JP2000353479A - 偏向ヨークおよびこれを用いた陰極線管受像機 - Google Patents

偏向ヨークおよびこれを用いた陰極線管受像機

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JP2000353479A
JP2000353479A JP11162157A JP16215799A JP2000353479A JP 2000353479 A JP2000353479 A JP 2000353479A JP 11162157 A JP11162157 A JP 11162157A JP 16215799 A JP16215799 A JP 16215799A JP 2000353479 A JP2000353479 A JP 2000353479A
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Yoshio Ko
義雄 高
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 鞍型の水平偏向コイルをセクション巻きでベ
ンドレス構造にしようとした場合に、強いバレル磁界の
発生によってHCLの調整が難しくなる。 【解決手段】 全体として略円錐筒形状をなすセパレー
タ20に水平偏向コイルを鞍型にセクション巻きする巻
線構造として、セパレータ20の小径開口部22で、水
平偏向コイルのコイル線16−1を各段のガイドスリッ
ト28に通すことにより、セパレータ20の中心軸Z方
向の異なる位置でコイル線16−1を円周方向に渡らせ
てベンドレス構造を実現する。さらに、セパレータ20
の内周面の小径開口部22側で、水平偏向コイルの偏向
基準軸Xと直交するY軸寄りに配置されたコイル線16
−1を裾広がり状に巻線することにより、強いバレル磁
界の発生を回避する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、偏向ヨークおよび
これを用いた陰極線管受像機に関し、特に偏向ヨークに
おける偏向コイルの巻線構造に関する。
【0002】
【従来の技術】カラー陰極線管においては、電子銃から
出射される3本の電子ビーム、すなわちR(赤),G
(緑),B(青)の各色蛍光体を発光させる3本の電子
ビームの進行方向を上下左右に偏向することにより、画
面上にカラー画像を組み立てている。電子ビームの偏向
には、水平偏向コイルと垂直偏向コイルを有する偏向ヨ
ークが用いられる。この偏向ヨークは、陰極線管バルブ
のネック部からファンネル部に至るコーン部と呼ばれる
部分に装着される。
【0003】偏向ヨークにおいては、電子銃から出射さ
れる3本の電子ビームの軌道上に、上記水平偏向コイル
に水平偏向電流を、上記垂直偏向コイルに垂直偏向電流
をそれぞれ流すことにより偏向磁界を形成し、この偏向
磁界によって電子ビームを上下左右に偏向している。そ
して、3本の電子ビームを色選別電極(アパーチャグリ
ル、シャドウマスク等)の一点に集中(コンバージェン
ス)させることで、画面上に所望のカラー画像を再現し
ている。
【0004】図8は偏向コイルが鞍型にセクション巻き
されるセパレータの従来例を示す斜視図であり、図9は
その正面図である。図8および図9において、セパレー
タ51の内周面には、その中心軸方向の一方から他方に
放射状に延びるリブ52を境として巻線ガイド部53が
形成されている。また、セパレータ51の両端部には、
偏向コイルのコイル線(銅線等)を円周方向に渡らせる
ための回周案内溝54,55が形成されている。
【0005】これに対して、偏向コイルのコイル線は、
セパレータ51の一方から他方にかけてはリブ52を境
界とした巻線ガイド部53により図9の二点鎖線で示す
ように案内され、かつセパレータ51の両端部ではそれ
ぞれ回周案内溝54,55により案内されることによ
り、鞍型にセクション巻きされている。なお、図8およ
び図9に示すセパレータ51は、これと同様の構造をな
すセパレータと一体に組み合わされることにより、全体
として略円錐筒形状に形成される。
【0006】図10は上記セパレータ51を用いて鞍型
にセクション巻きされた偏向コイル56の巻線形状(全
体像)を示すもので、(a)はその側面図、(b)はそ
の背面図を示している。図10において、偏向コイル5
6は上記セパレータ51の形状に倣って巻線されてい
る。また、偏向コイル56の両端部には、上記セパレー
タ51の回周案内溝54,55に係合する渡り線部56
a,56bが形成されている。
【0007】ところで、例えば水平偏向コイルの構造と
して、前述のように偏向コイル56後端の渡り線部56
bが径方向に積み重なるように突出し、これによって偏
向コイル56の渡り線部56bが曲がり立ちした所謂ベ
ンドアップ構造になっていると、電子ビームの偏向に寄
与しない無効磁束(無効インダクタンス)が増加する。
そうすると、偏向電力の指数となる“L×I2 ”(L:
インダクタンス、I:電流)が大きくなり、その分だけ
偏向効率が低下してしまう。
【0008】そこで、水平偏向コイルの偏向効率を高め
る手法として、偏向コイル後端の渡り線部を出来るだけ
陰極線管バルブの外周面(ガラス面)に近づけ、これに
よって無効磁束を減らす手法が知られている。このよう
に偏向コイル後端の渡り線部を陰極線管バルブの外周面
に近づける巻線構造は、一般にベンドレス構造と呼ばれ
ている。
【0009】図11はベンドレス構造を採用した偏向コ
イルの巻線形状(全体像)を示すもので、(a)はその
側面図、(b)はその背面図を示している。図示のよう
に偏向コイル56の後端(渡り線部56b)は、前述の
ベンドアップ構造のように径方向に大きく突出すること
なく、軸方向に延出するかたちで形成されている。
【0010】このようなベンドレス構造をセクション巻
きで実現するにあたり、従来では図12に示す構造のセ
パレータが用いられている。図12において、セパレー
タ51の後端部には、所定の円周ピッチで複数のガイド
爪57が設けられ、これらのガイド爪57によって複数
のガイドスリット58が形成されている。また、各々の
ガイドスリット58の切り込み深さは、円周方向におけ
る渡り線部の中心位置から離れるにしたがって段階的に
深くなるように設定されている。
【0011】図13はセパレータ後端部における偏向コ
イルの巻線状態を示すもので、(a)はその平面図、
(b)は(a)におけるA−A断面図である。図13に
おいて、偏向コイルのコイル線56−1は、セパレータ
後端に形成されたガイドスリット58を通して円周方向
に渡されている。また、コイル線56−1は、各段のガ
イドスリット58の切り込み深さに対応して、セパレー
タの中心軸方向(図13(a)の左右方向)の異なる位
置で渡され、これによって渡り線部56bがセパレータ
の中心軸方向に延出した巻線形態となっている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら従来にお
いては、セクション巻きによるベンドレス構造を水平偏
向コイルに採用した場合、セパレータ後端の渡り線部5
6bがセパレータの中心軸方向に延出し、かつ渡り線部
56bの中心位置(図13(a)の一点鎖線で示す位
置)近傍のコイル線56−1がセパレータの中心軸方向
に長く延ばされることにより、渡り線部56bでの磁界
分布が図14に示すように水平軸方向Xに膨らみをもつ
強いバレル形(たる形)の磁界(以下、「バレル磁界」
という)となる。
【0013】このように水平偏向コイルの後端部で強い
バレル磁界が生じると、偏向ヨークを装着した陰極線管
受像機でコンバージェンスを補正しようとした場合に、
HCR(Horizontal Center Raster)の調整が困難にな
る。ちなみに、HCRとは、R,G,Bの3本の電子ビ
ームを蛍光面上でコンバージェンスさせるに際し、セン
タービーム(緑の蛍光体を発光させる電子ビーム)の位
置が画面の水平軸上で正規の位置からずれる現象をい
う。
【0014】この対策としては、セパレータ後端の各段
のガイドスリット58の切り込み深さを渡り線部56b
の中心位置から離れるにしたがって段階的に浅くなるよ
うに設定し、それらのガイドスリット58を通してコイ
ル線56−1を円周方向に渡すことにより、渡り線部5
6bでのバレル磁界を弱めることも考えられる。しかし
ながら、そうした場合は、渡り線部56bの中心位置近
傍でガイド爪57の長さが長くなる(ガイドスリット5
8の切れ込みが深くなる)ことから、その部分でセパレ
ータ51の強度が大幅に低下し、またセクション巻きに
よる巻線作業も難しくなる。
【0015】本発明は、上記課題を解決するためになさ
れたもので、その目的とするところは、ベンドレス構造
の巻線形態をセクション巻きで実現するとともに、HC
Rの調整を容易に行うことができる偏向ヨークおよびこ
れを用いた陰極線管受像機を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明による偏向ヨーク
は、全体として略円錐筒形状をなすセパレータと、この
セパレータに鞍型にセクション巻きされた偏向コイルと
を備える偏向ヨークにおいて、セパレータの小径開口部
で、偏向コイルのコイル線をセパレータの中心軸方向の
異なる位置で円周方向に渡らせるとともに、セパレータ
の内周面の小径開口部側で、偏向コイルの偏向基準軸と
直交する直交軸寄りに配置されたコイル線を裾広がり状
に巻線した構成となっている。そして、本発明による陰
極線管受像機は、上記構成の偏向ヨークを用いたものと
なっている。
【0017】上記構成の偏向ヨークおよびこれを用いた
陰極線管受像機においては、セパレータの小径開口部
で、偏向コイルのコイル線をセパレータの中心軸方向の
異なる位置で円周方向に渡らせることにより、ベンドレ
ス構造が実現される。また、セパレータの内周面の小径
開口部側で、偏向コイルの偏向基準軸と直交する直交軸
寄りに配置されたコイル線を裾広がり状に巻線すること
により、従来のような強いバレル磁界が渡り線部で発生
しなくなる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照しつつ詳細に説明する。図1は本発明が適
用される陰極線管の全体像を示す概略斜視図である。図
1において、陰極線管バルブ10は、パネル部11、フ
ァンネル部12およびネック部13により構成されてい
る。パネル部11の内面には、赤,青,緑の各色蛍光体
をパターン配列した蛍光面(不図示)が形成されてい
る。一方、ネック部13には、電子ビームの出射源とな
る電子銃14が内装されている。また、ネック部13か
らファンネル部12に至る部分(コーン部)には偏向ヨ
ーク15が装着されている。
【0019】上記構成の陰極線管は、パネル部11内面
の蛍光面にカラー画像(又は白黒画像)を再現するのに
必要な各種の付属部品とともに図示せぬ筐体に組み込ま
れ、これによってテレビジョン受像機やコンピュータ用
ディスプレイ等の陰極線管受像機が構成される。
【0020】図2は本発明に係る偏向ヨーク15の一部
破断面を含む側面図である。図2から明らかなように、
偏向ヨーク15には、水平偏向コイル16、垂直偏向コ
イル17、コア18およびリングマグネット19等の部
品が装備されている。水平偏向コイル16は、後述する
セパレータに鞍(サドル)型にセクション巻きされてい
る。垂直偏向コイル17は、水平偏向コイル16とは別
のセパレータに鞍型に巻線されている。
【0021】このうち、水平偏向コイル16は偏向ヨー
ク15の上下(垂直軸方向)に対をなして配置され、垂
直偏向コイル17は偏向ヨーク15の左右(水平軸方
向)に対をなして配置されている。そして、電子銃14
から出射された電子ビームの軌道上において、水平偏向
コイル16は電子ビームを画面の左右方向(水平軸方
向)に偏向させる磁界を発生し、垂直偏向コイル17は
電子ビームを画面の上下方向(垂直軸方向)に偏向させ
る磁界を発生する。
【0022】コア18はフェライト等の磁性材料からな
るもので、これは、水平偏向コイル16および垂直偏向
コイル17が発生する磁界の効力をより高めるために、
それらの偏向コイル16,17を覆うように装着されて
いる。リングマグネット19は、電子銃14の組み立て
誤差等による電子ビームの軌道ずれを補正するために、
偏向ヨーク15の後端部(ガン側)に取り付けられてい
る。
【0023】続いて、偏向ヨーク15の構成部品の一つ
である、水平偏向コイル16の巻線用のセパレータの構
造につき、図3を参照しつつ説明する。なお、図3
(a)はセパレータの正面図であり、図3(b)はその
側面図である。
【0024】図3において、セパレータ20は、樹脂成
形により全体として略円錐筒形状に形成され、その中心
軸Z方向の一方(図3(b)の左側)を大径開口部2
1、同他方(図3(b)の右側)を小径開口部22とし
ている。このセパレータ20に対して、水平偏向コイル
16は、大径開口部21から小径開口部22に至るセパ
レータ20の内周面を主巻線領域(図のハッチング部
分)として鞍型にセクション巻きされる。このセクショ
ン巻き用として、セパレータ20の内周面には、大径開
口部21側に位置して複数のリブ23が放射状に形成さ
れ、これらのリブ23を境界として巻線ガイド部24が
形成されている。また、セパレータ20の小径開口部2
2側には、上記大径開口部21側のリブ23に対応して
複数のリブ25が形成されている。
【0025】図4は本実施形態に係るセパレータの要部
を示すもので、(a)はその分解断面図、(b)は
(a)のB−B断面図である。図4から分かるように、
セパレータ20は、その中心軸Z方向において先の図3
(b)に示すK−K位置またはその近傍位置を境に前後
(201,202)に分割され、それぞれの合わせ面2
01a,202aを突き合わせることにより一体に組み
立てられるようになっている。
【0026】前側のセパレータ(以下、「フロントセパ
レータ」という)201の合わせ面201a内には係合
凹部201bが形成されている。これに対して、後ろ側
のセパレータ(以下、「リアセパレータ」という)20
2の合わせ面202a上には上記係合凹部201bに係
合可能な係合突起202bが形成され、これらの係合凹
部201bと係合突起202bとを互いに係合させるこ
とにより、フロントセパレータ201とリアセパレータ
202の位置合わせ(中心軸合わせ等)がなされるよう
になっている。
【0027】フロントセパレータ201の内周面には前
述のように複数のリブ23に対応する複数のリブ25が
形成され、これらのリブ25を境として複数の巻線ガイ
ド部26が形成されている。これらのリブ25および巻
線ガイド部26は、前述した大径開口部21側のリブ2
3および巻線ガイド部24とともにフロントセパレータ
201の内周面で水平偏向コイル16の巻線位置を規制
(ガイド)するものである。また、各々のリブ25の終
端位置25aは、リアセパレータ202との合わせ面2
01aよりもフロント側(大径開口部21側)に入り込
んだ位置に設定され、その位置(25a)からリアセパ
レータ202の内周面にかけてはリブ無しの構造になっ
ている。
【0028】一方、リアセパレータ202の外周部に
は、所定の円周ピッチで複数のガイド爪27が設けら
れ、これらのガイド爪27によって複数のガイドスリッ
ト28が形成されている。また、各々のガイドスリット
28は、水平偏向コイル16の偏向基準軸となるX軸
(水平軸)に近づくにしたがい、フロントセパレータ2
01との合わせ面202a側(大径開口部21側)に段
階的に切れ込むように形成されている。さらに、X軸
(偏向基準軸)に直交するY軸(垂直軸)上には、上記
ガイド爪27よりも幅広のセンターガイド爪29が設け
られている。このセンターガイド爪29は、上記複数の
ガイド爪27とともに水平偏向コイル16のコイル線を
セパレータ20の小径開口部22で円周方向に渡らせる
ためのもので、そのガイド両端位置29aは、それぞれ
X軸からθ<60°の条件を満たすように設定されてい
る。
【0029】このようなフロントセパレータ201とリ
アセパレータ202を一体に組み立てたセパレータ20
に対し、水平偏向コイル16は、セパレータ20の大径
開口部21からリブ25の終端位置25a(図4参照)
にかけては従来同様に巻線されるものの、上記リブ25
の終端位置25aからセパレータ20の後端に至る小径
開口部22側では以下のように巻線される。
【0030】すなわち、図5(a),(b)に示すよう
に、水平偏向コイル16の偏向基準軸Xに直交するY軸
寄りのコイル線(巻き始め近くのコイル線)16−1
は、先ず、リブ25の終端位置25aからセンターガイ
ド爪29の一端に向けて図中矢印の如く斜めに引き込
まれた後、センターガイド爪29に隣接するガイドスリ
ット28に通される。次いで、コイル線16−1は、セ
ンターガイド爪29の外周面に沿って図中矢印の如く
円周方向に渡された後、センターガイド爪29に隣接す
る他のガイドスリット28に通される。さらに、ガイド
スリット28を通したコイル線16−1は、図中矢印
の如くリブ25の終端位置25aに向けて斜めに引き出
される。以降、同様の位置に数ターン(例えば、2〜3
ターン)ほどコイル線16−1が巻線される。
【0031】その後、水平偏向コイル16のコイル線1
6−1の巻線位置は、その巻線ターン数の増加に伴って
順に外側(X軸側)に移行するとともに、コイル線を円
周方向に渡すときに通されるガイドスリット28の位置
も順に外側(X軸側)に移行する。これにより、セパレ
ータ20の小径開口部22では、水平偏向コイル16の
コイル線がセパレータ20の中心軸Z方向の異なる位置
で、各々のガイドスリット28を通して円周方向に渡さ
れた状態となる。また、セパレータ20の内周面の小径
開口部22側では、Y軸寄りに配置されたコイル線16
−1が、リブ25の終端位置25aとガイドスリット2
8との間で裾広がり状に巻線された状態となる。
【0032】このような巻線構造においては、センター
ガイド爪29の両端位置29aがそれぞれX軸からθ<
60°の条件を満たすように設定されていることから、
センターガイド爪29に沿って渡されるコイル線(渡り
線)16−1の最小巻き付け角度θ′は、Y軸を中心と
して“θ′>60°”の条件を満たすことになる。
【0033】このように巻線された水平偏向コイル16
を備える偏向ヨークにおいては、セパレータ後端の渡り
線部がZ軸方向に延出した所謂ベンドレス構造となるた
め、水平偏向コイル16の偏向効率を高めることができ
る。また、Y軸寄りに配置されたコイル線16−1を小
径開口部22側で裾広がり状に巻線したことにより、従
来のような強いバレル磁界の発生を回避することができ
る。これにより、HCRの調整を容易に行うことが可能
になる。
【0034】さらに、センターガイド爪29による渡り
線(コイル線56−1)の巻き付け角度θ′や巻線ター
ン数を適宜設定することにより、渡り線部における磁界
分布をピンクッション形(糸巻形)の磁界(以下、「ピ
ンクッション磁界」という)にすることもできる。これ
により、水平偏向コイル16による磁界分布を一様にピ
ンクッション磁界にすることが可能になる。
【0035】これに加えて、上述の巻線構造を実現する
にあたり、渡り線部の中心位置を通るY軸上に幅広のセ
ンターガイド爪29を形成し、その両端位置29aから
各々のガイドスリット28を段階的に大径開口部21側
に切れ込むように形成してあるため、セクション巻きに
よる巻線作業が容易になるとともに、セパレータの強度
を必要かつ十分に確保することが可能となる。
【0036】また、セパレータ20を中心軸Z方向で2
分割した構造となっているため、フロントセパレータ2
01のリブ25とリアセパレータ202のガイド爪27
の位置が異なる場合でも、それぞれ問題なく成形できる
うえ、同一構造のフロントセパレータ201に対して、
ガイド爪27等の位置が異なる複数種のリアセパレータ
201を自在に組み合わせて使用することが可能とな
る。さらに、このような前後分割構造のセパレータ20
を採用すれば、現在実用化されている非分割一軸巻線の
生産方式と同一方式でベンドレス構造を達成できる。
【0037】ただし、本発明に係る偏向ヨークのセパレ
ータ構造は、分割型、非分割型(一体型)のどちらか一
方に限定されるものではない。
【0038】また、Y軸から離れた位置(X軸の近傍位
置)に巻線されるコイル線(巻き終わり近くのコイル
線)については、リブ25の終端位置25aとガイドス
リット28との間で直線状に(Z軸方向に沿って)巻線
されることから、該コイル線の巻線位置を規制するため
のリブ25については、図6に示すようにフロントセパ
レータ201の後端部まで延設し、これに対応するリア
セパレータ202側のガイド爪27へと接続させること
も可能である。
【0039】さらに、本発明の応用例として、図7
(a),(b)に示すように、リアセパレータ202の
センターガイド爪29の端面部に一対のサブスリット2
9aを形成し、このサブスリット29aを用いて、Y軸
寄りに配置されたコイル線の一部(例えば、巻線ターン
数として1〜2ターン分)を小径開口部22側で図中二
点鎖線の如く略直線状に(Z軸方向に沿って)巻線し得
るようにしておけば、その製造段階で渡り線部の磁界分
布(ピンクッション磁界の強度等)を細かく操作してH
CRを微調整することが可能となる。
【0040】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る偏向
ヨークおよびこれを用いた陰極線管受像機によれば、セ
パレータの小径開口部で、偏向コイルのコイル線をセパ
レータの中心軸方向の異なる位置で円周方向に渡らせる
とともに、セパレータの内周面の小径開口部側で、偏向
コイルの偏向基準軸と直交する直交軸寄りに配置された
コイル線を裾広がり状に巻線したことにより、水平偏向
コイルの偏向効率を高めるうえで有効なベンドレス構造
をセクション巻きで実現できるとともに、水平偏向コイ
ルの渡り線部における磁界分布をピンクッション磁界ま
たはそれに近い磁界分布にしてHCR調整を容易化でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用される陰極線管の全体像を示す概
略斜視図である。
【図2】本発明に係る偏向ヨークの一部破断面を含む側
面図である。
【図3】実施形態に係るセパレータの構造説明図であ
る。
【図4】実施形態に係るセパレータの要部を示す図であ
る。
【図5】実施形態に係る偏向コイルの巻線形態を説明す
る図である。
【図6】実施形態に係るセパレータの変形例を示す図で
ある。
【図7】本発明に係る偏向ヨークの応用例を説明する図
である。
【図8】セパレータの従来例を示す斜視図である。
【図9】セパレータの従来例を示す正面図である。
【図10】ベンドアップ構造の偏向コイルの巻線形状を
示す図である。
【図11】ベンドレス構造の偏向コイルの巻線形状を示
す図である。
【図12】ベンドレス構造を実現するためのセパレータ
の従来例を示す側面図である。
【図13】ベンドレス構造による偏向コイルの巻線状態
を示す図である。
【図14】従来における水平偏向コイルの小径開口部側
での磁界分布を示す図である。
【符号の説明】
10…陰極線管バルブ、14…電子銃、15…偏向ヨー
ク、16…水平偏向コイル、16−1…コイル線、17
…垂直偏向コイル、20…セパレータ、21…大径開口
部、22…小径開口部、27…ガイド爪、28…ガイド
スリット、29…センターガイド爪、29a…サブスリ
ット、201…フロントセパレータ、202…リアセパ
レータ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 全体として略円錐筒形状をなすセパレー
    タと、このセパレータに鞍型にセクション巻きされた偏
    向コイルとを備える偏向ヨークにおいて、 前記セパレータの小径開口部で、前記偏向コイルのコイ
    ル線を前記セパレータの中心軸方向の異なる位置で円周
    方向に渡らせるとともに、 前記セパレータの内周面の前記小径開口部側で、前記偏
    向コイルの偏向基準軸と直交する直交軸寄りに配置され
    たコイル線を裾広がり状に巻線してなることを特徴とす
    る偏向ヨーク。
  2. 【請求項2】 前記セパレータの小径開口部に、前記偏
    向コイルの偏向基準軸と直交する直交軸寄りに配置され
    たコイル線の一部を前記小径開口部側で略直線状に巻線
    可能なサブスリットを有することを特徴とする請求項1
    記載の偏向ヨーク。
  3. 【請求項3】 全体として略円錐筒形状をなすセパレー
    タと、このセパレータに鞍型にセクション巻きされた偏
    向コイルとを備える偏向ヨークを用いた陰極線管受像機
    において、 前記セパレータの小径開口部で、前記偏向コイルのコイ
    ル線を前記セパレータの中心軸方向の異なる位置で円周
    方向に渡らせるとともに、 前記セパレータの内周面の前記小径開口部側で、前記偏
    向コイルの偏向基準軸と直交する直交軸寄りに配置され
    たコイル線を裾広がり状に巻線してなることを特徴とす
    る陰極線管受像機。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100439638B1 (ko) * 2001-08-27 2004-07-12 가부시끼가이샤 도시바 편향 요크 장치

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