JP2003141677A - 検出装置 - Google Patents

検出装置

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JP2003141677A
JP2003141677A JP2001339744A JP2001339744A JP2003141677A JP 2003141677 A JP2003141677 A JP 2003141677A JP 2001339744 A JP2001339744 A JP 2001339744A JP 2001339744 A JP2001339744 A JP 2001339744A JP 2003141677 A JP2003141677 A JP 2003141677A
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horizontal magnetic
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English (en)
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Yuji Ninagawa
勇二 蜷川
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Toyota Motor Corp
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Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 道路に埋設される磁性体を正確に検出できる
検出装置を提供すること。 【解決手段】 車両4に搭載され道路2に設置される磁
気ネイル3を検出する検出装置であって、垂直磁界強度
Szを検出する磁気センサ5と、車両4の走行方向にお
ける水平磁界強度Syを検出する磁気センサ6とを備
え、垂直磁界強度Szの絶対値が予め設定される第一基
準値A以上であるときに水平磁界強度Syが予め設定さ
れる第二基準値Bに対し反転したか否かに基づいて磁気
ネイル3の存在を検出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両の搭載され道
路に設置される磁性体を検出する検出装置に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来、道路に設置される磁性体を検出す
る装置としては、特開平8−85922号公報に記載さ
れるように、道路に設置された磁性体が発する磁束によ
り形成される磁界の水平成分及び垂直成分を検出し、磁
界の水平成分の検出信号が極大値から極小値となるまで
又は極小値から極大値となるまでの極値間期間を検出
し、磁界の垂直成分の検出信号のピーク値が水平成分の
極値間期間にある場合に磁性体が存在すると判断する装
置が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
検出装置では、検出信号のピーク値、すなわち極大値及
び極小値を検出する必要がある。その極大値及び極小値
の検出は、本来検出すべき信号成分以外の種々のノイズ
の影響により、非常に困難である。従って、磁性体を正
確に検出することが容易でない。
【0004】そこで本発明は、このような問題点を解決
するためになされたものであって、磁性体を正確に検出
できる検出装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明に係る
検出装置は、車両に搭載され道路に設置される磁性体を
検出する検出装置において、道路上の垂直磁界強度を検
出する垂直磁界検出手段と、道路上の車両の走行方向に
おける水平磁界強度を検出する水平磁界検出手段と、垂
直磁界強度の絶対値が予め設定される第一基準値以上で
あるときに水平磁界強度が予め設定される第二基準値に
対し反転したか否かに基づいて磁性体の存在を検出する
検出手段とを備えている。
【0006】なお、ここでいう「反転」とは、水平磁界
強度が第二基準値に対し上下反転したことを意味し、例
えば第二基準値より小さかった水平磁界強度が第二基準
値より大きくなり、又は、第二基準値より大きかった水
平磁界強度が第二基準値より小さくなる場合をいう。
【0007】このような発明によれば、道路上の垂直磁
界強度及び水平磁界強度において極大値及び極小値を検
出する必要がなく、所定の基準値との比較を行うことに
より磁性体の有無が検出できる。このため、ノイズの影
響を受けにくく磁性体の検出が正確に行える。
【0008】また本発明に係る検出装置は、水平磁界検
出手段から車両の幅方向に所定距離を隔てて複数配置さ
れ、幅方向における水平磁界強度を検出する第二水平磁
界検出手段を備えたことを特徴とする。
【0009】また本発明に係る検出装置は、水平磁界検
出手段は車両の中央位置に設置され、第二水平磁界検出
手段は水平磁界検出手段の左右両側に少なくとも一つず
つ設置されていることを特徴とする。
【0010】また本発明に係る検出装置は、前述の検出
手段が、第二水平磁界検出手段のうち左右両側の一方の
出力をそれら双方の合成値で除した計算値に基づいて、
車両に対する磁性体の相対位置を検出することを特徴と
する。
【0011】これらの発明によれば、水平磁界検出手段
の側方に車両の幅方向の水平磁界強度を検出する第二水
平磁界検出手段を設けることにより、車両に対する磁性
体の相対位置が検出できる。このため、磁性体の位置に
基づいて車両の走行位置を検出することができる。
【0012】また本発明に係る検出装置は、前述の第二
基準値が水平磁界検出手段により検出された水平磁界強
度に基づいて設定されることを特徴とする。
【0013】また本発明に係る検出装置は、前述の第二
基準値が水平磁界検出手段により検出された水平磁界強
度の平均強度が設定されることを特徴とする。
【0014】これらの発明によれば、水平磁界強度の反
転の基準値となる第二基準値を水平磁界検出手段により
検出された水平磁界強度に基づいて設定することによ
り、地磁気より水平方向の磁界強度が変動してもそれに
対応して第二基準値を設定できる。このため、地磁気の
影響を低減して水平磁界強度が反転したか否かを適切に
判断することができ、磁性体の検出が正確に行える。
【0015】また本発明に係る検出装置は、車両に搭載
され道路に設置される磁性体を検出する検出装置におい
て、車両の幅方向に沿って配置され道路上の車両の幅方
向における水平磁界強度を検出する複数の水平磁界検出
手段と、水平磁界検出手段のうち磁性体を挟む二つの水
平磁界検出手段の出力を合成し二つの出力のうちの一方
の出力を合成した値で除しその除した計算値に基づいて
磁性体の位置を検出する検出手段とを備えて構成されて
いる。
【0016】この発明によれば、二つの水平磁界検出手
段の出力を合成し、その二つの出力のうちの一方の出力
を合成値で除した計算値に基づいて磁性体の位置を検出
する。このとき、水平磁界検出手段の二つの出力が正負
逆となるものとなるので、それらの出力の合成値はゼロ
に近い数値となる。このため、その合成値で除した計算
値は磁性体の近傍で急激に大きな値となる。従って、磁
性体による磁界強度が小さく水平磁界検出手段の出力が
小さくても車両に対する磁性体の位置を正確に検出する
ことができる。
【0017】また、計算値は、二つの出力の合成値を一
つの出力で除して算出されるため、出力の大きさが異な
る場合でも計算値が大きく異なる値とならない。このた
め、磁性体自体の磁力や車両における水平磁界検出手段
の設置高さなどが異なる場合でも、磁性体の位置を適正
に検出することができる。
【0018】また本発明に係る検出装置は、前述の検出
手段が二つの出力のうちの出力の大きい一方の出力を合
成した値で除することを特徴とする。
【0019】この発明によれば、合成値で除した計算値
が大きな値となるため、検出精度を高めることができ
る。
【0020】また本発明に係る検出装置は、好適には、
前述の検出手段に磁性体の位置と計算値との関係データ
が予め設定され、その関係データを用い計算値に基づい
て磁性体の位置が検出される。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、添付図面に基づき、本発明
の実施形態について説明する。尚、各図において同一要
素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。ま
た、図面の寸法比率は、説明のものと必ずしも一致して
いない。
【0022】図1に本実施形態に係る検出装置を示す。
【0023】本図に示すように、本実施形態に係る検出
装置1は、道路2に埋設される磁気ネイル3を検出する
装置であり、車両4に搭載され、複数の磁気センサ5〜
8を備えている。磁気ネイル3は、道路2を走行する車
両4に磁気を通じて所定の情報を伝達させる磁性体であ
り、道路2に沿って所定の間隔で複数設置されている。
また、磁気ネイル3は、N極を上側にして上向きに磁界
を形成するものとS極を上側にして下向きに磁界を形成
するものが適宜設置されている。
【0024】磁気センサ5〜8は、道路2上の磁界強度
を検出する磁界検出手段である。磁気センサ5、6は、
車両4の中央位置に設置され、磁気センサ7、8は、そ
の磁気センサ5、6の左右側方に設置されている。磁気
センサ5、6と磁気センサ7、8との間隔は、磁気ネイ
ル3を検出する上で磁気センサ7、8の検出信号が有効
に用いることができるように、適宜設定される。
【0025】磁気センサ5は、道路2上の垂直磁界強度
を検出するものであり、垂直磁界検出手段として機能す
る。磁気センサ6は、道路2上の車両4の走行方向にお
ける水平磁界強度を検出するものであり、水平磁界検出
手段として機能する。
【0026】磁気センサ7、8は、車両4の幅方向にお
ける水平磁界強度を検出するものであり、第二水平磁界
検出手段として機能する。これらの磁気センサ5〜8と
しては、磁界強度(磁界の強さ)を検出できるものであ
れば、いずれのものを用いてもよい。例えば、磁気セン
サ5、6は、磁界強度に応じた信号を出力するリニアタ
イプが用いられる。なお、磁気センサ5、6としては、
所定の閾値が設定されるコンパレータなどの信号処理回
路を内蔵しハイ又はローのスイッチング出力を行うスイ
ッチングタイプであってもよい。
【0027】また、磁気センサ5〜8は、図示しない制
御ユニットに接続され、その制御ユニットに出力信号を
出力する。制御ユニットは、それらの出力信号を処理
し、それらの出力信号に基づいて磁気ネイル3の存在な
どを検出する。すなわち、制御ユニットは、磁性体であ
る磁気ネイル3の存在を検出する検出手段として機能す
る。
【0028】図2、3は、磁気ネイル3上における磁束
密度の説明図である。図2に示すようにN極を上側に向
けた磁気ネイル3の上方を磁気センサ5が一定速度で水
平移動していく場合、磁気センサ5は、図3の破線で示
すような垂直磁界を受ける。すなわち、磁気センサ5
は、磁気ネイル3に近づくに連れて強まり磁気ネイル3
の直上で最強となり磁気ネイル3から遠ざかるに従って
弱まる垂直磁界を、受けることとなる。従って、磁気セ
ンサ5は、図3の破線で示すような垂直磁界を受けるこ
とにより、図3の破線と同様な波形の出力信号を出力す
る。
【0029】一方、磁気センサ6は、N極を上側に向け
た磁気ネイル3の上方を磁気センサ6が一定速度で水平
移動していく場合、図3の実線で示すような水平磁界を
受ける。すなわち、磁気センサ6は、磁気ネイル3に近
づくに連れて徐々に負の方向に強まってピークとなり磁
気ネイル3の直上に近づくに連れて弱まってその直上で
ゼロとなり磁気ネイル3から遠ざかるに連れて正の方向
に強まってピークとなりそれから徐々に弱まるような水
平磁界を、受けることとなる。このため、磁気センサ6
は、図3の実線で示すような水平磁界を受けることによ
り、図3の実線と同様な波形の出力信号を出力する。
【0030】なお、図3では、縦軸を磁束密度としてい
るが、一様な透磁率である空気中を磁気センサ5、6が
移動するので、磁束密度と磁界は比例する関係となる。
また、図3の横軸は時間であるが、磁気センサ5、6が
一定速度で移動するので、横軸を距離としても同様な磁
束密度(磁界の強さ)の特性が得られる。
【0031】また、S極を上側に向けた磁気ネイル3の
上方を磁気センサ5が通過する場合には、磁気センサ
5、6は、図3の破線で示すものと上下逆さまとなる垂
直磁界を受け、図3の実線で示すものと上下逆さまとな
る水平磁界を受ける。
【0032】図4は、垂直磁界のバラツキを示す説明図
である。図5は、車両の走行方向における水平磁界のバ
ラツキを示す説明図である。
【0033】図4に示すように、垂直磁界を検出する磁
気センサ5が磁気ネイル3から受ける磁界は、磁気セン
サ5の設置高さや車両4の乗員数などの起因する磁気ネ
イル3と磁気センサ5の距離のバラツキ、各磁気ネイル
3における磁力バラツキ、埋設環境のバラツキなどによ
って、大きく変動する。
【0034】また、図5に示すように、車両の走行方向
における水平磁界を検出する磁気センサ6が磁気ネイル
3から受ける磁界も、磁気センサ5の設置高さや車両4
の乗員数などの起因する磁気ネイル3と磁気センサ5の
距離のバラツキ、各磁気ネイル3における磁力バラツ
キ、埋設環境のバラツキなどに起因して、大きく変動す
る。しかし、水平磁界が反転する位置(距離Xが0の位
置)は、上述した距離や磁力などのバラツキにが関係な
く、変動しない。
【0035】図6は、磁気センサ7、8の磁束密度等を
示す説明図であり、磁気ネイル3に対し車両が幅方向に
位置ズレを生じた場合の磁束密度を示している。本図の
横軸は車両の幅方向の距離であり、車両の右側方向への
距離を正としている。磁気センサ7、8は、中央の磁気
センサ5、6に対し左右にそれぞれ5cm隔てて配置さ
れている。
【0036】図6において、右側の磁気センサ7におけ
る磁束密度を一点鎖線、左側の磁気センサ8における磁
束密度を破線で示してある。図中の実線は、二つの磁気
センサ7、8の出力を合成した値である。また、図中の
太線は、磁気センサ7、8の出力に基づく計算値であ
る。
【0037】この計算値は、磁気センサ5の出力をS
z、磁気センサ6の出力をSy、磁気センサ7の出力を
Sxr、磁気センサ8の出力をSxlとし、例えばN極
の磁気ネイル3の検出によりSz>0であり、車両が右
寄りであってSxr+Sxl>0のときには、Sxr/
(Sxr+Sxl)により算出される。車両が左寄りで
あってSxr+Sxl<0のときには、Sxl/(Sx
r+Sxl)により算出される。Sxr+Sxl≒0の
ときには、車両が磁気ネイル3のほぼ直上を通過してい
ると判断できる。
【0038】一方、S極の磁気ネイル3の検出によりS
z<0であり、車両が左寄りであってSxr+Sxl>
0のときには、Sxl/(Sxr+Sxl)により算出
される。車両が右寄りであってSxr+Sxl<0のと
きには、Sxr/(Sxr+Sxl)により算出され
る。Sxr+Sxl≒0のときには、車両が磁気ネイル
3のほぼ直上を通過していると判断できる。
【0039】図6に示すように、右側の磁気センサ7に
おける磁束密度(一点鎖線)は、距離が中央から正方向
に5cmずれた位置でゼロであり、その位置を中心に点
対称な特性となっている。すなわち、その位置から距離
が正方向へ行くに従い、磁束密度が正方向に増加してピ
ークとなりその後徐々に減少する。一方、距離が負方向
へ行くに従い、磁束密度が負の方向に増加してピークと
なりその後徐々に減少する。
【0040】また、左側の磁気センサ8における磁束密
度(破線)は、距離が中央から負方向に5cmずれた位
置でゼロであり、その位置を中心に点対称な特性となっ
ている。すなわち、その位置から距離が正方向へ行くに
従い、磁束密度が正方向に増加してピークとなりその後
徐々に減少する。一方、距離が負方向へ行くに従い、磁
束密度が負の方向に増加してピークとなりその後徐々に
減少する。
【0041】磁気センサ7、8の出力の合成値(実線)
は、距離がゼロの位置で磁束密度ゼロであり、その位置
を中心に点対称な特性となっている。すなわち、その位
置から距離が正方向へ行くに従い、磁束密度が正方向に
増加してピークとなりその後徐々に減少する。一方、距
離が負方向へ行くに従い、磁束密度が負の方向に増加し
てピークとなりその後徐々に減少する。
【0042】図6において、計算値(太線)は、距離ゼ
ロを中心として左右対称な特性となり、距離ゼロで無限
大、正方向及び負方向へ距離が離れるに従い減少してい
く。この計算値は、距離の絶対値と一対一で対応するた
め、距離のズレを算出に用いることができる。
【0043】また、図7に示すように、磁気センサ7、
8の出力の合成値は、磁気ネイル3との距離などによっ
て大きく変動するが、計算値はほぼ同一な特性となる。
このため、この計算値を用いることにより、磁界の状態
による影響が低減され、正確に車両の位置ズレなどを算
出することができる。
【0044】次に、本実施形態に係る検出装置の動作に
ついて説明する。図8に本実施形態に係る検出装置の動
作についてのフローチャートを示す。本図のS10に示
すように、本実施形態に係る検出装置では、垂直磁界強
度Sz、水平磁界強度Sy、Sxr、Sxlの読み込み
が行われる。垂直磁界強度Szは、磁気センサ5の出力
信号に基づいて読み込まれる。水平磁界強度Syは、車
両の走行方向(進行方向)における水平磁界の強さを表
すものであり、磁気センサ6の出力信号に基づいて読み
込まれる。
【0045】また、水平磁界強度Sxrは、車両の幅方
向における水平磁界の強さを表すものであり、磁気セン
サ7の出力信号に基づいて読み込まれる。水平磁界強度
Sxlは、車両の幅方向における水平磁界の強さを表す
ものであり、磁気センサ8の出力信号に基づいて読み込
まれる。
【0046】そして、S12に移行し、垂直磁界強度S
zの絶対値が第一基準値A以上であるか否かが判断され
る。第一基準値Aは、制御ユニットに予め設定される値
であり、図4に示すように、磁気センサ5の設置高さな
ど磁気センサ5の設置位置における磁界状態に応じて適
宜設定される。
【0047】図8のS12にて垂直磁界強度Szの絶対
値が第一基準値A以上でないと判断されたときには、S
14に移行し、水平磁界強度Syの平均強度Syaの更
新が行われる。この平均強度Syaの更新は、例えば、
水平磁界強度Syのサンプル数をNとすると、(Sya
・(N−1)+Sy)/Nを新たな平均強度Syaとす
ることにより行われる。この場合、平均強度Syaは、
磁気ネイル3が存在しない時における水平磁界強度Sy
の平均値となる。また、平均強度Syaとして、読み込
まれた水平磁界強度Syの全ての平均値を用いる場合も
ある。
【0048】一方、S12にて垂直磁界強度Szの絶対
値が第一基準値A以上であると判断されたときには、S
16に移行し、水平磁界強度Syが予め設定される第二
基準値Bに対し反転したか否かが判断される。ここでい
う「反転」とは、水平磁界強度Syが第二基準値Bに対
し上下反転したことを意味し、例えば第二基準値Bより
小さかった水平磁界強度Syが第二基準値Bより大きく
なる場合、又は第二基準値Bより大きかった水平磁界強
度Syが第二基準値Bより小さくなる場合をいう。な
お、第二基準値Bは、図5で示すようにゼロであっても
よいし、それ以外の数値であってもよい。
【0049】例えば、水平磁界強度Syが予め設定され
る第二基準値Bに対し反転したか否かは、次の式(1)
に基づいて判断される。 (Sy(N−1)−Sya)・(Sy(N)−Sya)<0 …(1) なお、Sy(N)は、水平磁界強度の最新の読み込み値
であり、Sy(N−1)は、最新の一つ前の水平磁界強
度の読み込み値である。Syaは、磁性体である磁気ネ
イル3が存在しない時における水平磁界強度Syの平均
強度であり、S14にて更新されている値が用いられ
る。式(1)では、Syaが第二基準値Bとして設定さ
れている。
【0050】式(1)が成立しない場合には、水平磁界
強度Syが第二基準値Bに対し反転していないと判断さ
れる。これにより、磁気ネイル3が存在しないとされ、
制御処理を終了する。
【0051】一方、式(1)が成立する場合には、水平
磁界強度Syが第二基準値Bに対し反転したと判断され
る。これにより、磁気ネイル3が存在すると判断され
る。
【0052】そして、S18に移行し、磁気ネイル3の
通過タイミングtの読み込みが行われる。磁気ネイル3
の通過タイミングtは、S16の水平磁界強度Syの反
転時のタイミングであり、その通過時刻が通過タイミン
グtとして読み込まれる。
【0053】そして、S20に移行し、計算値の算出が
行われる。計算値は、磁気センサ7、8の二つの出力に
基づいた値であり、上述したSxr/(Sxr+Sx
l)、Sxl/(Sxr+Sxl)などが計算値として
算出される。
【0054】そして、S22に移行し、計算値に基づい
て距離Xの演算が行われる。距離Xは、車両4に対する
磁気ネイル3の相対位置を示すものである。この距離X
に基づいて車両4の走行位置を検出することができる。
距離Xの演算は、予め制御ユニットに設定される計算値
と距離Xとのテーブルを用いることにより行われる。そ
して、制御処理を終了する。
【0055】以上のように、本実施形態に係る検出装置
1によれば、垂直磁界強度Szが第一基準値A以上であ
るときに水平磁界強度Syが第二基準値Bに対し反転し
たか否かに基づいて磁気ネイル3の存在を検出すること
により、道路2上の垂直磁界強度及び水平磁界強度にお
いて極大値及び極小値を検出する必要がなく、所定の基
準値との比較を行うことにより磁性体の有無が検出でき
る。このため、ノイズの影響を受けにくく、磁性体の検
出が正確に行える。
【0056】また、中央にある磁気センサ5、6の側方
に車両の幅方向の水平磁界強度を検出する磁気センサ
7、8を設け、その出力を用いて磁気ネイル3を検出す
ることにより、磁気ネイル3に対する車両4の走行位置
を検出することができる。画像の撮影や画像処理などを
行うことなく、車両の走行位置が検出できるため、レー
ンキープ制御などに有用である。
【0057】また、水平磁界強度Syの反転の基準値と
なる第二基準値Bを水平磁界強度Syに基づいて設定す
ることにより、地磁気より水平方向の磁界強度が変動し
てもそれに対応して第二基準値Bを適切に設定すること
ができる。このため、地磁気の影響を低減して水平磁界
強度Syが反転したか否かを適切に判断することがで
き、磁気ネイル3の検出が正確に行える。例えば、第二
基準値Bとして、磁気ネイル3が存在しない時の水平磁
界強度Syの平均強度Syaを用いれば、適切な反転判
断が行え、正確な磁気ネイル3の検出が可能となる。
【0058】また、二つの磁気センサ7、8の出力であ
るSxr、Sxlを合成し、その二つの出力のうちの一
方の出力を合成値(Sxr+Sxl)で除した計算値に
基づいて磁気ネイル3の位置を検出する場合、磁気セン
サ7、8の二つの出力が正負逆となるものとなる。この
ため、それらの出力の合成値はゼロに近い数値となり、
その合成値で除した計算値は磁気ネイル3の近傍で急激
に大きな値となる。従って、磁気ネイル3による磁界強
度が小さく磁気センサ7、8の出力が小さくても車両4
に対する磁気ネイル3の位置を正確に検出することがで
きる。
【0059】また、計算値は、二つの出力の合成値を一
つの出力で除して算出されるため、出力の大きさが異な
る場合でも計算値が大きく異なる値とならない。このた
め、磁気ネイル3自体の磁力や車両4における磁気セン
サ7、8の設置高さなどが異なる場合でも、磁気ネイル
3の位置を適正に検出することができる。
【0060】また、二つの出力のうちの出力の大きい一
方の出力を合成した値で除して計算値を算出することに
より、合成値で除した計算値を大きな値とすることがで
き、検出精度の向上が図れる。
【0061】なお、本実施形態では、磁界検出手段とし
て、左右の磁気センサ7、8を備える検出装置について
説明したが、本発明に係る検出装置はこのようなものに
限られるものではなく、左右の磁気センサ7、8を備え
ない検出装置であってもよい。また、中央の磁気センサ
5、6を備えず、磁気センサ7、8の出力に基づいて車
両4に対する磁気ネイル3の位置(距離x)を検出する
ものであってもよい。この場合、図8のフローチャート
において、S10にて水平磁界強度Sxr、Sxlを読
み込んだ後、S20にてそれら水平磁界強度Sxr、S
xlに用いて計算値を算出し、算出された計算値に基づ
いて距離xを演算すればよい。
【0062】また、本実施形態では、水平磁界強度Sy
の反転の基準値Bとして水平磁界強度の平均値を用いる
場合について説明したが、本発明に係る検出装置はこの
ようなものに限られるものではなく、反転の基準値Bが
水平磁界強度Syに基づいて設定されていれば、水平磁
界強度Syの反転の基準値として前回の水平磁界強度S
yのデータを用いるなどしてもよい。この場合でもあっ
ても、地磁気の影響を低減して水平磁界強度Syが反転
したか否かを適切に判断することができ、磁性体の検出
が正確に行える。
【0063】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、垂
直磁界強度が第一基準値以上であるときに水平磁界強度
が第二基準値に対し反転したか否かに基づいて磁性体の
存在を検出することにより、道路上の垂直磁界強度及び
水平磁界強度において極大値及び極小値を検出する必要
がなく、所定の基準値との比較を行うことにより磁性体
の有無が検出できる。このため、ノイズの影響を受けに
くく磁性体の検出が正確に行える。
【0064】また、水平磁界検出手段の側方に車両の幅
方向の水平磁界強度を検出する第二水平磁界検出手段を
設けることにより、車両に対する磁性体の相対位置が検
出できる。このため、磁性体の位置に基づき車両の走行
位置の検出が可能である。レーンキープ制御などに有用
である。
【0065】また、水平磁界強度の反転の基準値となる
第二基準値を水平磁界検出手段により検出された水平磁
界強度に基づいて設定することにより、地磁気より水平
方向の磁界強度が変動してもそれに対応して第二基準値
を設定できる。このため、地磁気の影響を低減して水平
磁界強度が反転したか否かを適切に判断することがで
き、磁性体の検出が正確に行える。
【0066】また、二つの水平磁界検出手段の出力を合
成し、その二つの出力のうちの一方の出力を合成値で除
した計算値に基づいて磁性体の位置を検出する場合、水
平磁界検出手段の二つの出力が正負逆となるものとなる
ため、それらの出力の合成値はゼロに近い数値となり、
その合成値で除した計算値は磁性体の近傍で急激に大き
な値となる。従って、磁性体による磁界強度が小さく水
平磁界検出手段の出力が小さくても車両に対する磁性体
の位置を正確に検出することができる。
【0067】また、計算値は、二つの出力の合成値を一
つの出力で除して算出されるため、出力の大きさが異な
る場合でも計算値が大きく異なる値とならない。このた
め、磁性体自体の磁力や車両における水平磁界検出手段
の設置高さなどが異なる場合でも、磁性体の位置を適正
に検出することができる。
【0068】また、二つの出力のうちの出力の大きい一
方の出力を合成した値で除して計算値を算出することに
より、合成値で除した計算値を大きな値とすることがで
きる。このため、検出精度を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る検出装置の説明図であ
る。
【図2】磁気ネイル上における磁束密度の説明図であ
る。
【図3】磁気ネイル上における磁束密度の説明図であ
る。
【図4】道路上における垂直磁界のバラツキを示す説明
図である。
【図5】道路上の車両走行方向における水平磁界のバラ
ツキを示す説明図である。
【図6】図1の検出装置における磁気センサの受ける磁
束密度等を示す説明図である。
【図7】図1の検出装置における磁気センサの受ける磁
束密度等を示す説明図である。
【図8】図1の検出装置の動作についてのフローチャー
トである。
【符号の説明】
1…検出装置、2…道路、3…磁気ネイル(磁性体)、
4…車両、5…磁気センサ(垂直磁界検出手段)、6…
磁気センサ(水平磁界検出手段)、7…磁気センサ(第
二水平磁界検出手段)、8…磁気センサ(第二水平磁界
検出手段)。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両に搭載され道路に設置される磁性体
    を検出する検出装置において、 前記道路上の垂直磁界強度を検出する垂直磁界検出手段
    と、 前記道路上の前記車両の走行方向における水平磁界強度
    を検出する水平磁界検出手段と、 前記垂直磁界強度の絶対値が予め設定される第一基準値
    以上であるときに前記水平磁界強度が予め設定される第
    二基準値に対し反転したか否かに基づいて、前記磁性体
    の存在を検出する検出手段と、を備えた検出装置。
  2. 【請求項2】 前記水平磁界検出手段から前記車両の幅
    方向に所定距離を隔てて複数配置され、前記幅方向にお
    ける水平磁界強度を検出する第二水平磁界検出手段を備
    えたこと、を特徴とする請求項1に記載の検出装置。
  3. 【請求項3】 前記水平磁界検出手段は前記車両の中央
    位置に設置され、前記第二水平磁界検出手段は前記水平
    磁界検出手段の左右両側に少なくとも一つずつ設置され
    ていること、を特徴とする請求項2に記載の検出装置。
  4. 【請求項4】 前記検出手段は、前記第二水平磁界検出
    手段のうち左右両側の一方の出力をそれら双方の合成値
    で除した計算値に基づいて、前記車両に対する前記磁性
    体の相対位置を検出すること、を特徴とする請求項3に
    記載の検出装置。
  5. 【請求項5】 前記第二基準値は、前記水平磁界検出手
    段により検出された水平磁界強度に基づいて設定される
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の検出
    装置。
  6. 【請求項6】 前記第二基準値は、前記水平磁界検出手
    段により検出された水平磁界強度の平均強度が設定され
    ることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の検
    出装置。
  7. 【請求項7】 車両に搭載され道路に設置される磁性体
    を検出する検出装置において、 前記車両の幅方向に沿って配置され、前記道路上の前記
    車両の幅方向における水平磁界強度を検出する複数の水
    平磁界検出手段と、 前記水平磁界検出手段のうち前記磁性体を挟む二つの前
    記水平磁界検出手段の出力を合成し、前記二つの出力の
    うちの一方の出力を前記合成した値で除し、その除した
    計算値に基づいて前記磁性体の位置を検出する検出手段
    と、を備えた検出装置。
  8. 【請求項8】 前記検出手段は、前記二つの出力のうち
    の出力の大きい一方の出力を前記合成した値で除するこ
    とを特徴とする請求項7に記載の検出装置。
  9. 【請求項9】 前記検出手段は、前記磁性体の位置と前
    記計算値との関係データが予め設定され、その関係デー
    タを用い前記計算値に基づいて前記磁性体の位置を検出
    することを特徴とする請求項7又は8に記載の検出装
    置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN111815964A (zh) * 2020-09-02 2020-10-23 四川九通智路科技有限公司 一种基于地磁传感式道钉的车流检测系统及方法

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