JP2003137972A - カチオン重合型紫外線硬化性組成物 - Google Patents

カチオン重合型紫外線硬化性組成物

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JP2003137972A
JP2003137972A JP2001337787A JP2001337787A JP2003137972A JP 2003137972 A JP2003137972 A JP 2003137972A JP 2001337787 A JP2001337787 A JP 2001337787A JP 2001337787 A JP2001337787 A JP 2001337787A JP 2003137972 A JP2003137972 A JP 2003137972A
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ultraviolet
disk
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Daisuke Ito
大介 伊藤
Katsuhide Ebisawa
勝英 蛯沢
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Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 紫外線を透過しないディスク基板を、精度よ
く貼り合わせることのできるカチオン重合型紫外線硬化
性組成物、該組成物を用いたディスクもしくはディスク
製造方法を提供する。 【解決手段】 2枚のディスク基板を貼り合わせる接着
剤として、グリシジルエーテル型エポキシ化合物と光カ
チオン重合開始剤を含有するカチオン型紫外線硬化性組
成物であって、該グリシジルエーテル化合物として脂肪
族ポリオールポリグリシジルエーテルを含有し、かつ該
紫外線硬化性組成物が特定範囲の光吸収係数を有する光
カチオン重合型紫外線硬化性組成物を使用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、2つの被接着部材
の貼り合わせに用いられるカチオン重合型紫外線硬化性
組成物に関し、特に2枚のディスク基板の貼り合わせに
好適に使用することのできるカチオン重合型紫外線硬化
性組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、例えばプラスチック製の部品など
各種の部材を接着する方法としては、ホットメルト接着
剤、溶剤系接着剤、紫外線硬化性組成物などの接着剤を
用いる方法や、熱融着による方法などが主に用いられて
いる。
【0003】また、例えばデジタル・ビデオ/バーサタ
イル・ディスク、いわゆるDVDを製造する際には、2
枚のディスク基板を、紫外線硬化性組成物等を接着剤と
して貼合わせる手法が採用されている。ここでいう紫外
線硬化性組成物には、少なくともカチオン重合型紫外線
硬化性組成物とラジカル重合型紫外線硬化性組成物とが
含まれる。カチオン重合型紫外線硬化性組成物は紫外線
照射後直ぐに硬化せず、所定時間経過してから硬化が起
こる遅効性であるのに対し、ラジカル紫外線硬化性組成
物は紫外線照射後即硬化が起こる速効性である。
【0004】後者のラジカル重合型紫外線硬化性組成物
は貼合わせる2枚のディスク基板が紫外線透過性であ
る、例えばDVD-ROM等の場合には、ディスク基板
を紫外線硬化性組成物を挟んで予め貼り合わせてから、
基板を通して紫外線照射を出来るため、ディスク貼り合
わせ用接着剤として採用できるが、例えば両面記録DV
D−RAM等のように貼合わせる2枚のディスク基板が
共に紫外線を全く透過しないような場合には、貼り合わ
せ後に紫外線照射ができないので貼り合わせ用接着剤と
して採用することが難しい。一方の前者のカチオン重合
型紫外線硬化性組成物は硬化速度が遅いため、ディスク
基板を貼り合わせる前に予め紫外線照射を行うことがで
きるので、紫外線不透過なディスク基板同士を貼合わせ
る場合にも採用が可能である。
【0005】このようなカチオン重合型紫外線硬化性組
成物を接着剤として用い、2枚の紫外線を透過しないデ
ィスク基板を貼合わせるには、ディスク基板を貼り合わ
せる前に該組成物に紫外線を照射することが必要で、ま
ず、ディスク基板の少なくとも一方に前記紫外線硬化性
組成物を塗布し、該組成物に紫外線を照射してからこれ
を挟んで2枚のディスク基板を重ね合わせることが行わ
れる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、カチオン重
合型紫外線硬化性組成物を用いて、均一な接着層を形成
するためには、紫外線照射は適用される該組成物全体に
均一に行われることが好ましい。このため紫外線の照射
方法としては、例えば被接着剤がディスク基板のとき
は、紫外線硬化性組成物を該ディスク基板から離れた地
点からディスク基板へと落下させ、その落下経路に紫外
線を照射させて、該紫外線硬化性組成物への均一な照射
が行われている。あるいは、少なくとも一方のディスク
基板の全面にあらかじめ該紫外線硬化性組成物を均一に
塗布しておき、紫外線をディスク全面に照射することで
該組成物への均一な照射が行われている。
【0007】しかしながらこのような紫外線照射方法
は、該組成物への均一照射の点では好ましいが、貼り合
わせプロセス全体を見たときには必ずしも最良の方法と
は言えない。たとえば落下照射方式は塗布用ノズルとデ
ィスク基板間に一定以上の距離があり、静電気や風など
の外乱要因で塗布精度が低下すると、一様な接着層の形
成が阻害される可能性がある。またディスク基板全面に
該組成物を塗布して貼り合わせる方法では、一様に塗布
された該組成物の塗布面がもう一方のディスク基板面へ
と重ね合わされ、貼り合わせ初期に該組成物とディスク
基板が全面で接触する。このため、ディスク間に気泡が
生じやすく、また生じた気泡を除去しにくく、その結果
一様な接着層の形成を行うことが難しい。
【0008】一方、従来よりラジカル重合型紫外線硬化
性組成物では押圧やスピン展延など均一な接着層を形成
するための様々な手法が行われている。これらの手法を
紫外線照射後のカチオン重合型紫外線硬化性組成物に対
して適用できれば、一様な接着層を形成することが可能
であるが、カチオン重合型紫外線硬化性組成物の場合
は、押圧や展延の前にあらかじめ紫外線を均一に照射し
ておく必要がある。すなわち単にディスク上に局在した
該組成物に紫外線を照射しただけでは、該組成物の物性
に部分的偏りを生じ、その後の押圧、展延を良好に行う
ことができない。したがってラジカル重合型紫外線硬化
性組成物で使用されている押圧、展延方法を適用して均
一な接着層を形成することが出来なかった。
【0009】本発明は上記の事情を鑑みてなされたもの
であり、カチオン重合型紫外線硬化性組成物を改良する
ことによって、光を透過しない被接着部材特にディスク
基板のカチオン重合型紫外線硬化性組成物による貼り合
わせにおいて、強い接着力、高い接着精度で接着できる
ようにすること、短時間で作業性良く接着できるように
すること、および貼合わせ面に対する接着剤の塗布精度
を向上させることによって被接着部材間に均一な接着層
を形成して、被接着部材間における接着剤のはみ出しや
隙間や気泡の発生をなくし、製品の歩留まりを向上させ
ることを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
にカチオン重合型紫外線硬化性組成物の諸物性と硬化特
性との関係を検討した結果、発明者らは一定の光学的特
性を保有するカチオン重合型紫外線硬化性組成物を用い
ることによって、被接着部材の該組成物による貼り合わ
せ工程の自由度が格段と向上することを見いだした。
【0011】すなわち発明者らは、グリシジルエーテル
型エポキシ化合物、光カチオン重合開始剤を含有するカ
チオン重合型紫外線硬化性組成物であって、該グリシジ
ルエーテル型エポキシ化合物として脂肪族ポリオールポ
リグリシジルエーテルを含有し、該組成物の波長領域3
10〜340nmにおける光吸収係数が2×10
−1以下であることを特徴とするカチオン重合型紫外線
硬化性組成物を提供する。このような光学特性のカチオ
ン重合型紫外線硬化性組成物を用いることにより、紫外
線が該組成物の表面付近でのみ吸収されることによる、
部分的硬化が発生せず、該組成物の物性に場所的な偏り
を生じにくい。その結果照射後の該組成物の取り扱い自
由度が増すため、ラジカル重合型紫外線硬化性組成物に
対して用いた均一な接着層を形成するための手法を、紫
外線照射後のカチオン重合型紫外線硬化性組成物に対し
て用いることができる。すなわち組成物に紫外線照射を
行った後においても、該組成物を被接着部材間で自由に
押圧、展延して、均一な接着層を形成することができ
る。
【0012】前記のようなカチオン重合型紫外線硬化性
組成物の光学特性を実現するための光カチオン重合開始
剤としては、光カチオン型重合開始剤のカチオン部分が
芳香族スルホニウムもしくは芳香族ヨードニウムからな
り、かつアニオン部分がBF 、PF 、SbF
、BX (但し、Xは少なくとも2つ以上のフッ素
又はトリフルオロメチル基で置換されたフェニル基)か
らなる光カチオン重合開始剤を用いることが好ましい。
これら光カチオン重合開始剤を用いると、紫外線照射の
時に反応種を効率良く発生させることができる。
【0013】発明者らはさらに前記カチオン重合型紫外
線硬化性組成物を用いたディスク、貼り合わせ方法、デ
ィスク製造方法を提供する。すなわち発明者らは、複数
枚のディスク基板を、前記カチオン重合型紫外線硬化性
組成物を接着剤として用いて貼り合わせてなるディスク
を提供する。さらにまた発明者らは、前記カチオン重合
型紫外線硬化性組成物を接着剤として用いるディスク基
板の貼り合わせ方法を提供する。
【0014】
【発明の実施の形態】以下に、本発明に係るカチオン重
合型紫外線硬化性組成物についての詳細を記載する。一
般にカチオン重合型紫外線硬化性組成物は、カチオン重
合性化合物と、紫外線によりカチオン重合を開始する反
応種を発生する光カチオン型重合開始剤から構成され
る。
【0015】カチオン重合性化合物としてはビニルエー
テル化合物、エポキシ化合物、オキセタン化合物が一般
に知られているが、ビニルエーテル化合物、エポキシ化
合物においてもシクロヘキセンオキサイド等の官能基を
有する脂環式エポキシ化合物、オキセタン化合物は、反
応性が高いために紫外線照射後、直ちに反応し、硬化す
る。その為に本発明のように貼合する前に予め紫外線照
射するような使用が不可能である。それに対して、グリ
シジルエーテル型エポキシ化合物は、反応性が低く、硬
化が遅いために、本発明のように貼合せる前に予め紫外
線照射することが可能である。そのためカチオン重合性
化合物としては、グリシジルエーテル型エポキシ化合物
を用いることが必要である。
【0016】グリシジルエーテル型エポキシ樹脂の具体
例として、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェ
ノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポ
キシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、水添
ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールAの
アルキレンオキサイド付加体のジグリシジルエーテル、
ビスフェノールFのアルキレンオキサイド付加体のジグ
リシジルエーテル、水素添加ビスフェノールAのアルキ
レンオキサイド付加体のジグリシジルエーテル、脂肪族
ポリオールポリグリシジルエーテル等があるが、特に脂
肪族ポリオールポリグリシジルエーテルを用いると、組
成物の重合が光照射後遅れて起こるため表面のみの部分
的な硬化をおさえることが出来る。
【0017】脂肪族ポリオールポリグリシジルエーテル
としては、エチレングリコールジグリシジルエーテル、
プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペン
チルグリコールジグリシジルエーテル、ブタンジオール
ジグリシジルエーテル、ヘキサンジオールジグリシジル
エーテル、シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエ
ーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテ
ル、トリメチロールプロパンジ及び/又はトリグリシジ
ルエーテル、ペンタエリスリトールトリ及び/又はテト
ラグリシジルエーテル、ソルビトールヘプタ及び/又は
ヘキサグリシジルエーテル、レゾルシンジグリシジルエ
ーテル等を挙げることができる。
【0018】これらの3官能以上の化合物は部分的な硬
化が早まる傾向があり、また単官能の化合物は未反応部
分が残ることが多いため、その中でもとくに2官能のエ
チレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレング
リコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコー
ルジグリシジルエーテル、ブタンジオールジグリシジル
エーテル、ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、シ
クロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテル、ポリ
プロピレングリコールジグリシジルエーテルが好まし
い。
【0019】前記のような光学特性を保有するカチオン
重合型紫外線硬化性組成物を配合するための光カチオン
重合型開始剤としては、カチオン部分が、ジフェニル−
4−(フェニルチオ)フェニルスルホニウム、トリフェ
ニルスルホニウムの如き芳香族スルホニウム、ジフェニ
ルヨードニウム、ビス(ドデシルフェニル)ヨードニウ
ム、4−メチルフェニル−4−(1−メチルエチル)フ
ェニルヨードニウムの如き芳香族ヨードニウムであり、
アニオン部分が、BF4 -、PF6 -、SbF6 -、[B
4-(ただし、Xは少なくとも2つ以上のフッ素又は
トリフルオロメチル基で置換されたフェニル基)で構成
されるオニウム塩が挙げられる。
【0020】また、これら開始剤と併用できる開始剤と
して、カチオン部分が、ビス[4−(ジフェニルスルホ
ニオ)フェニル]スルフィドの如き芳香族スルホニウム
であり、アニオン部分が、BF4 -、PF6 -、SbF6 -
[BX4-(ただし、Xは少なくとも2つ以上のフッ素
又はトリフルオロメチル基で置換されたフェニル基)で
構成されるオニウム塩が挙げられるが、吸収係数が小さ
くないので、使用するとしても極力少ない使用量にする
ことが好ましい。
【0021】本発明に係る部材の接着方法においては、
カチオン重合型紫外線硬化性組成物の波長領域310〜
340nmにおける光吸収係数が2×10−1以下
であることが必要である。一般に、紫外線硬化性組成物
の光重合にはUVランプの発光波長に対応する紫外線が
関与しており、例えば、メタルハライドランプの場合に
は370nm以下の紫外線が関与しており、光重合開始
剤として370nm以下に大きな光吸収係数を有する材
料が用いられている。このため、一般的な紫外線硬化性
組成物では、特に重合に寄与する340nm以下の波長
における光吸収係数が1×10−1以上にもなって
いる場合が多い。ここで光吸収係数とは、入射光強度I
、透過光強度I、透過距離xとの関係式 I=I×10−αx においてαで表される値である。
【0022】光吸収係数が1×10−1の場合、入
射光強度が10分の1に減衰するまでに透過する距離
が、僅か0.1mmしかないことになり、照射した紫外
線エネルギーのほとんどが表面で吸収されることにな
る。したがって、表面部分においてのみ硬化が生じ、表
面と内部の硬化状態とに差が生まれるので、本発明に係
る接着方法のように紫外線照射後、展延を行う場合、紫
外線硬化性組成物が均一に広がらない原因となってしま
う。一方、光吸収係数が2×10−1以下であれ
ば、入射光が10分の1に減衰するまでに0.5mm以
上透過することになるから、紫外線エネルギーは5倍以
上の体積に亘って吸収され、上記のような表面のみの集
中的な吸収による部分的硬化が生じ難く、均一な展延が
可能となる。なお、紫外線吸収により紫外線硬化性組成
物に反応種が植え付けられると、紫外線が組成物の表面
のみで吸収されるのでなければ、重合反応は紫外線が十
分透過せず反応種ができなかった部分にも連鎖的に及ぶ
ので、展延後の接着剤層の硬化性には問題ない。
【0023】本発明のカチオン重合型紫外線硬化性組成
物を用いて例えばディスク基板を貼り合わせるには下記
のような手順で行うことができる。
【0024】1.貼り合わせを行う2枚のディスクのう
ち少なくとも一方に、光カチオン重合型紫外線硬化性組
成物を塗布する。このときディスクに至近の塗布ノズル
より、必要塗布量を少なくとも一方のディスク基板上に
滴下するが、好ましくはディスク基板を回転させながら
滴下を行い、被接着部材であるディスク中心孔付近に円
形に塗布することが好ましい。紫外線硬化性組成物は紫
外線の照射後に押圧、展延の工程を経るので、該組成物
は塗布時においてはディスク基板全面に均一塗布される
必要はなく、むしろ後述のように塗布後に局在している
該組成物を紫外線照射してからディスク間で該組成物を
押圧、展延して均一な膜厚としたほうが、ディスク間に
気泡を巻き込まない。
【0025】2.このように塗布された紫外線硬化性組
成物に紫外線照射を行い該組成物の硬化反応を開始させ
る。
【0026】3.塗布された紫外線硬化性組成物を間に
挟んでディスク基板を重ね合わせる。このときディスク
基板の重ね合わせと同時に、中心部付近に円形に塗布さ
れた該紫外線硬化性組成物を、中心部より外側に向かっ
て展延を行って、気泡をディスクの外側に押し出すよう
な方向で押圧すると接着層内の気泡を少なくすることが
でき好ましい。
【0027】4.前記押圧のかわりに紫外線硬化性組成
物が介在する2枚のディスク基板を回転させて、遠心力
により該紫外線硬化性組成物をディスク外側へと展延さ
せてもよい。
【0028】5.押圧による方法、回転力を用いた展延
による方法のいずれの方法においても、2枚のディスク
の重ね合わせの直前においては、紫外線硬化性組成物は
ディスク基板上において局在している。このため重ね合
わせ時の初期においては、ディスク基板上の中心孔近く
に局在した紫外線硬化性組成物の一部が、他のディスク
基板と点接触し、その後ディスク間の距離が近づくにつ
れ徐々に該組成物とディスク基板の接触面積が増加して
いく。このため紫外線硬化性組成物をディスク全面に均
一塗布して、いきなり塗布面をもう一方のディスク基板
とを面接触させる方法に比較すると、ディスク基板間の
気泡の発生数が少なくて済む。さらにディスク基板の重
ね合わせ時にディスクの押圧もしくは回転展延を行うの
で、かりに気泡が発生したとしても該気泡をディスク基
板の中心部近くから端部へと押し出すことが可能であ
る。
【0029】6.重ね合わせ工程が完了したディスクは
好ましくはディスク端面部分のみを再度紫外線照射し
て、端面における硬化強度を補強する。このあと完全硬
化するまでの間、平面性のよい金属等のディスク上に水
平状態に保持され、場合によっては水平状態を維持すべ
く加重を加えられり、水平基板上に吸飲されたりしてひ
ずみや反りの発生を防止する。本発明のカチオン重合型
紫外線硬化性組成物は、上記の貼り合わせ方法を用いて
貼り合わせタイプのディスクの製造、特にDVDの製造
に好適に使用することができる。特に貼り合わせるディ
スク基板がともに紫外線を全く透過しないDVD−RA
Mの製造に適している。
【0030】
【実施例】以下実施例をあげて本発明をさらに詳細に説
明する。 (実施例1)水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂(大
日本インキ化学工業社製EXA−7015)50部、固
形ビスフェノールA型エポキシ樹脂(大日本インキ化学
工業社製エピクロン1050)10部、1,6−ヘキサ
ンジオールジグリシジルエーテル(阪本薬品社製SR−
16HL)40部、フェノール系酸化防止剤アデカスタ
ブAO−80(旭電化社製)0.5部を90℃で3時間
混合溶解した後、60℃まで温度を下げ、光カチオン重
合開始剤として4−メチルフェニル−4−(1−メチル
エチル)フェニルヨードニウム テトラキス(ペンタフ
ルオロフェニル)ボレートRHODORSIL PI2
074(ローディア社製)5部、光ラジカル発生剤イル
ガキュア184 2.5部、レベリング剤L−7604
(日本ユニカー社製)0.2部を加え、1時間混合溶解
し、紫外線硬化型組成物を調製した。
【0031】実施例1の組成物について下記評価1乃至
3を実施した。その結果を表1に示す。
【0032】(評価1:光吸収係数)実施例1の組成物
を光路長0.6mmの石英ガラスセルに入れ、分光光度
計で310〜340nmの吸光度Aを測定し、下記式か
ら光吸収係数αを求めた。 α(m−1)=A/0.0006
【0033】(評価2:展延性)直径120mmのアル
ミ反射膜付の2枚のディスク基板を用意し、保護膜とし
てダイキュアクリアSD−318(大日本インキ化学工
業社製)を膜厚約7μmになるように塗布し、高圧水銀
ランプ(強度120W/cm)を用いて光量0.15J
/cm2の紫外線を照射し硬化させた。このうち1枚の
ディスク上に、実施例1の組成物を内径0.6mmのノ
ズルから円環状に滴下した。このディスクにUVフラッ
シュランプ1800V(ウシオ電機社製)を7ショット
照射した後、直ちにもう1枚のディスクを重ね合わせ、
3000rpmで回転展延させた。
【0034】以下の評価基準で展延状態の評価を行っ
た。 ○ 組成物の部分的硬化がなく、ディスク全面に完全
に展延していた。 × 組成物の表面がUV照射後部分的に硬化し、ディ
スク外周に展延していない部分が残っていた。 ×× UV照射後、直ちに硬化し、貼り合わせ出来なか
った。
【0035】(評価3:硬化時間)評価2と同様にディ
スクを貼り合わせ、貼り合わせ後10分まで1分ごとに
ディスクを剥離して、硬化状態を観察し、未硬化部分が
無くなるまでの時間を硬化時間として求めた。
【0036】(比較例1)水添ビスフェノールA型エポ
キシ樹脂(大日本インキ化学工業社製EXA−701
5)50部、3,4-エポキシシクロヘキシルメチル-3,4-
エポキシシクロヘキサンカルボキシレート(ダイセル化
学社製セロキサイド2021P)50部、光カチオン重
合開始剤として4−メチルフェニル−4−(1−メチル
エチル)フェニルヨードニウム テトラキス(ペンタフ
ルオロフェニル)ボレートRHODORSIL PI2
074(ローディア社製)5部、光ラジカル発生剤イル
ガキュア184 2.5部、レベリング剤L−7604
(日本ユニカー社製)0.2部を加え、60℃で2時間
混合溶解し、紫外線硬化型組成物を調製した。比較例1
の組成物について、実施例1と同様に評価1乃至3を実
施した。その結果を表1に示す。
【0037】(比較例2)水添ビスフェノールA型エポ
キシ樹脂(大日本インキ化学工業社製EXA−701
5)50部、シクロヘキサンジメタノールジグリシジル
エーテル(ナガセケムテックス社製EX−216L)5
0部、光カチオン重合開始剤としてジフェニル−4−
(フェニルチオ)フェニルスルホニウム ビスヘキサフ
ルオロホスフェートと[4−(ジフェニルスルホニオ)
フェニル]スルフィド ビス(ヘキサフルオロホスフェ
ート)の混合物UVI−6990(ユニオンカーバイド
社製)5部、レベリング剤L−7604(日本ユニカー
社製)0.2部を加え、60℃で2時間混合溶解し、紫
外線硬化型組成物を調製した。比較例2の組成物につい
て、実施例1と同様に評価1乃至3を実施した。その結
果を表1に示す。
【0038】
【表1】
【0039】表1の結果に示すとおり実施例1のカチオ
ン重合型紫外線硬化性組成物は、規定の光吸収係数を持
っており、紫外線照射後の展延性に優れると共に短時間
で良好な硬化が可能でディスクを貼り合わせることがで
きた。これに対して脂肪族ポリオールポリグリシジルエ
ーテルを含有しない比較例1は、紫外線照射後すぐに硬
化してしまったため展延できず、ディスクを貼り合わせ
ることは出来なかった。またカチオン重合型紫外線硬化
性組成物の光吸収係数が規定より大きい比較例2は、紫
外線照射後に部分的な硬化が進行し、展延を十分に行え
なかった。またディスク貼り合わせ後も未硬化部分が残
っていた。
【0040】
【発明の効果】以上説明したように本発明のカチオン重
合型紫外線硬化性組成物を用いることにより、該組成物
内部にまで十分に紫外線が透過し、表面と内部との硬化
状態に差が生じにくくなるので、押圧、展延の際に紫外
線硬化性組成物を均一に拡げることが出来る。従ってラ
ジカル重合型紫外線硬化性組成物による貼り合わせに使
用していた均一塗布のための種々の手法を用いることが
可能であり、被接着部材間に精度よく、均一に接着層を
形成することができる。この結果被接着部材間における
紫外線硬化性組成物のはみ出しや、気泡、隙間の発生を
防止し、かつ接着力を強力にすることが出来るととも
に、例えばディスク基板の貼り合わせ工程の生産効率を
上げることが可能となる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】グリシジルエーテル型エポキシ化合物、光
    カチオン重合開始剤を含有するカチオン重合型紫外線硬
    化性組成物であって、該グリシジルエーテル型エポキシ
    化合物として脂肪族ポリオールポリグリシジルエーテル
    を含有し、該組成物の波長領域310〜340nmにお
    ける光吸収係数が2×10−1以下であることを特
    徴とするカチオン重合型紫外線硬化性組成物。
  2. 【請求項2】光カチオン型重合開始剤のカチオン部分が
    芳香族スルホニウムもしくは芳香族ヨードニウムからな
    り、かつアニオン部分がBF 、PF 、SbF
    、BX (但し、Xは少なくとも2つ以上のフッ素
    又はトリフルオロメチル基で置換されたフェニル基)か
    らなる請求項1記載のカチオン重合型紫外線硬化性組成
    物。
  3. 【請求項3】複数枚のディスク基板を、請求項1記載の
    カチオン重合型紫外線硬化性組成物を接着剤として用い
    て貼り合わせてなるディスク。
  4. 【請求項4】請求項1記載のカチオン重合型紫外線硬化
    性組成物を接着剤として用いるディスク基板の貼り合わ
    せ方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014129475A (ja) * 2012-12-28 2014-07-10 Kyoritsu Kagaku Sangyo Kk 熱カチオン重合性組成物

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