JP2003142014A - 偏向ヨークおよび偏向ヨークを有する陰極線管受像装置 - Google Patents

偏向ヨークおよび偏向ヨークを有する陰極線管受像装置

Info

Publication number
JP2003142014A
JP2003142014A JP2001333214A JP2001333214A JP2003142014A JP 2003142014 A JP2003142014 A JP 2003142014A JP 2001333214 A JP2001333214 A JP 2001333214A JP 2001333214 A JP2001333214 A JP 2001333214A JP 2003142014 A JP2003142014 A JP 2003142014A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electric wire
winding
deflection yoke
winding groove
deflection
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001333214A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshio Ko
義雄 高
Akira Suzuki
明 鈴木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sony Corp filed Critical Sony Corp
Priority to JP2001333214A priority Critical patent/JP2003142014A/ja
Publication of JP2003142014A publication Critical patent/JP2003142014A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 電線の巻線位置を一定にすることにより巻溝
内に巻かれる電線の位置のバラツキを少なくすることが
できる偏向ヨークおよび偏向ヨークを有する陰極線管受
像装置を提供すること 【解決手段】 筒形状を有している枠体40であり複数
の巻溝44,144を有する枠体40と、枠体40の巻
溝44,144に巻かれた偏向コイル70と、を備える
偏向ヨーク30であり、偏向コイル70の電線50は、
巻溝44内に一束巻かれているか又は複数束並列に巻か
れていて、1ターン当たりの電線50を巻溝44内で配
置させた状態における巻溝44の幅方向に関する電線5
0の幅合計寸法である配列占有寸法は、巻溝44の幅寸
法と略一致しているか小さく設定されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、偏向ヨークおよび
偏向ヨークを有する陰極線管受像装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】陰極線管受像装置のたとえばカラーテレ
ビジョン受像機は、カラー陰極線管を有しており、カラ
ー陰極線管においては、電子銃から出射される3本の電
子ビーム、すなわちR(赤)、G(緑)、B(青)の各
色蛍光体を発光させる3本の電子ビームの進行方向を上
下左右に偏向することにより、画面上にカラー画像を形
成している。電子ビームの偏向には、水平偏向コイルと
垂直偏向コイルを有する偏向ヨークが用いられる。この
偏向ヨークは、陰極線管のネック部からファンネル部に
至るコーン部と呼ばれる部分に装着されている。
【0003】上記水平偏向コイルに水平偏向電流を、上
記垂直偏向コイルに垂直偏向電流をそれぞれ流すことに
より偏向磁界を形成し、この偏向磁界によって電子ビー
ムを上下左右に偏向している。そして、3本の電子ビー
ムを色選別電極(アパーチャグリルやシャドウマスク
等)の一点に集中(コンバージェンス)させることで、
画面上に所望のカラー画像を再現している。
【0004】水平偏向コイルや垂直偏向コイルを鞍型に
セクション巻をするための枠体(コイルボビンとも呼ん
でいる)は、図14に示している。図13に示すのは、
金型巻用のコイル1000であり、このコイル1000
は、金型に偏向コイルの電線を巻き込んでプレス成形す
ることにより作られる。図14に示す枠体1020は、
偏向コイルの電線を巻き込むための複数のスリット10
30を有している。ラッパ状のコイルボビンである。各
スリット1030には電線が直接巻き込まれる。枠体1
020は、偏向コイルの電線をコイルボビンに直接巻き
込むセクション巻あるいはスリット巻を行うものであ
る。図15の枠体1050は、スリットコア巻用のもの
であり、偏向ヨークコアの内径側に複数のスロット10
60を有しており、このスロット1060に対して偏向
コイルの電線を巻くようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述した図14のセク
ション巻の枠体1020と図15のスロットコア巻用の
枠体1050では、偏向コイルの電線を巻く場合に次の
ような問題がある。枠体の1つの巻溝(スリットまたは
スロット)内に電線を設計で規定された巻数(ターン
数)を収納することで、全体として磁界分布と磁界強度
を生み出して安定した特性を再現するようになってい
る。しかしながら、ある1つの巻溝内においてターンの
電線の位置が所定の位置からずれてバラツキがあった場
合であっても、磁界分布の変動となり、コンバージェン
ス特性のバラツキとなるので、このバラツキを防ぐため
に偏向ヨークのファンネル面(内面)に軟磁性シート片
を取り付けるかまたは軟磁性シートを挿入して調整して
いる。このような軟磁性シートの取付作業は生産性の阻
害となりコスト高を招いている。
【0006】また、上述した1つの巻溝内における1タ
ーンの電線位置のバラツキにより、次のような問題が生
じる。高精細度CRT(陰極線管)モニターやTV(テ
レビジョン)受像機等の陰極線管受像装置では、水平磁
界は高周波磁界を発生させるため、水平偏向コイルのみ
ならず垂直偏向コイルにも細線を撚ったリッツ線を用い
ている。更に高周波駆動のためコイルインピーダンスを
低くする必要があって電線の巻数を小さくし、20数タ
ーンにすることもある。この時、電気抵抗(R)による
コイル発熱を小さくするため、1ターン当たりの電線断
面積の合計を大きくし電気抵抗を小さくする必要があ
る。このため、電線の素線径を同一とした場合、線束数
を増やしリッツ線の外形が大きな線を使用することにな
る。そして、リッツ線に流れる1ターン電流も大きくな
り、この1ターン(1束)の電線の位置がスリット内で
あってもずれれば磁界分布を動かす割合が増加すること
になり、高精細を目的とした高周波化がコンバージェン
ス特性のバラツキを大きくするという矛盾が生じてい
た。
【0007】図16はこのようなスリット内の電線の巻
線状態のバラツキの例を示している。図16において
は、巻溝(スリットまたはスロット)1100内におけ
る電線1200が、巻溝1100の中心位置1230か
ら巻溝の幅方向に沿って+側にずれたり−側にずれたり
する様子を示している。
【0008】また、電線としてリッツ線を採用する理由
は、細線を撚っておかないと巻線機ノズルから出た線が
任意に開いて容易にボビンの巻溝を形成しているリブに
乗り上げてしまい、電線を安定して規定のスリット内に
巻くことができないことであった。現状技術において1
ターンの電線束を1束のリッツとしない場合でも、総束
数の1/2〜1/3本の素線を撚った小単位のリッツと
し、これらの2〜3束を集合して巻くことが一般的であ
り、素線のみで巻く場合でも4〜5本を集合して巻くこ
とが一般的であった。いずれも前記の巻線ミスを防止す
る為である。このため、1ターンの電線の総外形寸法に
対してスリットの幅寸法の方が充分に大きく設計され、
製造時に電線をスリット幅のどの位置に巻くかはノズル
の位置を制御することで決めていた。このことはスリッ
ト内の最終ターンとその1〜2ターン前の巻線が特にス
リット幅のどの位置に落着くかでスリット内平均電線位
置が変化してしまい、結局平均電流位置が変化し磁界パ
ターンの変化を招くのであった。そこで本発明は上記課
題を解消し、電線の巻線位置を一定にすることにより巻
溝内に巻かれる電線の位置のバラツキを少なくすること
ができる偏向ヨークおよび偏向ヨークを有する陰極線管
受像装置を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、筒形
状を有している枠体であり複数の巻溝を前記枠体のコー
ン部の全部又は一部に有する前記枠体と、前記枠体の前
記巻溝に巻かれた偏向コイルと、を備える偏向ヨークで
あり、前記偏向コイルの電線は、前記巻溝内に一束巻か
れているか又は複数束並列に巻かれていて、1ターン当
たりの前記電線を前記巻溝内で配置させた状態における
前記巻溝の幅方向に関する前記電線の幅合計寸法である
配列占有寸法は、前記巻溝の幅寸法と略一致しているか
大きく設定されていることを特徴とする偏向ヨークであ
る。請求項1では、枠体は筒形状を有しており複数の巻
溝を有している。偏向コイルはこの巻溝に巻かれるコイ
ルである。偏向コイルの電線は巻溝内に一束巻かれてい
るか又は複数束並列に巻かれている。1ターン当たりの
電線を巻溝内で配置させた状態における巻溝の幅方向に
関する電線の配列占有寸法は、巻溝の幅寸法とほぼ一致
しているか大きく設定されている。これにより、巻溝内
に巻かれた偏向コイルの電線の位置が巻溝の幅寸法によ
り規制することができるので、電線の位置がばらつくの
を防ぐことができる。
【0010】請求項2の発明は、請求項1に記載の偏向
ヨークにおいて、前記偏向コイルの電線は、複数の単線
を撚らないで集合して構成されている。
【0011】請求項3の発明は、請求項1に記載の偏向
ヨークにおいて、前記偏向コイルの電線は、複数の単線
を撚ってリッツ線として構成されている。
【0012】請求項4の発明は、請求項1に記載の偏向
ヨークにおいて、前記電線は、複数の小単位のリッツ線
を撚らないで集合して構成されている。
【0013】請求項5の発明は、請求項1に記載の偏向
ヨークにおいて、前記1ターン毎の前記電線は、前記巻
溝内において1層または2層以上重ねて巻かれている。
【0014】請求項6の発明は、請求項1に記載の偏向
ヨークにおいて、各前記巻溝の幅寸法は略一定であり、
前記電線の巻線分布に合わせて各前記巻溝の深さを順次
少しづつ変化させている。請求項6では、水平偏向コイ
ルの例では、斉一磁界時のcosθ巻線分布あるいはセ
ルフコンバーゼンスタイプの偏向ヨークのピンクッショ
ン磁界を得る巻線分布変化をつけるとき、偏向ヨークの
内径をCRTのコーン外形にほぼ沿わせて前記巻溝を変
化させることでコイルを全体としてCRTコーン外形に
近づける。このことで、CRT内の電子ビームにコイル
が近づき偏向電力を削減することが目的である。
【0015】請求項7の発明は、請求項1に記載の偏向
ヨークにおいて、前記電線は一束のリッツ線であり、前
記巻溝の幅寸法と前記リッツ線の外形寸法は略同一であ
り、前記リッツ線は一束毎に層積みされている。請求項
7では、電線は一束のリッツ線であり、巻溝の幅寸法と
リッツ線の外形寸法がほぼ同一であり、リッツ線は一束
毎に層積みされていることにより、電線の位置ずれが発
生しない。
【0016】請求項8の発明は、請求項1に記載の偏向
ヨークにおいて、前記枠体は、電気絶縁性を有する材料
で成形されているか、磁性材料で成形されている。請求
項8では、枠体は電気絶縁性を有する材料で成形されて
いるかあるいは磁性材料で成形されている。
【0017】請求項9の発明は、筒形状を有している枠
体であり複数の巻溝を有する前記枠体と、前記枠体の前
記巻溝に巻かれた偏向コイルと、を備える偏向ヨークを
有する陰極線管受像装置であり、前記偏向ヨークの前記
偏向コイルの電線は、前記巻溝内に一束巻かれているか
又は複数束並列に巻かれていて、1ターン当たりの前記
電線を前記巻溝内で配置させた状態における前記巻溝の
幅方向に関する前記電線の幅合計寸法である配列占有寸
法は、前記巻溝の幅寸法と略一致しているか大きく設定
されていることを特徴とする陰極線管受像装置である。
請求項9では、枠体は筒形状を有しており複数の巻溝を
有している。偏向コイルはこの巻溝に巻かれるコイルで
ある。偏向コイルの電線は巻溝内に一束巻かれているか
又は複数束並列に巻かれている。1ターン当たりの電線
を巻溝内で配置させた状態における巻溝の幅方向に関す
る電線の配列占有寸法は、巻溝の幅寸法とほぼ一致して
いるか大きく設定されている。これにより、巻溝内に巻
かれた偏向コイルの電線の位置が巻溝の幅寸法により規
制することができるので、電線の位置がばらつくのを防
ぐことができる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施の形態
を添付図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下に述
べる実施の形態は、本発明の好適な具体例であるから、
技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明
の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨
の記載がない限り、これらの形態に限られるものではな
い。
【0019】図1は、本発明の偏向ヨークを有する陰極
線管受像装置の一例を示している。この陰極線管受像装
置10は、たとえば高精細度陰極線管を用いたコンピュ
ータのモニター装置である。しかしこれに限らずカラー
テレビジョン受像機であっても勿論構わない。陰極線管
受像装置10は、筐体12を有しており、この筐体12
の中には陰極線管14が収容されている。陰極線管14
は、パネル部16とファンネル部18およびネック部2
0を有している。パネル部16の内面には、赤、青、緑
の各色の蛍光体をパターン配列した蛍光面が形成されて
いる。ネック部20には、電子ビームの射出源となる電
子銃24が収容されている。ネック部20からファンネ
ル部18に至るコーン部分には、偏向ヨーク30が装着
されている。この陰極線管14は、パネル部16の内面
の蛍光面にカラー画像または白黒画像を再現するのに必
要な各種の付属部品とともに、筐体12の中に組み込ま
れている。
【0020】図2は、図1の偏向ヨーク30の枠体の構
造例を示している。偏向ヨーク30は、枠体40と偏向
コイルを有している。図2では偏向コイルは図示してい
ないが、偏向コイルは枠体40に巻かれる。枠体40
は、絶縁材料、たとえばプラスチックにより作れてお
り、いわゆる垂直偏向コイルや水平偏向コイルをセクシ
ョン巻きするための鞍型のセクション巻タイプのもので
ある。この偏向ヨーク30の枠体40には、複数の巻溝
としてのスリット44が形成されている。偏向ヨーク3
0は、ラッパ状もしくは鞍型等とも呼んでおり、ラッパ
状の偏向ヨーク30の枠体40はたとえば図3に示すよ
うに鞍型の半体46,48を組合せることにより構成さ
れているか、又は一体成形構造で作られる。半体46と
もう1つの半体48は形状がやや異なる場合がある。
【0021】スリット44には水平偏向コイルや垂直偏
向コイルが巻かれるのであるが、水平偏向コイルは偏向
ヨークの上下(垂直軸方向)に対をなして配置され、垂
直偏向コイルは偏向ヨークの左右(水平軸方向)に沿っ
て対をなして配置される。そして図1の電子銃24から
射出された電子ビームの軌道上において、水平偏向コイ
ルは電子ビームを画面の左右方向(水平軸方向)に偏向
させる磁界を発生し、垂直偏向コイルは電子ビームを画
面の上下方向(垂直軸方向)に偏向させる磁界を発生す
る。
【0022】ここで、偏向コイルの電線の種類の例につ
いて説明しておく。図4(A)に示す偏向ヨークの電線
50は、複数本の単線54を撚らないで集合して構成し
たものである。図4(B)の電線50は、小単位の複数
のリッツ線(撚り線)を撚らないで集合させて構成した
ものである。各リッツ線58は、複数本の単線60を撚
ることにより構成されている。また、単に1つのリッツ
線58を電線として用いてもよい。
【0023】図5は、偏向コイル70の電線50を、図
2と図3に示す枠体40のスリット44に巻いた状態の
一例を示す断面図である。枠体40のコーン部の全部又
は一部に複数のスリット44が形成されている。図5の
実施の形態は、偏向コイル70の必要な銅線の断面積
を、一束のリッツ線である電線50として巻く場合であ
り、スリット44内での1ターン当たりの電線50の外
周の直径寸法(配列占有寸法という)Dが、スリット4
4の内底部77の幅寸法とほぼ一致して設定されてい
る。これにより、電線50はスリット44内での位置が
スリット44を形成している両側の縁部(リブ)74に
より規定されることから、電線50の位置がバラツキの
少ないものとなる。このような電線50は、一束毎に層
積みされており、たとえば図5では3層ずつ各スリット
44内において層積みされている。図5の電線50とし
ては、一束のリッツ線である。一束のリッツ線である電
線50は、複数の単線60を撚って構成したものであ
る。この実施の形態では、スリット44の中心線CLに
関して電線50が左右対称になっている。
【0024】図6は、本発明の別の実施の形態を示して
いる。図6では、枠体40は、縁部76を有しており、
両側の縁部76の間にはスリット44が形成されてい
る。このスリット44の中には、図4(B)に示したよ
うな電線50が複数本並べて配列されている。すなわち
スリット44の内底部78には、たとえば1ターン分に
ついて4本の電線50が並べて配列されている。4本の
電線50の各電線50の外形寸法D1を合計した幅合計
寸法が配列占有寸法になるが、この配列占有寸法4×D
1は、スリット44の幅E1とほぼ一致しているかある
いは大きく設定されている。これにより、1ターン分の
4本の電線50はスリット44内においてそれぞれ正し
い位置に位置決めすることができる。この実施の形態で
は、スリット44の中心線CLに関して左右に2本ずつ
電線50が均等配列されている。図6に使用している電
線50は、たとえば図4(B)に示すようなリッツ線
(撚り線)58を複数本撚らないで単集合させたもので
ある。
【0025】図7は、図6の実施の形態に似ており、1
ターン分の電線50の本数が5本に設定されている場合
である。この場合に4本の電線50がスリット44の内
底部78に位置が正しく配列された状態で、残りの1本
の電線50Aが、中央に配列された2本の電線50,5
0の上に重ねて巻かれている。つまり残りの1本の電線
50Aは、スリット44の中心線CLに沿って配置され
ていることから、スリット44内における5本の電線5
0,50Aの配列は中心線CLを中心として左右対称形
状になっている。このように1ターン毎に複数の電線5
0を1列並べて配列するか、図7に示すように2列以上
積み重なるようにして配置することもできる。
【0026】図8の実施の形態では、1ターン分の電線
50が複数本並べてスリット44の内底部78に巻かれ
ている。各電線50はリッツ線とせず(撚らずに)単な
る単線の集合線として構成されており、この電線50
が、内底部78に1列に並べた状態である。電線50の
外形寸法の合計値である配列占有寸法は、スリット44
の幅寸法とほぼ一致させるか、あるいはやや大きく設定
されている。
【0027】図9は図8よりもさらに1ターン分の巻線
数が増えた例を示している。このように電線50の巻線
数が増えている場合には、図8のように1列に並ぶだけ
ではなく2列目以上に積み上がる構成になっている。こ
の場合に、スリット44の中心線CLに対してほぼ左右
対称形状に電線50を配列するのが望ましい。いずれに
しても可能な限り各電線50はスリット44の内底部7
8の幅寸法E2に沿って一杯になるように巻いておくの
がよい。
【0028】図10の実施の形態では、1スリットに数
ターンを巻いた例を示している。多数の回数分巻かれた
電線50は、スリット44の内底部78の幅一杯になる
ように巻く。図8〜図10の実施の形態により電線50
を巻くことにより、スリット44内における電線50の
位置が上手く分散して、スリット44の中心線CLに電
流が分布したのと等価となり、電線の巻線における位置
のバラツキが小さくできる。勿論細い電線の幾分かの片
寄りがスリット44内に生じることがあるが、リッツ線
で撚った一束の位置がずれる電流の大きさに比べれば充
分に小さく、磁界分布が安定する。
【0029】一般に、スリットの内底部(スリット内巻
始め付近)では、電線の位置のバラツキは後で巻かれる
電線のテンションにより圧力を受けて平均化し易く電線
の位置のバラツキへの影響が少ない。しかし、1つのス
リット内の最終ターンとその1〜2ターン毎の巻線のス
リットの位置は片寄り易くバラツキの原因となることか
ら、電線の外形寸法(配列占有寸法)とスリットの幅寸
法の関係は、この付近で重要である。しかし撚らない集
合線での偏向コイルの巻線作業はやはり生産上は面倒に
なる。生産性の観点から見れば、図5と図6と図7に示
すようなリッツ線の電線の巻線の方式が、図8と図9お
よび図10に示すような電線の巻線に比べてより効率的
である。
【0030】本発明の実施の形態では、電線を従来行わ
れている方法で枠体に巻いた場合に、巻線のテンション
や巻線を供給するノズルのスピードや枠体とノズルの相
対位置関係の誤差的なずれにより、スリット内で積み上
がった電線のスリットの中心線に関してバランスが崩れ
たりして、巻線位置が厳密に一定にならないことを改善
して、電線の位置のバラツキを少なくすることができ
る。上述したような電線の配列の方式は、偏向ヨークの
全体に適用する必要は必ずしもなく、偏向ヨークの特性
に影響の少ない巻線位置の部分には適用を一部除外して
も実用上の改善効果は得られる。またスリットを構成す
るリブ(縁部)を一部取り除いて、電線を隣のスリット
に巻回すことも勿論可能である。
【0031】本発明の偏向ヨークおよびその電線の巻き
方は、図3に示すセクション巻用の枠体に限らず、図1
1に示すようなスロットコア巻用の枠体140に対して
電線を巻く場合にも用いることができる。この枠体14
0は複数のスロット(巻溝)144を有している。この
スロットコア巻用の枠体140は、フェライト等の磁性
材料により作られている。
【0032】図12は、本発明の別の実施の形態を示し
ている。図12(A)に示す図3と同じ偏向ヨークの半
体46では、X−Y線における断面構造がほぼ円形のも
ので説明した。しかし、省電力を目的とした場合には、
半体46のX−Yの断面形状は目的に応じてほぼ角型あ
るいは楕円型あるいは非円形型のものであっても勿論構
わない。
【0033】図12(B)は、図12(A)のX−Y線
における半体46の断面構造例を示している。図12
(B)では、各スリット44の中にはたとえば4本の電
線50が1ターンについて1列配列されている。この場
合にスリット44を形成している各縁部74の半径方向
の高さが、徐々にF方向に行くに従い大きくなってい
る。これによりスリット44の深さはF方向に行くに従
い深くなっている。このようにスリット44の深さを徐
々に深くしていくのは、巻線分布の調整を行うためであ
る。このようにするのは次の理由からである。水平偏向
コイルの例では、斉一磁界時のcosθ巻線分布あるい
はセルフコンバーゼンスタイプの偏向ヨークのピンクッ
ション磁界を得る巻線分布変化をつけるとき、偏向ヨー
クの内径をCRTのコーン外形にほぼ沿わせて前記巻溝
を変化させることでコイルを全体としてCRTコーン外
形に近づける。このことで、CRT内の電子ビームにコ
イルが近づき偏向電力を削減することが目的である。
【0034】以上説明したように本発明の実施の形態で
は、セクション巻用の偏向ヨークの枠体に対して使用す
る1本又は複数本の電線の束を1列に並べた幅合計寸法
(配列占有寸法)と枠体のスリットの幅寸法をほぼ同一
にするかあるいはスリット幅寸法の方を小さくすること
により、1つのスリット内に偏向コイルの電線を配列し
た場合に、偏向コイルの重心がスリット内のほぼ一定の
位置に収まるようにすることができる。従って、偏向ヨ
ークの磁界分布の製造バラツキを減少させることができ
る。
【0035】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
電線の巻線位置を一定にすることにより巻溝内に巻かれ
る電線の位置のバラツキを少なくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の偏向ヨークを有する陰極線管受像装置
を示す斜視図。
【図2】偏向ヨークの一例を示す斜視図。
【図3】偏向ヨークの半体を示す斜視図。
【図4】偏向ヨークに巻かれる電線の例を示す図。
【図5】偏向ヨークのスリットに巻かれた電線の配置例
を示す図。
【図6】本発明の別の実施の形態における電線の配置例
を示す図。
【図7】本発明の実施の形態におけるさらに別の電線の
配置例を示す図。
【図8】本発明の実施の形態における電線のさらに別の
配置例を示す図。
【図9】本発明の実施の形態における電線のさらに別の
配置例を示す図。
【図10】本発明の実施の形態における電線のさらに別
の配置例を示す図。
【図11】偏向ヨークの枠体の別の実施の形態を示す
図。
【図12】偏向ヨークの半体におけるX−Y断面を示す
図。
【図13】従来の金型巻タイプの枠体を示す斜視図。
【図14】従来のセクション巻タイプの枠体を示す斜視
図。
【図15】従来のスロットコア巻タイプの枠体を示す斜
視図。
【図16】従来において巻線を行った場合の巻線の重心
とスリットの中心がずれた例を示す図。
【符号の説明】
10・・・陰極線管受像装置、14・・・陰極線管、3
0・・・偏向ヨーク、40・・・枠体(コイルボビ
ン)、44・・・スリット(巻溝)、50・・・電線、
70・・・偏向コイル、144・・・スロット(巻
溝)、CL・・・スリットの中心線

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 筒形状を有している枠体であり複数の巻
    溝を前記枠体のコーン部の全部又は一部に有する前記枠
    体と、前記枠体の前記巻溝に巻かれた偏向コイルと、を
    備える偏向ヨークであり、 前記偏向コイルの電線は、前記巻溝内に一束巻かれてい
    るか又は複数束並列に巻かれていて、 1ターン当たりの前記電線を前記巻溝内で配置させた状
    態における前記巻溝の幅方向に関する前記電線の幅合計
    寸法である配列占有寸法は、前記巻溝の幅寸法と略一致
    しているか大きく設定されていることを特徴とする偏向
    ヨーク。
  2. 【請求項2】 前記偏向コイルの電線は、複数の単線を
    撚らないで集合して構成されている請求項1に記載の偏
    向ヨーク。
  3. 【請求項3】 前記偏向コイルの電線は、複数の単線を
    撚ってリッツ線として構成されている請求項1に記載の
    偏向ヨーク。
  4. 【請求項4】 前記電線は、複数の小単位のリッツ線を
    撚らないで集合して構成されている請求項1に記載の偏
    向ヨーク。
  5. 【請求項5】 前記1ターン毎の前記電線は、前記巻溝
    内において1層または2層以上重ねて巻かれている請求
    項1に記載の偏向ヨーク。
  6. 【請求項6】 各前記巻溝の幅寸法は略一定であり、前
    記電線の巻線分布に合わせて各前記巻溝の深さを順次少
    しづつ変化させている請求項1に記載の偏向ヨーク。
  7. 【請求項7】 前記電線は一束のリッツ線であり、前記
    巻溝の幅寸法と前記リッツ線の外形寸法は略同一であ
    り、前記リッツ線は一束毎に層積みされている請求項1
    に記載の偏向ヨーク。
  8. 【請求項8】 前記枠体は、電気絶縁性を有する材料で
    成形されているか、磁性材料で成形されている請求項1
    に記載の偏向ヨーク。
  9. 【請求項9】 筒形状を有している枠体であり複数の巻
    溝を有する前記枠体と、前記枠体の前記巻溝に巻かれた
    偏向コイルと、を備える偏向ヨークを有する陰極線管受
    像装置であり、 前記偏向ヨークの前記偏向コイルの電線は、前記巻溝内
    に一束巻かれているか又は複数束並列に巻かれていて、 1ターン当たりの前記電線を前記巻溝内で配置させた状
    態における前記巻溝の幅方向に関する前記電線の幅合計
    寸法である配列占有寸法は、前記巻溝の幅寸法と略一致
    しているか大きく設定されていることを特徴とする陰極
    線管受像装置。
JP2001333214A 2001-10-30 2001-10-30 偏向ヨークおよび偏向ヨークを有する陰極線管受像装置 Pending JP2003142014A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001333214A JP2003142014A (ja) 2001-10-30 2001-10-30 偏向ヨークおよび偏向ヨークを有する陰極線管受像装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001333214A JP2003142014A (ja) 2001-10-30 2001-10-30 偏向ヨークおよび偏向ヨークを有する陰極線管受像装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003142014A true JP2003142014A (ja) 2003-05-16

Family

ID=19148518

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001333214A Pending JP2003142014A (ja) 2001-10-30 2001-10-30 偏向ヨークおよび偏向ヨークを有する陰極線管受像装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003142014A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100260802B1 (ko) 편향 장치를 구비한 디스플레이 진공관
JPH09293468A (ja) 陰極線管用偏向ヨークおよび陰極線管装置
JP2003142014A (ja) 偏向ヨークおよび偏向ヨークを有する陰極線管受像装置
JP2930554B2 (ja) ブラウン管用偏向ヨークの補助コイル
JPH07288090A (ja) サドル形偏向コイルとその製作方法
US5614782A (en) Deflection yoke and vertical deflection coil winding method thereof
US6484960B1 (en) Coil winding machine and method of producing deflection coil
US6734614B1 (en) Saddle-shaped deflection coil and winding method
JP2002260554A (ja) 偏向ヨーク及び表示装置
KR100814869B1 (ko) 음극선관용 편향 장치
JP2002367535A (ja) 偏向ヨーク装置
KR100439266B1 (ko) 상하 주사형 음극선관
JP2001176426A (ja) 偏向ヨーク用コア、偏向ヨーク及び陰極線管受像機
JP2002042690A (ja) 磁性コア
KR100988615B1 (ko) 편향요크
KR100467843B1 (ko) 편향코일 제조장치
JPH06125476A (ja) 偏向コイル
JP2000251703A (ja) コイル巻線装置
JP2001028247A (ja) 偏向ヨークおよび陰極線管受像機
JP2000353479A (ja) 偏向ヨークおよびこれを用いた陰極線管受像機
JPH07226173A (ja) カラー受像管装置
JP2001176425A (ja) 偏向ヨーク及び陰極線管受像機
JP2001185055A (ja) 偏向ヨーク及び陰極線管受像機
JP2003007225A (ja) 偏向ヨーク
JPH11111196A (ja) コンバーゼンスヨーク