JP2003145337A - ボールエンドミルおよびその製造方法 - Google Patents
ボールエンドミルおよびその製造方法Info
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- B23C—MILLING
- B23C5/00—Milling-cutters
- B23C5/02—Milling-cutters characterised by the shape of the cutter
- B23C5/10—Shank-type cutters, i.e. with an integral shaft
- B23C5/1009—Ball nose end mills
- B23C5/1027—Ball nose end mills with one or more removable cutting inserts
- B23C5/1036—Ball nose end mills with one or more removable cutting inserts having a single cutting insert, the cutting edges of which subtend 180 degrees
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- Milling Processes (AREA)
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Abstract
最適化された厚みの硬質膜を被着形成し、耐摩耗性と耐
欠損性を兼備した長寿命のボールエンドミルを提供す
る。 【解決手段】 ホルダ4の工具本体の先端に切れ刃8の
回転軌跡が略半球状を呈する略円弧状の切れ刃8を有す
るスローアウェイチップ6を取り付けてなるボールエン
ドミルにおいて、前記スローアウェイチップ6の少なく
とも切れ刃部8に硬質膜10を被着形成するとともに、
前記略半球の回転中心aに位置する切れ刃部8の硬質膜
10aの厚みが、略半球の周面に位置する切れ刃部8の
硬質膜10bの厚みよりも薄いボールエンドミルを作製
する。
Description
由曲面を高速回転しながら加工するボールエンドミルに
関し、特に耐摩耗性と耐欠損性を兼備したスローアウェ
イ式ボールエンドミルに関する。
ルのうち、特にスローアウェイ式ボールエンドミルは、
回転軸を有するホルダの所定位置に1つまたは複数のス
ローアウェイチップを取り付け、前記ホルダの回転に伴
って、前記チップの切れ刃が略半球を呈しつつ被削材を
複雑な形状に加工するものである。
加工時に回転中心付近は切削速度が小さく、また外周刃
付近では切削速度が大きくなるため、低速加工となる回
転中心では摩擦抵抗が大きく、逆に外周部では、摩耗進
行が速いという問題があった。
チップ母材の表面にTiCNやTiN等の硬質膜を回転
中心部に被着形成し、被削材との摩擦抵抗を低減して耐
欠損性を高める方法が記載されている。
質膜を回転中心部に被着形成したボールエンドミルで
は、切削初期は、回転中心付近の摩擦抵抗を低減するこ
とはできるものの、切削時間を延長して硬質膜の剥離が
発生すると、硬質膜を被覆しないものよりも大きく損傷
してしまい、また、外周部での耐摩耗性を改善できない
ためにエンドミル全体として性能が低下してしまうもの
であった。
で、その目的は耐欠損性と耐摩耗性に優れた長寿命のボ
ールエンドミルを提供することにある。
ドミル用チップに被着形成する硬質膜の構成について検
討した結果、切削速度が高くなる外周部には耐摩耗性を
重視して膜厚を厚くするとともに、回転中心近くでは耐
チッピング性を重視して膜厚を薄くすることにより、耐
摩耗性と耐欠損性を兼備した長寿命のチップが得られる
ことを知見し本発明に至った。
球状の回転軌跡を呈する略円弧状の切れ刃を具備したボ
ールエンドミルにおいて、少なくとも前記切れ刃部に前
記略半球の回転中心に位置する切れ刃部分の硬質膜の厚
みが、前記略半球の周面に位置する切れ刃部分の硬質膜
の厚みよりも薄い硬質膜を被着形成してなることを特徴
とするボールエンドミルである。
れ刃部分の硬質膜の厚みd1と、前記略半球部の周面に
位置する硬質膜の最大厚みd2との比d1/d2が0.7
以下であることが望ましい。
の回転中心に位置する切れ刃部分から前記略半球の周面
に向かって次第に増加することが望ましい。
被着形成された少なくとも1層からなることが望まし
い。
刃部分の硬質膜が、前記略半球の回転中心に位置する切
れ刃部分の硬質膜よりも多層被覆されていてもよい。
くとも切れ刃部に硬質膜を被着形成したスローアウェイ
チップを、工具本体の先端に切れ刃の回転軌跡が略半球
状を呈するように取り付けるボールエンドミルの製造方
法において、前記略半球状の回転中心近傍に成膜厚みを
制御する遮蔽板を配置して、前記硬質膜を成膜すること
が望ましく、さらに母材表面の少なくとも切れ刃部に硬
質膜を被着形成したスローアウェイチップを、工具本体
の先端に切れ刃の回転軌跡が略半球状を呈するように取
り付けるボールエンドミルの製造方法において、前記半
球状の回転中心に位置する切れ刃部分にマスクを用い
て、前記略半球の周面に位置する切れ刃部分に硬質膜が
多層になるように前記硬質膜を成膜してもよい。
滑性に優れた窒化チタン、窒化アルミニウムチタン、窒
化クロム、窒化クロムチタン、硫化マンガン、炭化タン
グステン等の被膜を成膜することが望ましく、第二の成
膜工程での周面刃領域へのコーティングでは炭窒化チタ
ン、窒化アルミニウムチタン、炭化チタン、酸化アルミ
ニウム等の耐摩耗性に優れる硬質膜を成膜することが望
ましい。
であるホルダにスローアウェイチップを装着してなるス
ローアウェイ式ボールエンドミルの例について、その概
略正面図である図1とスローアウェイチップを拡大して
示す図2をもとに説明する。
ンドミル1は円柱状のシャンク2の先端に挟持部3が配
備されたホルダ(工具本体)4の挟持部3にスローアウ
ェイチップ6が止めネジ7にて装着、固定されている。
そしてシャンクの中心aを軸にして回転することにより
スローアウェイチップ6の切れ刃が略半球状を呈するよ
うにチップ6の切れ刃8は円弧状をなしている。
略半球の回転中心に位置する切れ刃8部分の硬質膜10
aの厚みが、前記略半球の周面に位置する切れ刃8部分
の硬質膜10bの厚みよりも薄いことが大きな特徴であ
り、これによってボールエンドミルの耐欠損性と耐摩耗
性をともに向上させることができる。
10bの厚みが全領域にわたって均一であるか、略半球
の回転中心に位置する切れ刃8部分の硬質膜10aの厚
みが前記略半球の周面に位置する切れ刃8部分の硬質膜
10bの厚みよりも厚いと、切れ刃8位置の切削速度の
違いにより、切削速度の遅い中心近辺で切れ刃8に負荷
がかかり、硬質膜の剥離、切れ刃8の損傷を引き起こ
し、切削工具として使用できなくなる。
立するために、前記略半球の回転中心に位置する切れ刃
8部分の硬質膜10aの厚みd1と、前記硬質膜の最大
厚みd2との比d1/d2が0.7以下、特に0.3〜
0.6であることが望ましい。
面粗度向上の点で、前記硬質膜の厚みが、前記略半球の
回転中心に位置する切れ刃8部分から前記略半球の周面
に向かって次第に、すなわち連続的あるいは段階的に、
特に連続的に増加することが望ましい。
えば、超硬合金、サーメットからなり、硬質膜10a、
10bはチタンの炭化物、窒化物、炭窒化物、炭酸窒化
物、窒化アルミニウムチタン、窒化アルミニウムチタ
ン、窒化クロム、窒化クロムチタン、窒化ジルコニウ
ム、窒化ジルコニウムチタン、炭化タングステン、硫化
マンガン、酸化アルミニウム、DLC、ダイヤモンド、
cBNの少なくとも1種、特に窒化チタン、炭窒化チタ
ン、および窒化アルミニウムチタンの群からなることが
望ましい。
8以外の平面部分においても切りくずの衝突による損
傷、発熱を防止する上で、硬質膜10が形成されること
が望ましいが、逃げ面の硬質膜10の膜厚がすくい面の
硬質膜10の膜厚より大きいことが、耐摩耗性の点から
望ましい。
制御が容易な点で物理気相蒸着法にて被着形成されたも
のであることが望ましい。さらに本発明によれば、硬質
膜10は単層に限定されるものでなく、多層形成された
ものであってもよく、この場合、硬質膜10の層数を変
える、すなわち多層化によって膜厚を制御することも可
能である。
ルエンドミル1ではスローアウェイチップが1つ装着さ
れたものであったが、本発明はこれに限定されるもので
はなく、底面と側面に別々にチップを装着するものであ
ってもよい。この場合でも回転中心を含む底面刃の硬質
膜10の膜厚を側面刃のそれよりも薄くするか、または
回転中心に向かって次第に、すなわち連続的または段階
的に薄くすることによって上述した耐欠損性、耐摩耗性
を向上できる。
等高線加工等のホルダ4を平面方向に動かすことの多い
ボールエンドミルに対して特に有効なのである。 (製造方法)次に、上述したスローアウェイボールエン
ドミルの製造方法を説明する。まず、超硬合金やサーメ
ット等の母材を従来公知の成形・焼成によって作製し、
所望によってダイヤモンドホイール、研削盤、グライン
ディングセンター等の加工装置を用いて所定形状に研削
加工したあと、所望により、酸、アルカリ、有機溶剤、
純水にて洗浄し、十分乾燥させる。さらに必要に応じ、
ブラスト処理、ブラシ処理、バレル処理等を行なう。
法としてはCVD法(化学気相蒸着法)、PVD法(物
理気相蒸着法)が挙げられるが、特にアーク方式、ホロ
ーカソード方式等のイオンプレーティング装置、マグネ
トロンスパッタリング装置等をを利用したPVD法が膜
厚制御の点で好適である。
0の膜厚を局所的に異ならしめるために、成膜に際し、
図3に示すように回転中心に位置する切れ刃8部を成膜
速度の遅い位置に配置したり、より確実な方法として、
回転中心に位置する切れ刃8部付近にステンレス等にて
作製した遮蔽板15を配置した状態で成膜する方法や、
図4に示すように回転中心に位置する切れ刃8部表面に
マスク17をした状態で成膜し積層数を異ならしめる方
法等が挙げられる。なお、多層硬質膜を成膜する場合に
はそれぞれの硬度、靭性等の膜質に応じた構成および膜
厚に調整し、回転中心では耐欠損性を重視し、かつ側面
では耐摩耗性を重視した構成とする。
(WC)粉末を89%(重量比)、金属コバルト(C
o)粉末を10%(重量比)、および炭化バナジウム
(VC)と炭化クロム(Cr3C2)を合わせて1%(重
量比)、混合・粉砕・造粒し、エンドミル用チップ形状
に成形した後、1400℃×1時間焼成してチップ母材
用超硬合金を作製した。この超硬合金を研削盤、グライ
ンディングセンターにて研削加工し、洗浄後、乾燥し
た。
ィング内にセットし、回転中心に位置する切れ刃部の直
上にステンレス製の遮蔽板を設置した状態(図3参照)
で表1に示す硬質膜を作製した。成膜後、同様に作製し
たチップ断面をSEM観察し、膜厚を測定した結果を表
1に記載した。
用いて下記切削条件により射出成形用金型の切削加工を
行ない、スローアウェイチップの摩耗量および損傷状態
を測定した。なお、切削試験中に最大摩耗量が0.2m
mあるいは加工部品の表面性状が劣化した場合、その時
点を工具寿命とした。
膜の分布が均一なNo.1および硬質膜の膜厚の比率d
1/d2が0.7より大きい試料No.2は、切削加工中
に回転軸中心近辺で硬質膜の剥離が発生し、超硬合金母
材が露出した部分に被削物が溶着し、加工面が劣化し
た。
〜10では、回転軸中心近辺の切れ刃においても正常摩
耗状態であり、加工部品3個以上(合計加工時間90m
in以上)加工が可能となり、切れ刃の損傷等の異常を
起こさず、安定した加工が可能となった。
ールエンドミルによれば、少なくとも切れ刃部に略半球
の回転中心に位置する切れ刃部分の硬質膜の厚みが、略
半球の周面に位置する切れ刃部分の硬質膜の厚みよりも
薄い硬質膜を被着形成してなることから、耐欠損性と耐
摩耗性をともに向上させることができるとともに、仕上
面粗度を向上させることができ、一枚もしくは一組のス
ローアウェイチップで広い加工速度範囲に対応できる。
製造方法によれば、ボールエンドミルの略半球状の回転
中心近傍に成膜厚みを制御する遮蔽板を配置して硬質膜
を成膜することから、簡単方法で略半球の回転中心に位
置する切れ刃部分の硬質膜の厚みが略半球の周面に位置
する切れ刃部分の硬質膜の厚みよりも薄い硬質膜を形成
できる。
製造方法によれば、半球状の回転中心に位置する切れ刃
部分にマスクを用いて、略半球の周面に位置する切れ刃
部分に硬質膜が多層になるように成膜することから、簡
単方法で略半球の回転中心に位置する切れ刃部分の硬質
膜の厚みが略半球の周面に位置する切れ刃部分の硬質膜
の厚みよりも薄い硬質膜を形成できる。
イチップを説明するための図である。
ェイチップの製造方法の一例を説明するための図であ
る。
ェイチップの製造方法の一他の例を説明するための図で
ある。
Claims (7)
- 【請求項1】 先端に略半球状の回転軌跡を呈する略円
弧状の切れ刃を具備したボールエンドミルにおいて、少
なくとも前記切れ刃部に前記略半球の回転中心に位置す
る切れ刃部分の硬質膜の厚みが、前記略半球の周面に位
置する切れ刃部分の硬質膜の厚みよりも薄い硬質膜を被
着形成してなることを特徴とするボールエンドミル。 - 【請求項2】 前記略半球の回転中心に位置する切れ刃
部分の硬質膜の厚みd 1と、前記略半球部の周面に位置
する硬質膜の最大厚みd2との比d1/d2が0.7以下
であることを特徴とする請求項1記載のボールエンドミ
ル。 - 【請求項3】 前記硬質膜の厚みが、前記略半球の回転
中心に位置する切れ刃部分から前記略半球の周面に向か
って次第に増加することを特徴とする請求項1または2
記載のボールエンドミル。 - 【請求項4】 前記硬質膜が物理気相蒸着法にて被着形
成された少なくとも1層からなることを特徴とする請求
項1乃至3のいずれか記載のボールエンドミル。 - 【請求項5】 前記略半球の周面に位置する切れ刃部分
の硬質膜が、前記略半球の回転中心に位置する切れ刃部
分の硬質膜よりも多層被覆されてなることを特徴とする
請求項1乃至4のいずれか記載のボールエンドミル。 - 【請求項6】 母材表面の少なくとも切れ刃部に硬質膜
を被着形成したスローアウェイチップを、工具本体の先
端に切れ刃の回転軌跡が略半球状を呈するように取り付
けるボールエンドミルの製造方法において、前記略半球
状の回転中心近傍に成膜厚みを制御する遮蔽板を配置し
て、前記硬質膜を成膜することを特徴とするボールエン
ドミルの製造方法。 - 【請求項7】 母材表面の少なくとも切れ刃部に硬質膜
を被着形成したスローアウェイチップを、工具本体の先
端に切れ刃の回転軌跡が略半球状を呈するように取り付
けるボールエンドミルの製造方法において、前記半球状
の回転中心に位置する切れ刃部分にマスクを用いて、前
記略半球の周面に位置する切れ刃部分に硬質膜が多層に
なるように前記硬質膜を成膜することを特徴とするボー
ルエンドミルの製造方法。
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JP2009066673A (ja) * | 2007-09-11 | 2009-04-02 | Kyocera Corp | エンドミル |
JP2014195863A (ja) * | 2013-03-29 | 2014-10-16 | 三菱マテリアル株式会社 | エンドミル |
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- 2001-11-19 JP JP2001352820A patent/JP3810305B2/ja not_active Expired - Fee Related
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