JP2004042503A - オフセット印刷方法 - Google Patents

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Makoto Sugitani
杉谷 信
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Abstract

【課題】微細な印刷パターンを、濃淡のむらや線幅の太り、変形などの各種の印刷不良を生じることなしに、より高精度で形成し得るオフセット印刷方法を提供する。
【解決手段】円柱状の圧胴の外周に、
・ 初期荷重が0.06MPaとなるように厚み方向に圧縮した後、さらに厚み方向に0.15mm圧縮したときの圧縮応力Fが、式(1):
0.3MPa≦F≦1.2MPa   (1)
の範囲内であるアンダーブランケットと、
・ 少なくともその表面をシリコーンゴムにて形成した印刷ブランケットと、
をこの順に巻き重ねたブランケット胴を用いて、版の表面に形成したインキパターンを、上記ブランケット胴の外周面に転写したのち、被印刷物の表面に再転写して印刷パターンを形成する。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、オフセット印刷方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年の、電子機器類の発達に伴って、微細なパターンを有する導体回路を形成する技術の重要性が高まりつつある。
中でも、導電性粉末を配合した導電性インキを用いて版の表面に形成したインキパターンを、ブランケット胴の外周面に転写したのち、被印刷物の表面に再転写して導体回路を形成する、オフセット印刷方法を利用した導体回路の形成方法は、たとえばフォトリソグラフ法などに比べて工程が著しく少なくて済む上、高精度の導体回路を形成できることから、導体回路の有力な形成方法として開発が進んでいる。
【0003】
上記のオフセット印刷方法によって、被印刷物の表面に、導体回路をパターン形成する場合、印刷機の圧胴に巻きつけて、ブランケット胴の外周面を構成するための印刷ブランケットとしては、少なくともその表面をシリコーンゴムにて形成したもの(以下、「シリコーンブランケット」とする)を用いるのが好ましい。
シリコーンブランケットはインキに対する離型性が高いため、インキパターンの、被印刷物の表面への転写性を高めて、印刷の抜けなどのない良好な印刷パターンを形成することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ブランケット胴は通常、円柱状の圧胴の外周面に、印刷ブランケットの厚みを嵩上げ調整したり、印刷ブランケットの微妙な凹凸(厚みのむら)を緩和したり、あるいは適正範囲を広くして印圧の調整をしやすくしたりするためのアンダーブランケットと、印刷ブランケットとをこの順に巻き重ねることで形成される。
ところが、印刷ブランケットとして前述したシリコーンブランケットを用いて、導体回路などの印刷パターンを形成しようとすると、印刷パターンが微細になればなるほど、印刷に濃淡のむらを生じたり、パターンが潰れて線が太くなったり変形したりしやすくなるという問題があった。
【0005】
そこで上記の問題を解決すべく、特開平9−281319号公報において、アンダーブランケットとシリコーンブランケットとを組み合わせた際に、両者の積層体の、特定圧縮条件下での圧縮応力を所定の範囲に規定することが提案された。
この構成を採用すれば、同公報に記載の、液晶カラーフィルターの透明着色層程度の、微細な印刷パターンまでは効果が得られる。すなわち、線幅が120μm程度のストライプパターンであれば、ひずみなどを生じることなしに印刷することができる。
【0006】
しかし、例えば線幅が数十μm以下、線間のピッチが数百μm以下といった、上記の例よりもおよそ一桁程度、微細な線幅を有する導体回路の形成に、上記公報に記載の印刷方法を採用しても十分に効果が得られず、濃淡のむらや線幅の太り、変形などの印刷不良が発生するのを確実に防止することができなかった。
この発明の目的は、これまでよりもさらに微細な印刷パターンを、上述した各種の印刷不良を生じることなしに、より高精度で形成し得るオフセット印刷方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
上記課題を解決するために発明者が検討したところ、シリコーンブランケットとアンダーブランケットとの組み合わせにおいては、
・ 一般に、ニップ部での表面の伸びを抑制して印刷精度を向上するために、シリコーンブランケットよりもアンダーブランケットの方を十分に軟らかくしてあり、印圧をかけた際には、アンダーブランケットの方がより大きく圧縮、変形するため、前述した濃淡のむらや線幅の太り、変形などの印刷不良の発生には、アンダーブランケットの圧縮応力が主に関与していること、
・ したがって前記公報に記載の発明のように、シリコーンブランケットとアンダーブランケットとの、積層状態での圧縮応力をまとめて管理するよりも、アンダーブランケットの圧縮応力を独立して規定した方が、上述した各種の印刷不良を生じることなしに、高精度の良好な印刷を実現し得る可能性が高いこと、
を見出した。
【0008】
そこでこの知見にもとづいて、従来のアンダーブランケットを見直したところ、シリコーンブランケットと組み合わせて前述した微細な印刷パターンを形成するためには圧縮応力が大きすぎる、つまり硬すぎることが判明した。
すなわち従来のアンダーブランケットは、上記の条件下では硬すぎるため、当該アンダーブランケット自体やシリコーンブランケットの、厚みのむらを十分に緩和することができず、この厚みのむらが、印刷時の印圧のむらを生じて、印刷パターンに濃淡のむらが発生する。また、印刷時の印圧が全体的に高くなる結果、パターンが潰れて線が太くなったり変形したりしやすくなる。
【0009】
そこで、アンダーブランケットの圧縮応力をどの程度まで小さくすれば、前述した、導体回路などの微細な印刷パターンを、濃淡のむらや線幅の太り、変形などの印刷不良を生じることなしに印刷できるかについてさらに検討した。その結果、アンダーブランケットを、初期荷重が0.06MPaとなるように厚み方向に圧縮した後、この圧縮状態からさらに厚み方向に0.15mm圧縮したときの圧縮応力Fを、式(1):
0.3MPa≦F≦1.2MPa   (1)
の範囲内に規定すればよいことを見出した。
【0010】
すなわち圧縮応力Fが1.2MPaを超える場合には、先に述べたようにアンダーブランケットが硬くなりすぎるため、とくに導体回路などの微細な印刷パターンの印刷時に、濃淡のむらや線幅の太り、変形などの印刷不良を生じてしまう。一方、圧縮応力Fが0.3MPa未満では、逆にアンダーブランケットが軟らかくなりすぎて、印刷時に十分な印圧が得られないため、印刷のエッジ部がぼやけたり、あるいは印刷に抜けが生じたりするなどの、別の新たな印刷不良を生じてしまう。
【0011】
これに対し、圧縮応力Fが0.3〜1.2MPaの範囲内であれば、これまでよりもさらに微細な印刷パターンを、上述した各種の印刷不良を生じることなしに、より高精度で形成することが可能となる。
したがって請求項1記載の発明は、版の表面に形成したインキパターンを、円柱状のブランケット胴の外周面に転写したのち、被印刷物の表面に再転写して印刷パターンを形成するオフセット印刷方法であって、上記ブランケット胴として、
・ 円柱状の圧胴の外周に、
・ 初期荷重が0.06MPaとなるように厚み方向に圧縮した後、さらに厚み方向に0.15mm圧縮したときの圧縮応力Fが、式(1):
0.3MPa≦F≦1.2MPa   (1)
の範囲内であるアンダーブランケットと、
・ 少なくともその表面をシリコーンゴムにて形成した印刷ブランケットと、
をこの順に巻き重ねたものを用いることを特徴とするオフセット印刷方法である。
【0012】
また、かかる請求項1記載の発明のオフセット印刷方法は、先に述べたように、線幅が数十μm以下、線間のピッチが数百μm以下といった微細な導体回路の形成に、好適に適用し得る。
したがって請求項2記載の発明は、導電性粉末を配合した導電性インキを用いて、被印刷物の表面に、導体回路を形成することを特徴とする請求項1記載のオフセット印刷方法である。
【0013】
さらに請求項3記載の発明は、版の表面からブランケット胴の外周面へのインキパターンの転写速度、およびブランケット胴の外周面から被印刷物の表面へのインキパターンの転写速度を、ともにブランケット胴の周速度で表して10〜500mm/秒の範囲内としたことを特徴とする請求項1記載のオフセット印刷方法である。
インキパターンの転写速度が10mm/秒未満では、遅すぎて、導体回路などの印刷パターンの生産性が低下するおそれがある。また、印刷物のサイズにもよるが、インキパターンの、転写開始位置と終了位置とでインキの乾燥の度合いが異なって、インキの転写性に差を生じる結果、印刷パターンにむらを生じるおそれもある。
【0014】
また、転写速度が500mm/秒を超える場合には、速すぎるため、インキパターンの全体をきれいに転写することができず、印刷パターンに抜けやかすれなどを生じるおそれがある。
これに対し、版の表面からブランケット胴の外周面へのインキパターンの転写速度、およびブランケット胴の外周面から被印刷物の表面へのインキパターンの転写速度が、いずれも前記の範囲内であれば、上述した各種の画像不良のない良好な印刷パターンを、生産性良く、効率的に製造することが可能となる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下に、この発明を説明する。
〈アンダーブランケット〉
この発明のオフセット印刷方法に用いるアンダーブランケットは、前記のように初期荷重が0.06MPaとなるように厚み方向に圧縮した後、さらに厚み方向に0.15mm圧縮したときの圧縮応力Fが、式(1):
0.3MPa≦F≦1.2MPa   (1)
の範囲内である必要がある。この理由は、先に述べたとおりである。
【0016】
なお、アンダーブランケットを適度な硬さに調整して、前述した各種の不良のない、より一層、良好な印刷パターンを形成することを考慮すると、アンダーブランケットの圧縮応力Fは、上記の範囲内でもとくに、0.3〜0.6MPaの範囲内であるのが好ましい。
圧縮応力Fの具体的な測定方法としては、アンダーブランケットの一部を一定面積となるように切り出した測定サンプルSを、まず図1に示すように圧縮試験装置の、図では下側の盤B1上にセットする。次にこの状態で、図中矢印で示すように上下の盤B1、B2を接近させて、初期荷重が0.06MPaとなるように、測定サンプルSを厚み方向に圧縮する。そしてこの圧縮状態から、測定サンプルSを、引き続いてさらに厚み方向に0.15mm圧縮したときに生じる応力を測定して、測定サンプルSの圧縮応力Fとして記録する。
【0017】
なお上記の測定方法において、測定サンプルSを厚み方向に圧縮する速度は、0.5〜2mm/分程度であるのが好ましい。
アンダーブランケットとしては、従来公知の種々の構造を有するものの中から、圧縮応力Fが上記の範囲内にあるものを選択して使用することができる。
その具体例としては、これに限定されないが、例えばゴムや軟質の樹脂などからなる発泡体シートを挙げることができる。
【0018】
また発泡体シートとしては、個々の気泡が独立した独立気泡構造を有するもの、複数の気泡が連通した連続気泡構造を有するもののいずれを採用することもできる。
さらに発泡体シートとしては、発泡剤法、マイクロカプセル法、リーチング法などの、従来公知の種々の発泡方法によって発泡させたものを用いることができる。
【0019】
特に、軟質の発泡ポリウレタンからなる発泡体シートが好ましい。かかる発泡ポリウレタンからなる発泡体シートは、発泡剤法によって発泡させても良いし、周知のように水とイソシアネート基との反応によって発生するガスによって自己発泡させても良い。
〈印刷ブランケット〉
印刷ブランケットとしても、少なくともその表面をシリコーンゴムにて形成してあれば、それ以外は種々の構成を有するものを用いることができる。
【0020】
中でも特に、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエーテルスルフォン(PES)、ポリカーボネート等の合成樹脂フィルムや、あるいはアルミニウム、ステンレス等の金属製の薄板からなる支持体上に、圧縮性を有する多孔質のゴム層を介して、あるいは直接に、シリコーンゴムからなる表面ゴム層を積層したものが好ましい。
また表面ゴム層はミラブル型、RTV型および電子線硬化型のいずれのシリコーンゴムによって形成してもよい。
【0021】
表面ゴム層の表面は、印刷精度を考慮するとできるだけ平滑であるのが好ましく、例えば十点平均粗さ(Rz)が0.5μm以下であるのが好ましく、0.3μm以下であるのがさらに好ましい。
また印刷ブランケットの表面の硬さは、日本工業規格JIS K6253−1997「加硫ゴム及び熱可塑性ゴムの硬さ試験方法」に規定されたタイプAデュロメータ硬さで20〜80°、とくに30〜60°であるのが好ましい。
【0022】
〈インキ〉
インキとしては、目的とする印刷パターンの種類に合わせて種々のインキを使用することができる。
例えば前述した、導体回路を形成するための導電性インキとしては、従来同様に溶剤可溶の樹脂と、当該樹脂を溶解しうる溶剤と、導電性粉末とを含むものが好ましい。
【0023】
このうち導電性粉末としては、特に金属粉末が好適に使用され、金属粉末としては、例えば銀、銅、鉄、ニッケル、アルミニウムおよび金などを挙げることができる。金属粉末はそれぞれ1種単独で使用できる他、2種以上を併用することもできる。またメッキ複合体(例えば銀メッキ銅)や合金体としてもよい。
金属粉末は、印刷パターンの導電性を高くするという観点から、その充填密度が高いほど好ましい。
【0024】
また印刷パターンの導電性は、使用する金属粉末自体の体積固有抵抗のみで決まるものではなく、パターン中での金属粉末間の接触抵抗によっても大きく左右される。例えば、印刷パターンの内部に金属粒子が高密度で充填されていても、金属粉末間の接触抵抗が大きければ、印刷パターン全体の導電性が低くなる。
それゆえ金属粉末としては、球状や粟状のものなどよりも、金属粉末同士の接触面を大きくすることを考慮してフレーク状のものが好ましく使用されるが、上記球状や粟状のものを排除するものではない。
【0025】
またその粒径は、印刷適正などを考慮すると、およそ0.01〜20μmであるのが好ましく、0.1〜10μmであるのがさらに好ましい。
上記金属粉末などの導電性粉末の、導電性インキへの添加量は、樹脂100重量部に対して500〜2000重量部であるのが好ましく、800〜1600重量部であるのがさらに好ましい。
導電性粉末の添加量がこの範囲未満では、印刷パターンの導電性が十分に得られないおそれがあり、逆にこの範囲を超えた場合には、粉末同士を結合させる樹脂の結合力が弱まるため、却って印刷パターンの導電性が低下するおそれがある。
【0026】
上記導電性粉末とともに導電性インキを形成する樹脂としては、熱硬化性、紫外線硬化性、あるいは熱可塑性などの種々の樹脂がいずれも使用可能である。
熱硬化性の樹脂としては、例えばポリエステル−メラミン、メラミン、エポキシ−メラミン、フェノール、ポリイミド、熱硬化性アクリル、およびポリウレタンなどの各種樹脂が挙げられる。また紫外線硬化性の樹脂としては、例えばポリエステル、ポリビニルブチラール、アクリル、フェノール、ポリウレタンなどの各種樹脂が挙げられる。
【0027】
溶剤は、上記樹脂を溶解して、当該樹脂と導電性粉末とを含む導電性インキの粘度を、オフセット印刷に適した範囲に調整するために添加されるもので、かかる溶剤としては、例えばその沸点が150℃以上であるような従来公知の種々の溶剤が、好適に使用される。溶剤の沸点が150℃を下回ると、印刷時に乾燥しやすくなって、インキ組成物が経時変化を起こしやすくなるためである。
かかる溶剤の具体例としては、例えばアルコール類〔ヘキサノール、オクタノール、ノナノール、デカノール、ウンデカノール、ドデカノール、トリデカノール、テトラデカノール、ベンタデカノール、ステアリルアルコール、セリルアルコール、シクロヘキサノール、テルピネオールなど〕や、アルキルエーテル類〔エチレングリコールモノブチルエーテル(ブチルセロソルブ)、エチレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(ブチルカルビトール)、セロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、カルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテートなど〕が挙げられ、この中から1種または2種以上が、印刷適性や作業性等を考慮して適宜、選択される。
【0028】
溶剤として高級アルコールを使用する場合は、インキ組成物の乾燥性や流動性が低下するおそれがあるため、これらよりも乾燥性が良好なブチルカルビトール、ブチルセロソルブ、エチルカルビトール、ブチルセロソルブアセテート、ブチルカルビトールアセテートなどを併用すればよい。
導電性インキは、上記の各成分を配合し、十分に攪拌混合したのち、混練することによって調製される。
【0029】
〈印刷〉
印刷に際しては、オフセット印刷機の、円柱状の圧胴の外周に、前述したアンダーブランケットと印刷ブランケットとをこの順に巻き重ねて固定することでブランケット胴を構成する。
次にこのブランケット胴を、オフセット印刷機の形式に合わせて、例えば平台式では平板状の版および平板状の被印刷物の支持台と、また輪転式では円筒状の版(版胴)および圧胴と組み合わせる。
【0030】
そして平台式では、ブランケット胴の、版に対するニップ変形部の長さ、ならびに支持台によって背後から支持した被印刷物に対するニップ変形部の長さが、それぞれ所定長となるように印圧を調整したのち、版にインキを供給し、かつ支持台に被印刷物を供給しながら印刷機を運転する。
また輪転式では、ブランケット胴の、版胴に対するニップ変形部の長さ、ならびに圧胴によって背後から支持した被印刷物に対するニップ変形部の長さが、それぞれ所定長となるように印圧を調整したのち、版にインキを供給し、かつ圧胴に被印刷物を供給しながら印刷機を運転する。
【0031】
そうすると、版の表面に形成したインキパターンが、印刷ブランケットの表面である円柱状のブランケット胴の外周面に転写されたのち、被印刷物の表面に再転写されて、当該被印刷物の表面に印刷パターンが形成される。
上記の印刷工程においては、版の表面からブランケット胴の外周面へのインキパターンの転写速度、およびブランケット胴の外周面から被印刷物の表面へのインキパターンの転写速度が、ともにブランケット胴の周速度で表して10〜500mm/秒の範囲内であるのが好ましい。この理由は、前述したとおりである。
【0032】
ただし、ブランケット胴の外周面を形成する印刷ブランケットの表面は、前記のようにシリコーンゴムにて形成され、インキの離型性が高いため、例えば金属やガラスなどで形成される版の表面からの、インキパターンの転写をより確実に行うためには、その転写速度を、前記の範囲内でもより低い範囲に設定するのが好ましく、特にブランケット胴の周速度で表して20〜200mm/秒の範囲内とするのがさらに好ましい。
【0033】
一方、1回の印刷に要する時間をできるだけ短縮することを考慮すると、ブランケット胴の外周面から被印刷物の表面へインキパターンを転写する際の転写速度は、前記の範囲内でもより高い範囲に設定するのが好ましく、特にブランケット胴の周速度で表して30〜300mm/秒の範囲内とするのがさらに好ましい。
印刷後、溶剤を乾燥除去するとともに、インキ中の樹脂が熱硬化性である場合はこれを加熱硬化させ、また樹脂が紫外線硬化性である場合は紫外線を照射して硬化させることで印刷パターンが形成される。
【0034】
【実施例】
以下にこの発明を、実施例、比較例に基づいて説明する。
実施例1〜3、比較例1、2
〈アンダーブランケット〉
アンダーブランケットとしては、発泡ポリウレタンからなる発泡体シートを用いた。各実施例、比較例でアンダーブランケットとして使用した発泡体シートの厚み(mm)、比重(kg/m)、および圧縮応力F(MPa)を表1に示す。
【0035】
〈印刷ブランケット〉
印刷ブランケットとしては、厚み0.2mmのPETフィルムの片面に、2液室温硬化型液状シリコーンゴム〔ジーイー東芝シリコーン(株)製のTSE3455〕を塗布し、室温で硬化させて、厚み1mmの表面ゴム層を形成したものを用いた。表面ゴム層の表面の十点平均粗さRzは0.2μmであった。また印刷ブランケットの表面の、タイプAデュロメータ硬さは40°であった。
【0036】
〈インキ〉
インキとしては、下記の各成分を配合した導電性インキを用いた。
(成 分)         (重量部)
銀粉末           1000
紫外線硬化性ポリエステル   100
ブチルカルビトールアセテート 100
〈版〉
版としては、ソーダライムガラス製のガラス板の表面に、フォトリソグラフ法によって、300mm×400mmの範囲で、線幅50μm、線間のピッチ200μm、深さ10μmの凹溝をストライプ状にパターン形成したものを用意した。
【0037】
〈印刷〉
前記アンダーブランケットと印刷ブランケットとを重ねた状態で、平台オフセット印刷機の円柱状の圧胴(直径300mm)の外周に巻きつけて固定してブランケット胴を構成した。
また上記平台オフセット印刷機の、版の保持部に上記の版を固定するとともに、被印刷物の支持台に、被印刷物としてPET製フィルム(大きさ300mm×400mm、厚み100μm)を載置した。
【0038】
次に、ブランケット胴の、版に対するニップ変形部の長さ、ならびに支持台によって背後から支持したフィルムに対するニップ変形部の長さが、それぞれ10mmとなるように印圧を調整した。
そして、版の表面からブランケット胴の外周面へのインキパターンの転写速度を、ブランケット胴の周速度で表して30mm/秒、ブランケット胴の外周面から被印刷物の表面へのインキパターンの転写速度を、ブランケット胴の周速度で表して100mm/秒に設定した状態で、版にインキを供給し、かつ支持台にフィルムを供給しながら印刷機を運転して、上記フィルム上に、版の凹溝に対応したストライプ状のインキパターンを印刷したのち、紫外線を照射してインキを硬化させて、印刷パターンとしての導体回路を形成した。
【0039】
形成した導体回路を目視にて観察して、その濃淡のむらを、下記の基準で評価した。
A:全体に均一な濃度であって濃淡のむらは見られなかった。
B:色の薄い部分が数ヶ所見られたが、実用上は差し支えのないレベルであった。
C:所々に、インキ層の厚みが小さすぎて、銀粉末の殆どない空白部が存在しており、濃淡のむらが顕著であった。
【0040】
また、形成した導体回路の任意の10ヶ所を選び、実体顕微鏡を用いて観察して、印刷のエッジ部の鮮明さを、下記の基準で評価した。
○:エッジ部は鮮明に印刷されていた。
×:エッジ部がぼやけていた。
以上の結果を表1にまとめた。
【0041】
【表1】
Figure 2004042503
【0042】
表より、アンダーブランケットの圧縮応力Fが前記式(1)の範囲の下限を下回った比較例1は印刷のエッジ部がぼやけていたことから、アンダーブランケットが軟らかすぎて、印刷時の印圧が不十分であることがわかった。
また、アンダーブランケットの圧縮応力Fが前記式(1)の範囲の上限を上回った比較例2では、印刷に濃淡のむらが発生したことから、アンダーブランケットが硬すぎることがわかった。
【0043】
これに対し、アンダーブランケットの圧縮応力Fが前記式(1)の範囲内であった実施例1〜3はいずれも、印刷に濃淡のむらがない上、エッジ部も鮮明であった。そしてこのことから、実施例1〜3によれば、微細な印刷パターンを、上述した各種の印刷不良を生じることなしに、より高精度で形成できることが確認された。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明のオフセット印刷方法に用いるアンダーブランケットの圧縮応力Fを測定する方法を示す概略図である。

Claims (3)

  1. 版の表面に形成したインキパターンを、円柱状のブランケット胴の外周面に転写したのち、被印刷物の表面に再転写して印刷パターンを形成するオフセット印刷方法であって、上記ブランケット胴として、
    ・ 円柱状の圧胴の外周に、
    ・ 初期荷重が0.06MPaとなるように厚み方向に圧縮した後、さらに厚み方向に0.15mm圧縮したときの圧縮応力Fが、式(1):
    0.3MPa≦F≦1.2MPa   (1)
    の範囲内であるアンダーブランケットと、
    ・ 少なくともその表面をシリコーンゴムにて形成した印刷ブランケットと、
    をこの順に巻き重ねたものを用いることを特徴とするオフセット印刷方法。
  2. 導電性粉末を配合した導電性インキを用いて、被印刷物の表面に、導体回路を形成することを特徴とする請求項1記載のオフセット印刷方法。
  3. 版の表面からブランケット胴の外周面へのインキパターンの転写速度、およびブランケット胴の外周面から被印刷物の表面へのインキパターンの転写速度を、ともにブランケット胴の周速度で表して10〜500mm/秒の範囲内としたことを特徴とする請求項1記載のオフセット印刷方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008221842A (ja) * 2007-02-16 2008-09-25 Mitsubishi Materials Corp 凹版オフセット印刷法を用いた塗膜の製造方法
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