JP2003147022A - シンジオタクチック置換ヒドロキシスチレン系重合体及び感光性組成物 - Google Patents

シンジオタクチック置換ヒドロキシスチレン系重合体及び感光性組成物

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JP2003147022A
JP2003147022A JP2001343349A JP2001343349A JP2003147022A JP 2003147022 A JP2003147022 A JP 2003147022A JP 2001343349 A JP2001343349 A JP 2001343349A JP 2001343349 A JP2001343349 A JP 2001343349A JP 2003147022 A JP2003147022 A JP 2003147022A
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JP
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group
polymer
syndiotactic
acid
hydroxystyrene
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Application number
JP2001343349A
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English (en)
Inventor
Masanao Kawabe
正直 川辺
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Nippon Steel Chemical and Materials Co Ltd
Original Assignee
Nippon Steel Chemical Co Ltd
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Publication date
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  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)
  • Materials For Photolithography (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐熱性、感度や解像度などの諸特性のバラン
スに優れた化学増幅ポジ型レジスト材料などの感光性材
料を提供すること。 【解決手段】 一般式(1)で表される部分的に水酸基
が酸不安定性基によって保護された置換ヒドロキシスチ
レン系重合体であって、そのフェニル基のC1炭素のタ
クティシティがそれぞれ13C−NMRによるラセミペン
タッドで30%以上であるシンジオタクチック置換ヒド
ロキシスチレン系重合体、及び一般式(1)で示される
シンジオタクチック置換ヒドロキシスチレン系重合体と
酸発生剤を含有してなる感光性組成物。 【化1】 (式中、R1は酸不安定性基を示し、a:bは、0.1〜0.9:
0.9〜0.1のモル比をそれぞれ示している。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、遠紫外線、電子
線、X線などの高エネルギー線に対して高い感度を有
し、アルカリ水溶液で現像することによりパターン形成
ができ、耐熱性に優れかつ微細加工技術に適した化学増
幅ポジ型レジスト材料などの感光性材料分野の原料とし
て有用なシンジオタクチック置換ヒドロキシスチレン系
重合体及び当該重合体を用いた感光性組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】LSIの高集積化と高速度化に伴い、パ
ターンルールの微細化が求められているなか、現在汎用
技術として用いられている光露光では、光源の波長に由
来する本質的な解像度の限界に達している。g線(43
6nm)若しくはi線(365nm)を光源とする光露
光では、おおよそ0.5μmのパターンルールが限界と
されており、これを用いて製作したLSIの集積度は、
16MビットDRAM相当までとなる。しかし、LSI
の製造はすでにこの段階を超えており、更なる高度な微
細化技術の開発が急務となっている。このような背景に
より、次世代の微細加工技術として遠紫外線リソグラフ
ィーが有望視されている。遠紫外線リソグラフィーは、
0.1〜0.4μmの加工も可能であり、光吸収の低い
レジスト材料を用いた場合、基板に対して垂直に近い側
壁を有したパターン形成が可能になる。
【0003】そして、これらの短波長の放射線に対応す
る高解像度レジストとして、特公平2−27660号公
報等に開示されているように、「化学増幅型レジスト」
が提唱され、現在この化学増幅型レジストの改良が精力
的に進められている。このような化学増幅型レジスト
は、それに含有させる感放射線性酸発生剤への放射線の
照射(以下、「露光」という。)により酸を発生させ、
この酸の触媒作用により、レジスト膜中で化学反応(例
えば極性の変化、化学結合の開裂、架橋反応等)を生起
させ、現像液に対する溶解性が露光部において変化する
現象を利用して、パターンを形成するものである。
【0004】そして、従来の化学増幅型レジストのうち
比較的良好なレジスト性能を示すものに、特公平2−2
7660号公報、特開昭62−115440号公報に
は、ポリ−4−tert−ブトキシスチレンと酸発生剤
からなるレジスト材料が提案され、この提案と類似した
ものとして特開平3−223858号公報には分子内に
tert−ブトキシ基を有する樹脂と酸発生剤からなる
二成分系レジスト材料、更には特開平4−211258
号公報にはメチル基、イソプロピル基、tert−ブチ
ル基、テトラヒドロピラニル基、トリメチルシリル基含
有ポリヒドロキシスチレンと酸発生剤からなる二成分系
のレジスト材料が提案されている。
【0005】更に、特開平6−100488号公報に
は、ポリ〔3,4−ビス(2−テトラヒドロピラニルオ
キシ)スチレン〕、ポリ〔3,4−ビス(tert−ブ
トキシカルボニルオキシ)スチレン〕、ポリ〔3,5−
ビス(2−テトラヒドロピラニルオキシ)スチレン〕等
のポリジヒドロキシスチレン誘導体と酸発生剤からなる
レジスト材料が提案されている。このような化学増幅ポ
ジ型レジスト材料は、遠紫外線リソグラフィーにおいて
非常に有用なものであるが、近年、リソグラフィーパタ
ーンの微細化に伴う工程数の増加等の問題があり、この
ためLSIのコストダウン及び生産性向上のため耐熱性
を更に向上させることが望まれている。ところが、従
来、化学増幅ポジ型レジスト材料用ポリマーとして使用
されている酸不安定性基によって保護された置換ヒドロ
キシスチレン系重合体は、立体規則性のないアタクチッ
ク構造のポリマーであることに起因して十分な耐熱性を
有していなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従って、従来開示され
ている技術で使用されているアタクチック構造の置換ヒ
ドロキシスチレン系重合体を含有する化学増幅ポジ型レ
ジスト材料は耐熱性が不足しており、LSIの生産性と
いう観点から問題のある材料であった。かかる現状か
ら、本発明の目的は、前記従来の諸問題を克服し、耐熱
性にすぐれ、感度や解像度などの諸特性のバランスに優
れた化学増幅ポジ型レジスト材料などの感光性材料に適
した置換ヒドロキシスチレン系重合体を提供することを
目的とする。本発明の別の目的は、上記置換ヒドロキシ
スチレン系重合体を使用して、耐熱性に優れ、レジスト
特性にも優れた化学増幅ポジ型レジスト材料などの分野
で有用な感光性組成物を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者等は上記目的を
達成するため鋭意検討を重ねた結果、部分的に酸不安定
性基によって水酸基が保護された高度のシンジオタクチ
ック構造を有するヒドロキシスチレン系重合体がアタク
チック構造の置換ヒドロキシスチレン系重合体と比較し
て他の特性を損なうことなく、耐熱性を向上させ得るこ
とを見出した。さらに、この部分的に酸不安定性基によ
って水酸基が保護されたシンジオタクチック置換ヒドロ
キシスチレン系重合体と酸発生剤、更に場合により溶解
阻止剤を含有してなる感光性組成物が化学増幅ポジ型レ
ジスト材料として耐熱性及びドライエッチング耐性に優
れ、微細加工技術に適した高解像性を有し、特に遠紫外
線リソグラフィーにおいて大いに威力を発揮し得るとい
う、従来にない新しいコンセプトの化学増幅ポジ型レジ
スト材料となることを見出し、本発明をなすに至ったも
のである。
【0008】本発明は、下記一般式(1)
【化2】 (式中、R1は酸の存在下加水分解する酸不安定性基を
示し、a:bは、0.1〜0.9:0.9〜0.1のモル比をそれぞれ示
している。)で表される部分的に水酸基が保護されたヒ
ドロキシスチレン系重合体であって、そのフェニル基の
1炭素のタクティシティがそれぞれ13C−NMRによ
るラセミペンタッドで30%以上であることを特徴とす
るシンジオタクチック置換ヒドロキシスチレン系重合体
を提供するものである。
【0009】特に、上記本発明におけるR1が、炭素数
3〜10のアルキル基、炭素数3〜30のトリアルキル
シリル基、炭素数1〜10のアルキル基を有するアルキ
ルオキシカルボニル基、及び炭素数1〜10のアルキル
基を有するアルキルオキシカルボニルメチレン基、から
なる群から選ばれる少なくとも1種の酸不安定性基であ
ることを特徴とする前記のシンジオタクチック置換ヒド
ロキシスチレン系重合体を提供するものである。
【0010】また本発明は、(A)上記シンジオタクチ
ック置換ヒドロキシスチレン系重合体、及び(B)酸発
生剤を含有してなることを特徴とする感光性組成物を提
供するものである。さらに(A)上記のシンジオタクチ
ック置換ヒドロキシスチレン系重合体、(B)酸発生
剤、及び(C)溶解阻止剤又は(D)塩基性化合物を含
有してなることを特徴とする感光性組成物を提供するも
のである。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明につき更に詳しく説
明する。本発明の重合体は下記一般式(1)で表される
部分的に水酸基が酸不安定性基によって保護された置換
ヒドロキシスチレン系重合体であって、そのフェニル基
のC1炭素のタクティシティがそれぞれ13C−NMRに
よるラセミペンタッドで30%以上であることを特徴と
するシンジオタクチック置換ヒドロキシスチレン系重合
体である。
【化3】 (式中、R1は酸の存在下加水分解する酸不安定性基を
示し、a:bは、0.1〜0.9:0.9〜0.1のモル比をそれぞれ示
している。)
【0012】ここでいうシンジオタクチック構造とは、
立体化学構造がシンジオタクチック構造、即ち炭素−炭
素結合から形成される主鎖に対して側鎖であるフェニル
基や置換フェニル基が交互に反対方向に位置する立体構
造を有するものであり、そのタクティシティーは同位体
炭素による核磁気共鳴法(13C−NMR法)により定量
される。13C−NMR法により測定されるタクティシテ
ィーは、連続する複数個の構造単位の存在割合、例えば
2個の場合はダイアッド、3個の場合はトリアッド、5
個の場合はペンダッドによって示すことができる。
【0013】本発明のシンジオタクチック置換ヒドロキ
シスチレン系重合体のタクティシティーは、13C−NM
Rによるフェニル基のC1炭素のタクティシティーによ
り表わされ、ラセミダイアッドで75%以上、より好ま
しくは85%以上、最も好ましくは90%以上、若しく
はラセミペンタッドで30%以上、好ましくは50%以
上、より好ましくは70%以上、特に好ましくは85%
以上のタクティシティーを有するものを示す。しかしな
がら、置換基の種類などによって最適なタクティシティ
ーの度合いは若干変動する。
【0014】本発明のシンジオタクチック置換ヒドロキ
シスチレン系重合体では、結合している繰り返し単位
は、2種類以上の両構造単位の相互間がそれぞれシンジ
オタクチック構造(コシンジオタクチック構造)となっ
ている。また、これらの構造単位で構成される共重合体
は、ブロック共重合、ランダム共重合あるいは交互共重
合等の種々の態様のものがある。なお、本発明にいうシ
ンジオタクチック置換ヒドロキシスチレン系重合体は、
必ずしも単一の重合体である必要はない。タクティシテ
ィーが上記範囲に存する限り、アイソタクチックもしく
はアタクチック構造のスチレン系重合体との混合物やア
タクチック構造のヒドロキシスチレン系重合体構造単位
及び置換ヒドロキシスチレン系重合体構造単位が重合鎖
中に組み込まれたものであってもよい。
【0015】さらに、本発明のシンジオタクチック置換
ヒドロキシスチレン系重合体の分子量は、数平均分子量
で500〜100,000、好ましくは1,000〜5
0,000、より好ましくは2,000〜30,000
の範囲にあるのが望ましい。分子量が小さすぎると機械
的強度が低い、耐熱性が低下するなど高分子としての物
性が不十分になり、逆に、分子量が大きすぎると感光性
材料としてパターンプロファイルの劣化や感度が悪くな
るという問題を生じる。
【0016】なお、分子量分布については特に制限はな
いが、本発明のシンジオタクチック置換ヒドロキシスチ
レン系重合体の重量平均分子量(Mw)と数平均分子量
(Mn)の比である分子量分布(Mw/Mn)の好まし
い範囲は、15以下、より好ましくは10以下であり、
更に好ましくは3.0以下、特に好ましくは2.0以下、
最も好ましくは1.5以下である。分子量分布が広すぎる
と、感光性材料としてパターンプロファイルの劣化や感
度が悪くなるという問題が生じるので好ましくない。
【0017】ここでいうシンジオタクチック置換ヒドロ
キシスチレン系重合体の重量平均分子量(Mw)、数平
均分子量(Mn)及び分子量分布(Mw/Mn)とは、
分子量分布が単分散である標準ポリスチレンを標準試料
としてキャリブレーションされたゲルパーミエーション
クロマトグラフィーを用いて、示差屈折率計を検出器と
して測定することにより求められる分子量及び分子量分
布のことである。
【0018】本発明のシンジオタクチック置換ヒドロキ
シスチレン系重合体では、一部の水酸基の水素原子が酸
不安定性基で置換されている。酸不安定性基の置換率は
特に制限はなく、溶解性、最終物性調整のため、任意に
設定できるが、通常10〜90モル%のものが使用され
る。10〜50モル%が好ましく、12〜30モル%が
さらに好ましい。重量平均分子量及び置換率が上記範囲
外になると感光性材料としてパターンプロファイルの劣
化や感度が悪くなる場合が生じる。
【0019】酸不安定性基である一般式(1)における
1としては、酸の存在下加水分解するものであれば特
に制限はない。好ましくは、R1が炭素数3〜10のア
ルキル基、炭素数3〜30のトリアルキルシリル基、−
CH2C(=O)O−R2(式中R2は炭素数1〜10の
アルキル基を表す)で表されるアルキルオキシカルボニ
ルメチレン基、及び−C(=O)O−R2(式中R2は炭
素数1〜10のアルキル基を表す)で表されるアルキル
オキシカルボニル基からなる群から選ばれる少なくとも
1種の酸不安定性基である。
【0020】このような酸不安定性基の好ましい例を示
すと、アルキル基としては、炭素数3〜10のアルキル
基であり、分岐構造、環状構造、置換基を有していても
よい。具体的には、n−ブチル基、n−ペンチル基、n
−ヘプチル基等の直鎖状アルキル基、sec−プロピル
基、tert−ブチル基のような分岐状アルキル基、シ
クロペンチル基、シクロヘキシル基等の環状アルキル
基、1−メトキシエチル基、1−エトキシエチル基、1
−n−プロポキシエチル基、1−イソプロポキシエチル
基、1−n−ブトキシエチル基、1−イソブトキシエチ
ル基、1−sec−ブトキシエチル基、1−tert−
ブトキシエチル基、1−tert−アミロキシエチル
基、1−エトキシ−n−プロピル基、1−シクロヘキシ
ロキシエチル基、メトキシプロピル基、エトキシプロピ
ル基、1−メトキシ−1−メチル−エチル基、1−エト
キシ−1−メチル−エチル基等の置換基を有するアルキ
ル基、テトラヒドロフラニル基、テトラヒドロピラニル
基、2−(1,3−ジオキサン−2−イル)エチル基等
の置換基と環状構造を構成するアルキル基が挙げられ
る。
【0021】トリアルキルシリル基としては、炭素数3
〜30のトリアルキルシリル基であり、具体的には、ト
リメチルシリル基、ジメチルエチルシリル基が挙げられ
る。アルキルオキシカルボニル基としては、−C(=
O)O−R2(式中R2は炭素数1〜10のアルキル基)
で表される炭素数1〜10のアルキル基を有するアルキ
ルオキシカルボニル基であり、具体的にはtert−ブ
トキシカルボニル基、tert−アミロキシカルボニル
基、1−エトキシエトキシカルボニル基、2−テトラヒ
ドロピラニルオキシカルボニル基、2−テトラヒドロフ
ラニルオキシカルボニル基等が挙げられる。
【0022】アルキルオキシカルボニルメチレン基とし
ては、−CH2C(=O)O−R2(式中R2は炭素数1
〜10のアルキル基)で表される炭素数1〜10のアル
キル基を有するアルキルオキシカルボニルメチレン基で
あり、具体的にはtert−ブトキシカルボニルメチレ
ン基、tert−アミロキシカルボニルメチレン基、1
−エトキシエトキシカルボニルメチレン基、2−テトラ
ヒドロピラニルオキシカルボニルメチレン基、2−テト
ラヒドロフラニルオキシカルボニルメチレン基等が挙げ
られる。これらの中で、耐熱性、感光材料としての諸特
性のバランスにおいて、さらに好適に使用されるのは、
tert−ブトキシカルボニル基、エトキシエチル基、
ブトキシエチル基、エトキシプロピル基、テトラヒドロ
ピラニル基である。
【0023】本発明のシンジオタクチック置換ヒドロキ
シスチレン系重合体は、その前駆体であるシンジオタ
クチックヒドロキシスチレン重合体の製造、シンジオ
タクチックヒドロキシスチレン重合体への酸不安定性基
の導入、の2段階の方法で製造できる。 シンジオタクチックヒドロキシスチレン重合体の製造
は、例えばシクロペンタジエニルチタニウムトリクロリ
ド等の遷移金属化合物成分とトリス(ペンタフルオロフ
ェニル)ボランやトリフェニルカルボニウムテトラ(ペ
ンタフルオロフェニル)ボレート等のホウ素化合物ある
いは例えば炭素数2以上のアルキル基を有するテトラア
ルキルジアルミノキサン及び/又はポリアルキルアルミ
ノキサンを、トリメチルアルミニウムと反応させること
によって得られた変性メチルアルミノキサンであるアル
ミノキサン等の助触媒成分との反応生成物である触媒の
存在下で、トリアルキルシリル基等の保護基で水酸基を
保護したヒドロキシスチレンを重合し、その後保護基を
脱離させることにより可能である。
【0024】シンジオタクチックヒドロキシスチレン
重合体の水酸基への酸不安定性基の導入は、酸性条件下
で行う方法と塩基性条件下で行う方法とに大別できる。
酸性条件下での方法で用いられる反応剤としてはアルケ
ニルエーテル化合物、1,1-ジアルキルアルケン、α,β
−不飽和カルボニル化合物等が挙げられ、塩基性条件下
での方法で用いられる反応剤としてはハロゲン化アルキ
ルエーテル、酸無水物、ハロゲン化トリアルキルシラ
ン、ハロゲン化アルキルカルボン酸の三級アルキルエス
テル等が挙げられる。
【0025】酸性条件下での方法で用いられる反応剤を
例示すると、アルケニルエーテル化合物としてはエチル
ビニルエーテル、n-プロピルビニルエーテル、イソプロ
ピルビニルエーテル、n-ブチルビニルエーテル、イソブ
チルビニルエーテル、sec-ブチルビニルエーテル、tert
−ブチルビニルエーテル、tert−アミルビニルエーテ
ル、シクロヘキシルビニルエーテル、1-メトキシプロペ
ン、1-エトキシプロペン、2-メトキシプロペン、2-エト
キシプロペン、3,4-ジヒドロ-2H-ピラン、2,3-ジヒドロ
フラン等が挙げられ、1,1-ジアルキルアルケンとしては
イソブテン、2-メチル- 2- ブテン、2-メチル- 1- ブ
テン等が挙げられ、α,β−不飽和カルボニル化合物と
しては、2-シクロヘキセン- 1- オン、5,6-ジヒドロ-2
H-ピラン-2-オン等が挙げられる。
【0026】酸性条件下での方法で用いられる反応溶媒
としては、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルア
セトアミド、テトラヒドロフラン、酢酸エチルが好まし
く、単独でも二種以上混合して使用しても構わない。酸
としては、塩酸、硫酸、トリフルオロメタンスルホン
酸、p-トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、p-トル
エンスルホン酸ピリジニウム等が好ましく、その使用量
は置換されるフェノール性水酸基の水素原子に対して
0.1〜10モル%であることが好ましい。反応温度と
しては、−20〜100℃、好ましくは0〜60℃であ
り、反応時間としては、0.2〜100時間、好ましく
は0.5〜20時間である。
【0027】塩基性条件下での方法で用いられる反応剤
を例示すると、ハロゲン化アルキルエーテルとしてはク
ロロメチルメチルエーテル、1-クロロエチルエチルエー
テル、1-クロロプロピルエチルエーテル、2-クロロテト
ラヒドロピラン、2-クロロテトラヒドロフラン、1-クロ
ロエチルシクロヘキシルエーテル等が挙げられ、酸無水
物としては二炭酸ジtert−ブチル、二炭酸ジtert−アミ
ル等が挙げられ、ハロゲン化トリアルキルシランとして
はクロロトリメチルシラン、クロロトリエチルシラン、
クロロジメチルtert−ブチルシラン等が挙げられ、ハロ
ゲン化アルキルカルボン酸の三級アルキルエステルとし
てはクロロ酢酸tert−ブチル、クロロ酢酸tert−アミ
ル、ブロモ酢酸tert−ブチル、クロロプロピオン酸tert
−ブチル等が挙げられるが、これらに限定されるもので
はない。
【0028】塩基性条件下での方法で用いられる反応溶
媒としては、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチル
アセトアミド、ジメチルスルホキシド、アセトニトリ
ル、アセトン、テトラヒドロフラン等の非プロトン性極
性溶媒が好ましく、単独でも二種以上混合して使用して
も構わない。塩基としては、トリエチルアミン、ピリジ
ン、ジイソプロピルアミン、イミダゾール、無水炭酸カ
リウム等が好ましく、その使用量は置換されるフェノー
ル性水酸基の水素原子に対して110〜300モル%で
あることが好ましい。反応温度としては、−50〜10
0℃、好ましくは0〜80℃である。反応時間として
は、0.5〜100時間、好ましくは1〜20時間であ
る。
【0029】本発明の高分子化合物において、上記一般
式(1)で示される基以外の酸不安定基としては一種に
限られず、二種以上を導入することができる。この場
合、上記と同様の方法を繰り返すことによりかかる酸不
安定基を二種又は適宜かかる操作を繰り返してそれ以上
導入した高分子化合物を得ることができる。その後、必
要に応じて、溶媒除去、精製、乾燥等を行う。本発明の
感光性組成物は、上記酸不安定性基によって部分的水酸
基が保護されたシンジオタクチック置換ヒドロキシスチ
レン系重合体である(A)成分と酸発生剤である(B)
成分からなるものであるが、場合によっては更に(C)
溶解阻止剤、(D)塩基性化合物、有機溶剤等をレジス
ト材料中に配合することができる。
【0030】ここで、(B)成分である酸発生剤として
は、例えばジフェニルヨードニウムトリフルオロメタン
スルホネート、ジフェニルヨードニウムピレンスルホネ
ート、ジフェニルヨードニウムドデシルベンゼンスルホ
ネート、ジフェニルヨードニウムノナフルオロn−ブタ
ンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨー
ドニウムトリフルオロメタンスルホネート、ビス(4−
t−ブチルフェニル)ヨードニウムドデシルベンゼンス
ルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニ
ウムナフタレンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフ
ェニル)ヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、
ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムノナフル
オロn−ブタンスルホネート、トリフェニルスルホニウ
ムトリフルオロメタンスルホネート、トリフェニルスル
ホニウムヘキサフルオロアンチモネート、
【0031】トリフェニルスルホニウムナフタレンスル
ホネート、トリフェニルスルホニウムノナフルオロn−
ブタンスルホネート、(ヒドロキシフェニル)ベンゼン
メチルスルホニウムトルエンスルホネート、シクロヘキ
シルメチル(2−オキソシクロヘキシル)スルホニウム
トリフルオロメタンスルホネート、ジシクロヘキシル
(2−オキソシクロヘキシル)スルホニウムトリフルオ
ロメタンスルホネート、ジメチル(2−オキソシクロヘ
キシル)スルホニウムトリフルオロメタンスルホネー
ト、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネ
ート、トリフェニルスルホニウムカンファースルホネー
ト、(4−ヒドロキシフェニル)ベンジルメチルスルホ
ニウムトルエンスルホネート、1−ナフチルジメチルス
ルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、1−ナフ
チルジエチルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネ
ート、
【0032】4−シアノ−1−ナフチルジメチルスルホ
ニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−ニトロ−
1−ナフチルジメチルスルホニウムトリフルオロメタン
スルホネート、4−メチル−1−ナフチルジメチルスル
ホニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−シアノ
−1−ナフチル−ジエチルスルホニウムトリフルオロメ
タンスルホネート、4−ニトロ−1−ナフチルジエチル
スルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−メ
チル−1−ナフチルジエチルスルホニウムトリフルオロ
メタンスルホネート、4−ヒドロキシ−1−ナフチルジ
メチルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、
4−ヒドロキシ−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニ
ウムトリフルオロメタンスルホネート、4−メトキシ−
1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムトリフルオロ
メタンスルホネート、
【0033】4−エトキシ−1−ナフチルテトラヒドロ
チオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−
メトキシメトキシ−1−ナフチルテトラヒドロチオフェ
ニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−エトキシ
メトキシ−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムト
リフルオロメタンスルホネート、4−(1−メトキシエ
トキシ)−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムト
リフルオロメタンスルホネート、4−(2−メトキシエ
トキシ)−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムト
リフルオロメタンスルホネート、4−メトキシカルボニ
ルオキシ−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムト
リフルオロメタンスルホネート、4−エトキシカルブニ
ルオキシ−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムト
リフルオロメタンスルホネート、4−n−プロポキシカ
ルボニルオキシ−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニ
ウムトリフルオロメタンスルホネート、
【0034】4−i−プロポキシカルボニルオキシ−1
−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメ
タンスルホネート、4−n−ブトキカルビニルオキシ−
1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムトリフルオロ
メタンスルホネート、4−t−ブトキシカルボニルオキ
シ−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムトリフル
オロメタンスルホネート、4−(2−テトラヒドロフラ
ニルオキシ)−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウ
ムトリフルオロメタンスルホネート、4−(2−テトラ
ヒドロピラニルオキシ)−1−ナフチルテトラヒドロチ
オフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−ベ
ンジルオキシ−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウ
ムトリフルオロメタンスルホネート、1−(ナフチルア
セトメチル)テトラヒドロチオフェニウムトリフルオロ
メタンスルホネート等のオニウム塩系酸発生剤;
【0035】フェニル-ビス(トリクロロメチル)−s
−トリアジン、メトキシフェニル−ビス(トリクロロメ
チル)−s−トリアジン、ナフチル−ビス(トリクロロ
メチル)−s−トリアジン等のハロゲン含有化合物系酸
発生剤;1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホニル
クロリド、1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホ
ニルクロリド、2,3,4,4'−テトラベンゾフェノンの
1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステ
ルまたは1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン
酸エステル等のジアゾケトン化合物光酸発生剤;4−ト
リスフェナシルスルホン、メシチルフェナシルスルホ
ン、ビス(フェニルスルホニル)メタン等のスルホン酸
化合物系酸発生剤;
【0036】ベンゾイントシレート、ピロガロールのト
リストリフルオロメタンスルホネート、ニトロベンジル
−9,10−ジエトキシアントラセン−2−スルホネー
ト、トリフルオロメタンスルホニルビシクロ[2,2,
1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボジイミド、N
−ヒドロキシスクシンイミドトリフルオロメタンスルホ
ネート、1,8−ナフタレンジカルボン酸イミドトリフ
ルオロメタンスルホネート等のスルホン酸化合物系酸発
生剤等が挙げられる。これらのうちで、オニウム塩系酸
発生剤が好ましく、中でも好適なオニウム塩系酸発生剤
としては、トリフェニルスルホニウムトリフレート誘導
体、トリフェニルスルホニウムトシレート誘導体が挙げ
られる。酸発生剤の添加量は、加水分解性基によって部
分的水酸基が保護されたシンジオタクチックヒドロキシ
スチレン系重合体100重量部に対し0.5〜20重量
部、好ましくは1〜10重量部である。
【0037】本発明材料には、更に(C)成分として溶
解阻止剤を添加することができる。溶解阻止剤(C)を
添加することにより、レジスト膜に遠紫外線等の高エネ
ルギー線を照射し、必要に応じて加熱処理した後、アル
カリ現像液で処理する場合に、本発明のシンジオタクチ
ック置換ヒドロキシスチレン系重合体の溶解速度を制御
することができ、これによりコントラストを向上させる
ことができる。溶解阻止剤としては、平均分子量が10
0〜1,000、好ましくは150〜800で、かつ分
子内にフェノール性水酸基を2つ以上有する化合物の該
フェノール性水酸基の水素原子を酸不安定基により置換
した化合物を配合する。なお、フェノール性水酸基の水
素原子の酸不安定基による置換率は、平均でフェノール
性水酸基全体の20モル%以上、好ましくは30モル%
以上であり、また、その上限は100モル%である。
【0038】本発明で使用する溶解阻止剤(C)として
は、ジ−t−ブトキシカルボニルレゾルシン、ジ−t−
ブトキシカルボニルフロログルシン、2,4−ジ−t−ブ
トキシカルボニルオキシベンゾフェノン、2,3,4−トリ
−t−ブトキシカルボニルオキシベンゾフェノン、2,
2',4,4'−テトラ−t−ブトキシカルボニルオキシベン
ゾフェノン、4,4'-ジ−t−ブトキシカルボニルオキシ
ジフェニルスルホン、トリス(4−t−ブトキシカルボ
ニルオキシフェニル)メタン、ジ−t−ブトキシカルボ
ニルヒドロキノン、4,4'−ジ−t−ブトキシカルボ
ニルオキシビフェニル、ジ−t−ブトキシカルボニルビ
スフェノールA、ジ−t−ブトキシカルボニルビスフェ
ノールF等のt−ブトキシカルボニル基によって保護さ
れたフェノール類を挙げることができる。溶解阻止剤の
添加量は、アルカリ可溶性樹脂100重量部に対し5〜
50重量部、好ましくは10〜30重量部である。溶解
阻止剤は単独又は2種以上を混合して使用できる。配合
量が5重量部に満たないと解像性の向上がない場合があ
り、50重量部を超えるとパターンの膜減りが生じ、解
像度が低下する場合がある。
【0039】また、更に、本発明の感光性組成物には、
(D)成分として塩基性化合物を配合することができ
る。ここで、塩基性化合物は、酸発生剤より発生する酸
がレジスト膜中に拡散する際の拡散速度を抑制すること
ができる化合物が適しており、このような塩基性化合物
の配合により、レジスト膜中での酸の拡散速度が抑制さ
れて解像度が向上し、露光後の感度変化を抑制したり、
基板や環境依存性を少なくし、露光余裕度やパターンプ
ロファイル等を向上することができる。通常、塩基性化
合物としては、レジストパターンの形成工程中の露光や
加熱処理により塩基性が変化しない含窒素有機化合物が
用いられる。
【0040】この場合、含窒素有機化合物としては、n
−ヘキシルアミン、n−ヘプチルアミン、n−オクチル
アミン、n−ノニルアミン、n−デシルアミン等のモノ
アルキルアミン類;ジ−n−ブチルアミン、ジ−n−ペ
ンチルアミン、ジ−n−ヘキシルアミン、ジ−n−ヘプ
チルアミン、ジ−n−オクチルアミン、ジ−n−ノニル
アミン、ジ−n−デシルアミン等のジアルキルアミン
類;トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、ト
リ−n−ブチルアミン、トリ−n−ペンチルアミン、ト
リ−n−ヘキシルアミン、トリ−n−ヘプチルアミン、
トリ−n−オクチルアミン、トリ−n−ノニルアミン、
トリ−n−デシルアミン、トリ−n−ドデシルアミン等
のトリアルキルアミン類;アニリン、N−メチルアニリ
ン、N,N−ジメチルアニリン、2−メチルアニリン、
3−メチルアニリン、4−メチルアニリン、4−ニトロ
アニリン、ジフェニルアミン、トリフェニルアミン、1
−ナフチルアミン等の芳香族アミン類等を挙げることが
できる。
【0041】また、エチレンジアミン、N,N,N',
N'−テトラメチルエチレンジアミン、テトラメチレン
ジアミン、ヘキサメチレンジアミン、4,4'−ジアミ
ノジフェニルメタン、4,4'−ジアミノジフェニルエ
ーテル、4,4'−ジアミノベンゾフェノン、4,4'−
ジアミノジフェニルアミン、2,2'−ビス(4−アミ
ノフェニル)プロパン、2−(3−アミノフェニル)−
2−(4−アミノフェニル)プロパン、2−(4−アミ
ノフェニル)−2−(3−ヒドロキシフェニル)プロパ
ン、2−(4−アミノフェニル)−2−(4−ヒドロキ
シフェニル)プロパン、1,4−ビス[1−(4−アミ
ノフェニル)−1−メチルエチル]ベンゼン、1,3−
ビス[1−(4−アミノフェニル)−1−メチルエチ
ル]ベンゼン等も挙げることができる。さらに、ポリエ
チレンイミン、ポリアリルアミン、ジメチルアミノエチ
ルアクリルアミドの重合体等を挙げることができる。
【0042】また、アミド基含有化合物として、例え
ば、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−
ジメチルホルムアミド、アセトアミド、N−メチルアセ
トアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、プロピオン
アミド、ベンズアミド、ピロリドン、N−メチルピロリ
ドン等を挙げることができる。ウレア化合物としては、
例えば、尿素、メチルウレア、1,1−ジメチルウレ
ア、1,3−ジメチルウレア、1,1,3,3−テトラ
メチルウレア、1,3−ジフェニルウレア、トリブチル
チオウレア等を挙げることができる。
【0043】さらに、含窒素複素環化合物としては、例
えば、イミダゾール、ベンズイミダゾール、4−メチル
イミダゾール、4−メチル−2−フェニルイミダゾール
等のイミダゾール類;ピリジン、2−メチルピリジン、
4−メチルピリジン、2−エチルピリジン、4−エチル
ピリジン、2−フェニルピリジン、4−フェニルピリジ
ン、N−メチル−4−フェニルピリジン、ニコチン、ニ
コチン酸、ニコチン酸アミド、キノリン、8−オキシキ
ノリン、アクリジン等のピリジン類のほか、ピラジン、
ピラゾール、ピリダジン、キノザリン、プリン、ピロリ
ジン、ピペリジン、モルホリン、4−メチルモルホリ
ン、ピペラジン、1,4−ジメチルピペラジン、1,4
−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン等を挙げるこ
とができる。
【0044】これらの含窒素有機化合物の内で、沸点1
50℃以上のアミン化合物もしくはアミド化合物が塩基
性化合物として好ましい。具体的には、アニリン、N−
メチルアニリン、N,N−ジメチルアニリン、o−トル
イジン、m−トルイジン、p−トルイジン、2,4−ル
チジン、キノリン、イソキノリン、ホルムアミド、N−
メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、
アセトアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメ
チルアセトアミド、2−ピロリドン、N−メチルピロリ
ドン、イミダゾール、α−ピコリン、β−ピコリン、γ
−ピコリン、
【0045】o−アミノ安息香酸、m−アミノ安息香
酸、p−アミノ安息香酸、1,2−フェニレンジアミ
ン、1,3−フェニレンジアミン、1,4−フェニレン
ジアミン、2−キノリンカルボン酸、2−アミノ−4−
ニトロフェノール、2−(p−クロロフェニル)−4,
6−トリクロロメチル−s−トリアジンなどのトリアジ
ン化合物が挙げられる。これらの中では、特にピロリド
ン、N−メチルピロリドン、o−アミノ安息香酸、m−
アミノ安息香酸、p−アミノ安息香酸、1,2−フェニ
レンジアミン、1,3−フェニレンジアミン、1,4−
フェニレンジアミンが好ましく用いられる。
【0046】また、塗布性を向上させるために界面活性
剤、基板よりの乱反射の影響を少なくするために吸光性
材料を通常量で配合することができる。界面活性剤とし
ては、パーフルオロアルキルポリオキシエチレンエタノ
ール、フッ素化アルキルエステル、パーフルオロアルキ
ルアミンオキサイド、パーフルオロアルキルEO付加物
等が挙げられ、吸光性材料としては、ジアリールスルホ
キシド、ジアリールスルホン、9,10−ジメチルアン
トラセン、9−フルオレノン等が挙げられる。
【0047】本発明の感光性組成物はシンジオタクチッ
ク置換ヒドロキシスチレン系重合体と酸発生剤を溶剤に
溶解して調製される。この際用いられる溶剤としては、
適当な乾燥速度を有し、均一で平滑な塗膜を与えるもの
がよい。このような溶剤としては、エチレングリコール
モノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエ
ーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エ
チレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリ
コールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチ
ルエーテル、ジエチレングリコールジプロピルエーテ
ル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、メチルセ
ロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、プ
ロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プ
ロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プ
ロピレングリコールプロピルエーテルアセテートのよう
なグリコールエーテルエステル類、
【0048】2−ヒドロキシプロピオン酸メチル、2−
ヒドロキシプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシ−2−
メチルプロピオン酸エチル、エトキシ酢酸エチル、オキ
シ酢酸エチル、2−ヒドロキシ−3−メチルブタン酸メ
チル、3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3
−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキ
シブチルプロピオネート、3−メチル−3−メトキシブ
チルブチレート、酢酸エチル、酢酸ブチル、アセト酢酸
メチル、アセト酢酸エチル、ピルビン酸エチル、酢酸n
−アミル、乳酸エチル等のエステル類、メチルエチルケ
トン、シクロヘキサノン、2−ヘプタノン、γ−ブチロ
ラクトン等のケトン類が挙げられる。これらの溶剤は単
独で、或いは2種以上混合して用いられる。溶剤量は、
基盤上に均質で、ピンホール及び塗りむらのない塗膜が
できる塗布が可能であれば特に制限されないが、通常、
シンジオタクチック置換ヒドロキシスチレン系重合体1
00重量部に対し200〜1000重量部、好ましくは
400〜800重量部である。200部より少ないと相
溶性が低下し、成膜性に劣る場合が生じ、1000部を
超えるとレジスト膜を形成した場合に薄膜になり、使用
に供し得ない場合が生じる。
【0049】本発明の感光性組成物を使用してフォトパ
ターンを形成するには、公知のリソグラフィー技術を採
用して行うことができ、例えばシリコーンウエハー上へ
スピンコーティングし、0.5〜1.5μmに塗布して
80〜120℃でプリベークした後、遠紫外線、電子
線、X線等の光エネルギー線を照射して露光後、70〜
100℃で60〜120秒ポストエクスポージャベーク
(PEB)し、次いでアルカリ水溶液で現像することに
より行うことができる。なお、本発明の感光性組成物
は、特に高エネルギー線の中でも254〜193nmの
遠紫外光及び電子線による微細パターニングに最適であ
る。
【0050】
【実施例】以下、実施例と比較例を示して本発明を具体
的に説明するが、本発明は下記実施例に限定されるもの
ではない。なお、各例中の部はいずれも重量部である。
【0051】参考例1(変性メチルアルミノキサン−1
の調製) 25%トルエン溶液としたトリイソブチルアルミニウム
(TIBAL)を、窒素雰囲気下で2000mlのフラスコに
仕込んだ。0〜15℃の温度で激しく攪拌を行いながら、
水を3時間かけて滴下させ、イソブチルアルミノキサン
(IBAO)溶液を調製した。水の滴下完了後、IBA
Oの透明な無色の溶液を70〜80℃に加熱して、反応を完
結させ、溶解していたイソブタンを除去した。得られた
IBAO溶液にトルエンで希釈したトリメチルアルミニ
ウム(TMAL)を加え、60〜85℃で1時間加熱するこ
とによって、変性メチルアルミノキサン−1のトルエン
溶液を得た。変性メチルアルミノキサン−1トルエン溶
液を分析した結果、そのアルミニウム含量は5.7wt%、加
水分解気体組成物はイソブタン29%、メタン70%であっ
た。
【0052】合成例1(シンジオタクチックポリ(4-te
rt-ブチルジメチルシリルオキシスチレン)の合成 乾燥し、窒素置換した内容積 2000 mlのガラス製三ツ口
フラスコを用い、窒素雰囲気下で重合反応を行った。ト
ルエン 762 mlと参考例1によって得られた変性メチル
アルミノキサン−1のトルエン溶液(アルミニウム濃
度:5.7wt%) 431mlをガラス製三ツ口フラスコに仕込
み、10 分間、0℃でエージングを行った。ここに、イン
デニルチタニウムトリクロリド0.8 mmolを仕込み、さら
に、4-tert-ブチルジメチルシリルオキシスチレン 0.8
mmolを仕込んで、10 分間エージングを行った。
【0053】最後に、4-tert-ブチルジメチルシリルオ
キシスチレン 320.0 mmolとトリイソブチルアルミニウ
ム2.0mmolのトルエン溶液を仕込んで、50 ℃にて 30 分
間重合反応を行った。少量のメタノールを添加して重合
反応を停止し、重合溶液を20,000mlのメタノー
ルに注ぎ込み重合体を析出させた。ここへ、20mlの
37%塩酸を加え、10分間攪拌した後、直ちに濾過を
行った。濾別された重合体をメタノールで十分に洗浄し
た後、乾燥、秤量して、(4−(t−ブチルジメチルシ
リルオキシ)スチレン)重合体 63.8 g(収率:85.1
wt%)を得た。得られた重合体はMn:8600、Mw:
18100、Mw/Mn:2.1のものであった。ま
た、13C-NMR測定により求められるタクティシティ
ーは、ラセミペンタッドで 95 %以上のシンジオタクチ
ック構造であった。
【0054】合成例2(シンジオタクチック4-ヒドロ
キシスチレン重合体の製造) 合成例1で得られたシンジオタクチック(4−(t−ブ
チルジメチルシリルオキシ)スチレン)重合体:60.
0gをガラス製三ツ口フラスコに仕込み、続いてテトラ
ヒドロフラン(THF)2000mlを仕込んで、ポリ
マーを溶解させた。その後、37%塩酸を50.0ml
仕込んで加熱を行い、60℃で300分間撹拌を行っ
た。加熱を停止した後、水中に上記ポリマー溶液を注ぎ
込み重合体を析出させた。得られた重合体を良く水洗
し、濾別、乾燥後、エタノールに溶解させ、ヘキサンに
注ぎ込み、再度重合体を濾別、乾燥後、THFに再溶解
させ、水中に上記ポリマー溶液を注ぎ込み重合体を析出
させた。得られた重合体を良く水洗し、濾別、乾燥後、
秤量して、ヒドロキシスチレン重合体30.7g(収
率:93.0wt%)を得た。このようにして得られたヒド
ロキシスチレン重合体はMn:8050、Mw:1690
0、Mw/Mn:2.1、タクティシティーはラセミペ
ンタッドで 95 %以上のシンジオタクチック構造であっ
た。
【0055】実施例1 4−(t−ブチルオキシカルボニルオキシ)スチレン/
4−ヒドロキシスチレン重合体 合成例2で得られたシンジオタクチック(4−ヒドロキ
シスチレン)重合体2.3g、アセトン15mlを50
mlフラスコに仕込み、溶解させた。これにジt−ブチ
ル ジカーボネート1.09g(0.005mol)、
無水炭酸カリウム0.76g(0.0055mol)を
加え、50℃で15時間攪拌を行った。得られた反応液
から塩類を除去した後、500mlの0.1%塩酸に投
入し、生じた沈澱物を濾過した。50℃で真空乾燥後、
得られた固形分をTHF15mlに溶解させ、不溶解成
分を除去後、500mlの0.1%塩酸に投入し、生じ
た沈澱を濾過した(再沈操作)。この再沈操作を2回繰
り返した後、乾燥し、2.68gの4−(t−ブチルオ
キシカルボニルオキシ)スチレン/4−ヒドロキシスチ
レン共重合体(重合体−1)を得た。得られた重合体
は、GPC分析の結果、Mn=8710であった。ま
た、1H−NMRスペクトル解析の結果、4−(t−ブ
チルオキシカルボニルオキシ)スチレン/4−ヒドロキ
シスチレンの比率は、24/76であった。
【0056】実施例2 4−(t−ブチルオキシカルボニルオキシ)スチレン/
4−ヒドロキシスチレン重合体 合成例2で得られたシンジオタクチック(4−ヒドロキ
シスチレン)重合体2.3g、アセトン20mlを50
mlフラスコに仕込み、溶解させた。これにジt−ブチ
ル ジカーボネート1.4g、無水炭酸カリウム1.0
gを加え、50℃で15時間攪拌を行った。得られた反
応液から塩類を除去した後、500mlの0.1%塩酸
に投入し、生じた沈澱物を濾過した。50℃で真空乾燥
後、得られた固形分をTHF15mlに溶解させ、不溶
解成分を除去後、500mlの0.1%塩酸に投入し、
生じた沈澱を濾過した(再沈操作)。この再沈操作を2
回繰り返した後、乾燥し、2.81gの4−(t−ブチ
ルオキシカルボニルオキシ)スチレン/4−ヒドロキシ
スチレン共重合体(重合体−2)を得た。得られた重合
体は、GPC分析の結果、Mn=9200であった。ま
た、1H−NMRスペクトル解析の結果、(t−ブチル
オキシカルボニルオキシ)スチレン/4−ヒドロキシス
チレンの比率は、32/68であった。
【0057】実施例3 4−(1−エトキシエトキシ)スチレン/4−ヒドロキ
シスチレン重合体 合成例2で得られたシンジオタクチック(4−ヒドロキ
シスチレン)重合体2.0g、エチルビニルエーテル
0.6gを酢酸エチル20ml中に溶解し、触媒量のp
−トルエンスルホン酸ピリジニウム塩を添加して室温で
2時間攪拌反応させた。反応後、室温下で減圧濃縮し、
残渣をアセトン10mlに溶解させ、水250ml中に
注入して、析出させた。生じた沈澱を濾過し、水洗、減
圧乾燥して、2.30gの4−(1−エトキシエトキ
シ)スチレン/4−ヒドロキシスチレン重合体(重合体
−3)を得た。得られた重合体は、GPC分析の結果、
Mn=9070であった。また、1H−NMRスペクト
ル解析の結果、4−(1−エトキシエトキシ)スチレン
スチレン/4−ヒドロキシスチレンの比率は、35/6
5であった。
【0058】実施例4 4−(1−メトキシ−1−メチルエトキシ)スチレン/
4−ヒドロキシスチレン重合体 合成例2で得られたシンジオタクチック(4−ヒドロキ
シスチレン)重合体2.0g、2−メトキシ−1−プロ
ペン0.6gをテトラヒドロフラン20ml中に溶解
し、これに触媒量のオキシ塩化燐を添加して室温で16
時間攪拌反応させた。反応後、水200ml中に注入し
て、析出させた。生じた沈澱を濾過し、水洗、減圧乾燥
して、1.72gの4−(1−メトキシ−1−メチルエ
トキシ)スチレン/4−ヒドロキシスチレン重合体(重
合体−4)を得た。得られた重合体は、GPC分析の結
果、Mn=93,00であった。また、1H−NMRス
ペクトル解析の結果、4−(1−エトキシエトキシ)ス
チレンスチレン/4−ヒドロキシスチレンの比率は、3
6/64であった。
【0059】実施例5 合成例2で得られたシンジオタクチック(4−ヒドロキ
シスチレン)重合体2.0g、エチルビニルエーテル
0.3gを酢酸エチル20ml中に溶解し、触媒量のp
−トルエンスルホン酸ピリジニウム塩を添加して室温で
2時間攪拌反応させた。この反応生成物を実施例1〜4
と同様な方法により処理し、下記示性式(重合体−5)
で示される重合体(但し、a/b=17/83、Mn=
9530、ラセミペンタッド>95%)を得た。
【化4】
【0060】実施例6 合成例2で得られたシンジオタクチック(4−ヒドロキ
シスチレン)重合体2.0gを1,2-ジメトキシエタン2
0mlに溶解し、次いで2,3-ジヒドロピラン2.8g及
び硫酸0.15mlを加え30〜40℃で15時間攪拌
した。反応後、反応液を減圧濃縮し、残渣を炭酸ナトリ
ウムで中和した。この反応生成物を実施例1〜4と同様
な方法により処理し、下記示性式(重合体−6)で示さ
れる重合体(但し、a/b=30/70、Mn=982
0、ラセミペンタッド>95%)を得た。
【化5】
【0061】実施例7 合成例2で得られたシンジオタクチック(4−ヒドロキ
シスチレン)重合体2.0gを、イミダゾール1.2g
の存在下、1,4−ジオキサン溶媒中でトリメチルクロ
ロシラン2.7gと30℃にて4時間反応させた。この
反応生成物を実施例1〜4と同様な方法により処理し、
下記示性式(重合体−7)で示される重合体(但し、a
/b=36/64、Mn=9470、ラセミペンタッド
>95%)を得た。
【化6】
【0062】実施例8 合成例2で得られたシンジオタクチック(4−ヒドロキ
シスチレン)重合体2.0gを1,2-ジメトキシエタン2
0mlに溶解し、次いで2,3-ジヒドロピラン1.4g及
び硫酸0.10mlを加え30〜40℃で15時間攪拌
した。反応後、反応液を減圧濃縮し、残渣を炭酸ナトリ
ウムで中和した。この反応生成物を実施例1〜4と同様
な方法により処理し、下記示性式(重合体−8)で示さ
れる重合体(但し、a/b=16/84、Mn=917
0、ラセミペンタッド>95%)を得た。
【化7】
【0063】実施例9 合成例2で得られたシンジオタクチック(4−ヒドロキ
シスチレン)重合体2.0gをアセトニトリル20ml
に溶解し、次いで2-(2-ブロモエチル)-1,3-ジオキサン
4g及びヨードカリウム0.3g、炭酸カリウム6.0
gを加え80℃で5時間攪拌した。反応後、反応混合物
に30mlのエチルアセテートを添加し、飽和炭酸カリ
ウム水溶液、蒸留水、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄
する。この反応生成物を実施例1〜4と同様な方法によ
り処理し、下記示性式(重合体−9)で示される重合体
(但し、a/b=25/75、Mn=9380、ラセミ
ペンタッド>95%)を得た。
【化8】
【0064】実施例10 合成例2で得られたシンジオタクチック(4−ヒドロキ
シスチレン)重合体2.3g、アセトン15mlを50
mlフラスコに仕込み、溶解させた。これにジt−ブチ
ル ジカーボネート0.65g(0.003mol)、
無水炭酸カリウム0.76g(0.0033mol)を
加え、50℃で15時間攪拌を行った。この反応生成物
を実施例1〜4と同様な方法により処理し、下記示性式
(重合体−10)で示される重合体(但し、a/b=1
5/85、Mn=8710、ラセミペンタッド>95
%)を得た。
【化9】
【0065】合成例3 アタクチック構造の(4−ヒドロキシスチレン)重合体
[日本曹達(株)製、数平均分子量(Mn):848
0、シンジオタクティシティ(ラセミペンタッド:6
%)]2.3g、アセトン20mlを50mlフラスコ
に仕込み、溶解させた。これにジt−ブチル ジカーボ
ネート1.4g、無水炭酸カリウム1.0gを加え、5
0℃で15時間攪拌を行った。この反応生成物を実施例
1〜4と同様な方法により処理し、下記示性式(重合体
−R1)で示される重合体(但し、a/b=31/6
9、Mn=9780、ラセミペンタッド=6%)を得
た。
【化10】
【0066】合成例4 アタクチック構造の(4−ヒドロキシスチレン)重合体
[日本曹達(株)製、数平均分子量(Mn):848
0、シンジオタクティシティ(ラセミペンタッド:6
%)]2.0gを1,2-ジメトキシエタン25mlに溶解
し、次いで2,3-ジヒドロピラン3.2g及び硫酸0.1
5mlを加え30〜40℃で12時間攪拌した。反応
後、反応液を減圧濃縮し、残渣を炭酸ナトリウムで中和
した。この反応生成物を実施例1〜4と同様な方法によ
り処理し、下記示性式(重合体−R2)で示される重合
体(但し、a/b=35/65、Mn=10400、ラ
セミペンタッド=5%)を得た。
【化11】
【0067】合成例5 アタクチック構造の(4−ヒドロキシスチレン)重合体
[日本曹達(株)製、数平均分子量(Mn):848
0、シンジオタクティシティ(ラセミペンタッド:6
%)]2.0g、エチルビニルエーテル0.5gを酢酸
エチル25ml中に溶解し、触媒量のp−トルエンスル
ホン酸ピリジニウム塩を添加して室温で2時間攪拌反応
させた。反応後、反応液を減圧濃縮し、残渣を炭酸ナト
リウムで中和した。この反応生成物を実施例1〜4と同
様な方法により処理し、下記示性式(重合体−R3)で
示される重合体(但し、a/b=27/73、Mn=9
950、ラセミペンタッド=6%)を得た。
【化12】
【0068】実施例11〜21、比較例1〜5 重合体−1〜10及び重合体−R1〜3に示した部分的
に水酸基が加水分解性基で保護されたヒドロキシスチレ
ン重合体と、下記式(PAG1〜4)で示される酸発生
剤と、下記式(DRI1)又は(DRI2)で示される
溶解阻止剤を表1に示す組成で溶媒に溶解し、更に各組
成物を0.2μmのテフロン(登録商標)製フィルター
で濾過することにより、感光性組成物溶液を調製した。
【0069】
【化13】
【化14】
【化15】
【化16】
【0070】
【化17】
【化18】
【0071】得られた溶液をシリコーンウエハー上へス
ピンコーティングし、0.8μmの厚さに塗布した。次
いで、このシリコーンウエハーをホットプレートを用い
て100℃で120秒間ベークした。ベーク後の膜厚は
0.78μmであった。これをエキシマレーザーステッ
パー(ニコン社、NSR−2005EX8A,NA−
0.5)を用いて露光し、90℃で60秒ベークを施
し、2.38%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシ
ドの水溶液で現像を行い、ポジ型のパターンを得た。得
られたパターンを次のように評価した。評価方法:ま
ず、0.35μmのラインアンドスペースを1:1で解
像する露光量を最適露光量(Eop)として、この露光
量における分離しているラインアンドスペースの最小線
幅を評価レジストの解像度とした。解像したパターンの
形状は、走査型電子顕微鏡を用いて観察した。さらに,
現像後のシリコーンウエハーを175℃の高温で5分間
ベークし,パターンの劣化の状態を走査型電子顕微鏡に
より観察した。結果を表1,2に示す。
【0072】
【表1】
【0073】
【表2】
【0074】表1,2の結果より、本発明の化学増幅ポ
ジ型レジスト材料は、高度の耐熱性を有し,良好な感
度、高い解像力を有することが確認された。
【0075】
【発明の効果】本発明のシンジオタクチック置換ヒドロ
キシスチレン系重合体及び当該重合体を用いた感光性組
成物は、例えば遠紫外線、電子線、X線などの高エネル
ギー線に対して高い感度を有し、アルカリ水溶液で現像
することによりパターン形成ができ、耐熱性に優れかつ
微細加工技術に適した化学増幅ポジ型レジスト材料を始
めとして、感光性印刷版、有機反射防止膜、感光性接着
剤、感光性塗料、感光性封止材、感光性コーティング材
料、感光性フィルムなどの感光性材料分野の原料及び感
光性材料として有用、かつ実用性の高いものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H025 AA01 AA02 AA10 AB16 AC04 AC08 AD03 BE00 BE10 BG00 CB17 CB41 CB51 CC20 FA17 4J100 AB07P AB07Q BA03Q BA04P BA06P BA15P BA72P CA04 CA12

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記一般式(1) 【化1】 (式中、R1は酸の存在下加水分解する酸不安定性基を
    示し、a:bは、0.1〜0.9:0.9〜0.1のモル比をそれぞれ示
    している。)で表される部分的に水酸基が保護された置
    換ヒドロキシスチレン系重合体であって、そのフェニル
    基のC1炭素のタクティシティがそれぞれ13C−NMR
    によるラセミペンタッドで30%以上であることを特徴
    とするシンジオタクチック置換ヒドロキシスチレン系重
    合体。
  2. 【請求項2】 一般式(1)において、R1が、炭素数
    3〜10のアルキル基、炭素数3〜30のトリアルキル
    シリル基、炭素数1〜10のアルキル基を有するアルキ
    ルオキシカルボニル基、及び、炭素数1〜10のアルキ
    ル基を有するアルキルオキシカルボニルメチレン基、か
    らなる群から選ばれる少なくとも1種の酸不安定性基で
    あることを特徴とする請求項1に記載のシンジオタクチ
    ック置換ヒドロキシスチレン系重合体。
  3. 【請求項3】 (A)請求項1または2記載の部分的に
    シンジオタクチック置換ヒドロキシスチレン系重合体、
    及び(B)酸発生剤を含有してなることを特徴とする感
    光性組成物。
  4. 【請求項4】 (A)請求項1または2記載のシンジオ
    タクチック置換ヒドロキシスチレン系重合体、(B)酸
    発生剤、及び(C)溶解阻止剤を含有してなることを特
    徴とする感光性組成物。
  5. 【請求項5】 (A)請求項1または2記載のシンジオ
    タクチック置換ヒドロキシスチレン系重合体、(B)酸
    発生剤、及び(D)塩基性化合物を含有してなることを
    特徴とする感光性組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2018180069A1 (ja) * 2017-03-31 2018-10-04 富士フイルム株式会社 パターン形成方法、電子デバイスの製造方法

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