JP2003145201A - 圧延方法 - Google Patents
圧延方法Info
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- JP2003145201A JP2003145201A JP2001349123A JP2001349123A JP2003145201A JP 2003145201 A JP2003145201 A JP 2003145201A JP 2001349123 A JP2001349123 A JP 2001349123A JP 2001349123 A JP2001349123 A JP 2001349123A JP 2003145201 A JP2003145201 A JP 2003145201A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 材料表面のシワ疵および割れ疵の発生を防止
して、高品質の製品を生産する。 【解決手段】 8ロール式圧延機10の下流側に、複数
の2ロール式圧延機36が、被圧延材料12のパスライ
ンPLに沿って直列に配置される。2ロール式圧延機群
におけるロール孔型は、オーバル孔型とラウンド孔型と
が交互となるよう設定される。そして、断面角形の被圧
延材料12は、8ロール式圧延機10を通過すること
で、断面丸形に圧延される。この断面丸形の被圧延材料
12は、2ロール式圧延機群におけるオーバル孔型とラ
ウンド孔型とを交互に通過することで、所定寸法の断面
丸形にまで圧延される。
して、高品質の製品を生産する。 【解決手段】 8ロール式圧延機10の下流側に、複数
の2ロール式圧延機36が、被圧延材料12のパスライ
ンPLに沿って直列に配置される。2ロール式圧延機群
におけるロール孔型は、オーバル孔型とラウンド孔型と
が交互となるよう設定される。そして、断面角形の被圧
延材料12は、8ロール式圧延機10を通過すること
で、断面丸形に圧延される。この断面丸形の被圧延材料
12は、2ロール式圧延機群におけるオーバル孔型とラ
ウンド孔型とを交互に通過することで、所定寸法の断面
丸形にまで圧延される。
Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、断面角形の被圧
延材料を8ロール式圧延機により断面丸形に圧延した後
に、オーバル−ラウンド法により所定寸法の断面丸形と
なるまで圧延する圧延方法に関するものである。 【0002】 【従来の技術】棒鋼や線材等の被圧延材料のパスライン
を挟んで対向的に配設された一対の圧延ロールに形成さ
れるロール孔型(カリバ)に、被圧延材料を通過させるこ
とによって所要の圧延を施す2ロール式圧延機を用いた
圧延方法では、前記ロール孔型としてオーバル孔型とラ
ウンド(丸)孔型とを交互に順次配置するオーバル−ラウ
ンド法、菱孔型と角孔型とを交互に配置する菱−角法ま
たはボックス孔型を姿勢が交互に90°で傾くよう配置
するボックス法が、適宜組合わされて使い分けられてい
る。 【0003】すなわち、断面角形の被圧延材料を、所定
寸法の断面丸形となるよう圧延する場合は、図5(a)に
示す如く、菱−角法により断面角形の被圧延材料を所
定寸法まで減面した後、オーバル−ラウンド法により所
定寸法の断面丸形となるまで圧延する孔型法と、図5
(b)に示す如く、ボックス法により断面角形の被圧延
材料を所定寸法まで減面した後、オーバル−ラウンド法
により所定寸法の断面丸形となるまで圧延する孔型法と
に大別される。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】構造用鋼等のように加
工性の良好な鋼種の場合は、表面のシワ疵防止に適した
前記の孔型法が用いられ、またステンレス等のように
加工が難しい鋼種の場合は、表面の割れ疵防止に適した
前記の孔型法が用いられる。すなわち、鋼種の違いに
よって採用する孔型法を変える必要があり、段取替え作
業に多大な時間と労力とが必要となり、生産性が低下す
る原因となっている。 【0005】また図6に示す如く、菱−角法は、シワ疵
防止には適しているものの、表面の割れ疵が発生し易
く、またボックス法では、割れ疵防止には適しているも
のの、表面のシワ疵が発生し易く、従って前記および
の孔型法は、表面のシワ疵および割れ疵の両疵の防止
を両立し得るものではなかった。なお、オーバル−ラウ
ンド法は、表面のシワ疵および割れ疵の防止を両立し得
るものではあるが、断面角形の被圧延材料を圧延する場
合は、前述したように前段に菱−角法またはボックス法
の何れかを採用しなければならず、前述した問題を招く
こととなっていた。 【0006】 【発明の目的】本発明は、前述した課題を好適に解決す
るべく提案されたものであって、材料表面のシワ疵およ
び割れ疵の発生を防止して高品質の製品を生産し得る圧
延方法を提供することを目的とする。 【0007】 【課題を解決するための手段】前述した課題を克服し、
所期の目的を達成するため本発明に係る圧延方法は、断
面角形の被圧延材料を、所定寸法の断面丸形に圧延する
圧延方法であって、前記被圧延材料のパスラインを中心
として周方向に所要角度間隔で配設される夫々4本の圧
延ロールからなる前段ロール組と後段ロール組とが、装
置本体にパスラインに沿って直列に組込まれると共に、
前段ロール組と後段ロール組とは、全体の位相が被圧延
材料のパスラインを中心として周方向に所要角度で変位
するよう設定された8ロール式圧延機に、前記断面角形
の被圧延材料を通過させることで、断面丸形に圧延し、
次いで、この断面丸形に圧延された被圧延材料を、オー
バル−ラウンド法により所定寸法の断面丸形となるまで
圧延するようにしたことを特徴とする。 【0008】 【発明の実施の形態】次に、本発明に係る圧延方法につ
き、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照しながら以
下説明する。 【0009】図1は、本実施例に係る圧延方法が実施さ
れる圧延設備の概略構成を示し、図2は、圧延設備を構
成する8ロール式圧延機を示す。この8ロール式圧延機
10は、被圧延材料12の給送方向の前後に位置する前
部ハウジング部14aと後部ハウジング部14bとから
なるブロック状のロールハウジング14を装置本体と
し、前部ハウジング部14aの内部に4本の圧延ロール
からなる前段ロール組16を組込むと共に、後部ハウジ
ング部14bの内側に4本の圧延ロールからなる後段ロ
ール組18を組込んで構成される。前段ロール組16と
後段ロール組18とは、全体の位相が被圧延材料12の
パスラインPLを中心として周方向に所要角度、具体的
には45°変位している。なお、前段ロール組16と後
段ロール組18との基本的な構成は同一であるので、前
段ロール組16に関する構成についてのみ説明すること
とする。 【0010】前記ロールハウジング14の中央には、図
2に示す如く、被圧延材料12のパスラインPLに沿っ
て該材料12の挿通を許容する挿通孔14cが穿設され
ると共に、前部ハウジング部14aの内部には、図3に
示す如く、第1圧延ロール20と第2圧延ロール22が
被圧延材料12のパスラインPLを挟んで上下に対向配
置されると共に、第3圧延ロール24と第4圧延ロール
26がパスラインPLを挟んで左右に対向配置され、こ
れら4本の圧延ロール20,22,24,26の間に被圧
延材料12を挿通することにより、該材料12に圧延を
施すよう構成されている。なお、4本の圧延ロール2
0,22,24,26の外周部は、断面凹曲面状(円弧曲
面)に形成してある。また前段ロール組16において
は、図3に示す如く、第1圧延ロール20および第2圧
延ロール22の軸心が水平に設定されると共に、第3圧
延ロール24および第4圧延ロール26の軸心が垂直に
設定される。 【0011】なお、前記後段ロール組18においては、
図4に示す如く、第1圧延ロール20と第2圧延ロール
22が、被圧延材料12のパスラインPLを挟んで右上
と左下とで対向するよう位置し、第3圧延ロール24と
第4圧延ロール26が、被圧延材料12のパスラインP
Lを挟んで左上と右下とで対向するよう位置している。
そして、断面角形の被圧延材料12を、前段ロール組1
6および後段ロール組18に連続的に通過させること
で、断面丸形に圧延するよう構成される。 【0012】前記前部ハウジング部14aには、前記各
圧延ロール20,22,24,26をパスラインPLに対
して近接・離間移動させる調整機構28が各圧延ロール
20,22,24,26に対応して夫々内装され、パスラ
インPLを挟んで対向する第1圧延ロール20と第2圧
延ロール22との間隔調整(圧下量調整)、および第3圧
延ロール24と第4圧延ロール26との間隔調整(圧下
量調整)を行ない得るよう構成されている。 【0013】前記調整機構28は、前部ハウジング部1
4aに回動可能に内挿された偏心スリーブ30と、この
偏心スリーブ30の偏心位置に穿設された偏心通孔30
aに回動可能に挿通保持された回転軸32とからなり、
該回転軸32に対応する圧延ロールが一体回転可能に配
設される。そして、偏心スリーブ30を図示しない回転
手段により回動することで、回転軸32の軸心が変化
し、これによって圧延ロールは、被圧延材料12のパス
ラインPLに対して近接・離間移動する。すなわち、対
をなす第1圧延ロール20と第2圧延ロール22または
第3圧延ロール24と第4圧延ロール26の各調整機構
28,28を作動させることにより、対向し合う第1圧
延ロール20と第2圧延ロール22または第3圧延ロー
ル24と第4圧延ロール26の間隔調整がなされるよう
になっている。なお、前記後部ハウジング部14bに
も、前記各圧延ロール20,22,24,26をパスライ
ンPLに対して近接・離間移動させる調整機構28が配
設されている。 【0014】前記第1圧延ロール20および第2圧延ロ
ール22は、図示しない駆動装置に連結され、両ロール
20,22は相互に反対方向へ強制的に回転駆動される
よう構成してある。なお実施例では、被圧延材料12の
給材に対する駆動装置の駆動力伝達は、前段ロール組1
6における第1圧延ロール20および第2圧延ロール2
2のみになされ、該前段ロール組16の第3圧延ロール
24と第4圧延ロール26および後段ロール組18の各
圧延ロール20,22,24,26は従動回転するよう構
成される。 【0015】前記8ロール式圧延機10の下流側には、
図1に示す如く、被圧延材料12のパスラインPLを挟
んで対向配置した一対の圧延ロール34,34を有する
2ロール式圧延機36が、パスラインPLに沿って多数
直列に配置される。この2ロール式圧延機列におけるロ
ール孔型は、オーバル孔型とラウンド孔型とが交互とな
るよう設定され、8ロール式圧延機10を通過して断面
丸形に圧延された被圧延材料12は、先ずオーバル孔型
に設定された2ロール式圧延機36に送り込まれるよう
になっている。 【0016】 【実施例の作用】次に、前述のように構成された実施例
に係る圧延設備により実施される圧延方法の作用につき
説明する。 【0017】前記前段ロール組16の第1圧延ロール2
0と第2圧延ロール22とを相互に反対方向へ同期的に
回転したもとで、図1に示す如く、断面角形の被圧延材
料12をロールハウジング14の通孔14cに通過させ
れば、該被圧延材料12の通過と共に第3圧延ロール2
4と第4圧延ロール26および後段ロール組18の各圧
延ロール20,22,24,26が従動回転し、該材料1
2には所要の圧延が施される。すなわち、先ず前段ロー
ル組16の各圧延ロール20,22,24,26により、
被圧延材料12の各角部が圧下される。次いで、後段ロ
ール組18の各圧延ロール20,22,24,26によ
り、被圧延材料12の残りの自由面が圧下され、これに
よって該被圧延材料12は断面丸形に圧延される。 【0018】ここで、4本の圧延ロール20,22,2
4,26からなる前段ロール組16および後段ロール組
18を通過させることで断面角形の被圧延材料12を断
面丸形に圧延する8ロール式圧延機10では、その圧延
に際して材料表面にシワ疵および割れ疵が発生する確率
は極めて低く、断面丸形に圧延された被圧延材料12の
表面にはシワ疵および割れ疵の両疵は殆どない。 【0019】前記8ロール式圧延機10を通過して断面
丸形に圧延された被圧延材料12は、オーバル孔型の2
ロール式圧延機36に送り込まれ、ここで断面オーバル
形に圧延されて、次のラウンド孔型の2ロール式圧延機
36に送り込まれて断面丸形に圧延される。そして、以
後はオーバル孔型とラウンド孔型とを交互に通過するこ
とを繰返すことで、所定寸法の断面丸形にまで圧延され
る。 【0020】すなわち、材料表面の割れ疵およびシワ疵
の防止を両立し得る8ロール式圧延機10を用いて断面
角形の被圧延材料12を断面丸形に圧延した後に、オー
バル−ラウンド法により圧延することで、材料表面にシ
ワ疵および割れ疵の発生を防止することができ、高品質
の製品を生産し得る。また加工性の良い鋼種や加工の難
しい鋼種等によって孔型法を変更する必要はないから、
段取替えに要する時間を短縮して生産能率を向上させる
ことができる。 【0021】 【実験例】構造用鋼(JIS SCM435)とステンレ
ス鋼(JIS SUS303)とに関し、オーバル−ラウ
ンド法の前段において菱−角法、ボックス法および8ロ
ール式圧延機を用い、155mm角の素材を50mmφ
(マル)となるまで圧延した場合の、シワ疵または割れ疵
による不良率(%)を算出した結果を表1に示す。 【0022】 【0023】表1から判明する如く、8ロール式圧延機
を用いることで、シワ疵および割れ疵の何れの不良率も
低く抑えることができることが確認された。また鋼種の
違いによっても不良率が大きく変化しないことが分かっ
た。 【0024】 【発明の効果】以上説明した如く、本発明に係る圧延方
法では、8ロール式圧延機により断面角形の被圧延材料
を断面丸形に圧延した後に、オーバル−ラウンド法によ
り所定寸法の断面丸形まで圧延するようにしたから、材
料表面のシワ疵および割れ疵の両方の発生を防止するこ
とができ、高品質の製品が得られる。また、加工性の良
否に関係なく全ての鋼種に適用することができるから、
鋼種変更に際しての段取替え作業に要する時間を短縮し
て生産能率を向上し得る。
延材料を8ロール式圧延機により断面丸形に圧延した後
に、オーバル−ラウンド法により所定寸法の断面丸形と
なるまで圧延する圧延方法に関するものである。 【0002】 【従来の技術】棒鋼や線材等の被圧延材料のパスライン
を挟んで対向的に配設された一対の圧延ロールに形成さ
れるロール孔型(カリバ)に、被圧延材料を通過させるこ
とによって所要の圧延を施す2ロール式圧延機を用いた
圧延方法では、前記ロール孔型としてオーバル孔型とラ
ウンド(丸)孔型とを交互に順次配置するオーバル−ラウ
ンド法、菱孔型と角孔型とを交互に配置する菱−角法ま
たはボックス孔型を姿勢が交互に90°で傾くよう配置
するボックス法が、適宜組合わされて使い分けられてい
る。 【0003】すなわち、断面角形の被圧延材料を、所定
寸法の断面丸形となるよう圧延する場合は、図5(a)に
示す如く、菱−角法により断面角形の被圧延材料を所
定寸法まで減面した後、オーバル−ラウンド法により所
定寸法の断面丸形となるまで圧延する孔型法と、図5
(b)に示す如く、ボックス法により断面角形の被圧延
材料を所定寸法まで減面した後、オーバル−ラウンド法
により所定寸法の断面丸形となるまで圧延する孔型法と
に大別される。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】構造用鋼等のように加
工性の良好な鋼種の場合は、表面のシワ疵防止に適した
前記の孔型法が用いられ、またステンレス等のように
加工が難しい鋼種の場合は、表面の割れ疵防止に適した
前記の孔型法が用いられる。すなわち、鋼種の違いに
よって採用する孔型法を変える必要があり、段取替え作
業に多大な時間と労力とが必要となり、生産性が低下す
る原因となっている。 【0005】また図6に示す如く、菱−角法は、シワ疵
防止には適しているものの、表面の割れ疵が発生し易
く、またボックス法では、割れ疵防止には適しているも
のの、表面のシワ疵が発生し易く、従って前記および
の孔型法は、表面のシワ疵および割れ疵の両疵の防止
を両立し得るものではなかった。なお、オーバル−ラウ
ンド法は、表面のシワ疵および割れ疵の防止を両立し得
るものではあるが、断面角形の被圧延材料を圧延する場
合は、前述したように前段に菱−角法またはボックス法
の何れかを採用しなければならず、前述した問題を招く
こととなっていた。 【0006】 【発明の目的】本発明は、前述した課題を好適に解決す
るべく提案されたものであって、材料表面のシワ疵およ
び割れ疵の発生を防止して高品質の製品を生産し得る圧
延方法を提供することを目的とする。 【0007】 【課題を解決するための手段】前述した課題を克服し、
所期の目的を達成するため本発明に係る圧延方法は、断
面角形の被圧延材料を、所定寸法の断面丸形に圧延する
圧延方法であって、前記被圧延材料のパスラインを中心
として周方向に所要角度間隔で配設される夫々4本の圧
延ロールからなる前段ロール組と後段ロール組とが、装
置本体にパスラインに沿って直列に組込まれると共に、
前段ロール組と後段ロール組とは、全体の位相が被圧延
材料のパスラインを中心として周方向に所要角度で変位
するよう設定された8ロール式圧延機に、前記断面角形
の被圧延材料を通過させることで、断面丸形に圧延し、
次いで、この断面丸形に圧延された被圧延材料を、オー
バル−ラウンド法により所定寸法の断面丸形となるまで
圧延するようにしたことを特徴とする。 【0008】 【発明の実施の形態】次に、本発明に係る圧延方法につ
き、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照しながら以
下説明する。 【0009】図1は、本実施例に係る圧延方法が実施さ
れる圧延設備の概略構成を示し、図2は、圧延設備を構
成する8ロール式圧延機を示す。この8ロール式圧延機
10は、被圧延材料12の給送方向の前後に位置する前
部ハウジング部14aと後部ハウジング部14bとから
なるブロック状のロールハウジング14を装置本体と
し、前部ハウジング部14aの内部に4本の圧延ロール
からなる前段ロール組16を組込むと共に、後部ハウジ
ング部14bの内側に4本の圧延ロールからなる後段ロ
ール組18を組込んで構成される。前段ロール組16と
後段ロール組18とは、全体の位相が被圧延材料12の
パスラインPLを中心として周方向に所要角度、具体的
には45°変位している。なお、前段ロール組16と後
段ロール組18との基本的な構成は同一であるので、前
段ロール組16に関する構成についてのみ説明すること
とする。 【0010】前記ロールハウジング14の中央には、図
2に示す如く、被圧延材料12のパスラインPLに沿っ
て該材料12の挿通を許容する挿通孔14cが穿設され
ると共に、前部ハウジング部14aの内部には、図3に
示す如く、第1圧延ロール20と第2圧延ロール22が
被圧延材料12のパスラインPLを挟んで上下に対向配
置されると共に、第3圧延ロール24と第4圧延ロール
26がパスラインPLを挟んで左右に対向配置され、こ
れら4本の圧延ロール20,22,24,26の間に被圧
延材料12を挿通することにより、該材料12に圧延を
施すよう構成されている。なお、4本の圧延ロール2
0,22,24,26の外周部は、断面凹曲面状(円弧曲
面)に形成してある。また前段ロール組16において
は、図3に示す如く、第1圧延ロール20および第2圧
延ロール22の軸心が水平に設定されると共に、第3圧
延ロール24および第4圧延ロール26の軸心が垂直に
設定される。 【0011】なお、前記後段ロール組18においては、
図4に示す如く、第1圧延ロール20と第2圧延ロール
22が、被圧延材料12のパスラインPLを挟んで右上
と左下とで対向するよう位置し、第3圧延ロール24と
第4圧延ロール26が、被圧延材料12のパスラインP
Lを挟んで左上と右下とで対向するよう位置している。
そして、断面角形の被圧延材料12を、前段ロール組1
6および後段ロール組18に連続的に通過させること
で、断面丸形に圧延するよう構成される。 【0012】前記前部ハウジング部14aには、前記各
圧延ロール20,22,24,26をパスラインPLに対
して近接・離間移動させる調整機構28が各圧延ロール
20,22,24,26に対応して夫々内装され、パスラ
インPLを挟んで対向する第1圧延ロール20と第2圧
延ロール22との間隔調整(圧下量調整)、および第3圧
延ロール24と第4圧延ロール26との間隔調整(圧下
量調整)を行ない得るよう構成されている。 【0013】前記調整機構28は、前部ハウジング部1
4aに回動可能に内挿された偏心スリーブ30と、この
偏心スリーブ30の偏心位置に穿設された偏心通孔30
aに回動可能に挿通保持された回転軸32とからなり、
該回転軸32に対応する圧延ロールが一体回転可能に配
設される。そして、偏心スリーブ30を図示しない回転
手段により回動することで、回転軸32の軸心が変化
し、これによって圧延ロールは、被圧延材料12のパス
ラインPLに対して近接・離間移動する。すなわち、対
をなす第1圧延ロール20と第2圧延ロール22または
第3圧延ロール24と第4圧延ロール26の各調整機構
28,28を作動させることにより、対向し合う第1圧
延ロール20と第2圧延ロール22または第3圧延ロー
ル24と第4圧延ロール26の間隔調整がなされるよう
になっている。なお、前記後部ハウジング部14bに
も、前記各圧延ロール20,22,24,26をパスライ
ンPLに対して近接・離間移動させる調整機構28が配
設されている。 【0014】前記第1圧延ロール20および第2圧延ロ
ール22は、図示しない駆動装置に連結され、両ロール
20,22は相互に反対方向へ強制的に回転駆動される
よう構成してある。なお実施例では、被圧延材料12の
給材に対する駆動装置の駆動力伝達は、前段ロール組1
6における第1圧延ロール20および第2圧延ロール2
2のみになされ、該前段ロール組16の第3圧延ロール
24と第4圧延ロール26および後段ロール組18の各
圧延ロール20,22,24,26は従動回転するよう構
成される。 【0015】前記8ロール式圧延機10の下流側には、
図1に示す如く、被圧延材料12のパスラインPLを挟
んで対向配置した一対の圧延ロール34,34を有する
2ロール式圧延機36が、パスラインPLに沿って多数
直列に配置される。この2ロール式圧延機列におけるロ
ール孔型は、オーバル孔型とラウンド孔型とが交互とな
るよう設定され、8ロール式圧延機10を通過して断面
丸形に圧延された被圧延材料12は、先ずオーバル孔型
に設定された2ロール式圧延機36に送り込まれるよう
になっている。 【0016】 【実施例の作用】次に、前述のように構成された実施例
に係る圧延設備により実施される圧延方法の作用につき
説明する。 【0017】前記前段ロール組16の第1圧延ロール2
0と第2圧延ロール22とを相互に反対方向へ同期的に
回転したもとで、図1に示す如く、断面角形の被圧延材
料12をロールハウジング14の通孔14cに通過させ
れば、該被圧延材料12の通過と共に第3圧延ロール2
4と第4圧延ロール26および後段ロール組18の各圧
延ロール20,22,24,26が従動回転し、該材料1
2には所要の圧延が施される。すなわち、先ず前段ロー
ル組16の各圧延ロール20,22,24,26により、
被圧延材料12の各角部が圧下される。次いで、後段ロ
ール組18の各圧延ロール20,22,24,26によ
り、被圧延材料12の残りの自由面が圧下され、これに
よって該被圧延材料12は断面丸形に圧延される。 【0018】ここで、4本の圧延ロール20,22,2
4,26からなる前段ロール組16および後段ロール組
18を通過させることで断面角形の被圧延材料12を断
面丸形に圧延する8ロール式圧延機10では、その圧延
に際して材料表面にシワ疵および割れ疵が発生する確率
は極めて低く、断面丸形に圧延された被圧延材料12の
表面にはシワ疵および割れ疵の両疵は殆どない。 【0019】前記8ロール式圧延機10を通過して断面
丸形に圧延された被圧延材料12は、オーバル孔型の2
ロール式圧延機36に送り込まれ、ここで断面オーバル
形に圧延されて、次のラウンド孔型の2ロール式圧延機
36に送り込まれて断面丸形に圧延される。そして、以
後はオーバル孔型とラウンド孔型とを交互に通過するこ
とを繰返すことで、所定寸法の断面丸形にまで圧延され
る。 【0020】すなわち、材料表面の割れ疵およびシワ疵
の防止を両立し得る8ロール式圧延機10を用いて断面
角形の被圧延材料12を断面丸形に圧延した後に、オー
バル−ラウンド法により圧延することで、材料表面にシ
ワ疵および割れ疵の発生を防止することができ、高品質
の製品を生産し得る。また加工性の良い鋼種や加工の難
しい鋼種等によって孔型法を変更する必要はないから、
段取替えに要する時間を短縮して生産能率を向上させる
ことができる。 【0021】 【実験例】構造用鋼(JIS SCM435)とステンレ
ス鋼(JIS SUS303)とに関し、オーバル−ラウ
ンド法の前段において菱−角法、ボックス法および8ロ
ール式圧延機を用い、155mm角の素材を50mmφ
(マル)となるまで圧延した場合の、シワ疵または割れ疵
による不良率(%)を算出した結果を表1に示す。 【0022】 【0023】表1から判明する如く、8ロール式圧延機
を用いることで、シワ疵および割れ疵の何れの不良率も
低く抑えることができることが確認された。また鋼種の
違いによっても不良率が大きく変化しないことが分かっ
た。 【0024】 【発明の効果】以上説明した如く、本発明に係る圧延方
法では、8ロール式圧延機により断面角形の被圧延材料
を断面丸形に圧延した後に、オーバル−ラウンド法によ
り所定寸法の断面丸形まで圧延するようにしたから、材
料表面のシワ疵および割れ疵の両方の発生を防止するこ
とができ、高品質の製品が得られる。また、加工性の良
否に関係なく全ての鋼種に適用することができるから、
鋼種変更に際しての段取替え作業に要する時間を短縮し
て生産能率を向上し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る圧延方法が実施される圧
延設備を示す概略構成図である。 【図2】実施例に係る8ロール式圧延機を概略で示す斜
視図である。 【図3】実施例に係る8ロール式圧延機における前段ロ
ール組を示す縦断正面図である。 【図4】実施例に係る8ロール式圧延機における後段ロ
ール組を示す縦断正面図である。 【図5】(a)は、菱−角法とオーバル−ラウンド法とを
組合わせたパススケジュールを示す説明図であり、(b)
は、ボックス法とオーバル−ラウンド法とを組合わせた
パススケジュールを示す説明図である。 【図6】菱−角法、ボックス法、オーバル−ラウンド法
におけるシワ疵および割れ疵の発生防止に関する評価を
示す説明図である。 【符号の説明】 12 被圧延材料 14 ロールハウジング(装置本体) 20 第1圧延ロール 22 第2圧延ロール 24 第3圧延ロール 26 第4圧延ロール PL パスライン
延設備を示す概略構成図である。 【図2】実施例に係る8ロール式圧延機を概略で示す斜
視図である。 【図3】実施例に係る8ロール式圧延機における前段ロ
ール組を示す縦断正面図である。 【図4】実施例に係る8ロール式圧延機における後段ロ
ール組を示す縦断正面図である。 【図5】(a)は、菱−角法とオーバル−ラウンド法とを
組合わせたパススケジュールを示す説明図であり、(b)
は、ボックス法とオーバル−ラウンド法とを組合わせた
パススケジュールを示す説明図である。 【図6】菱−角法、ボックス法、オーバル−ラウンド法
におけるシワ疵および割れ疵の発生防止に関する評価を
示す説明図である。 【符号の説明】 12 被圧延材料 14 ロールハウジング(装置本体) 20 第1圧延ロール 22 第2圧延ロール 24 第3圧延ロール 26 第4圧延ロール PL パスライン
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 【請求項1】 断面角形の被圧延材料(12)を、所定寸法
の断面丸形に圧延する圧延方法であって、 前記被圧延材料(12)のパスライン(PL)を中心として周方
向に所要角度間隔で配設される夫々4本の圧延ロール(2
0,22,24,26)からなる前段ロール組(16)と後段ロール組
(18)とが、装置本体(14)にパスライン(PL)に沿って直列
に組込まれると共に、前段ロール組(16)と後段ロール組
(18)とは、全体の位相が被圧延材料(12)のパスライン(P
L)を中心として周方向に所要角度で変位するよう設定さ
れた8ロール式圧延機(10)に、前記断面角形の被圧延材
料(12)を通過させることで、断面丸形に圧延し、 次いで、この断面丸形に圧延された被圧延材料(12)を、
オーバル−ラウンド法により所定寸法の断面丸形となる
まで圧延するようにしたことを特徴とする圧延方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001349123A JP2003145201A (ja) | 2001-11-14 | 2001-11-14 | 圧延方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001349123A JP2003145201A (ja) | 2001-11-14 | 2001-11-14 | 圧延方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003145201A true JP2003145201A (ja) | 2003-05-20 |
Family
ID=19161839
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001349123A Pending JP2003145201A (ja) | 2001-11-14 | 2001-11-14 | 圧延方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003145201A (ja) |
-
2001
- 2001-11-14 JP JP2001349123A patent/JP2003145201A/ja active Pending
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