JP5094293B2 - 切削工具 - Google Patents

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本発明は、基体の表面に被覆層を被着形成し、かつ切刃にホーニングを形成した切削工具に関する。
金属の切削加工分野ではその加工条件が年々厳しくなり、これに用いる切削工具として超硬合金やサーメット等硬質焼結体母材の表面に被覆層を被覆した切削工具が普及している。例えば、特許文献1では、フライス加工用の切削工具として耐欠損性が高くかつ刃先の品位がよい物理蒸着法(PVD法)を用いて膜厚0.5〜7μmのTiAlN被覆層を形成したことが開示されている。しかしながら、被覆層を厚くすると耐摩耗性は向上するものの切刃において被覆層が剥離しやすくなってしまうことは良く知られている。特にPVD法にて形成した被覆層には高い圧縮応力が発生するとともに、エッジ効果により切刃稜線部のみに局所的に被覆層が厚く形成される傾向があり、切刃における耐欠損性が不十分であるという問題があった。
この問題を解決する方法として、特許文献2では切刃稜線部に被覆層の厚みに応じたサイズのホーニングを設けることによって、稜線近傍にて被覆層が破壊や剥離することを防止できることが開示されている。また、特許文献3には、切刃部分にR:0.03(0.03mm)のホーニングを設けて、PVD法の一種であるスパッタ法により層厚1〜15μmのTiAlN層を形成したことが記載されている。
さらに、本出願人は特許文献4にて、ミーリング工具にホーニングを形成する際に辺部切刃の境界損傷が発生しやすい部分についてのホーニング寸法を所定の範囲内に制御することによって、ミーリング加工性能を安定化できることを開示した。
特開2003−326415号公報 特開2000−52107号公報 特開2005−7558号公報 特開2005−238367号公報
しかしながら、特許文献2や特許文献3のように基体の切刃部にホーニングを設けた状態でPVD層を形成する方法でも、これをステンレス等の難削材を加工用として用いた場合やミーリング加工用として用いた場合には切削性能が不十分であった。すなわち、被覆層の層厚が薄くて耐摩耗性が不十分であったり、被覆層の厚みを厚くしてそれに応じたホーニングをつけると切刃のノーズRの頂部から離れた辺部位置に境界損傷が発生しやすくなってさほど工具寿命を延ばすことにはならなかった。
また、特許文献4のように、境界損傷が発生しやすい部分のホーニング寸法を所定の範囲に制御する方法でも、ミーリング加工性能を安定化することはできるものの、加工性能の向上にはつながらなかった。
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、その目的は、被覆層を有する切削工具において、耐摩耗性に優れるとともに境界損傷等の異常摩耗を抑制した切削工具を提供することにある。
本発明の切削工具は、ノーズRを有する工具形状の基体の表面に、膜厚μmの(Ti,M) 1−a Al (C 1−b )(ただし、MはTiを除く周期表第4、5、6族元素、Si、Y、Ceのうちの一種以上の金属元素、0.25≦a≦0.75、0≦b≦1)で表わされる被覆層を被着形成するとともに、前記ノーズRにホーニングを設けて、前記ノーズRの頂部でのすくい面側から見たホーニング幅をRrc、該ノーズRの頂部での逃げ面側から見たホーニング幅をRfcとしたとき、0.015mm≦Rrc≦0.030mm、0.013mm≦Rfc≦0.030mmであり、かつ前記ノーズRの頂部から3mm離れた位置でのすくい面側および逃げ面側から見たホーニング幅をそれぞれRrp、Rfpとしたとき、0.013mm≦Rrp≦0.029mm、0.010mm≦
Rfp≦0.021mmであり、かつRrp/Rfp比がRrc/Rfc比よりも大きい構成としたものである。
ここで、上記構成において、前記Rfcが前記Rfpよりも大きいことが望ましい。
また、上記構成において、1.05≦Rfc/Rfp≦2.4であることが望ましい。
さらに、上記構成において、前記被覆層がスパッタリング法により形成されたものであることが望ましい。
上記本発明の切削工具によれば、被覆層の膜厚をμmの(Ti,M) 1−a Al (C 1−b )(ただし、MはTiを除く周期表第4、5、6族元素、Si、Y、Ceのうちの一種以上の金属元素、0.25≦a≦0.75、0≦b≦1)で表わされる被覆層とし、かつノーズRの頂部でのすくい面側から見たホーニング幅Rrcを0.015mm≦Rrc≦0.030mmに、ノーズRの頂部での逃げ面側から見たホーニング幅Rfcを0.013mm≦Rfc≦0.030mmに制御するとともに、ノーズRの頂部から3mm離れた位置でのすくい面側および逃げ面側から見たホーニング幅Rrp、Rfpとしたとき、0.013mm≦Rrp≦0.029mm、0.010mm≦Rfp≦0.021mmであり、かつRrp、Rfpの比(Rrp/Rfp)が、ノーズRの頂部における比(Rrc/Rfc)よりも大きい構成となっている。これによって、強い衝撃がかかるノーズRの頂部においては微小なホーニング幅でありながら衝撃に対しても被覆層がチッピングや剥離することがない。しかも、切刃辺部のうちの切削中に被削材が加工硬化して発生する境界損傷を引き起こしやすい部分では、ホーニング形状が耐摩耗性に優れたものとなっているので、切刃辺部の摩耗が抑制できる。その結果、境界損傷の発生を遅らせることができて、切削工具の寿命を延ばすことができる。
ここで、前記Rfc(ノーズRの頂部での逃げ面側から見たホーニング幅)が、前記Rfp(ノーズRの頂部から3mm離れた位置での逃げ面側から見たホーニング幅)よりも大きいことが望ましく、これによって、切刃辺部のうちの境界損傷を引き起こしやすい部分での切れ味が良く、かつノーズR部での耐欠損性が向上する結果となる。また、ノーズRの頂部ではエッジ効果によって被覆層がより厚く形成される傾向にあるが、比較的大きなホーニングを設けることによって被覆層の厚みを他の部分に近づけることができる結果、ノーズRの頂部における耐欠損性を高めることができる。一方、被削材の加工硬化により切削によってより摩耗が進行しやすい辺部では、被覆層の厚みが厚くなる傾向となり耐摩耗性が向上し、境界損傷の発生をさらに抑制できるのである。特に、その比率は、1.05≦Rfc/Rfp≦2.4であることが、耐摩耗性及び耐欠損性のバランスがよく切れ刃全体の切削性能を高める点で望ましい。
さらに、前記被覆層がスパッタリング法により形成されたものであることが、表面が平滑で耐溶着性が高いとともに、被覆層に内在する内部応力が小さくて層厚を厚くしても自己破壊することなく被覆層のチッピングや剥離が発生しにくい点で望ましい。また、被覆層の組成は、M1−aAl(C1−b)(ただし、Mは周期表第4、5、6族元素、Si、Y、Ceのうちの一種以上の金属元素、0.25≦a≦0.75、0≦b≦1)で表わされるものであることが、硬度と耐酸化性に優れて高い耐摩耗性を有する点で重要である
本発明の切削工具の一例について、その好適例であるスローアウェイチップ(以下、単にチップと略す。)を装着したスローアウェイ式ミーリング工具Aの先端部概略斜視図である図1、および装着されるスローアウェイチップの(a)概略斜視図、(b)平面図である図2、図2のスローアウェイチップについて(a)a−aライン、(b)b−bラインについての断面図である図3を基に説明する。
図1〜3によれば、チップ1は、主面が略平板状を呈する基体2のすくい面3をなす主面および逃げ面4をなす側面との交差稜線がコーナー切刃5を挟んで主切刃6および副切刃7を具備した切刃8をなし、かつ基体2表面に被覆層9を被覆し、切刃8のすくい面3から逃げ面4にわたってホーニング10を設けてなる。そして、スローアウェイ式ミーリング工具Aはホルダ20のチップポケット21にチップ1を装着してなる。なお、チップ1は中央部に形成されているねじ穴23にねじ22を挿入してホルダ20にねじ22を螺合することによりクランプされている。
そして、図3に示すように、チップ1は、コーナー切刃5のようなノーズRを有する工具形状の基体2の表面に、膜厚μmのの(Ti,M) 1−a Al (C 1−b )(ただし、MはTiを除く周期表第4、5、6族元素、Si、Y、Ceのうちの一種以上の金属元素、0.25≦a≦0.75、0≦b≦1)で表わされる被覆層9を被着形成するとともに、コーナー切刃(ノーズR)5にホーニング10を設けて、コーナー切刃5の頂部11でのすくい面3側から見たホーニング幅をRrc、コーナー切刃5の頂部での逃げ面側から見たホーニング幅をRfcとしたとき、0.015mm≦Rrc≦0.030mm、0.013mm≦Rfc≦0.030mmであり、かつコーナー切刃5の頂部から3mm離れた位置(以下、切刃境界部と称す。)12でのすくい面3側および逃げ面4側から見たホーニング幅をそれぞれRrp、Rfpとしたとき、0.013mm≦Rrp≦0.029mm、0.010mm≦Rfp≦0.021mmであり、かつRrp/Rfp比が、コーナー切刃5の頂部11におけるRrc/Rfc比よりも大きい構成となっている。
これによって、強い衝撃がかかるコーナー切刃5の頂部11においては微小なホーニング幅でありながら衝撃に対しても被覆層9がチッピングや剥離することがない。しかも、切刃8のうちの切削中に被削材が加工硬化して発生する境界損傷を引き起こしやすい切刃境界部12では、ホーニング幅の小さくかつ耐摩耗性に優れたホーニング10が形成されているので切れ味がよく、被削材の加工硬化を極力抑制できるとともに切刃境界部における摩耗が抑制できる。その結果、境界損傷の発生を遅らせることができて、チップ1の寿命を延ばすことができる。
ここで、上記構成によれば、被覆層9の層厚がμm未満では耐摩耗性が急激に低下して境界損傷の進行が著しくなり早期に摩耗してしまう。また、Rrcが0.015mm未満であるとエッジ効果により切刃8において被覆層9の剥離が生じやすく、耐欠損性も低下する。Rrcが0.030mmを越えると、耐摩耗性が著しく減少する。一方、Rfcが0.013mm未満であるとノーズR部と同様に被覆層9が剥離を生じやすい傾向となり、Rfcが0.030mmを越えると、耐摩耗性が低下することとなる。また、被覆層9の層厚の範囲は5〜8μmである。
ここで、切刃境界部12での逃げ面側から見たホーニング幅Rfpが、ノーズRの頂部11での逃げ面側から見たホーニング幅Rfcよりも小さいことが、切刃辺部のうちの境界損傷を引き起こしやすい切刃境界部での切れ味が良く、かつコーナー切刃5の頂部11での耐欠損性が向上するので望ましい。すなわち、コーナー切刃5の頂部11ではエッジ効果により被覆層9がより厚く形成される傾向にあるが、比較的大きなホーニング10を設けることによって被覆層の厚みを他の部分に近づけることができる結果、コーナー切刃5の頂部11における耐欠損性を高めることができる。一方、被削材の加工硬化により切削によってより摩耗が進行しやすい切刃境界部12では、被覆層9の厚みが厚くなる傾向となり耐摩耗性が向上し、境界損傷の発生をさらに抑制できるのである。特に、その比率は、1.05≦Rfc/Rfp≦2.4であることが、耐摩耗性及び耐欠損性のバランスがよく切れ刃全体の切削性能を高める点で望ましい。Rfc/Rfpの望ましい範囲は、1.2〜2.0である。
ここで、上記のような寸法に制御されたホーニングを得る方法としては、コーナー切刃5の頂部11に向かう方向と、コーナー切刃5の頂部11に隣接する辺部方向に対して、すくい面または逃げ面の方向にチップの傾き角度を変化させながら図4に示すようなブラシを当てるか、砥粒の当たる向きを変えながらブラスト処理によるホーニング加工を行うことによって、上記所望のホーニング形状を得ることができる。このとき、コーナー切刃5の頂部11に対して線対称となるようなホーニング形状とするためには、コーナー切刃5の頂部11に対して線対称な2つ以上の方向からホーニング加工を行えばよい。なお、コーナー切刃5の頂部11はエッジなので、形状上隣接する辺部よりもホーニングが大きくなる傾向にある。
また、ホーニング10の形状は、被覆層の剥離を抑制するためにRホーニングであることが望ましいが、Cホーニング(チャンファホーニング)であってもよい。
なお、チップ1のコーナー切刃5の逃げ面には、ポジ角θが形成されているが、コーナー切刃5の頂部11におけるポジ角θcが切刃境界部12におけるポジ角θpよりも大きいことが、コーナー切刃5の頂部11における耐欠損性を高めるために望ましい。また、切刃境界部12におけるランド幅dpがコーナー切刃5の頂部11におけるランド幅dcよりも小さいことが、切刃境界部12における切れ味を高めるために望ましい。
さらに、前記被覆層がスパッタリング法により形成されたものであることが、表面が平滑で耐溶着性が高いとともに、被覆層に内在する内部応力が小さくて層厚を厚くしても自己破壊することなく被覆層のチッピングや剥離が発生しにくい点で望ましい。さらに、被覆層9に関しては、CVD法またはPVD法によって形成されたTiC、TiCN、TiN、(TiM)N(ただし、MはAl、Si、Zr及びCrの群から選ばれる少なくとも1種)、Al、ダイヤモンド(PCD、DLCを含む)及びcBNの群から選ばれる少なくとも1層またはこれらの複層が適応可能であるが、中でも付着強度の点で、M1−aAl(C1−b)(ただし、Mは周期表第4、5、6族元素、Si、Y、Ceのうちの一種以上の金属元素、0.25≦a≦0.75、0≦b≦1)で表わされるものであることが、硬度と耐酸化性に優れて高い耐摩耗性を有する点で重要である
一方、本発明において、基体2は、超硬合金、サーメットまたはセラミックのいずれも適応可能であるが、中でも被覆層6との付着強度の点およびホーニング加工時の形状調整が容易な点で超硬合金に対して最も好適に適応可能である。
(実施例1)
平均粒径0.8μmの炭化タングステン(WC)粉末を主成分として、平均粒径1.2μmの金属コバルト(Co)粉末を10質量%、平均粒径1.0μmの炭化バナジウム(VC)粉末を0.3質量%、平均粒径1.0μmの炭化クロム(Cr)粉末を0.6質量%の割合で添加し混合して、プレス成形により刃先交換式ミーリング用切削工具形状(BDMT11T308ER−JT)に成形した後、脱バインダ処理を施し、0.01Paの真空中、1450℃で1時間焼成して超硬合金を作製した。なお、θc=0.5°、θp=3°、dc=0.18mm、dp=0.22mmとした。
次に、各試料のすくい面表面をブラスト加工、またはブラシ加工等によって両頭研磨加工を行った。さらに、切刃付近に対してブラシ加工またはブラスト加工によって、下記被覆層を成膜したチップの形状が、コーナー切刃の頂部でのすくい面側と逃げ面側から見たホーニング幅:Rrc、Rfc、および切刃境界部でのすくい面3側と逃げ面4側から見たホーニング幅:Rrp、Rfpが表1に示す寸法となるようにホーニングを形成した。
このようにして作製した基体に対してスパッタリング法により表1に示す種々の組成にて被覆層を成膜した。
得られた試料に対して、ホーニング幅(Rrc、Rfc、Rrp、Rfp)を投影機及び実体顕微鏡にて観察して定量化した。また、被覆層の層厚は被覆層の断面について走査型電子顕微鏡(SEM)にて観察して測定した。また、走査型電子顕微鏡(SEM)にて観察する際に、エネルギー分散分光分析(EDS)によって各被覆層の任意3箇所における組成を測定し、これらの平均値を各被覆層の組成として算出した。
次に、得られたスローアウェイチップを図1に示す刃先交換式ミーリング用切削工具に取り付けて、以下の切削条件にて切削試験を行った。結果は表2に示した。なお、表1、2の試料No.1、3は参考試料を示す。
切削方法:肩削り(ミーリング加工)
被削材 :SKD11
切削速度:150m/min
送り :0.12mm/tooth
切り込み:横切り込み10mm、深さ切り込み3mm
切削状態:乾式
評価方法:15分間切削した時点で、インサート逃げ面における摩耗量(幅)を測定した。なお、摩耗幅の算出に際して、加工前のホーニング幅分を差し引くようにした。
Figure 0005094293
Figure 0005094293
表1、2に示すとおり、刃先ホーニング幅が大きい試料No.7では、切削抵抗が多きいため、加工初期において刃先付近に不均一な微小剥離が生じやすい傾向にあり、摩耗の進行も不均一となり、大きな境界損傷が生じた。また、被覆層の層厚がμmより薄い試料No.9では、切刃全体において摩耗の進行が早かった。さらに、被覆層の層厚がμmより厚い試料No.8では、加工早期に被膜の大規模なチッピングを生じ、母材の摩耗の進行により加工不可能となった。また、ホーニングを形成しなかった試料No.10、およびホーニング幅Rrcが0.015mmより小さい試料No.11では、加工初期に突発欠損してしまった。さらに、ノーズRの頂部におけるホーニング幅の比(Rrc/Rfc)がノーズRの頂部から3mm離れた位置におけるホーニング幅の比(Rrp/Rfp)よりも大きい試料No.12では、境界摩耗が進行して最終的に境界損傷を引き起こした。
これに対して、本発明に基づくホーニング形状および被覆層の層厚である試料No.2、4〜6では、いずれもコーナー切刃の頂部における摩耗の進行も遅くかつ境界摩耗の進行も遅くて工具寿命の長いものであった。
(実施例2)
実施例1の試料No.4、6のスローアウェイチップに対して、被覆層の成膜をスパッタリング法による成膜からアークイオンプレーティング法による成膜に変更して、表3に示す被覆層とする以外は実施例1と同様にスローアウェイチップを作製し、切削性能を評価した。
Figure 0005094293
表3に示すように、表1、2の実施例のようにスパッタリング法を用いて成膜した試料と比較すると耐摩耗性、耐欠損性とも少し劣るが、表1、2の比較例よりは切削性能に優れたものであることがわかった。
本発明の一実施例のミーリング工具の好適例であるスローアウェイ式ミーリング工具についての先端部概略斜視図である。 図1のスローアウェイ式ミーリング工具に装着されるスローアウェイチップの(a)概略斜視図、(b)平面図である。 図2のスローアウェイチップの(a)a−a断面図、(b)b−b断面図である。 図1〜3のスローアウェイチップのホーニング加工方法を説明するための模式図である。
符号の説明
1 スローアウェイチップ(チップ)
2 母材
3 すくい面
4 逃げ面
5 コーナー切刃
6 主切刃
7 副切刃
8 切刃
9 被覆層
10 ホーニング部
11 ノーズRの頂部
12 切刃境界部(ノーズRの頂部から3mm位置)
20 工具本体
21 チップポケット
22 ねじ
23 ねじ穴
30 ブラシ
θ ポジ角
Rrp 切刃のノーズRの頂部から3mm位置のすくい面方向のホーニング量
Rfp 切刃のノーズRの頂部から3mm位置の逃げ面方向のホーニング量
Rrc 切刃のコーナー部中央(ノーズRの頂部)のすくい面方向のホーニング量
Rfp 切刃のコーナー部中央(ノーズRの頂部)の逃げ面方向のホーニング量

Claims (4)

  1. ノーズRを有する工具形状の基体の表面に、膜厚μmの(Ti,M) 1−a Al (C 1−b )(ただし、MはTiを除く周期表第4、5、6族元素、Si、Y、Ceのうちの一種以上の金属元素、0.25≦a≦0.75、0≦b≦1)で表わされる被覆層を被着形成するとともに、前記ノーズRにホーニングを設けて、前記ノーズRの頂部でのすくい面側から見たホーニング幅をRrc、該ノーズRの頂部での逃げ面側から見たホーニング幅をRfcとしたとき、0.015mm≦Rrc≦0.030mm、0.013mm≦Rfc≦0.030mmであり、かつ前記ノーズRの頂部から3mm離れた位置でのすくい面側および逃げ面側から見たホーニング幅をそれぞれRrp、Rfpとしたとき、0.013mm≦Rrp≦0.029mm、0.010mm≦Rfp≦0.021mmであり、かつRrp/Rfp比がRrc/Rfc比よりも大きい構成とした切削工具。
  2. 前記Rfcが前記Rfpよりも大きい請求項1記載の切削工具。
  3. 1.05≦Rfc/Rfp≦2.4である請求項2記載の切削工具。
  4. 前記被覆層がスパッタリング法により形成されたものである請求項1乃至3のいずれか記載の切削工具。
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