JP2003147255A - コーティング用水系分散体 - Google Patents

コーティング用水系分散体

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JP2003147255A JP2001345767A JP2001345767A JP2003147255A JP 2003147255 A JP2003147255 A JP 2003147255A JP 2001345767 A JP2001345767 A JP 2001345767A JP 2001345767 A JP2001345767 A JP 2001345767A JP 2003147255 A JP2003147255 A JP 2003147255A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐溶剤性、耐水性、印刷適性、耐酸性、耐ア
ルカリ性に優れた塗膜を形成し得るコーティング用水系
分散体を提供する。 【解決手段】 本発明のコーティング用水系分散体は、
(A)芳香族系エチレン性不飽和単量体、(B)エポキ
シ基を有するエチレン性不飽和単量体、(C)エチレン
性不飽和カルボン酸単量体、(D)上記(A)成分、
(B)成分、および(C)成分と共重合可能な他のエチ
レン性不飽和単量体を水性溶媒中、反応性乳化剤の存在
下で乳化重合して得られ、ゲル分率が70%以上であ
り、かつ平均粒子径が200nm以下のポリマー粒子を
含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コーティング用水
系分散体に関する。詳しくは、ポリマーエマルジョンタ
イプのコーティング剤に用いられ、耐溶剤性、耐水性、
ならびに印刷適性に優れ、かつ耐酸性および耐アルカリ
性に優れた塗膜を形成し得るコーティング用水系分散体
に関する。
【0002】
【背景技術】近年、環境保全および安全衛生の観点から
コーティング処理の無公害化が要請されており、使用す
るコーティング剤は、有機溶剤系のものから水系のもの
へと移行されつつある。これに伴い、耐溶剤性および耐
水性に優れた塗膜を形成することができる水系のコーテ
ィング剤が要求されている。
【0003】このような背景のもと、耐溶剤性および耐
水性の良好な塗膜を形成し得るコーティング用水系分散
体として、シリコーン系エマルジョン、ウレタン系エマ
ルジョン、フッ素系エマルジョンなどが知られている。
【0004】しかしながら、これらのエマルジョンは、
耐溶剤性を発現するために高度に架橋されていたり、撥
液性がある場合が多い。このため、これらのエマルジョ
ンをたとえば印画紙のコーティングに用いた場合、塗膜
への印刷適性が劣ることがあった。すなわち、これらの
コーティング剤を用いた印画紙に、油性あるいは水性の
インキで印刷した場合、ハジキを生じたり、インキの乾
燥が遅い、乾燥した後のインキの耐水性が悪いといった
欠点が生じることがあった。
【0005】一方、スチレン系ポリマーエマルジョンや
アクリル系ポリマーエマルジョンなどは、一般に印刷適
性は良好であるものの、耐溶剤性および耐水性の点で満
足できるものではなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、耐溶
剤性、耐水性、印刷適性、耐酸性、耐アルカリ性に優れ
た塗膜を形成し得るコーティング用水系分散体を提供す
ることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明者が鋭意検討を重ねた結果、特定のモノマ
ーを限られた範囲で組み合わせて、反応性乳化剤を用い
て重合することにより、得られるポリマー粒子を特定の
ゲル分率、粒子径に制御することで、このポリマー粒子
を含むコーティング用水系分散体によって形成される塗
膜に、優れた耐溶剤性、耐水性、印刷適性、耐酸性、耐
アルカリ性がバランスよく発現されることを見出し、か
かる知見に基づいて本発明を案出するに至った。
【0008】すなわち、本発明のコーティング用水系分
散体は、(A)芳香族系エチレン性不飽和単量体40〜
99重量部、(B)エポキシ基を有するエチレン性不飽
和単量体0.5〜10重量部、(C)エチレン性不飽和
カルボン酸単量体0.5〜10重量部、(D)上記
(A)成分、(B)成分、および(C)成分と共重合可
能な他のエチレン性不飽和単量体0〜59重量部[ここ
で、(A)+(B)+(C)+(D)=100重量部]
を水性溶媒中、反応性乳化剤の存在下で乳化重合して得
られ、ゲル分率が70%以上であり、かつ平均粒子径が
200nm以下のポリマー粒子を含むことを特徴とす
る。
【0009】ここで、ゲル分率とは、ポリマー粒子中に
おいて高分子量の3次元網目構造を形成する部分の占め
る割合をいい、本発明においては、トルエンへの不溶分
として測定される。
【0010】本発明によれば、全単量体100重量部中
(A)芳香族系エチレン性不飽和単量体40〜99重量
部用いることで、印刷適性を高めるとともに、ガラス転
移温度(Tg)を高めることができ、さらに(B)エポ
キシ基を有するエチレン性不飽和単量体で架橋すること
により、耐溶剤性、耐水性、耐酸性、耐アルカリ性を向
上させることができる。その結果、耐溶剤性、耐水性、
印刷適性、耐酸性、耐アルカリ性に優れた塗膜を形成す
ることができる。
【0011】また、本発明によれば、ポリマー粒子のゲ
ル分率を70%以上とすることで、耐溶剤性を向上させ
ることができ、ポリマー粒子の平均粒子径を200nm
以下とすることで、緻密な塗膜を形成させることができ
る。
【0012】さらに、乳化重合の際に反応性乳化剤を使
用することで、乳化剤の量を低減することができ、水系
媒体中の遊離乳化剤の量を低減させることができるた
め、耐水性に優れたポリマー粒子が得られる。
【0013】また、本発明においては、前記ポリマー粒
子のガラス転移温度が0〜80℃であることが好まし
い。前記ガラス転移温度が0℃未満であると、耐溶剤性
に劣る。一方、前記ガラス転移温度が80℃を超える
と、クラックなど欠損の多い塗膜となる。
【0014】また、本発明のコーティング用水系分散体
を主成分として、印画紙のバックコート材を形成するこ
とができる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明のコーティング用水
系分散体およびその製造方法について詳細に説明する。
【0016】(水系分散体)本発明の水系分散体は、
(A)芳香族系エチレン性不飽和単量体、(B)エポキ
シ基を有するエチレン性不飽和単量体、(C)エチレン
性不飽和カルボン酸単量体、および(D)上記(A)成
分、(B)成分、および(C)成分と共重合可能な他の
エチレン性不飽和単量体を水性溶媒中、反応性乳化剤の
存在下で乳化重合して得られる。以下、本発明の水系分
散体を製造するための各成分について説明する。
【0017】((A)成分) (A)芳香族系エチレン性不飽和単量体(以下、
「(A)成分」ともいう)は、1分子中に芳香族環とラ
ジカル重合可能なビニル基とを有する単量体である。
(A)芳香族系エチレン性不飽和単量体としては、例え
ば、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、
エチルビニルベンゼンなどの芳香族ビニル化合物や、ベ
ンジル(メタ)アクリレート、ベンゾイル(メタ)アク
リレートなどの芳香族環を有する(メタ)アクリレート
などが挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、あ
るいは2種以上組合せて用いてもよい。
【0018】本発明のコーティング用水系分散体におけ
る(A)芳香族系エチレン性不飽和単量体の使用量は、
使用する全単量体中、40〜99重量部であることが好
ましく、より好ましくは45〜80重量部であり、さら
に好ましくは50〜70重量部である。(A)芳香族系
エチレン性不飽和単量体の使用量が40重量部未満であ
ると印刷適性に劣ることがあり、99重量部を超える
と、耐溶剤性に劣ることがある。
【0019】((B)成分) (B)エポキシ基を有するエチレン性不飽和単量体(以
下、「(B)成分」ともいう)は、1分子中にエポキシ
基とラジカル重合可能なビニル基とを有する単量体であ
る。(B)成分としては、たとえば、グリシジル(メ
タ)アクリレート、メタグリシジル(メタ)アクリレー
ト、アリルグリシジルエーテル、エポキシシクロヘキシ
ル(メタ)アクリレート、エポキシ化ブタジエンなどの
エポキシ誘導体が挙げられる。これらは単独で用いても
よいし、あるいは2種以上組合せて用いてもよい。
【0020】本発明のコーティング用水系分散体におけ
る(B)成分の使用量は、使用する全単量体中、0.5
〜10重量部であることが好ましく、より好ましくは1
〜8重量部であり、さらに好ましくは2〜7重量部であ
る。(B)成分の使用量が0.5重量部未満であると耐
溶剤性に劣ることがあり、10重量部を超えると印刷適
性に劣ることがある。
【0021】((C)成分) (C)エチレン性不飽和カルボン酸単量体(以下、
「(C)成分」ともいう)は、1分子中にカルボキシル
基とラジカル重合可能なビニル基を有する単量体であ
る。(C)エチレン性不飽和カルボン酸単量体、あるい
は水性媒体を用いて乳化重合する際にエチレン性不飽和
カルボン酸単量体に変化するものの具体例としてたとえ
ば、以下に示す(イ)〜(ホ)が挙げられる。これらは
単独で用いてもよいし、あるいは2種以上組合せて用い
てもよい。
【0022】(イ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸、
クロトン酸などのモノカルボン酸類 (ロ)マレイン酸、フマル酸、イタコン酸などのジカル
ボン酸類 (ハ)マレイン酸メチル、イタコン酸メチル、β−メタ
アクリルオキシエチルアシッドヘキサハイドロフタレー
トなどのハーフエステル類 (ニ)上記(イ)、(ロ)の不飽和カルボン酸類の無水
物。例えば、アクリル酸無水物、マレイン酸無水物など
は、水性媒体中で乳化重合する際にカルボン酸に変化す
るので、乳化重合の際の単量体として用いることができ
る。
【0023】(ホ)(イ)〜(ニ)のカリウム塩、ナト
リウム塩、アンモニウム塩 本発明のコーティング用水系分散体における(C)成分
の使用量は、使用する全単量体中、0.5〜10重量部
であることが好ましく、より好ましくは0.7〜7重量
部であり、さらに好ましくは1〜5重量部である。
(C)成分の使用量が0.5重量部未満であると耐溶剤
性に劣ることがあり、10重量部を超えると耐水性、印
刷適性に劣ることがある。
【0024】((D)成分) (D)その他のビニルモノマーは、上記(A)〜(C)
と共重合可能なモノマーであればよく、例えば、(メ
タ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、
(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸
i−プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メ
タ)アクリル酸i−ブチル、(メタ)アクリル酸n−ア
ミル、(メタ)アクリル酸i−アミル、(メタ)アクリ
ル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシ
ル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)
アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸i−ノニル、
(メタ)アクリル酸t−ブチルシクロヘキシル、(メ
タ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、
ヒドロキシメチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエ
チル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸ア
ルキルエステル;アミノエチルアクリレート、ジメチル
アミノエチルアクリレート、ブチルアミノエチルアクリ
レートなどのエチレン性不飽和カルボン酸のアミノアル
キルエステル;ダイアセトン(メタ)アクリルアミドな
どのカルボニル基を分子中に有する化合物;N−メチロ
ール(メタ)アクリルアミド、γ−(メタ)アクリルオ
キシプロピルトリメトキシシランなどの各種官能基を有
する(メタ)アクリレート;エチレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メ
タ)アクリレートなどの多官能(メタ)アクリレート;
1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルメ
タクリレート、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピ
ペリジルメタクリレートなどの光安定化の機能を有する
(メタ)アクリレート;2−ヒドロキシ−4−メタクリ
ルオキシベンゾフェノン、2−[2’−ヒドロキシ−
5’−メタクリロルオキシエチル)フェニル]ベンゾト
リアゾールなどの紫外線吸収性の機能を有する(メタ)
アクリレート化合物;1,3−ブタジエン、イソプレ
ン、2−クロル−1,3−ブタジエンなどの脂肪族共役
ジエン;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどのカルボ
ン酸ビニルエステル;エチレン性不飽和ジカルボン酸の
酸無水物、モノアルキルエステル、モノアミド類;(メ
タ)アクリロニトリル、α−クロルアクリロニトリルな
どのシアン化ビニル化合物、アクロレイン、ホルミルス
チロール、ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、
ビニルブチルケトンなどを挙げることができる。これら
は単独で用いてもよいし、あるいは2種以上組合せて用
いてもよい。
【0025】(D)成分の使用量は、使用する全単量体
のうち、(A)〜(C)成分を除く残りの部分を占め
る。
【0026】(平均粒子径)本発明において、乳化重合
により得られるポリマー粒子の平均粒子径は、200n
m以下であることが好ましく、より好ましくは30〜1
50nmであり、さらに好ましくは50〜100nmで
ある。ポリマー粒子の平均粒子径が200nmを超える
と耐水性に劣ることがある。
【0027】本発明において平均粒子径の測定は、以下
の方法によって行われる。粒子の水性分散体を蒸留水で
適宜希釈し、動的光散乱法粒子径測定器を用いて平均粒
子径を測定する。ポリマー粒子の平均粒子径は、ラジカ
ル重合開始剤および乳化剤の種類および量を調整するこ
とにより制御することができる。
【0028】(ゲル分率)本発明の水系分散体に含まれ
るポリマー粒子のゲル分率は、70%以上であることが
好ましく、より好ましくは80%以上であり、さらに好
ましくは85%以上である。ゲル分率が70%未満であ
ると耐溶剤性が劣ることがある。
【0029】ゲル分率とは、前述したように、ポリマー
粒子中において高分子量の3次元網目構造を形成する部
分の占める割合をいい、通常、前記ポリマー粒子中にお
けるトルエン等の有機溶媒への不溶分として測定され
る。
【0030】ゲル分率は、(A)〜(D)成分を本発明
の範囲内で使用したうえで、ラジカル重合開始剤の種類
および量、重合温度、必要により使用される連鎖移動剤
の種類および量によって調節することができる。
【0031】(ガラス転移温度)本発明の水系分散体に
含まれる前記ポリマー粒子のガラス転移温度は、0〜8
0℃であることが好ましく、5〜60℃であることがよ
り好ましく、10〜40℃であることがさらに好まし
い。前記ガラス転移温度が0℃未満であると、耐溶剤性
に劣る。一方、前記ガラス転移温度が80℃を超える
と、クラックなど欠損の多い塗膜となる。
【0032】(水系分散体の製造方法)本発明のコーテ
ィング用水系分散体は、前記(A)〜(D)成分からな
る単量体の混合物を、水性媒体中、前記反応性乳化剤の
存在下で、重合開始剤を添加し、共重合させることによ
り得られる。かかる乳化重合においては、まず、重合開
始剤を熱または還元性物質の存在下でラジカル分解して
重合開始反応を起こさせることにより単量体の付加重合
を行わしめる。
【0033】(重合開始剤)本発明の水系分散体の製造
に用いる重合開始剤としては、例えばクメンハイドロパ
ーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオ
キサイド、パラメンタンハイドロパーオキサイドなどの
有機ハイドロパーオキサイド類からなる酸化剤と含糖ピ
ロリン酸鉄処方、スルホキシレート処方、含糖ピロリン
酸鉄処方/スルホキシレート処方の混合処方などの還元
剤との組合せによるレドックス系の開始剤;過硫酸カリ
ウム、過硫酸アンモニウムなどの過硫酸塩;アゾビスイ
ソブチロニトリル、ジメチル−2,2’−アゾビスイソ
ブチレート、2−カルバモイルアザイソブチロニトリル
などのアゾ化合物;ベンゾイルパーオキサイド、ラウロ
イルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ−2−エチ
ルヘキサノエートなどの有機過酸化物などを挙げること
ができ、好ましくは前記過硫酸塩および前記レドックス
系の開始剤である。
【0034】重合開始剤の使用量は、全単量体100重
量部あたり、0.05〜5重量部が好ましく、0.1〜
2重量部であるのがより好ましい。これらの重合開始剤
を用いて乳化重合する際には、反応系中に重合開始剤を
一括添加するか、あるいは重合開始剤の一部を回分的添
加、連続的添加、あるいはこの両者を組み合わせて添加
する方法を用いることができる。
【0035】(乳化剤)本発明のコーティング用水系分
散体は、前記(A)〜(D)成分を反応性乳化剤の存在
下にラジカル重合して得られる。
【0036】ここで、反応性乳化剤とは、乳化重合可能
な程度の乳化能を有し、かつ、ラジカル重合可能である
乳化剤をいう。
【0037】本発明においては、反応性乳化剤を用いて
乳化重合を行なうことにより、乳化剤の使用量を低減す
ることができ、特に水系媒体中における遊離の乳化剤の
量を低減することができるため、耐水性に優れた共重合
体エマルジョンが得られる。
【0038】前記反応性乳化剤としては、たとえば、ラ
ジカル反応性基としてエチレン性不飽和基、親水基とし
てポリオキシエチレン基,スルホン基,硫酸基、疎水基
としてアルキル基を1分子中に有する乳化剤が挙げられ
る。
【0039】このような反応性乳化剤としては、たとえ
ば、「ラテムルS−180A」[花王(株)製]、「エ
レミノールJS−2」[三洋化成(株)製]、「アクア
ロンHS−10」「アクアロンBC−10」[第一工業
製薬(株)製]、「アデカリアソープSE−10N」
[旭電化工業(株)製]などのアニオン性反応性乳化
剤;「アクアロンRS−20」[第一工業製薬(株)
製]、「アデカリアソープNE−20」[旭電化工業
(株)製]などの非イオン性反応性乳化剤を挙げること
ができる。これらは単独で用いてもよいし、あるいは2
種以上組合せて用いてもよい。
【0040】本発明における反応性乳化剤の使用量は、
後述する粒子径によるが、全単量体100重量部に対
し、0.5〜5重量部であるのが好ましく、0.5〜3
重量部であるのがより好ましい。0.5重量部未満で
は、乳化が充分でなく、また、重合反応時の安定性が低
下し好ましくない。一方、5重量部を超えると、泡立ち
が問題となり好ましくない。
【0041】また、乳化剤として、上記反応性乳化剤の
他に、陰イオン性乳化剤、非イオン性乳化剤、陽イオン
性乳化剤、両性イオン乳化剤、水溶性ポリマーなどの非
反応性乳化剤を併用してもよい。
【0042】陰イオン性乳化剤としては、例えば高級ア
ルコール硫酸エステルのアルカリ金属塩、アルキルベン
ゼンスルホン酸のアルカリ金属塩、コハク酸ジアルキル
エステルスルホン酸のアルカリ金属塩、アルキルジフェ
ニルエーテルジスルホン酸のアルカリ金属塩、ポリオキ
シエチレンアルキルエーテルの硫酸エステル塩、ポリオ
キシエチレンアルキルフェニルエーテルの硫酸エステル
塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルのリン酸エス
テル塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル
のリン酸エステル塩などが挙げられる。
【0043】非イオン性乳化剤としては、例えばポリオ
キシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンア
ルキルフェニルエーテル、糖鎖を親水基とするアルキル
エーテルなどを挙げることができる。
【0044】陽イオン性乳化剤としては、アルキルピリ
ジニルクロライド、アルキルアンモニウムクロライドな
どを挙げることができる。
【0045】両性イオン乳化剤としては、ラウリルベタ
インなどを挙げることができる。
【0046】水溶性ポリマーとしては、芳香族系単量体
とカルボキシル基を含む単量体とを共重合させて得られ
るポリカルボン酸系重合体のアルカリ中和物や、ポリビ
ニルアルコール、酵素分解澱粉などを挙げることができ
る。
【0047】これらの非反応性乳化剤の使用量は、全単
量体100重量部あたり、通常5重量部以下であること
が好ましく、水溶性ポリマーを使用する場合には50重
量部以下であることが好ましい。
【0048】また、これらの乳化剤は、重合系にそれぞ
れ一括添加、回分的添加、連続的添加あるいはこの両者
を組み合わせて添加されるのが好ましい。
【0049】本発明の水系分散体の重合においては、上
記の乳化剤および重合開始剤と共に、必要に応じて、連
鎖移動剤、電解質、キレート剤、pH調整剤などを併用
してもよい。
【0050】連鎖移動剤としては、ハロゲン化炭化水素
(例えば、四塩化炭素、クロロホルム、ブロモホル
ム)、メルカプタン類(例えば、n−ドデシルメルカプ
タン、t−ドデシルメルカプタン、n−オクチルメルカ
プタン)、キサントゲン類(例えば、ジメチルキサント
ゲンジサルファイド、ジイソプロピルキサントゲンジサ
ルファイド)、テルペン類(例えば、ジペンテン、ター
ピノーレン)、1,1−ジフェニルエチレン、α−メチ
ルスチレンダイマー[2,4−ジフェニル−4−メチル
−1−ペンテン(I)、2,4−ジフェニル−4−メチ
ル−ペンテン(II)、および1,1,3−トリメチル
−3−フェニルインダン(III)の少なくとも1種か
らなり、好ましくは(I)/((II)+(III))
(重量比)=40〜100/0〜60であるもの]、不
飽和環状炭化水素化合物(例えば、9,10−ジヒドロ
アントラセン、1,4−ジヒドロナフタレン、インデ
ン、1,4−シクロヘキサジエン)、不飽和ヘテロ環状
化合物(例えば、キサンテン、2,5−ジヒドロフラ
ン)等を挙げることができる。連鎖移動剤の使用量は、
全単量体100重量部あたり、0〜5重量部程度である
のが好ましい。
【0051】pH調節剤としては、アンモニア水、水酸
化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウム、
炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、
リン酸水素二ナトリウムなどが挙げられる。pH調整剤
の使用量はそれぞれ、全単量体100重量部あたり0〜
2重量部であるのが好ましい。
【0052】重合法の一例としては、単量体混合物10
0重量部と、水100〜500重量部と、重合開始剤
0.05〜5重量部と、乳化剤0.01〜5重量部と、
連鎖移動剤、電解質およびpH調整剤の所定量とよりな
る水性の反応系を、5〜100℃、好ましくは50〜9
0℃の温度条件下、0.1〜10時間にわたり反応させ
る。
【0053】その際の重合方法としては、全単量体を一
括添加する方法、少なくとも一部の単量体を分割または
連続して添加する方法、少なくとも一部の単量体のプレ
エマルジョンを分割または連続して添加する方法、また
はこれらの方式を段階的に組み合わせた方法等を採用す
ることができるが、特に、水溶性の低い単量体を使用す
る場合は、高圧ホモジナイザーや超音波分散機を用い
て、予め単量体混合物の少なくとも一部、水、乳化剤等
を強制乳化させてプレエマルジョンを調製してから、残
りの単量体を一括添加、あるいは分割または連続して添
加する方法等により重合することもできる。
【0054】なお、本発明の水系分散体の製造に用いら
れる水の使用量は、使用する全単量体の合計量100重
量部に対し、通常、50〜1000重量部、好ましくは
100〜500重量部である。50重量部未満では、乳
化が困難であったり、乳化後のエマルジョンの安定性が
低下したりするため、好ましくない。一方、1000重
量部を超えると、生産性が低下するため好ましくない。
【0055】また、重合転化率は99重量%以上である
ことが好ましい。
【0056】以上のようにして本発明の水系分散体が合
成される。なお、水系分散体が酸性である場合には、ア
ルカリ性化合物で中和することにより生成物を安定化さ
せることが好ましい。かかるアルカリ性化合物として
は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ
金属の水酸化物;アンモニア、ジメチルアミノエタノー
ル、モルホリンなどのアミン類などを挙げることができ
る。
【0057】(その他の添加剤)本発明の水系分散体に
は、目的に応じて、光安定化剤、紫外線吸収剤、有機溶
剤、架橋剤、水溶性高分子(例えば水溶性ポリエステル
樹脂、水溶性エポキシ樹脂、水溶性アクリル樹脂、ポリ
ビニルアルコール、澱粉)、消泡剤、増粘剤、熱安定
剤、レベリング剤、滑剤、帯電防止剤、着色剤、艶消し
剤、顔料、防カビ剤などの添加剤が含有されていてもよ
い。
【0058】本発明の水系分散体に添加含有される光安
定化剤・紫外線吸収剤としては特に限定されるものでは
なく、塗料、合成ゴム、合成樹脂、合成繊維用の光安定
化剤・紫外線吸収剤として公知のものを使用することが
できる。具体的には、有機ニッケル、ヒンダードアミン
系などの光安定化剤;酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリ
ウムなどの無機系紫外線吸収剤;ベンゾフェノン、ベン
ゾトリアゾールなどの有機系紫外線吸収剤などを挙げる
ことができる。これらのうち、ビス(1,2,2,6,
6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケートなどの
ヒンダードアミン系の光安定化剤;酸化セリウム、ヒン
ダードアミン系紫外線吸収剤が好ましい。光安定化剤・
紫外線吸収剤の添加量としては、特定の重合体(固形
分)100重量部に対して、通常0.01〜10重量部
とされ、好ましくは0.05〜5重量部とされる。光安
定化剤・紫外線吸収剤を含有させることにより、本発明
の水系分散体により形成される塗膜に良好な耐候性を発
現させることができる。
【0059】本発明の水系分散体に添加含有される有機
溶剤としては、例えばメチルアルコール、エチルアルコ
ール、プロピルアルコール、ブチルアルコール、アミル
アルコール、ヘキシルアルコールなどのアルコール類、
メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、プロピルセロソ
ルブ、ブチルセロソルブ、ヘキシルセロソルブ、メチル
カルビトール、エチルカルビトール、メチルセロソルブ
アセテート、エチルセロソルブアセテート、トリブトキ
シメチルフォスフェートなどを挙げることができる。有
機溶剤の添加量としては、水系分散体固形分100重量
部に対して、通常0.1〜100重量部とされる。有機
溶剤を含有させることにより、得られる水系分散体の濡
れ性および造膜性を向上させることができる。
【0060】本発明の水系分散体に添加含有される架橋
剤としては特に制限されるものではなく、アミノ樹脂、
フェノール樹脂、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂より
なる架橋剤、ヒドラジド化合物、イソシアネート化合
物、ブロックイソシアネート化合物、アジリジン化合物
などの有機系架橋剤、金属化合物などの無機系架橋剤な
ど、公知の架橋剤を使用することができる。
【0061】架橋剤として用いられるアミノ樹脂の具体
例としては、ヘキサメトキシメチル化メラミン樹脂など
の完全アルキル型メチル化メラミン樹脂、部分アルキル
化メチル化メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、アル
キルエーテル化尿素樹脂などを挙げることができる。
【0062】架橋剤として用いられるフェノール樹脂の
具体例としては、ジメチロール樹脂、ポリメチロールフ
ェノール樹脂、フェノールホルムアミド樹脂、メチロー
ルフェノールホルムアミド樹脂、ジメチロールフェノー
ルホルムアミド樹脂などを挙げることができる。
【0063】架橋剤として用いられるエポキシ樹脂の具
体例としては、エチレングリコール・ジグリシジルエー
テル、ヘキサンジオール・ジグリシジルエーテル、ネオ
ペンチルグリコール・ジグリシジルエーテル、グリセリ
ン・ジグリシジルエーテル、グリセリン・ポリグリシジ
ルエーテル、ジグリセリン・ポリグリシジルエーテル、
ソルビトール・ポリグリシジルエーテル、水添ビスフェ
ノールA・ジグリシジルエーテル、ビスフェノールA・
ジグリシジルエーテルなどの多価アルコールのポリグリ
シジルエーテル、p−オキシ安息香酸のグリシジルエー
テル、フタル酸ジグリシジルエステル、ヘキサヒドロフ
タル酸・ジグリシジルエーテル、ヒダントイン環含有エ
ポキシ樹脂、エポキシ基を側鎖に有するビニル系重合体
などを挙げることができる。
【0064】架橋剤として用いられるヒドラジド化合物
は、1分子中に2個以上のヒドラジノ基を有する化合物
であり、重合体中にカルボニル基が導入されている場合
に架橋効果を示す化合物である。かかるヒドラジド化合
物の具体例としては、シュウ酸ジヒドラジド、マロン酸
ジヒドラジド、こはく酸ジヒドラジド、グルタル酸ジヒ
ドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒ
ドラジド、セバシン酸ジヒドラジド、マレイン酸ジヒド
ラジド、フマル酸ジヒドラジド、イタコン酸ジヒドラジ
ドなどを挙げることができる。
【0065】架橋剤として用いられるイソシアネート化
合物およびブロックイソシアネート化合物としては、ト
リレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネートの
水素添加物、トリレンジイソシアネートのアダクト、ジ
フェニルメタンジイソシアネート、ジフェニルメタンジ
イソシアネートの水素添加物、トリフェニルメタントリ
イソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネー
トの水素添加物、ヘキサメチレンジイソシアネート、キ
シリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネー
トの水素添加物、イソホロンジイソシアネート、ジアニ
シジンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、
イソシアネート基をブロック化したブロック化ポリイソ
シアネート、並びにこれらの任意の混合物などを挙げる
ことができる。
【0066】架橋剤として用いられるアジリジン化合物
としては、トリス−2,4,6−(1−アジリジニル)
−1,3,5−トリアジン、トリス〔1−(2−メチ
ル)アジリジニル〕ホスフィンオキシド、ヘキサ〔1−
(2−メチル)−アジリジニル〕トリホスファトリアジ
ンなどを挙げることができる。
【0067】架橋剤として用いられる金属化合物として
は、亜鉛、ジルコニウム、マグネシウム、銅、鉄、コバ
ルト、ニッケル、アルミニウム、カドミウム、チタニウ
ムなどの金属の酸化物または塩類を、炭酸、酢酸、ギ
酸、グルタル酸、安息香酸、シュウ酸などの酸に溶解さ
せるか、あるいはこれらの酸と多価金属化合物の水溶液
を、アンモニア、アミンなどにより、pH7〜11に調
整することによって得られるものであり、更に金属イオ
ンの形になったものを含めることができる。この多価金
属化合物は、炭酸亜鉛アンモニウム、炭酸アンモニウム
ジルコネート、亜鉛、ジルコニウムの酸化物または塩で
ある。上記アミンで錯体形成可能なものは、モルホリ
ン、モノエタノールアミン、エチレンジアミン、ジエチ
ルアミノエタノールなどである。そのほか、一般的な酢
化剤、例えばエチレンジアミン四酢酸などのコンプレク
サン、グリシン、アラニンなども使用できる。
【0068】上記の架橋剤によれば、0〜280℃の温
度条件下に架橋(硬化)反応を進行させることができ
る。そして、上記架橋剤のうち、アミノ樹脂、フェノー
ル樹脂、ブロックイソシアネート化合物よりなるもの
は、100℃以下の温度条件下に架橋反応を進行させる
ことができるので好ましい。架橋剤を含有させることに
より、本発明の水系分散体により形成される塗膜に更に
優れた耐溶剤性および耐水性を付与することができる。
【0069】本発明によれば、全単量体中、(A)芳香
族系エチレン性不飽和単量体を用いることで、印刷適性
を高めるとともに、ガラス転移温度(Tg)を高めるこ
とができ、さらに(B)エポキシ基を有するエチレン性
不飽和単量体で架橋することにより、耐溶剤性、耐水
性、耐アルカリ性、耐酸性を向上させることができる。
したがって、本発明の水系分散体によれば、耐溶剤性、
耐水性、印刷適性、耐酸性、耐アルカリ性に優れた塗膜
を形成することができる。本発明のコーティング剤は、
クリヤー型のコーティング剤として使用することも、着
色型のコーティング剤として使用することもできる。
【0070】本発明の水系分散体が塗布される基材とし
ては特に限定されるものではなく、例えば紙、木材、金
属、コンクリート、プラスチック、セラミックス、スレ
ート、大理石、陶磁器、セッコウ、皮革などを例示する
ことができる。本発明の水系分散体は、印画紙バックコ
ートおよび耐油性包装紙のコーティング用水系分散体と
して特に好適である。
【0071】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明す
る。ただし、本発明は、これらの実施例に何ら制約され
るものでない。なお、実施例および比較例中の「%」お
よび「部」は、特に記載がない限りそれぞれ重量%およ
び重量部を意味するものである。また、実施例および比
較例における諸物性の測定は、下記の方法にしたがって
行った。
【0072】(1)ゲル分率 下記の実施例および比較例により得られたコーティング
用水系分散体の各々をガラス基板上に塗布し、このガラ
ス基板を、温度60℃、相対湿度90%の恒温恒湿槽内
で10日間静置し、さらに、120℃のオーブン内で2
0分間乾燥させることにより、膜厚0.3mmの塗膜を
形成し、この塗膜をガラス基板から剥離してフィルムを
得た。このフィルム約0.3gを精秤した後(このとき
の重量をW1とする)、このフィルムを容量100ml
の三角フラスコに入れ、この三角フラスコにトルエン1
00mlを加えた。三角フラスコを暗所において16時
間静置した後、フラスコを振盪し、さらに4時間静置し
た。つづいて、三角フラスコの内容物を200メッシュ
の金網で濾過し、濾液20mlをアルミ皿に採って15
0℃で30分間加熱することによりトルエンを蒸発さ
せ、アルミ皿に残留した物質の重量を測定した(このと
きの重量をW2とする)。フィルムの重量W1および蒸発
残分の重量W2から、下記式にしたがってゲル分率(ト
ルエン不溶分)を算出した。
【0073】ゲル分率(%)=(1−5×W2/W1)×
100 (2)平均粒子径 下記の実施例および比較例により得られた水系分散体を
蒸留水で適宜希釈し、動的光散乱法粒子径測定器LPA
−3100(大塚電子(株)製)を用いて平均粒子径を
測定した。
【0074】(3)耐溶剤性 トルエンに代えてジオクチルフタレート(DOP)を用
いること以外はゲル分率と同様の試験を行い、得られた
フィルムの重量W1および蒸発残分の重量W2から、下記
式にしたがってDOP可溶分(%)を算出した。DOP
可溶分が10%未満である場合を「○」、それ以外を
「×」とした。
【0075】DOP可溶分(%)=(5×W2/W1)×
100 (4)耐水性 トルエンに代えて純水を用いること以外はゲル分率と同
様の試験を行い、得られたフィルムの重量W1および蒸
発残分の重量W2から、上記のDOP可溶分を算出する
式を用いて、水可溶分(%)を算出した。水可溶分が2
%未満である場合を「○」、それ以外を「×」とした。
【0076】(5)印刷適性 下記の実施例および比較例により得られた水系分散体1
00部に対し、造膜助剤としてカルビトールを30部、
レベリング剤として「サーフロンS111」(セイミケ
ミカル製)を0.2部、それぞれ添加、混合し、これを
100μmのPETフィルム「ルミラー」(東レ製)に
バーコーター18番で塗布、120℃の熱風乾燥機で1
0分間乾燥した。得られたフィルムにブラザー工業
(株)製タイプライターEX−630で「A」の文字を
印字し、25℃で1時間乾燥後、25℃の水に1時間浸
せき、水から引き上げて表面の水を拭き取り、文字が読
みとれるものを「○」、それ以外を「×」とした。
【0077】(6)耐酸性・耐アルカリ性試験 下記の実施例および比較例により得られたコーティング
用水系分散体の各々を下記の組成にて配合して得られた
配合物を、バーコータNo.18を用いてPETフィル
ムに塗布し、60℃にて5分間乾燥させて膜厚10μm
のフィルムを得た。つづいて、このフィルムを25mm
×250mmに裁断した後、得られたフィルムを日本理
学工業(株)製アダムステスタのロール部に張り付けて
浸せき水(酸性条件:pH5に調整した酢酸水溶液、ま
たは塩基性条件:pH10に調整した水酸化カリウム水
溶液)下で15分間回転させた。試験終了後の浸せき水
を日立サイエンスシステム(株)製のU−1100形日
立レシオビーム分光光度計を用いて波長500μmの条
件にて透過率を測定した。酸性条件、塩基性条件とも
に、透過率が70%以上を○、それ以外を×と判定し
た。 [試験用配合物の配合組成] 本発明の水系分散体 100 部 FC129(住友スリーエム(株)製フロラードFC129) 0.1 部 (実施例1)攪拌機、温度計およびモノマー添加ポンプ
を備えた内容積2Lのセパラブルフラスコに、イオン交
換水150部と、反応性乳化剤「アデカリアソープSE
−10N」(旭電化工業(株)製)1部と、過硫酸ナト
リウム0.1部とを仕込み、気相部を15分間窒素ガス
で置換した後80℃まで昇温した。
【0078】次いで、イオン交換水50部と、表1に示
す単量体混合物100部と、反応性乳化剤「アデカリア
ソープSE−10N」1部とを別容器において混合攪拌
してプレ乳化物を調製し、得られたプレ乳化物を3時間
かけて前記セパラブルフラスコに連続的に滴下した。な
お、プレ乳化物の滴下中は窒素ガスを導入し、フラスコ
内の温度は80℃に保持した。滴下終了後、反応系を9
0℃まで昇温させて2時間反応を継続させた。 次い
で、この系を25℃まで降温させた後、5%の水酸化ナ
トリウム水溶液を滴下してpHを7に調整し、水系分散
体を得た。得られた水系分散体に含まれるポリマー粒子
のゲル分率は95%、平均粒子径は80nmであった。
耐溶剤性、耐水性、印刷適性、耐酸性、および耐アルカ
リ性について評価した。評価結果を表1に示す。
【0079】(実施例2)反応性乳化剤として「アデカ
リアソープSE−10N」の代わりに「アクアロンBC
−10」(第一工業製薬(株)製)、単量体混合物とし
てベンジルメタクリレート30部、エチルビニルベンゼ
ン30部、エポキシシクロヘキシルアクリレート4部、
アクリル酸2部、アクリル酸n−ブチル35部を使用し
たこと以外は、実施例1と同様にして水系分散体を調製
し、得られた水系分散体について、耐溶剤性、耐水性、
印刷適性、耐酸性、および耐アルカリ性について評価し
た。評価結果を表1に示す。
【0080】
【表1】
【0081】(比較例1,2)比較例1,2については
表1に示す処方に従って単量体混合物の組成を変更した
こと以外は実施例1と同様にして比較用の水系分散体を
調製し、得られた水系分散体の各々について、耐溶剤
性、耐水性、印刷適性、耐酸性、および耐アルカリ性に
ついて評価した。
【0082】(比較例3)攪拌機、温度計およびモノマ
ー添加ポンプを備えた内容積2Lのセパラブルフラスコ
に、イオン交換水150部と、反応性乳化剤「アデカリ
アソープSE−10N」(旭電化工業(株)製)0.1
部と、過硫酸ナトリウム0.1部とを仕込み、気相部を
15分間窒素ガスで置換した後80℃まで昇温した。以
下、実施例1と同様にして比較用の水系分散体を調製
し、得られた水系分散体の各々について耐溶剤性、耐水
性、印刷適性、耐酸性、および耐アルカリ性について評
価した。
【0083】(比較例4)乳化剤として「アデカリアソ
ープSE−10N」を使用する代わりに、反応性乳化剤
ではないドデシルベンゼンスルホン酸を使用したこと以
外は、実施例1と同様にして水系分散体を調製し、得ら
れた水系分散体について、耐溶剤性、耐水性、印刷適
性、耐酸性、および耐アルカリ性について評価した。
【0084】比較例1〜4にて得られた水系分散体の評
価結果を表1に示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09D 133/00 C09D 133/00 135/00 135/00 157/10 157/10 163/00 163/00 D21H 19/24 D21H 19/24 C //(C08F 212/06 C08F 220:32 220:32 220:06 220:06) (C08F 220/18 220:32 220:06) (72)発明者 三原 巖 東京都中央区築地二丁目11番24号 ジェイ エスアール株式会社内 Fターム(参考) 4J011 AA05 AA07 AA08 AA10 BA03 BA08 DA01 KA06 KA09 KA14 4J038 CA021 CB001 CC001 CC011 CC021 CC071 CC081 CG011 CG061 CG141 CH071 CH081 CH171 GA07 MA10 MA13 NA04 4J100 AB02P AB03P AB04P AE18Q AJ01R AJ02R AJ08R AJ09R AL03S AL04S AL05S AL08P AL08Q AL08R AL08S AL09S AL10Q AL19P AL36R AL62S AL63S AM21S AS02S AS03S AS07S BA03S BA12P BA12S BA16R BA30S BA31S BA78S BC04R BC04S BC43P BC43S BC54Q BC65S CA05 CA06 DA25 FA20 JA01 JA13 4L055 AG62 AG63 AG70 AG71 AG77 AG89 AH37 AJ02 BE08 EA16 EA20 EA32 EA33 FA11 FA15 FA19 GA05 GA32 GA48

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)芳香族系エチレン性不飽和単量体
    40〜99重量部、 (B)エポキシ基を有するエチレン性不飽和単量体0.
    5〜10重量部、 (C)エチレン性不飽和カルボン酸単量体0.5〜10
    重量部、 (D)上記(A)成分、(B)成分、および(C)成分
    と共重合可能な他のエチレン性不飽和単量体0〜59重
    量部[ここで、(A)+(B)+(C)+(D)=10
    0重量部]を水性溶媒中、反応性乳化剤の存在下で乳化
    重合して得られ、 ゲル分率が70%以上であり、かつ平均粒子径が200
    nm以下のポリマー粒子を含む、コーティング用水系分
    散体。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 前記ポリマー粒子のガラス転移温度が0〜80℃であ
    る、コーティング用水系分散体。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載のコーティング
    用水系分散体を主成分とする、印画紙のバックコート
    材。
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