し、かえって密着性や耐食
性が低下し、フェザーリングやアルミ臭混入が生じやす
くなるからである。なお、シランカップリング剤を塗布
しない場合は、0.3μm以下としなければクラックに
よる耐腐食性低下が問題となるが、本発明によればシラ
ンカップリング剤がクラック内の水酸基と反応してAl
−O−Si結合を形成する。そのため、水和の進行を抑
制でき、陽極酸化皮膜の厚みを充分に確保して、極めて
良好な耐食性、耐汚れ性、接着適性を示す表面処理アル
ミニウム材とすることができる。また、陽極酸化皮膜の
膜厚は0.3μm以下とすることが、さらに望ましい。
これにより、プレス加工を行う場合に、クラックがさら
に発生しにくくなり、接着性等の低下が起こりにくくな
る。
【0011】本発明において、前記シランカップリング
剤の官能基としては、ビニル基、エポキシ基、アミノ
基、メタクリル基、ウレイド基、又はクロロアルキル基
が挙げられるが、エポキシ基、又はアミノ基である有機
官能基を有することが、他の官能基を有する場合と比較
して高い密着性を達成できるので望ましい。
【0012】本発明において、前記シランカップリング
剤の塗布量は、0.01mg/m以上であることが望
ましい。0.01mg/m よりも少ないと、塗布に
よる効果が得られないからである。また、シランカップ
リング剤の塗布量は、0.1mg/m 以上であるこ
とが、より望ましい。これにより、均一性良く塗布でき
ると共に、金属基材表面の圧延目などの凹凸の状態が多
少変化しても、安定して良好な性能が得られる。一方、
シランカップリング剤の塗布量は、200mg/m
以下とすることが望ましい。200mg/m よりも
多いと、プレス加工時に外部からの力が加わった際に、
カップリング剤層の内部が破れる凝集破壊という現象が
生じ、密着性が低下するからである。
【0013】本発明において、前記有機樹脂層が、単層
又は多層構造のポリエステル系樹脂からなり、全体の膜
厚が3〜50μmであることが望ましい。このように、
ポリエステル系樹脂を用いることにより、加工性、耐衝
撃性が向上する。また、樹脂自体に起因してアルミニウ
ム缶内部の飲料の味を損なうこともない。ここで、膜厚
を3μm以上とすべきなのは、これよりも薄いと水分が
透過しやすくなり、また、有機樹脂層の不具合に基づく
欠陥が生じやすくなるからである。この膜厚は、8μm
以上であることがより望ましい。これにより、缶に加工
した際でもフィルムの破れはなくなり、また、水分の透
過も少なくなり良好な耐食性、密着性が得られる。一
方、膜厚を50μm以下とすべきなのは、これ以上厚く
すると、加工時に潤滑性が悪いために、加工不良を生じ
やすくなるからである。この膜厚は、20μm以下であ
ることがより望ましい。これにより、加工不良がなくな
る。
【0014】本発明において、前記有機樹脂層がポリエ
ステル樹脂から成る場合、シランカップリング剤の層に
接する部分は、テレフタル酸とエチレングリコール以外
の共重合成分を3%以上共重合することによって、及び
/又は共重合成分を含まないポリエチレンテレフタレー
トに共重合成分を含む共重合ポリエステル樹脂を混合し
た後の樹脂全体の共重合成分が3%以上になるように混
合することによって、ポリエチレンテレフタレートより
も低融点とされたポリエステル系樹脂とすることが望ま
しい。すなわち、多層構造の場合は、シランカップリン
グ剤に接する接着層がテレフタル酸とエチレングリコー
ル以外の共重合成分を3%以上共重合することによっ
て、及び/又は共重合成分を含まないポリエチレンテレ
フタレートに共重合成分を含む共重合ポリエステル樹脂
を混合した後の樹脂全体の共重合成分が3%以上になる
ように混合することによって、ポリエチレンテレフタレ
ートよりも低融点とされたポリエステル系樹脂であるこ
とが望ましい。また、単層構造の場合は、全体がテレフ
タル酸とエチレングリコール以外の共重合成分を3%以
上共重合することによって、及び/又は共重合成分を含
まないポリエチレンテレフタレートに共重合成分を含む
共重合ポリエステル樹脂を混合した後の樹脂全体の共重
合成分が3%以上になるように混合することによって、
ポリエチレンテレフタレートよりも低融点とされたポリ
エステル系樹脂であることが望ましい。通常のポリエス
テル系樹脂の溶融温度は約260℃であり、シランカッ
プリング剤に接着する際に溶融温度まで加熱すると、シ
ランカップリング剤が熱分解してしまう場合がある。し
かし、このように、テレフタル酸とエチレングリコール
以外の共重合成分を3%以上共重合することによって、
及び/又は共重合成分を含まないポリエチレンテレフタ
レートに共重合成分を含む共重合ポリエステル樹脂を混
合した後の樹脂全体の共重合成分が3%以上になるよう
に混合することによって、ポリエチレンテレフタレート
よりも低融点とされたポリエステル系樹脂とすると、溶
融温度を240℃以下に低下させることができる。この
ため、シランカップリング剤を熱分解してしまうことな
く、ポリエステル樹脂層を接着することができる。テレ
フタル酸とエチレングリコール以外の共重合成分は、5
0%以下共重合する。また、ポリエチレンテレフタレー
ト以外の共重合ポリエステルを50%以下混合すること
が好ましい。いずれも50%を超えると融点が低下し過
ぎて板との貼り合わせが困難となるからである。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して説明するが、本発明は以下の実施の形態に限
定されるものではない。図1は、本発明の一実施形態に
係る表面処理アルミニウム缶用の板材Aを示すもので、
アルミニウム又はアルミニウム合金からなる金属基材1
と、この金属基材1の表面に形成された陽極酸化皮膜か
らなる下地層2と、この下地層の表面にシランカップリ
ング剤が塗布された塗布層3と、このシランカップリン
グ剤の層の表面に形成された有機樹脂層4とを具備して
板状に形成されている。
【0016】前記金属基材1は、アルミニウム又はアル
ミニウム合金からなり、飲料缶に用いた場合の耐ブロー
アップ性の点から、エンド材向けにはAl−Mg系のJ
IS5000系合金が、ボディー材向けにはAl−Mn
系のJIS3000系合金が好適に採用できる。なお、
金属基材1としては、この合金等の表面に付着した油脂
分を除去し、基材表面の不均質な酸化皮膜などを除去す
るための前処理が施されたものも使用できる。
【0017】前記下地層2は、前記金属基材1を陽極酸
化することで形成される。この陽極酸化処理(いわゆる
アルマイト処理)は、基材を構成するアルミニウム又は
アルミニウム合金を電解液に浸漬して陽極処理を行う陽
極酸化処理によって陽極酸化皮膜を形成するものであ
る。下地層2は、このような陽極酸化処理を後述する特
定の方法で行うことにより、空孔率30%以下の微孔質
又は無孔質の陽極酸化皮膜(アルマイト被膜)から形成
されている。なお、空孔率とは、陽極酸化皮膜表面の測
定領域において孔の形成されている部分の面積を全測定
面積で除算した値、すなわち、空孔率={(孔のあいて
いる面積)/(全測定面積)}×100の関係式で示さ
れるものである。また、下地層2の膜厚は、0.005
〜0.5μmとされている。これは、0.005μmよ
り薄ければ耐食性が得られず、一方、0.5μmよりも
厚いと、多孔質化しやすくなり、無孔質膜又は微孔質膜
とすることが困難だからである。なお、より望ましい膜
厚の範囲は0.05〜0.3μmである。
【0018】前記塗布層3は、シランカップリング剤を
下地層2に塗布することにより形成されている。シラン
カップリング剤とは、分子中に2個以上の反応基を持つ
有機ケイ素単量体をいう。この反応基には、無機質(ガ
ラス、金属など)と化学結合する反応基と、有機材料
(各種合成樹脂)と化学結合する反応基とが含まれる。
無機質と化学結合する反応基としてはシラノール基(−
Si−OH)がある。また、有機質と化学結合する反応
基としては、例えば、ビニル基、エポキシ基、アミノ
基、メタクリル基、又はウレイド基などがある。
【0019】塗布層3におけるシランカップリング剤の
塗布量は、0.01〜200mg/m である。これ
は、0.01mg/m よりも少ないと、塗布による
効果が得られず、200mg/m よりも多いと、加
工時等に外部からの力が加わった際に、カップリング剤
層の内部が破れる凝集破壊という現象が生じ、密着性が
低下するからである。なお、より望ましい塗布量は、
0.1〜200mg/mである。
【0020】本実施形態において、有機樹脂層4は、塗
布層3に直接接する接着層4aと、その表面に形成され
た表層4bとからなる。接着層4aは、テレフタル酸と
エチレングリコール以外の共重合成分を3%以上共重合
することによって、及び/又は共重合成分を含まないポ
リエチレンテレフタレートに共重合成分を含む共重合ポ
リエステル樹脂を混合した後の共重合成分が樹脂全体の
3%以上になるように混合することによって、ポリエチ
レンテレフタレートよりも低融点とされたポリエステル
系樹脂で、その融点はポリエチレンテレフタレートのみ
の場合よりも低い200℃である。接着層4aの主構成
単位は、エチレンテレフタレートの重合体である。共重
合成分を3%以上共重合するとは、樹脂中のテレフタル
酸の含有mol濃度を基準にして、例えば、共重合成分
であるイソフタル酸がテレフタル酸の含有mol濃度の
3mol%以上の割合でイソフタル酸に置き替わった構
造であることを示している。また、例えば、イソフタル
酸を共重合成分とするポリエチレンイソフタレートを混
合する場合には、混合する前のテレフタル酸のmol%
に対して、混合後にはイソフタル酸が3mol%以上添
加されたmol濃度になるように混合する。
【0021】接着層4aにおいて共重合するテレフタル
酸とエチレングリコール以外の共重合成分としては、イ
ソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、アジピ
ン酸、トリメチルアジピン酸、セバシン酸、マロン酸、
ジメチルマロン酸、コハク酸、グルタール酸、マレイン
酸、イタコン酸、ピメリン酸、2,2−ジメチルグルタ
ール酸、アゼライン酸、フマール酸、1,3−シクロペ
ンタンジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボ
ン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−
ナフタール酸、ジフェニン酸、4,4’−オキシ安息香
酸、2,5−ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルエタ
ンジカルボン酸、トリメリット酸などの多官能のカルボ
ン酸およびそのエステル誘導体が挙げられ、ジエチレン
グリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリ
コール、ポリプロピレングリコール、1,3−プロパン
グリコール、テトラメチレングリコール、1,3−ブタ
ンジオール、1,4−ブタンジオール、1,3ペンタン
ジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタ
ンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナ
ンジオール、1,10−デカンジオール、2,4−ジメ
チル−2−ブチル−1,3−プロパンジオール、2−エ
チル−2−イソブチル−1,3−プロパンジオール、3
−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,2,4−ト
リメチル−2−ヘキサンジオール、1,2−シクロヘキ
サンジメタノール、2,2,4,4−テトラメチル−
1,3−シクロブタンジオール、4,4’−チオジフェ
ノール、ビスフェノールA、4,4’−メチレンジフェ
ノール、4,4’−(2−ノルモルニリデン)ジフェノ
ール、4,4’−ジヒドロキシビフェノール、o−、m
−、およびp−ジヒドロキシベンゼン、4,4’−イソ
プロピリデンフェノール、4,4’−イソプロピリデン
ビス(2,6−ジクロロフェノール)、2,5−ナフタ
レンジオール、p−キシレンジオール、シクロペンタン
−1,2−ジオール、シクロヘキサン−1,2−ジオー
ル、シクロヘキサン−1,4−ジオールなどのグリコー
ル成分を挙げることができる。
【0022】なかでも、イソフタル酸、ナフタレンジカ
ルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、ジフェニルエ
タンジカルボン酸などのジカルボン酸およびそのエステ
ル誘導体が好ましく、また、プロピレングリコール、テ
トラメチレングリコール、1,2−シクロヘキサンジメ
タノールなどのグリコール成分が好ましい。
【0023】接着層4aにおいて混合するポリエチレン
テレフタレート以外の共重合ポリエステルとしては、ポ
リブチレンテレフタレート等のポリエチレンテレフタレ
ート以外のホモポリエステル、共重合ポリエステル、ポ
リカーボネート、アクリル樹脂、ポリオレフィンなどを
挙げることができる。
【0024】また、表層4bは、ポリエチレンテレフタ
レートの共重合体で、その融点は230℃である。表層
4bとしては、この他に種々の材質を選択可能である。
例えば、塗料としては熱硬化性ビニル系塗料、ビニルオ
ルガノゾル系塗料、エポキシ尿素系塗料、エポキシフェ
ノール系塗料、エポキシアクリル系塗料などを使用する
ことができる。なお、有機樹脂層4を単層とする場合に
は、全体に接着層4aと同じ材質を使用する。
【0025】なお、本実施形態においては、説明の便宜
上金属基材1の片面のみの積層状態を図示して説明した
が、金属基材の他の面にも各層を積層しても良いことは
もちろんである。特に有機樹脂層4は、金属基材1の両
面側に形成されることが望ましい。これは、金属基材1
の内面側は飲料と接するのでアルミニウムの溶出を防止
する必要があると共に、金属基材1の外面にも有機樹脂
層4を形成することにより、成形加工時の金型の損耗を
防止できるからである。
【0026】本実施形態の板材Aによれば、無孔質、又
は微孔質の陽極酸化皮膜である下地層2を備えているの
で、孔から腐食性物質が侵入しにくく、耐食性が向上す
る。また、シランカップリング剤を塗布して形成される
塗布層3を備えることによって、下地層2の孔やクラッ
ク内の水酸基とシランカップリング剤の官能基が結合し
て、水和反応に起因する腐食を防止することができる。
さらに、シランカップリング剤の有機官能基が有機樹脂
と反応することにより、塗布層3が強固な結合力を発揮
し、有機樹脂層4の密着性をより強固なものとすること
ができる。また、接着層4aとして、低融点の樹脂を使
用しているので、融着時にシランカップリング剤を分解
してしまうこともない。このように、板材Aは接着性
(密着性)及び耐食性に優れ、フェザーリングやアルミ
ニウム臭混入が生じない。そのため、2ピース缶のエン
ド材として好適に使用できる。また、ボディー材として
も好適に使用できる。
【0027】次に、本実施形態の表面処理アルミニウム
缶用の板材Aの製造方法について説明する。本実施形態
の板材Aは、アルミニウム又はアルミニウム合金からな
る基材の表面を電解処理することにより陽極酸化皮膜を
形成し、この陽極酸化皮膜の表面にシランカップリング
剤を塗布し、さらにその表面に有機樹脂層を形成するこ
とにより、製造することができる。
【0028】上記陽極酸化皮膜として空孔率30%以下
の無孔質又は微孔質の酸化皮膜を形成するには、陽極酸
化皮膜が多孔質化する前の段階で電解を停止し、多孔質
皮膜が成長する前の段階の皮膜を得ることにより行う方
法が好ましい。
【0029】ここで用いる電解液としては、硫酸、リン
酸、クロム酸、シュウ酸、珪酸塩、リン酸塩、マレイン
酸塩、安息香酸塩、酒石酸塩、フタル酸塩、アジピン酸
塩、クエン酸塩、マロン酸塩、及び硼酸塩の内から選ば
れた塩または混合物を用いることができる。これらの溶
液を用いることにより、安定して空孔率を調整すること
ができる。濃度は塩の種類や電解条件によっても異なる
が、おおむね2〜150g/l程度である。これらの塩
を電解液に用いて電解処理を行うと、陽極酸化皮膜中に
シリコン、リン、ホウ素などを導入することができる。
これにより、陽極酸化皮膜と有機樹脂層との化学的接着
力を増進させることができる。なお、ホウ酸塩は液抵抗
が比較的高く、高速処理した場合に皮膜の均一性が低下
する場合が有る。
【0030】これらの電解液を用いてアルミニウム又は
アルミニウム合金からなる基材を陽極酸化すると、電解
の初期段階において無孔質のバリア層と称される陽極酸
化皮膜が成長し、この無孔質の陽極酸化皮膜の成長が所
定の段階まで進むと、この無孔質の皮膜上に多孔質層が
急激に成長して多孔質の陽極酸化皮膜が生成される。こ
こで多孔質の陽極酸化皮膜とは、無孔質の薄いバリア層
の上に多孔質層が成長したものを意味する。
【0031】次に、この種の陽極酸化皮膜の成長モデル
を図2に示すグラフを参照して説明する。図2に示すグ
ラフの横軸は下地層である陽極酸化皮膜の厚さ、縦軸は
その空孔率を示す。この図に示すように、通常多孔質陽
極酸化皮膜を製造すると、150〜1000Å程度の膜
厚の無孔質膜が生成した後、膜厚がほとんど増加しない
まま急激な空孔率の上昇が起こり、空孔率が30%を越
えるあたりから膜厚増加と空孔率増加の関係が比例関係
に移るような成長曲線を示す。
【0032】図2に示す成長曲線は、陽極酸化皮膜のモ
デル的な一例であるが、電解液の濃度や種類、印加電
圧、印加電流密度を多少異なる条件としたとしても、あ
る膜厚の無孔質層が生成した後、空孔率が急激に上昇
し、その後空孔率30%を越えるあたりから膜厚増加と
空孔率増加の関係が比例関係に移るようになって多孔質
陽極酸化皮膜が生成する傾向は同様となる。
【0033】図2に示す陽極酸化皮膜の成長モデルから
みると、下地層として用いる空孔率30%以下の無孔質
又は微孔質の陽極酸化皮膜を得るためには、陽極酸化皮
膜の成長過程で空孔率が低い状態において電解処理を停
止すれば良いこととなる。尚、図2に示す成長モデルか
らみると、電解の初期段階では空孔率5%以下の無孔質
層陽極酸化皮膜も存在するので、陽極酸化処理の最初期
段階において電解を停止することで無孔質陽極酸化皮膜
を得ることもできる。
【0034】下地層として無孔質又は微孔質陽極酸化皮
膜を得るには、膜厚0.005〜0.5μm以下の範
囲、空孔率30%以下となるような電解条件で電解処理
を停止すれば良い。これらの条件において陽極酸化皮膜
のより好ましい範囲としては、膜厚0.05μm〜0.
3μm、空孔率10%である。
【0035】ここで用いる電解液として、硫酸、リン
酸、クロム酸、シュウ酸の1種又は2種以上を選択する
場合、一般に、陽極酸化皮膜の膜厚が電解電圧(V)×
(14〜16)の値を越えると、多孔質化を開始するこ
とがわかっている。よって、この電圧以下で膜厚を制御
するならば、無孔質の陽極酸化皮膜あるいは微孔質の陽
極酸化皮膜を形成することができる。この関係から、微
孔質陽極酸化皮膜を製造する場合に膜厚(Å)は、電解
電圧(V)×25よりも小さく設定することが好まし
く、電解電圧(V)×18よりも小さく設定することが
より好ましい。
【0036】さらに、前記陽極酸化皮膜上にシランカッ
プリング剤の塗布層を形成する。この塗布層は、シラン
カップリング剤をアルコールなどの揮発性溶媒によって
希釈して塗布するのが好ましい。塗布の方法に特に限定
はなく、ロールコート法、スプレーコート法、バーコー
ト法、ディッピング法などの従来から知られている方法
を採用することができる。塗布した後には、90〜25
0℃の熱処理を行う。熱処理の時間は、熱処理温度等に
応じて、適宜調整することができる。すなわち、熱処理
温度が高いほど処理時間は短く、熱処理温度が低いほど
処理時間は長くすることが望ましい。例えば、240℃
では15秒、180℃では30秒、90℃では300秒
などとすることができる。この熱処理により、無機材料
である金属基材とシランカップリング剤との結合を強く
することができる。また、シランカップリング同士の結
合も強くすることができる。そのため、耐食性、密着性
を向上させることができる。
【0037】さらに、前記シランカップリング剤の塗布
層の表面に有機樹脂層4を形成する。有機樹脂層4のラ
ミネートは、特にその条件が限定されることはないが、
適当な有機樹脂膜を用意し、これをベーキング処理した
アルミニウム材の陽極酸化皮膜の表面に積層し、この積
層物を、有機樹脂膜の融点以上の温度に上げた加熱ロー
ラ等に通過させて有機樹脂膜を熱融着させる。ローラに
よってかけられる線圧は有機樹脂膜の材質や厚み等によ
り適当に決定される。また、加熱ローラの他に、ヒート
プレス等によってもラミネートが可能である。
【0038】
【実施例】表1に本発明の実施例及び比較例について種
々の条件で下地層となる陽極酸化処理をした場合の、電
解条件と得られた陽極酸化皮膜の特性を示した。なお、
本発明は表1に示す実施例に限定されるものではない。
【0039】
【表1】
【0040】表1に示す各実施例及び比較例の製造方法
は以下のとおりである。まず、アルミニウム合金素材と
してエンド材としては0.1mmまで圧延したJIS5
052板材を準備した。ボディー材としては厚さ0.3
mmまで圧延したJIS3004板材を準備した。この
板材を界面活性剤を2%含む50℃の脱脂液に60秒間
浸漬してボディー材のみ30秒間水洗した後、10%N
aOH水溶液で50℃で30秒間エッチングした後、3
0秒間水洗した。引き続き、10%HNO溶液で30
秒間洗浄した後、30秒間水洗した。
【0041】次いで、上記アルミニウム合金を陽極にし
て、電解処理を行い陽極酸化皮膜の下地層を形成した。
各々の電解条件と形成された下地層の空孔率及び膜厚、
並びにSi、P、B、S若しくはC成分の種類とその含
有量を表1に合わせて示した。尚、下地層の空孔率は、
陽極酸化皮膜表面を任意に10ヶ所10万倍の電子顕微
鏡で観察し、表面に存在する孔の総面積を板材の全面積
で除して算出した。この際、50〜2000Å程度の大
きさで深さが50Åを越えるものを目安として孔とし
た。また、金属間化合物の周辺は皮膜形成が不連続なた
め、観察から除いた。
【0042】電解処理を終了した後、板材を15秒間水
洗し、120℃の温度で乾燥した。そして、この板材に
シランカップリング剤を塗布し、さらに、熱処理をして
塗布層を形成した。シランカップリング剤が有する官能
基、塗布量、熱処理の温度、時間は、各々表2に示すと
おりである。次に、有機樹脂層を合わせて240℃の加
熱ローラーに通過させて貼り合わせを行った。形成され
た有機樹脂層の組成、膜厚は、表2に示すとおりであ
る。
【0043】
【表2】
【0044】このようにして得られた各実施例、比較例
の表面処理アルミニウム缶用エンド材について、フェザ
ーリング性、アルミ溶出性、加工性を評価した。これら
の結果を表3にまとめて示した。
【0045】
【表3】
【0046】フェザーリング性の評価は、エンド材を蓋
に成形した後、塩素イオンを50ppm含むイオン交換
水を充填した缶にパッキングし、120℃で30分間レ
トルト処理し、その後、プルトップ缶を開けてフェザー
リング面積(開口部のフィルム残留面積)を測定した。
そして、この面積が0.5mm 未満の場合を○、
0.5mm 以上2.0mm 以下を△、2.0mm
を超える場合を×とした。
【0047】また、アルミ溶出性の評価は、エンド材を
蓋に成形した後、塩素イオンを50ppm含むイオン交
換水を充填した缶にパッキングし、120℃で30分間
レトルト処理し、その後、50℃において3ヶ月間保管
した後、充填液を取り出してアルミニウムの含有量を発
光分光分析法(検出限界:0.01ppm)により測定
した。そして、この測定法によりアルミニウムが検出さ
れなかった場合を○、僅かでも検出された場合×とし
た。
【0048】また、加工性の評価は、エンド材を蓋に成
形した後、1%硫酸銅に3%塩酸を添加した水溶液に2
4時間浸漬し、フィルム面に銅の検出が見られた場合を
×、見られなかった場合を○とした。なお、銅の析出
は、フィルム面に穴や破けが生じていることを示すもの
である。
【0049】表3に結果を示すように、下記のことが確
認された。まず、実施例5等に示すように、下地層の空
孔率28%以下では、いずれの評価項目も良好であった
が、比較例1,5に示すように、空孔率52%,38%
では良好な結果が得られなかった。これにより、下地層
の空孔率は、30%以下とすべきことが確認された。
【0050】次に、実施例1、5等に示すように、下地
層の膜厚が0.005〜0.5μmの範囲では、いずれ
の評価項目も良好であったが、実施例10,11に示す
ように、この範囲をわずかでもはずれると、フェザーリ
ング性がやや劣る結果となった。これにより、下地層の
膜厚は、0.005〜0.5μmが好ましいことが確認
された。
【0051】次に、実施例に示すように、下地層にS
i、P、S若しくはC成分が50ppm以上含まれる
と、いずれの評価項目もほぼ良好であったが、比較例2
に示すように40ppm、比較例3に示すように含有無
し、比較例4に示すように他の成分を含有したもので
は、いずれの項目でも良好な結果が得られなかった。こ
れにより、下地層にSi、P、S若しくはC成分を50
ppm以上含むことが望ましいことが確認された。下地
層にBを含んだ実施例9はフェザーリング性及び加工密
着性(1)及び加工密着性(2)がやや劣る結果となっ
た。
【0052】次に、実施例に示すように、シランカップ
リング剤が、エポキシ基又はアミノ基である有機官能基
を有する場合では、いずれの評価項目も良好であった
が、実施例12に示すように、メタクリル基の場合に
は、フェザーリング性がやや劣る結果となった。これに
より、シランカップリング剤の官能基として好適なの
は、エポキシ基又はアミノ基であることが確認された。
【0053】次に、実施例6、7等に示すように、シラ
ンカップリング剤の塗布量が、0.01〜180mg/
の場合では、いずれの評価項目もほぼ良好であっ
たが、実施例14に示すように、塗布量が220mg/
の場合では、フェザーリング性にやや問題が見ら
れた。また、実施例13に示すように、塗布量が0.0
04mg/m の場合にも、フェザーリング性にやや
問題が見られた。これにより、シランカップリング剤の
塗布量は、0.01〜200mg/mが好ましいこと
が確認された。
【0054】次に、実施例に示すように、有機樹脂層の
膜厚は、3〜50μmの場合では、いずれの評価項目も
良好であったが、実施例15に示すように、50μmを
越えるとフェザーリング性についてやや劣る結果が得ら
れた。また、実施例16に示すように、3μmより小さ
いと、フェザーリング性についてやや劣る結果が得られ
た。これにより、有機樹脂層の膜厚は、3〜50μmが
好ましいことが確認された。
【0055】次に、実施例3等に示すように、塗布層に
接する有機樹脂層(接着層)に、イソフタル酸が3%以
上含まれると、融点が240℃以下となり、いずれの評
価項目も良好であったが、実施例17に示すように、当
該有機樹脂層(接着層)に含まれるイソフタル酸が3%
に満たないと融点が250℃となり、フェザーリング性
がやや劣る結果が得られた。また、ポリエステル系樹脂
に代えて、ポリオレフィン系樹脂を用いると、実施例1
8に示すように、フェザーリング性が若干問題であっ
た。これらにより、有機樹脂層の材質としてはポリエス
テル系樹脂が好適であり、塗布層に接する部分には、3
%以上のイソフタル酸が含まれることが好ましいことが
確認された。
【0056】一方、ボディー材について、加工密着性
(1)、加工密着性(2)、アルミ溶出性を評価した。
加工密着性(1)の評価は、ラミネート材をブランキン
グ、カップ成形、DI加工(深絞り→しごき)、ボトム
成形、ネック加工、フランジ加工をして350ccの缶
ボディーを各実施例、比較例で10000缶ずつ成形し
た。そして缶の壁部と底部の有機樹脂層の剥離を観察し
た。剥離の無い場合を○、5個以下に僅かでも剥離がみ
られる場合を△、5個を越えるものに剥離がみられる場
合を×とした。加工密着性(2)の評価は、缶ボディー
に、塩素イオンを50ppm含むイオン交換水を充填し
て蓋を付けてパッキングし、120℃で30分間レトル
ト処理した後、蓋を開けて、缶の胴中央まで切れ込みを
入れた後、胴周方向に引き裂いた。引き裂き部の観察を
行い、剥離のみられない場合を○、剥離が引き裂き部か
ら3mm以内を△、3mmを越える剥離の見られた場合
を×とした。アルミ溶出性の評価は、前述のエンド材の
場合と同様に行った。表3に結果を示すように、実施例
は比較例より特性が優れることがわかる。
【0057】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明の表
面処理アルミニウム缶用板材は、樹脂フィルムの接着性
(密着性)及び耐食性に優れ、フェザーリングやアルミ
ニウム臭混入が生じず、また加工性も良い。このため、
2ピース缶のエンド材及びボディー材として好適に使用
できる。また本発明に係る製造方法によれば、上記の優
れた特性を有する表面処理アルミニウム缶用板材を製造
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る表面処理アルミニウム缶用板
材の1実施形態の構造を示す断面図である。
【図2】 陽極酸化皮膜を形成する場合の膜厚と空孔
率の関係を示すモデル図である。
【符号の説明】
A・・・板材、1・・・金属基材、2・・・下地層(陽極酸化皮
膜)、3・・・塗布層(シランカップリング剤)、4・・・有
機樹脂層、4a・・・接着層、4b・・・表層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C25D 11/18 312 B65D 1/00 B Fターム(参考) 3E033 AA06 BA09 BA13 BA30 CA14 EA10 4F100 AB10A AB31A AK01D AK41D AK41G AL01G BA04 BA07 BA10A BA10D EH46C EJ67C EJ68B GB16 JA04G JB02 JL11 YY00B YY00C YY00D YY00G 4K044 AA06 AB02 BA13 BB04 BB05 BC02 BC05 CA17 CA31 CA53 CA62

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミニウム又はアルミニウム合金から
    なる金属基材と、該金属基材の表面に形成された陽極酸
    化皮膜からなる下地層と、この下地層の表面に塗布され
    たシランカップリング剤の層と、このシランカップリン
    グ剤の層の表面に形成された有機樹脂層とを備え、前記
    陽極酸化皮膜の空孔率が30%以下で、かつ、シリコン
    (Si)、りん(P)、硼素(B)、イオウ(S)若し
    くは炭素(C)成分のうち少なくとも一種を合計50p
    pm以上含有することを特徴とする表面処理アルミニウ
    ム缶用板材。
  2. 【請求項2】 前記陽極酸化皮膜の膜厚が0.005〜
    0.5μmであることを特徴とする請求項1に記載の表
    面処理アルミニウム缶用板材。
  3. 【請求項3】 前記シランカップリング剤が、エポキシ
    基、又はアミノ基である有機官能基を有することを特徴
    とする請求項1又は2に記載の表面処理アルミニウム缶
    用板材。
  4. 【請求項4】 前記シランカップリング剤の塗布量が、
    0.01〜200mg/m であることを特徴とする
    請求項1から請求項3の何れかに記載の表面処理アルミ
    ニウム缶用板材。
  5. 【請求項5】 前記有機樹脂層が、単層又は多層構造の
    ポリエステル系樹脂からなり、全体の膜厚が3〜50μ
    mであることを特徴とする請求項1から請求項4の何れ
    かに記載の表面処理アルミニウム缶用板材。
  6. 【請求項6】 前記有機樹脂層がシランカップリング剤
    の層に接する接着層を含む多層構造であり、前記接着層
    がテレフタル酸とエチレングリコール以外の共重合成分
    を3%以上共重合することによって、及び/又は共重合
    成分を含まないポリエチレンテレフタレートに共重合成
    分を含む共重合ポリエステル樹脂を混合した後の樹脂全
    体の共重合成分が3%以上になるように混合することに
    よって、ポリエチレンテレフタレートよりも低融点とさ
    れたポリエステル系樹脂からなることを特徴とする請求
    項5に記載の表面処理アルミニウム缶用板材。
  7. 【請求項7】 前記有機樹脂層が、単層構造であり、テ
    レフタル酸とエチレングリコール以外の共重合成分を3
    %以上共重合することによって、及び/又は共重合成分
    を含まないポリエチレンテレフタレートに共重合成分を
    含む共重合ポリエステル樹脂を混合した後の樹脂全体の
    共重合成分が3%以上になるように混合することによっ
    て、ポリエチレンテレフタレートよりも低融点とされた
    ポリエステル系樹脂からなることを特徴とする請求項5
    に記載の表面処理アルミニウム缶用板材。
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