JPH087790A - カラー受像管装置 - Google Patents

カラー受像管装置

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JPH087790A
JPH087790A JP14207694A JP14207694A JPH087790A JP H087790 A JPH087790 A JP H087790A JP 14207694 A JP14207694 A JP 14207694A JP 14207694 A JP14207694 A JP 14207694A JP H087790 A JPH087790 A JP H087790A
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JP
Japan
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coil
funnel
deflection
magnetic field
sheet
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Application number
JP14207694A
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English (en)
Inventor
Shinji Ohama
真二 大濱
Kazufumi Kobayashi
和文 小林
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
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Publication of JPH087790A publication Critical patent/JPH087790A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高次のコンバーゼンスエラやラスター歪を簡
単に補正するカラー受像管装置を構成することを目的と
する。 【構成】 カラー受像管装置において、ファンネル2 と
偏向装置9 との間隙またはファンネルの径大部8 の外面
上に、ファンネルの径大部とネックとの境界部外面また
はファンネルの径大部外面とほぼ同じ曲面形状に形成さ
れ、第1または第2偏向コイル10,11 を流れる偏向電流
に同期した電流が供給されるシート状コイル33を配置し
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、カラー受像管装置に
係り、特に高次の偏向収差により生ずる高次のコンバー
ゼンスエラを補正することが可能なカラー受像管装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】一般にカラー受像管装置は、図15に示
すように、パネル1および漏斗状のファンネル2からな
る外囲器を有し、そのパネル1の内面に、青、緑、赤に
発光する3色蛍光体層からなる蛍光体スクリーン3が形
成され、この蛍光体スクリーン3に対向して、その内側
にシャドウマスク4が配置されている。一方、ファンネ
ル2のネック5内に、3電子ビーム6B ,6G ,6R を
放出する電子銃7が配置されている。またファンネル2
の径大部8とネック5との境界部の外側に偏向装置9が
装着されている。そして、上記電子銃7から放出された
3電子ビーム6B,6G ,6R を偏向装置9の発生する
磁界により偏向して、蛍光体スクリーン3を水平、垂直
走査することによりカラー画像を表示する構造に形成さ
れている。その偏向装置9は、3電子ビーム6B ,6G
,6R を水平方向に偏向する水平偏向磁界を発生する
一対の水平偏向コイル10と垂直方向に偏向する垂直偏
向磁界を発生する一対の垂直偏向コイル11とを有す
る。
【0003】このようなカラー受像管装置において、蛍
光体スクリーン3上に正しいカラー画像を表示させるた
めには、蛍光体スクリーン3の全面にわたり3電子ビー
ム6B ,6G ,6R を正しく集中させる必要がある。そ
のために、特に電子銃7をセンタービーム6G および一
対のサイドビーム6B ,6R からなる同一水平面上を通
る一列配置の3電子ビーム6B ,6G ,6R を放出する
インライン型電子銃とし、このインライン型電子銃の特
徴を生かして、偏向装置9の発生する水平、垂直偏向磁
界を特定の非斉一磁界とすることにより、蛍光体スクリ
ーン3の全面にわたり3電子ビーム6B ,6G ,6R を
ほぼ集中するようにしたセルフコンバーゼンス・インラ
イン型カラー受像管装置がある。
【0004】このセルフコンバーゼンス・インライン型
カラー受像管装置の偏向磁界としては、主としてピンク
ッション形の水平偏向磁界と主としてバレル形の垂直偏
向磁界とにより構成されることが知られている。このよ
うな非斉一の水平、垂直偏向磁界により、同一水平面上
を通る一列配置の3電子ビーム6B ,6G ,6R のう
ち、一対のサイドビーム6B ,6R を、図16(a)に
破線13B ,13R で示すように、画面全面にわたりほ
ぼ一点に集中することができ、非点収差といわれる偏向
収差をほぼなくすことができる。しかしセンタービーム
6G については、実線13G で示すように、一対のサイ
ドビーム6B ,6R とは異なる点に到達し、いわゆるコ
マ収差といわれる偏向収差が生ずる。
【0005】従来よりこのコマ収差を補正するために、
種々の方法が考えられている。その方法を大別すると、
つぎの2通りになる。 (イ) 一般にコマフリーといわれている方法で、偏向
装置の磁界分布を適正化することによりコマ収差を補正
する方法である。その磁界分布として、水平偏向磁界
を、図17(a)に曲線14で示すように、偏向装置の
後部側(電子銃側)をバレル形に歪ませるとともに、垂
直偏向磁界を、同(b)に曲線15で示すように、偏向
装置の後部側をピンクッション形に歪ませる方法があ
る。このような磁界分布をもつ偏向装置により同一水平
面上を通る一列配置の3電子ビームを偏向すると、図1
6(b)に図16(a)に対応して破線13B ,13R
および実線13G で示すように、画面全面にわたり3電
子ビームをほぼ一点に集中させることができる。
【0006】このような磁界分布を得る方法としては、
図18に示すように、磁性体からなるコア16にコイル
17を巻付けて複数個の磁極を形成するサブコイル18
を偏向装置の後部側に配置する方法や、図19に示すよ
うに、偏向装置の後部漏洩磁界を整形して適正化する磁
性部材19を偏向装置の後部側に配置する方法がある。 (ロ) 電子銃の電子ビーム放出端側(蛍光体スクリー
ン側)電極に磁性部材を配置して、偏向装置の後部漏洩
磁界を整形して、同一水平面上を通る一列配置の3電子
ビームに加わる磁界強度を相対的に変化させる方法であ
る。その一例として、図20に示すように、電子銃の電
子ビーム放出端に取付けられるコンバーゼンス・カップ
20の底部に磁性部材21を配置したものがある。この
例では、同一水平面上を通る一列配置の3電子ビーム6
B ,6G ,6R のうち、センタービーム6G に加わる磁
界強度を一対のサイドビーム6B ,6R に加わる磁界強
度に対して相対的に強めるものとなっている。この場
合、センタービーム6G の偏向量をサイドビーム6B ,
6R の偏向量に対して大きくすることができ、図16
(b)に破線13B ,13R および実線13G で示した
ように、コマ収差をなくすことができる。
【0007】しかし上記のような方法を用いても、非点
収差やコマ収差を完全になくすことは困難であり、図2
1に破線13B ,13R および実線13G で示すよう
に、特に画面の中間部および周辺部付近に上記収差のた
めにコンバーゼンスエラが反転することにより生ずる高
次のコンバーゼンスエラが残る。この高次のコンバーゼ
ンスエラは、近年パネルのフラット化や大偏向角化にと
もなってより顕著になっている。この高次のコンバーゼ
ンスエラをなくすためには、たとえば非点収差について
は、偏向装置の水平偏向コイルおよび垂直偏向コイルの
巻線形状を、より複雑しなければならない。またコマ収
差については、前記サブコイルの磁性体の形状を、より
複雑しなければならない。
【0008】従来偏向コイルの巻線形状を複雑にする方
法として、図22に示すように、偏向装置の水平および
垂直偏向コイルを固定する樹脂モールド23に導線を巻
付けるためのガイド溝24を設けたものがある。このよ
うにガイド溝24を設けて導線を巻込むと、複雑なコイ
ル形状にすることが可能となるが、このような方法で
は、製造がいちじるしく難しくなる。また高次のコンバ
ーゼンスエラを補正するためには、漏斗状ファンネルの
径大部とネックとの境界部の磁界をより複雑な分布にす
る必要がある。しかしこの部分はスペース的に狭いた
め、ガイド溝24に導線を巻込む方法でも、コイルの巻
線の方向を急激に曲げたり、反転させたりすることは困
難であり、所望の巻線形状が得にくい。
【0009】さらに最近のカラー受像管装置は、パネル
のフラット化にともない、画面がピンクッション状に歪
むラスター歪が大きくなっている。このラスター歪を補
正するためには、従来の偏向装置よりも、さらにパネル
側に磁界を形成する必要があるが、このような磁界を従
来の偏向装置により形成しようとすると、偏向装置の大
型化をまねく。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、電子銃
から放出された同一水平面上を通る一列配置の3電子ビ
ームを偏向装置の発生する水平、垂直偏向磁界を特定の
非斉一磁界とすることにより集中するようにしたセルフ
コンバーゼンス・インライン型カラー受像管装置がある
が、このセルフコンバーゼンス・インライン型カラー受
像管装置は、一対のサイドビームについては、画面の全
面にわたりほぼ一点に集中させて非点収差をなくすこと
ができるが、センタービームについては、一対のサイド
ビームと一致せず、コマ収差が生ずる。このコマ収差を
補正するために、従来より種々の方法があるが、そのい
ずれの方法も、非点収差やコマ収差を完全になくすこと
はできず、高次のコンバーゼンスエラが残る。この高次
のコンバーゼンスエラは、近年のパネルのフラット化や
大偏向角化により、より顕著になつている。この高次の
コンバーゼンスエラをなくすためには、たとえば非点収
差については、偏向装置の水平偏向コイルおよび垂直偏
向コイルの巻線形状を、より複雑しなければならない。
またコマ収差については、前記サブコイルの磁性体の形
状を、より複雑しなければならない。
【0011】従来偏向コイルの巻線形状をより複雑にす
る方法として、偏向装置の水平および垂直偏向コイルを
固定する樹脂モールドに導線を巻付けるためのガイド溝
を設けたものがあるが、このようにガイド溝を設けて導
線を巻込む方法は、製造がいちじるしく難しくなる。ま
た高次のコンバーゼンスエラを補正するためには、漏斗
状ファンネルの径大部とネックとの境界部をより複雑な
磁界分布にする必要があるが、この境界部はスペース的
に狭いため、ガイド溝に導線を巻込む方法でも、コイル
の巻線の方向を急激に曲げたり、反転させたりすること
は困難であり、所望の巻線形状が得にくいという問題が
ある。
【0012】さらに最近のカラー受像管装置は、パネル
のフラット化にともない、偏向収差のために、画面がピ
ンクッション状に歪むラスター歪が大きくなっている。
このラスター歪を補正するためには、従来の偏向装置よ
りも、さらにパネル側に磁界を形成する必要があるが、
このような磁界を従来の偏向装置により形成しようとす
ると、偏向装置の大型化をまねくという問題がある。
【0013】この発明は、上記問題点に鑑みてなされた
ものであり、高次のコンバーゼンスエラやラスター歪を
補正することが可能な複雑な偏向磁界を偏向装置の大型
化や複雑化することなく、比較的簡単におこなうことが
できるカラー受像管装置を構成することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】漏斗状のファンネルの径
大部とネックとの境界部外側に装着され、ネック内に配
置された電子銃から放出された3電子ビームを矩形状画
面の長軸方向に偏向する第1偏向コイルと画面の短軸方
向に偏向する第2偏向コイルとを有する偏向装置を備え
るカラー受像管装置において、ファンネルと偏向装置と
の間隙またはファンネルの径大部外面上に、ファンネル
の径大部とネックとの境界部外面またはファンネルの径
大部外面とほぼ同じ曲面形状に形成され、第1または第
2偏向コイルを流れる偏向電流に同期した電流が供給さ
れるシート状コイルを配置した。
【0015】また、複数個のシート状コイルが画面の長
軸と管軸とを含む平面および画面の短軸と管軸とを含む
平面に対して対称に配置した。
【0016】さらに、そのシート状コイルを厚さ1.5
mm以下に形成した。
【0017】さらにまた、そのシート状コイルを可撓性
とした。
【0018】
【作用】上記のように、ファンネルと偏向装置との間隙
またはファンネルの径大部外面上に、ファンネルの径大
部とネックとの境界部外面またはファンネルの径大部外
面とほぼ同じ曲面形状に形成され、第1または第2偏向
コイルを流れる偏向電流に同期した電流が供給されるシ
ート状コイルを配置すると、このシート状コイルの導線
束の形状を適切に設定することにより、シート状コイル
の形成する磁界分布を偏向装置の発生する磁界分布と重
ね合わせたとき、従来の偏向装置の発生する磁界では補
正できなかった高次のコンバーゼンスエラや、パネルの
フラット化にともなって生ずる高次のラスター歪を十分
に補正する複雑な磁界分布を比較的容易に形成すること
ができる。
【0019】また、複数個のシート状コイルを画面の長
軸と管軸とを含む平面および画面の短軸と管軸とを含む
平面に対して対称に配置することにより、その両平面に
対して対称な磁界を形成することができ、画面全面にわ
たり、高次のコンバーゼンスエラやパネルのフラット化
にともなって生ずる高次のラスター歪を有効に補正する
ことができる。
【0020】さらに、シート状コイルを厚さを1.5mm
以下に形成すると、従来の偏向装置の形状を変更するこ
となく、ファンネルと偏向装置との狭い間隙に容易に配
置することができる。
【0021】さらにまた、そのシート状コイルを可撓性
に形成すると、偏向装置の装着されるファンネルの径大
部とネックとの境界部外面やファンネルの径大部外面の
曲面に容易に密着させることができる。
【0022】
【実施例】以下、図面を参照してこの発明を実施例に基
づいて説明する。
【0023】実施例1.図1にその実施例1であるセル
フコンバーゼンス・インライン型カラー受像管装置を示
す。このカラー受像管装置は、ほぼ矩形状のパネル1お
よび漏斗状のファンネル2からなる外囲器を有し、その
パネル1の内面に、青、緑、赤に発光する垂直方向に細
長いストライプ状の3色蛍光体層からなる蛍光体スクリ
ーン3が形成され、この蛍光体スクリーン3に対向し
て、その内側にシャドウマスク4が配置されている。一
方、ファンネル2のネック5内に、同一水平面上を通る
一列配置の3電子ビーム6B ,6G ,6R を放出する電
子銃7が配置されている。またファンネル2の径大部8
とネック5との境界部の外側に、上記電子銃7から放出
された3電子ビーム6B ,6G ,6R を画面水平方向
(画面長軸方向)に偏向する水平偏向磁界および画面垂
直方向(画面短軸方向)に偏向する垂直偏向磁界を発生
する偏向装置9が装着されている。
【0024】この偏向装置9は、上記ファンネル2の径
大部8とネック5との境界部の外側面に沿った形状の樹
脂モールド23と、たとえばサドル型に巻回されて、上
記樹脂モールド23の内側の上下に配置され、主として
ピンクッション形の水平偏向磁界を発生する一対の水平
偏向コイル10(第1偏向コイル)と、たとえばコア3
0にトロイダル型に巻回されて、上記樹脂モールド23
の外側の上下に配置され、主としてバレル形の垂直偏向
磁界を発生する一対の垂直偏向コイル11(第2偏向コ
イル)とからなる。そしてこの偏向装置9は、樹脂モー
ルド23の後部(電子銃側)に取付けられた止め金具3
1により、上記樹脂モールド23の内側に配置された水
平偏向コイル10とファンネル2の外面との間に2mm程
度の間隙が得られるように固定されている。なお、上記
した主としてピンクッション形の水平偏向磁界および主
としてバレル形の垂直偏向磁界とは、水平偏向磁界およ
び垂直偏向磁界がそれぞれ総合的にピンクッション形お
よびバレル形であることを意味している。
【0025】さらにこのカラー受像管装置においては、
上記水平偏向コイル10とファンネル2の外面との間隙
からファンネル2の径大部8の外面にかけて一対のシー
ト状コイル33が配置されている。
【0026】この一対のシート状コイル33は、図2
(a)に示すように、それぞれ線径0.3mm程度の絶縁
被覆導線を、あらかじめ要求される特性に合う巻数の円
形状の導線束34a に形成し、この導線束34a を同
(b)に示すように、狭幅部35を中間にして両端に拡
幅部36,37をもつ左右対称の平面状の導線束34b
に成形したのち、形状維持、絶縁、強度増強、可動性向
上などを目的として、同(c)および(d)に示すよう
に、その導線束34b の両面に、ポリスチレン、ポリエ
チレン、ポリアミド、ポリイミドなどの絶縁樹脂のフィ
ルム38a ,38bを貼合せて、上記ファンネルの径大
部の外面に沿う形状に成形したものとなっている。
【0027】この一対のシート状コイル33は、図3お
よび図4に示すように、水平軸(X軸)すなわち画面水
平軸と管軸(Z軸)を含む平面を挟んで上下対称、かつ
それぞれ垂直軸(Y軸)すなわち画面垂直軸と管軸を含
む平面に対して対称に配置され、その一端の拡幅部36
がファンネル2の径大部8とネック5との境界部付近の
A領域に、中間の狭幅部35が偏向装置9のコア30に
対応するB領域に、他端の拡幅部37がファンネル2の
径大部8上のC領域に位置し、接着剤などによりファン
ネルの外面に固定されている。そのA領域に位置する拡
幅部36の後端のネック5外周方向のコイルの長さl
は、ネック5の外周長の1/3以上となっており、パネ
ルに近づくにしたがって幅が広くなっている。この拡幅
部36からパネル方向に延びてB領域に位置する狭幅部
35の幅は、ネック5の外周長の1/3以下である。こ
の狭幅部35に対してパネル側に位置する拡幅部37の
幅は、この拡幅部37の位置するファンネル2の径大部
8の外周長の1/3以上となっている。そしてこの一対
のシート状コイル33には、垂直偏向電流に同期して、
たとえば3電子ビームを画面上方に偏向するとき、矢印
方向の電流が流れるように偏向装置9の垂直偏向コイル
に接続されている。
【0028】このように所定幅の狭幅部35を中間にし
て両端に所定幅の拡幅部36,37をもつ一対のシート
状コイル33を垂直軸に対して対称に配置し、その各シ
ート状コイル33に垂直偏向電流に同期した電流を流す
と、一端の拡幅部36の位置するA領域には、図5
(a)に示すように、ピンクッション形の磁界39が形
成され、パネルに近づくにしたがって、そのピンクッシ
ョンの程度が強くなる。つづく狭幅部35の位置するB
領域には、同(b)に示すように、バレル形の磁界40
が形成される。さらに拡幅部37の位置するC領域に
は、同(c)に示すように、ピンクッション形の磁界4
1が形成される。その結果、この一対のシート状コイル
33は、図6に示すように、管軸方向に曲線42で示す
分布の磁界を形成する。したがってこの一対のシート状
コイルの形成する磁界と偏向装置の垂直偏向コイルの発
生する磁界とを組合わせると、管軸方向に図7に曲線4
3で示す複雑な所望分布の磁界となる。
【0029】その結果、従来の偏向装置の発生する偏向
磁界では取除くことができなかった高次の偏向収差を補
正できる。すなわち、A領域で高次のコマ収差を補正
し、B領域で高次の非点収差を補正し、C領域でパネル
のフラット化にともなって生ずる高次のラスター歪を補
正することができる。
【0030】実施例2.図8および図9に実施例2に係
る一対のシート状コイルを示す。この一対のシート状コ
イル33は、それぞれ左右対称かつ同心状に巻回された
3群の導線束34b をもち、実施例1のシート状コイル
と同様に上記の3群の導線束34b の両面に絶縁樹脂の
フィルムを貼合せて、ファンネル2の径大部8とネック
5との境界部の外面に沿う形状に成形されている。
【0031】この一対のシート状コイル33は、偏向装
置9の水平偏向コイルとファンネル2の外面との間隙に
水平軸すなわち画面水平軸と管軸を含む平面を挟んで上
下対称、かつそれぞれ垂直軸すなわち画面垂直軸と管軸
を含む平面に対して対称に配置されている。そしてこの
一対のシート状コイル33は、垂直偏向電流に同期し
て、たとえば3電子ビームを画面上方に偏向するとき、
矢印方向の電流が流れるように偏向装置の垂直偏向コイ
ルに接続されている。
【0032】このような一対のシート状コイル33は、
図9に示したように、10極磁界45を形成し、偏向装
置の発生する偏向磁界のうち、特に4次以上の高次成分
を調整して、高次のコマ収差および高次の非点収差を有
効に補正する。このような高次のコマ収差や非点収差な
どの高次の偏向収差の補正に有効な多極磁界の形成は、
従来の偏向装置ではきわめて困難であったが、上記構造
のシート状コイル33を配置すると、比較的簡単に所望
の多極磁界を形成することができ、高次のコマ収差や高
次の非点収差を有効に補正するものとなる。
【0033】すなわち、図21に示した従来のカラー受
像管装置のコンバーゼンスパターンは、垂直方向の偏向
収差が、画面の中間部ではバレル磁界による補正不足
(ピンクッション磁界による補正オーバー)、周辺部で
はバレル磁界による補正オーバー(ピンクッション磁界
による補正不足)により生じている。したがってこのコ
ンバーゼンスパターンを改善するためには、画面の中間
部に到達する電子ビームに対してはバレル磁界成分を、
また画面の周辺部に到達する電子ビームに対してはピン
クッション磁界成分を強めるようにすることが必要であ
る。
【0034】このような磁界を形成するため、上記一対
のシート状コイル33は、画面周辺部に偏向される電子
ビームが数mm偏向される偏向装置のコアに対応する領域
に配置され、その一対のシート状コイル33の各3群の
導線束により得られる10本の電流束I1 〜I10のう
ち、垂直軸上に位置する電流束I1 とこの電流束I1 に
隣接する電流束I2 ,I10、および電流束I6 とこの電
流束I6 に隣接する電流束I5 ,I7 とのなす角度θ1
を15°程度に設定し、電流束I1 と電流束I3,I9
、および電流束I6 と電流束I4 ,I8 となす角度θ2
を75°程度に設定することにより、図10に示すよ
うに、画面の中間部に向かう3電子ビーム6B ,6G ,
6R に対してはバレル形磁界46を、画面の周辺部に向
かう3電子ビーム6B ,6G ,6R に対してはピンクッ
ション形磁界47を形成する。
【0035】したがってこのような磁界46,47を形
成することにより、画面の各部に向かう3電子ビーム6
B ,6G ,6R に働く力を異ならしめ、図21に示した
従来のカラー受像管装置の高次のコンバーゼンスエラを
補正することができる。
【0036】実施例3.図11に実施例3に係るシート
状コイルを示す。このシート状コイル33は、ほぼ台形
状の導線束43b をもち、実施例1のシート状コイルと
同様に上記導線束34b の両面に絶縁樹脂のフィルムを
貼合せて、ファンネル2の径大部8の外面に沿う形状に
成形されている。
【0037】このシート状コイル33は、偏向装置の水
平偏向コイルとファンネル2の外面との間隙からファン
ネル2の径大部8にかけて、水平軸すなわち画面水平軸
と管軸を含む平面を挟んで上下対称、かつそれぞれ垂直
軸すなわち画面垂直軸と管軸を含む平面に対して対称に
4個配置され、その各シート状コイル33の各導線束3
4b は、パネル方向に数十mm延びる長さsに形成されて
いる。そしてこの各シート状コイル33は、垂直偏向電
流に同期して、たとえば3電子ビームを画面上方に偏向
するとき、矢印方向の電流が流れるように偏向装置の垂
直偏向コイルに接続されている。
【0038】このようにシート状コイル33を配置する
と、たとえば3電子ビームを画面上方に偏向するとき、
図12に示す矢印方向の磁界49が形成され、その垂直
方向のP−Qでの水平方向の磁界強度は、図13に曲線
50で示すようになる。その結果、3電子ビームは、そ
の磁界強度に応じて垂直方向に偏向され、図14(a)
に示すように、ラスター51a の横線の中央部が内側に
向かって弓形に歪み、コーナー部において内側に垂下る
高次のラスター歪を、偏向装置を大型にすることなく、
同(b)に示すように正しいラスター51の形状に補正
することができる。
【0039】なお、上記各実施例では、シート状コイル
をそれぞれ垂直偏向コイルに接続した場合について説明
したが、このシート状コイルは、水平偏向コイルに接続
したり、あるいは垂直偏向コイルに接続されたシート状
コイルと水平偏向コイルに接続されたシート状コイルと
を、たとえば重ね合せて併用することは任意である。
【0040】また、上記実施例では、サドル形水平偏向
コイルとトロイダル形垂直偏向コイルからなるセミトロ
イダル型偏向装置にシート状コイルを組合わせた場合に
ついて説明したが、この発明は、このセミトロイダル型
偏向装置以外の偏向装置にも適用可能である。
【0041】さらに、上記実施例では、シート状コイル
の形成方法として、あらかじめ絶縁導線の導線束を形成
しておき、この導線束を成形してシート状コイルを形成
したが、他の形成方法として、たとえばシート状コイル
を流れる電流が比較的小さい場合は、印刷用金属張りフ
レキシブル板を使用して、導線パターン(導線束)をフ
ォトエングレイビング法により形成してもよい。特にガ
ラス布・ポリイミド銅張り積層フレキシブル印刷板を用
いると、ファンネルの複雑な外面形状に沿う形状に成形
することが容易にでき、しかも放熱、絶縁性にもすぐ
れ、所望のシート状コイルとすることができる。しかも
フォトエングレイビング法により導線パターンを形成す
るため、複雑な導線パターンを容易に形成することがで
き、従来の偏向装置では得られない磁界分布を容易に形
成することができる。
【0042】
【発明の効果】漏斗状のファンネルの径大部とネックと
の境界部外側に装着され、ネック内に配置された電子銃
から放出された3電子ビームを矩形状画面の長軸方向に
偏向する第1偏向コイルと画面の短軸方向に偏向する第
2偏向コイルとを有する偏向装置を備えるカラー受像管
装置において、ファンネルと偏向装置との間隙またはフ
ァンネルの径大部外面上に、ファンネルの径大部とネッ
クとの境界部外面またはファンネルの径大部外面とほぼ
同じ曲面形状に形成され、第1または第2偏向コイルを
流れる偏向電流に同期した電流が供給されるシート状コ
イルを配置すると、このシート状コイルのコイル形状を
適切に設定することにより、発生する磁界分布を偏向装
置の発生する磁界分布と重ね合わせたとき、従来の偏向
装置から得られる磁界では補正できなかった高次のコン
バーゼンスエラや、パネルのフラット化にともなって生
ずる高次のラスター歪を補正する複雑な磁界分布を比較
的容易に形成することができ、偏向装置を大型にした
り、複雑な磁界を発生する構造にすることなく、品位良
好な画像を表示するカラー受像管装置を構成することが
できる。
【0043】また、複数個のシート状コイルを画面の長
軸と管軸とを含む平面および画面の短軸と管軸とを含む
平面に対して対称に配置することにより、その長軸と管
軸および短軸と管軸とを含む平面に対して対称な磁界を
形成することができ、画面全面にわたり、高次のコンバ
ーゼンスエラやパネルのフラット化にともなって生ずる
高次のラスター歪を有効に補正することができる。
【0044】さらに、シート状コイルを厚さを1.5mm
以下に形成すると、従来の偏向装置の形状を変更するこ
となく、ファンネルと偏向装置との狭い間隙に容易に配
置することができる。
【0045】さらにまた、そのシート状コイルを可撓性
に形成すると、偏向装置の装着されるファンネルの径大
部とネックとの境界部外面やファンネルの径大部外面の
曲面に容易に密着させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(a)はこの発明の実施例1のカラー受像
管装置の構成を示す図、図1(b)はその要部構成を示
す断面図である。
【図2】図2(a)乃至(d)はそれぞれ上記カラー受
像管装置のシート状コイルの製造方法を説明するための
図である。
【図3】上記カラー受像管装置の偏向装置に対するシー
ト状コイルの配置を示す図である。
【図4】上記シート状コイルの動作を説明するための図
である。
【図5】図5(a)は上記シート状コイルがA領域に形
成する磁界を示す図、図5(b)はB領域に形成する磁
界を示す図、図5(c)はC領域に形成する磁界を示す
図である。
【図6】上記シート状コイルの形成する管軸方向の磁界
分布を示す図である。
【図7】偏向装置の発生する垂直偏向磁界に上記シート
状コイルの形成する磁界を重ね合せた場合の磁界分布を
示す図である。
【図8】この発明の実施例2のシート状コイルを示す図
である。
【図9】上記実施例2のシート状コイルの形成する磁界
を示す図である。
【図10】上記実施例2のシート状コイルの作用を説明
するための図である。
【図11】この発明の実施例3のシート状コイルを示す
図である。
【図12】上記実施例3のシート状コイルの形成する磁
界を示す図である。
【図13】上記実施例3のシート状コイルの形成する磁
界の水平方向の強度を示す図である。
【図14】図14(a)および(b)はそれぞれ上記実
施例3のシート状コイルによる高次のラスター歪の補正
を説明するための図である。
【図15】従来のカラー受像管装置の構成を示す図であ
る。
【図16】図16(a)および(b)はそれぞれ上記従
来のカラー受像管装置の偏向収差によるコンバーゼンス
エラを説明するための図である。
【図17】図17(a)は上記従来のカラー受像管装置
の水平偏向磁界の管軸方向の分布を示す図、図17
(b)は垂直偏向磁界の管軸方向の分布を示す図であ
る。
【図18】従来のカラー受像管装置のコンバーゼンスエ
ラを補正するサブコイルを示す図である。
【図19】従来のカラー受像管装置のコンバーゼンスエ
ラを補正する磁性部材を示す図である。
【図20】従来のカラー受像管装置のコンバーゼンスエ
ラを補正するため、電子銃に配置される磁性部材を示す
図である。
【図21】従来のカラー受像管装置に発生する高次のコ
ンバーゼンスエラを示す図である。
【図22】偏向装置の樹脂モールドに形成されるガイド
溝を示す図である。
【符号の説明】
1…パネル 2…ファンネル 3…蛍光体スクリーン 5…ネック 6B ,6G ,6R …3電子ビーム 7…電子銃 8…径大部 9…偏向装置 10…水平偏向コイル 11…垂直偏向コイル 34b …導線束 38a ,38b …絶縁樹脂のフィルム

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 漏斗状のファンネルの径大部とネックと
    の境界部外側に装着され、上記ネック内に配置された電
    子銃から放出された3電子ビームを矩形状画面の長軸方
    向に偏向する第1偏向コイルと上記画面の短軸方向に偏
    向する第2偏向コイルとを有する偏向装置を備えるカラ
    ー受像管装置において、 上記ファンネルと上記偏向装置との間隙または上記ファ
    ンネルの径大部外面上に、上記ファンネルの径大部とネ
    ックとの境界部外面または上記ファンネルの径大部外面
    とほぼ同じ曲面形状に形成され、上記第1または第2偏
    向コイルを流れる偏向電流に同期した電流が供給される
    シート状コイルが配置されてなることを特徴とするカラ
    ー受像管装置。
  2. 【請求項2】 複数個のシート状コイルが画面の長軸と
    管軸とを含む平面および画面の短軸と管軸とを含む平面
    に対して対称に配置されていることを特徴とする請求項
    1記載のカラー受像管装置。
  3. 【請求項3】 シート状コイルは厚さが1.5mm以下に
    形成されていることを特徴とする請求項1記載のカラー
    受像管装置。
  4. 【請求項4】 シート状コイルは可撓性に形成されてい
    ることを特徴とする請求項1記載のカラー受像管装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001151977A (ja) * 1999-12-01 2001-06-05 Toray Ind Inc 塩素化ポリプロピレン含有樹脂組成物

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JP2001151977A (ja) * 1999-12-01 2001-06-05 Toray Ind Inc 塩素化ポリプロピレン含有樹脂組成物

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