JP2003146601A - 水素ガス供給装置 - Google Patents

水素ガス供給装置

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JP2003146601A JP2001349688A JP2001349688A JP2003146601A JP 2003146601 A JP2003146601 A JP 2003146601A JP 2001349688 A JP2001349688 A JP 2001349688A JP 2001349688 A JP2001349688 A JP 2001349688A JP 2003146601 A JP2003146601 A JP 2003146601A
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hydrogen gas
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 燃料電池に供給される燃料ガスに混入する特
定ガスの濃度を低減させることのできる技術を提供す
る。 【解決手段】 燃料ガス供給部は、水素透過膜414,
424をそれぞれ含む2つの水素分離部410,420
を備えている。各水素透過膜の一方の面には、水素ガス
と一酸化炭素ガスとを含む改質ガスが供給され、他方の
面からは、水素ガスが抽出される。また、燃料ガス供給
部は、2つの水素分離部と燃料電池とを並列に接続する
燃料ガス通路PFと、燃料ガス通路を構成する各部分通
路PF1,PF2に設けられた2つのCOセンサ41
8,428と、各水素分離部から燃料電池への燃料ガス
の供給を停止させるための2組の遮断弁V1a〜V1
d,V2a〜V2dと、を備えている。制御部600
は、各COセンサの検出結果に応じて、各組の遮断弁を
個別に制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水素ガスを燃料電
池などの所定の装置に供給するための水素ガス供給装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】燃料電池システムは、燃料電池と、燃料
電池に水素ガスを含む燃料ガスを供給する燃料ガス供給
部と、燃料電池に酸素ガスを含む酸化ガスを供給する酸
化ガス供給部と、を備えている。燃料ガスの供給方法に
は、貯蔵された水素ガスを直接供給する方法と、メタノ
ールなどの炭化水素系化合物から水素ガスを生成して供
給する方法とがある。後者の方法を採用する場合には、
燃料ガス供給部は、通常、炭化水素系化合物から水素ガ
スを含む混合ガス(改質ガス)を生成するための改質部
と、改質ガスから水素ガスを分離するための水素分離部
と、を備えている。
【0003】水素分離部には、水素を選択的に透過させ
るための水素透過膜が設けられている。水素透過膜は、
通常、Pd(パラジウム)などの貴金属で構成された金
属層を含んでいる。水素透過膜の一方の面には、水素ガ
スを含む改質ガスが供給され、他方の面からは、水素ガ
スが抽出される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、水素分
離部を長期間使用すると、水素透過膜にピンホールが形
成される場合がある。このように、ピンホールが形成さ
れると、水素ガスとともに他のガスも水素透過膜を透過
する。このため、改質ガス中に一酸化炭素ガスが含まれ
ていると、水素ガスとともに一酸化炭素ガスも燃料電池
内に供給される。固体高分子型の燃料電池では、通常、
一酸化炭素ガスによって被毒する貴金属触媒が用いられ
ているため、燃料ガス中に一酸化炭素ガスが含まれてい
ると、燃料電池の出力が低下してしまう。
【0005】なお、近年、水素透過性能の向上と貴金属
使用量の低減との観点から、水素透過膜の薄膜化が進め
られている。このように、水素透過膜が薄くなると、ピ
ンホールは、さらに形成され易くなる。
【0006】上記の問題は、燃料電池に一酸化炭素ガス
が混入した燃料ガス(水素ガス)が供給されてしまう場
合に限らず、所定の装置に特定ガスが混入した水素ガス
が供給される場合にも共通する。
【0007】本発明は、上述の課題を解決するためにな
されたものであり、燃料電池などの所定の装置に供給さ
れる水素ガスに混入する特定ガスの濃度を低減させるこ
とのできる技術を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】上
述の課題の少なくとも一部を解決するため、本発明の装
置は、水素ガスを所定の装置に供給するための水素ガス
供給装置であって、水素を選択的に透過させるための水
素透過膜をそれぞれ含む複数の水素分離部であって、前
記各水素透過膜の一方の面には、前記水素ガスと特定ガ
スとを含む混合ガスが供給され、他方の面からは、前記
水素ガスが抽出される、前記複数の水素分離部と、前記
複数の水素分離部と前記所定の装置とを並列に接続し、
前記各水素透過膜を透過した前記水素ガスがそれぞれ通
る複数の部分通路を含む水素ガス通路と、前記各水素分
離部に対応して設けられ、前記各水素透過膜を透過した
前記水素ガスに混入する前記特定ガスに関係する特定の
情報を検出するための複数のセンサと、前記各水素分離
部に対応して設けられ、前記各水素分離部から前記所定
の装置への前記水素ガスの供給を停止させるための複数
の遮断弁と、前記各センサの検出結果に応じて、前記各
遮断弁を個別に制御する制御部と、を備えることを特徴
とする。
【0009】この装置では、複数の水素分離部が設けら
れている。また、各水素分離部に対応して、複数のセン
サと複数の遮断弁とが設けられている。制御部は、各セ
ンサの検出結果に応じて、対応する各遮断弁を個別に制
御することができる。したがって、いずれかの水素分離
部から排出される水素ガスに特定ガスが混入している場
合には、その水素分離部から所定の装置への水素ガスの
供給を停止させることができる。この結果、所定の装置
に供給される水素ガスに混入する特定ガスの濃度を低減
させることが可能となる。
【0010】上記の装置において、前記各遮断弁は、前
記各部分通路に設けられていることが好ましい。
【0011】こうすれば、所定の装置に供給される水素
ガスに混入する特定ガスの濃度を効率よく低減させるこ
とができる。
【0012】上記の装置において、前記各センサは、前
記各水素透過膜を透過した前記水素ガスに混入する前記
特定ガスの濃度を検出し、前記制御部は、前記複数のセ
ンサのうちのいずれかで得られる前記特定ガスの濃度が
所定の設定値以上となった場合には、対応する前記遮断
弁を制御して、対応する前記水素分離部から前記所定の
装置への前記水素ガスの供給を停止させるようにしても
よい。
【0013】上記のようなセンサを用いれば、水素ガス
中の特定ガスの濃度を直接的に検出することができるた
め、所定の装置に供給される水素ガスに混入する特定ガ
スの濃度を確実に低減させることが可能となる。
【0014】上記の装置において、さらに、ユーザに対
する通知を実行するための通知部を備え、前記制御部
は、前記複数のセンサのうちのいずれかで得られる前記
特定ガスの濃度が前記所定の設定値以上となった場合に
は、前記通知部を制御して、ユーザに異常を通知するこ
とが好ましい。
【0015】こうすれば、ユーザは、複数の水素分離部
のうちの少なくとも1つから所定の装置への水素ガスの
供給が停止されたことを知ることができる。また、水素
透過膜、または、水素透過膜を含む水素分離部の修理や
交換などの対策をユーザに促すことができる。なお、通
知部は、例えば、表示や音声などによって、ユーザに異
常を通知すればよい。
【0016】さらに、上記の装置において、所定の原料
を改質して前記混合ガスを生成するための改質部を備え
るようにしてもよい。
【0017】なお、改質部は、混合ガスが供給される水
素透過膜の一方の面側に設けられていてもよい。
【0018】上記の装置において、前記所定の装置は、
燃料電池であり、前記特定ガスは、一酸化炭素ガスであ
ってもよい。
【0019】すなわち、この装置は、燃料電池システム
であって、燃料電池と、前記燃料電池に燃料ガスを供給
するための燃料ガス供給部と、前記燃料電池に酸化ガス
を供給するための酸化ガス供給部と、を備え、前記燃料
ガス供給部は、水素を選択的に透過させるための水素透
過膜をそれぞれ含む複数の水素分離部であって、前記各
水素透過膜の一方の面には、水素ガスと一酸化炭素ガス
とを含む混合ガスが供給され、他方の面からは、前記水
素ガスが抽出される、前記複数の水素分離部と、前記複
数の水素分離部と前記燃料電池とを並列に接続し、前記
各水素透過膜を透過した前記水素ガスを含む前記燃料ガ
スがそれぞれ通る複数の部分通路を含む燃料ガス通路
と、前記各水素分離部に対応して設けられ、前記各水素
透過膜を透過した前記水素ガスに混入する前記一酸化炭
素ガスに関係する特定の情報を検出するための複数のセ
ンサと、前記各水素分離部に対応して設けられ、前記各
水素分離部から前記燃料電池への前記燃料ガスの供給を
停止させるための複数の遮断弁と、を備え、前記燃料電
池システムは、さらに、前記各センサの検出結果に応じ
て、前記各遮断弁を個別に制御する制御部を備えること
を特徴とする。
【0020】前述のように、燃料電池では、通常、一酸
化炭素ガスによって被毒する触媒が用いられている。し
かしながら、上記のような燃料電池システムを構成すれ
ば、燃料ガスへの一酸化炭素ガスの混入を低減させるこ
とができ、この結果、燃料電池の出力低下を低減させる
ことができる。
【0021】本発明の方法は、水素ガス供給装置におけ
る水素ガスの所定の装置への供給方法であって、(a)
前記所定の装置に並列に接続され、水素を選択的に透過
させるための水素透過膜をそれぞれ含む複数の水素分離
部であって、前記各水素透過膜の一方の面には、水素ガ
スと特定ガスとを含む混合ガスが供給され、他方の面か
らは、前記水素ガスが抽出される、前記複数の水素分離
部を準備する工程と、(b)前記各水素透過膜を透過し
た前記水素ガスについて、それぞれ前記特定ガスに関係
する特定の情報を検出する工程と、(c)前記各検出結
果に応じて、前記各水素分離部から前記所定の装置への
前記水素ガスの供給を個別に停止させる工程と、を備え
ることを特徴とする。
【0022】この方法を用いる場合にも、本発明の装置
を用いる場合と同様に、所定の装置に供給される水素ガ
スに混入する特定ガスの濃度を低減させることができ
る。
【0023】
【発明の他の態様】なお、本発明は、水素ガス供給方
法、水素ガス供給装置、水素ガス供給装置を含む燃料電
池システム、燃料電池システムを搭載した移動体などの
装置、これらの方法または装置の機能を実現するための
コンピュータプログラム、そのコンピュータプログラム
を記録した記録媒体、そのコンピュータプログラムを含
み搬送波内に具現化されたデータ信号、等の種々の態様
で実現することができる。
【0024】
【発明の実施の形態】A.第1実施例: A−1.燃料電池システム:次に、本発明の実施の形態
を実施例に基づき説明する。図1は、第1実施例におけ
る燃料電池システムの概略構成を示す説明図である。な
お、本実施例の燃料電池システムは、車両に搭載されて
いる。
【0025】図示するように、燃料電池システムは、燃
料電池100と、燃料電池に水素ガスを含む燃料ガスを
供給する燃料ガス供給部200と、燃料電池に酸素ガス
を含む酸化ガスを供給する酸化ガス供給部300と、を
備えている。なお、燃料電池100は、比較的小型で発
電効率に優れる固体高分子型の燃料電池である。
【0026】燃料ガス供給部200(図1)は、水素ガ
スを含む燃料ガスを生成して燃料電池100に供給す
る。燃料ガス供給部200は、原料タンク212と、水
タンク214と、2つの蒸発器222,224と、改質
部230と、燃料ガス生成部240と、燃焼部250
と、凝縮器260とを備えている。なお、原料タンク2
12には、メタノールが貯蔵されている。
【0027】第1の蒸発器222は、原料タンク212
および水タンク214から導入された混合液を気化し
て、原料および水の混合ガス(以下、「原料ガス」と呼
ぶ)を改質部230に供給する。第2の蒸発器224
は、水タンク214から導入された水を気化して、水蒸
気を燃料ガス生成部240に供給する。
【0028】改質部230は、改質反応を進行させる触
媒を担持しており、供給された原料ガスを改質して水素
ガスを含む改質ガスを生成する。触媒としては、例え
ば、CuO−ZnO系触媒や、Cu−ZnO系触媒を用
いることができる。改質部230では、次の式(1),
式(2)に示す化学反応(改質反応)が順次進行し、水
素ガスを含む改質ガスが生成される。そして、改質部全
体では、式(3)に示す改質反応が進行する。なお、こ
の改質反応は、水蒸気改質と呼ばれている。
【0029】 CH3OH → CO + 2H2 …(1) CO + H2O → CO2 + H2 …(2) CH3OH + H2O → CO2 + 3H2 …(3)
【0030】燃料ガス生成部240は、水素透過膜を備
えており、改質部230から供給された改質ガスから水
素ガスを分離することにより、水素ガスを含み、一酸化
炭素ガスを殆ど含まない燃料ガスを生成する。すなわ
ち、改質部230から供給される改質ガスには、式
(1)〜式(3)に示す種々のガス(原料ガスや、一酸
化炭素ガス、二酸化炭素ガス、水素ガスなど)が含まれ
ている。仮に、一酸化炭素ガスを含む改質ガスを燃料電
池100に直接供給すると、燃料電池内のPtなどの貴
金属触媒が一酸化炭素ガスによって被毒し、この結果、
燃料電池の出力が低下してしまう。このため、燃料ガス
生成部240は、一酸化炭素ガスを殆ど含まない燃料ガ
スを生成する。また、燃料ガス生成部240には、第2
の蒸発器224から水蒸気が供給されている。水蒸気
は、水素透過膜を透過した水素ガスを搬送する搬送ガス
として機能する。そして、燃料ガス生成部240から
は、水素透過膜を透過しなかったガス(不透過ガス)
と、水素ガスと水蒸気とを含む燃料ガスと、が排出され
る。なお、燃料ガス生成部240については、さらに、
後述する。
【0031】燃料ガス生成部240から排出される不透
過ガスは、燃焼部250に供給される。燃焼部250
は、不透過ガスを酸化する。具体的には、一酸化炭素ガ
スは酸化されて二酸化炭素ガスになり、水素ガスは酸化
されて水蒸気になる。これにより、不透過ガスに含まれ
る一酸化炭素ガスの大気への放出を防止することができ
る。
【0032】燃料ガス生成部240から排出された燃料
ガスは、凝縮器260に供給される。凝縮器260は、
燃料ガスに含まれる水蒸気を凝縮して除去した後、燃料
ガスを燃料電池100に供給する。なお、凝縮器260
で得られる凝縮水は、水タンク214に戻される。
【0033】酸化ガス供給部300(図1)は、ブロワ
310を備えており、酸素ガスを含む酸化ガス(空気)
を燃料電池100に供給する。
【0034】燃料電池100(図1)は、燃料ガス供給
部200から供給された燃料ガスと、酸化ガス供給部3
00から供給された酸化ガスと、を用いて発電する。
【0035】A−2.燃料ガス生成部:図2は、図1の
燃料ガス生成部240の内部構成を模式的に示す説明図
である。燃料ガス生成部240は、2つの水素分離部4
10,420と、2つのCOセンサ418,428と、
2組の4つの遮断弁V1a〜V1d,V2a〜V2d
と、を備えている。なお、図2に示すように、燃料電池
システムは、各部を制御するための制御部600と、ユ
ーザに対する通知を実行するための通知部610と、を
備えている。
【0036】第1の水素分離部410は、供給室412
と水素透過膜414と抽出室416とを備えている。水
素透過膜414は、供給室412と抽出室416とに挟
まれている。換言すれば、シート状の水素透過膜414
の一方の面側には、供給室412が形成されており、他
方の面側には、抽出室416が形成されている。同様
に、第2の水素分離部420も、供給室422と水素透
過膜424と抽出室426とを備えている。
【0037】改質部230(図1)と2つの供給室41
2,422とは、各供給室に供給される改質ガスが通る
改質ガス通路PRによって、並列に接続されている。第
2の蒸発器224と2つの抽出室416,426とは、
各抽出室に供給される搬送ガスが通る搬送ガス通路PC
によって、並列に接続されている。2つの供給室41
2,422と燃焼部250とは、各供給室から排出され
る不透過ガスが通る不透過ガス通路PNによって、並列
に接続されている。2つの抽出室416,426と燃料
電池100とは、各抽出室から排出される燃料ガスが通
る燃料ガス通路PFによって、並列に接続されている。
【0038】そして、各組の第1の遮断弁V1a,V2
aは、改質ガス通路PRを構成する2つの部分通路PR
1,PR2にそれぞれ設けられている。各組の第2の遮
断弁V1b,V2bは、搬送ガス通路PCを構成する2
つの部分通路PC1,PC2にそれぞれ設けられてい
る。各組の第3の遮断弁V1c,V2cは、不透過ガス
通路PNを構成する2つの部分通路PN1,PN2にそ
れぞれ設けられている。各組の第4の遮断弁V1d,V
2dは、燃料ガス通路PFを構成する2つの部分通路P
F1,PF2にそれぞれ設けられている。
【0039】また、2つのCOセンサ418,428
は、燃料ガス通路PFの2つの部分通路PF1,PF2
にそれぞれ設けられている。具体的には、2つのCOセ
ンサは、抽出室416,426と第4の遮断弁V1d,
V2dとの間にそれぞれ設けられている。
【0040】なお、以下では、第1の水素分離部410
に注目して説明するが、第2の水素分離部420につい
ても同様である。
【0041】水素透過膜414は、供給室412に供給
された改質ガス(すなわち、原料ガスや、一酸化炭素ガ
ス、二酸化炭素ガス、水素ガスなど)から水素ガスを選
択的に透過させることにより、水素ガスを分離する。な
お、水素透過膜414としては、例えば、アルミナなど
のセラミックや焼結金属等の多孔質部材で形成されたベ
ース層上にPd被覆層が形成された水素透過膜や、V
(バナジウム)ベース層の両面にPd(パラジウム)被
覆層が形成された水素透過膜などが用いられる。
【0042】抽出室416に供給される搬送ガスは、水
素ガスの透過を促進させる。すなわち、供給室412に
含まれる水素ガスは、供給室412と抽出室416との
水素分圧差に応じて、水素透過膜を透過する。より具体
的には、水素ガスは、供給室内の水素分圧の平方根と抽
出室内の水素分圧の平方根との差に比例して、水素透過
膜414を透過する。そこで、本実施例では、抽出室4
16に搬送ガス(水蒸気)を順次供給することにより、
抽出室416の水素分圧を、供給室412の水素分圧よ
りも低く設定している。
【0043】図3は、第1の水素分離部410における
改質ガスと搬送ガスとの流れを示す説明図である。図示
するように、本実施例では、供給室412および抽出室
416内で、改質ガスと搬送ガスとが対向して流れるよ
うに設定されている。このように、改質ガスと搬送ガス
とが対向流を形成する場合には、平行流を形成する場合
よりも、改質ガス中の水素ガスを効率よく分離すること
が可能となる。すなわち、対向流および平行流のいずれ
が形成される場合にも、供給室内の水素分圧は、水素ガ
スの透過があまり進行していない上流側ほど高くなり、
抽出室内の水素分圧は、水素ガスの透過が進行している
下流側ほど高くなる。平行流が形成される場合には、供
給室の上流側部分は、水素透過膜を介して、抽出室の上
流側部分と隣接する。そして、この場合には、抽出室の
上流側において、水素分圧差がかなり大きくなるため、
抽出室の上流側部分では、水素ガスを多く透過させるこ
とができる。しかしながら、下流側に向かうに連れて、
水素分圧差がかなり小さくなるため、抽出室の下流側部
分では、水素ガスをあまり透過させることができない。
一方、対向流が形成される場合には、図3に示すよう
に、供給室412の上流側部分は、水素透過膜414を
介して、抽出室416の下流側部分と隣接する。そし
て、この場合には、抽出室の上流側における水素分圧差
は、平行流が形成される場合よりも小さくなる。しかし
ながら、この場合には、抽出室の上流側部分から下流側
部分まで連続的に水素ガスを透過させることができる。
このため、全体としては、より多くの水素ガスを透過さ
せることができる。したがって、本実施例では、改質ガ
スと搬送ガスとの流れが対向するように設定されてい
る。
【0044】ところで、前述のように、水素分離部を比
較的長期間使用すると、水素透過膜414にピンホール
が形成されてしまう場合がある。これは、水素透過膜が
比較的高い温度で水素ガスに曝されているためである。
すなわち、水素透過膜に含まれる金属層は、水素脆化に
よって強度が低下する。また、水素透過膜を構成する複
数種類の材料層は、互いに熱膨張率が異なる。そして、
強度低下や熱膨張率の相違などに起因して、ピンホール
が形成される。水素透過膜414にピンホールが形成さ
れると、供給室412内の改質ガスに含まれる一酸化炭
素ガス(式(1))が、ピンホールを介して、抽出室4
16に侵入する。このように、燃料ガス中に一酸化炭素
ガスが混入していると、燃料電池100内の触媒が一酸
化炭素ガスにより被毒して、燃料電池の出力が低下して
しまう。
【0045】そこで、本実施例では、図2に示すよう
に、第1の水素分離部410に対応して、第1のCOセ
ンサ418と第1組の4つの遮断弁V1a〜V1dとが
設けられており、第2の水素分離部420に対応して、
第2のCOセンサ428と第2組の4つの遮断弁V2a
〜V2dとが設けられている。
【0046】各COセンサ418,428は、各部分通
路PF1,PF2をそれぞれ通る燃料ガスに含まれる一
酸化炭素ガスの濃度(CO濃度)を検出する。各COセ
ンサは、検出結果を制御部600に与える。制御部60
0は、各COセンサで得られた検出結果に応じて、各組
の遮断弁V1a〜V1d,V2a〜V2dを個別に制御
する。なお、遮断弁V1a〜V1d,V2a〜V2dが
開状態に設定されている場合には、各部分通路にはガス
が流通し、閉状態に設定されている場合には、各部分通
路は遮断される。
【0047】第1の水素分離部410に対応して設けら
れた第1のCOセンサ418が検出するCO濃度が所定
の設定値以上となったときには、制御部600は、第1
の水素分離部410に対応して設けられた第1組の4つ
の遮断弁V1a〜V1dの開閉動作を制御する。具体的
には、制御部は、通常運転時に開状態に設定されている
第1組の4つの遮断弁V1a〜V1dを閉状態に設定
し、各部分通路PR1,PC1,PN1,PF1を遮断
する。同様に、第2の水素分離部420に対応して設け
られた第2のCOセンサ428が検出するCO濃度が所
定の設定値以上となったときには、制御部600は、第
2の水素分離部420に対応して設けられた第2組の4
つの遮断弁V2a〜V2dの開閉動作を制御して、各部
分通路PR2,PC2,PN2,PF2を遮断する。
【0048】そして、本実施例では、例えば、第1の水
素分離部に対応して設けられた第1組の遮断弁が閉状態
に設定された場合には、第2の水素分離部のみに2倍の
流量の改質ガスが供給され、第2の水素分離部のみが燃
料ガスを燃料電池に供給する。なお、必要であれば、第
2の水素分離部に供給される改質ガスの流量を制限する
ようにしてもよい。ただし、水素透過膜の透過性能が充
分に優れていれば、第1の水素分離部への改質ガスの供
給を停止させても、第2の水素分離部は、2つの水素分
離部を併用する場合とほぼ同等の流量の燃料ガスを、燃
料電池に供給することができる。また、前述のように、
本実施例の燃料電池システムは車両に搭載されている。
車両において、燃料電池100の定常出力は、通常、最
高出力の約1/2以下である。このため、第1の水素分
離部からの燃料ガスの供給が停止された場合にも、燃料
電池は、定常的な運転を継続することができる。
【0049】このように、各COセンサ418,428
からの検出結果に応じて、対応する各組の遮断弁V1a
〜V1d,V2a〜V2dを個別に制御すれば、各水素
分離部410,420から燃料電池100に供給される
燃料ガス中の一酸化炭素ガスの濃度を低減させることが
できる。したがって、燃料電池内の貴金属触媒の被毒を
低減させることができ、この結果、燃料電池100の出
力低下を低減させることができる。
【0050】ところで、本実施例の燃料電池システムで
は、図2に示すように、通知部610が設けられてい
る。制御部600は、COセンサで得られるCO濃度が
所定の設定値以上となった場合には、対応する遮断弁を
制御するとともに、通知部610を制御する。そして、
通知部610は、ユーザに異常を通知する。このように
すれば、ユーザは、いずれか一方の水素分離部から燃料
電池への燃料ガスの供給が停止されたことを知ることが
できる。また、水素透過膜、または、水素透過膜を含む
水素分離部の修理や交換などの対策をユーザに促すこと
ができる。なお、通知部610は、例えば、表示や音
声、振動などによって、ユーザに異常を通知すればよ
い。
【0051】以上説明したように、本実施例の燃料電池
システムは、燃料電池100と燃料ガス供給部200と
酸化ガス供給部300とを備えている。燃料ガス供給部
200は、水素を選択的に透過させるための水素透過膜
414,424をそれぞれ含む2つの水素分離部41
0,420を備えている。各水素透過膜の一方の面に
は、水素ガスと一酸化炭素ガスとを含む改質ガスが供給
され、他方の面からは、水素ガスが抽出される。また、
燃料ガス供給部200は、2つの水素分離部と燃料電池
とを並列に接続する燃料ガス通路PFと、燃料ガス通路
を構成する各部分通路PF1,PF2に設けられた2つ
のCOセンサ418,428と、各水素分離部から燃料
電池への燃料ガスの供給を停止させるための2組の遮断
弁V1a〜V1d,V2a〜V2dと、を備えている。
そして、制御部600は、各COセンサの検出結果に応
じて、各組の遮断弁を個別に制御する。したがって、い
ずれか一方の水素分離部から排出される燃料ガスに一酸
化炭素ガスが混入している場合には、その水素分離部か
ら燃料電池への水素ガスの供給を停止させることができ
る。これにより、燃料電池に供給される燃料ガスに混入
する一酸化炭素ガスの濃度を低減させることができ、こ
の結果、燃料電池の出力低下を低減させることが可能と
なる。
【0052】なお、上記の説明からも分かるように、本
実施例の燃料ガス供給部200と制御部600とが、本
発明における水素ガス供給装置に相当する。また、燃料
ガス通路PFが本発明における水素ガス通路に相当す
る。
【0053】B.第2実施例:図4は、第2実施例にお
ける燃料電池システムの概略構成を示す説明図である。
本実施例の燃料電池システムは、第1実施例(図1)の
燃料電池システムとほぼ同じであるが、燃料ガス供給部
200Bが変更されている。具体的には、本実施例の燃
料ガス供給部200Bでは、第2の蒸発器224と凝縮
器260とが省略されており、燃料ガス生成部240B
には、搬送ガス(水蒸気)は供給されていない。そし
て、本実施例の燃料ガス供給部200Bは、改質部23
0と燃料ガス生成部240Bとの間に、改質ガスを加圧
して燃料ガス生成部240Bに供給するためのポンプ2
32を備えている。
【0054】図5は、図4の燃料ガス生成部240Bの
内部構成を模式的に示す説明図である。本実施例の燃料
ガス生成部240Bは、第1実施例(図2)の燃料ガス
生成部240とほぼ同じであるが、各水素分離部41
0,420の抽出室416,426には、搬送ガスは供
給されていない。このため、図2に示す搬送ガス通路P
Cと、この通路に設けられた各組の第2の遮断弁V1
b,V2bと、が省略されている。
【0055】各水素分離部410,420の供給室41
2,422には、加圧された改質ガスが供給されてい
る。このため、第1実施例の場合と比べ、供給室内の全
圧は、抽出室内の全圧よりも高くなっている。これによ
り、供給室と抽出室との水素分圧差が比較的大きく設定
され、水素ガスを効率よく透過させることができる。
【0056】なお、各供給室の下流側に設けられた第3
の遮断弁V1c,V2cは、燃料電池の通常運転時に
は、不透過ガスが僅かに流通する中間開度状態に設定さ
れている。あるいは、第3の遮断弁V1c,V2cは、
閉状態に保たれ、所定の時間間隔毎に、中間開度状態に
設定される。これにより、供給室内に水素ガスを含む改
質ガスが、順次供給される。
【0057】本実施例の構成を採用する場合にも、第1
実施例と同様に、燃料ガス生成部240Bは、水素ガス
を含み、一酸化炭素ガスを殆ど含まない燃料ガスを生成
することができる。そして、例えば、第1の水素分離部
410に対応して設けられた第1のCOセンサ418が
検出するCO濃度が所定の設定値以上となったときに
は、制御部600Bは、第1の水素分離部410に対応
して設けられた第1組の3つの遮断弁V1a,V1c,
V1dの開閉動作を制御して、各部分通路PR1,PN
1,PF1を遮断する。
【0058】このように、第2実施例においても、燃料
電池に供給される燃料ガスに混入する一酸化炭素ガスの
濃度を低減させることができる。
【0059】なお、第1実施例では、搬送ガスを用いる
ことによって、供給室と抽出室との水素分圧差を大きく
設定しているが、第2実施例では、改質ガスを加圧する
ことによって、供給室と抽出室との水素分圧差を大きく
設定している。したがって、第1実施例の構成を採用す
る場合には、水素透過膜がその双方の面から受ける圧力
差を比較的小さくすることができるため、圧力差に起因
する水素透過膜の損傷を低減させることができるという
利点がある。
【0060】C.変形例:なお、この発明は上記の実施
例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱
しない範囲において種々の態様において実施することが
可能であり、例えば次のような変形も可能である。
【0061】C−1.変形例1:上記実施例では、固体
高分子型の燃料電池を用いる燃料電池システムに本発明
を適用する場合について説明したが、他のタイプの燃料
電池を用いる燃料電池システムにも適用可能である。ま
た、本発明を水素精製システムに適用することも可能で
ある。そして、上記実施例では、水素ガスへの一酸化炭
素ガスの混入を低減させているが、他のシステムに本発
明を適用する場合には、水素ガスへの他の特定ガスの混
入を低減させるようにしてもよい。
【0062】C−2.変形例2:上記実施例では、燃料
電池システムは、メタノールを用いて水素ガスを生成す
る燃料ガス供給部200,200Bを備えているが、こ
れに代えて、他のアルコールや、天然ガス、ガソリン、
エーテル、アルデヒドなどを用いて水素ガスを生成する
燃料ガス供給部を備えるようにしてもよい。一般に、原
料としては、水素原子が含有された種々の炭化水素系化
合物を用いることができる。
【0063】また、上記実施例では、燃料電池システム
は、メタノールを改質することによって水素ガスを生成
する燃料ガス供給部200,200Bを備えているが、
これに代えて、水素吸蔵合金や水素ボンベなどから水素
ガスを得る燃料ガス供給部を備えるようにしてもよい。
このような場合にも、水素ガス中に特定ガスが混入する
恐れがあれば、本発明を適用可能である。
【0064】さらに、上記実施例では、改質部230
は、水蒸気改質によって、水素ガスを含む改質ガスを生
成しているが、これに代えて、部分酸化改質や、水蒸気
改質と部分酸化改質とを組み合わせた併用改質によっ
て、水素ガスを含む改質ガスを生成するようにしてもよ
い。なお、原料としてメタノールを用いる場合には、水
蒸気改質および併用改質によって生成される改質ガスに
は一酸化炭素ガスが含まれる。また、原料としてメタン
を用いる場合には、3つの改質のいずれによっても、改
質ガスには一酸化炭素ガスが含まれる。
【0065】C−3.変形例3:第1実施例では、供給
室412,422および抽出室416,426内の改質
ガスと搬送ガスとは、対向して流れるように設定されて
いるが、これに代えて、平行して流れるように設定して
もよいし、直交して流れるように設定してもよい。ま
た、抽出室の全圧を、供給室の全圧よりも高く設定する
ようにしてもよい。こうすれば、水素透過膜にピンホー
ルが形成された場合でも、抽出室に侵入する一酸化炭素
ガスの量を低減することができる。
【0066】また、第1実施例では、搬送ガスとして水
蒸気が用いられているが、これに代えて、窒素ガスなど
の他のガスを用いるようにしてもよい。また、燃料電池
100から排出される燃料オフガスを搬送ガスとして用
いるようにしてもよい。ただし、燃料オフガスは、燃料
電池内で消費されずに排出された水素ガスを含んでい
る。したがって、水蒸気や窒素ガスなどの水素ガスを含
まない他のガスを用いれば、抽出室内の水素分圧を比較
的小さくすることができ、この結果、改質ガス中の水素
ガスを効率よく分離することができる。
【0067】C−4.変形例4:上記実施例では、燃料
ガス生成部240,240Bは、2つの水素分離部41
0,420を備えているが、3つ以上の水素分離部を備
えるようにしてもよい。こうすれば、いずれか1つの水
素分離部からの燃料ガスの供給が停止された場合にも、
燃料電池への燃料ガスの供給量をあまり低減させずに済
むという利点がある。
【0068】上記実施例では、改質部230と水素分離
部410,420とはそれぞれ独立して構成されている
が、水素分離部の各供給室412,422が、改質部の
機能を有するようにしてもよい。また、上記実施例で
は、改質部230の下流側には、改質反応で生成された
一酸化炭素ガスを処理するための燃焼部250が設けら
れているが、これに代えて、シフト部とCO酸化部とを
設けるようにしてもよい。なお、シフト部は、一酸化炭
素ガスと水蒸気とから水素ガスと二酸化炭素ガスを生成
する。CO酸化部は、シフト部で処理されない一酸化炭
素ガスを酸化して、二酸化炭素ガスを生成する。この場
合には、水素分離部の各供給室412,422が、シフ
ト部の機能を有するようにしてもよい。このように、各
供給室が改質部やシフト部などの他の機能を有するよう
にすれば、燃料電池システムを小型化することができる
という利点がある。
【0069】上記実施例では、独立した2つの水素分離
膜414,424をそれぞれ含む2つの水素分離部41
0,420が用いられているが、水素分離膜を1つだけ
含む1つの水素分離ユニットを用いるようにしてもよ
い。この場合には、水素分離ユニットは、隣接して設け
られた2つの水素分離部を含み、各水素分離部は、1つ
の水素分離膜の1/2の領域に相当する部分水素分離膜
をそれぞれ含む。
【0070】上記実施例では、水素透過膜414,42
4はシート状に形成されているが、水素透過膜は他の形
状を有していてもよい。例えば、水素透過膜は、中空円
筒状の形状を有していてもよい。この場合には、例え
ば、中空円筒状の水素透過膜の内側に改質ガスを供給
し、外側から水素ガスを抽出すればよい。
【0071】一般に、燃料ガス供給部は、複数の水素分
離部を備えていればよい。また、複数の水素分離部は、
水素を選択的に透過させるための水素透過膜をそれぞれ
含み、各水素透過膜の一方の面には、水素ガスと特定ガ
スとを含む混合ガスが供給され、他方の面からは、水素
ガスが抽出されていればよい。
【0072】C−5.変形例5:上記実施例では、一方
の水素分離部から燃料電池への燃料ガスの供給を停止さ
せる場合には、一方の水素分離部に対応して設けられた
すべての遮断弁が閉状態に設定される。しかしながら、
各水素分離部の下流側、すなわち、燃料ガス通路PFを
構成する部分通路PF1,PF2に設けられた第4の遮
断弁V1d,V2dのみを閉状態に設定するようにして
もよい。あるいは、各水素分離部の上流側、すなわち、
改質ガス通路PRを構成する部分通路PR1,PR2に
設けられた第1の遮断弁V1a,V2aと、搬送ガス通
路PCを構成する部分通路PC1,PC2に設けられた
第2の遮断弁V1b,V2bと、を閉状態に設定するよ
うにしてもよい。このようにしても、一方の水素分離部
から燃料電池への燃料ガスの供給を停止させることがで
きる。ただし、少なくとも第4の遮断弁V1d,V2d
を閉状態とすれば、燃料電池に供給される燃料ガスに混
入する特定ガスの濃度を効率よく低減させることができ
るという利点がある。すなわち、水素分離部から燃料電
池への燃料ガスの供給を停止させるための遮断弁は、少
なくとも燃料ガス通路を構成する部分通路に設けられて
いることが好ましい。
【0073】C−6.変形例6:上記実施例では、燃料
ガス供給部200,200Bは、一酸化炭素ガスの濃度
を検出するためのCOセンサ418,428を備えてい
るが、これに代えて、他のセンサを備えるようにしても
よい。上記実施例のように、メタノールを水蒸気改質す
ることによって改質ガスを生成する場合には、改質ガス
中には、二酸化炭素ガスも含まれる。そして、水素透過
膜にピンホールが存在する場合には、一酸化炭素ガスと
ともに二酸化炭素ガスが水素透過膜を透過する。したが
って、CO濃度を直接的に検出するCOセンサに代え
て、二酸化炭素ガスの濃度(CO2 濃度)を検出するC
2 センサを備えるようにしてもよい。こうすれば、燃
料ガス中のCO濃度を、CO2 濃度を用いて、間接的に
検出することができる。
【0074】また、メタノールを併用改質することによ
って改質ガスを生成する場合には、改質ガス中には、水
素ガスとともに一酸化炭素ガスや窒素ガスが含まれる。
そして、水素透過膜にピンホールが存在する場合には、
一酸化炭素ガスとともに窒素ガスが水素透過膜を透過す
る。したがって、この場合には、CO濃度を直接的に検
出するCOセンサに代えて、窒素ガスの濃度(N2
度)を検出するN2 センサを用いるようにしてもよい。
こうすれば、燃料ガス中のCO濃度を、N2 濃度を用い
て、間接的に検出することができる。
【0075】ただし、上記実施例のように、COセンサ
を用いれば、燃料ガス中のCO濃度を直接的に検出する
ことができるため、燃料電池に供給される燃料ガスに混
入するCO濃度を確実に低減させることができるという
利点がある。
【0076】一般に、水素ガス供給装置は、各水素分離
部に対応して、各水素透過膜を透過した水素ガスに混入
する特定ガスに関係する特定の情報を検出するための複
数のセンサを備えていればよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例における燃料電池システムの概略構
成を示す説明図である。
【図2】図1の燃料ガス生成部240の内部構成を模式
的に示す説明図である。
【図3】第1の水素分離部410における改質ガスと搬
送ガスとの流れを示す説明図である。
【図4】第2実施例における燃料電池システムの概略構
成を示す説明図である。
【図5】図4の燃料ガス生成部240Bの内部構成を模
式的に示す説明図である。
【符号の説明】
100…燃料電池 200,200B…燃料ガス供給部 212…原料タンク 214…水タンク 222,224…蒸発器 230…改質部 232…ポンプ 240,240B…燃料ガス生成部 250…燃焼部 260…凝縮器 300…酸化ガス供給部 310…ブロワ 410,420…水素分離部 412,422…供給室 414,424…水素透過膜 416,426…抽出室 418,428…COセンサ 600,600B…制御部 610…通知部 PC…搬送ガス通路 PF…燃料ガス通路 PN…不透過ガス通路 PR…改質ガス通路 V1a,V2a…第1の遮断弁 V1b,V2b…第2の遮断弁 V1c,V2c…第3の遮断弁 V1d,V2d…第4の遮断弁
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐藤 博道 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 中田 俊秀 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 Fターム(参考) 2G046 AA02 AA11 EB01 4G040 AB01 FA02 FB09 FC01 FE01 5H027 AA02 BA01 BA16 BA17 KK31 MM02

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水素ガスを所定の装置に供給するための
    水素ガス供給装置であって、 水素を選択的に透過させるための水素透過膜をそれぞれ
    含む複数の水素分離部であって、前記各水素透過膜の一
    方の面には、前記水素ガスと特定ガスとを含む混合ガス
    が供給され、他方の面からは、前記水素ガスが抽出され
    る、前記複数の水素分離部と、 前記複数の水素分離部と前記所定の装置とを並列に接続
    し、前記各水素透過膜を透過した前記水素ガスがそれぞ
    れ通る複数の部分通路を含む水素ガス通路と、 前記各水素分離部に対応して設けられ、前記各水素透過
    膜を透過した前記水素ガスに混入する前記特定ガスに関
    係する特定の情報を検出するための複数のセンサと、 前記各水素分離部に対応して設けられ、前記各水素分離
    部から前記所定の装置への前記水素ガスの供給を停止さ
    せるための複数の遮断弁と、 前記各センサの検出結果に応じて、前記各遮断弁を個別
    に制御する制御部と、を備えることを特徴とする水素ガ
    ス供給装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の水素ガス供給装置であっ
    て、 前記各遮断弁は、前記各部分通路に設けられている、水
    素ガス供給装置。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の水素ガス供給装置であっ
    て、 前記各センサは、前記各水素透過膜を透過した前記水素
    ガスに混入する前記特定ガスの濃度を検出し、 前記制御部は、前記複数のセンサのうちのいずれかで得
    られる前記特定ガスの濃度が所定の設定値以上となった
    場合には、対応する前記遮断弁を制御して、対応する前
    記水素分離部から前記所定の装置への前記水素ガスの供
    給を停止させる、水素ガス供給装置。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の水素ガス供給装置であっ
    て、さらに、 ユーザに対する通知を実行するための通知部を備え、 前記制御部は、前記複数のセンサのうちのいずれかで得
    られる前記特定ガスの濃度が前記所定の設定値以上とな
    った場合には、前記通知部を制御して、ユーザに異常を
    通知する、水素ガス供給装置。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の水素ガス供給装置であっ
    て、さらに、 所定の原料を改質して前記混合ガスを生成するための改
    質部を備える、水素ガス供給装置。
  6. 【請求項6】 請求項1記載の水素ガス供給装置であっ
    て、 前記所定の装置は、燃料電池であり、 前記特定ガスは、一酸化炭素ガスである、水素ガス供給
    装置。
  7. 【請求項7】 水素ガス供給装置における水素ガスの所
    定の装置への供給方法であって、(a)前記所定の装置
    に並列に接続され、水素を選択的に透過させるための水
    素透過膜をそれぞれ含む複数の水素分離部であって、前
    記各水素透過膜の一方の面には、水素ガスと特定ガスと
    を含む混合ガスが供給され、他方の面からは、前記水素
    ガスが抽出される、前記複数の水素分離部を準備する工
    程と、(b)前記各水素透過膜を透過した前記水素ガス
    について、それぞれ前記特定ガスに関係する特定の情報
    を検出する工程と、(c)前記各検出結果に応じて、前
    記各水素分離部から前記所定の装置への前記水素ガスの
    供給を個別に停止させる工程と、を備えることを特徴と
    する水素ガス供給方法。
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