JP2003143786A - 永久磁石式回転子及びその製造方法 - Google Patents

永久磁石式回転子及びその製造方法

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JP2003143786A
JP2003143786A JP2001336129A JP2001336129A JP2003143786A JP 2003143786 A JP2003143786 A JP 2003143786A JP 2001336129 A JP2001336129 A JP 2001336129A JP 2001336129 A JP2001336129 A JP 2001336129A JP 2003143786 A JP2003143786 A JP 2003143786A
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permanent magnet
yoke
rotor
pressing piece
presser
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JP2001336129A
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English (en)
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Satoru Hasegawa
覚 長谷川
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Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Publication date
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  • Iron Core Of Rotating Electric Machines (AREA)
  • Permanent Magnet Type Synchronous Machine (AREA)
  • Permanent Field Magnets Of Synchronous Machinery (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 永久磁石6をヨーク3の所定位置に精度良く
取り付けることができ、また、強固な永久磁石式回転子
を得ることを目的とする。 【解決手段】 回転子2のヨーク3の外周面上に、回転
方向へ向けて所定の間隔を隔てて永久磁石6を分散させ
て突設し、この永久磁石6の上面6bに押え具7を跨乗
させて回転子2の外周を形成させると共に、押え具7の
両端部7cとヨーク3の双方に固定ピン5を嵌挿させて
押え具7を固定することにより永久磁石6をヨーク3に
固着するようにしたものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、永久磁石によっ
て磁束を発生させるようにした回転電気機械の回転子に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、例えば、エレベータでは省スペー
ス化の観点から、巻上機の高速回転化が進み、体格が小
さい割に回転数の高い巻上機が主流になりつつある。こ
のような巻上機には、回転子に永久磁石を取り付けた形
式の電動機が採用されることがある。永久磁石としては
フェライト等が使用され、接着剤でヨークに取り付けた
構造のものがある。回転子の永久磁石には高速化に伴っ
て大きな遠心力が加わる。また、回転数の急激な変化に
よっても力が加わる。このため、接着剤で永久磁石をヨ
ークに取り付けた構造のものは、永久磁石が外れて飛散
する可能性がある。そこで、例えば、特開平2−184
232号公報には、永久磁石が突設された回転子に、非
磁性のステンレス鋼管を嵌着させたものが開示されてい
る。
【0003】図11及び図12は、上記特開平2−18
4232号公報に記載されたものと同様の従来の永久磁
石式回転子を示す。即ち、円形薄鉄板が軸方向に積層さ
れた回転子22のヨーク23には、外周部に4片からな
る瓦状の永久磁石24が配置され、これらの永久磁石2
4の外周部にはステンレス鋼等からなる管状の非磁性保
護部材25が嵌着されている。更に永久磁石24の軸方
向の両端部は、リング状の端板27a及び27bによっ
て覆われており、ヨーク23を貫通するかしめピン26
によって、4箇所で端板27aと27bとを固定してい
る。従って、永久磁石24は、保護部材25と端板27
a、27bによって保護されて回転子22は一体構造と
なっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来の永久磁石式回転
子は上記のとおり構成されているので、例えば、回転子
の外径が500ミリメートルを越えるようになると、永
久磁石24の外周に保護部材25を密着状態で嵌着させ
るのは容易ではない。このため、所定の寸法精度が得ら
れ難く、永久磁石24との間に不確定に隙間が生じて固
定できない、という問題があった。また、従来は、接着
材によって永久磁石をヨークに貼り付けるものもある
が、高速回転化に伴ってヨークや永久磁石表面に流れる
渦電流によって温度が上昇し、これによって接着剤が剥
離して永久磁石が飛散する、という問題もあった。
【0005】この発明は、上記問題点を解決するために
なされたものであり、永久磁石をヨークの所定位置に精
度良く取り付けることができ、また、高速回転になって
も永久磁石が飛散することのない強固な永久磁石式回転
子を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る永久磁石
式回転子は、回転子のヨークの外周面上に、回転方向へ
向けて所定の間隔を隔てて永久磁石を分散させて突設
し、この永久磁石の上面に押え具を跨乗させて回転子の
外周を形成させると共に、押え具の両端部とヨークの双
方に固定ピンを嵌挿させて押え具を固定することにより
永久磁石をヨークに固着するようにしたものである。
【0007】請求項2に係る永久磁石式回転子は、請求
項1に係る永久磁石式回転子において、ヨークを多角柱
体として隣接する各二側面間に回転軸方向へ向けて溝を
凹設し、永久磁石の底面を多角柱体の各平面に着座させ
て上面を放射方向へ突出させ、押え具を、両端部が永久
磁石相互間の過半まで延出する長尺押え片と両端部が過
半まで延出しない短尺押え片とを交互に積層して構成
し、端部を噛合させて連結して永久磁石に跨乗させ、か
つ、押え具の各端部を固定ピンでヨークに固定すること
により永久磁石をヨークに固着するようにしたものであ
る。
【0008】請求項3に係る永久磁石式回転子は、請求
項2に係る永久磁石式回転子において、ヨークを積層打
抜き鋼板で構成したものである。
【0009】請求項4に係る永久磁石式回転子は、請求
項2に係る永久磁石式回転子において、永久磁石の上面
を円弧状に突出させ、長尺押え片と短尺押え片の内側を
いずれも永久磁石の上面に接するように円弧状に凹陥さ
せたものである。
【0010】請求項5に係る永久磁石式回転子は、請求
項2に係る永久磁石式回転子において、長尺押え片を、
非磁性材とし、短尺押え片を磁性材としたものである。
【0011】請求項6に係る永久磁石式回転子は、請求
項2に係る永久磁石式回転子において、長尺押え片及び
短尺押え片を、いずれも非磁性材としたものである。
【0012】請求項7に係る永久磁石式回転子の製造方
法は、請求項1に記載の永久磁石式回転子の製造方法で
あって、隣接する押え具の端部を連結する連結工程と、
連結された押え具を永久磁石に跨乗させてヨークに巻き
付ける巻付け工程と、巻き付けられた押え具の欠切部と
ヨークに凹設された溝の双方に固定ピンを嵌挿させて押
え具をヨークに固定する固定工程とからなるものであ
る。
【0013】
【発明の実施の形態】実施の形態1.図1から図9は、
この発明の実施の形態1を示す。図中、同符合は同一部
分を示す。図1は回転軸に直交する断面図で、1は固定
子、2はこの固定子1に遊挿された回転子である。3は
打抜き鋼板を積層して側面3aに偶数の平面が形成され
た角柱体からなる回転子2のヨーク、3bはヨーク3の
側面3aの隣接する平面間に回転軸方向へ向けて凹設さ
れた底部が拡幅した溝、4は回転軸、6は底面6aが平
面に形成されてヨーク3の側面3aに着座し、上面6b
が半径R2の円弧状に形成されて放射方向へ突出した永
久磁石で、フェライト等からなるものである。
【0014】7は、図5に示したとおり櫛状に形成され
た両端部を回転方向へ向けて永久磁石6の上面6bに跨
乗して回転子2の外周を形成する押え具、7dは押え具
7の両端部に回転軸4方向へ向けて凹設された欠切部、
8は押え具7の構成部材である長尺押え片で、詳細を図
2に示した。9は同じく短尺押え片で、詳細を図3に示
す。10は櫛状端部を噛合させて隣接する押え具7の両
端部を貫通する連結ピンで、端部がかしめ処理されてい
る。11は押え具7の両端部に凹設された欠切部7dと
ヨーク3に形成された溝3bの双方に嵌挿されて押え具
7をヨーク3に固定する固定ピンで、ステンレス鋼等の
非磁性材からなる。13はヨーク3と後述の端板12と
を緊締するかしめピンである。
【0015】図2は非磁性材の打抜き鋼板からなる長尺
押え片8の斜視図で、8aは回転子の外周の一部を形成
する半径R1の円弧状の外側、8bは永久磁石6の上面
6bに接するように半径R2の円弧状に凹陥した内側、
8cは半円形をした長尺押え片8の端部で、この端部8
cは長手を回転軸4に直交する方向へ向けて長尺押え片
8を永久磁石6に跨乗させたときに隣接する永久磁石6
との間に形成された空間の過半まで延出する。8dは長
尺押え片8の両端部に形成された欠切部、8eは隣接す
る永久磁石6を相互に連結するための連結穴である。
【0016】図3は磁性材の打抜き鋼板からなる短尺押
え片9の斜視図で、9aは回転子の外周の一部を形成す
る半径R1の円弧状の外側、9bは永久磁石6の上面6
bに接するように半径R2の円弧状に凹陥した内側、9
cは短尺押え片9の端部で、この端部9cは長手を回転
軸4に直交する方向へ向けて短尺押え片9を永久磁石6
に跨乗させたときに隣接する永久磁石6との間に形成さ
れた空間の過半まで延出せずに、隣接する長尺押え片8
の端部8cの端縁に当接する。9dは短尺押え片9の両
端部に形成された欠切部である。
【0017】図4は非磁性材からなる固定ピン11の斜
視図で、断面がI形をなし、両端が拡幅して頭部フラン
ジ11aと脚部フランジ11bとを有し、ヨーク3の軸
方向相当長さを有する。
【0018】図5は押え具7の製造工程を示す斜視図
で、図5(a)に示したとおり、まず、回転子2を一巡
させるのに必要な数の長尺押え片8を、隣接相互の端部
8cを重ね合わせて長手方向へ向けて交互に前後させて
連結穴8eに連結ピン10を通して連結する。短尺押え
片9を長尺押え片8とは逆位置で前後に配置して長尺押
え片8間に介挿する(図5(b))。
【0019】同様の手順で長尺押え片8を連結ピン10
に通して連結して、短尺押え片9を介挿して回転軸4方
向へ向けて所定の厚さまで積層して押え具7を組み立て
る(図5(c))。ここで、押え具7の端部7cは櫛状
となって隣接する押え具7の端部7cと相互に噛合し、
また、中間部は短尺押え片9の介挿によって長尺押え片
8の前後配置による隙間が埋め合わされて中実状態とな
り、外側7aは半径R1の円弧となって回転子2の外周
面を構成する。更に、長尺押え片8及び短尺押え片9の
積層により、欠切部8d及び9dは回転軸4方向へ向け
て貫通する欠切部7dとなり、連結穴8eは連結穴7e
となる。
【0020】連結された押え具7を永久磁石6に跨乗さ
せる(図5(d))。永久磁石6の上面6bと押え具7
の内側7bは、共に半径R2の円弧状に形成されていて
密着するようになっている。
【0021】図6は永久磁石6に跨乗した押え具7をヨ
ーク3に巻き付ける巻付け工程を示す。即ち、押え具7
の欠切部7dとヨーク3の溝3bとが一致するように巻
付ける。永久磁石6の上面6bは押え具7によって規制
されるものの、底面6aは平面に仕上げられてヨーク3
の側面に載置された状態であるから、永久磁石6は押え
具7と共に移動する。この移動により、欠切部7dと溝
3bとを一致させることができる。
【0022】図7は押え具7をヨーク3に固定する工程
を示す。即ち、押え具7をヨーク3に巻き付けたなら
ば、連結された押え具7の連結先頭の端部7cと連結後
尾の端部7cとを噛合させて連結ピン10を挿入し、押
え具7をヨーク3に仮固定する。仮固定の状態で欠切部
7dと溝3bとを合わせて一側から固定ピン11を嵌挿
させる。
【0023】図8は回転子2の最終工程を示す。即ち、
回転軸4方向の両端面に端板12を当ててかしめピン1
3を捜通し、両端をかしめて緊締する。図9は、かしめ
ピン13で緊締した後の完成した永久磁石式回転子2の
回転軸4方向の断面図である。
【0024】上記実施の形態1によれば、永久磁石6の
上面6bを円弧状に突出させ、押え具7の内側7bを永
久磁石6の上面6bに接するように円弧状に凹陥させて
永久磁石6に跨乗させた後、固定ピン11で押え具7の
両端部7cをヨーク3に固定したので、接着剤を使用し
なくても、また、渦電流によって熱膨張が生じても、永
久磁石6がヨーク3から剥離して飛散することはない。
【0025】また、ヨーク3及び押え具7は打抜き鋼板
を積層したものであるから、渦電流を抑制することがで
きると共に、所定の寸法精度を容易に得ることができ、
作業性の向上を図ることができる。特に、固定ピン11
は、ヨーク3及び押え具7の打抜き方向に合わせて挿入
すれば、容易に挿入することができる。
【0026】また、永久磁石6と押え具7は相対移動が
規制されるものの、底面6aは平面に仕上げられてヨー
ク3の側面3aに載置された状態であり、加えて、隣接
相互の押え具7は、若干相対移動可能である。この移動
により微調整して欠切部7dと溝3bとを一致させるこ
とができ、永久磁石6の取付け精度を向上させることが
できる。
【0027】更に、永久磁石6の上面6bは円弧状に突
出しているので、固定子1との間隔は頂上部分が狭小
で、両端部7cへ行くに従って拡大する。従って、磁気
抵抗は永久磁石6の頂上部分が最小値となる。このた
め、磁束密度は永久磁石6の頂上部分で高くなる。この
状態は回転子2が回転しても持続するので磁束密度の極
端な偏倚を回避することができる。
【0028】更にまた、押え具7は一極分の永久磁石6
を固定するのみであるから、押え具のサイズは限られ、
製作精度を向上させることができる。このため、回転子
2の外径が大きい場合でも、永久磁石6の外周部に管状
の保護部材を嵌着させる、という上記特開平2−184
232号公報に記載された従来の回転子に比べて、ヨー
ク3と永久磁石6の間、及び永久磁石6と押え具7との
間に不確定な隙間が発生するのを阻止することができ
る。
【0029】更にまた、短尺押え片9は、永久磁石6に
跨乗させたときに隣接する永久磁石6との間に形成され
た空間の過半まで延出しないものである。従って、短尺
押え片9は隣接する永久磁石6とは上記空間を隔てて磁
気的に遮断されているので、短尺押え片9を磁性材とし
たことにより、固定子1と回転子2間の磁気抵抗が減少
し、漏洩磁束を減少させることができる。
【0030】更にまた、回転子2の磁極は対極をなし、
極数は必ず偶数となる。従って、一極ごとに永久磁石6
に長尺押え片8を跨乗させた場合は、長尺押え片8を交
互に前後させて連結して回転子2を一巡させたときの連
結最初の長尺押え片8と連結最後の長尺押え片8とは、
必ず前後の関係になる。このため、長尺押え片8は一様
に前後して回転子2を一巡する。短尺押え片9も同様に
一様に前後に配列される。即ち、長尺押え片8と短尺押
え片9は一様に積層されて回転子2の外周部分は中実構
造となるので、回転子2を強固なものとすることができ
る。
【0031】更にまた、固定ピン11は頭部フランジ1
1aと脚部11bからなっており、脚部フランジ11b
をヨーク3の溝3bに、また、頭部フランジ11aを押
え具7の端部に凹設された欠切部7dに嵌挿されて押え
具7をヨーク3に固定するようにしたので、遠心力が作
用しても押え具7がヨーク3から離脱することはない。
【0032】実施の形態2.上記実施の形態1に対する
応用例を以下実施例として述べる。実施例1 図10
は、この実施例1における長尺押え片15を示す。この
長尺押え片15は、内側へ開口を向けて欠切された連結
用欠切部15eが両端部に凹設された点で、両端部に連
結穴8eが穿設された図2の長尺押え片8と異なる。上
記実施例1によれば、連結用欠切部15eは内側へ向け
て開口しているので、長尺押え片15を差し替えたり配
置替えをしたりする場合に、前後の長尺押え片15には
無関係に対象の長尺押え片15を直接差し替えたり配置
替えをすることができる。
【0033】実施例2 上記実施の形態1では、短尺押
え片9は磁性材としたが、非磁性材であってもよい。短
尺押え片9を非磁性材とすることによって、非磁性材で
ある長尺押え片8と相俟って回転子外周面における磁束
分布を均一化させることができる。
【0034】実施例3 上記実施の形態1では、永久磁
石6は底面6aが平面に形成され、上面6bが半径R2
の円弧状に形成されたものとしたが、これに限られるも
のではなく、直方体であってもよく、断面が台形の角柱
体であってもよい。即ち、永久磁石6は、ヨーク3から
放射方向へ向けて突出した形状であればよく、押え具7
の内側7bを永久磁石6の上面6bの形状に合わせて凹
陥させれば良いものである。
【0035】
【発明の効果】この発明は上記のとおり構成されている
ので、以下の効果を奏する。請求項1に係る永久磁石式
回転子は、回転子のヨークの外周面上に、回転方向へ向
けて所定の間隔を隔てて永久磁石を分散させて突設し、
この永久磁石の上面に押え具を跨乗させて回転子の外周
を形成させると共に、押え具の両端部とヨークの双方に
固定ピンを嵌挿させて押え具を固定することにより永久
磁石をヨークに固着するようにしたものである。このた
め、接着剤を使用しなくても、また、回転子が高速回転
したとしても永久磁石がヨークから剥離して飛散するこ
とはなく、強固な永久磁石式回転子を得ることができ
る、という効果を奏する。
【0036】請求項2に係る永久磁石式回転子は、請求
項1に係る永久磁石式回転子において、ヨークを多角柱
体として隣接する各二側面間に回転軸方向へ向けて溝を
凹設し、永久磁石の底面を多角柱体の各平面に着座させ
て上面を放射方向へ突出させ、両端部が永久磁石相互間
の過半まで延出する長尺押え片と両端部が過半まで延出
しない短尺押え片とを交互に積層して押え具を構成して
永久磁石に跨乗させ、かつ、各端部とヨークの双方に固
定ピンを嵌挿させて押え具をヨークに固定することによ
り永久磁石をヨークに固着させるようにしたものであ
る。従って、押え具は永久磁石を個別に固定するもので
あるから、押え具のサイズは限られる。このため、回転
子の外径が大きい場合でも、製作精度を向上させること
ができ、ヨークと永久磁石の間、及び永久磁石と押え具
との間に不確定な隙間の発生を阻止して強固な永久磁石
式回転子を得ることができる、という効果を奏する。
【0037】請求項3に係る永久磁石式回転子は、請求
項2に係る永久磁石式回転子において、ヨークを積層打
抜き鋼板で構成したものである。このため、所定の寸法
精度を容易に得ることができ、作業性の向上を図ること
ができる。特に、固定ピンを、打抜き方向に合わせて挿
入すれば、容易に挿入することができる、という効果を
奏する。
【0038】請求項4に係る永久磁石式回転子は、請求
項2に係る永久磁石式回転子において、永久磁石の上面
を円弧状に突出させ、長尺押え片と短尺押え片の内側を
いずれも永久磁石の上面に接するように円弧状に凹陥さ
せたものである。このため、永久磁石と固定子との間隔
は永久磁石の頂上部分が狭小で、磁気抵抗は永久磁石の
頂上部分が最小値となり、端部へ行くに従って増大す
る。従って、回転子が回転したとしても磁束は永久磁石
の頂上部分に集中し続けるので、磁束密度の極端な偏倚
を回避できる、という効果を奏する。
【0039】請求項5に係る永久磁石式回転子は、請求
項2に係る永久磁石式回転子において、長尺押え片を非
磁性材とし、短尺押え片を磁性材としたものである。こ
こで、短尺押え片は隣接する永久磁石とは空間を隔てて
磁気的に遮断されているので、短尺押え片を磁性材とし
たことにより、固定子と回転子間の磁気抵抗を減少させ
て交叉磁束を増大させることができる、という効果を奏
する。
【0040】請求項6に係る永久磁石式回転子は、請求
項2に係る永久磁石式回転子において、長尺押え片及び
短尺押え片を、いずれも非磁性材としたものである。短
尺押え片を非磁性材としたことによって、非磁性材であ
る長尺押え片と相俟って回転子外周面における磁束分布
を均一化させることができる、という効果を奏する。
【0041】請求項7に係る永久磁石式回転子の製造方
法は、請求項1に記載の永久磁石式回転子の製造方法で
あって、隣接する押え具の端部を連結する連結工程と、
連結された押え具を永久磁石に跨乗させてヨークに巻き
付ける巻付け工程と、巻き付けられた押え具の欠切部と
ヨークに凹設された溝の双方に固定ピンを嵌挿させて押
え具をヨークに固定する固定工程とからなるものであ
る。このため、押え具は永久磁石を個別に固定するもの
であるから、容易に固定することができ、作業性の向上
を図ることができる、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1における永久磁石式
回転子の回転軸に直交する方向の断面図。
【図2】 この発明の実施の形態1における長尺押え片
8の斜視図。
【図3】 この発明の実施の形態1における短尺押え片
9の斜視図。
【図4】 この発明の実施の形態1における固定ピン1
1の斜視図。
【図5】 この発明の実施の形態1における押え具7の
製造工程を示す斜視図。
【図6】 この発明の実施の形態1における押え具7を
永久磁石6に跨乗させてヨーク3に巻き付ける巻付け工
程を示す斜視図。
【図7】 この発明の実施の形態1における押え具7を
ヨーク3に固定する工程を示す斜視図。
【図8】 この発明の実施の形態1における組立完了後
の永久磁石式回転子を示す斜視図。
【図9】 この発明の実施の形態1における組立完了後
の永久磁石式回転子の回転軸方向の断面図である。
【図10】 この発明の実施の形態2における長尺押え
片15を用いた押え具の組立工程を示す斜視図。
【図11】 従来の永久磁石式回転子の回転軸に直交す
る方向の断面図。
【図12】 従来の永久磁石式回転子の回転軸方向の断
面図。
【符号の説明】
1 固定子、 2 回転子、 3 ヨーク、 3
d 溝、 4 回転軸、 6 永久磁石、 6a
底面、 6b 上面、 7 押え具、7a 外
側、 7b 内側、 7c 端部、 7d 欠切
部、 7e連結穴、 8 長尺押え片、 8a
外側、 8b 内側、 8c端部、 8d 欠切
部、 8e 連結穴、 9 短尺押え片、 9a
外側、 9b 内側、 9c 端部、 9d 欠
切部、 10 連結ピン、 11 固定ピン、
11a 頭部フランジ、 11b 脚部フランジ、
12 端板、 13 かしめピン、 15 長尺
押え片。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転子のヨークの外周面上に底面を着座
    させ、上面を放射方向へ突出させて所定の角度を隔てて
    分散配置された永久磁石によって磁束を発生させるよう
    にした永久磁石式回転子において、回転方向へ両端部を
    向けて上記永久磁石の上面に跨乗して上記回転子の外周
    を形成する押え具と、この押え具の両端部に凹設された
    欠切部と上記ヨークに形成された溝の双方に嵌挿されて
    上記押え具を上記ヨークに固定することにより上記永久
    磁石を上記ヨークに固着する非磁性材からなる固定ピン
    とを備えた永久磁石式回転子。
  2. 【請求項2】 ヨークを、側面に所定の角度を隔てて偶
    数の平面が形成された多角柱体からなり、隣接する上記
    各二面間に回転軸方向へ向けて溝が凹設されたものと
    し、永久磁石を、底面を上記多角柱体の上記各平面に着
    座させ、上面を放射方向へ突出させたものとし、押え具
    を、欠切部が形成された両端部を回転軸に直交する方向
    へ向けて上記永久磁石に跨乗して両端部が隣接する上記
    永久磁石との間に形成された空間の過半まで延出する長
    尺押え片と両端部が上記空間の過半まで延出しない短尺
    押え片とを交互に積層して端部を櫛状にし、この櫛状端
    部を噛合させて連設されて回転子の外周を形成するもの
    とし、固定ピンを、上記ヨークの上記溝と上記押え具の
    上記欠切部の双方に嵌挿されて上記押え具の上記端部を
    上記ヨークに固定することにより上記永久磁石を上記ヨ
    ークに固着させるものとした請求項1に記載の永久磁石
    式回転子。
  3. 【請求項3】 ヨークを、打抜き鋼板を積層したものと
    した請求項2に記載の永久磁石式回転子。
  4. 【請求項4】 永久磁石の上面を円弧状に突出させ、長
    尺押え片と短尺押え片の内側をいずれも上記永久磁石の
    上記上面に接するように円弧状に凹陥させた請求項2に
    記載の永久磁石式回転子。
  5. 【請求項5】 長尺押え片を、非磁性材からなるものと
    し、短尺押え片を磁性材からなるものとした請求項2に
    記載の永久磁石式回転子。
  6. 【請求項6】 長尺押え片及び短尺押え片を、いずれも
    非磁性材からなるものとした請求項2に記載の永久磁石
    式回転子。
  7. 【請求項7】 隣接する押え具の端部を連結する連結工
    程と、連結された上記押え具を永久磁石に跨乗させてヨ
    ークに巻き付ける巻付け工程と、巻き付けられた上記押
    え具の欠切部と上記ヨークに凹設された溝の双方に固定
    ピンを嵌挿させて上記押え具を上記ヨークに固定する固
    定工程とからなる請求項1に記載の永久磁石式回転子の
    製造方法。
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