JP2003145709A - スクリーン印刷機およびスクリーン印刷方法 - Google Patents
スクリーン印刷機およびスクリーン印刷方法Info
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Abstract
ン印刷技法を提供する。 【解決手段】 印刷インクをローリングさせながらスク
リーンマスクを通し被印刷表面に押出すための第1のス
キージと、該第1のスキージの後位置に所定間隔を置い
て配置された第2のスキージとを備えたスクリーン印刷
機を用いて、第1スキージと第2スキージとの間で、ス
クリーンマスクと被印刷物を所定時間密着させて印刷す
る。好ましくは、スクリーン印刷に先立って、印刷イン
キに含有される溶剤に可溶、または該溶剤を吸収する透
明膜形成性樹脂と、超微粒子とを含む下地膜を被印刷物
の印刷面に形成しておく。
Description
およびそれを利用したスクリーン印刷方法に関する。さ
らに詳しくは、非常に微細なマスクパターンを正確に再
現できるスクリーン印刷機およびスクリーン印刷方法に
関する。
望の印刷パターンを形成したスクリーンマスク上に印刷
インキをドクターにより均一に塗布した後、ゴム製のス
キージを用いマスクを押圧しながらマスク上をスライド
させ、所定パターン部のみインクを通過、ワークに転写
することにより印刷していた。このスクリーン印刷方法
において、微細なパターンを正確に再現するために種々
の検討がなされ、非常に微細な製版技術の開発、すなわ
ち線径の細いスクリーンメッシュの採用や高解像度感光
乳剤の開発、印刷インキの特性改良、すなわち粘度や揺
変性を高めることによる印刷後のダレの抑制などが検討
されてきた。しかしながら、現状のスクリーン印刷法に
より細線を印刷すると泡状欠陥や断線などの欠陥が出現
し、微細なライン印刷における許容線幅下限はせいぜい
50〜60μm程度であって、線幅50μm未満の微細
なライン印刷は困難であった。
のような従来技術の問題点を解決して、線幅50μm未
満の微細なラインを有するスクリーンマスクの設計どお
りの、または設計値より細い、泡状欠陥や断線などの欠
陥のない微細なライン印刷を達成できるスクリーン印刷
機およびスクリーン印刷方法を提供することにある。
決のため鋭意検討した結果、スクリーン印刷において、
2つのスキージ、すなわち印刷インクをスクリーンマス
クを通して押出すための第1のスキージと、該第1のス
キージの後位置に配置され、スクリーンマスクと被印刷
物の密着性を制御できる第2のスキージとを用いた印刷
法 (以下、「ダブルスキージ法」と言うことがある。)
を採用し、両スキージ間においてスクリーンマスクと被
印刷物を密着させて印刷することにより、上記課題が解
決されることを知見し、本発明を完成するに至った。
インクをローリングさせながらスクリーンマスクを通し
被印刷表面に押出すための第1のスキージと、該第1の
スキージの後位置に所定間隔をおいて配置され、スクリ
ーンマスクと被印刷物の密着性を制御できる第2のスキ
ージとを備えたことを特徴とするスクリーン印刷機が提
供される。
らスクリーンマスクを通し被印刷表面に押出すための第
1のスキージと、該第1のスキージの後位置に所定間隔
を置いて配置された第2のスキージとを用いて、該第1
スキージと該第2スキージとの間で、スクリーンマスク
と被印刷物を所定時間密着させて印刷することを特徴と
するスクリーン印刷方法が提供される。
ーン印刷に先立って、被印刷物の印刷面に特殊な下地
膜、すなわち、透明膜形成性樹脂と、平均粒径が0.1
μm以下の超微粒子と、該透明膜形成性樹脂を溶解する
溶剤とを少なくとも含む塗料であって、該透明膜形成性
樹脂が、スクリーン印刷インキに含有されている溶剤に
可溶であるか、またはスクリーン印刷インキに含有され
ている溶剤を吸収する樹脂であることを特徴とする塗料
を被印刷物の印刷面に塗布して下地膜を形成しておくこ
とが好ましい。
を詳細に説明する。なお、この実施の形態は本発明の要
旨をより良く理解するためのものであり、本発明を限定
するものではない。
ージを用いるダブルスキージ法であることを特徴とす
る。第1のスキージは、印刷方向に対して相対的に前位
置に配置され、通常の印刷と同様な機能を有するスキー
ジであり、印刷インクをローリングさせながらスクリー
ンマスクを通し被印刷表面に押出すものである。第2の
スキージは、該第1のスキージの後位置に第1のスキー
ジから所定間隔を置いて配置されており、両スキージ間
において、スクリーンマスクと被印刷物が密着した帯域
を形成し、スクリーンマスクと被印刷物を所定時間密着
させて精密印刷を達成するものである。
ン印刷法の印刷イメージの模式図を示す。所定間隔をお
いて配置された第1のスキージ2と第2のスキージ3と
が版枠4に張られたスクリーンマスク5上を矢印方向に
移動しつつ、印刷インク7をスクリーンマスク5を通し
て被印刷表面6に押し出し、印刷パターンを転写する。
第1のスキージ2は、従来のスクリーン印刷におけるス
キージと同様に、印刷インク7をローリングしながら、
スクリーンマスク5を押圧して(押圧力P)、印刷イン
ク7を被印刷表面6に押出す。第2のスキージ3は、第
1のスキージ2の印刷方向後位置に第1のスキージ2か
ら所定間隔を置いて配置されており、第1のスキージ2
とともに所定間隔をおいて矢印方向に移動しつつスクリ
ーンマスク5を押圧する(押圧力P’)。両スキージ間
において、スクリーンマスク5と被印刷物表面6が密着
した帯域が中央部から周縁部まで一様に形成され、スク
リーンマスク5と被印刷物表面6が所定時間密着されて
印刷パターンが転写される。均一度の高い密着を確保す
るため、第2のスキージ3の下端を第1のスキージ2の
下端と面一(同じ高さ)にしてスクリーンマスク5を押
圧することが好ましい。
密着時間は両スキージ間距離とスキージ移動速度により
精密に制御可能である。これにより、スクリーンマスク
全面に亘ってマスクと被印刷物表面との離版性を精密か
つ均一に制御することが可能となり、泡状の欠陥や断線
などの欠陥のないライン形状のきれいな線幅50μm未
満の微細でマスク設計どおりの、または設計値より細い
ライン印刷を達成することができる。
のような第1のスキージと第2のスキージを有するダブ
ルスキージユニットを装着する他は、通常のシングルス
キージユニットを有するスクリーン印刷機と同様であ
る。ダブルスキージユニットの基本構造の一具体例を図
2に示す。ドクター1および第1のスキージ (主スキー
ジ) 2は一般的な印刷機に附設されるものと同様であ
る。第2のスキージ (離版性制御用スキージ) 3が本発
明の特徴的なスキージである。これら2つのスキージは
何れも、上下位置合わせ制御、印圧(図1、Pおよび
P')調整、スクリーンマスク面とのアタック角の調整
が可能な構造になっている。2つのスキージの間隔も調
整可能である。
ン印刷で使用するものと同様な材質、形状を有するもの
が使用可能である。すなわち、ウレタン系、シリコーン
系などの弾性材料で構成でき、材料の硬さも硬度60
度、80度など種々のものを選択できる。スキージの先
端形状も角型、R付、丸型など種々のものを使用でき
る。アタック角、印圧(図1、P)、押込み量など印刷
に影響を与える諸条件を変更できるように設計されたス
キージが好ましい。
印刷物表面との密着性を制御し、全幅においてスクリー
ンマスクに均一な圧力を負荷し、両スキージ間でマスク
と被印刷物表面とが均一に密着せる帯域を形成する機能
を有する。第2のスキージの材質は、例えば前記前スキ
ージと同様のものを使用することができる。また、形状
も上記機能を発揮できれば格別限定されるものではない
が、スクリーンマスクとの摩擦を軽減するためにはロー
ラー形状のものが好ましい。
前述のように、両者の下端縁が面一(同じ高さ)に設定
されることが好ましい。第2のスキージの下端縁が第1
のスキージの下端縁より高い(マスクから離れる)と、
第2のスキージが通過する前に版離れが生じ、両スキー
ジ間での密着性を均一に保つことが困難となる。。ま
た、第2のスキージの下端縁が第1のスキージの下端縁
より低い(マスクに密接する)と第1のスキージでイン
クを充分被印刷物に転写できなかったり、マスクの裏側
へのインクのはみ出しなどが起こるため好ましくない。
よって、第2のスキージも印圧、押込み量など印刷性に
影響を与える諸条件を精密に設定できるスキージである
ことが好ましい。スクリーンマスクと被印刷物表面との
密着時間は、両スキージ間の距離とスキージ移動速度に
よって決定されるため、スキージ間距離も任意に変更で
きるように設置されることが好ましい。
ン印刷方法では、印刷後のスクリーンマスクと被印刷物
表面との離脱が早く、スクリーンマスクと被印刷物との
接触時間が非常に短いため、印刷インクの紗下への廻り
込みが不充分となり、図4(メッシュライン印刷画像の
拡大写真)に示すように、多数の円形の気泡を噛み込ん
だような印刷欠陥(泡状欠陥)を生じ易い。
り、印圧を増大させることにより印刷後のスクリーンマ
スクと被印刷物表面との離脱を遅くさせると、図5(メ
ッシュライン印刷画像の拡大写真)に示すようなマスク
設計パターン通りの欠陥の非常に少ない良好な印刷画像
が得られる。これは、スクリーンマスクと被印刷物表面
を一定時間密着することにより、インクの紗下への廻り
込みを充分にすると共に、マスクの乳剤部が被印刷物と
密着しているためインクのパターン外へのはみ出しが抑
制されるためと考えられる。
クの中央部と側縁部では張力が異なるため、離脱特性が
全面一様になるように制御することは困難であり、スキ
ージ通過後に、スクリーンマスクと被印刷物が密着した
放物線形状の帯域が形成され、この帯域の内部では、図
5に示す良好な印刷画像が得られるが、その範囲外で
は、図4のような印刷欠陥(泡状欠陥)が見られる。す
なわち、中央部では張力が緩く、密着し易いため離脱が
遅くなり、所定の密着時間を確保することができるが、
側縁部ではテンションが高いため、中央部よりも離脱が
早くなり、所定の密着時間を確保することが困難であ
る。結果として、上述の放物線形状の密着帯域が形成さ
れることとなるため、離脱特性が全面一様になるように
制御することは困難であり、全面に亘って均一な印刷画
像を得ることは困難である。
スキージの後位置に第1のスキージから所定間隔を置い
て配置された第2のスキージとを用い、両スキージ間に
おいて、スクリーンマスクと被印刷物表面が均一に密着
した帯域を形成し、スクリーンマスクと被印刷物表面を
一定時間密着させることによって、前面に亘って図5に
示すような欠陥の非常に少ない印刷画像が形成され、精
度の高い印刷が達成される。
のようなダブルスキージ法によるスクリーン印刷に先立
って、本発明者が先になした発明(特願2000−22
3134号)である特殊な印刷下地膜を予め印刷物表面
に形成すると、より精度の高い印刷が可能となる。
成性樹脂と、平均粒径が0.1μm以下の超微粒子と、
該透明膜形成性樹脂を溶解する溶剤とを少なくとも含む
塗料であって、該透明膜形成性樹脂が、スクリーン印刷
インキに含有されている溶剤に可溶であるか、またはス
クリーン印刷インキに含有されている溶剤を吸収する樹
脂であることを特徴とする塗料を被印刷物の印刷面に塗
布して下地膜を形成し、該下地膜の上に、スクリーン印
刷を行なう方法である。
は溶剤を吸収可能な樹脂を含む下地膜を予め形成するこ
とにより、印刷時にインク中の溶剤が下地膜に移動する
ため、印刷されたインクの粘度が増大し、印刷ダレが抑
制され、スクリーンマスク設計通りの微細な画像が再現
され、精度の高い印刷を達成できる。
マスクの設計とほぼ同等の微細なラインが得られる。た
だし、通常のシングルスキージ法でこの下地膜形成方法
を行った場合、線幅がマスクの設計とほぼ同等の微細な
ラインが得られるものの、印刷ダレが抑制されたため
に、泡状欠陥を生じることがあった。より詳しく説明す
ると、下地膜を設けない通常の方法でシングルスキージ
法を用いた場合、スキージ通過後、被印刷物表面上に落
ちたインクは、拡張濡れのため被印刷物表面上でダレを
生じ、その結果、インクの紗下への廻り込みが不十分で
あっても泡状欠陥があまり目立たない。しかしながら、
微細なライン幅を得ることは困難である。下地膜を設け
た場合、印刷時にインク中の溶剤が下地膜に移動するこ
とにより、印刷されたインクの粘度が急上昇して、ダレ
が殆ど起こらないため、インクの紗下への廻り込みが不
十分な場合、その影響がそのまま現れ泡状欠陥が発生す
る。
ルスキージ法を用いると、全面一様にスクリーンマスク
と被印刷物表面が密着した状態を一定時間確保されるこ
とにより、インクの紗下への廻り込みが十分となるた
め、泡状欠陥が発生することなく、非常に微細で良好な
線幅50μm未満のラインパターンが得られる。
述べる。 (印刷下地膜形成用塗料)透明印刷下地膜形成用塗料
は、透明膜形成性樹脂と、平均粒径が0.1μm以下の
超微粒子と、該透明膜形成性樹脂を溶解する溶剤とを少
なくとも含むとともに、該透明膜形成性樹脂は、印刷画
像を形成する印刷インキに含有されている溶剤に可溶で
あるか、または前記印刷画像を形成する印刷インキに含
有されている溶剤を吸収可能であることを特徴としてい
る。そして、後述するように、この透明印刷下地膜形成
用塗料を被印刷物上に塗布し、乾燥することによって、
透明印刷下地膜が形成され、次いで、この透明印刷下地
膜上に、前記透明膜形成性樹脂が可溶であるか、または
吸収可能である溶剤を含有する印刷インキを用いてスク
リーン印刷される。
明膜形成性樹脂は、透明膜形成性を有し、印刷インキに
含有されている溶剤に可溶であるか、または該溶剤を吸
収可能なものであれば、特に制限されるものではない。
透明膜形成性樹脂の具体例としては、エチルセルロース
などのセルロース系樹脂、ポリビニルブチラールなどの
ブチラール系樹脂、ポリエステル系樹脂、およびアクリ
ル系樹脂などが挙げられる。これらの透明膜形成性樹脂
は、単独で、または二種以上を混合して使用することが
できる。
性樹脂の量は、特に制限されるものではないが、通常、
透明印刷下地膜形成用塗料の重量に対して1〜20重量
%程度である。透明印刷下地膜形成用塗料中に配合され
る超微粒子は、該塗料中の溶剤が蒸発する際、溶剤揮散
による収縮により超微粒子と透明膜形成性樹脂との界面
に非常に小さなマイクロクラックを発生させ、膜形成時
に残留する引っ張り応力を分散させることによって、被
印刷物と印刷下地膜との密着性、および印刷下字膜と印
刷画像との密着性を高める作用を示す。
好ましくは平均粒径が0.1μm以下、より好ましくは
0.01〜0.05μmのものが用いられる。超微粒子の
平均粒径が0.1μm超の場合は、形成される透明印刷
下地膜が白濁し、ヘーズ値が上昇するとともに透明性が
低下して好ましくない。超微粒子の材質は特に制限され
るものではなく、その具体例としては、アルミナ、シリ
カ、ジルコニア、チタニアなどのセラミックス系微粒子
が挙げられる。
量は、透明膜形成性樹脂100重量部に対して、20〜
200重量部であることが好ましい。超微粒子の量が2
0重量部を下回ると、超微粒子と透明樹脂との界面に非
常に小さなマイクロクラックが発生して、被印刷物と透
明印刷下地膜との密着性、および透明印刷下地膜と被印
刷物との密着性を高める効果が充分でなくなる。一方、
超微粒子の量が200重量部を超えると、透明印刷下地
膜のへ一ズ値が上昇し、透明性が低下したり、透明樹脂
のネットワークが阻害され、透明印刷下地膜の強度が低
下して好ましくない。
剤は、前記樹脂を溶解し得るものであれば、特に制限さ
れるものではない。その具体例としては、トルエンなど
の炭化水素、シクロヘキサノン、メチルエチルケトンな
どのケトン、イソプロピルアルコール、n−ブタノール
などのアルコール、およびブチルセロソルブ、テトラヒ
ドロフランなどのエーテルが挙げられる。これらは単独
で、または2種以上を混合して使用することができる。
透明印刷下地膜形成用塗料中の溶剤の量は、特に制限さ
れるものではないが、通常、透明印刷下地膜形成用塗料
の重量に対して60〜99重量%である。
じて、例えば分散剤などの各種の添加剤を適量添加する
ことができる。分散剤としてはポリリン酸系、ポリカル
ボン酸系、ポリフェノール系分散剤などを例示すること
ができ、その添加量は通常、透明印刷下地膜形成用塗料
の重量に対して0.1〜5重量%程度である。透明印刷下
地膜形成用塗料は常法に従って調製することができる。
例えば、上記の各原料成分を所定量秤量して混合し、ホ
モジナイサー、サンドミル、コロイドミル、ボールミル
などの混合、攪拌手段を用いて分散させることによって
調製することができる。
成用塗料を被印刷物の印刷面に塗布し、乾燥して得られ
る透明印刷下地膜は、被印刷物の印刷面と印刷画像との
間に形成される透明印刷下地膜であって、透明樹脂と、
平均粒径が0.1μm以下の超微粒子とを含むととも
に、該透明印刷下地膜に含まれる透明樹脂は、前記印刷
画像を形成する印刷インキに含有されている溶剤に可溶
であるか、または該溶剤を吸収可能であるように構成さ
れている。
不十分で平均二次粒子径が0.1μmを超えると、下地
膜の透明性が低下するとともに、白濁しへ一ズ値が上昇
する傾向がみられる。前記の透明印刷下地膜の膜厚は、
特に制限されるものではなく、0.2〜10μmである
ことが好ましい。透明印刷下地膜の膜厚が0.2μmよ
り薄くなると、透明印刷下地膜中の透明樹脂の溶解能ま
たは溶剤吸収能が低下して画像ライン太りの十分な抑制
が困難となり、一方、透明印刷下地膜の膜厚が10μm
を超えると膜の透明性や密着性などが低下する。
好ましい態様においては、上記の透明印刷下地膜形成用
塗料を被印刷物の印刷面に塗布し、乾燥して透明印刷下
地膜を形成し、次いで該透明印刷下地膜中の透明樹脂が
可溶または吸収可能である溶剤を含有する印刷インキを
用いて、前記透明印刷下地膜上にスクリーン印刷する。
印刷インキに含まれる前記の溶剤としては、版板上での
印刷インクの乾燥を抑制するため比較的高沸点(沸点:
150〜250℃)の溶剤が好適に用いられる。その具
体例としては、前記透明樹脂がエチルセルロース、ポリ
ビニルブチラール樹脂、アクリルエステル樹脂などであ
る場合は、例えばα−テルピネオール、ブチルカルビト
ールアセテート、エチルカルビトールなどを例示するこ
とができる。適当な透明膜形成性樹脂と溶剤との組み合
わせは、予備的な溶解実験によって容易に見出せる。
より具体的に詳細に説明する。 (印刷機)東海精機製SER1Aマンモス印刷機SAP-3000A
に、図2に示すダブルスキージユニットを装着したもの
を用いた。ダブルスキージユニットにおいて、ドクター
1、第1のスキージ2および第2のスキージ3の長さは
それぞれ1000mm、 1000mmおよび930mmであり、第
1のスキージ2には硬度70oの角型ゴムスキージが、
また第2のスキージ3には硬度80oの丸型ゴムスキー
ジが取付けられている。また、比較例としては通常のシ
ングルスキージを用いてスクリーン印刷を行った。
しては、東京プロセスサービス製の400メッシュのス
テンレス紗のコンビネーションマスクで、乳剤厚15μ
m、版枠サイズ:1600mm×2000mm、コンビサイズ:
1100mm×1700mmのものを用いた。パターン構造はラ
イン/ピッチ=40/300μm (バイアス角 =45
°) のメッシュパターンであり、印刷エリアは700×120
0mmである。
面にはエチルセルロースと平均粒径0.03μmの超微
粒子アルミナからなる厚さ2.5μmの透明印刷下地膜
が形成されているものを使用した。 (印刷ぺ一スト):エチルセルロースを溶解するα一テ
ルピネオールを溶剤とする印刷インキ(住友大阪セメン
ト製、超微粒子無機顔料12重量%、エチルセルロース
6重量%およびα一テルピネオール82重量%を含有す
る粘度52Pa・sの印刷ぺ一スト) を使用した。 (印刷条件)実施例および比較例の印刷条件を下記表1
に示す。
おいて得られた印刷画像のメッシュラインのライン幅を
光学顕微鏡により観察し、ライン幅および形状を評価し
た。各印刷画像の観察個所は図3に示す6ヵ所 (下記
A、B、C、D、E、F)である(図3中の矢印は印刷方向を
示す)。 観察結果を表2に示す。また、実施例1で得
られた印刷画像(図3、D点における画像部分)の光学
顕微鏡写真を図6に示し、比較例1で得られた印刷画像
(図3、C点における画像部分)の光学顕微鏡写真を図
7に示す。 A: 刷り始め中央部 B: 刷り始め側縁部 C: 刷り中間点、中央部 D: 刷り中間点、側縁部 E: 刷り終り中央部 F: 刷り終り側縁部
画像(図3、D点)では、線幅はマスクの設計値の40
μmに対し28μmと約30%細い。しかも、形状のき
れいなラインが印刷できていることが分かる。この状況
はD点以外の観察箇所でも確認され、本発明のダブルス
キージ法を用いることによりエリア全面においてマスク
設計値より細く、しかも形状の良好な印刷画像が得られ
ることが認められた。実施例1における印刷状態は、1
65mm離れた両スキージ間ではマスクと基材のフィル
ムが密着し、第2のスキージの後位置ではオフコンタク
ト圧によりオフコンタクト機構が働きスクリーンマスク
と基材のフィルムは離版していた。
画像(図3、C点)では、線幅は場所によって太細があ
り約28〜45μmだが、泡状の欠陥が多数確認されラ
インがこの欠陥によって断線しているところも見受けら
れる。この状況はC点以外の観察箇所でも確認された。
オフコンタクト機構を効かした通常のスクリーン印刷で
は、本材料系を用いて印刷すると、印刷ダレは充分抑制
され線幅はある程度細くなるものの、印刷ダレが抑制さ
れているため印刷時においてインクの紗下への廻り込み
が不充分となり、泡状の欠陥が多数発生したものと考え
られる。
央部はライン幅およびライン形状とも良好であるが、側
縁部では比較例1同様の泡状欠陥が多く確認された。先
に記した印刷状態のようにスキージ通過後にマスクと基
材が密着したゾーンが放物線形状に形成され、中央部は
版離れが遅く、側縁部では版離れが早かった。スキージ
通過後の版離れの遅い所では印刷膜の性状は比較的良好
な結果が得られているが、版離れの早い側縁部では欠陥
が多く観察される。シングルスキージを用いる通常の印
刷法ではこのように印刷エリア全面で離版性の制御を行
うことは難しく、この方法では全面に実施例1のような
印刷を行うことは困難である。
グルスキージを用いて、マスクと被印刷物の密着時間を
確保するために、オフコンタクト圧力を低くしたもので
あるが、印刷エリアの中央部では、スキージ通過後の版
離れが遅く、約300mmの密着ゾーンが確認されたが、
側縁部ではスキージ通過と同調して離版してしまい、結
果として放物線形状の密着ゾーンが確認された。
用いて、通常のオフコンタクト圧力で印刷を行ったた
め、印刷エリア全般でマスクと被印刷物の密着時間が確
保できず、全領域で泡状欠陥が発生した。これに対し
て、実施例1ではマスクと基材の密着ゾーンが両スキー
ジ間で中央部から側縁部まで一定に保たれているため、
全面均一に離版性の制御がなされ結果として全面均一に
良好な線幅、形状の印刷が可能になったものと思われ
る。
1のスキージと、該第1のスキージの後位置に第1のス
キージから所定間隔を置いて配置された第2のスキージ
とを用い、両スキージ間において、スクリーンマスクと
被印刷物表面が均一に密着された帯域を形成し、スクリ
ーンマスクと被印刷物表面を一定時間密着させることに
よって、前面に亘って欠陥の非常に少ない印刷画像が形
成され、精度の高い印刷が達成される。
立って、印刷インク中に含有される溶剤に可溶、または
溶剤を吸収可能な透明膜形成性樹脂と、超微粒子とを含
む下地膜を予め形成することにより、より精度の高い印
刷が可能となる。すなわち、従来困難であった50μm未
満、特に30μm以下のライン幅をもった非常に繊細
で、マスクのパターン形状どおりの印刷画像を形成する
ことができる。
印刷イメージを示す摸式図。
ルスキージユニットの一例の基本構造を示す正面図。
式図。
よる印刷画像部分の一例を示す拡大写真。
画像部分の一例を示す拡大写真。
刷画像部分の一例を示す拡大写真。
よる印刷画像部分の一例を示す拡大写真。
Claims (3)
- 【請求項1】スクリーン印刷機において、印刷インクを
ローリングさせながらスクリーンマスクを通し被印刷表
面に押出すための第1のスキージと、該第1のスキージ
の後位置に所定間隔を置いて配置され、スクリーンマス
クと被印刷物の密着性を制御できる第2のスキージとを
備えたことを特徴とするスクリーン印刷機。 - 【請求項2】スクリーン印刷方法において、印刷インク
をローリングさせながらスクリーンマスクを通し被印刷
表面に押出すための第1のスキージと、該第1のスキー
ジの後位置に所定間隔を置いて配置された第2のスキー
ジとを用いて、該第1スキージと該第2スキージとの間
で、スクリーンマスクと被印刷物を所定時間密着させて
印刷することを特徴とするスクリーン印刷方法。 - 【請求項3】透明膜形成性樹脂と、平均粒径が0.1μ
m以下の超微粒子と、該透明膜形成性樹脂を溶解する溶
剤とを少なくとも含む塗料であって、該透明膜形成性樹
脂が、スクリーン印刷インキに含有されている溶剤に可
溶であるか、またはスクリーン印刷インキに含有されて
いる溶剤を吸収する樹脂である塗料を、被印刷物の印刷
面に塗布して下地膜を形成し、該下地膜の上に、スクリ
ーン印刷を行なうことを特徴とする請求項2に記載のス
クリーン印刷方法。
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---|---|---|---|
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- 2001-11-15 JP JP2001349698A patent/JP2003145709A/ja active Pending
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