JP2003138005A - エネルギー線硬化性組成物 - Google Patents

エネルギー線硬化性組成物

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 オレフィン系樹脂成形品と被着体との接着に
おいて、引張せん断接着強度および剥離接着強度に優れ
るエネルギー線硬化性組成物を提供することである。 【解決手段】 特定の組成を有するエネルギー線硬化性
組成物を接着剤として用いることにより、極性基を有し
ないオレフィン系樹脂成形品同士あるいは、その他の被
着体との接着において、引張せん断強度にも優れ、且つ
剥離に対しても高い接着強度を示すものである。すなわ
ち、本発明は長鎖アルキル基を有するカチオン重合性化
合物(A)、水酸基を含有するオキセタン化合物
(B)、多官能オキセタン化合物および/または多官能
エポキシ化合物(C)、ならびにカチオン重合開始剤
(D)からなるエネルギー線硬化性組成物である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はエネルギー線硬化性
組成物に関し、さらに詳しくは、密着性に優れ、高温高
湿下の環境における接着信頼性が付与されたエネルギー
線硬化性組成物、それを用いた接着方法および該接着方
法により得られる接着物に関する。
【0002】
【従来の技術】様々な分野において、熱可塑性オレフィ
ン系樹脂成形品の技術が進展し、耐熱、耐湿性に優れた
熱可塑性成形品が開発され、他の材料からこの熱可塑性
樹脂への置き換えが進行している。しかし、極性基を有
しない熱可塑性オレフィン系樹脂と他の被着体の接着に
おいて温度変化による線膨張係数の差および/または高
湿条件下での接着性組成物の吸湿などにより、接着面の
剥離という問題があり、短時間で硬化し、両者と高い密
着性を有し高温高湿条件下での接着信頼性が高い接着剤
は知られていない。例えば、特開平7−138332号
公報および特開平7―90228号公報にアクリル系の
熱可塑性オレフィン系樹脂用接着剤が記載されている
が、本発明者らが検討した結果、これらの接着剤では充
分な耐水性が得られないことがわかった。また、エポキ
シ系の光硬化型接着剤組成物は一般的に耐熱性があり、
凝集力が高く、接着強度が大きいことが知られている
が、その反応性が低いため、充分な接着強度を出すため
に光照射後には熱処理が必要であるという問題がある。
例えば、特開平6−264043号公報に記載されるエ
ポキシ系接着剤は、光硬化だけでは完全硬化せず、後処
理として熱硬化が必要である。さらに、低分子量のエポ
キシ化合物の大半は変異原性試験が陽性で、有害性があ
り、安全性の面から配合が制限されていた。さらに、特
許第3161583号では、分子中に1個以上のオキセ
タン環および1個以上の水酸基を有する化合物を配合す
ることにより硬化速度および密着性が向上することが記
載されている。しかし、この組成物の密着性に関しては
鋼板に対しコーティング剤として使用できるとしか記載
されていない。オレフィン系樹脂への接着性に関して
は、特許第3161583号にその記述がなく、実際に
検証した結果、ここに記載される組成物はオレフィン樹
脂に対して高い接着性を示すものではなかった。このこ
とから、本発明者らは、オレフィン系樹脂成形品に高い
密着性を示す光硬化型の接着剤を開発した(特願200
0−251779)。しかしながら、この接着剤は、せ
ん断方向へは非常に高い接着力を示したが、剥離接着強
度は低く問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、オレ
フィン系樹脂成形品と被着体との接着において、引張せ
ん断接着強度および剥離接着強度に優れるエネルギー線
硬化性組成物を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決するため鋭意検討した結果、特定の組成を有するエ
ネルギー線硬化性組成物が、極性基を有しないオレフィ
ン系樹脂成形品同士あるいは、その他の被着体との接着
において、引張せん断強度にも優れ、且つ剥離に対して
も高い接着強度を示すことを見出し、本発明を完成する
に至った。すなわち、本発明は長鎖アルキル基を有する
カチオン重合性化合物(A)、水酸基を含有するオキセ
タン化合物(B)、多官能オキセタン化合物および/ま
たは多官能エポキシ化合物(C)、ならびにカチオン重
合開始剤(D)からなるエネルギー線硬化性組成物であ
る。
【0005】
【発明の実施の形態】長鎖アルキル基を有するカチオン
重合性化合物(A) 本発明における長鎖アルキル基を有するカチオン重合性
化合物(A化合物と称することもある)とは、炭素数が
6〜30の分岐があっても良いアルキル基を有し、少な
くとも1つのカチオン重合性基を有する化合物である。
この長鎖のアルキル基としては、上記のように炭素数が
6〜30の分岐があっても良いアルキル基であり、炭素
数が6〜24の分岐があっても良いアルキル基が好まし
いものである。また、カチオン重合性基としては、ビニ
ルエーテル基、エポキシ基およびオキセタニル基等が挙
げられ、これらの中でも、オキセタニル基を有する化合
物は(「オキセタン化合物」ともいう)、反応性が良好
であり、短時間で光硬化が達成されるため好ましく使用
される。
【0006】A化合物としては、下記式(1)で表され
るものがある。
【0007】
【化1】
【0008】式(1)中、R1は水素原子またはメチル
基、エチル基、プロピル基若しくはブチル基等の炭素数
1〜6個の分岐があっても良いアルキル基を示し、R2
は炭素数6〜30の分岐があっても良い炭化水素を示
す。
【0009】前記式(1)において、R2としては炭素
数が6〜24または炭素数6〜18の分岐があっても良
いアルキル基が好ましく、2−エチルヘキシル基等の分
岐アルキル基が他成分との相溶性の面で特に好ましい。
特に、R1がエチル基であり、R2が炭素数が6〜18の
分岐があっても良いアルキル基が好ましく特に2−エチ
ルヘキシル基であるオキセタン化合物は、優れた希釈
剤、硬化促進剤、柔軟性付与剤および表面張力低下剤と
して本発明に好ましく使用される。
【0010】本発明では、上記のA化合物は、複数種の
ものを併用することもできる。
【0011】水酸基を含有するオキセタン化合物(B) 本発明におけるエネルギー線硬化性組成物において、水
酸基を含有するオキセタン化合物(B)は(B化合物と
称することもある)、剥離接着強度を向上させる目的で
使用される。水酸基を含有するオキセタン化合物として
は、分子中に1個のオキセタニル基と1個の水酸基を有
する化合物であれば使用できる。好ましい化合物として
は、下記式(2)で表わされる化合物を挙げることがで
きる。
【0012】
【化2】
【0013】式(2)において、R3は水素原子または
メチル基、エチル基、プロピル基若しくはブチル基等の
炭素数1〜6個の分岐があっても良いアルキル基、炭素
数1〜6個のフルオロアルキル基、アリル基、アリール
基、フリル基またはチエニル基等であり、R4は、メチ
レン、エチレン、プロピレン若しくはブチレン等の炭素
数1〜6個のアルキレン基、またはエ−テル結合を有す
る基例えば、オキシエチレン、オキシプロピレン若しく
はオキシブチレン等のオキシアルキレン基であることが
できる。
【0014】本発明では、上記式(2)において、R3
としては炭素数1〜6個の分岐があっても良いアルキル
基が好ましく、エチル基がより好ましい。また、R4
しては、メチレン基が好ましい。具体的には、3−エチ
ル−3−ヒドロキシメチルオキセタン(東亞合成(株)
製:略号OXA)が挙げられる。
【0015】本発明では、上記B化合物を複数のものを
併用することもできる。
【0016】多官能オキセタン化合物および/または多
官能エポキシ化合物(C) 本発明におけるエネルギー線硬化性組成物において、多
官能オキセタン化合物および/または多官能エポキシ化
合物(C)は(C化合物と称することもある)、組成物
の硬化速度を向上させ、さらに硬化後の強度を制御する
目的で使用される。
【0017】多官能オキセタン化合物(C−1) C化合物における多官能オキセタン化合物(C−1)と
しては、A化合物および後記オレフィンユニットの連鎖
を有する高分子化合物(F)との相溶性があれば特に限
定されない。この多官能オキセタン化合物(C−1)と
しては、下記式(3)で表される化合物またはビス(3
−アルキル−3−オキセタニルメチル)エーテルを挙げ
ることができる。このビス(3−アルキル−3−オキセ
タニルメチル)エーテルのアルキルとは、炭素数1〜6
個の分岐があっても良いものであり、特にエチル基では
ビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル
(東亞合成(株)製:略号DOX)が例示される。
【0018】
【化3】
【0019】式(3)中、R5は水素原子または炭素数
1〜6の分岐があっても良いアルキル基を示し、R6
炭素数1〜6のアルキレン基、鎖状若しくは分岐状ポリ
(アルキレン)基、キシリレン基またはエステル結合か
ら成る群から選ばれるm価基を示し、Zはエーテル基、
チオエーテル基、メチレン基またはエステル基等の官能
基を示し、mは2、3または4である。
【0020】多官能エポキシ化合物(C−2) C化合物における多官能エポキシ化合物(C−2)は、
A化合物および後記オレフィンユニットの連鎖を有する
高分子化合物(F)との相溶性があれば特に限定されな
い。例えば、ジシクロペンタジエンオキサイド、リモネ
ンジオキサイド、4−ビニルシクロヘキセンジオキサイ
ド、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル3,4−エ
ポキシシクロヘキサンカルボキシレート、ジ(3,4−
エポキシシクロヘキシル)アジペート、(3,4−エポ
キシシクロヘキシル)メチルアルコール、(3,4−エ
ポキシ−6−メチルシクロヘキシル)メチル−3,4−
エポキシ−6−メチルシクロヘキサンカルボキシレー
ト、エチレン1,2−ジ(3,4−エポキシシクロヘキ
サンカルボン酸)エステル、(3,4−エポキシシクロ
ヘキシル)エチルトリメトキシシラン、フェニルグリシ
ジルエーテル、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ハロ
ゲン化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノー
ルF型エポキシ樹脂、o−、m−、p−クレゾールノボ
ラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキ
シ樹脂、多価アルコールのポリグリシジルエーテル等が
例示される。
【0021】カチオン重合開始剤(D) カチオン重合開始剤(D)としては(D成分と称するこ
ともある)、ジアゾニウム塩、ヨードニウム塩、スルフ
ォニウム塩、セレニウム塩、ピリジニウム塩、フェロセ
ニウム塩、フォスフォニウム塩、チオピリジニウム塩が
使用できるが、熱的に比較的安定である芳香族ヨードニ
ウム塩、芳香族スルフォニウム塩等のオニウム塩開始剤
が好ましく使用される。オニウム塩開始剤を活性化する
ためには、赤外線照射も可能だが、照射により発生する
熱の基材への影響を考慮した場合、紫外線または可視光
を照射した方が好ましい。
【0022】芳香族ヨードニウム塩および芳香族スルフ
ォニウム塩等のオニウム塩開始剤を使用する場合、対ア
ニオンとしては、BF4 -、AsF6 -、SbF6 -、P
6 -、B(C654 -等が挙げられる。特にB(C
654 -をアニオンとしたヨードニウム塩は長鎖アルキ
ル基を有するカチオン重合性化合物との相溶性も良く好
適である。
【0023】本発明のエネルギー線硬化性組成物におい
て、長鎖アルキル基を有するカチオン重合性化合物
(A)、水酸基を含有するオキセタン化合物(B)およ
び多官能オキセタン化合物および/またはエポキシ化合
物(C)の合計を100質量部としたとき、A化合物は
5〜85質量部、B化合物は5〜40質量部、C化合物
は10〜90質量部である。このA化合物、B化合物お
よびC化合物を含む100質量部に対しカチオン重合開
始剤(D)が0.1〜20質量部添加するものである。
【0024】A化合物が5質量部より少ないと接着性組
成物の相溶化が困難であり、85質量部特に90質量部
を超えると硬化物の硬度が低下し、接着強度等が低下す
る。また、B化合物が5質量部より少ないと剥離強度向
上の効果が不十分であり、40質量部をより多いときは
組成物の相溶性が低下し白濁または分離する。C化合物
が10質量部より少ないと硬化速度および硬化物の硬度
が低下し、90質量部を超えると硬化物の硬度が高すぎ
るため、基材への密着性が低下する。
【0025】本発明のエネルギー線硬化性組成物には、
カチオン重合開始剤(D)の活性をさらに高めるため、
ラジカル重合開始剤(E)を併用することができる。ラ
ジカル重合開始剤(E)としては、ベンゾフェノン、チ
オキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2−
イソプロピルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキ
サントン等のチオキサントン類、ベンゾインメチルエー
テル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロ
ピルエーテル等のベンゾインエーテル類、2,2−ジメ
トキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン等のベン
ジルジメチルケタール類、2−ヒドロキシ−2−メチル
−1−フェニルプロパン−1−オン、1−(4−イソプロ
ピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン
−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケ
トン等のα−ヒドロキシアルキルフェノン類、カンファ
ーキノン等のα−ジカルボニル化合物等が挙げられ、中
でもチオキサントン類が最もオニウム塩の活性を高め好
適である。ラジカル重合開始剤(E)は、本発明のエネ
ルギー線硬化性組成物100質量部に対して、0.1〜
20質量部使用することが好ましい。
【0026】本発明のエネルギー線硬化性組成物にオレ
フィンユニットの連鎖を有する高分子化合物(F)を添
加することにより、オレフィン系熱可塑性樹脂成形品に
対する接着強度を増大させることができる。オレフィン
ユニットの連鎖を有する高分子化合物は、分子中にエチ
レンユニット、ブチレンユニット、エチレン−ブチレン
ユニット等のポリオレフィンユニットの連鎖を少なくと
も10以上有する高分子化合物であり、溶解性に優れる
という理由から、数平均分子量が1,000〜10,0
00の化合物を用いるのが好ましい。また、オキセタニ
ル基およびエポキシ基と反応し得る構造たとえばエポキ
シ基等のカチオン反応性部位を有する高分子化合物を用
いると更に好ましい。
【0027】オレフィンユニットの連鎖を有する高分子
化合物(F)としては、ポリオレフィン系オレフィンユ
ニットの連鎖を有する高分子化合物が好ましく、エチレ
ン・ブチレン、エチレン・ブチレン・スチレン、エチレ
ン・ブチレン・イソプレン、エチレン・ブチレン・ブタ
ジエン等のユニットを含有することが好ましく、またこ
れらのブロックコポリマーを水素添加あるいは酸化等で
変性させエポキシ基、水酸基等の官能基を導入した高分
子化合物は相溶性が良くさらに好ましい。その添加量は
本発明のエネルギー線硬化性組成物に相溶する限り添加
でき、配合組成にもよるが、エネルギー線硬化性組成物
100質量部に対し、1〜200質量部であることが好
ましい。
【0028】本発明のエネルギー線硬化組成物には、硬
化前の組成物の粘度や相溶性等の調整,並びに硬化後の
樹脂のガラス転移温度や屈折率等の制御を目的とし、カ
チオン重合性化合物を添加することもできる。このカチ
オン重合性化合物は特に限定されないが、エポキシ基、
オキセタニル基、ビニルエーテル基等のカチオン重合性
基を1分子中に1個以上含有しているものである。本発明
の組成物100質量部に対しカチオン重合性化合物を5
0質量部より多く添加すると系全体の相溶性が低下し組
成物が分離したり、長鎖アルキル基を有するカチオン重
合性化合物(A)および水酸基を含有するオキセタン化
合物(B)の添加した効果が薄れるため、この添加量は
0.1〜50質量部添加することが好ましい。
【0029】本発明のエネルギー線硬化組成物を用いて
オレフィン系樹脂などとガラスや金属などとを接着させ
るとき、この密着性を向上させるためにシランカップリ
ング剤を添加することもできる。このシランカップリン
グ剤の併用により、オレフィン系樹脂と無機材料または
金属材料との密着性を改良することができる。シランカ
ップリング剤とは無機材料や金属材料を樹脂組成物とを
化学的に結合する性質を有するものである。シランカッ
プリング剤としては、1分子中にエポキシ基及びトリメ
トキシシリル基あるいはトリエトキシシリル基を有する
エポキシシラン類が好ましく用いられる。シランカップ
リング剤の好ましい使用範囲は、特に限定されないが、
本発明のエネルギー線硬化性組成物100質量部に対し
て0.5〜10質量部であることが好ましく、1〜5質
量部が特に好ましい。
【0030】本発明のエネルギー線硬化性組成物に充填
剤を添加することで組成物の粘度および硬化時の体積収
縮率の低減、さらに硬化した組成物の熱耐久性を改良す
ることができる。充填剤としては、シリカ、アルミナ、
炭酸カルシウム、タルク、酸化チタン等を挙げることが
できる。
【0031】本発明のエネルギー線硬化性組成物は、オ
レフィン系樹脂成形品とレンズ・ミラー等の無機透明材
料、成形性に優れたポリフェニレンスルフィド・エポキ
シ樹脂等の成形樹脂と透明なオレフィン系樹脂成形品と
の接着性に優れ、特にオレフィン系樹脂成形品と無機透
明部材との接着おいて好ましく使用される。
【0032】本発明におけるエネルギー線硬化性組成物
を接着剤層に用いる場合、エネルギー線硬化性組成物を
被着体の両方または片方に塗布し、直ちに塗布面を貼り
合せ、動かない様に固定し、その後、高圧水銀ランプ、
ハロゲンランプ、メタルハロゲンランプ、太陽光等の光
源により、エネルギー線を照射することにより、硬化が
短時間でおこり、強い接着力が得られる。照射量はエネ
ルギー線硬化性樹脂組成物の反応性にもよるが、照度が
100mW/cm2で1〜60秒程度の短時間で硬化さ
せることができる。
【0033】本発明のエネルギー線硬化性組成物の成分
である長鎖アルキル基を有するカチオン重合性化合物
(A)はオレフィン表面に対する密着性を向上させ、水
酸基含有オキセタン化合物(B)は剥離強度を向上さ
せ、多官能オキセタン化合物および/または多官能エポ
キシ化合物(C)は硬度の向上と共に硬化速度を向上さ
せる。また、ラジカル重合開始剤(E)をカチオン重合
開始剤(D)に共存させることで低照射エネルギー照射
且つ速硬化を達成できる。さらに、オレフィンユニット
の連鎖を有する高分子化合物(F)を添加することで、
オレフィン表面に対する密着性がさらに向上し、エネル
ギー線硬化性組成物を目的とする粘度に調整することが
可能となる。
【0034】オレフィン系樹脂成形品同士またはガラス
等の無機材料との接着に本発明の組成物を使用すると、
常態でも引張りせん断接着強度が1MPaを超え、さら
には、剥離強度も向上することができる。
【0035】本発明のエネルギー線硬化性組成物は透明
な光学材料であるノルボルネン樹脂との強い密着性を示
すことから、本発明におけるエネルギー線硬化性組成物
は光ピックアップ部品のノルボルネン樹脂製レンズと基
材との接着、ノルボルネン樹脂シートの貼り合せ、およ
びノルボルネン樹脂とプリズムとの接着等に好適であ
る。
【0036】
【実施例】以下の実施例により本発明を更に具体的に説
明する。以下、「部」及び「%」はいずれも質量基準に
よるものとする。実施例において、長鎖アルキル基を有
するカチオン重合性化合物(A)として2−エチルヘキ
シルオキセタン(東亞合成(株)製:略号EHOX)、水
酸基含有オキセタン化合物(B)として3−エチル−3
−ヒドロキシメチルオキセタン(東亞合成(株)製:略
号OXA)、多官能オキセタン化合物(C−1)として
ビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル
(東亞合成(株)製:略号DOX)、多官能エポキシ化
合物(C−2)として3,4−エポキシシクロヘキシル
メチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカーボネート
(ユニオンカーバイド社製:略号UVR−6110)、
カチオン重合開始剤(D)としてトリルクミルアイオド
ニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート
(ローヌ・プーラン社製:略号2074)、ラジカル重
合開始剤(E)として、2−ヒドロキシ−2−メチル−
1−フェニルプロパン−1−オン(チバ・スペシャリテ
ィーケィ・ミカルズ株式会社製:略号DC1173)、
オレフィンユニットの連鎖を有する高分子化合物(F)
として油化シェル社製EKP−207、シランカップリ
ング剤としてγ―グリシドキシプロピルトリメトキシシ
ラン(日本ユニカー株式会社製:略号A−187)を使
用した。
【0037】実施例1〜3、比較例1〜3 下記表1に示す割合(重量部)で上記各成分を混合して
組成物を調製した。
【0038】
【表1】
【0039】表1に従って調製した組成物は、それらの
外観および粘度(温度25℃、単位はmPa・s)を測
定した後、下記の条件で接着を行ない、剥離強度を測定
した。
【0040】1.試験に用いた被着体 ノルボルネン樹脂:25mm×50mm×3mmの日本
ゼオン(株)製のゼオネックス480R(商品名)を使
用した。 2.接着条件 接着面積:12.5mm×25mm 照射光源:メタルハロゲンランプ 硬化時の積算光量:2,000mJ/cm2(365n
m) 上記の条件で被着材を接着した。各組成物における接着
処理後の膜厚は、平均100μmであった。 3.接着強度の測定 (1)光照射後、温度23℃、湿度50%の環境下で1
時間静置した。 (2)剥離強度の測定 万力で片方のテストピースを押さえ、プッシュプルゲー
ジにて他方の端を押し、剥離したときの負荷(N)を剥
離強度とした。 (3)引張せん断強度の測定 引張せん断強度は、引張速度20mm/minで測定し
た。強度は、MPaで表示した。 (4)剥離強度および引張せん断強度の測定おいて被着
体が破損もしくは被着体にクラックが入った際には基材
破壊(※で表示)とした。測定結果は、下記表2に示
す。
【0041】
【表2】
【0042】比較例1の組成物は水酸基を有するオキセ
タン化合物(B)であるOXAを配合していない。比較
例2および比較例3の組成物はOXAを配合していない
が、オレフィンユニットの連鎖を有する高分子化合物
(F)であるEXP207を配合している。比較例3の
組成物はさらに強固な共有結合性の架橋構造を作り得る
カチオン重合性シランカップリング剤A−187を添加
した。実施例1の組成物は比較例1のEHOXの一部を
OXAにして添加した。実施例2および比較例3の組成
物では実施例1のEHOXの一部をEKP−207に変
更した。実施例3の組成物では、実施例2の組成物より
もOXAを増量した。
【0043】比較例1と実施例1の接着力を比較する
と、EHOXの一部をOXAに代えることで、剥離強度
が2倍程度に向上した。比較例2と3の接着力の比較か
ら、A−187を添加することで、剥離強度が向上する
傾向が見られた。しかし、比較例3のA−187の代わ
りにOXAを添加した実施例2の接着力は基材破壊を示
すほど剥離強度が向上し、その上、引張せん断接着強度
も基材破壊するほど高い値を示した。しかし、A−18
7を添加した比較例2の組成物は、室温保存2週間で濁
りを生じ、この安定性が悪かった。なお、実施例1〜3
に記載の組成物は、室温保管3ヶ月でも白濁等はなく安
定であった。実施例2と3の接着力の比較から、OXA
の添加量を増量することで、剥離強度が向上した。OX
Aの添加により剥離強度が向上する理由としては,OX
Aの弱い結合である水素結合による応力緩和の効果と考
えられる。
【0044】
【発明の効果】本発明の光エネルギー線硬化性組成物は
光硬化型接着剤としてオレフィン系樹脂の接着に用いる
と引張せん断接着強度だけではなく、剥離強度にも優れ
ており、貼り合せだけではなくポッティング等の接着方
法においても高い接着性を示す。また、保存安定性につ
いても優れている。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4D075 BB42Z CA02 CA13 DA11 DB01 DB13 DB36 DC24 EA09 EA21 EA35 EB13 EB23 EB33 EB37 EB55 EC37 4J005 AA07 AA12 BB02

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 長鎖アルキル基を有するカチオン重合性
    化合物(A)、水酸基を有するオキセタン化合物
    (B)、多官能オキセタン化合物および/または多官能
    エポキシ化合物(C)、ならびにカチオン重合開始剤
    (D)からなるエネルギー線硬化性組成物。
  2. 【請求項2】 長鎖アルキル基を有するカチオン重合性
    化合物(A)が、長鎖アルキル基を有するオキセタン化
    合物である請求項1に記載のエネルギー線硬化性組成
    物。
  3. 【請求項3】 ラジカル重合開始剤(E)を含有するこ
    ともある請求項1または請求項2に記載のエネルギー線
    硬化性組成物。
  4. 【請求項4】 オレフィンユニットの連鎖を有する高分
    子化合物(F)を含有することもある請求項3に記載の
    エネルギー線硬化性組成物。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4にそれぞれ記載されている
    エネルギー線硬化性組成物を用いる接着方法。
  6. 【請求項6】 請求項1〜4にそれぞれ記載されている
    エネルギー線硬化性組成物により製造された接着物。
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