JP2003145753A - プリンタヘッド及びプリンタ - Google Patents

プリンタヘッド及びプリンタ

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JP2003145753A
JP2003145753A JP2001349584A JP2001349584A JP2003145753A JP 2003145753 A JP2003145753 A JP 2003145753A JP 2001349584 A JP2001349584 A JP 2001349584A JP 2001349584 A JP2001349584 A JP 2001349584A JP 2003145753 A JP2003145753 A JP 2003145753A
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ink
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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、プリンタヘッド及びプリンタに関
し、特にノズルよりインク液滴を飛び出させて印刷する
プリンタに適用して、ノズルを密に配置して、確実にイ
ンク液滴を吐出することができるようにする。 【解決手段】 本発明は、インク液室2の圧力を圧力発
生素子8により可変すると共に、静電方式によるアクチ
ュエータ10、12によりこの圧力の変化によるインク
液滴の吐出を制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プリンタヘッド及
びプリンタに関し、特にノズルよりインク液滴を飛び出
させて印刷するプリンタに適用することができる。本発
明は、インク液室の圧力を圧力発生素子により可変する
と共に、静電方式によるアクチュエータによりこの圧力
の変化によるインク液滴の吐出を制御することにより、
ノズルを密に配置して、確実にインク液滴を吐出するこ
とができるようにする。
【0002】
【従来の技術】従来、インクジェット方式によるプリン
タにおいては、プリンタヘッドに設けられた微小なノズ
ルよりインク液滴を飛び出させて印刷対象に付着させる
ことにより、文字、画像等を印刷するようになされてい
る。このようなインクジェット方式によるプリンタにお
いては、簡単な構成により高画質の画像を出力すること
ができ、その分、広範囲に使用されるようになされてい
る。
【0003】このインクジェット方式によるプリンタに
おいては、インクを飛び出させる駆動力の発生方式によ
り、電気熱変換方式と電気機械変換方式とにより分類さ
れる。
【0004】これらの方式のうち電気熱変換方式は、発
熱素子によるインクの局所的な加熱により気泡を発生
し、この気泡によりインクをノズルから押し出して印刷
対象に飛翔させるようになされている。これに対して電
気機械変換方式は、圧電素子、静電力振動子等による駆
動力によりインク液室の圧力を可変し、この圧力の変化
によりインクをノズルから押し出して印刷対象に飛翔さ
せるようになされている。何れの方式においても、これ
らのプリンタにおいては、1つのノズルに各駆動力を発
生する機構が1つ割り当てられるようになされ、この機
構の制御により、インク液滴を飛び出させるようになさ
れている。
【0005】このようなプリンタにおいては、ノズルを
高密度に配置することにより、印刷速度を向上し、また
画質を向上するようになされている。
【0006】すなわち印刷速度は、ノズル数とインク吐
出周波数とに比例する。このうちインク吐出周波数にお
いては、改善されてはいるものの、インク吐出周期の殆
どが、毛細管力によりノズルから飛び出したインクを補
給するのに占められる。これによりインク吐出周波数に
おいては、改善の余地が少ないと考えられる。これによ
りノズル数を増大することにより、印刷速度を確実に向
上することができる。
【0007】しかしながら単にノズルを配置する部位の
面積を増大させてノズル数を増大したのでは、歩留まり
が急激に低下する恐れがある。また高画質化のために
は、解像度を向上することが求められる。これにより従
来のプリンタヘッドにおいては、ノズルを高密度に配置
することにより、印刷速度を向上し、また画質を向上す
るようになされている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところが従来のプリン
タヘッドにおいては、ノズルをあまりに高密度に配置す
ることが困難になる問題がある。
【0009】すなわち従来のプリンタヘッドにおいて、
ノズルを高密度に配置するためには、インクを飛び出さ
せる駆動力の発生機構を高密度に配置することが必要に
なる。
【0010】電気熱変換方式において、駆動力の発生機
構を高密度に配置すると、蓄熱により動作不良が発生す
る問題がある。すなわち電気熱変換方式においては、発
熱素子の加熱により瞬時に温度を上昇させ(発熱素子の
表面で300度程度)、また急激に元の温度に復帰させ
ることが必要になり、高密度に配置して蓄熱すると、冷
却が不十分なうちに加熱することになり、これにより動
作不良が発生する。
【0011】また電気熱変換方式においては、駆動に大
きな電力を要することにより、駆動力の発生機構を高密
度に配置して、配線の電気抵抗が増大すると、これによ
っても蓄熱を増大させることになる。
【0012】これに対して電気機械変換方式において
は、高密度に配置可能に、駆動力の発生機構を幅狭にす
ると、インクの吐出に必要な駆動力とインク液室の体積
変化量が同時に得られず、実用に供し得なくなる。すな
わち電気機械変換方式において、インクを十分な速度で
吐出するためには、インクの運動エネルギー、吐出時の
表面張力による圧力損失、インク液室及びノズルを通過
する際の粘性抵抗による圧力損失等を合計した駆動力が
必要であり、かつ吐出するインク体積よりも大きいイン
ク液室の体積変化量が必要である。さらに、十分な吐出
の繰り返し周波数を得るためには、ノズルの毛管力を駆
動力とするインクのリフィル速度も十分大きい必要があ
る。アクチュエータを幅狭にしてインク吐出条件を保持
するには、幅狭化によるインク液室の体積変化量の減少
を補償するために、アクチュエータの厚さを薄くして剛
性を下げて変位量を大きくするか、アクチュエータの長
辺長を長くしなければならない。しかしアクチュエータ
の厚さを薄くして剛性が低下すれば駆動力が低下してイ
ンクは十分な速度で吐出しなくなる。一方、アクチュエ
ータの長辺長を長くすると、インク液室の粘性抵抗が上
がり、リフィル速度が低下して十分な吐出周波数が得ら
れなくなる。
【0013】これにより高密度に配置可能に、駆動力の
発生機構を幅狭にすると、インク吐出の必要条件であ
る、駆動力と、インク液室の体積変化量と、インク液室
の粘性抵抗によるリフィル周波数を、全て満足する吐出
系の設計範囲が著しく狭まり、現実的な製造時のばらつ
きを考慮すると、結局、極端にノズルを高密度に配置す
ることにより、インクは吐出し得なくなる。
【0014】具体的に、対抗する電極間で静電力により
駆動力を発生する方式においては、振動板が対向電極に
接しない範囲では、インク液室の体積変化量が、幅の5
乗で減少する。インク液室の体積変化量を増加させるた
めに、インク液室の圧力を可変する振動板を薄すると、
振動板は対向電極に接して、駆動力は振動板の厚さの3
乗に比例するようになり、駆動力が低下して、結局、イ
ンクを吐出できなくなる。またこのような制限により、
電気機械変換方式においては、微細化により、アクチュ
エータの設計自由度が大きく低下することになる。な
お、このように発生する力、変位量が寸法の2乗以上に
比例して小さくなる現象は、寸法効果と称され、マイク
ロアクチュエータに重大な課題である。
【0015】またこれらの他に、ノズルを高密度に配置
すると、駆動力発生機構の保持構造、インク液室の隔壁
等、圧力発生に寄与しない部分の面積が相対的に増大
し、これによっても効率が低下してインクを吐出できな
くなる。
【0016】本発明は以上の点を考慮してなされたもの
で、ノズルを高密度で配置して確実に駆動することがで
きるプリンタヘッド及びプリンタを提案しようとするも
のである。
【0017】
【課題を解決するための手段】かかる課題を解決するた
め請求項1の発明においては、プリンタヘッドに適用し
て、インク液室の圧力を可変する圧力発生素子と、所定
の固定電極との間で発生する静電力により、インク液室
に設けられたダイアフラムの可動を制御して、インク液
室における圧力の伝搬を制御する静電アクチュエータと
を備えるようにする。
【0018】また請求項24の発明においては、プリン
タに適用して、プリンタヘッドは、インク液室の圧力を
可変する圧力発生素子と、所定の固定電極との間で発生
する静電力により、インク液室に設けられたダイアフラ
ムの可動を制御して、インク液室における圧力の伝搬を
制御する静電アクチュエータとを備えるようにする。
【0019】請求項1の構成によれば、プリンタヘッド
に適用して、インク液室の圧力を可変する圧力発生素子
と、所定の固定電極との間で発生する静電力により、イ
ンク液室に設けられたダイアフラムの可動を制御して、
インク液室における圧力の伝搬を制御する静電アクチュ
エータとを備えることにより、圧力発生素子において
は、複数のインク液室を纏めて駆動することができ、ま
たこのように複数のインク液室を纏めて駆動するように
しても、個々のノズルからのインク液滴の吐出を制御す
ることができる。このとき静電アクチュエータにおいて
は、発熱素子のような蓄熱による影響を受けることなく
動作させることができ、また単に、ダイアフラムの可動
を制御して、インク液室における圧力の伝搬を制御する
だけであることにより、小型化に伴い駆動力が減少する
場合でも、確実にインク液滴の吐出を制御することがで
きる。これによりノズルを高密度で配置して確実に駆動
することができる。
【0020】これにより請求項24の構成によれば、ノ
ズルを高密度で配置して確実に駆動することができるプ
リンタを提案することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、適宜図面を参照しながら本
発明の実施の形態を詳述する。
【0022】(1)第1の実施の形態 (1−1)第1の実施の形態の構成 図1は、本発明の第1の実施の形態に係るプリンタヘッ
ドについて、一部断面を取って示す平面図(図1
(A))、図1(A)をA−A線により切り取って示す
平面図である。
【0023】このプリンタヘッド1においては、インク
液室2が連続して形成され、このインク液室2の並び方
向に延長するインク流路3を介して、各インク液室2に
所定のインクタンクよりインクが供給される。なお各イ
ンク液室2とインク流路3との間には、インクの逆流を
防止するために、高い流路抵抗を有するオリフィス4が
形成されるようになされている。
【0024】これらインク液室2、インク流路3は、例
えば半導体基板等の部材9の加工により底面及び壁面が
形成され、ノズル5が形成されてなる板状部材であるノ
ズルプレート6を配置して形成されるようになされてい
る。
【0025】各インク液室2は、所定個数のインク液室
2で一体に可動するように、オリフィス4に近接した底
面に、振動板7が形成され、この振動板7が圧力発生素
子8により所定周期で可動するようになされている。こ
こでこの圧力発生素子8は、例えばピエゾ素子等により
構成される。これによりこのプリンタヘッド1では、こ
れら複数のインク液室2に1つの駆動機構を割り当て
て、インク液室2の圧力を可変するようになされ、これ
により圧力発生素子8は、振動板7を変位させてインク
液室2の圧力を可変するようになされている。
【0026】なお各インク液室2は、この振動板7の箇
所において、隣接するインク液室2との間の隔壁に、実
用上十分にクロストークを防止可能な幅によりスリット
14が形成され、このスリット14により振動板7のス
ムーズな変位を確保し、さらにインクのスムーズな流れ
を確保して吐出周期を短くすることができるようになさ
れている。なおこのスリット14は、厚みが20〔μ
m〕以下により形成されて、実用上十分に、隣接するイ
ンク液室2との間のクロストークを防止することができ
るようになされている。
【0027】さらに各インク液室2は、ノズル5と対抗
する底面の部位に、ダイアフラム10が配置される。各
インク液室2は、このプリンタヘッド1の保持部材11
側のこのダイアフラム10と対抗する部位に、ダイアフ
ラム10に近接して、各インク液室2毎に、固定電極1
2が形成されるのに対し、ダイアフラム10において
は、導電性を有する材料により形成される。これにより
プリンタヘッド1では、固定電極12とダイアフラム1
0との間に電圧を印加することにより、固定電極12に
ダイアフラム10を引き寄せ、インク液室2の圧力が変
化した場合でも、ダイアフラム10が可動しないよう
に、ダイアフラム10を保持できるようになされてい
る。なお固定電極12、ダイアフラム10は、このよう
に固定電極12にダイアフラム10を引き寄せた場合で
も、短絡事故が発生しないように、例えば絶縁膜等が形
成されるようになされている。
【0028】これに対して、固定電極12とダイアフラ
ム10とを同電位に設定することにより、自由に可動し
得る状態にダイアフラム10を保持し、これによりイン
ク液室2の圧力の変化を緩和して、ノズル5からインク
液滴が飛び出さないようになされている。
【0029】これによりこの実施の形態において、ダイ
アフラム10は、固定電極12と対向するように保持さ
れた可動電極を構成し、ダイアフラム10、固定電極1
2は、固定電極12との間で発生する静電力によりダイ
アフラム10の可動を制御して、インク液室2における
圧力の伝搬を制御する静電アクチュエータを構成するよ
うになされている。
【0030】またこのプリンタヘッド1においては、こ
のような静電アクチュエータによる圧力の伝搬の制御
が、ダイアフラム10を可動自在に保持して、圧力発生
素子8によるインク液室2の圧力の変化を緩和し、イン
ク液滴の吐出を停止する吐出停止の状態と、ダイアフラ
ム10の可動を制限して、圧力発生素子8によるインク
液室2の圧力の変化によりインク液滴を吐出させる吐出
の状態との切り換えであるようになされている。
【0031】(1−2)第1の実施の形態の動作 以上の構成において、このプリンタヘッド1では、イン
ク流路3を介して、インクタンクより各インク液室2に
インクが導かれる。プリンタヘッド1では、1つの圧力
発生素子8の駆動により、この圧力発生素子8が割り当
てられた複数のインク液室2において、振動板7が所定
周期で可動し、これによりインク液室2の圧力がこの圧
力発生素子8の駆動により変動する。
【0032】プリンタヘッド1において、インク液滴を
飛び出させないインク液室2においては、固定電極12
とダイアフラム10とが同電位に保持され、これにより
図2(A)及び(B)に示すように、圧力発生素子8の
駆動によるインク液室2の圧力の変化を緩和するよう
に、ダイアフラム10が可動する。その結果として、こ
のインク液室2においては、インク液滴を飛び出させる
程の圧力の増大が防止され、インク液滴が飛び出さない
ように制御される。
【0033】すなわち振動板7が引き出されてインク液
室2の圧力が小さくなると(図2(A))、その分、ダ
イアフラム10がインク液室2側に変位し、これにより
インク液室2における圧力の低下が緩和される。またこ
れとは逆に、振動板7が押し上げられてインク液室2の
圧力が大きくなると(図2(B))、その分、ダイアフ
ラム10が固定電極12側に変位し、これによりインク
液室2における圧力の増大が緩和される。
【0034】これに対してインク液滴を飛び出させるイ
ンク液室2においては、固定電極12とダイアフラム1
0とに電位差が与えられ、これにより図3(A)及び
(B)に示すように、固定電極12にダイアフラム10
が吸着されて可動困難に保持される。これによりこのイ
ンク液室2においては、圧力発生素子8の駆動による振
動板7の変位に応じてインク液室2の圧力が変化し、こ
の圧力の変化によりノズル5からインク液滴を飛び出さ
せることができる。
【0035】これによりこのプリンタヘッド1では、イ
ンク液室2の圧力を圧力発生素子8により可変すると共
に、静電方式によるアクチュエータによりこの圧力の変
化によるノズル5からのインク液滴の吐出を制御するこ
とにより、圧力発生素子8で複数のインク液室2を纏め
て駆動できるようになされ、これによりノズル5を密に
配置して、確実にインク液滴を吐出できるようになされ
ている。
【0036】すなわち発生する駆動力、変位量が、大き
さの2乗以上に比例して低下する寸法効果においては、
逆の見方をすれば、駆動機構の寸法を大きくすれば、そ
の分、急激に駆動力、変位量が大きくなることを意味す
る。すなわち寸法の小さなアクチュエータを個々のイン
ク液室に割り当てて駆動する場合に比して、これらイン
ク液室にまとめて1つのアクチュエータを割り当てるよ
うにすれば、全体として得られる駆動力、変位量におい
ては、格段的に大きくなり、その分、個々のインク液室
に割り当てられる駆動力、変位量においても、格段的に
大きくなる。これによりノズル5を密に配置し、その結
果インク液室2が密に配置されている場合でも、各イン
ク液室2にインクの吐出に十分な圧力の変化を与えるこ
とができる。
【0037】ところがこのような大型のアクチュエータ
による複数のインク液室2の纏めた駆動によっては、個
々のノズル5におけるインク吐出の制御が困難になる。
しかしながら、個々のインク液室において、この大型の
アクチュエータによる圧力の変化を緩和する機構を小型
のアクチュエータにより構成すれば、インク液滴の吐出
を個々のノズル毎に制御することが可能となる。
【0038】この場合、このようにして個々のインク液
室に配置する小型のアクチュエータにおいては、単に圧
力の変化を緩和すればよいことにより、大きな駆動力を
必要とせず、これにより小型に形成して密に配置した場
合でも、十分にインク液滴の吐出を制御することができ
る。
【0039】これらのことから、この実施の形態では、
ノズル5を密に配置して、確実にインク液滴を吐出でき
るようになされている。
【0040】ここでこの種のインク吐出機構を線形応答
の系で考えると、駆動素子が投入する圧力が入力であ
り、ノズルからの体積速度が出力になる。この系におい
ては、入力と出力との比例定数が流路抵抗となり、入力
の微分値と出力の微分値との比例定数が音響容量とな
る。また入力の積分値と出力の積分値との比例定数がイ
ナータンスとなる。これらのうち流路抵抗は、インク液
室等の壁面と流体との摩擦力に相当し、音響容量は、圧
力に応じて出入りする流体の体積に相当する。またイナ
ータンスは、流体の慣性抵抗に相当する。
【0041】このようにしてインク吐出機構を線形応答
の系で考え、電気回路における等価回路に置き換える
と、圧力、体積速度、流路抵抗、音響容量、イナータン
スを、それぞれ起電力、電流、電気抵抗、キャパシタン
ス、インダクタンスに対応付けて表すことができる。な
おここで、圧力の発生源である圧力発生素子8が交流電
源となり、プリンタヘッドにおいては、これらの要素の
うちの何れかの制御により、インピーダンスを可変して
体積速度を変化させることになる。
【0042】このインピーダンスの可変においては、イ
ナータンスに比して、流路抵抗、音響容量の制御が容易
である。具体的には、インク経路にバルブを設けてイン
ク流量を調整する場合、インクを電気粘性流体にして流
体の粘性率を制御する場合である。但し、数10〔μ
m〕の寸法である流路について、流路抵抗を大きく変え
るためには、少なくとも流路幅を10〔μm〕程度変位
させることが必要であるが、このような小型の流路に対
応する大きさにより、これ程大きな変位を確保するアク
チュエータにあっては、実現が難しい。これにより水系
のインクを使う場合は、電気粘性流体のインクは困難で
あり、この実施の形態のように、個別のアクチュエータ
で音響容量を制御する方法が最も現実的であると言え
る。
【0043】なお、このような圧力発生素子と圧力吸収
手段を組み合わせて使用する方法は、特開平7−156
393号公報に開示されている。しかしながら特開平7
−156393号公報に開示の手法は、発熱素子の駆動
により発生する気泡を圧力吸収手段として利用するもの
であることにより、電気熱変換方式によるプリンタヘッ
ドについて上述したような、蓄熱により特性の劣化を避
け得ず、結局、電気熱変換方式によるプリンタヘッドと
同様に、駆動周波数を100〔kHz〕程度にまでしか
増大できないと考えられる。
【0044】しかしながらこの実施の形態のように、静
電力によるアクチュエータにより圧力吸収手段を構成す
れば、このような蓄熱により制限を回避することがで
き、また気泡による制御のような気泡発生タイミングの
煩雑な制御を有効に回避して、簡易な制御によりインク
液滴を精度良く制御することができる。また制御に要す
る電力の消費を格段的に少なくすることができる。なお
この実施の形態のように、流路壁の一部の剛性を静電力
で変化させ、インク液室の圧力変化を制御する場合の電
力は、気泡を生成に消費する電力の1/100である。
【0045】すなわち静電力によりダイアフラム10を
固定電極12に吸引して固着しておけば、ダイアフラム
10がインクの流れに影響を与えるダイアフラム10の
有効な幅は、最初の半分以下となる。ダイアフラム10
の変位容量は、幅の5乗に反比例することにより、ダイ
アフラム10を静電力により固定すれば、音響容量は著
しく小さくなり、圧力発生素子8で発生した圧力の大部
分は、ノズル5近傍まで到達し、これによりインクがノ
ズル5から吐出することになる。
【0046】これに対して、ダイアフラム10を自由に
変位できるように保持すると、圧力の変動に応じてダイ
アフラム10が大きく変動し、これにより大きな音響容
量を生み出し、圧力発生素子8で発生した圧力は、殆ど
が吸収される。その結果、圧力発生素子8で発生した圧
力は、インク吐出に必要な体積速度を与えることが困難
になり、インクの吐出が停止制御される。
【0047】これらによりこのプリンタヘッド1におい
ては、このようにして対応付けた電気系の等価回路の解
析により、各パラメータを最適化することができる。す
なわち圧力発生素子8による発生圧力、周波数(交流電
源の電圧と周波数)、吐出周波数(系の固有振動数)、
インク吐出体積(系の電流)に対して、流路設計(抵抗
とインダクタンス)、音響容量の変化(コンデンサーの
可変量)を求められることにより、これらのパラメータ
を最適化することができる。
【0048】またインク液滴を吐出しないようにしてい
る場合には、ダイアフラム10が振動していることによ
り、この振動に同期したタイミング(すなわちインク液
室2の圧力の変化によりダイアフラム10が平衡位置よ
り固定電極12側に接近したタイミングである)により
固定電極12にダイアフラム10を吸引するようにし
て、ダイアフラム10と固定電極12との間に小さな電
位差を与えて、ダイアフラム10を固定電極12に引き
寄せて保持することができる。これによりこの実施の形
態では、簡易かつ確実にインク液滴の吐出を制御できる
ようになされている。
【0049】すなわちこのようにすると、ダイアフラム
10が平衡位置から固定電極12へ移動する力は、イン
ク液室内の圧力波をも利用することになり、平衡位置で
固定電極12との間の間隔が長い場合でも、十分に吸引
して保持することができる。またこの固定電極12との
間の静電引力は、ダイアフラム10を固定電極12に固
定する力として使用されることにより、インク液室内の
圧力変動に応じてギャップが最小の時のタイミングで、
固定電極12にダイアフラム10を引き寄せるようにす
れば、印加電圧が小さくてもダイアフラム10を強く固
定することができる。
【0050】(1−3)第1の実施の形態の効果 以上の構成によれば、インク液室2の圧力を圧力発生素
子8により可変すると共に、静電方式によるアクチュエ
ータによりこの圧力の変化によるノズル5からのインク
液滴の吐出を制御することにより、1つの素子で複数の
インク液室2を纏めて駆動でき、これによりノズル5を
密に配置して、確実にインク液滴を吐出することができ
る。なお実験した結果によれば、ノズル5を80〔μ
m〕以下のピッチで配列して、確実にインク液滴を吐出
させることができた。
【0051】なおこのような1つの駆動機構8により駆
動可能なインク液室の数は、数十から数百であり、これ
によりこれら数十から数百のインク液室を単位にしてプ
リンタヘッドを構成して、高い信頼性により高速、かつ
高解像度の印刷結果を得ることができる。
【0052】また厚みが20〔μm〕以下の流路により
隣接するインク液室を結合することにより、隣接するノ
ズルとの間のクロストークを有効に回避して、短時間で
インク液室の状態をインク吐出前の状態に復帰させるこ
とができ、その分、インク吐出周期を短くすることがで
きる。かくするにつき、スリット状の隙間の流路抵抗
は、スリット幅の3乗に反比例することにより、このよ
うなスリットにおいては、クロストークを防止する観点
からは隙間が狭い方が望ましく、20〔μm〕以下によ
り実用上十分な特性を確保することができる。
【0053】(2)第2の実施の形態 図4は、本発明の第2の実施の形態に係るプリンタヘッ
ドを示す平面図及び断面図である。なおこの図4は、図
1との対比により、ノズルプレート32を取り外した状
態で、隣接する2つのインク液室を示す平面図、ノズル
プレート32を取り付けた状態の断面図である。このプ
リンタヘッド31において、図1について上述したプリ
ンタヘッド1と同一の構成は、対応する符号を付して示
し重複した説明は、省略する。
【0054】プリンタヘッド31は、インク流路3を間
に挟んで、この図4に示す構成と同一の構成に係るイン
ク液室2等が、インク流路3に沿った方向に、この図4
に示す構成の繰り返し周期の1/2の周期分だけシフト
して配置されるようになされ、これによりインク流路3
を間に挟んで、ノズル5が千鳥に配置されるようになさ
れている。
【0055】この実施の形態では、シリコン単結晶9の
異方性エッチングによりインク液室2を作成し、また圧
力発生素子を静電アクチュエータにより形成し、全体を
半導体プロセスにより作成する。
【0056】なおプリンタヘッド31は、ノズル5の直
径が20〔μm〕、インク流路3に沿った方向のノズル
5間の間隔が85〔μm〕、1列のノズル数が200個
により形成される。またノズル5側より見てインク液室
2が長方形形状により形成され、その長辺が長さ100
0〔μm〕、短辺が長さ70〔μm〕により形成され
る。また同様に、長辺の長さ18000〔μm〕、短辺
の長さ200〔μm〕、厚さが3〔μm〕により振動板
7が形成される。また振動板7は、対向する固定電極3
3との間のギャップが0.9〔μm〕により形成され、
ダイアフラムは、長辺長400〔μm〕、短辺長70
〔μm〕、厚さ1〔μm〕により形成され、対向する固
定電極12との間のギャップが3〔μm〕に設定される
ようになされている。
【0057】図5〜図8は、図4(A)及び(B)との
対比により、このプリンタヘッド31の作成手順を示す
断面図及び平面図である。この製造工程においては、所
定板厚の基板39の両面を加工してプリンタヘッド1を
製造する。ここでこの製造工程において、基板39は、
半導体基板が適用され、具体的には(100)表面を有
するシリコン単結晶基板が適用される。この工程は、図
5(A)に示すように、板厚が100〔μm〕となるま
でこの基板39の両面を研磨する。なお以下において、
この基板39の両面において、固定電極12側の面を裏
面(符号Bにより示す)、ノズル5を設ける側の面を表
面(符号Cにより示す)と呼ぶ。
【0058】この工程は、拡散炉による熱処理により、
基板39の両面に厚さ2.0〔μm〕の熱酸化シリコン
層を形成し、表面Cにレジストを塗布して保護層を形成
する。この工程は、この状態で裏面Bに形成された熱酸
化シリコン層をバッファード弗酸により除去し、その
後、洗浄工程を経た後、表面Cのレジストを除去する。
これらによりこの工程は、図5(B)に示すように、裏
面B側の加工時、表面Cを保護する保護膜42を表面C
に形成する。
【0059】続いてこの工程は、図5(C)に示すよう
に、拡散炉中で基板39を1200度に加熱し、裏面B
にボロン拡散層43を形成する。ここでこのボロン拡散
層43は、BCl2 ガスを導入して形成され、ボロンの
拡散濃度が所定値となるように形成される。なおここで
はこの所定値が、深さ3〔μm〕において、2×10 19
〔個/cc〕以上の濃度となるように選定される。ここ
でこのボロン拡散層43は、後述する処理により、プリ
ンタヘッド31の振動板7、ダイアフラム10を構成
し、このボロンの拡散により、振動板7、ダイアフラム
10に求められる弾性等を確保し、さらにはエッチング
ストップ層を形成するようになされている。
【0060】続いてこの工程は、図6(D1)及び(D
2)に示すように、表面Cの熱酸化シリコン層42をイ
ンク液室2、インク流路3に対応する形状によりパター
ニングする。なおこのプリンタヘッド31は、振動板7
のインク液室側において、隣接するインク液室2との間
の壁面については、一辺が15〔μm〕の平行四辺形の
柱状体が20〔μm〕ピッチで並ぶように、熱酸化シリ
コン層42をパターニングする。
【0061】続いてこの工程は、図6(E)に示すよう
に、20〔重量%〕の水酸化カリウム水溶液を用いて、
ボロン拡散層43をエッチングストップ層として、基板
39を異方性エッチングする。これによりこの工程は、
インク液室2、インク流路3の形状を形成し、また振動
板7を形成する。
【0062】続いてこの工程は、図7(F)に示すよう
に、裏面B側からのSF6 ガスを用いた反応性イオンエ
ッチングにより、ダイアフラム10を形成する部位を厚
さ1〔μm〕になるまでエッチングする。
【0063】続いてこの工程は、図7(G1)及び(G
2)に示すように、TEOS−O3CVDにより、ボロ
ン拡散層43の裏面Bに酸化シリコン膜を0.3〔μ
m〕成膜し、バッファード弗酸を用いた等方性エッチン
グにより、振動板7及びダイアフラム10の長辺方向及
び短辺方向に、それぞれ20〔μm〕の間隔により、ド
ット状に酸化シリコン膜による角柱45を形成する。こ
こでこの角柱45は、一辺が5〔μm〕により形成さ
れ、プリンタヘッド31では、この角柱45により振動
板7、ダイアフラム10が固定電極33、12と短絡し
ないようになされている。続いてこの工程は、隣接する
インク液室2との間の壁面の部位に形成した平行四辺形
の柱状体について、熱酸化シリコン層42を除去する。
【0064】このような基板39の加工とは別工程にお
いて、この製造工程は、図8(H)に示すように、パイ
レックス(登録商標)ガラス基板46を用意し、クロム
をマスクとして10〔%〕の弗酸水溶液でこのパイレッ
クスガラス基板46をエッチングすることにより、固定
電極12、33を作成する部位に、深さ1〔μm〕の溝
47を形成する。
【0065】またリフトオフ法により、図8(I1)及
び(I2)に示すように、溝47に、0.1〔μm〕の
ITO膜を形成し、これにより固定電極12、33を形
成する。なお固定電極12、33の電極パッド部には、
クロム/金をメッキする。
【0066】この工程は、続いて図8(J)に示すよう
に、図7(G1)及び(G2)について説明したシリコ
ン基板39を、このパイレックスガラス基板46に精度
良く重ね合わせた後、400度、1〔kV〕の条件によ
り陽極接合する。これによりこの工程は、所定の空隙を
間に挟んで、ダイアフラム10及び振動板7を固定電極
12及び33と対向させ、シリコン基板39とパイレッ
クスガラス基板46とを一体化する。
【0067】さらにこの工程は、続いてノズルプレート
32を表面Aに接着する(図4)。ここでノズルプレー
ト32は、別工程で、電鋳により作成されたニッケル製
の板状部材であり、直経20〔μm〕のノズル5が各イ
ンク液室2に対応する個所に形成されるようになされて
いる。
【0068】続いてこの工程は、インク流路3とインク
タンクとをポリプロピレン系のチューブで接続し、また
固定電極12、33、シリコン基板39に配線を施す。
【0069】このようにして作成されたプリンタヘッド
31にインクを導入すると、インクは毛管力で自発的に
インク液室2に充填し、ノズル5まで到達してメニスカ
スを形成した。
【0070】このプリンタヘッド31においては、振動
板7と対向電極12間に波高値30〔V〕、パルス幅1
0〔μsec〕によるパルス波を500〔μsec〕周
期(20〔kHz〕)で与え、振動板7を振動させた。
またこの振動板7の振動により変化するインク液室2の
圧力の変化により、ダイアフラム10が平衡位置より固
定電極12側に接近するタイミングで、インクを吐出さ
せるインク液室2についてだけ、選択的に固定電極12
に電圧を印加し、該当するダイアフラム10を固定電極
12に吸着して保持した。
【0071】このようにして駆動して、このプリンタヘ
ッド31では、3ピコリットルのインク液滴を吐出する
ことができ、ダイアフラム10を可動自在に保持したノ
ズル5においては、メニスカスの盛り上がりが発生する
ものの、インクが吐出しないことを確認することができ
た。なおインクの吐出速度は、8〔m/秒〕であり、駆
動周波数が50〔kHz〕まで、安定に動作することを
確認することができた。
【0072】図4の構成によれば、インク液室に設けら
れた振動板を静電力により変位させて、インク液室の圧
力を可変する構成の静電アクチュエータにより圧力発生
素子を構成するようにしても、第1の実施の形態と同様
の効果を得ることができる。
【0073】またシリコン単結晶基板を異方性エッチン
グしてインク液室を作成したことにより、ミクロン単位
の精度で深さの深いインク液室を簡易に作成することが
できる。
【0074】またダイアフラムをシリコンにより作成し
たことにより、異方性エッチングのストッパー層を用い
て、所望の膜厚により、十分な弾性、強度を有してなる
ダイアフラムを簡易に作成することができる。
【0075】また陽極接合により一体化して、ダイアフ
ラムと固定電極とを対向させて保持することにより、ダ
イアフラムと、固定電極とで、それぞれ種々の工程を適
用することができる。
【0076】(3)第3の実施の形態 図9は、本発明の第3の実施の形態に係るプリンタヘッ
ドを示す平面図及び断面図である。なおこの図9は、図
1との対比により、ノズルプレート32を取り外した状
態で、隣接する2つのインク液室を示す平面図、ノズル
プレート32を取り付けた状態の断面図である。このプ
リンタヘッド51において、図1及び図4について上述
したプリンタヘッド1と同一の構成は、対応する符号を
付して示し重複した説明は、省略する。
【0077】このプリンタヘッド51においても、イン
ク流路3を間に挟んで、この図9に示す構成と同一の構
成に係るインク液室2等が所定周期分だけシフトして配
置され、これによりインク流路3を間に挟んで、ノズル
5が千鳥に配置されるようになされている。
【0078】この実施の形態では、シリコン単結晶9の
異方性エッチングによりインク液室2を作成し、また圧
力発生素子8をピエゾ素子により形成し、全体を半導体
プロセスにより作成する。なおこのプリンタヘッド51
は、第2の実施の形態に係るプリンタヘッド31と、ノ
イズ径、ノイズピッチ等が同一に形成される。
【0079】図10〜図13は、図9(A)及び(B)
との対比により、このプリンタヘッド51の作成手順を
示す断面図及び平面図である。この製造工程において
は、所定板厚の基板39の両面を加工してプリンタヘッ
ド1を製造する。ここでこの製造工程において、図10
(A)に示すように、第2の実施の形態と同様に、(1
00)表面を有するシリコン単結晶基板39を板厚が1
00〔μm〕となるまで両面研磨する。
【0080】また図10(B)に示すように、拡散炉に
よる熱処理により、続いて基板39の両面に厚さ2.0
〔μm〕の熱酸化シリコン層52、53を形成する。
【0081】続いてこの工程は、図10(C)に示すよ
うに、表面Cの熱酸化シリコン層52をインク液室2、
インク流路3に対応する形状によりパターニングする。
なおこのプリンタヘッド51は、振動板7のインク液室
側において、隣接するインク液室2との間の壁面につい
ては、一辺が15〔μm〕の平行四辺形の柱状体が20
〔μm〕ピッチで並ぶように、熱酸化シリコン層42を
パターニングする。
【0082】続いてこの工程は、図11(D1)及び
(D2)に示すように、20〔重量%〕の水酸化カリウ
ム水溶液を用いて、裏面Bの熱酸化シリコン層53をス
トッパ層として、基板39を異方性エッチングし、イン
ク液室2、インク流路3の形状を形成し、また裏面Bの
熱酸化シリコン層53により振動板7、ダイアフラム1
0の一部を形成する。
【0083】続いてこの工程は、図11(E)に示すよ
うに、スパッタリングにより、裏面Bのダイアフラム1
0を形成する部位に、アルミニウム膜55を0.1〔μ
m〕成膜してパターニングし、これによりダイアフラム
10に可動電極55を形成する。
【0084】続いてこの工程は、図12(F1)及び
(E2)に示すように、TEOS−O 3 CVDにより、
可動電極55の裏面B側に酸化シリコン膜を0.3〔μ
m〕成膜し、バッファード弗酸を用いた等方性エッチン
グにより、ダイアフラム10の長辺方向及び短辺方向
に、それぞれ20〔μm〕の間隔により、ドット状に酸
化シリコン膜による角柱56を形成する。ここでこの角
柱45は、一辺が5〔μm〕により形成され、プリンタ
ヘッド51では、この角柱56によりダイアフラム10
の可動電極55が固定電極12と短絡しないようになさ
れている。続いてこの工程は、隣接するインク液室2と
の間の壁面の部位に形成した平行四辺形の柱状体につい
て、熱酸化シリコン層52を除去する。
【0085】このような基板39の加工とは別工程にお
いて、この製造工程は、図12(G)に示すように、厚
さ10〔mm〕のアルミニウム基板57を用意し、ピエ
ゾ素子8を配置する溝58を機械加工により作成する。
なおこの実施の形態において、溝58は、深さ5〔m
m〕、短辺0.5〔mm〕、長辺20〔mm〕により形
成される。さらに続いてこの溝58にピエゾ素子8が配
置される。ここでピエゾ素子8は、高さ5〔mm〕、短
辺0.4〔mm〕、長辺19〔mm〕のものが適用さ
れ、溝58の底面に接着して保持される。さらにこの工
程は、このようにピエゾ素子8を配置した状態で、上面
側を鏡面研磨し、ピエゾ素子8の表面とアルミニウム基
板57の表面との高さを一致させる。
【0086】続いてこの工程は、図13(H1)及び
(H2)に示すように、基板57に感光性エポキシ接着
剤を3〔μm〕の膜厚により塗布し、露光によりダイア
フラム10と対向する部位、溝58の面についてのみ、
エポキシ樹脂を選択的に除去する。
【0087】この工程は、続いて図13(I)に示すよ
うに、図12(F1)及び(F2)について説明したシ
リコン基板39を、このアルミニウム基板57に精度良
く重ね合わせた後、加圧して60度に加熱し、これによ
りエポキシ接着剤を硬化させてシリコン基板39とアル
ミニウム基板57とを一体化する。このときこの工程
は、併せて、ピエゾ素子8と振動板7を接着する。
【0088】さらにこの工程は、ノズルプレート32を
表面Aに接着し(図9)、インク流路3とインクタンク
とをポリプロピレン系のチューブで接続し、また配線を
施す。
【0089】このようにして作成されたプリンタヘッド
51にインクを導入すると、インクは毛管力で自発的に
インク液室2に充填し、ノズル5まで到達してメニスカ
スを形成した。
【0090】このプリンタヘッド51においては、ピエ
ゾ素子8に波高値30〔V〕、パルス幅10〔μse
c〕によるパルス波を500〔μsec〕周期(20
〔kHz〕)で与え、これにより振動板7を1〔μm〕
振動させてインク液室2の圧力を可変した。またこのイ
ンク液室2の圧力の変化により、ダイアフラム10が平
衡位置より固定電極12側に接近するタイミングで、イ
ンクを吐出させるインク液室2についてだけ、選択的に
ダイアフラム10に形成された可動電極55に電圧を印
加し、該当するダイアフラム10を固定電極12(この
場合は、アルミニウム基板57である)に吸着して保持
した。
【0091】このようにして駆動して、このプリンタヘ
ッド51では、3ピコリットルのインク液滴を吐出する
ことができ、ダイアフラム10を可動自在に保持したノ
ズル5においては、メニスカスの盛り上がりが発生する
ものの、インクが吐出しないことを確認することができ
た。なおインクの吐出速度は、8〔m/秒〕であり、駆
動周波数が50〔kHz〕まで、安定に動作することを
確認することができた。
【0092】このプリンタヘッド51では、このような
インク液室の圧力の変化に応じて、インク流路3とイン
ク液室2との間の流路抵抗も周期的に変動し、これによ
りインク吐出時には逆流を防ぎ、インク導入時は、流路
抵抗を低減することができた。これによりインクの吐出
速度は、12〔m/秒〕まで上昇し、駆動周波数は、5
0〔kHz〕を確保することができた。
【0093】この図9に示す構成によれば、圧力発生素
子をピエゾ素子により構成するようにしても、第1の実
施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0094】(4)第4の実施の形態 図14は、本発明の第4の実施の形態に係るプリンタヘ
ッドを示す平面図及び断面図である。このプリンタヘッ
ド71において、上述したプリンタヘッド1等と同一の
構成は、対応する符号を付して示し重複した説明は、省
略する。
【0095】プリンタヘッド71においても、インク流
路3を間に挟んで、この図14に示す構成と同一の構成
に係るインク液室2等が所定周期分だけインク流路3に
沿った方向にシフトして配置され、これによりインク流
路3を間に挟んで、ノズル5が千鳥に配置されるように
なされている。
【0096】この実施の形態では、分子量が2000以
上の高分子材料である液晶ポリマーによりインク液室2
等を形成する。また圧力発生素子8に、電磁アクチュエ
ータを適用する。
【0097】なおプリンタヘッド71は、ノズル5の直
径が25〔μm〕、インク流路3に沿った方向のノズル
5間の間隔が127〔μm〕(これによりノズルピッチ
は、千鳥の配置により400DPIに相当する)、1列
のノズル数が2000個により形成される。またノズル
5側より見てインク液室2が長方形形状により形成さ
れ、その長辺が長さ2000〔μm〕、短辺が長さ90
〔μm〕により形成される。また同様に、長辺の長さ2
50000〔μm〕、短辺の長さ1000〔μm〕、厚
さが15〔μm〕により振動板7が形成される。またダ
イアフラムは、長辺長500〔μm〕、短辺長100
〔μm〕、厚さ15〔μm〕により形成され、対向する
固定電極12との間のギャップが5〔μm〕に設定され
るようになされている。
【0098】図15〜図17は、図14(A)及び
(B)との対比により、このプリンタヘッド71の作成
手順を示す断面図及び平面図である。この製造工程にお
いては、液晶ポリマーの射出成型により、図15(A
1)及び(A2)に示すように、インク液室2のノズル
5側面、このノズル5側面を囲む壁面、インク流路3を
囲む壁面等を形成する。なおここでノズル5側面は、厚
み50〔μm〕により形成され、ノズル5の部分は、表
面側に近づくに従って径が小さくなる曲面形状により形
成され、表面の部分が厚さ5〔μm〕により閉じて形成
されるようになされている。なお、この射出成形品72
は、インク流路3よりインク液室2にインクを導くオリ
フィス4が形成されるようになされている。
【0099】この工程は、この射出成形品72につい
て、ノズル5側面にシリコーン含有レジストを塗布した
後、ノズル形状によりレジストを孔明けし、酸素反応性
イオンスパッタリングによりノズル5の部位を孔明けす
る。これにより図15(B1)及び(B2)に示すよう
に、この工程では、射出成形品72にノズル5を形成す
る。
【0100】続いてこの工程は、図16(C)に示すよ
うに、クロムである導電性の金属膜73Aを厚さ12.
5〔μm〕によりスパッタしてなるポリイミドフィルム
73に対して、金属膜73側の面とは逆側の面に、膜厚
4〔μm〕により均一にエポキシ系接着剤を塗布し、射
出成形品72の開口側を塞ぐように、射出成形品72に
接着する。これによりこの工程は、インク液室2、イン
ク流路3を形成し、また分子量が2000以上の高分子
材料であるポリイミドフィルム73により振動板7、ダ
イアフラム10を形成するようになされている。
【0101】続いてこの工程は、この射出成形品72の
加工工程とは別工程により、ガラス繊維で補強したエポ
キシ樹脂による基板(ガラスエポキシ基板)75につい
て、図16(D1)及び(D2)に示すように、ダイア
フラム10に対応する部位に固定電極12を形成する。
さらに続いて、レジストを5〔μm〕の膜厚により塗布
した後、パターニングし、これにより固定電極12を囲
む枠形状により、ダイアフラム10との間のギャップを
形成する壁面(スペーサー)76を形成する。なお固定
電極12においては、このようにして形成した枠形状に
よる壁面76より所定方向にはみ出すように形成され、
このはみ出した部位が電極として利用されるようになさ
れている。
【0102】この工程は、続いて図17(E)に示すよ
うに、射出成形品72とガラスエポキシ基板75とを精
度良く重ね合わせた後、120度に加熱し、壁面76を
構成するレジストの溶融を利用して、射出成形品72と
ガラスエポキシ基板75と接着して一体化する。
【0103】さらにこの工程は、図14に示すように、
電磁アクチュエータによる圧力発生素子8を振動板7に
接着して配置した後、配線を施して完成される。
【0104】このようにして作成されたプリンタヘッド
71にインクを導入すると、インクは毛管力で自発的に
インク液室2に充填し、ノズル5まで到達してメニスカ
スを形成した。
【0105】このプリンタヘッド71においては、電磁
アクチュエータ8に波高値10〔V〕、パルス幅50
〔μsec〕によるパルス波を200〔μsec〕周期
(5〔kHz〕)で与え、これにより振動板7を振動さ
せてインク液室2の圧力を可変した。またこのインク液
室2の圧力の変化により、ダイアフラム10が平衡位置
より固定電極12側に接近するタイミングで、インクを
吐出させるインク液室2についてだけ、選択的に対応す
る固定電極12に電圧を印加し、該当するダイアフラム
10を固定電極12に吸着して保持した。
【0106】このように駆動して、このプリンタヘッド
71では、7ピコリットルのインク液滴を吐出すること
ができ、ダイアフラム10を可動自在に保持したノズル
5においては、メニスカスの盛り上がりが発生するもの
の、インクが吐出しないことを確認することができた。
なおインクの吐出速度は、6〔m/秒〕であり、駆動周
波数が10〔kHz〕まで、安定に動作することを確認
することができた。
【0107】図14に示す構成によれば、電磁力により
可動する電磁アクチュエータにより圧力発生素子を構成
するようにしても、第1の実施の形態と同様の効果を得
ることができる。また電磁アクチュエータにより大きな
駆動力を得ることができ、これにより多数のインク液室
をまとめて駆動することができる。
【0108】また少なくとも導電性を有する電極層であ
るクロム膜と、この電極層を保持する構造層とによりダ
イアフラムを形成することにより、種々の材料をダイア
フラムに適用することができる。
【0109】またこの構造層が、分子量2000以上の
高分子材料であるポリイミドフィルムであることによ
り、充分な弾性、強度を確保することができる。
【0110】またインク液室を分子量2000以上の高
分子材料である液晶ポリマーにより形成することによ
り、射出成形によりインク液室等を作成することができ
る。これにより簡易な工程により、ノズル列の長いプリ
ンタヘッドを作成することができる。
【0111】(5)第5の実施の形態 図18は、本発明の第5の実施の形態に係るプリンタヘ
ッドを示す平面図及び断面図である。このプリンタヘッ
ド91において、上述したプリンタヘッド1等と同一の
構成は、対応する符号を付して示し重複した説明は、省
略する。
【0112】プリンタヘッド91においては、インク流
路3を間に挟んで、この図18に示す構成と同一の構成
に係るインク液室2等が所定周期分だけ、インク流路3
の延長する方法にシフトして配置され、これによりイン
ク流路3を間に挟んで、ノズル5が千鳥に配置されるよ
うになされている。
【0113】このプリンタヘッド91は、このインク流
路3を間に挟んだ千鳥配置によるノズル列を、同様にイ
ンク流路3に沿った方向にシフトさせて2列配置し、こ
れによりこの図18に示す基本的な構成によるノズル列
の配置に対して、4倍の解像度を確保できるようになさ
れている。かくするにつきこの実施の形態では、このイ
ンク流路3の片側に配置されるノズルが、直径25〔μ
m〕、ノズル間間隔127〔μm〕、ノズル数2000
〔個/列〕により形成され、これによりこの1列によ
り、A4用紙サイズの短辺側幅で200〔DPI〕の解
像度を確保できるようになされている。これによりこの
プリンタヘッド91は、4列のノズル列により1色で2
00×4=800〔DPI〕の解像度を確保できるよう
になされている。
【0114】さらにこの実施の形態では、このような4
列によるノズル列が、イエロー、ライトイエロー、マゼ
ンタ、ライトマゼンタ、シアン、ライトシアン、ブラッ
クの7色分、並列に配置され、これにより2000×8
=56000本のノズル5を全体で有するようになされ
ている。
【0115】なおプリンタヘッド91は、ノズル5側よ
り見てインク液室2が長方形形状により形成され、その
長辺が長さ1000〔μm〕、短辺が長さ90〔μm〕
により形成される。また同様に、ダイアフラムは、長辺
が長さ500〔μm〕、短辺が長さ100〔μm〕、厚
さが15〔μm〕により形成され、対向する固定電極1
2との間のギャップが5〔μm〕に設定されるようにな
されている。
【0116】これにより千鳥配置の1グループで、イン
ク液室2を横切る方向の長さが8〔mm〕により形成さ
れ、全体として26〔cm〕×6〔cm〕の大きさによ
り形成されるようになされている。これによりA4サイ
ズの用紙に対して1回のスキャンにより高解像度による
カラー画像を印刷できるようになされている。なおこの
プリンタヘッド91において、スキャン方向の解像度を
1600〔DPI〕に設定すると、後述するようにイン
ク吐出周波数として10〔kHz〕を確保できることに
より、A4サイズのフルカラー画像を2秒で印刷するこ
とができる。
【0117】この実施の形態においては、固定電極12
の下側に、圧力発生素子8を配置する。
【0118】図19〜図21は、このプリンタヘッド9
1の作成手順を示す断面図及び平面図である。この製造
工程においては、第4の実施の形態と同様にして、高分
子材料である液晶ポリマーの射出成形品72により、イ
ンク液室2、インク流路3を囲む壁面等を形成し、また
ノズル5を作成した後、金属膜73Aを有してなるポリ
イミドフィルム73を接着し、これによりインク液室
2、インク流路3、ダイアフラム10を形成する(図1
9(A1)〜図20(C))。
【0119】この工程は、この射出成形品72の加工工
程とは別工程により、図20(D1)及び(D2)に示
すように、所定板厚のガラス基板92に、固定電極12
を形成し、また低温ポリシリコンプロセスによりTFT
トランジスタによるドライバー回路を形成する。なおこ
のドライバー回路は、所定の駆動信号により対応する固
定電極12に電圧を印加して静電アクチュエータを駆動
できるように形成される。
【0120】さらに続いて、レジストを5〔μm〕の膜
厚により塗布した後、パターニングし、これにより固定
電極12を囲む枠形状により、ダイアフラム10との間
のギャップを形成する壁面76(スペーサー)を形成す
る。
【0121】この工程は、続いて図21(E)に示すよ
うに、射出成形品72とガラス基板92とを精度良く重
ね合わせた後、120度に加熱し、壁面76を構成する
レジストの溶融を利用して、射出成形品72とガラス基
板92とを接着して一体化する。
【0122】さらにこの工程は、図18に示すように、
積層ピエゾ素子による圧力発生素子8を固定電極12の
裏面側に配置した後、配線を施して完成される。なおこ
のプリンタヘッド91では、全体として均一にガラス基
板92が振動するように、インク流路の片側のノズル列
に対して、6個の積層ピエゾ素子が配置されるようにな
されている。
【0123】このようにして作成されたプリンタヘッド
91にインクを導入すると、インクは毛管力で自発的に
インク液室2に充填し、ノズル5まで到達してメニスカ
スを形成した。
【0124】このプリンタヘッド91においては、積層
ピエゾ素子8に波高値35〔V〕、パルス幅10〔μs
ec〕によるパルス波を100〔μsec〕周期(10
〔kHz〕)で与え、これにより全体を振動させてイン
ク液室2の圧力を可変した。またこのインク液室2の圧
力の変化により、ダイアフラム10が平衡位置より固定
電極12側に接近するタイミングで、インクを吐出させ
るインク液室2についてだけ、選択的に対応する固定電
極12に電圧を印加し、該当するダイアフラム10を固
定電極12に吸着して保持した。
【0125】このようにして駆動して、このプリンタヘ
ッド91では、3ピコリットルのインク液滴を吐出する
ことができ、ダイアフラム10を可動自在に保持したノ
ズル5においては、メニスカスの盛り上がりが発生する
ものの、インクが吐出しないことを確認することができ
た。なおインクの吐出速度は、10〔m/秒〕であり、
駆動周波数は15〔kHz〕まで、安定に動作すること
を確認することができた。
【0126】以上の構成によれば、固定電極12の下側
に、圧力発生素子8を配置し、ダイアフラム10等を介
して間接的な駆動によりインク液室の圧力を圧力発生素
子8により可変するようにしても、第1の実施の形態と
同様の効果を得ることができる。
【0127】またTFTトランジスタによるドライブ回
路を併せて実装することにより、外部への電極の接続数
を減少させ、その分、全体構成を簡略化することができ
る。
【0128】(6)第6の実施の形態 図22は、第6の実施の形態に係るプリンタヘッド10
1を示す断面図である。このプリンタヘッド101にお
いて、図1について上述したプリンタヘッド1と同一の
構成は、対応する符号を付して示し、重複した説明は、
省略する。
【0129】このプリンタヘッド101においては、オ
リフィス4を形成するインク液室2とインク流路3との
壁面102が、他の部位とスリットにより切り離され
て、傾くことができるように形成され、またこの壁面1
02が振動板7の上に形成されるようになされている。
【0130】これによりこのプリンタヘッド101で
は、振動板7の振動により、インク液室2と、インク液
室に供給するインク流路3とを結ぶ接続部の断面積を変
化させるようになされ、インク流入時には、流路抵抗を
小さくしてインクをスムーズにインク液室2に導入し
(図22(A))、インクをノズルより吐出する場合に
は、流路抵抗を大きくしてインクの逆流を少なくし(図
22(B))、これらにより効率良くインク液滴を飛び
出させるようになされている。
【0131】図22の構成によれば、圧力発生素子によ
り、インク液室にインクを供給する接続部の断面積を併
せて変化させることにより、一段と効率良くインク液滴
を吐出させることができる。
【0132】(7)他の実施の形態 なお上述の実施の形態においては、ダイアフラムにより
インク液室の圧力の変化を緩和してインクの吐出を制御
する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、ダ
イアフラムの可動の制御により圧力の伝搬を種々に制御
して、上述した実施の形態と同様の効果を得ることがで
きる。
【0133】すなわち例えば圧力発生素子による周期的
なインク液室の圧力の振動に対して、ダイアフラムの可
動の制御によりインク液室の振動数を変位させるように
しても、同様にインク液滴に吐出を制御することができ
る。
【0134】すなわち流体系としてのインク液室は、固
有振動数を有する。これにより圧力発生素子により個々
のインク液室の固有振動数により、さらには複数のイン
ク液室全体の固有振動数により、さらにはこれらの固有
振動数の整数の振動数により、振動を与えることで、効
率良くインク液室を振動させて圧力を可変することがで
きる。
【0135】このとき静電アクチュエータの駆動によ
り、又は駆動の停止により、ダイアフラムの剛性を変え
て流体系の固有振動数をずらし、圧力発生素子の振動数
と一致させ、あるいは圧力発生素子の振動数からずらす
ことで、ヘッド全体の振動を圧力室へ吸収するか、吸収
しないかスイッチングすることができ、これによりイン
クの吐出を制御することができる。
【0136】また上述の実施の形態においては、ピエゾ
素子、静電アクチュエータ、電磁アクチュエータにより
インク液室の圧力を可変する場合について述べたが、本
発明はこれに限らず、発熱素子の発熱によりインク液室
の圧力を可変する場合等、種々の圧力可変手段を広く適
用することができる。なお漏洩磁場が干渉する恐れがあ
ることにより、マイクロアクチュエータに電磁力による
アクチュエータが使われる例は少ないが、上述した実施
の形態のように複数のインク液室を纏めて駆動する場合
には、大きな占有面積が許されることにより、電磁アク
チュエータを使用した場合でも漏洩磁場を十分に無視す
ることができる。
【0137】また上述の第2の実施の形態等において
は、シリコン単結晶を異方性エッチングしてインク液室
等を作成する場合について述べたが、本発明はこれに限
らず、ガリウム砒素単結晶、水晶等、種々の単結晶材料
を用いて異方性エッチングしてインク液室等を作成する
ことができる。
【0138】また上述の実施の形態等においては、エッ
チング、射出成形によりインク液室等を作成する場合に
ついて述べたが、本発明はこれに限らず、例えば電鋳、
放電加工等、種々の手法によりインク液室等を作成する
ことができる。
【0139】また上述の実施の形態等においては、ボロ
ン拡散層43、ポリイミドフィルム等によりダイアフラ
ムを作成する場合について述べたが、本発明はこれに限
らず、種々の材料を広く適用することができる。すなわ
ちダイアフラムは、適当な強度を有し、インク漏れの原
因になるピットが発生しにくい材料であればよく、例え
ば、金属、セラミック、ガラス、高分子等を広く適用す
ることができる。またダイアフラムは、単にインク液室
内における圧力の伝搬を制御するのみであり、能動的に
インクを吐出する力を発生させるていないことにより、
静電アクチュエータの振動板に要求される力学特性、耐
久性すら必要とされない。これにより例えばクリープ特
性が悪い金属箔、ポリマーですら使用することができ
る。
【0140】なお、ダイアフラムは、張力が弱い方が大
きく変位するために、小面積で大きな音響容量を得るこ
とができ、これにより小さな静電力によりインクの吐出
を制御することができる。ただし、張力が弱すぎると、
圧力変動に対して位相遅れが大きくなることにより、適
当な張力が求められる。
【0141】また上述の実施の形態等においては、ダイ
アフラムを配置した部材と固定電極を配置した部材とを
陽極接合等により一体化する場合等について述べたが、
本発明はこれに限らず、融着等、種々の一体化手法を広
く適用することができる。
【0142】また上述の実施の形態等においては、酸化
シリコン等をスペーサーとして配置して、ダイアフラム
を配置した部材と固定電極を配置した部材とを陽極接合
等により一体化する場合について述べたが、本発明はこ
れに限らず、種々の材料をスペーサーに利用することが
できる。なおスペーサーにおいては、電極間の静電容量
を小さくして、損失を少なくする観点より、高分子材
料、酸化シリコン等の低誘電率の絶縁材料膜が好まし
い。
【0143】また上述の実施の形態においては、酸化シ
リコン等をスペーサーとして配置して、ダイアフラムを
配置した部材と固定電極を配置した部材とを一体化する
ことにより、所定の空隙を間に挟んで、ダイアフラムと
固定電極とを配置する場合について述べたが、本発明は
これに限らず、空隙となる部位に、最終的に除去する層
(犠牲層と呼ぶ)を作成した後、固定電極等を作成し、
最終的に犠牲層を除去することにより空隙を形成するよ
うにしてもよい。このようにすれば、プリンタヘッド全
体を半導体製造工程により作成することができ、また高
い精度によりダイアフラムと固定電極とを配置すること
ができる。
【0144】なおこのような犠牲層においては、ウエッ
トエッチング、ドライエッチング等により除去すること
ができる。ここでウエットエッチングの場合において、
犠牲層材料とエッチャントの組み合わせは、エッチャン
トが犠牲層だけ溶解して振動板と対向電極を侵さない組
み合わせであればどのような材料でも使用することがで
きる。具体的には、酸化シリコン/フッ酸に代表される
酸化物と酸の組み合わせ、ニッケル/燐酸に代表される
金属と酸の組み合わせ、食塩/水に代表される無機イオ
ン結合性材料と極性溶媒の組み合わせ、レジスト/有機
溶媒に代表されるポリマーと有機溶媒または強酸の組み
合わせ等が考えられる。
【0145】なおウエットエッチングでは、電極間のギ
ャップにエッチャントが侵入して液体の表面張力により
密着して剥がれなくなることがある。この場合は、エッ
チャントを適当な液体で置換してから臨界温度で乾燥す
れば、空隙を確保することができる。
【0146】またドライエッチングの場合も、エッチン
グガスが犠牲層だけエッチングして振動板と対向電極を
侵さない組み合わせであればどのような材料でも使用す
ることができる。具体的には、レジスト/酸素プラズマ
に代表される有機材料と酸化性ガスの組み合わせ、ポリ
シリコン/XeF2 に代表される無機材料と無機材料を
エッチングできるガスの組み合わせ等を適用することが
できる。
【0147】また犠牲層においては、昇華、燃焼、ガス
化等により除去することもできる。
【0148】また上述の実施の形態においては、ITO
膜、アルミニウム基板等により固定電極を形成する場合
について述べたが、本発明はこれに限らず、固定電極に
おいては、導電性を有すればよく、種々の材料を広く適
用することができる。具体的には上述した以外の金属、
半導体、導電性粒子を分散した導電性の接着剤等を使用
することができる。
【0149】また上述の実施の形態においては、単にイ
ンク液滴の吐出の有無を制御する場合について述べた
が、本発明はこれに限らず、インク吐出量を制御する場
合にも広く適用することができる。なおこの場合、図2
3に示すように、ダイアフラム10A、10Bを複数設
け、これら複数のダイアフラム10A、10Bを選択的
に固定電極12A、12Bに吸引してインク液室におけ
る圧力の緩和量を制御することにより、インク吐出量を
制御する方法等が考えられる。
【0150】
【発明の効果】上述のように本発明によれば、インク液
室の圧力を圧力発生素子により可変すると共に、静電方
式によるアクチュエータによりこの圧力の変化によるイ
ンク液滴の吐出を制御することにより、ノズルを密に配
置して、確実にインク液滴を吐出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るプリンタヘッ
ドを示す平面図及び断面図である。
【図2】図1のプリンタヘッドの動作の説明に供する断
面図である。
【図3】図2の続きを示す断面図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態に係るプリンタヘッ
ドを示す平面図及び断面図である。
【図5】図4のプリンタヘッドの製造工程の説明に供す
る断面図である。
【図6】図5の続きを示す断面図及び平面図である。
【図7】図6の続きを示す断面図及び平面図である。
【図8】図7の続きを示す断面図及び平面図である。
【図9】本発明の第3の実施の形態に係るプリンタヘッ
ドを示す平面図及び断面図である。
【図10】図9のプリンタヘッドの製造工程の説明に供
する断面図である。
【図11】図10の続きを示す断面図及び平面図であ
る。
【図12】図11の続きを示す断面図及び平面図であ
る。
【図13】図12の続きを示す断面図及び平面図であ
る。
【図14】本発明の第4の実施の形態に係るプリンタヘ
ッドを示す平面図及び断面図である。
【図15】図14のプリンタヘッドの製造工程の説明に
供する断面図及び平面図である。
【図16】図15の続きを示す断面図及び平面図であ
る。
【図17】図16の続きを示す断面図である。
【図18】本発明の第5の実施の形態に係るプリンタヘ
ッドを示す平面図である。
【図19】図18のプリンタヘッドの製造工程の説明に
供する断面図及び平面図である。
【図20】図19の続きを示す断面図及び平面図であ
る。
【図21】図20の続きを示す断面図である。
【図22】本発明の他の実施の形態に係るプリンタヘッ
ドを示す平面図である。
【図23】図22とは異なる他の実施の形態に係るプリ
ンタヘッドを示す断面図である。
【符号の説明】
1、31、51、71、91、101……プリンタヘッ
ド、2……インク液室、3……インク流路、5……ノズ
ル、7……振動板、8……圧力発生素子、10……ダイ
アフラム、12……固定電極

Claims (24)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】インク液室に保持したインクを所定のノズ
    ルより飛び出させて所望の印刷対象に付着させるプリン
    タヘッドにおいて、 前記インク液室の圧力を可変する圧力発生素子と、 所定の固定電極との間で発生する静電力により、前記イ
    ンク液室に設けられたダイアフラムの可動を制御して、
    前記インク液室における前記圧力の伝搬を制御する静電
    アクチュエータとを備えることを特徴とするプリンタヘ
    ッド。
  2. 【請求項2】前記圧力の伝搬の制御が、 前記ダイアフラムを可動自在に保持して、前記圧力発生
    素子による前記インク液室の圧力の変化を緩和し、前記
    インク液滴の吐出を停止する吐出停止の状態と、 前記ダイアフラムの可動を制限して、前記圧力発生素子
    による前記インク液室の圧力の変化により前記インク液
    滴を吐出させる吐出の状態との切り換えであることを特
    徴とする請求項1に記載のプリンタヘッド。
  3. 【請求項3】前記ダイアフラムの可動の制御が、 前記圧力発生素子による周期的な前記インク液室の圧力
    の振動に対して、前記インク液室の固有振動数を変位さ
    せる制御であることを特徴とする請求項1に記載のプリ
    ンタヘッド。
  4. 【請求項4】前記圧力発生素子による周期的な前記イン
    ク液室の圧力の振動が、 所定の状態における前記インク液室の固有振動数の整数
    倍にほぼ一致する周期的振動であり、 前記圧力の伝搬の制御が、 前記ダイアフラムを可動自在に保持して、前記インク液
    室の圧力の振動に対して、前記インク液室の固有振動数
    をずらし、前記インク液滴の吐出を停止する吐出停止の
    状態と、 前記ダイアフラムの可動を制限して、前記インク液室の
    圧力の振動が、前記インク液室の固有振動数により共振
    するようにし、前記圧力発生素子による前記インク液室
    の圧力の変化により前記インク液滴を吐出させる吐出の
    状態との切り換えであることを特徴とする請求項3に記
    載のプリンタヘッド。
  5. 【請求項5】前記圧力発生素子による周期的な前記イン
    ク液室の圧力の振動が、 所定の状態における前記インク液室の固有振動数の整数
    倍にほぼ一致する周期的振動であり、 前記圧力の伝搬の制御が、 前記ダイアフラムの可動を制限して、前記インク液室の
    圧力の振動に対して、前記インク液室の固有振動数をず
    らし、前記インク液滴の吐出を停止する吐出停止の状態
    と、 前記ダイアフラムを可動自在に保持して、前記インク液
    室の圧力の振動が、前記インク液室の固有振動数により
    共振するようにし、前記圧力発生素子による前記インク
    液室の圧力の変化により前記インク液滴を吐出させる吐
    出の状態との切り換えであることを特徴とする請求項4
    に記載のプリンタヘッド。
  6. 【請求項6】前記圧力発生素子は、 前記インク液室に設けられた振動板を変位させて、前記
    インク液室の圧力を可変し、 前記プリンタヘッドは、 1つの前記圧力発生素子が、複数の前記インク液室の前
    記振動板を変位させることを特徴とする請求項1に記載
    のプリンタヘッド。
  7. 【請求項7】前記静電アクチュエータは、 前記静電力により、前記ダイアフラムを吸引して、前記
    ダイアフラムの可動を制御し、 前記吸引のタイミングが、 前記圧力発生素子による前記インク液室の圧力の振動に
    より、前記ダイアフラムが平衡位置よりも前記固定電極
    に接近したタイミングであることを特徴とする請求項1
    に記載のプリンタヘッド。
  8. 【請求項8】前記圧力発生素子は、 前記インク液室と、前記インク液室に供給する前記イン
    クを導くインク流路とを結ぶ接続部の断面積を併せて変
    化させることを特徴とする請求項1に記載のプリンタヘ
    ッド。
  9. 【請求項9】前記圧力発生素子は、 前記インク液室に設けられた振動板を静電力により変位
    させて、前記インク液室の圧力を可変することを特徴と
    する請求項1に記載のプリンタヘッド。
  10. 【請求項10】前記圧力発生素子は、 前記インク液室に設けられた振動板を電磁力により変位
    させて、前記インク液室の圧力を可変することを特徴と
    する請求項1に記載のプリンタヘッド。
  11. 【請求項11】前記圧力発生素子は、 前記インク液室に設けられた振動板を圧電素子の駆動力
    により変位させて、前記インク液室の圧力を可変するこ
    とを特徴とする請求項1に記載のプリンタヘッド。
  12. 【請求項12】前記圧力発生素子は、 発熱素子の発熱により、前記インク液室の圧力を可変す
    ることを特徴とする請求項1に記載のプリンタヘッド。
  13. 【請求項13】前記ダイアフラムが、 シリコンにより作成されたことを特徴とする請求項1に
    記載のプリンタヘッド。
  14. 【請求項14】前記ダイアフラムが、 少なくとも導電性を有する電極層と、前記電極層を保持
    する構造物とにより形成され、 前記構造物は、 ガラス又はセラミックにより形成されたことを特徴とす
    る請求項1に記載のプリンタヘッド。
  15. 【請求項15】前記ダイアフラムが、 少なくとも導電性を有する電極層と、前記電極層を保持
    する構造物とにより形成され、 前記構造物は、 分子量2000以上の高分子材料から形成されたことを
    特徴とする請求項1に記載のプリンタヘッド。
  16. 【請求項16】前記インク液室は、 所定の単結晶基板を異方性エッチングして作成されたこ
    とを特徴とする請求項1に記載のプリンタヘッド。
  17. 【請求項17】前記単結晶基板の材料が、 シリコン、ガリウム砒素、又は水晶であることを特徴と
    する請求項16に記載のプリンタヘッド。
  18. 【請求項18】前記インク液室は、 ガラス又はセラミックにより形成されたことを特徴とす
    る請求項1に記載のプリンタヘッド。
  19. 【請求項19】前記インク液室は、 分子量2000以上の高分子材料から形成されたことを
    特徴とする請求項1に記載のプリンタヘッド。
  20. 【請求項20】前記ダイアフラムは、 所定の空隙を間に挟んで、前記固定電極と対向するよう
    に保持され、 前記空隙は、 所定のスペーサーを介挿して、前記ダイアフラムを保持
    する部材と、前記固定電極を保持する部材とを一体化し
    て形成されたことを特徴とする請求項1に記載のプリン
    タヘッド。
  21. 【請求項21】前記一体化の処理が、 接着、融着、陽極接合又は直接接合であることを特徴と
    する請求項20に記載のプリンタヘッド。
  22. 【請求項22】前記ダイアフラムは、 所定の空隙を間に挟んで、前記固定電極と対向するよう
    に保持され、前記空隙は、 前記固定電極又は前記ダイアフラムの表層側に、所定の
    犠牲層を形成した後、前記ダイアフラム又は前記固定電
    極を形成し、 前記犠牲層を除去して形成されることを特徴とする請求
    項1に記載のプリンタヘッド。
  23. 【請求項23】前記インク液室は、 厚みが20〔μm〕以下のスリット状の流路により隣接
    するインク液室と結合されたことを特徴とする請求項1
    に記載のプリンタヘッド。
  24. 【請求項24】インク液室に保持したインクを所定のノ
    ズルより飛び出させて所望の印刷対象に付着させるプリ
    ンタヘッドによるプリンタにおいて、 前記プリンタヘッドは、 前記インク液室の圧力を可変する圧力発生素子と、 所定の固定電極との間で発生する静電力により、前記イ
    ンク液室に設けられたダイアフラムの可動を制御して、
    前記インク液室における前記圧力の伝搬を制御する静電
    アクチュエータとを備えることを特徴とするプリンタ。
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