JP2003138005A - エネルギー線硬化性組成物 - Google Patents
エネルギー線硬化性組成物Info
- Publication number
- JP2003138005A JP2003138005A JP2001334135A JP2001334135A JP2003138005A JP 2003138005 A JP2003138005 A JP 2003138005A JP 2001334135 A JP2001334135 A JP 2001334135A JP 2001334135 A JP2001334135 A JP 2001334135A JP 2003138005 A JP2003138005 A JP 2003138005A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- compound
- group
- energy ray
- curable composition
- composition
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Landscapes
- Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)
- Polyethers (AREA)
- Epoxy Resins (AREA)
- Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)
Abstract
おいて、引張せん断接着強度および剥離接着強度に優れ
るエネルギー線硬化性組成物を提供することである。 【解決手段】 特定の組成を有するエネルギー線硬化性
組成物を接着剤として用いることにより、極性基を有し
ないオレフィン系樹脂成形品同士あるいは、その他の被
着体との接着において、引張せん断強度にも優れ、且つ
剥離に対しても高い接着強度を示すものである。すなわ
ち、本発明は長鎖アルキル基を有するカチオン重合性化
合物(A)、水酸基を含有するオキセタン化合物
(B)、多官能オキセタン化合物および/または多官能
エポキシ化合物(C)、ならびにカチオン重合開始剤
(D)からなるエネルギー線硬化性組成物である。
Description
組成物に関し、さらに詳しくは、密着性に優れ、高温高
湿下の環境における接着信頼性が付与されたエネルギー
線硬化性組成物、それを用いた接着方法および該接着方
法により得られる接着物に関する。
ン系樹脂成形品の技術が進展し、耐熱、耐湿性に優れた
熱可塑性成形品が開発され、他の材料からこの熱可塑性
樹脂への置き換えが進行している。しかし、極性基を有
しない熱可塑性オレフィン系樹脂と他の被着体の接着に
おいて温度変化による線膨張係数の差および/または高
湿条件下での接着性組成物の吸湿などにより、接着面の
剥離という問題があり、短時間で硬化し、両者と高い密
着性を有し高温高湿条件下での接着信頼性が高い接着剤
は知られていない。例えば、特開平7−138332号
公報および特開平7―90228号公報にアクリル系の
熱可塑性オレフィン系樹脂用接着剤が記載されている
が、本発明者らが検討した結果、これらの接着剤では充
分な耐水性が得られないことがわかった。また、エポキ
シ系の光硬化型接着剤組成物は一般的に耐熱性があり、
凝集力が高く、接着強度が大きいことが知られている
が、その反応性が低いため、充分な接着強度を出すため
に光照射後には熱処理が必要であるという問題がある。
例えば、特開平6−264043号公報に記載されるエ
ポキシ系接着剤は、光硬化だけでは完全硬化せず、後処
理として熱硬化が必要である。さらに、低分子量のエポ
キシ化合物の大半は変異原性試験が陽性で、有害性があ
り、安全性の面から配合が制限されていた。さらに、特
許第3161583号では、分子中に1個以上のオキセ
タン環および1個以上の水酸基を有する化合物を配合す
ることにより硬化速度および密着性が向上することが記
載されている。しかし、この組成物の密着性に関しては
鋼板に対しコーティング剤として使用できるとしか記載
されていない。オレフィン系樹脂への接着性に関して
は、特許第3161583号にその記述がなく、実際に
検証した結果、ここに記載される組成物はオレフィン樹
脂に対して高い接着性を示すものではなかった。このこ
とから、本発明者らは、オレフィン系樹脂成形品に高い
密着性を示す光硬化型の接着剤を開発した(特願200
0−251779)。しかしながら、この接着剤は、せ
ん断方向へは非常に高い接着力を示したが、剥離接着強
度は低く問題があった。
フィン系樹脂成形品と被着体との接着において、引張せ
ん断接着強度および剥離接着強度に優れるエネルギー線
硬化性組成物を提供することである。
解決するため鋭意検討した結果、特定の組成を有するエ
ネルギー線硬化性組成物が、極性基を有しないオレフィ
ン系樹脂成形品同士あるいは、その他の被着体との接着
において、引張せん断強度にも優れ、且つ剥離に対して
も高い接着強度を示すことを見出し、本発明を完成する
に至った。すなわち、本発明は長鎖アルキル基を有する
カチオン重合性化合物(A)、水酸基を含有するオキセ
タン化合物(B)、多官能オキセタン化合物および/ま
たは多官能エポキシ化合物(C)、ならびにカチオン重
合開始剤(D)からなるエネルギー線硬化性組成物であ
る。
重合性化合物(A) 本発明における長鎖アルキル基を有するカチオン重合性
化合物(A化合物と称することもある)とは、炭素数が
6〜30の分岐があっても良いアルキル基を有し、少な
くとも1つのカチオン重合性基を有する化合物である。
この長鎖のアルキル基としては、上記のように炭素数が
6〜30の分岐があっても良いアルキル基であり、炭素
数が6〜24の分岐があっても良いアルキル基が好まし
いものである。また、カチオン重合性基としては、ビニ
ルエーテル基、エポキシ基およびオキセタニル基等が挙
げられ、これらの中でも、オキセタニル基を有する化合
物は(「オキセタン化合物」ともいう)、反応性が良好
であり、短時間で光硬化が達成されるため好ましく使用
される。
るものがある。
基、エチル基、プロピル基若しくはブチル基等の炭素数
1〜6個の分岐があっても良いアルキル基を示し、R2
は炭素数6〜30の分岐があっても良い炭化水素を示
す。
数が6〜24または炭素数6〜18の分岐があっても良
いアルキル基が好ましく、2−エチルヘキシル基等の分
岐アルキル基が他成分との相溶性の面で特に好ましい。
特に、R1がエチル基であり、R2が炭素数が6〜18の
分岐があっても良いアルキル基が好ましく特に2−エチ
ルヘキシル基であるオキセタン化合物は、優れた希釈
剤、硬化促進剤、柔軟性付与剤および表面張力低下剤と
して本発明に好ましく使用される。
ものを併用することもできる。
酸基を含有するオキセタン化合物(B)は(B化合物と
称することもある)、剥離接着強度を向上させる目的で
使用される。水酸基を含有するオキセタン化合物として
は、分子中に1個のオキセタニル基と1個の水酸基を有
する化合物であれば使用できる。好ましい化合物として
は、下記式(2)で表わされる化合物を挙げることがで
きる。
メチル基、エチル基、プロピル基若しくはブチル基等の
炭素数1〜6個の分岐があっても良いアルキル基、炭素
数1〜6個のフルオロアルキル基、アリル基、アリール
基、フリル基またはチエニル基等であり、R4は、メチ
レン、エチレン、プロピレン若しくはブチレン等の炭素
数1〜6個のアルキレン基、またはエ−テル結合を有す
る基例えば、オキシエチレン、オキシプロピレン若しく
はオキシブチレン等のオキシアルキレン基であることが
できる。
としては炭素数1〜6個の分岐があっても良いアルキル
基が好ましく、エチル基がより好ましい。また、R4と
しては、メチレン基が好ましい。具体的には、3−エチ
ル−3−ヒドロキシメチルオキセタン(東亞合成(株)
製:略号OXA)が挙げられる。
併用することもできる。
官能エポキシ化合物(C) 本発明におけるエネルギー線硬化性組成物において、多
官能オキセタン化合物および/または多官能エポキシ化
合物(C)は(C化合物と称することもある)、組成物
の硬化速度を向上させ、さらに硬化後の強度を制御する
目的で使用される。
しては、A化合物および後記オレフィンユニットの連鎖
を有する高分子化合物(F)との相溶性があれば特に限
定されない。この多官能オキセタン化合物(C−1)と
しては、下記式(3)で表される化合物またはビス(3
−アルキル−3−オキセタニルメチル)エーテルを挙げ
ることができる。このビス(3−アルキル−3−オキセ
タニルメチル)エーテルのアルキルとは、炭素数1〜6
個の分岐があっても良いものであり、特にエチル基では
ビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル
(東亞合成(株)製:略号DOX)が例示される。
1〜6の分岐があっても良いアルキル基を示し、R6は
炭素数1〜6のアルキレン基、鎖状若しくは分岐状ポリ
(アルキレン)基、キシリレン基またはエステル結合か
ら成る群から選ばれるm価基を示し、Zはエーテル基、
チオエーテル基、メチレン基またはエステル基等の官能
基を示し、mは2、3または4である。
A化合物および後記オレフィンユニットの連鎖を有する
高分子化合物(F)との相溶性があれば特に限定されな
い。例えば、ジシクロペンタジエンオキサイド、リモネ
ンジオキサイド、4−ビニルシクロヘキセンジオキサイ
ド、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル3,4−エ
ポキシシクロヘキサンカルボキシレート、ジ(3,4−
エポキシシクロヘキシル)アジペート、(3,4−エポ
キシシクロヘキシル)メチルアルコール、(3,4−エ
ポキシ−6−メチルシクロヘキシル)メチル−3,4−
エポキシ−6−メチルシクロヘキサンカルボキシレー
ト、エチレン1,2−ジ(3,4−エポキシシクロヘキ
サンカルボン酸)エステル、(3,4−エポキシシクロ
ヘキシル)エチルトリメトキシシラン、フェニルグリシ
ジルエーテル、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ハロ
ゲン化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノー
ルF型エポキシ樹脂、o−、m−、p−クレゾールノボ
ラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキ
シ樹脂、多価アルコールのポリグリシジルエーテル等が
例示される。
ともある)、ジアゾニウム塩、ヨードニウム塩、スルフ
ォニウム塩、セレニウム塩、ピリジニウム塩、フェロセ
ニウム塩、フォスフォニウム塩、チオピリジニウム塩が
使用できるが、熱的に比較的安定である芳香族ヨードニ
ウム塩、芳香族スルフォニウム塩等のオニウム塩開始剤
が好ましく使用される。オニウム塩開始剤を活性化する
ためには、赤外線照射も可能だが、照射により発生する
熱の基材への影響を考慮した場合、紫外線または可視光
を照射した方が好ましい。
ォニウム塩等のオニウム塩開始剤を使用する場合、対ア
ニオンとしては、BF4 -、AsF6 -、SbF6 -、P
F6 -、B(C6F5)4 -等が挙げられる。特にB(C
6F5)4 -をアニオンとしたヨードニウム塩は長鎖アルキ
ル基を有するカチオン重合性化合物との相溶性も良く好
適である。
て、長鎖アルキル基を有するカチオン重合性化合物
(A)、水酸基を含有するオキセタン化合物(B)およ
び多官能オキセタン化合物および/またはエポキシ化合
物(C)の合計を100質量部としたとき、A化合物は
5〜85質量部、B化合物は5〜40質量部、C化合物
は10〜90質量部である。このA化合物、B化合物お
よびC化合物を含む100質量部に対しカチオン重合開
始剤(D)が0.1〜20質量部添加するものである。
成物の相溶化が困難であり、85質量部特に90質量部
を超えると硬化物の硬度が低下し、接着強度等が低下す
る。また、B化合物が5質量部より少ないと剥離強度向
上の効果が不十分であり、40質量部をより多いときは
組成物の相溶性が低下し白濁または分離する。C化合物
が10質量部より少ないと硬化速度および硬化物の硬度
が低下し、90質量部を超えると硬化物の硬度が高すぎ
るため、基材への密着性が低下する。
カチオン重合開始剤(D)の活性をさらに高めるため、
ラジカル重合開始剤(E)を併用することができる。ラ
ジカル重合開始剤(E)としては、ベンゾフェノン、チ
オキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2−
イソプロピルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキ
サントン等のチオキサントン類、ベンゾインメチルエー
テル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロ
ピルエーテル等のベンゾインエーテル類、2,2−ジメ
トキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン等のベン
ジルジメチルケタール類、2−ヒドロキシ−2−メチル
−1−フェニルプロパン−1−オン、1−(4−イソプロ
ピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン
−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケ
トン等のα−ヒドロキシアルキルフェノン類、カンファ
ーキノン等のα−ジカルボニル化合物等が挙げられ、中
でもチオキサントン類が最もオニウム塩の活性を高め好
適である。ラジカル重合開始剤(E)は、本発明のエネ
ルギー線硬化性組成物100質量部に対して、0.1〜
20質量部使用することが好ましい。
フィンユニットの連鎖を有する高分子化合物(F)を添
加することにより、オレフィン系熱可塑性樹脂成形品に
対する接着強度を増大させることができる。オレフィン
ユニットの連鎖を有する高分子化合物は、分子中にエチ
レンユニット、ブチレンユニット、エチレン−ブチレン
ユニット等のポリオレフィンユニットの連鎖を少なくと
も10以上有する高分子化合物であり、溶解性に優れる
という理由から、数平均分子量が1,000〜10,0
00の化合物を用いるのが好ましい。また、オキセタニ
ル基およびエポキシ基と反応し得る構造たとえばエポキ
シ基等のカチオン反応性部位を有する高分子化合物を用
いると更に好ましい。
化合物(F)としては、ポリオレフィン系オレフィンユ
ニットの連鎖を有する高分子化合物が好ましく、エチレ
ン・ブチレン、エチレン・ブチレン・スチレン、エチレ
ン・ブチレン・イソプレン、エチレン・ブチレン・ブタ
ジエン等のユニットを含有することが好ましく、またこ
れらのブロックコポリマーを水素添加あるいは酸化等で
変性させエポキシ基、水酸基等の官能基を導入した高分
子化合物は相溶性が良くさらに好ましい。その添加量は
本発明のエネルギー線硬化性組成物に相溶する限り添加
でき、配合組成にもよるが、エネルギー線硬化性組成物
100質量部に対し、1〜200質量部であることが好
ましい。
化前の組成物の粘度や相溶性等の調整,並びに硬化後の
樹脂のガラス転移温度や屈折率等の制御を目的とし、カ
チオン重合性化合物を添加することもできる。このカチ
オン重合性化合物は特に限定されないが、エポキシ基、
オキセタニル基、ビニルエーテル基等のカチオン重合性
基を1分子中に1個以上含有しているものである。本発明
の組成物100質量部に対しカチオン重合性化合物を5
0質量部より多く添加すると系全体の相溶性が低下し組
成物が分離したり、長鎖アルキル基を有するカチオン重
合性化合物(A)および水酸基を含有するオキセタン化
合物(B)の添加した効果が薄れるため、この添加量は
0.1〜50質量部添加することが好ましい。
オレフィン系樹脂などとガラスや金属などとを接着させ
るとき、この密着性を向上させるためにシランカップリ
ング剤を添加することもできる。このシランカップリン
グ剤の併用により、オレフィン系樹脂と無機材料または
金属材料との密着性を改良することができる。シランカ
ップリング剤とは無機材料や金属材料を樹脂組成物とを
化学的に結合する性質を有するものである。シランカッ
プリング剤としては、1分子中にエポキシ基及びトリメ
トキシシリル基あるいはトリエトキシシリル基を有する
エポキシシラン類が好ましく用いられる。シランカップ
リング剤の好ましい使用範囲は、特に限定されないが、
本発明のエネルギー線硬化性組成物100質量部に対し
て0.5〜10質量部であることが好ましく、1〜5質
量部が特に好ましい。
剤を添加することで組成物の粘度および硬化時の体積収
縮率の低減、さらに硬化した組成物の熱耐久性を改良す
ることができる。充填剤としては、シリカ、アルミナ、
炭酸カルシウム、タルク、酸化チタン等を挙げることが
できる。
レフィン系樹脂成形品とレンズ・ミラー等の無機透明材
料、成形性に優れたポリフェニレンスルフィド・エポキ
シ樹脂等の成形樹脂と透明なオレフィン系樹脂成形品と
の接着性に優れ、特にオレフィン系樹脂成形品と無機透
明部材との接着おいて好ましく使用される。
を接着剤層に用いる場合、エネルギー線硬化性組成物を
被着体の両方または片方に塗布し、直ちに塗布面を貼り
合せ、動かない様に固定し、その後、高圧水銀ランプ、
ハロゲンランプ、メタルハロゲンランプ、太陽光等の光
源により、エネルギー線を照射することにより、硬化が
短時間でおこり、強い接着力が得られる。照射量はエネ
ルギー線硬化性樹脂組成物の反応性にもよるが、照度が
100mW/cm2で1〜60秒程度の短時間で硬化さ
せることができる。
である長鎖アルキル基を有するカチオン重合性化合物
(A)はオレフィン表面に対する密着性を向上させ、水
酸基含有オキセタン化合物(B)は剥離強度を向上さ
せ、多官能オキセタン化合物および/または多官能エポ
キシ化合物(C)は硬度の向上と共に硬化速度を向上さ
せる。また、ラジカル重合開始剤(E)をカチオン重合
開始剤(D)に共存させることで低照射エネルギー照射
且つ速硬化を達成できる。さらに、オレフィンユニット
の連鎖を有する高分子化合物(F)を添加することで、
オレフィン表面に対する密着性がさらに向上し、エネル
ギー線硬化性組成物を目的とする粘度に調整することが
可能となる。
等の無機材料との接着に本発明の組成物を使用すると、
常態でも引張りせん断接着強度が1MPaを超え、さら
には、剥離強度も向上することができる。
な光学材料であるノルボルネン樹脂との強い密着性を示
すことから、本発明におけるエネルギー線硬化性組成物
は光ピックアップ部品のノルボルネン樹脂製レンズと基
材との接着、ノルボルネン樹脂シートの貼り合せ、およ
びノルボルネン樹脂とプリズムとの接着等に好適であ
る。
明する。以下、「部」及び「%」はいずれも質量基準に
よるものとする。実施例において、長鎖アルキル基を有
するカチオン重合性化合物(A)として2−エチルヘキ
シルオキセタン(東亞合成(株)製:略号EHOX)、水
酸基含有オキセタン化合物(B)として3−エチル−3
−ヒドロキシメチルオキセタン(東亞合成(株)製:略
号OXA)、多官能オキセタン化合物(C−1)として
ビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル
(東亞合成(株)製:略号DOX)、多官能エポキシ化
合物(C−2)として3,4−エポキシシクロヘキシル
メチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカーボネート
(ユニオンカーバイド社製:略号UVR−6110)、
カチオン重合開始剤(D)としてトリルクミルアイオド
ニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート
(ローヌ・プーラン社製:略号2074)、ラジカル重
合開始剤(E)として、2−ヒドロキシ−2−メチル−
1−フェニルプロパン−1−オン(チバ・スペシャリテ
ィーケィ・ミカルズ株式会社製:略号DC1173)、
オレフィンユニットの連鎖を有する高分子化合物(F)
として油化シェル社製EKP−207、シランカップリ
ング剤としてγ―グリシドキシプロピルトリメトキシシ
ラン(日本ユニカー株式会社製:略号A−187)を使
用した。
組成物を調製した。
外観および粘度(温度25℃、単位はmPa・s)を測
定した後、下記の条件で接着を行ない、剥離強度を測定
した。
ゼオン(株)製のゼオネックス480R(商品名)を使
用した。 2.接着条件 接着面積:12.5mm×25mm 照射光源:メタルハロゲンランプ 硬化時の積算光量:2,000mJ/cm2(365n
m) 上記の条件で被着材を接着した。各組成物における接着
処理後の膜厚は、平均100μmであった。 3.接着強度の測定 (1)光照射後、温度23℃、湿度50%の環境下で1
時間静置した。 (2)剥離強度の測定 万力で片方のテストピースを押さえ、プッシュプルゲー
ジにて他方の端を押し、剥離したときの負荷(N)を剥
離強度とした。 (3)引張せん断強度の測定 引張せん断強度は、引張速度20mm/minで測定し
た。強度は、MPaで表示した。 (4)剥離強度および引張せん断強度の測定おいて被着
体が破損もしくは被着体にクラックが入った際には基材
破壊(※で表示)とした。測定結果は、下記表2に示
す。
タン化合物(B)であるOXAを配合していない。比較
例2および比較例3の組成物はOXAを配合していない
が、オレフィンユニットの連鎖を有する高分子化合物
(F)であるEXP207を配合している。比較例3の
組成物はさらに強固な共有結合性の架橋構造を作り得る
カチオン重合性シランカップリング剤A−187を添加
した。実施例1の組成物は比較例1のEHOXの一部を
OXAにして添加した。実施例2および比較例3の組成
物では実施例1のEHOXの一部をEKP−207に変
更した。実施例3の組成物では、実施例2の組成物より
もOXAを増量した。
と、EHOXの一部をOXAに代えることで、剥離強度
が2倍程度に向上した。比較例2と3の接着力の比較か
ら、A−187を添加することで、剥離強度が向上する
傾向が見られた。しかし、比較例3のA−187の代わ
りにOXAを添加した実施例2の接着力は基材破壊を示
すほど剥離強度が向上し、その上、引張せん断接着強度
も基材破壊するほど高い値を示した。しかし、A−18
7を添加した比較例2の組成物は、室温保存2週間で濁
りを生じ、この安定性が悪かった。なお、実施例1〜3
に記載の組成物は、室温保管3ヶ月でも白濁等はなく安
定であった。実施例2と3の接着力の比較から、OXA
の添加量を増量することで、剥離強度が向上した。OX
Aの添加により剥離強度が向上する理由としては,OX
Aの弱い結合である水素結合による応力緩和の効果と考
えられる。
光硬化型接着剤としてオレフィン系樹脂の接着に用いる
と引張せん断接着強度だけではなく、剥離強度にも優れ
ており、貼り合せだけではなくポッティング等の接着方
法においても高い接着性を示す。また、保存安定性につ
いても優れている。
Claims (6)
- 【請求項1】 長鎖アルキル基を有するカチオン重合性
化合物(A)、水酸基を有するオキセタン化合物
(B)、多官能オキセタン化合物および/または多官能
エポキシ化合物(C)、ならびにカチオン重合開始剤
(D)からなるエネルギー線硬化性組成物。 - 【請求項2】 長鎖アルキル基を有するカチオン重合性
化合物(A)が、長鎖アルキル基を有するオキセタン化
合物である請求項1に記載のエネルギー線硬化性組成
物。 - 【請求項3】 ラジカル重合開始剤(E)を含有するこ
ともある請求項1または請求項2に記載のエネルギー線
硬化性組成物。 - 【請求項4】 オレフィンユニットの連鎖を有する高分
子化合物(F)を含有することもある請求項3に記載の
エネルギー線硬化性組成物。 - 【請求項5】 請求項1〜4にそれぞれ記載されている
エネルギー線硬化性組成物を用いる接着方法。 - 【請求項6】 請求項1〜4にそれぞれ記載されている
エネルギー線硬化性組成物により製造された接着物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001334135A JP4026353B2 (ja) | 2001-10-31 | 2001-10-31 | エネルギー線硬化性接着剤組成物、接着方法および接合体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001334135A JP4026353B2 (ja) | 2001-10-31 | 2001-10-31 | エネルギー線硬化性接着剤組成物、接着方法および接合体 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003138005A true JP2003138005A (ja) | 2003-05-14 |
JP4026353B2 JP4026353B2 (ja) | 2007-12-26 |
Family
ID=19149314
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001334135A Expired - Fee Related JP4026353B2 (ja) | 2001-10-31 | 2001-10-31 | エネルギー線硬化性接着剤組成物、接着方法および接合体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4026353B2 (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005320491A (ja) * | 2004-05-11 | 2005-11-17 | Hitachi Chem Co Ltd | 接着剤組成物、それを用いたフィルム状接着剤及び回路接続材料、並びに回路部材の接続構造及びその製造方法 |
JP2010150422A (ja) * | 2008-12-25 | 2010-07-08 | Toagosei Co Ltd | 接着剤組成物 |
WO2013190913A1 (ja) * | 2012-06-19 | 2013-12-27 | ナトコ 株式会社 | 活性エネルギー線硬化性組成物、その硬化物及び用途 |
JP2014048496A (ja) * | 2012-08-31 | 2014-03-17 | Nitto Denko Corp | 偏光フィルムの製造方法 |
-
2001
- 2001-10-31 JP JP2001334135A patent/JP4026353B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005320491A (ja) * | 2004-05-11 | 2005-11-17 | Hitachi Chem Co Ltd | 接着剤組成物、それを用いたフィルム状接着剤及び回路接続材料、並びに回路部材の接続構造及びその製造方法 |
JP2010150422A (ja) * | 2008-12-25 | 2010-07-08 | Toagosei Co Ltd | 接着剤組成物 |
WO2013190913A1 (ja) * | 2012-06-19 | 2013-12-27 | ナトコ 株式会社 | 活性エネルギー線硬化性組成物、その硬化物及び用途 |
JP5475933B1 (ja) * | 2012-06-19 | 2014-04-16 | ナトコ株式会社 | 活性エネルギー線硬化性組成物よりなるインクジェットインク |
US20150030820A1 (en) * | 2012-06-19 | 2015-01-29 | Natoco Co., Ltd. | Active energy ray curable composition, and cured product and use thereof |
US9447294B2 (en) | 2012-06-19 | 2016-09-20 | Natoco Co., Ltd. | Active energy ray curable composition, and cured product and use thereof |
JP2014048496A (ja) * | 2012-08-31 | 2014-03-17 | Nitto Denko Corp | 偏光フィルムの製造方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP4026353B2 (ja) | 2007-12-26 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
EP1630215B1 (en) | Photocurable resin composition and resin composition for plastics comprising the same | |
JP5401767B2 (ja) | 硬化性組成物および光学デバイス | |
EP2348081B1 (en) | Adhesive composition and optical member | |
KR101310696B1 (ko) | 다분기 폴리에테르폴리올 함유의 양이온 중합성 수지조성물, 그것을 포함하는 접착제, 및 그것을 사용한 적층체및 편광판 | |
JP2010018797A (ja) | 光学部品用硬化性組成物、光学部品用接着剤及び有機エレクトロルミネッセンス素子用封止剤 | |
JP5592733B2 (ja) | 柔軟性にすぐれたカチオン硬化性樹脂組成物 | |
JP4967656B2 (ja) | 光カチオン重合性組成物及びそれを用いたオプトエレクトロニクス部品 | |
KR102006993B1 (ko) | 에너지선 경화성 수지 조성물 | |
JP4947244B2 (ja) | カチオン重合性組成物、それを含む接着剤、ならびに、それらを用いて得られた硬化物及び偏光板 | |
JPWO2008153076A1 (ja) | 基板貼り合わせ用光学接着剤、及び、基板貼り合わせ用光学接着剤硬化体 | |
US7714037B1 (en) | Photoinitiated cationic epoxy compositions and articles exhibiting low color | |
JP2002060484A (ja) | 光硬化性組成物、該組成物を用いた接着方法および接着物 | |
JP4395577B2 (ja) | エネルギー線硬化性接着剤組成物 | |
JP2003138005A (ja) | エネルギー線硬化性組成物 | |
JP4421938B2 (ja) | 紫外線硬化型樹脂組成物 | |
JP5160743B2 (ja) | 活性エネルギー線硬化性接着剤およびその用途 | |
JP2008308589A (ja) | 硬化性組成物およびこれを用いた光学デバイス | |
US8030401B1 (en) | Photoinitiated cationic epoxy compositions | |
JP2019178208A (ja) | 光学結像装置用接着剤およびその硬化物 | |
KR100748149B1 (ko) | 광양이온 중합성 수지 조성물 및 광디스크 표면 보호용재료 | |
WO2014129261A1 (ja) | カチオン重合性接着剤 | |
EP1983023A1 (en) | Radiation-curable composition, composite and manufacturing method thereof | |
JP3996334B2 (ja) | 光硬化型エポキシ樹脂組成物 | |
JP2004352980A (ja) | 光カチオン重合性樹脂組成物及び光ディスク表面保護用材料 | |
TW202031508A (zh) | 偏光薄膜之製造方法、附易接著層之偏光件、偏光薄膜、光學薄膜及影像顯示裝置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20050920 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20060131 |
|
RD02 | Notification of acceptance of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422 Effective date: 20060308 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20060330 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821 Effective date: 20060308 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20070130 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20070329 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20070918 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20071001 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101019 Year of fee payment: 3 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 4026353 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101019 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101019 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111019 Year of fee payment: 4 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111019 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121019 Year of fee payment: 5 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121019 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131019 Year of fee payment: 6 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |