JP2003137789A - 一酸化窒素消去剤 - Google Patents

一酸化窒素消去剤

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 人体に対する安全性が高く、効果的に一酸化
窒素を除去できる一酸化窒素消去剤を提供する。 【解決手段】 グルコサミン、重合度2〜10のキトサ
ンオリゴ糖、重合度11〜100の低分子キトサン及び
それらの塩から選ばれた少なくとも1種を有効成分とし
て含有させて、一酸化窒素消去剤を得る。この一酸化窒
素消去剤は、好ましくは飲食品、医薬品、又は化粧品か
ら選ばれた1種に添加して用いられる。また、特にグル
コサミン及び/又はその塩を有効成分として含有する場
合、タバコ用フィルター、空気清浄器用フィルター、エ
アコンディショナー用フィルター又は自動車のマフラー
用フィルターから選ばれた1種の成分として用いること
もできる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、甲殻類の殻等から
得られるグルコサミン等を有効成分として含有する安全
性の高い一酸化窒素消去剤に関する。
【0002】
【従来の技術】一酸化窒素(以下、NOという)は、大
気汚染物質として問題となっている窒素酸化物(NO
x)の一種であり、大気中で酸化されて二酸化窒素(N
2)になる。二酸化窒素は、高濃度で呼吸器に影響を
及ぼすほか、酸性雨や化学オキシダントの原因物質にな
ると言われている。また、空気中のNOは、酸化剤とし
て働き、皮脂に含まれる不飽和脂肪酸等を攻撃して、肌
荒れ等を引き起こす原因となる可能性も指摘されている
(大久保洋一ら:大気汚染学会誌,25(3),212-220,19
90)。
【0003】NOの発生原因は、主として石油等の化石
燃料の燃焼によるものであり、工場、自動車、家庭等か
ら排出されている。また、より身近な例としてタバコの
煙中にも存在することが知られている(Shinagawa, K.
et al: Biochem. Biophys.Res. Commun, 253, 99−10
3, 1998)。
【0004】一方、NOは生体内にも存在することが知
られている。生体内のNO(以下、生体内NOという)
は、L−アルギニン、NADPH、テトラヒドロビオプ
テリン、カルモジュリン等を基質としてNO合成酵素
(以下、NOSという)により作られ、極めて重要な生
理活性分子として機能している。例えば、血管内皮由来
弛緩因子(EDRF)の正体はNOであり、その他、神
経系における情報伝達物質や免疫系での異物攻撃の役割
を担っていることが知られている。
【0005】生体内NOの作用には二面性があり、産生
量が多すぎても少なすぎても疾病に結びつく。例えば、
敗血症は、過剰なNO産生によって血管が拡張されて急
激な血圧低下によりショック状態(敗血症性ショック)
を引き起こすことが知られている。また、過剰に産生し
たNOは、マクロファージが産生する活性酸素と反応し
て強力な酸化剤となり、神経細胞障害や動脈硬化を引き
起こす原因となったり、マクロファージ等の免疫細胞自
身を破壊する可能性も指摘されている。
【0006】過剰に産生された生体内NOを低減する手
段として、NOSを不活性化する阻害剤(以下、NOS
阻害剤という)やNOと速やかに反応する消去剤(以
下、NO消去剤という)等の使用が挙げられる(吉村哲
彦著:「NO(一酸化窒素)宇宙から細胞まで」、p.11
3−134、共立出版(1998))。このようなNOS阻害剤
としては、Nω−モノメチル−L−アルギニン、Nω
ジメチル−L−アルギニン、Nω−ニトロ−L−アルギ
ニン等のL−アルギニン誘導体やアミノグアニジンやS
−エチルイソチオウレア等のアルギニン類似化合物が挙
げられる。また、NO消去剤としては、例えば、ジエチ
レントリアミン5酢酸の鉄錯体、デスフェリオキサミン
の鉄錯体、ヒドロキソコバラミン等が挙げられる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ようなNOS阻害剤を投与した臨床的な試みにおいて
は、症状の改善にはつながるものの、血圧の上昇、臓器
の血流低下・障害等の様々な副作用を引き起こすという
問題があることが分かった。また、上記のようなNO消
去剤は、生理的に恒常性を維持しているNOまでも除い
てしまう可能性があり、生体への適用については未知数
であった。
【0008】したがって、本発明の目的は、人体に対す
る安全性が高く、効果的に一酸化窒素を除去できる一酸
化窒素消去剤を提供することにある。
【0009】
【問題を解決するための手段】本発明者は、グルコサミ
ン、キトサンオリゴ糖、低分子キトサン等の生理活性を
研究する過程で、グルコサミン及びキトサンオリゴ糖が
強い一酸化窒素消去能を有することを見い出し、この知
見に基いて本発明を完成するに至った。
【0010】すなわち、本発明の一酸化窒素消去剤は、
グルコサミン、重合度2〜10のキトサンオリゴ糖、重
合度11〜100の低分子キトサン及びそれらの塩から
選ばれた少なくとも1種を有効成分として含有すること
を特徴とする。
【0011】本発明によれば、天然物由来の成分である
グルコサミン、キトサンオリゴ糖、低分子キトサン等を
有効成分として含有させることにより、効果的に一酸化
窒素を除去でき、例えば飲食品、医薬品に添加して摂取
しても、副作用等のない安全性の高い一酸化窒素消去剤
を提供できる。
【0012】また、本発明の一酸化窒素消去剤は、中性
pH域においても水溶性であるので、飲食品、医薬品等
に添加する場合に容易に他の原料と均一に混合でき、経
口で摂取した際には体内への吸収性が高い。
【0013】本発明の一酸化窒素消去剤は、好ましくは
飲食品、医薬品、又は化粧品から選ばれた1種に添加し
て用いられる。また、飲食品の場合には、硝酸塩又は亜
硝酸塩系の発色剤又は保存剤を含有する飲食品に特に効
果的である。
【0014】この一酸化窒素消去剤を添加した飲食品や
医薬品を摂取あるいは投与することにより、過剰な生体
内NOを安全かつ効果的に除去でき、例えば敗血症性シ
ョック、糖尿病合併症、神経細胞障害、炎症、気管支喘
息等の予防やこれらの症状改善、狭心症やインポテンツ
の治療薬を服用する際の副作用の低減等の効果が期待で
きる。
【0015】また、発色剤及び保存剤として飲食品に添
加される硝酸塩や亜硝酸塩は、細菌の作用により還元さ
れてNOとなり、該飲食品中のアミン(アミノ酸類)と
反応して発ガン性物質であるニトロソアミンを生成する
ことが分かっているが、本発明の一酸化窒素消去剤を添
加することにより、ニトロソアミンの生成防止効果が期
待できる。
【0016】更に、この一酸化窒素消去剤を添加した化
粧品を皮膚に塗布することにより、空気中のNOによる
皮膚の酸化変性を抑制して、肌荒れ、くすみ等の防止効
果が期待できる。
【0017】本発明の一酸化窒素消去剤のうち、特にグ
ルコサミン及び/又はその塩を有効成分として含有する
ものは、タバコ用フィルター、空気清浄器用フィルタ
ー、エアコンディショナー用フィルター又は自動車のマ
フラー用フィルターから選ばれた1種の成分として好適
に用いられる。
【0018】この一酸化窒素消去剤を添加した上記フィ
ルターは、タバコの煙、空気又は排気ガス中に含まれる
NO量を効果的に低減することができるので、空気中の
NOによる健康への悪影響を軽減することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明の一酸化窒素消去剤の有効
成分であるグルコサミンは、糖タンパク質、糖脂質、ム
コ多糖等の生体成分中に分布する天然アミノ糖であり、
工業的にはカニ、エビ、オキアミ等の甲殻類やイカの軟
骨に含まれるキチンを、酸又は酵素で加水分解すること
により調製できる。また、グルコサミンは、遊離体であ
ってもよく、塩を形成していてもよい。グルコサミン塩
としては、例えば、塩酸塩、硫酸塩等が挙げられる。こ
れらのグルコサミンやその塩は、市販のものを用いるこ
とができる。
【0020】本発明の一酸化窒素消去剤の有効成分であ
る重合度2〜10のキトサンオリゴ糖、重合度11〜1
00の低分子キトサンは、キチンを脱アセチル化して得
られるキトサンを酸又は酵素で加水分解することにより
調製できる。また、上記キトサンオリゴ糖並びに低分子
キトサンは、遊離体であってもよく、塩を形成していて
もよい。キトサンオリゴ糖並びに低分子キトサンの塩と
しては、例えば、塩酸塩、乳酸塩、酢酸塩、硫酸塩、ク
エン酸塩、アスコルビン酸塩、リンゴ酸塩、コハク酸
塩、アジピン酸塩、グルコン酸塩、酒石酸塩等が挙げら
れる。
【0021】また、上記のような重合度のキトサンオリ
ゴ糖並びに低分子キトサンは、体内への吸収性が高く、
経口摂取した際に効果的に生体内NOを消去できること
が期待される。また、中性pH域においても水溶性であ
るので、飲食品、医薬品等に添加する場合に、容易に他
の原料と均一に混合でき、加工性に優れている。これら
のキトサンオリゴ糖並びに低分子キトサン、及びそれら
の塩は、市販のものを用いることができる。
【0022】本発明の一酸化窒素消去剤におけるグルコ
サミン、重合度2〜10のキトサンオリゴ糖、重合度1
1〜100の低分子キトサン及びそれらの塩から選ばれ
た少なくとも1種(以下、有効成分という)の含有量
は、0.1質量%以上が好ましく、10質量%以上がよ
り好ましく、20質量%以上が特に好ましい。
【0023】天然物由来の成分であるグルコサミンや、
キトサンオリゴ糖や、低分子キトサンは、従来から健康
食品や医薬品の原料として広範に利用されており、副作
用の少ない安全な物質であることが分かっている。
【0024】本発明の一酸化窒素消去剤は、上記有効成
分の他に、賦形剤、ミネラル類、ビタミン類、糖類、香
料等を適宜含むことができる。また、その製品形態は、
特に制限されず、錠剤、粉末、顆粒、溶液、カプセル剤
等が挙げられる。
【0025】本発明の一酸化窒素消去剤は、飲食品、医
薬品、又は化粧品から選ばれた1種に添加して用いるこ
とができる。
【0026】例えば、飲食品用途に用いる場合、その添
加量は、上記有効成分換算で1日当たり0.1〜100
0mg摂取できる量が好ましく、10〜1000mg摂
取できる量がより好ましい。
【0027】また、医薬品用途に用いる場合、その有効
投与量は、経口投与の場合は、1日当たり上記有効成分
換算で0.1〜1000mgであり、より好ましくは
0.1〜100mgである。また、静注及び筋注する場
合は、1日当たり上記有効成分換算で0.01mg〜1
00mgであり、より好ましくは0.1〜10mgであ
る。
【0028】本発明の一酸化窒素消去剤を添加した飲食
品や医薬品を、摂取あるいは投与することにより、過剰
な生体内NOを安全かつ効果的に消去できることが期待
される。したがって、過剰な生体内NOの生成によって
引き起こされる疾病、例えば敗血症性ショック、糖尿病
合併症、神経細胞障害、炎症、気管支喘息等の予防やこ
れらの症状の改善、狭心症やインポテンツの治療薬を服
用する際の副作用の低減等の効果が期待できる。
【0029】また、硝酸塩や亜硝酸塩系の発色剤又は保
存剤を含有する飲食品(例えばハム、サラミ、ソーセー
ジ、ベーコン、タラコ、すじこ等)に、本発明の一酸化
窒素消去剤を添加することにより、ニトロソアミンの生
成防止効果が期待できる。
【0030】また、化粧品用途に用いる場合は、その添
加量は、上記有効成分換算で0.01〜10質量%が好
ましく、0.01〜1.0質量%がより好ましい。
【0031】本発明の一酸化窒素消去剤を添加した化粧
品を使用することにより、空気中のNOによる皮脂に含
まれる不飽和脂肪酸やタンパク質の酸化変性を抑制し、
肌荒れ、くすみ等を防止する効果が期待できる。
【0032】また、本発明の一酸化窒素消去剤は、有効
成分としてグルコサミン及び/又はその塩を含有する場
合、タバコ用フィルター、空気清浄器用フィルター、エ
アコンディショナー用フィルター又は自動車のマフラー
用フィルターから選ばれた1種の成分として好適に用い
ることができる。具体的には、一酸化窒素消去剤を粉末
のまま、あるいは適当な担体と共にフィルターに充填す
る、あるいは半透膜性のポリマーで被覆・固定化してマ
イクロカプセルとして用いることができる。
【0033】なお、本発明におけるタバコ用フィルター
とは、市販のタバコに別途装着して使用するフィルタ
ー、市販のフィルター付きタバコにおけるフィルターを
意味する。このタバコ用フィルターを用いることによ
り、タバコの煙(吸引煙)中のNO量を低減することが
できる。
【0034】タバコ用フィルターに一酸化窒素消去剤を
充填する場合、該フィルター1個当たりの充填量は、グ
ルコサミン及び/又はその塩換算で0.1〜100mg
が好ましく、10〜50mgがより好ましい。
【0035】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説
明する。
【0036】実施例1 被験物質として、グルコサミン塩酸塩、キトサンオリゴ
糖塩酸塩、N−アセチルグルコサミン、キチンオリゴ
糖、セロオリゴ糖、マルトオリゴ糖を用いて、NO消去
能の測定を行なった。
【0037】また、NO発生試薬として1−hydroxy−2
−oxo−3−(N−3−methyl−3−aminopropyl)−3−methy
l−1−triazene(以下、NOC−7という。同仁化学
(株)製)を、NO用スピントラップ剤として2−(4−c
arboxyphenyl)−4,4,5,5−tetramethylimidazoline−1
−oxyl−3−oxide sodium salt(以下、C−PTIOとい
う。ラボテック(株)製)を用い、各被験物質は、各々
2.0%(w/v)の濃度となるように0.1Mリン酸
緩衝液(pH7.4)に溶解して用いた。
【0038】NO消去能の測定は、文献(Noda et a
l.:Res. Commun. Mol. Pathol. Pharmacol., 96, 115-
124, 1997)に記載された方法にしたがって行なった。
【0039】すなわち、試験管に0.1Mリン酸緩衝液
(pH7.4)を140μLと、被験物質溶液20μL
と、0.1mM C−PTIO(リン酸緩衝液の溶液)とを入
れて混合した後、0.1mM NOC−7(0.1N N
aOHの溶液)20μLを混合して、直ちに扁平石英セ
ル(商品名「ES−LC12」、日本電子株式会社製、
以下同じ)に採取し、電子スピン共鳴装置(以下、ES
R装置という。商品名「JES−FR30」、日本電子株式会
社製、以下同じ)にセットした。
【0040】そして、NOC−7を混合してから正確に
15分後、C−PTIOがNOをトラップする時に検出され
るC−PTIのシグナル強度を指標としてNO発生量を測定
した。なお、内部標準物質にはMnOを用いた。
【0041】被験物質溶液の代わりにリン酸緩衝液を使
用した時のC−PTIシグナル強度を100%(コントロー
ル)として、各被験物質を添加した時のNO相対量を計
算し、各被験物質のNO消去能を調べた。その結果を図
1に示す。
【0042】図1から、N−アセチルグルコサミン、キ
チンオリゴ糖、セロオリゴ糖、マルトオリゴ糖等の中性
糖を添加した場合、NO残存率はコントロールと大差が
なく、NO消去能は低いか、全く認められないのに対し
て、グルコサミン塩酸塩又はキトサンオリゴ糖塩酸塩を
添加した場合は、それぞれ98.5%、95.8%のN
Oが消去され、アミノ糖類は非常に強いNO消去能を有
することが分かる。
【0043】実施例2 結晶セルロースを担体として、下記配合割合で各原料を
混合し、この粉末0.5gをプラスチックの円筒(直径
5mm×長さ80mm)に充填してタバコ用フィルター
を作製した。また、コントロールとして結晶セルロース
(担体)のみを充填したフィルターを作製した。
【0044】 ・タバコフィルターの組成(質量%) 結晶セルロース 79.9 グルコサミン塩酸塩 20.0 活性炭 0.1 得られた各フィルターを市販タバコの吸い口に付けて、
吸引しながらタバコに点火し、点火箇所から3cmの長
さまで燃焼させ、フィルターを通過した吸引煙をスピン
トラップ剤の入った試験管にそれぞれ捕集した。なお、
スピントラップ剤には、N−metyl−D−glucamine−dith
iocarbamate(以下、MGDという。ラボテック(株)
から購入)と硫酸鉄(II)水溶液とを混合して調製し
た(MGD)2−Fe2+複合体を用いた。具体的には、
50mM MGD溶液(0.1Mリン酸緩衝液(pH
7.4))1.0mLと、50mM硫酸鉄(II)水溶
液0.2mLとを混合して直ちに使用した。
【0045】30分後に各捕集液を扁平石英セルに採取
してESR装置にセットし、(MGD)2−Fe2+−N
O複合体のスペクトル強度をそれぞれ測定した。そし
て、コントロールのフィルターを通過した吸引煙中のN
O量を100%として、各フィルターを通過した吸引煙
中のNO量を計算した。その結果を図2に示す。
【0046】図2から、グルコサミン塩酸塩を充填した
フィルターを通過した吸引煙中のNO量は、コントロー
ルに比べて約30%減少していることが分かる。すなわ
ち、グルコサミン塩酸塩には、タバコの煙中のNOを低
減する効果があることが明らかとなった。
【0047】実施例3 以下に示すような配合によって、本発明の一酸化窒素消
去剤を用いた錠菓、化粧品、錠剤、静注用脂肪乳剤をそ
れぞれ製造した。
【0048】 錠菓(一錠1.5g当たり) グルコサミン塩酸塩 400mg キトサンオリゴ糖塩酸塩 200mg レモン果汁粉末 200mg ブドウ糖 50mg 結晶セルロース 650mg 化粧品(ファンデーション) 大豆リン脂質 50.0質量% グリセリン 10.0質量% グルコサミン塩酸塩 5.0質量% 海草エキス 3.0質量% ヒアルロン酸 0.5質量% 紫外線吸収剤 適量 注射用水 全体を100としたときの残余 錠剤(200mg/錠) 結晶セルロース 140mg ジエチレントリアミン五酢酸−鉄錯体 10mg グルコサミン塩酸塩 50mg 静注用脂肪乳剤 精製大豆リン脂質 10.0質量% キトサンオリゴ糖 1.0質量% D−マンニトール 5.0質量% 注射用水 84.0質量%
【0049】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
天然物由来の成分であるグルコサミン、重合度2〜10
のキトサンオリゴ糖、重合度11〜100の低分子キト
サン及びそれらの塩から選ばれた少なくとも1種を有効
成分として含有させることにより、効果的に一酸化窒素
を除去でき、摂取しても副作用等のない安全性の高い一
酸化窒素消去剤を提供できる。この一酸化窒素消去剤
は、飲食品、化粧品、医薬品等に好適に用いることがで
きる。特に、グルコサミン及び/又はその塩を含有する
一酸化窒素消去剤は、タバコ用フィルター、空気清浄器
やエアコンディショナー用フィルター等の成分として好
適に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 各被験物質のNO消去能の試験結果を示す図
表である。
【図2】 各フィルターの、タバコの煙中のNO消去能
の測定結果を示す図表である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 7/02 A61K 31/7016 31/7016 31/702 31/702 31/722 31/722 A61P 3/10 A61P 3/10 9/00 9/00 11/06 11/06 25/00 25/00 29/00 29/00 39/02 39/02 43/00 121 43/00 121 C07H 5/06 // C07H 5/06 A23L 2/00 F Fターム(参考) 4B017 LC03 LK13 4B018 MD41 ME14 4C057 BB02 CC04 DD02 4C083 AA112 AC122 AD201 AD202 AD321 AD332 AD572 CC12 4C086 EA02 EA23 MA02 MA35 MA52 MA66 NA14 ZC37 ZC75

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 グルコサミン、重合度2〜10のキトサ
    ンオリゴ糖、重合度11〜100の低分子キトサン及び
    それらの塩から選ばれた少なくとも1種を有効成分とし
    て含有することを特徴とする一酸化窒素消去剤。
  2. 【請求項2】 飲食品、医薬品、又は化粧品から選ばれ
    た1種に添加して用いられる、請求項1に記載の一酸化
    窒素消去剤。
  3. 【請求項3】 硝酸塩又は亜硝酸塩系の発色剤又は保存
    剤を含有する飲食品に添加される、請求項2に記載の一
    酸化窒素消去剤。
  4. 【請求項4】 グルコサミン及び/又はその塩を有効成
    分として含有し、タバコ用フィルター、空気清浄器用フ
    ィルター、エアコンディショナー用フィルター又は自動
    車のマフラー用フィルターから選ばれた1種の成分とし
    て用いられる、請求項1に記載の一酸化窒素消去剤。
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