JP2003146901A - 血中脂質改善剤 - Google Patents
血中脂質改善剤Info
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Abstract
抑制し、血中脂質量のレベルを低減させ得る、天然物由
来の素材を用いた血中脂質改善剤及びこれを産業上有効
活用できる組成物を提供する。 【解決手段】(1)チダケサシ属に属する植物、好適に
はアカショウマの根及び/又は根茎の乾燥粉末、抽出物
又は精製物、より好適にはエタノール、アセトン若しく
はこれらの含水溶媒による抽出物又は含水アセトン抽出
物の酢酸エチル可溶画分と、(2)キキョウの根及び/
又は根茎の乾燥粉末、抽出物又は精製物、より好適には
水、エタノール、アセトン若しくはこれらの含水溶媒に
よる抽出物又は水抽出物のエタノール可溶画分と、の少
なくとも1種以上を含有してなる血中脂質改善剤。ま
た、これを配合してなる食用組成物又は医薬用組成物。
Description
として使用した血中脂質改善剤及びその利用に関するも
のである。より詳細には、アカショウマ等のチダケサシ
属に属する植物及び/又はキキョウを含有してなる血中
脂質改善剤及びこれを用いた食用組成物又は医薬用用組
成物に関する。
取エネルギーの増加と運動不足による消費エネルギーの
減少との格差が増大し、体脂肪の過剰蓄積をともなう肥
満体形が増えており、高脂血症等の循環器系疾患をはじ
めとする各種生活習慣病の増加原因となっている。一般
的に、高脂血症は血清中の脂質すなわちコレステロー
ル、トリグリセリド、リン脂質、遊離脂肪酸等のうち1
種以上の脂質成分が異常に増加してさまざまな障害をま
ねく疾病であり、その主なものとして高コレステロール
血症と高トリグリセリド血症がある。高脂血症状態が慢
性化すると動脈硬化症、脂肪肝、脳卒中、狭心症等を惹
起し、また、糖尿病、腎臓障害等の疾患を合併症として
起こしやすくなるといわれている。
ける治療や予防はもとより、食品に含まれる成分を利用
して血中脂質の異常な増加を抑制する試みがこれまでに
数多くなされてきた。すなわち、血中コレステロールの
濃度を低下させる薬剤としてブラバスタチンをはじめと
する種々の化学合成物質が治療に利用されており、高ト
リグリセリド血症に対してはデキストラン硫酸ナトリウ
ム、ニコチン酸トコフェロール、パンテチン、ステリン
誘導体等の薬剤が治療に用いられている。また、血中コ
レステロールやトリグリセリドの濃度を低減させる作用
のある食品成分としては、米やトウモロコシ等の胚芽に
多く含まれるγ−オリザノール(基礎と臨床、第17
巻、No.4、第123−140頁、1983年)、大
豆、トウモロコシ、ゴマ等のフィトステロール(The
Lipid,5,No.1,101−105,199
4)、大豆油やコーン油等の植物油脂に含まれるトリテ
ルペンアルコール(動脈硬化、第13巻、No.2,第
273−278頁、1985年)等が知られている。
剤は優れた効果を有するものの副作用があり、医師の指
導のもとに用法用量を守らなければならない制限があっ
た。また、食品から分離した前記成分は実際的には効果
が低かったり、実用的ではない摂取条件下での実験結果
に基づくものであったり、あるいは通常の食事形態にお
いて多量に摂取しなければならず、いずれも十分に満足
できる効果を発揮し得るものではなかった。かかる現状
に鑑み、本発明では、血中脂質濃度の異常な増加を防止
したり、高脂血症の予防や治療に有効利用し得る天然物
由来の血中脂質改善剤を開発、提供し、これを産業上有
用に活用できる態様の組成物として提供することを課題
とした。なお、本明細書では、血中のコレステロールや
トリグリセリド等の前記血中脂質のうち少なくとも1成
分の濃度を低減させることを血中脂質改善という。
を解決するために、多数の植物原料及びそのエキス類と
脂質代謝との関連性について鋭意検討を行った結果、ア
カショウマをはじめとするチダケサシ属に属する植物と
キキョウが本発明の所望の効果を顕著に奏することを見
出し、本発明を完成するに至った。
に属する植物及び/又はキキョウを含有してなることを
特徴とする血中脂質改善剤が提供される。また、これを
配合してなる食用組成物又は医薬用組成物が提供され
る。ここで、チダケサシ属に属する植物はユキノシタ科
のチダケサシ(Astilbe)属の植物であり、この
うちアカショウマが代表例であり、その根及び/又は根
茎の乾燥粉末又は抽出物(以下、エキスということがあ
る)又は精製物を用いてなることが好ましい。チダケサ
シ属に属する植物の抽出物は水若しくは親水性有機溶媒
を用いて、とりわけエタノール、アセトン又はこれらの
含水物を用いて抽出されたものであることが望ましく、
さらには含水アセトンを用いた抽出物の酢酸エチル可溶
画分であることがより望ましい。また、キキョウはキキ
ョウ科に属し、その根及び/又は根茎の乾燥粉末又は抽
出物又は精製物を用いてなることが好ましく、該抽出物
は水又は親水性有機溶媒を用いて、とりわけ水、エタノ
ール、アセトン又はこれらの含水物を用いて抽出された
ものであることが望ましく、さらには水抽出物のエタノ
ール可溶画分であることがより望ましい。本発明の食用
組成物と医薬用組成物は前記血中脂質改善剤を配合して
なることを特徴とするものである。
は、チダケサシ属に属する植物及び/又はキキョウを含
有してなることを特徴とするものである。チダケサシ
(Astilbe)属に属する植物はユキノシタ科に分
類され、本発明に係るものの例は後述するように種々あ
るが、代表例としてアカショウマ(学名:Astilb
e thunbergii(SIEB.et ZUC
C.)MIQ.)を挙げることができる。アカショウマ
は日本の山地にも自生する多年草で、その根茎を赤升麻
とよび、古来より下熱、解毒、消炎等の目的で升麻(キ
ンポウゲ科のサラシナショウマ:Cimicifuga
simplex WORMSKJORD等)の代用品
として用いられてきた。本発明では、赤升麻あるいは紅
升麻と称せられるものも包含する。
be chinensis、Astilbe aust
rosinensis、Astilbe thunbe
rgii、Astilbe thunbergii(S
IEB.et ZUCC.)Miq.:アカショウマ、
Astilbe thunbergii(SIEB.e
t ZUCC.)MIQ.var.congesta
BOISS.(=Astilbe odontophy
lla MIQ.):トリアシショウマ、Astilb
e polyandra、Astilbe grand
is、Astilbe rivularis、Asti
lbe japonica(MORR.et DECN
E.)A.GRAY:アワモリショウマ、Astilb
e microphylla KNOLL:チダケサ
シ、Astilbe myriantha等を挙げるこ
とができる。
シ属に属する植物の態様は、前記植物の根及び/又は根
茎が望ましく、根及び/又は根茎そのもの、これに乾
燥、細断あるいは粉砕等の加工処理を施したもの、これ
らを溶媒で抽出処理した抽出液、該抽出液から溶媒を除
いた抽出物、該抽出物にシリカゲル、ケイ酸マグネシウ
ム、イオン交換樹脂、活性アルミナ、セルロース、活性
炭等の吸着剤を用いたカラムクロマトグラフィーや溶剤
分別等の精製処理を施した精製物のいずれでもよい。食
品用途に使用する場合は、前記植物の根及び/又は根茎
を乾燥し適宜に粉砕した粉末、該乾燥物の細断片や粉末
を水又は親水性有機溶媒で抽出した抽出物とするのが利
便性や製造コストの点から望ましい。また、医薬品用途
に利用する場合は、前記の抽出液、抽出物あるいは高純
度の精製物が望ましい。
ール、プロパノール、イソプロパノール等の低級一価ア
ルコール類、プロピレングリコール、1,3−ブタンジ
オール、グリセリン等の多価アルコール類、アセトン、
メチルエチルケトン、エーテル、石油エーテル、酢酸エ
チル及びこれらの含水物や混合物を例示することができ
る。本発明の所望の効果を奏するための抽出物を効率的
に得るには、エタノール、アセトン、酢酸エチル及びこ
れらの含水物を抽出用溶媒とすることが好ましい。含水
物の水分含量は、例えば、エタノールの場合では1〜9
9重量%、より好ましくは10〜50重量%であり、ア
セトンの場合には1〜50重量%、より好ましくは10
〜30重量%であり、酢酸エチルの場合は80〜99重
量%、より好ましくは85〜95重量%である。これら
の範囲を外れると本発明の所望の効果が減少し又は抽出
物の収量が低下する。
るには、含水エタノール又は含水アセトンで抽出し、該
抽出物をさらに酢酸エチルで分別してその可溶画分を採
取するのがよい。抽出処理は該処理原料に対して1〜1
00重量倍程度の前記抽出用溶媒を加え、常圧もしくは
加圧下、常温又は加熱状態で、適宜に攪拌して10分〜
数日間抽出処理する。不溶物を濾過又は遠心分離して除
き本発明に係る抽出液を得ることができ、さらに該抽出
液から減圧蒸留、噴霧乾燥、凍結乾燥等の公知の手段で
溶媒を除去することによって本発明に係る抽出物を得る
ことができる。
物の根と根茎には、デンプンやタンニンのほかにベルゲ
ニン、アスチルビン、アスチルビン酸等のフラボノイド
類が含まれていることが知られており、これらの成分が
前述の薬理作用を示すといわれている(Shimad
a,H.ら、Yakugaku Zasshi、第72
巻、第578−588頁、1952年)。これに対し
て、本発明は、アカショウマ等のチダケサシ属の植物の
前記形態のものが血中脂質とりわけ血中コレステロール
及び/又は血中トリグリセリドの濃度を顕著に低減させ
ることを見出したものである。
ycodon grandiflorum A.DEC
ANDOLLE)はわが国を含む東アジアに自生する多
年生草であり、キキョウ科に属する。その根や根茎はプ
ラティコディン(platycodin)A、C、Dや
ポリガラシン(polygalacin)D等のサポニ
ン類を含み、古来より鎮咳、去痰、消炎、排膿等の効能
を有する生薬・漢方薬として用いられている。また、キ
キョウのエキスを利用する例として、プロテアーゼ阻害
剤として歯周病の予防や治療のための組成物(特開平6
−25000号公報)、温浴効果を期待する入浴剤(特
開平6−206814号公報)、養毛・育毛料(特開平
8−73324号公報)、アトピー性皮膚炎の予防・治
療剤(特開平11−199500号公報)、抗チロシナ
ーゼ活性をもつ化粧料(特開2000−198712号
公報)等が提案されている。
キキョウの根及び/又は根茎が望ましく、根及び/又は
根茎自体、これに乾燥、細断あるいは粉砕等の加工処理
を施したもの、これらに溶媒を加えて抽出処理した抽出
液、該抽出液から溶媒を除いた抽出物、該抽出物にシリ
カゲル、ケイ酸マグネシウム、イオン交換樹脂、活性ア
ルミナ、セルロース、活性炭等の吸着剤を充填したカラ
ムクロマトグラフィーや溶剤分別等の精製処理を施した
精製物のいずれでもよい。本発明の所望の効果を得るた
めには、食品用途に利用する場合は、キキョウの根及び
/又は根茎を乾燥し適宜に粉砕した粉末、該乾燥物の細
断物あるいは粉末を水及び/又は親水性有機溶媒を用い
て抽出した抽出物が簡便かつ利便であり、医薬品用途に
使用する場合は、前記の抽出液、抽出物あるいは精製物
が望ましい。
タノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノー
ル等の低級一価アルコール類、プロピレングリコール、
1,3−ブタンジオール、グリセリン等の多価アルコー
ル類、アセトン、メチルエチルケトン、エーテル、石油
エーテル、酢酸エチル及びこれらの混合物を例示でき
る。本発明の所望の効果を奏する抽出物を効率的に得る
ための抽出溶媒としては水、エタノール、アセトン又は
これらの含水溶媒を用いるのが好ましく、さらには水又
は水分含有率が50重量%以上の含水エタノールがより
好ましい。50重量%未満では抽出物の収量や所望の活
性が低下する。抽出物の好適な態様の例は水で抽出した
抽出物をさらにエタノールで分別して得られる可溶画分
である。
ち、前記形態の原料に対して等重量ないしは約100重
量倍の前記抽出用溶媒を加え、常圧もしくは加圧の下、
常温又は加熱状態で、必要に応じて攪拌しながら10分
〜数日間抽出処理し、不溶物を遠心分離又は濾過して除
去すれば本発明に係る抽出液を得ることができ、さらに
該抽出液から減圧蒸留、凍結乾燥、噴霧乾燥等の手段で
溶媒を除去することによって本発明に係る抽出物を得る
ことができる。
その乾燥物、粉末、抽出物、精製物が血中コレステロー
ルや血中トリグリセリド等の血中脂質の濃度を低減させ
る作用があることを見出したものである。
は、前述のようにして得られるチダケサシ属に属する植
物、例えばアカショウマの根及び/又は根茎、その乾燥
物、抽出物あるいは精製物と、キキョウの根及び/又は
根茎、その乾燥物、抽出物あるいは精製物との少なくと
も1種以上を必須原料として含有せしめてなるものであ
る。より望ましい態様はチダケサシ属の植物由来のもの
を必須の主要原料とし、これにキキョウ由来のものを併
用してを含むものであり、最も望ましくは主たる原料と
してアカショウマの根茎の抽出物又は精製物を用いるも
のであり、また、これにキキョウの根茎の抽出物又は精
製物を含有せしめてなるものである。これら二種類の植
物由来の原料を併用すると、本発明の目的である血中脂
質濃度の改善効果が相乗的に発現する。この血中脂質改
善剤における両原料の配合比率は、所望の効果を奏する
ための使用目的と用途、製造コスト等により適宜に変動
させることができ、チダケサシ属の植物由来原料/キキ
ョウ由来原料(重量比)=100/0〜0/100であ
るが、より好ましくは100/0〜50/50であり、
最も好ましくは90/10〜60/40である。
旨に反しないかぎり種々の原料や成分を併用して配合す
ることができる。例えば、通常の食品や医薬品に使用さ
れる賦形剤、防湿剤、防腐剤、強化剤、増粘剤、乳化
剤、酸化防止剤、甘味料、酸味料、調味料、着色料、香
料等がある。また、血中のコレステロール、トリグリセ
リド、中性脂肪等の血中脂質を低減させる作用をもつ公
知の素材を併用することは本発明の望ましい態様のひと
つである。この公知素材としては前記の植物ステロー
ル、γ−オリザノール、トリテルペンアルコール、これ
らのエステル類のほか次のような具体例を挙げることが
できるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
ロキシクエン酸及びその塩、ブドウ種子エキス、リン
ゴ、茶、カカオ豆等のポリフェノール、カテキン類(カ
テキン、エピカテキン、エピガロカテキンガレート
等)、グアバ葉エキス、ギムネマ・シルベスタ葉エキ
ス、イチョウ葉エキス、蕎麦種子エキス、ナツメ葉抽出
物、桑葉エキス、スイカズラ抽出物、ニガウリ抽出物、
ユーカリ葉エキス、プロシアニジン、フラボノイド類
(ケンフェロール、ルテオリン、イソクエルシトリン等
及びこれらの配糖体)、リパーゼ阻害剤、クロロフィリ
ン、タウリン田七人参エキス、杜仲エキス、乳清蛋白
質、柑橘類成分(ヘスペレチン、ナリンゲニン、リモノ
イド、これらの配糖体等)、ゴマ由来リグナン及びこの
配糖体、α−及びβ−アミラーゼ阻害剤、L−カルニチ
ン及びこれを含む畜肉ペプチド、緑藻類や褐藻類の多糖
類(アルギン酸、アミロペクチン、カラギーナン、寒天
等)、植物性ガム(グアーガム、ローカストビーンガ
ム、トラガントガム、タマリンドガム等)、キシログル
カン、オリゴガラクチュロン酸、プロリン、スレオニ
ン、n=3〜4のペプチド類、蛋白加水分解物、二重結
合を2〜6個有するポリエン脂肪酸(リノール酸、α−
リノレン酸、γ−リノレン酸、イコサペント酸、ドコサ
ヘキサエン酸等)及びそのエステルや塩、大豆や卵黄由
来のグリセロリン脂質(ホスファチジルコリン、ホスフ
ァチジルエタノールアミン、ホスファチジルセリン、ホ
スファチジルイノシトール、ホスファチジン酸等)及び
これらのリゾ体、ボラージ油、月見草油、唐辛子末及び
そのエキス、ニンニク抽出エキス、スベリヒユ、緑茶や
プーアール茶葉粉末及びそのエキス、杜仲末及びそのエ
キス、ウーロン茶葉粉末及びそのエキス、食物繊維(サ
イリウム種皮、ポリデキストロース、グルコマンナン、
ペクチン等)、アカメガシワ抽出物、キチン、キトサ
ン、キサンチン誘導体、シトラス・アウランチウム抽出
エキス等がある。
ステロールや血中トリグリセリド等の血中脂質を低減さ
せ、これらの異常な増加を抑制して血中脂質の代謝を改
善する作用を有する、アカショウマ等のチダケサシ属に
属する植物とキキョウとの少なくとも1種以上、望まし
くはアカショウマ等のチダケサシ属の植物を主原料とし
て含有してなる血中脂質改善剤が提供される。ここで、
チダケサシ属の植物及びキキョウの好ましい態様は乾燥
粉末、抽出物あるいは精製物である。かかる血中脂質改
善剤はそのまま本発明の所望の目的のために使用しても
差し支えないが、本発明ではこれを配合してなる組成物
も提供される。該組成物の態様としては飲食物、食品添
加物、家畜用飼料、ペットフード等の種々のものがある
が、食用組成物又は医薬用組成物が好適である。
善剤、すなわち、アカショウマ等のチダケサシ属に属す
る植物及び/又はキキョウであって、これらの形態が望
ましくは根及び/又は根茎の乾燥粉末、抽出物あるいは
精製物であるものを必須原料として含有してなる前記血
中脂質改善剤を配合してなることを特徴とする。
燥粉末、抽出物若しくは精製物をそのまま又は前記血中
脂質改善剤を液状、ゲル状、粉末状あるいは固形状の食
品、例えば、果実飲料、清涼飲料、茶、スープ、ゼリ
ー、ヨーグルト、プリン、ケーキミックス、ふりかけ、
味噌、醤油、ドレッシング、マヨネーズ、焼肉のたれ等
の調味料、麺類、ハムやソーセージ等の畜肉魚肉加工食
品、ジャム、牛乳、クリーム、バターやチーズ等の粉末
状、固形状又は液状の乳製品、マーガリン、パン、ケー
キ、クッキー等に添加した形態となすことができる。
澱粉又はその加工素材、セルロース末等の賦形剤、ビタ
ミン、ミネラル、動植物や魚介類の油脂、たん白質、糖
質、色素、香料、その他の前記食用添加剤等と共に粉
末、顆粒、ペレット、錠剤等に加工したり、ゼラチン等
で被覆してカプセルに成形したり、あるいはドリンク類
にして、栄養補助食品や健康食品として利用できる。こ
のとき、前記の血中脂質改善作用を有する公知の食用素
材を併用した組成物は好適である。なお、本発明の食用
組成物は極めて多種類の形態にわたり、前記の例示に限
定されるものではないが、脂質代謝改善の点から油脂類
や糖質を多量に含む食品類に添加した形態、前記の栄養
補助食品や健康食品の形態が望ましい。
の血中脂質改善剤の配合量は、当該食品や食用組成物の
種類、形態、利用目的や本血中脂質改善剤の種類、形態
等により一律に規定し難いが、一般の加工食品類に添加
する場合では、例えば、本発明の血中脂質改善剤がアカ
ショウマの根茎を含水率50重量%の含水エタノールで
抽出した抽出物:キキョウの根茎を水で抽出した抽出物
=50:50(重量比)のものであれば、概ね0.01
〜50重量%であり、より好ましくは0.1〜30重量
%である。この範囲を外れて少ないと経口摂取による本
発明の所望効果が小さく、逆に多すぎると食品の種類に
よっては風味を損ねたり、当該食品を調製することが不
可能になる場合がある。なお、本発明の血中脂質改善剤
はそのまま食用に供しても差し支えない。
改善剤に本発明の趣旨に反しない公知の賦形剤や添加剤
を必要に応じて加え、常法により加工して錠剤、カプセ
ル剤、顆粒剤、散剤、注射剤等の製剤となしたものであ
る。経口あるいは経腸投与、血管投与又は皮内投与し
て、高脂血症及びこれにともなう各種疾病の予防又は治
療のために適用する。本発明の血中脂質改善剤の配合量
はその形態や前記医薬用製剤の種類、形態、用法及び用
量等により一律に設定し難いが、概ね0.01〜50重
量%である。経口投与する場合の摂取量は特に限定され
るものではないが、例えば、本血中脂質改善剤がアカシ
ョウマの根茎を含水率20重量%の含水アセトンで抽出
した抽出物をさらに酢酸エチルで分別した可溶画分:キ
キョウの根茎を水抽出した抽出物=75:25(重量
比)であるものをベースとして、成人(体重50Kg)
1日あたり0.01〜20g、より好ましくは0.1〜
10gである。この範囲を外れて少ないと所望の効果が
低下し、逆に多すぎても更なる効果は期待できない。
(SIEB.et ZUCC.)MIQ.)の乾燥根茎
を約5mm角以下のサイズに破砕し、これをさらに粉砕
機で処理して200タイラーメッシュをパスした微粉末
(試料A−1)を調製した。
テンレス製抽出釜に仕込み、含水率40重量%の含水エ
タノール10Lを加え、時々かき混ぜながら60℃で6
時間抽出処理した。ついで、残渣を濾別して抽出液を
得、該抽出液から減圧下に溶媒を留去して赤褐色の抽出
物(試料A−2)75gを得た。
テンレス製抽出釜に仕込み、含水率20重量%の含水ア
セトン5Lを加えて還流下で3時間抽出処理した後、濾
過して抽出液と残渣に分けた。該残渣に再び前記含水ア
セトン5Lを添加して同様に処理して抽出液を得た。両
抽出液をあわせて減圧下に溶媒を留去して赤褐色の抽出
物(試料A−3)68gを調製した。
3)45gを蒸留水1Lに懸濁させ、該懸濁液を酢酸エ
チル200mLずつで5回に分けて溶剤分別処理に供
し、溶媒を減圧留去して酢酸エチル可溶画分(試料A−
4)29g及び不溶画分(試料A−5)15gの各精製
物を調製した。
ylla MIQ.)の根茎を日干しにして乾燥後、こ
の破砕片1Kgを実施例2と同様に処理して赤茶色の抽
出物(試料A−6)85gを得た。
rum A.DC.)の根を含む根茎の天日乾燥物を約
5mm角以下のサイズに破砕し、これをさらに粉砕処理
して200タイラーメッシュ通過の微粉末(試料P−
1)を調製した。
をステンレス製抽出釜に仕込み、蒸留水20Lを加えて
還流下で5時間抽出処理した後、残渣を濾別して抽出液
を得、該抽出液の水分を蒸発させて褐色の抽出物(試料
P−2)310gを得た。
P−2)150gに含水率5重量%の含水エタノール1
Lを加え、室温にて時々かき混ぜながら抽出処理して可
溶分と不溶分とに分け、溶媒を減圧留去してエタノール
可溶画分(試料P−3)110g及び不溶画分(試料P
−4)35gの各精製物を調製した。
物について、以下に述べる方法を用いて血中脂質濃度に
及ぼす影響を調べた。 (A)脂肪負荷による血中脂質の上昇に及ぼす影響:ウ
ィスター系雄性ラット(日本クレア(株)から購入、体
重:370±5g)を一晩絶食させ、対照群及び試験物
質投与群(1群7匹)に分け、対照群ではコーン油6m
L、コール酸80mg、コレステロールオレアート2g
及び蒸留水6mLを超音波処理して得た脂質エマルジョ
ン2mL(蒸留水1mL含有)を、また、試験物質投与
群では試験物質を含む前記脂質エマルジョン2mL(試
験物質の最終投与量が1g/kgラット体重となるよう
に調製した試験物質の溶液1mL含有)をそれぞれ非麻
酔下で経口投与した。脂質エマルジョンを投与してから
経時的に非麻酔下でラット尾静脈から採血し、直ちに血
漿を分離し、市販のテスト用キット(和光純薬工業
(株)製、トリグリセライド−E−テストキット)を用
いて血漿中の中性脂肪含量を測定した。
〜A−6、試料P−1〜P−4のほか、公知の素材すな
わちグアバ葉エキス(ビーエイチエヌ(株)製)、ガル
シニアカンボジア抽出物(日本新薬(株)製)、ギムネ
マ シルベスタ葉エキス(ビーエイチエヌ(株)製)、
γ−オリザノール(オリザ油化(株)製)、キトサン
(甲陽ケミカル(株)製)、大豆由来のβ−シトステロ
ール(シグマ社製、試薬)ベルゲニン(アルドリッチ
ケミカル社製、試薬)、アスチルビン(Shimad
a,H.et al.,Yakugaku Zassh
i,72,578−588(1952)に記載の方法で
採取)を単独又は組み合わせて用いた。試験物質の投与
量はラット体重(1kg)あたり1gである。この結果
を表1に示した。表1において、複数の試験物質を併用
した場合はそれらの重量基準の混合比率を( )内に記
載した。また、血中トリグリセリド含量は平均値±標準
偏差で示した。
ョウ由来の試験物質(乾燥粉末、その抽出物及び精製
物)を含む脂質エマルジョンを投与した場合は、脂質エ
マルジョンのみ投与による一過性の血中トリグリセリド
(中性脂肪)量の経時的上昇を顕著に抑制することが明
らかになった。また、アカショウマ、トリアシショウ
マ、キキョウの根や根茎から抽出したエキス類及びその
精製物では血中トリグリセリド量のレベルを低下させる
作用も認められた。さらに、これらを併用したり、血中
脂質改善作用を有する公知の素材との併用によっても同
様もしくはより一層顕著な効果が認められた。
化に及ぼす影響:3週齢のICR系雌性マウス(日本ク
レア(株)から購入)を23℃、12時間の明暗サイク
ル下で、飼料(日本クレア(株)製、CE−2)を与え
て1週間予備飼育した。4週齢の健康なマウス(体重:
19.5〜20.4g)を平均体重がほぼ均等になるよ
うに普通食群(飼料:CE−2、n=11)、高脂肪食
群(n=11)、(高脂肪食+試験物質1%)群(n=
11)及び(高脂肪食+試験物質3%)群(n=11)
に分け、12週間、前記各実験食と水を自由摂取させ
た。この後、マウスをエーテルで麻酔して腹部下大静脈
より採血し、直ちに血漿を分離した。血漿中のトリグリ
セリド(中性脂肪)量及び総コレステロール量はテスト
用キット(和光純薬工業(株)製、トリグリセライド−
E−テストキット及び総コレステロール−E−テストキ
ット)を用いて常法により測定した。この結果を表2に
示す。
部(重量基準。以下同様)、α−コーン澱粉:10部、
グラニュー糖:9部、ビタミン混合物:1部、ミネラル
混合物:4部、カゼイン:36部(グラニュー糖を除き
オリエンタル酵母工業(株)製)であり、試験物質を添
加した実験食では試験物質の添加重量をカゼイン重量の
一部で置き換えた。
通食投与群に比べて血中脂質量が上昇するが、アカショ
ウマやトリアシショウマ等のチダケサシ属に属する植
物、またキキョウの抽出物やその精製物を所定量添加し
た高脂肪食を投与した群では、血中トリグリセリド量及
び血中コレステロール量が普通食投与群なみ又はそれ以
下に低下することが認められた。また、血中脂質改善作
用のある公知の素材を単独で投与しても所望効果は小さ
いが、本発明の前記加工処理物(抽出物や精製物)との
組み合わせによって顕著な効果が奏せられることが明ら
かになった。
からなる本発明の血中脂質改善剤120mgにガルシニ
ア・カンボジア果皮エキス30mg、ミツロウ45mg
及びボラージ油55mgを加え、約45℃で十分に混合
して均質な状態にし、これをカプセル充填機に供して一
粒あたり内容量が250mgのゼラチン被覆カプセル製
剤を試作した。本カプセル製剤をボランティア(成人男
女)15名に1日あたり1粒、2週間摂取のモニター試
験に供したところ、13名に血中トリグリセリド量の低
下、12名に血中総コレステロール量の低下が認められ
た。この製剤は経口摂取が可能な血中脂質改善用の食用
組成物又は医薬用組成物として利用できる。また、本発
明の血中脂質改善剤を試料A−3のみ、試料A−6のみ
又は試料P−2のみの各同量とし、他の条件は同一にし
てカプセル製剤を試作した。これらにも同様の血中脂質
改善効果が認められた。
なる本発明の血中脂質改善剤5.0Kgを化工澱粉(松
谷化学(株)製、商品名:パインフロー)3.5Kg、
第三リン酸カルシウム0.3Kg、ビタミンB10.3
Kg、ビタミンB20.2Kg、ビタミンB60.2K
g及びビタミンC0.5Kgとともに配合機に仕込み1
0分間攪拌混合した。該混合物を直打式打錠機に供給し
て直径7mm、高さ4mm、重量150mgのタブレッ
トを作成した後、コーティング機でシェラック薄膜をコ
ーティングして錠剤形状の食品を試作した。
10g、上白糖90g及び牛乳100mLを入れ、攪拌
しながら鶏卵1個を加えて十分に混合した後、薄力粉1
90g、ベーキングパウダー2gとともに試料A−1及
び試料P−2の混合物(3:1、重量比)からなる本発
明の血中脂質改善剤10gを添加して十分に捏ねあわせ
た。これを30分間ねかせた後、金型で50個に分割
し、オーブンで焼いてバタークッキーを試作した。
葡萄種子エキス(インターヘルス社製、商品名:アクテ
ィビン)=1:2:1(重量比)からなる本発明の血中
脂質改善剤5gを加えて混合し、中性脂肪やコレステロ
ールが気になるひとのための血中脂質改善用野菜ジュー
スを試作した。これは元の野菜ジュースと比較して何ら
遜色のないものであった。
植物とキキョウとの少なくとも1種以上を含有してなる
血中脂質改善剤が提供される。この血中脂質改善剤は、
アカショウマ等のチダケサシ属に属する植物の根及び/
又は根茎の乾燥粉末、その抽出物又は精製物等の加工処
理物に起因して、脂肪摂取による血中トリグリセリドや
血中コレステロール等の血中脂質の濃度の一過性上昇を
抑制し、とりわけ血中トリグリセリド量のレベルを顕著
に低減させる効果を奏する。また、キキョウの根及び/
又は根茎の加工処理物(乾燥粉末、その抽出物又は精製
物等)に起因して、前記同様の血中脂質の低減効果を奏
する。これらの効果は、本発明の血中脂質改善剤の長期
間摂取により一層顕著なものとなる。さらに、血中脂質
低減作用のある公知の素材との併用によっても前記の所
望効果を奏する。本発明では、また、前記血中脂質改善
剤を配合してなる食用組成物又は医薬用組成物が提供さ
れ、これは血中脂質の低減のみならず高脂血症やこれか
ら惹起される前記各種疾病の予防及び治療、減体重や肥
満防止、ダイエット等の為に有効利用され得る。
Claims (10)
- 【請求項1】 チダケサシ属に属する植物及び/又はキ
キョウを含有してなる血中脂質改善剤。 - 【請求項2】 チダケサシ属に属する植物がアカショウ
マであり、その根及び/又は根茎の乾燥粉末、抽出物又
は精製物を用いてなる請求項1に記載の血中脂質改善
剤。 - 【請求項3】 チダケサシ属に属する植物の抽出物が水
又は親水性有機溶媒で抽出されたものである請求項1又
は2に記載の血中脂質改善剤。 - 【請求項4】 親水性有機溶媒がエタノール、アセトン
又はこれらの含水物である請求項3に記載の血中脂質改
善剤。 - 【請求項5】 チダケサシ属に属する植物の抽出物が含
水アセトン抽出物の酢酸エチル可溶画分である請求項1
〜4のいずれか1項に記載の血中脂質改善剤。 - 【請求項6】 キキョウがキキョウの根及び/又は根茎
の乾燥粉末、抽出物又は精製物を用いてなる請求項1に
記載の血中脂質改善剤。 - 【請求項7】 キキョウの抽出物が水又は親水性有機溶
媒で抽出されたものである請求項6に記載の血中脂質改
善剤。 - 【請求項8】 親水性有機溶媒がエタノール、アセトン
又はこれらの含水物である請求項7に記載の血中脂質改
善剤。 - 【請求項9】 キキョウの抽出物が水抽出物のエタノー
ル可溶画分である請求項1、6,7又は8に記載の血中
脂質改善剤。 - 【請求項10】 請求項1〜9のいずれか1項に記載の
血中脂質改善剤を配合してなる食用組成物又は医薬用組
成物。
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