JP3920944B2 - パターン形成用ペーストおよびパターン形成方法 - Google Patents

パターン形成用ペーストおよびパターン形成方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、パターン形成用ペーストおよびパターン形成方法に係り、特に画像表示装置、サーマルヘッド、集積回路等の製造工程における電極や抵抗体等の高精度なパターンを形成するためのパターン形成用ペーストと、このパターン形成用ペーストを使用して高精度のパターンを形成する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、集積回路や画像表示装置等の電子装置における電極、抵抗体、誘電体等の微細なパターン形成は、より高い精度で、かつ、低い製造コストで実施可能なことが要求されている。
【0003】
従来、上記のような電極等のパターン形成方法として、蒸着、スパッタリング、メッキ、あるいは印刷法等により形成した導電性薄膜等をフォトリソグラフィー法によりエッチングする方法、所望の特性を有するパターン形成用ペーストを用いてスクリーン印刷やオフセット印刷等の印刷法により所定のパターンを形成し、乾燥後に焼成することによりパターン形成する印刷法等が挙げられる。
【0004】
しかし、上記のエッチング法では、高精度のパターン形成が可能であるが、エッチング工程を有するために製造コストが高くなってしまうという問題があった。また、大型画像表示装置のように大面積基板に電極等を形成する場合には、大型の薄膜形成装置、露光装置、エッチング装置が多数必要となり、この点でも製造コストの増大を来すという問題があった。
【0005】
これに対して、印刷法はエッチング工程がなく、上記のエッチング法に比べて工程が簡略であり、製造コストの低減が期待される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、スクリーン印刷法ではスクリーン印刷版を構成するメッシュ材料の伸びによる印刷精度の限界があり、また、形成したパターンにメッシュ目が生じたりパターンのにじみが発生し、パターンのエッジ精度が低いという問題がある。
【0007】
また、オフセット印刷法では、印刷回数が進むにつれてパターン形成用ペーストが完全に基板に転写されずにブランケットに残るようになりパターン精度が低下するので、これを防止するために随時ブランケットの交換を行う必要があり、作業が煩雑であるという問題があった。
【0008】
本発明は、上述のような事情に鑑みてなされたものであり、電極、抵抗体、誘電体等の高精細なパターン形成が可能なパターン形成用ペーストと、このパターン形成用ペーストを使用して電極や抵抗体、誘電体等の高精度なパターンを形成することができるパターン形成方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
このような目的を達成するために、第1の発明であるパターン形成用ペーストは、少なくとも無機粉体と樹脂成分とを含み、動的粘性率が500〜7000poise の範囲であり、損失正接 tanδが5〜12の範囲であり、前記樹脂成分が600℃以下の焼成で揮発または分解するような構成とした。
【0010】
また、前記樹脂成分をポリブテン系樹脂とするような構成とした。
【0011】
第2の発明であるパターン形成方法は、基材の一方の面にポリジメチルシロキサンを主体とする離型層を備える中間転写媒体の該離型層上に請求項1または請求項2に記載のパターン形成用ペーストを所定のパターンで形成する第1工程と、中間転写媒体上の前記パターンを基板上に転写して厚みが1〜20μmの範囲内のパターン層を形成する第2工程と、500〜600℃で焼成して前記パターン層の樹脂成分を除去するとともに前記パターン層を基板に固着させる第3工程と、を備えるような構成とした。
【0013】
上記のような本発明は、中間転写媒体上にパターン形成用ペーストにより一旦パターンが形成された後基板上に転写されるが、この際、パターン形成用ペーストの動的粘性率が500〜7000poise の範囲であり、損失正接 tanδが5〜12の範囲であるため、中間転写媒体から基板へのパターン形成用ペーストの良好な転写がなされ、また、パターン形成用ペーストの樹脂成分が600℃以下の焼成で揮発または分解するので、基板にパターン層を形成した後の焼成において樹脂成分の除去が可能となり、無機粉体が相互に融着したパターン層が基板上に形成される。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の最良の実施形態について説明する。
【0015】
本発明のパターン形成用ペーストは、少なくとも無機粉体と樹脂成分を含むものであり、樹脂成分は600℃以下の焼成、例えば、300〜600℃の範囲における焼成で揮発または分解するものである。そして、本発明のパターン形成用ペーストは、その動的粘性率が500〜7000poise の範囲であり、損失正接 tanδが5〜12の範囲である。動的粘性率が500poise 未満であると、後述するようなパターン形成方法における基板へのパターン転写において、中間転写媒体上へのペースト残存が多くなりパターン精度の低下を来し好ましくない。また、動的粘性率が7000poise を超えると、中間転写媒体へのパターン形成が難しくなり好ましくない。一方、損失正接 tanδが5未満であると、後述するようなパターン形成方法における基板へのパターン転写において、エッジ精度が低くなり好ましくない。また、損失正接 tanδが12を超えると、形成されたパターンにダレが生じたり、中間転写媒体上へのペースト残存が多くなり好ましくない。
【0016】
尚、動的粘性率および損失正接 tanδは、キャリメッド社製CSレオメータにて、温度23℃、周波数10Hz 、歪3%で測定する。
【0017】
本発明のパターン形成用ペーストを構成する無機粉体は、形成するパターンの使用目的に応じた特性を有し、軟化温度が450〜600℃である無機粉体を使用することができる。無機粉体の軟化温度が600℃を超えると焼成温度を高くする必要があり、例えば、基板の耐熱性が低い場合には焼成段階で基板に熱変形を生じることになり好ましくない。また、無機粉体の軟化温度が450℃未満では、パターン形成用ペーストの樹脂成分が完全に分解、揮発する前に無機粉体が融着するため、空隙を生じやすく好ましくない。
【0018】
使用可能な無機粉体の具体例としては、Ag粉体、Ag−Pd粉体、Au粉体、Cu粉体等の導電性粉体、低軟化温度ガラス粉体、セラミックス粉体、誘電性粉体等を挙げることができる。また、焼成時のガラスの分相を防止する効果をもたせたり、軟化温度を調整したり、熱膨張係数をガラス基板に合わせたりするために、Al23 、B23 、SiO2 、MgO、CaO、SrO、BaO等の無機粉体を併用することもできる。さらに、耐火物フィラーとして、アルミナ、マグネシア、ジルコニア、カルシア、コージュライト、シリカ、ムライト等のセラミックス粉体を使用することができる。
【0019】
上記の無機粉体の平均粒径は、0.1〜10μm、好ましくは0.5〜5μmの範囲から設定することができる。平均粒径が0.1μm未満であると構造粘性(チクソトロピー性)が大きくなり、印刷ムラが発生しやすくなり好ましくない。また、平均粒径が10μmを超えるとパターンのエッジ精度が低下するので好ましくない。
【0020】
このような無機粉体は、パターン形成用ペーストに5〜95重量%、好ましくは50〜90重量%の範囲で含有させることができる。
【0021】
本発明のパターン形成用ペーストを構成する樹脂成分は、上述のように600℃以下の低温における焼成によって揮発、分解して、パターン中に炭化物を残存させることのないものである。このような樹脂成分としては、エチルセルロース、メチルセルロース、ニトロセルロース、セルロースアセテート、セルロースプロピオネート、セルロースブチレート等のセルロース系樹脂、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ノルマルブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、2−エチルメチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等の重合体またはこれらの共重合体からなるポリ(メタ)アクリル酸エステル類、ポリ−α−メチルスチレン、ポリビニルアルコール、ポリブテン系樹脂等を挙げることができるが、特に好ましくはポリブテン系樹脂である。尚、樹脂成分として高分子量の樹脂を使用すると、パターン形成用ペースト中に低分子量の溶剤を多く含有する必要が生じ、パターン形成用ペーストの機上安定性が悪くなったり、中間転写媒体の膨潤が発生して好ましくない。このため、樹脂成分として常温で液体のオリゴマーが好ましく、また、低分子量の樹脂を使用する場合には、分子量が100以上の樹脂が好ましい。
【0022】
上記の樹脂成分の揮発、分解温度が600℃を超えると、樹脂成分を除去する際の焼成温度が高くなり、例えば、基板の耐熱性が低い場合、基板に熱変形が生じることになり好ましくない。一方、樹脂成分の揮発、分解温度の下限は特に制限はないが、揮発、分解温度が低くなるほど完全に揮発または分解する樹脂の種類が少なくなり材料選択の幅が狭くなるので、例えば、樹脂成分の揮発、分解温度の下限を300℃程度に設定することが好ましい。
【0023】
このような樹脂成分のパターン形成用ペースト中の含有量は、5〜95重量%、好ましくは10〜50重量%の範囲とすることができる。
【0024】
また、本発明のパターン形成用ペーストには、添加剤として、可塑剤、界面活性剤、消泡剤、酸化防止剤等が必要に応じて用いられる。このうち可塑剤としては、フタル酸エステル類、セバチン酸エステル類、リン酸エステル類、アジピン酸エステル類、グリコール酸エステル類、クエン酸エステル類等が一般的に用いられる。さらに、パターン形成用ペーストには、用いる樹脂成分に対して良溶媒である溶剤を含有させることができる。溶剤の選定は、溶剤の揮発性と使用する樹脂成分の溶解性を主に考慮して行われる。樹脂成分に対する溶剤の溶解性が低いと、パターン形成用ペーストの粘度が高くなってしまい、印刷適性が悪化するので好ましくない。また、溶剤の含有率はパターン形成用ペースト内の気泡を抜くことでき、レベリングが良好で形成されるパターンの平滑性が良好となるような粘度範囲で設定することができ、例えば、1〜50重量%程度が好ましい。
【0025】
このような本発明のパターン形成用ペーストは、上述の無機粉体と樹脂成分を低揮発性の溶剤に混合し、ロールミルにより混練してペースト状の塗布液とするか、あるいは、ボールミル等により混練してスラリー状の塗布液として得ることができる。使用する低揮発性の溶剤としては、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ジオクチルフタレート、ジイソデシルフタレート等を挙げることができる。
【0026】
次に、本発明のパターン形成方法を図面を参照しながら説明する。
【0027】
図1は、本発明のパターン形成方法の一実施形態を説明するための図面である。図1において、本発明のパターン形成方法は、まず、第1工程として基材2の一方の面に離型層3を備えた長尺状の中間転写媒体1を、基材2側からバックアップローラ6で凹版7上に押し付け、バックアップローラ6を矢印A方向に移動させることにより、凹版7の凹部7aに保持されているパターン形成用ペースト8を離型層3上に転移させて所定のパターン4を形成する(図1(A))。
【0028】
上記の中間転写媒体1を構成する基材2は、ポリエチレンテレフタレート等の熱伸縮率の小さい樹脂フィルム、アルミニウムや鉄等の金属板等を使用することができ、その厚みは10〜500μm、好ましくは50〜300μm程度のものを使用する。
【0029】
また、中間転写媒体1を構成する離型層3は、ポリジメチルシロキサンを主体とするシリコーン樹脂からなる層であり、具体的には、ポリジメチルシリコーンゴム、フェニル変性シリコーンゴム、エポキシ変性シリコーンゴム、ウレタン変性シリコーンゴム等を用いて形成することができる。また、離型層3の厚みは10〜3000μm程度とすることができる。
【0030】
この第1工程におけるパターン4の形成において、凹版7の凹部7aに保持されているパターン形成用ペースト8の全量を離型層3上に転移させる必要はなく、本発明のパターン形成用ペーストと上記の中間転写媒体1の離型層3の特性から所望の厚みのパターン4を安定して形成できればよい。
【0031】
次に、第2工程として、第1工程で離型層3上にパターン4が形成された中間転写媒体1を、基材2側からバックアップローラ9で基板S上に押し付け、バックアップローラ9を矢印方向に回転させ、基板Sを矢印B方向、中間転写媒体1を矢印C方向に移動させることにより、パターン4を中間転写媒体1から基板S上に転写してパターン層5を形成する(図1(B))。この第2工程において形成するパターン層5の厚みは、上述の第1工程で形成するパターン4の厚みで決定され、形成するパターンの使用目的等からパターン層5の厚みは適宜設定できるが、パターン層5の膜厚の均一性を考慮して1〜20μm程度の厚みが好ましい。このようなパターン層5の厚みの調整は、凹版7の凹部7aの深さ(版深)の設定により行うことができ、通常、版深は2〜40μm程度の範囲で設定することが好ましい。
【0032】
次いで、第3工程として、500〜600℃で焼成することによってパターン層5に含まれる樹脂成分が揮発、あるいは分解され、炭化物を残存することなく除去され、また、パターン層5に含まれる無機粉体が焼成によって相互に融着を生じてパターン層Pを形成し、形成されたパターン層Pは、基板Sに十分な強度をもって固着される(図1(C))。
【0033】
このような長尺状の中間転写媒体1を使用した上述のパターン形成方法では、常に中間転写媒体の新しい面が使用されるため、従来の凹版オフセット印刷におけるブランケット膨潤によるパターン形成用ペーストのブランケット残りが発生することがなく、高精度のパターンPを安定して形成することができる。
【0034】
また、本発明では、パターンの位置精度を向上させるために、大径のバックアップローラを使用し、中間転写媒体1がバックアップローラに接触している部分においてパターン転写をするようにしてもよい。このようなパターン形成方法を図2を参照して説明する。図2において、まず、第1工程として長尺状の中間転写媒体1を基材側から大径のバックアップローラ6´で凹版7上に押し付け、凹版7を矢印A方向に移動させるとともに、バックアップローラ6´を矢印方向に回転移動させることにより、凹版7の凹部7aに保持されているパターン形成用ペーストを中間転写媒体1の離型層上に転移させて所定のパターン4を形成する(図2(A))。このようにパターン4が形成された領域の中間転写媒体1は、大径のバックアップローラ6´に接触した状態にある。
【0035】
次に、第2工程として、第1工程で離型層上にパターン4が形成された中間転写媒体1を基板S上に押し付け、大径のバックアップローラ6´を矢印方向に回転させ、基板Sを矢印B方向、中間転写媒体1を矢印C方向に移動させることにより、パターン4を中間転写媒体1から基板S上に転写してパターン層5を形成する(図1(B))。その後、上述の第3工程と同様にしてパターン層Pを形成する。
【0036】
上述の実施形態では、第1工程において凹版7を用いて中間転写媒体上にパターン形成用ペーストからなるパターン4を形成したが、本発明のパターン形成方法はこれに限定されるものではない。例えば、図3に示されるように、平凹版17を使用して凹部17aに保持されたパターン形成用ペースト18を中間転写媒体1上に転移してパターン4を形成してもよく、あるいは、図4に示されるように、凸版27を使用して凸部27a上に保持されたパターン形成用ペースト28を中間転写媒体1上に転移してパターン4を形成してもよい。
【0037】
また、上述の実施形態では、第1工程にて使用する版はいずれも平板状であるが、シリンダー状の版であってもよいことは勿論である。
【0038】
さらに、本発明のパターン形成方法では、第1工程における中間転写媒体上へのパターン形成を、図5に示されるように押出しノズルを使用して行うこともできる。この場合、複数の押出し孔32を軸方向に所定の間隔で備えた押出しノズル31を使用し、この押出しノズル31の押出し孔32に対向する位置にバックアップローラ33を設け、中間転写媒体1を図5の矢印方向に搬送しながら押出し孔32からパターン形成用ペーストを押し出すことにより、ライン状にパターン4を形成することができる。
【0039】
上述のパターン形成方法の実施形態では、中間転写媒体は長尺状のものを使用したが、本発明ではシート状の転写媒体を使用することもできる。図6は、シート状の中間転写媒体を用いた第1工程のパターン形成を説明するための図である。図6において、シート状の中間転写媒体1´(構成は上述の中間転写媒体1と同様)を、凹部47aにパターン形成用ペースト48を保持した凹版47にバックアップローラ41を介して押圧する(図6(A))。次いで、中間転写媒体1´を凹版47から引き離すことにより、中間転写媒体1´上にパターン4´を形成することができる(図6(B))。尚、このようなシート状の中間転写媒体1´を使用する場合も、上述のような平凹版や凸版等の種々の版を使用することができる。
【0040】
また、図7は、シート状の中間転写媒体を用いた第1工程のパターン形成の他の例を説明するための図である。この場合、シート状の中間転写媒体1´をシリンダー胴51に巻き付けて装着し、凹部57aにパターン形成用ペースト58を保持した凹版57に中間転写媒体1´を押圧しながらシリンダー胴51を矢印方向に回転移動させることにより、中間転写媒体1´上にパターン4´を形成することができる。この場合も、上述のような平凹版や凸版等の種々の版、および、シリンダー状の版を使用することができる。
【0041】
一方、シート状の中間転写媒体を使用する場合、第2工程における基板へのパターンの転写は、例えば、図8に示されるように、パターン4´が形成されたシート状の中間転写媒体1´を、基板Sにバックアップローラ61を介して押圧する(図8(A))。次いで、この中間転写媒体1´を基板Sから引き離すことにより、基板S上にパターン層5´を形成することができる(図8(B))。また、図9に示されるように、パターン4´が形成されたシート状の中間転写媒体1´をシリンダー胴71に巻き付けて装着し、基板Sに中間転写媒体1´を押圧しながらシリンダー胴71を矢印方向に回転移動させることにより、基板S上にパターン層5を形成することができる。
【0042】
【実施例】
次に、実施例を示して本発明を更に詳細に説明する。
(実施例1)
まず、下記の11種(A〜K)の組成のパターン形成用ペーストを準備した。尚、各パターン形成用ペーストの動的粘性率(10Hz )と損失正接 tanδ(10Hz )を下記の表1に示した。
【0043】
パターン形成用ペーストAの組成
・マイレン化ポリブテン
(日本油脂(株)製 MPB、分解温度480℃) … 50重量部
・ガラスフリット
(イワキガラス(株)製T072、軟化温度525℃)… 50重量部
パターン形成用ペーストBの組成
・マイレン化ポリブテン
(日本油脂(株)製 MPB、分解温度480℃) … 20重量部
・Ag粉体
(昭栄化学工業(株)製 Ag-128 、融着温度550℃)… 80重量部
パターン形成用ペーストCの組成
・アクリル樹脂(分解温度550℃)
(共栄社油脂(株)製ポリフローNo.3) … 95重量部
・ガラスフリット
(マツナミガラス(株)製MB-13 、軟化温度480℃)… 5重量部
パターン形成用ペーストDの組成
・ポリエチレングリコールモノメタクリレート
(新中村化学(株)製M40G、分解温度560℃) … 16重量部
・メタクリル樹脂(分解温度330℃)
(三菱レーヨン(株)製BR105) … 4重量部
・Ag粉体
(昭栄化学工業(株)製 Ag-128 、融着温度550℃)… 80重量部
パターン形成用ペーストEの組成
・トリエチレングリコールモノブチルエーテル … 44重量部
・β−メタクリロイルオキシエチレンハイドロジエンフタレート
(新中村化学(株)製CB−1、分解温度390℃) … 3重量部
・メタクリル樹脂(分解温度330℃)
(三菱レーヨン(株)製BR105) … 3重量部
・Ag粉体
(昭栄化学工業(株)製 Ag-128 、融着温度550℃)… 50重量部
パターン形成用ペーストFの組成
・トリエチレングリコールモノブチルエーテル …95.5重量部
・β−メタクリロイルオキシエチレンハイドロジエンフタレート
(新中村化学(株)製CB−1、分解温度390℃) … 2重量部
・メタクリル樹脂(分解温度330℃)
(三菱レーヨン(株)製BR105) …3.5重量部
パターン形成用ペーストGの組成
・ポリブテン
(日本油脂(株)製3N、分解温度450℃) … 15重量部
・ガラスフリット
(イワキガラス(株)製T072、軟化温度525℃)… 85重量部
パターン形成用ペーストHの組成
・ポリブテン
(日本油脂(株)製200N、分解温度460℃) … 50重量部
・ガラスフリット
(イワキガラス(株)製T072、軟化温度525℃)… 50重量部
パターン形成用ペーストIの組成
・トリエチレングリコールモノブチルエーテル … 40重量部
・エチルセルロース
(ハーキュレス社製N−200、分解温度400℃) … 10重量部
・ガラスフリット
(イワキガラス(株)製T072、軟化温度525℃)… 50重量部
パターン形成用ペーストJの組成
・ポリブテン
(日本油脂(株)製200N、分解温度460℃) … 20重量部
・Ag粉体
(昭栄化学工業(株)製 Ag-128 、融着温度550℃)… 80重量部
パターン形成用ペーストKの組成
・ポリブテン
(日本油脂(株)製3N、分解温度450℃) … 40重量部
・ポリブテン
(日本油脂(株)製200N、分解温度460℃) … 20重量部
・Ag粉体
(昭栄化学工業(株)製 Ag-128 、融着温度550℃)… 40重量部
次に、第1工程として、上記のパターン形成用ペースト(A〜K)を図1に示されるような凹版を使用して中間転写媒体の離型層上に印刷し、線幅80μm、ピッチ200μmのストライプ状のパターンを形成した(図1(A)に相当)。ここで使用した凹版は、ソーダライムガラス板に、下記表1に示される深さの凹部をエッチングで形成したものである。また、中間転写媒体としては、基材としてのPET(ポリエチレンテレフタレート)上にポリジメチルシロキサンゴムを注型形成して離型層を設けた長尺状の中間転写媒体を用いた。この中間転写媒体の離型層の特性は、臨界表面張力23dyne/cm、ヤング率108 dyne/cm2 であった。
【0044】
次いで、第2工程として、厚み2mmのガラス基板上に上記のパターンを形成した中間転写媒体をバックアップローラを介して押し付け、基板上にパターン層を転写形成した(図1(B)に相当)。このパターン層の厚みを下記の表1に示した。
【0045】
次に、第3工程として、ピーク温度560℃にて焼成(ピーク温度保持時間20分)し、パターン層の樹脂成分を焼成除去してパターン層を基板上に固着形成し(図1(C)に相当)、試料1〜12を得た。
【0046】
このようにして形成したパターン層を下記の基準で評価し、その結果を下記の表1に示した。
【0047】
パターン層の評価基準
◎:パターンのエッジ精度 ±3μm以内
○:パターンのエッジ精度 ±10μm未満
×:パターンのエッジ精度 ±10μm以上
【0048】
【表1】
Figure 0003920944
表1に示されるように、動的粘性率(10Hz )が500〜7000の範囲であり、かつ、損失正接 tanδ(10Hz )が5〜12の範囲であるパターン形成用ペーストを使用した試料1〜3、6、7、9、10は、良好なパターン形成が可能であった。特に樹脂成分としてポリブテン系樹脂を用いたパターン形成用ペーストA、B、Hを使用した試料1、2、9は、パターンのエッジ精度が極めて高いものであった。
【0049】
一方、版深が50μmの凹版を使用し基板上のパターン層の厚みが25μmとなった試料4は、膜厚の均一性が悪いものであった。
【0050】
また、損失正接 tanδ(10Hz )が5未満であるパターン形成用ペーストDを使用した試料5は、形成されたパターン層のエッジがシャープでなく、一方、損失正接 tanδ(10Hz )が12を超えるパターン形成用ペーストKを使用した試料12は、中間転写媒体へのペーストの残存が発生した。
【0051】
さらに、動的粘性率(10Hz )が500未満であるパターン形成用ペーストGを使用した試料8は、基板へのパターン層転写(第2工程)において中間転写媒体へのペーストの残存が見られ、良好なパターン層の形成が困難であり、動的粘性率(10Hz )が7000を超えるパターン形成用ペーストJを使用した試料11は、第1工程において中間転写媒体へのパターン形成が困難であった。
(実施例2)
パターン形成用ペーストとして、実施例1のパターン形成用ペーストAを使用し、また、中間転写媒体として、基材(PET)上に設けた離型層が下記表2に示されるような特性を有する中間転写媒体を使用し、凹版として版深が30μmの凹版を使用した他は、実施例1と同様にしてパターン層を基板上に固着形成して試料1〜5を得た。
【0052】
このようにして形成したパターン層を実施例1と同様に評価し、その結果を下記の表2に示した。
【0053】
【表2】
Figure 0003920944
表2に示されるように、離型層のヤング率が109 dyne/cm2 以下、臨界表面張力が25dyne/cm未満である中間転写媒体を使用した試料1〜3は、良好なパターン形成が可能であった。
【0054】
これに対して、離型層のヤング率が1010dyne/cm2 である中間転写媒体を使用した試料4は中間転写媒体へのペーストの残存が発生し、また、離型層の臨界表面張力が25dyne/cmである中間転写媒体を使用した試料5は中間転写媒体へのペーストの残存が発生した。
【0055】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば少なくとも無機粉体と600℃以下の焼成で揮発または分解する樹脂成分とを含み、動的粘性率を500〜7000poise の範囲、損失正接 tanδを5〜12の範囲としてパターン形成用ペーストとし、第1工程で基材の一方の面にポリジメチルシロキサンを主体とした離型層を備える中間転写媒体の離型層上に上記のパターン形成用ペーストを所定のパターンで形成し、第2工程で中間転写媒体上のパターンを基板上に転写してパターン層を形成するので、中間転写媒体から基板へのパターン形成用ペーストの良好な転写がなされ、第3工程で500〜600℃で焼成してパターン層の樹脂成分を除去するとともにパターン層を基板に固着させてパターンとするので、電極、抵抗体、誘電体等の高精細なパターン形成が可能である。また、パターン形成用ペーストの樹脂成分をポリブテン系樹脂とすることにより上記の焼成時の樹脂成分除去がさらに円滑に行われ、エッジ精度の極めて高いパターン形成が可能となる。また、中間転写媒体から基板上に転写形成されたパターン層を1〜20μmの厚みを範囲とすることにより、さらに高精細なパターン形成が可能となる。また、中間転写媒体を長尺状とすることによって連続的なパターン形成が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のパターン形成方法の一実施形態を説明するための図である。
【図2】本発明のパターン形成方法の他の実施形態を説明するための図である。
【図3】本発明のパターン形成方法の他の実施形態を説明するための図面である。
【図4】本発明のパターン形成方法の他の実施形態を説明するための図面である。
【図5】本発明のパターン形成方法の他の実施形態を説明するための図面である。
【図6】本発明のパターン形成方法の他の実施形態を説明するための図面である。
【図7】本発明のパターン形成方法の他の実施形態を説明するための図面である。
【図8】本発明のパターン形成方法の他の実施形態を説明するための図面である。
【図9】本発明のパターン形成方法の他の実施形態を説明するための図面である。
【符号の説明】
1,1´…中間転写媒体
2…基材
3…離型層
4,4´…パターン
5,5´…パターン層
P…パターン層
S…基板

Claims (4)

  1. 少なくとも無機粉体と樹脂成分とを含み、動的粘性率が500〜7000poise の範囲であり、損失正接 tanδが5〜12の範囲であり、前記樹脂成分が600℃以下の焼成で揮発または分解することを特徴とするパターン形成用ペースト。
  2. 前記樹脂成分がポリブテン系樹脂であることを特徴とする請求項1に記載のパターン形成用ペースト。
  3. 基材の一方の面にポリジメチルシロキサンを主体とする離型層を備える中間転写媒体の該離型層上に請求項1または請求項2に記載のパターン形成用ペーストを所定のパターンで形成する第1工程と、
    中間転写媒体上の前記パターンを基板上に転写して厚みが1〜20μmの範囲内のパターン層を形成する第2工程と、
    500〜600℃で焼成して前記パターン層の樹脂成分を除去するとともに前記パターン層を基板に固着させる第3工程と、
    を備えることを特徴とするパターン形成方法。
  4. 前記中間転写媒体は長尺状であることを特徴とする請求項3に記載のパターン形成方法。
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