JPH1172304A - 走行位置センサ - Google Patents

走行位置センサ

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JPH1172304A
JPH1172304A JP9249790A JP24979097A JPH1172304A JP H1172304 A JPH1172304 A JP H1172304A JP 9249790 A JP9249790 A JP 9249790A JP 24979097 A JP24979097 A JP 24979097A JP H1172304 A JPH1172304 A JP H1172304A
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JP
Japan
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sensor
value
detection
vehicle
peak
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JP9249790A
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Inventor
Akira Asaoka
昭 浅岡
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Nissan Motor Co Ltd
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Nissan Motor Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ノイズに影響されない走行位置センサを提供
する。 【解決手段】 センサ1〜5はの検出出力は入力回路6
によって入力される。微分演算部8は各センサの検出出
力に対し微分演算を行い、しきい値判定部15で所定の
しきい値と比較され大きさの判定が行われる。センサ選
択部10は各センサの出力を比較し垂直方向の磁界検出
が最大のセンサを選択する。ピ−ク判定部9は各センサ
の出力がピ−クであるか否かを判定する。横偏位量演算
部12は各センサの検出出力を制御部7からの指令に基
づいて内蔵したマップに検出値が最大でかつピークにな
ったセンサの出力を投影して磁気標識体に対する横偏位
量を演算する。その横偏位量をさらにセンサ位置補正部
13においてセンサによる磁気の位置に応して補正をし
て車両の横偏位量を演算する。ノイズが出したピ−ク値
は微分しても強度が保たれるので、しきい値の判別手容
易に信号と区別され、ノイズに影響されない磁気標識体
の検出効果が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、車両が走行する
際、路上情報として走行路上に配置された磁気標識体を
検知し磁気標識体に対する車両の横偏位量を検出する走
行位置センサに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、走行位置センサとしては例えば特
開平8−85922号公報に開示された路上情報検知装
置が提供されている。その概要を図14に示す。水平コ
イル101と垂直コイル102を有し、それぞれが車両
の走行方向及び路面に対し垂直方向の磁界を検出するよ
うに図示しない車両の下方に配設される。車両が磁気標
識体104が埋設されている走行路103を矢印A方向
に走行する際、水平コイル101と垂直コイル102に
は磁気標識体104との相対運動で電磁誘導が働き、そ
れぞれの磁界強度に応じて図15に示すような検出電圧
が出力される。図中101は水平コイル101の検出出
力、102は垂直コイル102の検出出力である。
【0003】この検出電圧に磁気標識体104の着磁方
向や着磁強度などの情報が含まれ、それらを処理するこ
とによって車両の路上走行情報として例えば磁気標識体
に対する車両の横偏位量などを検出することが可能であ
る。その横偏位量に基づき車両の位置修正などをするこ
とで車両の走行位置が規制され無人運転や自動走行とい
った機能が実現される。
【0004】磁気標識体の検出過程において様々なノイ
ズ成分が混入し、上記従来の路上情報検知装置では、水
平コイル101と垂直コイル102の検出出力の特性の
違いを利用し、水平コイル101の検出出力が極小値を
とる時点Cと極大値をとる時点Aまでの極値間期間を検
出期間として、垂直コイル102の検出出力からピーク
値をとる時点Bを磁気標識体の検出対象とすることで、
ノイズの影響を排除しようとしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ピーク
を検出対象とし、かつノイズを排除した状態で検出する
には、その検出期間をピークの極近傍に設ける必要があ
るが、上記のような水平コイル101の極値期間を時間
的窓としては広過ぎる。その結果ノイズが例えば検出出
力の近傍に現れた場合、それが検出出力に乗って磁気標
識体によるピーク値より大きな値を示して、ピーク値と
して検出され、磁気標識体の検出に偽りの情報を提供し
てしまうという問題がある。
【0006】また、ノイズを低域通過フィルタの遮断で
排除しようとすると、車速の変化範囲が大きく、検出出
力も広範囲に周波数が変化するので、一定遮断周波数の
フィルタでは効果的な排除が困難である。またその効果
を上げるため遮断周波数を低く設定すれば、波形が歪
み、横偏位演算精度の悪化を招くという問題がある。こ
の発明は上記のような従来の問題点に鑑み、磁気標識体
を確実に検出できる走行位置センサを提供することを目
的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】このため、本発明は、走
行車線に沿って路面に埋設された磁気標識体と、車両に
配設され路面に垂直な向きの磁界を検出する垂直センサ
と路面に平行し車両の幅方向の磁界を検出する水平セン
サとを有し、該垂直センサおよび水平センサの検出値に
基づいて前記磁気標識体に対する車両の横偏位量を演算
する走行位置センサにおいて、前記垂直センサの検出出
力あるいは前記水平センサの検出出力を微分演算する微
分演算手段と、前記微分演算手段の演算値が所定値より
大きいか否かを判定するしきい値判定手段と、前記垂直
センサあるいは前記水平センサの検出値の履歴から磁界
強度が極大値に達したか否かを判別するピーク判定手段
とを備え、前記微分値が所定値より小さく、かつピーク
判定手段が検出値が極大値であると判定した場合前記横
偏位量を演算するものとした。
【0008】車両の横偏位量は垂直センサと水平センサ
の検出値の相関関係に基づいて演算されるのが望まし
い。しきい値は、前回通過した磁気標識体に対する検出
信号の大きさあるいは微分値の大きさに基づいて設定さ
れることが可能である。このほか、しきい値は、過去に
両磁気標識体を走行する際に求められた微分値に基づい
て微分値出力と同じ変化をたどる所定値群とすることも
可能である。所定値群は、さらにピ−ク値の大きさに応
じて複数に用意されるのが望ましい。微分演算手段は、
前記磁気標識体を通過後の時間と埋設間隔に基づいて、
接近する磁気標識体との相対位置に応じて前記しきい値
の読み出しタイミングを決定することができる。前記微
分演算手段は、前記車両の走行速度と埋設間隔に基づい
て、接近する磁気標識体との相対位置に応じて前記しき
い値の読み出しタイミングを決定することができる。
【0009】
【作用】本発明では、路面に垂直な向きの磁界を検出す
る垂直センサと路面に平行し車両の幅方向の磁界を検出
する水平センサは、磁気標識体への接近に従って検出値
が大きくなるので、検出値のピ−クを用いて、磁気標識
体を検知することが可能となるとともにピ−ク値を用い
て磁気標識体に対する車両の横偏位量を演算することも
できる。そのピ−ク値を用いて演算する際、ピ−ク値の
微分値についてしきい値判定を行う。ピ−ク値がノイズ
によるものであると、一定の強度を保ち、磁気標識体に
よる検出値であるとほぼ0となるので、しきい値の処理
結果で信号とノイズの識別ができる。
【0010】車両の横偏位量は前記垂直センサと水平セ
ンサの検出値の相関関係に基づいて演算する場合、演算
値は一意的に決定される。前回通過した磁気標識体に対
する検出信号の大きさあるいは微分値の大きさに基づい
てしきい値を設定する場合、しきい値は横偏位量に応じ
て調整されることになり、検出信号が大きく変化して
も、それを追随してノイズを識別することができる。
【0011】また、過去に両磁気標識体を走行する際に
求められた微分値に基づいて微分値出力と同じ変化をた
どる所定値群をしきい値として設定する場合、各検出過
程において、適切なしきい値を得ることができる。ま
た、所定値群は前記ピ−ク値の大きさに応じて複数に用
意されるときには、横偏位量が大きい場合も適切なしき
い値を得ることができる。
【0012】前記磁気標識体を通過後の時間と埋設間隔
に基づいて、接近する磁気標識体との相対位置に応じて
前記しきい値の読み出しタイミングを決定するようにす
ると、しきい値を適切に読み取ることができる。また前
記車両の走行速度と埋設間隔に基づいて、接近する磁気
標識体との相対位置に応じて前記しきい値の読み出しタ
イミングを決定する場合、車速が変化しても、磁気標識
体に対する接近距離が正確に求められ、しきい値の読み
込むタイミングが正確になる。
【0013】
【発明の実施の形態】次に、発明の実施の形態を実施例
により説明する。図1は実施例の構成を示すブロック図
である。センサ1、センサ2、センサ3、センサ4、セ
ンサ5はそれぞれ路面に対し垂直と車両の横水平方向の
2方向に検知軸を持つ磁気センサで、入力回路6に接続
される。入力回路6は制御部7の指令でセンサの検出出
力を入力するが、各センサについては時分割して入力を
行なう。入力値はさらにA/D変換をして出力される。
【0014】出力回路6には微分演算部8、ピーク判定
部9、センサ選択部10、横偏位量演算部12が接続さ
れている。微分演算部8は各センサの検出出力に対し微
分演算を行い、その微分演算値をしきい値判定部15で
所定のしきい値と比較して大きさの判定が行われる。セ
ンサ選択部10は各センサの検出出力を比較し路面に対
し垂直あるいは水平方向の磁界の検出出力が最大のセン
サを選択する。
【0015】ピ−ク判定部9は各センサの検出出力を記
憶し、その履歴から検出出力がピ−クであるかどうかを
判定する。横偏位量演算部12は各センサの検出出力を
一時的に記憶し、制御部7からの指令に基づいて内蔵し
たマップに検出出力が最大でかつピークになったセンサ
の出力を投影して磁気源に対する横偏位量を演算する。
その横偏位量はセンサに対する横偏位量であるので、セ
ンサ位置補正部13においてセンサの車両での装着位置
に応して補正を施して車両の横偏位量を演算する。出力
部14においてその演算された横偏位量をD/A変換し
て出力する。制御部7はしきい値判定部15の判定結果
とセンサ選択部10の選択結果及びピ−ク判定部9の判
定結果に基づき、横偏位演算をするか、入力回路6から
新たな検出出力を入力するかの判断をし制御を行なう。
【0016】図2はセンサ(1〜5)の構成を示す図で
ある。すなわちセンサ(1〜5)は同じような構成で、
水平センサaが車両の横水平方向の磁界検出を、垂直セ
ンサbが路面に垂直する磁界検出を担当し、その検出値
をそれぞれ差動アンプDa、Dbを介して出力するよう
になっている。水平センサa及び垂直センサbは例えば
図3のように直角に配設されたホール素子を用い、ホー
ル素子は矢印で示される検磁軸を路面に垂直の方向及び
車両の横水平方向において配設し使用される。
【0017】ホール素子としては、比較的低コストで、
高感度かつ温度特性に優れ、雑音の少ないインジウムア
ンチモンまたはインジウム砒素のバルク素子が使用され
る。また、このほかガリウム砒素、シリコン、ゲルマニ
ウムのものや蒸着、エピタキシャル成長のものや磁気抵
抗素子、サーチコイル、鎖交コイル、SQUID素子を
用いることも可能である。
【0018】センサ(1〜5)は図4に示すように車両
200のフロントバンパ下部のセンサケース20内に例
えば20cmの間隔をもち、路面に対しほぼ同一の高さ
の15cmとなるように装着される。車両が走行する道
路上に所定の間隔T(例えば2M)に磁気標識体100
が磁極を路面と垂直にかつN極を上にして埋設されてあ
る。
【0019】次に、図5のフローチャートに従って磁気
標識体の検出の流れを説明する。まず、ステップ100
において、入力回路6は初期状態としてセンサ1〜5の
検出値を時分割で入力し、入力値に対してA/D変換を
行なって出力する。ステップ101において、微分演算
部8が各センサの検出出力に微分演算を施して、微分値
を得る。ステップ102においては、しきい値判定部1
5で、微分値を所定のしきい値と比較し、大きさの判定
を行なう。判定の結果、微分値が大きい場合、その微分
値に出力信号をもたらしたセンサを示すフラグをステッ
プ103において1に設定する。
【0020】上記処理はノイズによる誤検出を防止する
ことを目的としている。すなわち、図6に示すようにセ
ンサの垂直磁界の検出出力(a)にノイズが混入してい
ないとき、微分出力は(b)に示すようにしきい値以下
で、とくにピークMの近傍はほぼ0になる。しかし、ピ
ークMの近傍に例えばノイズN1が混入した場合、その
微分値N1’がしきい値を越える。したがって、フラグ
が1に設定されることは検出対象がノイズになっている
ことを意味する。水平磁界の検出出力(c)についても
同様である。すなわちノイズN2の微分値N2’がしき
い値を越えている。
【0021】ステップ104では、センサ選択部10が
各センサの検出出力を比較し、垂直磁界あるいは水平磁
界の検出値が最大のセンサを選択する。垂直磁界と水平
磁界の検出値のどちらを用いても本実施例で示す横偏位
量の演算が可能であるが、ここでは垂直磁界を用いる。
以下とくに指定がない限り垂直磁界の検出出力が使用さ
れる。この処理は磁気標識体に最も接近したセンサを横
偏位量の演算に特定するためのものである。
【0022】図7は磁気標識体100により形成される
走行ライン上を車両200が通過する様子を上面から示
す図であり、領域(11、22、33、44、55)は
各センサ(1、2、3、4、5)の検出範囲を示してい
る。車両200が走行する際、各センサからは図8に示
すような出力電圧が得られる。その出力の大きさは磁気
標識体に対する接近距離を表しているので、ピーク値が
検出される時点は車両200が磁気標識体100に最も
接近した状態で、最も大きな検出出力のセンサが磁気標
識体に対し最も小さい横偏位量をとっている。したがっ
て最大ピークを検出したセンサの検出出力を用いれば、
磁気標識体の所在位置が分かり、車両の横偏位量が検出
できる。また、隣り合う2つのセンサが同じ検出値を得
た場合、磁気標識体から同じ距離に存在することにな
り、2つのセンサのどちらを用いても車両の横偏位量を
算出することができるが、センサに対する横偏位量を車
両の中心に補正する際の補正量符号が異なる。
【0023】ステップ105においては、ピーク判定部
9がセンサ選択部10で選択されたセンサの垂直磁界の
検出値がピ−クになったかどうかをチェックする。ピ−
クになっていない場合は、ステップ100に戻り制御部
7が入力回路6に新たな検出出力を入力するように指令
を出力する。ピ−クになっている場合は、ステップ10
6で制御部7が選択されたセンサのフラグをチェックし
1に設定されている場合、微分値がしきい値を越えてい
るので、検出出力はノイズによるものと判定しステップ
107においてフラグを0に設定してステップ100に
戻る。ステップ106でフラグが1に設定されていない
ときは、ステップ108へ進む。
【0024】ステップ108においては、横偏位量演算
部12でセンサの検出出力に基づいて横偏位量を演算す
る。図9は磁石の磁極軸線上に所定の距離hを介したと
きの水平および垂直方向の磁界強度を計測する方法を示
す図である。センサ40は矢印g,pで示すような方向
に検磁軸がおかれている。複数の距離hについて、横偏
位量Yを変化させたときの、磁気標識体30が発する磁
束により形成される垂直磁界強度及び水平磁界強度の変
化を図10に示す。図10のように横偏位量Yが異なる
と、同じ距離hでも磁界強度(磁気密度)が変化する。
また、距離hが異なると、同じ横偏位量Yでも磁界強度
が変化する。従って、車両の積載によりセンサと路面の
距離が変化することを考慮してより高精度の横偏位量を
検出するには距離hの変化に依存しない演算が必要とな
る。
【0025】そこで、本実施例では、図11に示すよう
なマップを用いる。以下そのマップの形成を説明する。
まず、図9の横偏位量Yに従いAからEまでの記号をつ
け、距離hに従い0から2までの数字をつけ、A0から
E0、A1からE1と順次A2からE2まで15の横偏
位量Yと距離hとの組み合わせを作る。距離hが小さい
場合は、図11に示すように横偏位量Yに従いA0から
E0の軌跡を描く。次に距離が中間の場合は、A1から
E1の軌跡を描く。距離hが大きい場合は、A2からE
2の軌跡を描く。
【0026】従ってA0,A1,A2の連線A、B0,
B1,B2の連線B、C0,C1,C2の連線C、D
0,D1,D2の連線D、E0,E1,E2の連線E上
でそれぞれ距離hに依存しない横偏位量A,B,C,
D,Eが得られる。このような垂直磁界と水平磁界との
相関で距離hを依存しない横偏位量検出マップをメモリ
に書き込んでおき、垂直磁界強度(磁束密度)と水平磁
界強度(磁束密度)をマップに投影すれば一意的に横偏
位量を得ることができる。なお、ここでは、磁石の磁場
特性の関係で横偏位量Yと距離hとの関係に非線型性が
強い理由から、マップを用いて線型変換を行っている
が、磁石の磁場特性上、横偏位量Yと距離hとの関係が
線型が強いよう、磁石の形状、材質を工夫すれば、数式
による線型的に変換を行ってもよいことはいうまでもな
い。
【0027】ステップ109では、センサ位置補正部1
0において検出出力をマップに投影したセンサの車両上
の装着位置に応じて所定の値を加算する。例えばセンサ
5を選択したのであれば、このセンサは中央のセンサ3
に対して右側に40cm偏位ているから、40cmに相
当する電圧を減算する。同様にセンサ1、センサ2、セ
ンサ3、センサ4を選択した場合、40cm加算、20
cm加算、加減算なし、20cm減算とそれぞれのセン
サの位置に相当する電圧を加減算することによって、磁
気標識体に対して右50cmから左50cmに車両が横
偏位時、例えばマイナス5Vからプラス5Vまで車両の
横偏位に応じて滑らかな偏位信号を出力することができ
る。
【0028】ステップ110では、信号電圧の大小によ
って横偏位量を得る。ステップ111では、出力部14
が横偏位量をD/A変換して出力する。ステップ112
では、すべてのフラグを0に設定してステップ100に
戻る。本実施例は、上記のように構成され、センサの検
出信号を微分することによって、磁気標識体によるピ−
クが0と振幅が抑えられるのに対し、ノイズの微分値は
強度を保っているので、容易にしきい値処理で信号とノ
イズの分離ができる。センサの磁気標識体によるピ−ク
の極近傍にノイズが混入しても、判別することが可能で
あり、ノイズによる誤検出が防がれる。
【0029】以下変形例としてしきい値の作成について
説明する。図12には車両が2つの磁気標識体を前後に
通過したときセンサが出力する垂直磁界の検出信号とそ
の微分値の波形を示す図である。(a)はセンサが磁気
標識体の真上を通過したときの検出出力である。(b)
はその微分値波形である。(c)は10cm横偏位した
位置で検出した信号波形である。(d)は(c)の微分
値波形である。図中横軸は時間を示し、縦軸は出力電圧
を示している。(c)は車両が横偏位したので、検出信
号の振幅が(a)より小さくなっている。また(d)の
微分値も(b)より小さくなっている。このように車両
の横偏位により微分値の大きさが変化するので、固定の
しきい値を用いると、横偏位量が大の場合、検出精度が
低下する恐れがある。そこで、本変形例では、次回での
しきい値は前回のセンサの出力電圧あるいは微分値の最
大値に基づいて変動するようにした。
【0030】例えば、前回のセンサ検出出力のピ−クの
10%あるいは微分値のピ−クの120%を次回のしき
い値の大きさに決定する。これによって磁気標識体を通
過するたびにしきい値が更新され、大きな検出信号に現
れるノイズN1には大きなしきい値が用いられ、小さい
検出出力に現れるノイズN2には小さいしきい値が用い
られ、ノイズと信号の判別がより確実になる。
【0031】次に、第2の変形例を図13に基づいて説
明する。図13の(a)はセンサが磁気標識体の真上を
通過したときの垂直磁界検出出力である。(b)の波形
60は(a)の微分出力である。(c)は磁気標識体に
対し右に10cm横偏位した状態での検出出力である。
(d)の波形70は(c)の微分出力である。横軸は時
間、縦軸は出力電圧を示している。
【0032】ノイズの混入がない状態で、かつセンサが
磁気標識体の真上で検出した場合、両ピ−クのデ−タす
なわちA範囲間の波形60のデ−タを予め記憶し、前回
磁気標識体を通過したときのピ−ク値に基づいて振幅が
修正される。その修正は例えば前回のピ−ク値と今回の
ピ−ク値の比を用いてデ−タの振幅修正を行う。次に振
幅が修正されたデータに所定の電圧Zを加算して、微分
値判定の上限電圧波形61が作成される。所定電圧Zは
前回磁気標識体を検出したときのピ−ク値の10%ある
いは微分値の最大値の20%とする。またデ−タから電
圧Zを減算して下限電圧波形62が作成される。(d)
の波形70についても上記同様に上限電圧波形71と下
限電圧波形72が作成される。
【0033】使用するに際して、まず、センサの検出値
がピ−クであるかどうかを判定する。ピ−クである場合
は、そのピ−ク値に対応する上、下電圧波形のデ−タを
読み出して、検出出力の微分値と比較する。その上、下
電圧波形のデ−タを越えるような微分値が現れると、ノ
イズと判断できる。上、下電圧波形のデ−タの読み出し
タイミングはピ−クとピ−クの間の時間経過に基づいて
車速を演算して読み出しのタイミングを調整する。上記
のようにしきい値を判断対象と同じ波形とすることで、
横偏位量演算に悪影響を与えることなく、ノイズの識別
能力がさらに向上する効果が得られる。
【0034】なお、ピ−ク間の時間経過による車速演算
の代わりに車速センサを設けることも可能である。この
場合車速が大きく変化しても、車両の走行位置が正確に
算出でき、上、下電圧波形のデ−タの読み出しタイミン
グがずれることはないから、上記の効果がさらに向上す
る。
【0035】
【発明の効果】本発明では、路面に垂直な向きの磁界を
検出する垂直センサと路面に平行し車両の幅方向の磁界
を検出する水平センサは、磁気標識体への接近に従って
検出値が大きくなるので、検出値のピ−クを用いて、磁
気標識体を検知することが可能となるとともにピ−ク値
を用いて磁気標識体に対する車両の横偏位量を演算する
こともできる。そのピ−ク値を用いて演算する際、ピ−
ク値の微分値についてしきい値判定を行う。ピ−ク値が
ノイズによるものであると、一定の強度を保ち、磁気標
識体による検出値であるとほぼ0となるので、しきい値
の処理結果で信号とノイズの識別ができる。これによ
り、ノイズによる磁気標識体の誤検出が防止される。
【0036】車両の横偏位量は前記垂直センサと水平セ
ンサの検出値の相関関係に基づいて演算すると、演算値
は一意的に決定されるので、車両の積載によりセンサ位
置の上下変化が演算値を影響しなくなる。演算精度を高
める効果が得られる。前回通過した磁気標識体に対する
検出信号の大きさあるいは微分値の大きさに基づいてし
きい値を設定する場合、しきい値は横偏位量に応じて調
整されることになり、検出信号が大きく変化しても、そ
れを追随してノイズを識別することができる。
【0037】また、過去に両磁気標識体間を走行する際
に求められた微分値に基づいて微分値出力と同じ変化を
たどる所定値群をしきい値として設定する場合、各検出
過程において、適切なしきい値を得ることができる。ノ
イズの識別能力が高められる。また、所定値群は前記ピ
−ク値の大きさに応じて複数に用意されるときに、横偏
位量が大きい場合も適切なしきい値を得ることができ
る。
【0038】前記磁気標識体を通過後の時間と埋設間隔
に基づいて、接近する磁気標識体との相対位置に応じて
前記しきい値の読み出しタイミングを決定するようにす
ると、しきい値を適切に読み取ることができる。また前
記車両の走行速度と埋設間隔に基づいて、接近する磁気
標識体との相対位置に応じて前記しきい値の読み出しタ
イミングを決定する場合、車速が変化しても、磁気標識
体に対する接近距離が正確に求められ、しきい値の読み
込むタイミングが正確になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の構成を示すブロック図である。
【図2】センサの構成を示す図である。
【図3】センサがホール素子の場合の構成を示す図であ
る。
【図4】センサを車両に装着するときの状態を示す図で
ある。
【図5】横偏位量を検出するためのフローチャートであ
る。
【図6】センサの検出出力及びその微分値を示す図であ
る。
【図7】センサの検出範囲と磁気標識体の関係を示す図
である。
【図8】車両の走行に従って各センサの出力を示す図で
ある。
【図9】センサによる磁気検出の説明図である。
【図10】磁束密度とセンサの横偏位量およびセンサの
装着高さの関係を示す図である。
【図11】垂直センサと水平センサの検出による横偏位
量の演算説明図である。
【図12】しきい値と微分値の関係を示す図である。
【図13】微分値波形と同じ変化をたどるしきい値群の
作成説明図である。
【図14】従来例の概要を示す図である。
【図15】従来例のセンサ検出出力を示す図である。
【符号の説明】
1、2、3、4、5。40 センサ 6 入力回路 7 制御部 8 微分演算部(微分演算手段) 9 ピーク判定部(ピーク判定手段) 10 センサ選択部 11、22、33、44、55 センサの検出範囲 12 横偏位量演算部 13 センサ位置補正部 14 出力部 15 しきい値判定部(しきい値判定手
段) 20 センサケース 30、100 磁気標識体 200 車両 a 水平センサ(ホール素子) b 垂直センサ(ホール素子) Da、Db 差動アンプ h 距離 N1、N2 ノイズ N1’、N2’ 微分演算されたノイズ p、q 磁気検知軸 T 磁気標識体間距離

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 走行車線に沿って路面に埋設された磁気
    標識体と、車両に配設され路面に垂直な向きの磁界を検
    出する垂直センサと路面に平行し車両の幅方向の磁界を
    検出する水平センサとを有し、該垂直センサまたは水平
    センサの検出値に基づいて前記磁気標識体に対する車両
    の横偏位量を演算する走行位置センサにおいて、前記垂
    直センサの検出出力あるいは前記水平センサの検出出力
    を微分演算する微分演算手段と、前記微分演算手段の演
    算値が所定値より大きいか否かを判定するしきい値判定
    手段と、前記垂直センサあるいは前記水平センサの検出
    値の履歴から磁界強度が極大値に達したか否かを判別す
    るピーク判定手段とを備え、前記微分値が所定値より小
    さく、かつピーク判定手段が検出値が極大値であると判
    定した場合前記横偏位量を演算することを特徴とする走
    行位置センサ。
  2. 【請求項2】 前記車両の横偏位量は前記垂直センサと
    水平センサの検出値の相関関係に基づいて演算されるこ
    とを特徴とする請求項1記載の走行位置センサ。
  3. 【請求項3】 前記しきい値は、前回通過した磁気標識
    体に対する検出信号の大きさあるいは微分値の大きさに
    基づいて設定されることを特徴とする請求項1記載の走
    行位置センサ。
  4. 【請求項4】 前記しきい値は、過去に両磁気標識体を
    走行する際に求められた微分値に基づいて微分値出力と
    同じ変化をたどる所定値群であることを特徴とする請求
    1記載の走行位置センサ。
  5. 【請求項5】 前記所定値群は前記ピ−ク値の大きさに
    応じて複数に用意されることを特徴とする請求項4記載
    の走行位置センサ。
  6. 【請求項6】 前記微分演算手段は、前記磁気標識体を
    通過後の時間と埋設間隔に基づいて、接近する磁気標識
    体との相対位置に応じて前記しきい値の読み出しタイミ
    ングを決定することを特徴とする請求項5記載の走行位
    置センサ。
  7. 【請求項7】 前記微分演算手段は、前記車両の走行速
    度と埋設間隔に基づいて、接近する磁気標識体との相対
    位置に応じて前記しきい値の読み出しタイミングを決定
    することを特徴とする請求項5または6記載の走行位置
    センサ。
JP9249790A 1997-08-29 1997-08-29 走行位置センサ Withdrawn JPH1172304A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1046568A3 (en) * 1999-04-22 2004-10-13 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Sensing device for detecting movement of vehicle by lane-marker
JP2006317327A (ja) * 2005-05-13 2006-11-24 Shimadzu Corp 位置角度検出装置およびこれを用いたヘッドモーショントラッカ
CN115542923A (zh) * 2022-11-28 2022-12-30 中汽智联技术有限公司 车辆循磁控制方法、装置、设备和存储介质

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