JP2003138422A - 中空糸膜の製造方法および中空糸膜モジュール - Google Patents

中空糸膜の製造方法および中空糸膜モジュール

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐薬品性が高いポリフッ化ビニリデン系樹脂
を用いて、高強度で高透水性能を有する中空糸膜を、環
境負荷が小さく、低コストで安全上問題のない製法で製
造することが可能になる中空糸膜の製造方法を提供す
る。 【解決手段】 少なくとも20〜60重量%のポリフッ
化ビニリデン系樹脂、1〜30重量%の親水性多孔化
剤、および該樹脂の貧溶媒を含有し、温度が80〜17
5℃の範囲であるポリフッ化ビニリデン系樹脂溶液を冷
却浴に吐出し凝固させることを特徴とする中空糸膜の製
造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、中空糸膜の製造方
法に関する。さらに詳しくは、飲料水製造、浄水処理、
廃水処理などの水処理に用いられる中空糸精密ろ過膜や
中空糸限外ろ過膜の製造方法および該製法により製造さ
れた中空糸膜に関する。
【0002】
【従来の技術】中空糸膜は逆浸透膜や限外ろ過膜や精密
ろ過膜等が製品化されている。精密ろ過膜や限外ろ過膜
などの中空糸膜は浄水処理、廃水処理、医療用途や食品
工業分野等をはじめとして様々な方面で利用されてい
る。中空糸分離膜に求められる性能は一般に、高透水
量、優れた分離特性、化学的強度および物理的強度であ
る。中空糸膜が用いられる理由は単位体積あたりの有効
膜面積が大きいからである。そのなかで飲料水製造分
野、すなわち浄水処理用途においては、従来の砂濾過、
凝集沈殿過程の代替に分離膜が用いられるようになって
いる。これらの分野では処理しなければならない水量が
大きいため、中空糸膜の透水性能が優れていれば、膜面
積を減らすことが可能となり、装置がコンパクトになる
ため設備費が節約でき、膜交換費や設置面積の点からも
有利になってくる。また、さらに分離膜には耐薬品性能
が求められている。浄水処理では透過水の殺菌や膜のバ
イオファウリング防止の目的で次亜塩素酸ナトリウムな
どの殺菌剤を膜モジュール部分に添加したり、膜の薬液
洗浄として、酸、アルカリ、塩素、界面活性剤などで膜
を洗浄することがある。そのため近年では耐薬品性の高
い素材としてポリフッ化ビニリデン系樹脂を用いた分離
膜が開発され、使われている。また、浄水処理分野で
は、家畜の糞尿などに由来するクリプトスポリジウムな
どの塩素に対して耐性のある病原性微生物が浄水場で処
理しきれず処理水に混入する事故が1990年代から顕
在化している。このことから中空糸膜には十分な分離特
性と膜が切れて原水が混入しないような高い強伸度特性
が要求されている。
【0003】ポリフッ化ビニリデン系樹脂を素材にする
分離膜の製造方法にはいくつかの技術が開示されている
がこれらの殆どが、特公平1−22003号公報で開示
されているようにポリフッ化ビニリデン系樹脂を良溶媒
に溶解したポリマー溶液を、ポリフッ化ビニリデン系樹
脂の融点よりかなり低い温度で、口金から押出したり、
ガラス板上にキャストしたりして成型した後、ポリフッ
化ビニリデン系樹脂の非溶媒を含む液体に接触させて非
溶媒誘起相分離により非対称多孔構造を形成させる湿式
溶液法である。しかしながら湿式溶液法では、膜厚方向
に均一に相分離を起こすことが困難であり、マクロボイ
ドを含む非対称膜となるため機械的強度が十分でないと
いう問題がある。また、膜構造や膜性能に与える製膜条
件因子が多く、製膜工程の制御が難しく、再現性も乏し
いといった欠点がある。また、比較的近年では特許第2
899903号で開示されているようにポリフッ化ビニ
リデン系樹脂に無機微粒子と有機液状体を溶融混練し、
ポリフッ化ビニリデン系樹脂の融点以上の温度で口金か
ら押し出したり、プレス機でプレスしたりして成型した
後、冷却固化し、その後有機液状体と無機微粒子を抽出
することにより多孔構造を形成する溶融抽出法が開示さ
れている。溶融抽出法の場合、空孔性の制御が容易で、
マクロボイドは形成せず比較的均質で高強度の膜が得ら
れるものの、無機微粒子の分散性が悪いとピンホールの
ような欠陥を生じる可能性がある。さらに、溶融抽出法
は、製造コストが極めて高くなるといった欠点を有して
いる製造方法である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来技
術の課題を解決せんとするものであり、耐薬品性が高い
ポリフッ化ビニリデン系樹脂を用いて、高強度で空孔性
が高く高透水性能を有する中空糸膜を、低コストで製造
することが可能になる中空糸膜の製造方法を提供するこ
とを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、少な
くとも20〜60重量%のポリフッ化ビニリデン系樹
脂、1〜30重量%の親水性多孔化剤、および該樹脂の
貧溶媒を含有し、温度が80〜175℃の範囲であるポ
リフッ化ビニリデン系樹脂溶液を冷却浴に吐出し凝固さ
せることを特徴とする中空糸膜の製造方法により達成さ
れる。さらに本発明は、上記製造方法で製造された中空
糸膜を有する中空糸膜モジュール、上記中空糸膜モジュ
ールを具備する水の分離装置を含む。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明する。
【0007】本発明におけるポリフッ化ビニリデン系樹
脂とは、フッ化ビニリデンホモポリマーおよび/または
フッ化ビニリデン共重合体を含有する樹脂のことであ
る。複数の種類のフッ化ビニリデン共重合体を含有して
も構わない。フッ化ビニリデン共重合体としては、フッ
化ビニリデン残基構造を有するポリマーならば特に限定
されず、典型的にはフッ化ビニリデンモノマーとそれ以
外のフッ素系モノマーとの共重合体であり、例えば、フ
ッ化ビニル、四フッ化エチレン、六フッ化プロピレン、
三フッ化塩化エチレンから選ばれた1種類以上のフッ素
系モノマーとフッ化ビニリデンとの共重合体が挙げられ
る。場合によっては、フッ素系モノマー以外の例えばエ
チレン等のモノマーが含まれていても良い。またポリフ
ッ化ビニリデン系樹脂の重量平均分子量は、要求される
中空糸膜の強度と透水性能によって適宜選択すれば良い
が10万〜100万の範囲が好ましい。中空糸膜への加
工性を考慮した場合は25万〜60万の範囲が好まし
く、さらに35万〜45万の範囲が好ましい。
【0008】本発明において貧溶媒とは、ポリフッ化ビ
ニリデン系樹脂を60℃未満の低温では5重量%以上溶
解させることができないが、60℃以上かつポリフッ化
ビニリデン系樹脂の融点以下(例えばポリフッ化ビニリ
デン系樹脂が、フッ化ビニリデンホモポリマー単独で構
成される場合は178℃程度)の高温領域で5重量%以
上溶解させることができる溶媒のことである。貧溶媒に
対し、60℃未満の低温でもポリフッ化ビニリデン系樹
脂を5重量%以上溶解させることが可能な溶媒を良溶
媒、ポリフッ化ビニリデン系樹脂の融点または液体の沸
点まで、ポリフッ化ビニリデン系樹脂を溶解も膨潤もさ
せない溶媒を非溶媒と定義する。ここで貧溶媒として
は、シクロヘキサノン、イソホロン、γ−ブチロラクト
ン、メチルイソアミルケトン、フタル酸ジメチル、プロ
ピレングリコールメチルエーテル、プロピレンカーボネ
ート、ジアセトンアルコール、グリセロールトリアセテ
ート等の中鎖長のアルキルケトン、エステル、グリコー
ルエステル及び有機カーボネート等が挙げられる。また
良溶媒としては、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチ
ルスルホキシド、ジメチルアセトアミド、ジメチルホル
ムアミド、メチルエチルケトン、アセトン、テトラヒド
ロフラン、テトラメチル尿素、リン酸トリメチル等の低
級アルキルケトン、エステル、アミド等が挙げられる。
さらに非溶媒としては、水、ヘキサン、ペンタン、ベン
ゼン、トルエン、メタノール、エタノール、四塩化炭
素、o−ジクロルベンゼン、トリクロルエチレン、低分
子量のポリエチレングリコール等の脂肪族炭化水素、芳
香族炭化水素、塩素化炭化水素、またはその他の塩素化
有機液体等が挙げられる。
【0009】本発明の親水性多孔化剤とは、親水性を有
していて当該中空糸膜の多孔化を促す性質を有するもの
ならば、なんら限定されるものではなく、好適には、親
水性有機物の高分子乃至は低分子物質である。具体的に
は、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコー
ル、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニ
ルピロリドン、ポリアクリル酸などの水溶性ポリマー、
ソルビタン脂肪酸エステル(モノ、トリエステル体等)
等の多価アルコールのエステル体、ソルビタン脂肪酸エ
ステルのエチレンオキサイド低モル付加物、ノニルフェ
ノールのエチレンオキサイド低モル付加物、プルロニッ
ク型エチレンオキサイド低モル付加物等のエチレンオキ
サイド低モル付加物、ポリオキシエチレンアルキルエス
テル、アルキルアミン塩、ポリアクリル酸ソーダ等の界
面活性剤、グリセリンなどの多価アルコール類、テトラ
エチレングリコール、トリエチレングリコールなどのグ
リコール類である。これらは1種類で用いても2種類以
上の混合物で用いても良い。これらの親水性多孔化剤は
重量平均分子量50,000以下のものが良い(より好
ましくは30,000以下)。これよりも分子量の大き
なものは、抽出性が悪く、紡糸原液へも均一溶解しにく
いために好ましくない場合がある。
【0010】この親水性多孔化剤は中空糸膜が口金から
吐出され冷却浴中で溶媒抽出され構造凝集が起こる時に
溶媒に比べ比較的長時間中空糸膜中に残留すると考えら
れる。溶媒抽出に伴う構造凝集が緩やかになってから、
親水性多孔化剤が抽出されるので、得られた中空糸膜は
空孔性が高いものになる。構造的には親水性多孔化剤の
種類、分子量、添加量等に依存するが、球状構造が連結
された構造を有し、球状構造と球状構造の境界、隙間に
細孔が分布する、あるいは球状構造間の隙間自体が大き
くなる、または球状構造自体に5μm以下の細孔が多数
分布した構造、あるいはこれらが複合した構造になり、
空孔性が高く透水性の高いものになる。
【0011】なお、球状構造とは、専ら、球晶であると
推定される。球晶とは、ポリフッ化ビニリデン系樹脂溶
液が相分離して多孔構造を形成する際に、ポリフッ化ビ
ニリデン系樹脂が球形に析出、固化した結晶のことであ
る。このような構造を有する中空糸膜は、従来の湿式溶
液法で得られる網目構造を有する中空糸膜と比べて、強
度を高くでき、しかも透水性能も高くすることができ
る。
【0012】本発明では、まずポリフッ化ビニリデン系
樹脂(以下、単にポリマーとも表記する)を20〜60
重量%、好ましくは30〜50重量%の濃度範囲で、親
水性多孔化剤を1〜30重量%、好ましくは1〜20重
量%、さらに好ましくは1〜10重量%の濃度範囲で、
該樹脂の貧溶媒に80〜175℃、好ましくは100〜
150℃の温度範囲で溶解し、該ポリフッ化ビニリデン
系樹脂溶液を調製する。
【0013】前記ポリフッ化ビニリデン系樹脂のポリマ
ー濃度は高くなれば高い強伸度特性を有する中空糸膜が
得られるが、高すぎると製造した中空糸膜の空孔率が小
さくなり、透水性能が低下する。また、調製したポリマ
ー溶液の粘度が適正範囲に無ければ、中空糸状に成型す
ることが困難である。なお、前記ポリマー溶液の調製に
おいて、複数の貧溶媒を用いても良い。また、ポリマー
の溶解性に支障が生じない範囲内で、前記貧溶媒に良溶
媒や非溶媒が混在していても良い。従来法の湿式溶液法
では、透水性能を発現させるためポリマー濃度は10〜
20重量%程度であり、強伸度が大きい膜は得られてい
なかった。本発明では、ポリマー濃度を前記の通り高濃
度にすることで、高い強伸度特性を発現している。
【0014】また、本発明において、ポリフッ化ビニリ
デン系樹脂溶液中に、親水性多孔化剤が含まれないもし
くは低いと得られた中空糸膜が十分な空孔性をもたず、
透水性が得にくく、また、あまり多く親水性多孔化剤を
含むと紡糸原液に均一に溶解できず、中空糸状に成型で
きない。また、中空糸膜にピンホール状の欠陥を与え、
分離特性が低下し、強伸度も弱くなる。本発明では紡糸
原液である前記ポリフッ化ビニリデン系樹脂溶液中の親
水性多孔化剤濃度を前記の通りにすることで高透水性能
を発現している。
【0015】また、貧溶媒を用いることで湿式溶液法で
得られる網目構造よりも、球状の結晶よりなると推定さ
れる球状構造の膜構造が優先して形成するが、貧溶媒で
ない場合、あるいは、貧溶媒に貧溶媒以外の溶媒を加え
すぎて、前記貧溶媒的溶解特性から逸脱した溶媒系であ
る場合、以下の通りの問題が発生する。即ち、溶媒乃至
は溶媒系が良溶媒である乃至は良溶媒的特性を有する場
合、紡糸原液のポリマーに対する溶解能が低温において
も高くなる。その結果、紡糸時に低温にクエンチしても
降温により熱相分離した球状構造が凝固析出しにくく、
球状構造の球がより大きく成長する。これにより得られ
る膜は少ない点で球状構造同士がむすびついており、強
度的に弱いものになり不都合である。一方、非溶媒であ
る乃至は非溶媒的特性を有する場合、ポリマーが紡糸原
液に均一に溶解しにくく紡糸安定性上不都合である。
【0016】また、本発明では、該ポリマー溶液を80
〜175℃の温度範囲から、冷却液体などを用いて冷却
固化させることで、球状構造が連結されて、その間に空
隙を有する構造の中空糸膜を得ることができる。
【0017】さらに、発明者らは鋭意検討した結果、ポ
リマー溶液温度とともにその冷却方法で、この球状構造
を制御できることを見出した。すなわち、(1)ポリマ
ー溶液の温度が低すぎると、球状構造が発達する以前に
ゲル化し、固化するため、多孔構造を発現せず、透水性
が得られないこと、(2)ポリマー溶液温度が高すぎる
と、冷却、ゲル化、固化に時間を要し、球状構造が充分
発達してしまうため、球状構造が大きくなり、また、球
状構造と球状構造を連結するポリマー分子の凝集体が減
るため、強度的に低下する膜構造になることを見出し
た。
【0018】本発明の中空糸膜の製造方法においては、
ポリマー溶液を調製した後、該ポリマー溶液を吐出して
中空糸状に成形するものである。例えば中空糸膜紡糸用
の二重管式口金から吐出し、必要に応じて所定の長さの
乾式部を通過させた後、冷却浴中等に導いて凝固させ
る。二重管式口金を用いる場合、口金から吐出する前
に、ポリマー溶液を、5〜100μmのステンレス製フ
ィルター等で濾過することが好ましい。使用する前記口
金の寸法は、製造する中空糸膜の寸法と膜構造により適
宜選択すればよいが、おおよそスリット外径0.7〜1
0mm、スリット内径0.5〜4mm、注入管内径0.
25〜2mmの範囲であることが好ましい。また、紡糸
ドラフト(引取り速度/原液の口金吐出線速度)は好ま
しくは0.8〜100、より好ましくは0.9〜50、
更に好ましくは1〜30、乾式長は好ましくは10〜1
000mm、より好ましくは10〜500mm、更に好
ましくは10〜300mmの範囲である。
【0019】また口金の温度すなわち紡糸温度は、溶解
温度と同様、80〜175℃、好ましくは100〜17
0℃の範囲にあれば良く、口金温度と溶解温度が異なっ
ても構わない。溶解温度については、溶解を短時間に均
一に行うという点から、口金温度より高い温度に設定す
ることも好ましく採用できる。
【0020】前記の通り、中空糸状に成形されたポリマ
ーは、冷却浴中に吐出され、凝固して中空糸膜となる。
この際、冷却浴には、温度が0〜50℃、好ましくは5
〜30℃であり、濃度が60〜100重量%、好ましく
は75〜90重量%の範囲で貧溶媒を含有する液体を用
いて、凝固させることが好ましい。冷却浴がこの温度範
囲にあることにより、凝固工程において、球晶が発達し
やすい冷却凝固が支配的となる。貧溶媒は、複数のもの
を混合して用いても良い。また、前記の濃度範囲を外れ
ない限りにおいて、貧溶媒に、貧溶媒以外の溶媒が混合
されてもよい。好ましくは非溶媒が混合されるが、場合
によっては良溶媒を混合しても良い。ポリマー溶解温度
から大きい温度差を与えて急冷することで、球状構造が
微小になると同時に、適度に球状構造間にポリマー分子
の凝集体が存在し、透水性と高い強伸度特性を有する膜
構造を発現する。また、冷却液体にある程度高い濃度の
貧溶媒を含有させることで、非溶媒誘起相分離を抑制
し、膜表面に緻密層を形成することなく、中空糸膜状に
成型することが可能となる。冷却液体に水等の非溶媒を
高い濃度で含有する液体を用いると、膜表面に緻密層を
形成してしまい、例え延伸しても透水性能は発現しな
い。
【0021】なお、前記冷却浴の形態としては、冷却液
体と中空糸状に成形されたポリマー溶液とが十分に接触
して冷却等が可能であるならば、特に限定されるもので
はなく、文字通り冷却液体が貯留された液槽形態であっ
ても良いし、さらに必要により前記液槽は、温度や組成
が調製された液体が循環乃至は更新されても良い。前記
液槽形態が最も好適ではあるが、場合によっては、冷却
液体が管内を流動している形態であっても良いし、空中
に走向等している中空糸膜に冷却液体が噴射される形態
であっても良い。
【0022】また、中空糸膜の中空部形成には、通常気
体もしくは液体をポリマー溶液に随伴させるが、本発明
においては、濃度が60〜100重量%の範囲で貧溶媒
を含有する液体を中空部形成用液体として用いることが
好ましく採用できる。中空部形成用液体の貧溶媒の濃度
は、より好ましくは70〜100重量%、更に好ましく
は80〜100重量%の範囲である。冷却浴の冷却液体
同様、中空部形成用液体に高い濃度の貧溶媒を含有させ
ることで、非溶媒誘起相分離を抑制し、微細な球状構造
を形成することが可能となる。中空部形成用液体におい
て、貧溶媒は、複数のものを混合して用いても良い。ま
た、前記の濃度範囲を外れない限りにおいて、貧溶媒
に、良溶媒や非溶媒を混合しても良い。
【0023】また、これらとは別の高透水性発現のアプ
ローチとして、中空糸膜を、冷却液体として温度が0〜
50℃、好ましくは5〜30℃であり、濃度が1〜10
0重量%、好ましくは1〜50重量%の範囲で親水性多
孔化剤を含有する液体を用いて、凝固させる方法も好ま
しく採用される。親水性多孔化剤は、紡糸原液に含まれ
るものと同種の1種又は複数種のものを用いることが望
ましいが、それ以外の親水性多孔化剤を用いてもよい。
また、前記の濃度範囲を外れない限りにおいて、親水性
多孔化剤に、親水性多孔化剤以外の溶媒が混合されても
よい。好ましくは非溶媒または貧溶媒が混合されるが、
場合によっては良溶媒を混合しても良い。冷却浴に親水
性多孔化剤を含有することにより、吐出した中空糸膜が
冷却浴中で溶媒抽出され凝固析出するときに紡糸原液の
溶媒抽出速度に比べて、濃度勾配により親水性多孔化剤
の抽出速度が低下する。その結果溶媒抽出に伴う構造収
縮時もより長期間構造中に親水性多孔化剤が構造中に留
まり、空孔性が高く透水性が高い膜が発現する。
【0024】また、中空糸膜の中空部形成に、濃度が1
〜100重量%の範囲で親水性多孔化剤を含有する液体
を中空部形成用液体として用いることが好ましく採用で
きる。中空部形成用液体の親水性多孔化剤の濃度は、よ
り好ましくは1〜50重量%、更に好ましくは1〜30
重量%の範囲である。冷却浴同様、中空部形成用液体に
親水性多孔化剤を含有させることで、凝固析出時の親水
性多孔化剤の抽出速度を抑制し、空孔性が高く透水性が
高い膜を形成することが可能となる。中空部形成用液体
には、親水性多孔化剤は、複数のものを混合して用いて
も良い。また、前記の濃度範囲を外れない限りにおい
て、親水性多孔化剤に、貧溶媒や非溶媒、場合によって
は良溶媒を混合しても良い。
【0025】冷却浴に用いる冷却液体と中空部形成用液
体は、同一であっても良いし、異なっていても良く、目
的とする中空糸膜の特性等に応じて適宜選択すればよ
い。製造工程の観点からは、ポリマー溶液、冷却浴に用
いる液体、および中空部形成用の液体に用いる溶媒が同
一種である場合、製造過程における溶媒の回収等で利便
性が高いが特に限定されるものではない。
【0026】以上までの製造方法で水処理用分離膜とし
て十分な透水性と高強伸度特性を有する中空糸膜を得る
ことが出来るが、さらに透水性を高めるために該中空糸
膜を延伸する工程を設けても良い。具体的には50〜1
40℃(より好ましくは50〜120℃、更に好ましく
は50〜100℃)の温度範囲で1.1〜5倍(より好
ましくは1.1〜4倍、更に好ましくは1.1〜3倍)
の範囲の延伸倍率に延伸することで、目的の中空糸膜が
得られる。50℃未満の低温条件で延伸した場合、安定
して均質に延伸することが困難であり、構造的に弱い部
分のみが破断する。50〜140℃の温度で延伸した場
合、球状構造の一部および球状構造と球状構造を連結す
るポリマー分子の凝集体が均質に延伸され、微細で細長
い細孔が多数形成され、強伸度特性を維持したまま透水
性能が向上する。また、親水性多孔化剤の種類、添加量
にもよるが部分的に親水性多孔化剤抽出後の孔が引き裂
かれて細長い細孔がより大きく成長する。この部分的な
細孔肥大化は膜全体として見た場合スケールが非常に小
さいので、透水性向上には寄与しても分離性能には影響
を与えない。140℃を超える温度で延伸した場合、ポ
リフッ化ビニリデン系樹脂の融点に近くなるため、球状
構造が融解してしまい、あまり細孔が形成されずに延伸
されるため、透水性能が向上しない。また、延伸は液体
中で行う方が温度制御が容易であり好ましいが、スチー
ムなどの気体中で行っても構わない。液体としては水が
簡便で好ましいが、90℃程度以上で延伸する場合に
は、低分子量のポリエチレングリコールなどを用いるこ
とも好ましく採用できる。さらに水とポリエチレングリ
コールの混合液体等、複数の液体の混合液体中で延伸す
ることも採用できる。
【0027】これら親水性多孔化剤は冷却浴中で抽出さ
れてもよいが、例えば100℃のグリセリン浴中でポリ
ビニルアルコールを抽出するなど、特別な抽出工程を加
えても良く、前述の延伸を行う場合も延伸中、延伸前後
に抽出を行っても良い。抽出には親水性多孔化剤に対し
て溶解性があり、ポリフッ化ビニリデン系樹脂に対して
溶解性が低い溶媒、例えば水、高級アルコール、グリコ
ール、グリセリン、ベンゼン、トルエン、上記貧溶媒な
どの単独或いは混合溶媒を用い、0〜140℃の温度範
囲の液温に調整し浸漬することが好ましいが、これに限
定されない。また、親水性多孔化剤はポリフッ化ビニリ
デン系樹脂表面の親水性向上を目的に中空糸中に残留し
続けても良い。
【0028】中空糸膜の外径と膜厚は、膜の強度を損な
わない範囲で、中空糸膜内部長手方向の圧力損失を考慮
し、膜モジュールとして透水量が目標値になるように決
めればよい。即ち、外径が、太ければ圧力損失の点で有
利になるが、充填本数が減り、膜面積の点で不利にな
る。一方、外径が細い場合は充填本数を増やせるので膜
面積の点で有利になるが、圧力損失の点で不利になる。
また、膜厚は強度を損なわない範囲で薄い方が好まし
い。従って、おおよその目安を示すならば、中空糸膜の
外径は、おおよそ好ましくは0.3〜3mm、より好ま
しくは0.4〜2.5mm、更に好ましくは、0.5〜
2mmである。また、膜厚は、好ましくは外径の0.0
8〜0.4倍、より好ましくは0.1〜0.35倍、更
に好ましくは0.12〜0.3倍である。
【0029】さらに上記製造方法で製造された中空糸膜
は、中空糸膜モジュールとして用いることができる。モ
ジュールとは、中空糸膜を複数本束ねて円筒状の容器に
納め、両端または片端をポリウレタンやエポキシ樹脂等
で固定し、透過水を集水できるようにしたものや、平板
状に中空糸膜の両端を固定して透過水を集水できるよう
にしたもののことである。この中空糸膜モジュールの原
水側にポンプや水位差などの加圧手段を設けたり、透過
水側にポンプまたはサイフォン等による吸引手段を設け
たりすることにより、原水の膜ろ過を行う水の分離装置
として用いることができる。この水の分離装置を用い
て、原水から、精製された透過水を製造することができ
る。原水とは、河川水、湖沼水、地下水、海水、下水、
排水およびこれらの処理水等である。
【0030】以下に具体的実施例を挙げて本発明を説明
するが、本発明はこれら実施例により何ら限定されるも
のではない。
【0031】
【実施例】以下実施例の透水性能は、逆浸透膜処理水を
25℃で1.5mの水位差を駆動力に小型モジュール
(長さ約20cm、中空糸膜の本数1〜10本程度)に
送液し、一定時間の透過水量を測定して得た値を、10
0kPa当たりに換算して算出した。但し、透水性能
は、ポンプ等で一定の圧力に加圧して得た値を100k
Pa当たりに換算して求めてもよい。水温についても、
25℃以外で測定し、評価液体の粘性から25℃での値
に換算してもよい。破断強伸度は、引張試験機を用い
て、試験長50mmでフルスケール2000gの加重を
クロスヘッドスピード50mm/分で測定し、求めた。
空孔率は中空糸膜壁容積中の空孔容積の割合で、湿潤状
態と乾燥状態の中空糸重量から換算して求めた。
【0032】実施例1 分子量28.4万のフッ化ビニリデンホモポリマーと分
子量4,000ポリエチレングリコール、イソホロン
を、それぞれ55重量%と、5重量%、40重量%の割
合で混合し、160℃の温度で溶解して、ポリマー溶液
を調製した。このポリマー溶液を、100%イソホロン
を中空部形成用液体として中空部に随伴させながら、1
60℃の口金から中空糸状に吐出し、温度30℃のイソ
ホロン90重量%水溶液からなる冷却液体を有する冷却
浴中で固化した後、90℃水中で2.0倍に延伸した。
得られた中空糸膜は、外径1.55mm、内径0.95
mm、透水性能は2.7m3/(m2・hr)(差圧10
0kPa、25℃の条件)で、破断強力が730g/
本、破断伸度が53%であった。
【0033】実施例2 分子量41.7万のフッ化ビニリデンホモポリマーと分
子量21,000のポリビニルアルコール、γ−ブチロ
ラクトンを、それぞれ40重量%と10重量%50重量
%の割合で混合し、140℃の温度で溶解した。このポ
リマー溶液を、100%γ−ブチロラクトンを中空部形
成用液体として中空部に随伴させながら、110℃の口
金から中空糸状に吐出し、温度25℃のシクロヘキサノ
ン85重量%水溶液からなる冷却液体を有する冷却浴中
で固化した後、80℃熱水中でポリビニルアルコールを
抽出し、110℃のポリエチレングリコール(分子量4
00)中で2倍に延伸した。得られた中空糸膜は、外径
1.45mm、内径0.95mm、透水性能は2.8m
3/(m2・hr)(差圧100kPa、25℃の条件)
で、破断強力が1130g/本、破断伸度が52%、空
孔率70%であった。構造は、粒径1μm程度の球状構
造が連結した構造になっていた。
【0034】比較例1 分子量41.7万のフッ化ビニリデンホモポリマーとγ
−ブチロラクトンを、それぞれ40重量%、60重量%
の割合で混合し、140℃の温度で溶解した。このポリ
マー溶液を、100%γ−ブチロラクトンを中空部形成
用液体として中空部に随伴させながら、110℃の口金
から中空糸状に吐出し、温度25℃のシクロヘキサノン
85重量%水溶液からなる冷却液体を有する冷却浴中で
固化した後、110℃のポリエチレングリコール(分子
量400)中で2倍に延伸した。得られた中空糸膜は、
外径1.42mm、内径0.95mm、透水性能は1.
5m3/(m2・hr)(差圧100kPa、25℃の条
件)で、破断強力が1130g/本、破断伸度が52
%、空孔率65%であった。構造は、粒径1μm程度の
球状構造が連結した構造になっていたが、球状構造間の
隙間の比率が実施例2に比べ小さくなっていた。
【0035】比較例2 分子量41.7万のフッ化ビニリデンホモポリマーと、
分子量21,000のポリビニルアルコール、γ−ブチ
ロラクトンを、それぞれ40重量%、0.5重量%、5
9.5重量%の割合で混合し、120℃の温度で溶解し
た。このポリマー溶液を100%γ−ブチロラクトンを
中空部形成用液体として中空部に随伴させながら120
℃の口金から中空糸状に吐出し、温度25℃のシクロヘ
キサノン85重量%水溶液からなる冷却液体を有する冷
却浴中で固化した後、110℃のポリエチレングリコー
ル(分子量400)中で2倍に延伸した。得られた中空
糸膜は、外径1.44mm、内径0.96mm、透水性
能は1.6m3/(m2・hr)(差圧100kPa、2
5℃の条件)で、破断強力が1050g/本、破断伸度
が51%、空孔率51%であった。
【0036】実施例3 分子量35.8万のフッ化ビニリデンホモポリマーと分
子量35,000のポリビニルピロリドン、シクロヘキ
サノンを、それぞれ40重量%と10重量%、50重量
%の割合で混合し、130℃の温度で溶解した。このポ
リマー溶液を、100%シクロヘキサノンを中空部形成
用液体として中空部に随伴させながら、130℃の口金
から中空糸状に吐出し、温度20℃のシクロヘキサノン
80重量%水溶液からなる冷却液体を有する冷却浴中で
固化した後、85℃水中で3.0倍に延伸した。得られ
た中空糸膜は、外径1.02mm、内径0.65mm、
透水性能は3.8m3/(m2・hr)(差圧100kP
a、25℃の条件)で、破断強力が880g/本、破断
伸度が44%であった。
【0037】実施例4 分子量41.7万のフッ化ビニリデンホモポリマーとテ
トラエチレングリコール、シクロヘキサノンを、それぞ
れ20重量%と30重量%、50重量%の割合で混合
し、100℃の温度で溶解した。このポリマー溶液を、
95重量%のシクロヘキサノン水溶液を中空部形成用液
体として中空部に随伴させながら、100℃の口金から
中空糸状に吐出し、温度10℃のシクロヘキサノン80
重量%水溶液からなる冷却液体を有する冷却浴中で固化
した後、85℃水中で3.5倍に延伸した。得られた中
空糸膜は、外径1.10mm、内径0.73mm、透水
性能は5.2m3/(m2・hr)(差圧100kPa、
25℃の条件)で、破断強力が600g/本、破断伸度
が30%であった。
【0038】実施例5 分子量57.2万のフッ化ビニリデンホモポリマーとポ
リオキシエチレンソルビタンモノオレート(Tween
80)、シクロヘキサノンを、それぞれ35重量%と1
重量%、64重量%の割合で混合し、155℃の温度で
溶解した。このポリマー溶液を、100%シクロヘキサ
ノンを中空部形成用液体として中空部に随伴させなが
ら、155℃の口金から中空糸状に吐出し、温度15℃
のシクロヘキサノン80重量%水溶液からなる冷却液体
を有する冷却浴中で固化した後、85℃水中で4.0倍
に延伸した。得られた中空糸膜は、外径1.38mm、
内径0.86mm、透水性能は2.5m3/(m2・h
r)(差圧100kPa、25℃の条件)で、破断強力
が1420g/本、破断伸度が47%であった。
【0039】実施例6 分子量35.8万のフッ化ビニリデンホモポリマーおよ
び四フッ化エチレンとフッ化ビニリデンの共重合体およ
びグリセリン、シクロヘキサノンを、それぞれ30重量
%、10重量%、2重量%、58重量%の割合で混合
し、165℃の温度で溶解した。このポリマー溶液を、
100%シクロヘキサノンを中空部形成用液体として中
空部に随伴させながら、160℃の口金から中空糸状に
吐出し、温度30℃のシクロヘキサノン90重量%水溶
液からなる冷却液体を有する冷却浴中で固化した後、8
0℃水中で1.5倍に延伸した。得られた中空糸膜は、
外径1.52mm、内径0.90mm、透水性能は1.
5m3/(m2・hr)(差圧100kPa、25℃の条
件)で、破断強力が1600g/本、破断伸度が58%
であった。
【0040】比較例3 分子量41.7万のフッ化ビニリデンホモポリマーと分
子量21,000のポリビニルアルコール、γ−ブチロ
ラクトンを、それぞれ20重量%と32重量%、48重
量%の割合で混合し、170℃の温度で12時間攪拌し
たが、均一に溶解しなかった。
【0041】比較例4 分子量41.7万のフッ化ビニリデンホモポリマーと分
子量400のポリエチレングリコール、シクロヘキサノ
ンを、それぞれ18重量%と5重量%、77重量%の割
合で混合し、90℃の温度で溶解した。このポリマー溶
液を、90重量%のシクロヘキサノン水溶液を中空部形
成用液体として中空部に随伴させながら、90℃の口金
から中空糸状に吐出したところ、ポリマー溶液の粘性が
低すぎて中空糸状に成型できなかった。
【0042】比較例5 分子量41.7万のフッ化ビニリデンホモポリマーと分
子量400のポリエチレングリコール、シクロヘキサノ
ンを、それぞれ61重量%と1重量%、38重量%の割
合で混合し、165℃の温度で溶解した。このポリマー
溶液を、100%のシクロヘキサノンを中空部形成用液
体として中空部に随伴させながら、165℃の口金から
中空糸状に吐出したところ、ポリマー溶液の粘性が高す
ぎて中空糸状に成型できなかった。
【0043】比較例6 分子量41.7万のフッ化ビニリデンホモポリマーと分
子量21,000のポリビニルアルコール、シクロヘキ
サノンを、それぞれ35重量%と5重量%、60重量%
の割合で混合し、175℃の温度で溶解した。このポリ
マー溶液を、100%のシクロヘキサノンを中空部形成
用液体として中空部に随伴させながら、175℃の口金
から中空糸状に吐出し、温度30℃のシクロヘキサノン
80重量%水溶液からなる冷却液体を有する冷却浴中で
固化した。得られた中空糸膜は、球状構造にならず透水
性を発現しなかった。また、延伸しても透水性能は0.
2m3/(m2・hr)(差圧100kPa、25℃の条
件)程度であり、また、均一に延伸することが困難で、
延伸行程で膜破断が多発した。
【0044】比較例7 分子量28.4万のフッ化ビニリデンホモポリマーと分
子量21,000のポリビニルアルコール、シクロヘキ
サノンを、それぞれ20重量%と10重量%、80重量
%の割合で混合し、150℃の温度で溶解した。口金温
度78℃で紡糸しようとしたが、紡糸機のホッパー中で
ゲル化してしまい、紡糸できなかった。
【0045】比較例8 分子量35.8万のフッ化ビニリデンホモポリマーと分
子量35,000のポリビニルピロリドン、シクロヘキ
サノンを、それぞれ40重量%と10重量%、50重量
%の割合で混合し、130℃の温度で溶解し、100%
シクロヘキサノンを中空部形成用液体として中空部に随
伴させながら130℃の口金から中空糸状に吐出し、温
度20℃のシクロヘキサノン80重量%水溶液からなる
冷却液体を有する冷却浴中で固化させて中空糸を得た。
この中空糸を45℃水中で延伸を試みたところ、延伸行
程で膜破断が多発し、安定して延伸できなかった。ま
た、延伸できた部分もリークが多かった。
【0046】比較例9 分子量35.8万のフッ化ビニリデンホモポリマーと分
子量35,000のポリビニルピロリドン、シクロヘキ
サノンを、それぞれ40重量%と10重量%、50重量
%の割合で混合し、130℃の温度で溶解し、100%
シクロヘキサノンを中空部形成用液体として中空部に随
伴させながら、130℃の口金から中空糸状に吐出し、
シクロヘキサノン80重量%とポリエチレングリコール
(分子量400)20重量%とからなる20℃の冷却液
体を有する冷却浴中で固化させて中空糸を得た。この中
空糸を150℃のポリエチレングリコール(分子量40
0)中で2.5倍に延伸した。透水性能は0.5m3
(m2・hr)(差圧100kPa、25℃の条件)で
あり高くなかった。細孔が融着したような構造になって
いた。
【0047】比較例10 分子量41.7万のフッ化ビニリデンホモポリマーと分
子量400のポリエチレングリコール、シクロヘキサノ
ンを、それぞれ37重量%、5重量%、58重量%の割
合で混合し、130℃の温度で溶解した。このポリマー
溶液を、100%シクロヘキサノンを中空部形成用液体
として中空部に随伴させながら、130℃の口金から中
空糸状に吐出し、温度20℃のシクロヘキサノン80重
量%水溶液からなる冷却液体を有する冷却浴中で固化し
た後、85℃水中で5.5倍に延伸した。得られた中空
糸膜は、外径1.03mm、内径0.72mm、透水性
能は0.8m3/(m2・hr)(差圧100kPa、2
5℃の条件)で、破断強力が1650g/本、破断伸度
が27%であった。細孔の幅が狭く透水性能が高くなか
った。
【0048】実施例7 分子量28.4万のフッ化ビニリデンホモポリマーと分
子量2,1000のポリビニルアルコール、γ−ブチロ
ラクトンを、それぞれ45重量%と10重量%、45重
量%の割合で混合し、155℃の温度で溶解した。この
ポリマー溶液を、100%γ−ブチロラクトンを中空部
形成用液体として中空部に随伴させながら、155℃の
口金から中空糸状に吐出し、温度30℃のγ−ブチロラ
クトン80重量%水溶液からなる冷却液体を有する冷却
浴中で固化した後、88℃水中で1.8倍に延伸した。
延伸後100℃ポリエチレングリコール浴中に浸漬し水
置換した。得られた中空糸膜は、外径1.36mm、内
径1.03mm、透水性能は2.8m3/(m2・hr)
(差圧100kPa、25℃の条件)で、破断強力が9
80g/本、破断伸度が50%、空孔率が54%であっ
た。構造は、球状構造中にポリビニルアルコールが抽出
された後と思われる空孔があいていた。
【0049】実施例8 分子量35.8万のフッ化ビニリデンホモポリマーと分
子量3,000のポリプロピレングリコール、γ−ブチ
ロラクトンを、それぞれ45重量%と10重量%、45
重量%の割合で混合し、140℃の温度で溶解した。こ
のポリマー溶液を、100%γ−ブチロラクトンを中空
部形成用液体として中空部に随伴させながら、140℃
の口金から中空糸状に吐出し、温度25℃のγ−ブチロ
ラクトン85重量%水溶液からなる冷却液体を有する冷
却浴中で固化した後、120℃のポリエチレングリコー
ル(分子量400)中で1.5倍に延伸した。得られた
中空糸膜は、外径1.34mm、内径0.83mm、透
水性能は4.0m3/(m2・hr)・100kPa,2
5℃で、破断強力が980g/本、破断伸度が52%で
あった。
【0050】実施例9 分子量41.7万のフッ化ビニリデンホモポリマーとポ
リエチレングリコール、ポリオキシエチレンソルビタン
モノオレート(Tween80)、γ−ブチロラクトン
を、それぞれ40重量%、9重量%、1重量%、50重
量%の割合で混合し、130℃の温度で溶解した。この
ポリマー溶液を、100%γ−ブチロラクトンを中空部
形成液体として中空部に随伴させながら、130℃の口
金から中空糸状に吐出し、温度20℃のγ−ブチロラク
トン80重量%水溶液からなる冷却液体を有する冷却浴
中で固化した後、85℃水中で2.0倍に延伸した。得
られた中空糸膜は、外径1.35mm、内径0.82m
m、透水性能は4.4m3/(m2・hr)(差圧100
kPa、25℃の条件)で、破断強力が1420g/
本、破断伸度が41%であった。
【0051】実施例10 分子量41.7万のフッ化ビニリデンホモポリマーと分
子量4,000のポリエチレングリコール、γ−ブチロ
ラクトンを、それぞれ25重量%と10重量%、65重
量%の割合で混合し、100℃の温度で溶解した。この
ポリマー溶液を、95重量%のγ−ブチロラクトン水溶
液を、中空部形成用液体として中空部に随伴させながら
95℃の口金から中空糸状に吐出し、温度10℃のγ−
ブチロラクトン80重量%水溶液からなる冷却液体を有
する冷却浴中で固化した後、85℃水中で4.0倍に延
伸した。得られた中空糸膜は、外径1.08mm、内径
0.73mm、透水性能は4.8m3/(m2・hr)
(差圧100kPa、25℃の条件)で、破断強力が4
70g/本、破断伸度が30%であった。
【0052】実施例11 分子量57.2万のフッ化ビニリデンホモポリマーと分
子量4,000のポリエチレングリコール、γ−ブチロ
ラクトンを、それぞれ35重量%と15重量%、65重
量%の割合で混合し、165℃の温度で溶解した。この
ポリマー溶液を、100%γ−ブチロラクトンを中空部
形成用液体として中空部に随伴させながら、165℃の
口金から中空糸状に吐出し、温度30℃のγ−ブチロラ
クトン80重量%水溶液からなる冷却液体を有する冷却
浴中で固化した後、85℃水中で4.5倍に延伸した。
得られた中空糸膜は、外径1.15mm、内径0.74
mm、透水性能は3.6m3/(m2・hr)(差圧10
0kPa、25℃の条件)で、破断強力が1440g/
本、破断伸度が24%であった。
【0053】比較例11 分子量41.7万のフッ化ビニリデンホモポリマーと分
子量3、000のポリプロピレングリコール、γ−ブチ
ロラクトンを、それぞれ18重量%と3重量%、79重
量%の割合で混合し、90℃の温度で溶解した。このポ
リマー溶液を、90重量%のγ−ブチロラクトン水溶液
を中空部形成用液体として中空部に随伴させながら、9
0℃の口金から中空糸状に吐出したところ、ポリマー溶
液の粘性が低すぎて中空糸状に成型できなかった。
【0054】比較例12 分子量41.7万のフッ化ビニリデンホモポリマーと分
子量4,000のポリエチレングリコール、γ−ブチロ
ラクトンを、それぞれ65重量%と1重量%、34重量
%の割合で混合し、170℃の温度で溶解した。ポリマ
ー溶液の粘性が高すぎて中空糸状に成型できなかった。
【0055】比較例13 分子量41.7万のフッ化ビニリデンホモポリマーと分
子量4、000のポリエチレングリコール、γ−ブチロ
ラクトンを、それぞれ40重量%と5重量%、55重量
%の割合で混合し、175℃の温度で溶解した。このポ
リマー溶液を、100%のγ−ブチロラクトンを中空部
形成用液体として中空部に随伴させながら、175℃の
口金から中空糸状に吐出し、温度25℃のγ−ブチロラ
クトン80重量%水溶液からなる冷却液体を有する冷却
浴中で固化した。得られた中空糸膜は、球状構造が不明
瞭で透水性が小さかった。また、延伸しても透水性能は
0.7m3/(m2・hr)(差圧100kPa、25℃
の条件)程度であった。
【0056】比較例14 分子量41.7万のフッ化ビニリデンホモポリマーとポ
リエチレングリコール、ポリオキシエチレンソルビタン
モノオレート(Tween80)、γ−ブチロラクトン
を、それぞれ40重量%、9重量%、1重量%、50重
量%の割合で混合し、130℃の温度で溶解した。これ
を、100%γ−ブチロラクトンを中空部形成用液体と
して中空部に随伴させながら、130℃の口金から中空
糸状に吐出し、温度20℃のγ−ブチロラクトン80重
量%水溶液からなる冷却液体を有する冷却浴中で固化さ
せて中空糸を得た。この中空糸を45℃水中で延伸を試
みたところ、延伸行程で膜破断が多発し、安定して延伸
できなかった。また、延伸できた部分も透水性能は高く
なかった。
【0057】比較例15 分子量41.7万のフッ化ビニリデンホモポリマーとポ
リエチレングリコール、ポリオキシエチレンソルビタン
モノオレート(Tween80)、γ−ブチロラクトン
を、それぞれ40重量%、9重量%、1重量%、50重
量%の割合で混合し、130℃の温度で溶解した。これ
を、100%γ−ブチロラクトンを中空部形成用液体と
して中空部に随伴させながら、130℃の口金から中空
糸状に吐出し、γ−ブチロラクトン80重量%とポリエ
チレングリコール(分子量400)20重量%とからな
る20℃の冷却液体を有する冷却浴中で固化させて中空
糸を得た。この中空糸を150℃のポリエチレングリコ
ール(分子量400)中で3.0倍に延伸した。比較例
6と同様に透水性能は0.6m3/(m2・hr)(差圧
100kPa、25℃の条件)程度であり高くなく、細
孔が融着したような構造になっていた。
【0058】実施12 分子量41.7万のフッ化ビニリデンホモポリマーと分
子量400のポリエチレングリコール、γ−ブチロラク
トンを、それぞれ38重量%と5重量%、57重量%の
割合で混合し、140℃の温度で溶解した。このポリマ
ー溶液を、100%γ−ブチロラクトンを中空部形成用
液体として中空部に随伴させながら、100℃の口金か
ら中空糸状に吐出し、温度20℃のγ−ブチロラクトン
80重量%水溶液からなる冷却液体を有する冷却浴中で
固化した後、85℃水中で1.3倍に延伸した。得られ
た中空糸膜は、外径1.85mm、内径1.15mm、
透水性能は1.6m3/(m2・hr)(差圧100kP
a、25℃の条件)で、破断強力が1310g/本、破
断伸度が54%であった。
【0059】実施例13 実施例12における冷却浴の冷却液体を温度20℃のγ
ーブチロラクトン80重量%、分子量400のポリエチ
レングリコール5重量%溶解した水溶液に変更したとこ
ろ、得られた中空糸膜は、外径1.86mm、内径1.
15mm、透水性能は1.8m3/(m2・hr)(差圧
100kPa,25℃の条件)で、破断強力が1180
g/本、破断伸度が54%であった。また、そのうえ中
空部形成用液体を95重量%γーブチロラクトン、5重
量%分子量400のポリエチレングリコール混合液に変
更したところ、得られた中空糸膜は、外径1.86m
m、内径1.15mm、透水性能は1.9m3/(m2
hr)(差圧100kPa,25℃の条件)で、破断強
力が1160g/本、破断伸度が53%であった。
【0060】実施例14 実施例13における冷却浴の冷却液体を温度20℃、分
子量400のポリエチレングリコール100重量%に変
更したところ、得られた中空糸膜は、外径1.92m
m、内径1.15mm、透水性能は1.8m3/(m2
hr)(差圧100kPa,25℃の条件)で、破断強
力が1040g/本、破断伸度が50%であった。ま
た、そのうえ中空部形成用液体を分子量400のポリエ
チレングリコール100重量%液に変更したところ、得
られた中空糸膜は、外径1.92mm、内径1.15m
m、透水性能は2.1m3/(m2・hr)(差圧100
kPa,25℃の条件)で、破断強力が970g/本、
破断伸度が47%であった。
【0061】比較例16 分子量41.7万のフッ化ビニリデンホモポリマーと分
子量400のポリエチレングリコール、γ−ブチロラク
トンを、それぞれ35重量%と10重量%、55重量%
の割合で混合し、150℃の温度で溶解した。このポリ
マー溶液を、100%γ−ブチロラクトンを中空部形成
用液体として中空部に随伴させながら、100℃の口金
から中空糸状に吐出し、温度20℃のγ−ブチロラクト
ン80重量%水溶液からなる冷却液体を有する冷却浴中
で固化した後、85℃水中で5.5倍に延伸した。得ら
れた中空糸膜は、外径1.06mm、内径0.75m
m、透水性能は0.3m3/(m2・hr)(差圧100
kPa、25℃の条件)で、破断強力が1510g/
本、破断伸度が33%であった。比較例7同様細孔の幅
が狭く透水性能が高くなかった。
【0062】実施例15 分子量41.7万のフッ化ビニリデンホモポリマーと分
子量20,000のポリエチレングリコール、イソホロ
ンを、それぞれ40重量%と10重量%、50重量%の
割合で混合し、155℃の温度で溶解した。このポリマ
ー溶液を、100%のイソホロンを中空部形成用液体と
して中空部に随伴させながら、155℃の口金から中空
糸状に吐出し、温度30℃のイソホロン80重量%水溶
液からなる冷却液体を有する冷却浴中で固化した後、8
5℃水中で2.0倍に延伸した。得られた中空糸膜は、
外径1.60mm、内径1.00mm、透水性能は2.
9m3/(m2・hr)(差圧100kPa、25℃の条
件)で、破断強力が970g/本、破断伸度が52%で
あった。
【0063】実施例16 分子量41.7万のフッ化ビニリデンホモポリマーと分
子量20,000のポリエチレングリコール、フタル酸
ジメチルを、それぞれ40重量%と5重量%、55重量
%の割合で混合し、165℃の温度で溶解した。このポ
リマー溶液を、フタル酸ジメチル70重量%とポリエチ
レングリコール(分子量400)30重量%とからなる
溶液を中空部形成用液体として中空部に随伴させなが
ら、165℃の口金から中空糸状に吐出し、フタル酸ジ
メチル60重量%とポリエチレングリコール(分子量4
00)40重量%とからなる温度40℃の冷却液体を有
する冷却浴中で固化した後、120℃エチレングリコー
ル(分子量400)中で2.0倍に延伸した。得られた
中空糸膜は、外径1.35mm、内径0.75mm、透
水性能は2.0m3/(m2・hr)(差圧100kP
a、25℃の条件)で、破断強力が1250g/本、破
断伸度が31%であった。
【0064】実施例17 分子量41.7万のフッ化ビニリデンホモポリマーと分
子量3,000のポリエチレングリコール、γーブチロ
ラクトンを、それぞれ38重量%と5重量%、57重量
%の割合で混合し、120℃の温度で溶解した。このポ
リマー溶液を、100重量%のγーブチロラクトンを中
空部形成液体として中空部に随伴させながら、120℃
の口金から中空糸状に吐出し、温度0℃のγーブチロラ
クトン80重量%水溶液からなる冷却液体を有する冷却
浴中で固化した後、水洗した。得られた中空糸膜は、外
径1.32mm、内径0.86mm、透水性能は1.6
3/(m2・hr)(差圧100kPa、25℃の条
件)で、破断強力が1620g/本、破断伸度が68%
であった。
【0065】
【発明の効果】本発明では、耐薬品性が高いポリフッ化
ビニリデン系樹脂を用いて、高強度で高透水性能を有す
る中空糸膜を、低コストで製造することが可能になる中
空糸膜の製造方法が提供される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) D01F 1/08 D01F 1/08 (72)発明者 辺見 昌弘 滋賀県大津市園山1丁目1番1号東レ株式 会社滋賀事業場内 Fターム(参考) 4D006 GA06 GA07 HA02 HA03 JB06 MA01 MA31 MB02 MB11 MB16 MC29X NA05 NA13 NA18 NA52 NA63 NA66 PB03 PB04 PB05 PB08 4L035 BB07 BB15 BB72 DD03 FF01 MB15

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも20〜60重量%のポリフッ化
    ビニリデン系樹脂、1〜30重量%の親水性多孔化剤、
    および該樹脂の貧溶媒を含有し、温度が80〜175℃
    の範囲であるポリフッ化ビニリデン系樹脂溶液を冷却浴
    に吐出し凝固させることを特徴とする中空糸膜の製造方
    法。
  2. 【請求項2】該冷却浴の冷却液体は、温度が0〜50℃
    の範囲内であり、濃度が60〜100重量%の範囲内で
    ある貧溶媒を含有する液体である請求項1記載の中空糸
    膜の製造方法。
  3. 【請求項3】中空糸膜の中空部の形成に用いる中空部形
    成用液体として、濃度が60〜100重量%の範囲で貧
    溶媒を含有する液体を用いる請求項1または2に記載の
    中空糸膜の製造方法。
  4. 【請求項4】該冷却浴の冷却液体は、温度が0〜50℃
    の範囲内であり、濃度が1〜100重量%の範囲内であ
    る親水性多孔化剤を含有する液体である請求項1〜3の
    いずれかに記載の中空糸膜の製造方法。
  5. 【請求項5】該中空糸膜の中空部の形成に用いる中空部
    形成用液体として、濃度が1〜100重量%の範囲で親
    水性多孔化剤を含有する液体を用いる請求項1〜4のい
    ずれかに記載の中空糸膜の製造方法。
  6. 【請求項6】凝固された該中空糸膜を50〜140℃の
    温度の範囲で1.1〜5倍の範囲に延伸するものである
    請求項1〜5のいずれかに記載の中空糸膜の製造方法。
  7. 【請求項7】該親水性多孔化剤を抽出する工程を含む請
    求項1〜6のいずれかに記載の中空糸膜の製造方法。
  8. 【請求項8】請求項1〜7のいずれかに記載の製造方法
    で製造された中空糸膜を有する中空糸膜モジュール。
  9. 【請求項9】請求項8に記載の中空糸膜モジュールを具
    備する水の分離装置。
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