JPH0940568A - カフェイン興奮作用抑制剤 - Google Patents
カフェイン興奮作用抑制剤Info
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- JPH0940568A JPH0940568A JP7195618A JP19561895A JPH0940568A JP H0940568 A JPH0940568 A JP H0940568A JP 7195618 A JP7195618 A JP 7195618A JP 19561895 A JP19561895 A JP 19561895A JP H0940568 A JPH0940568 A JP H0940568A
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- Japan
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- caffeine
- wave
- theanine
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 実質的にカフェイン含有飲食物の味、香り等
の品質を劣化させることなく、カフェインによる興奮作
用を抑制することができるカフェイン興奮作用抑制剤を
提供する。 【解決手段】 テアニンを有効成分として含有するカフ
ェイン興奮作用抑制剤において、テアニン含有量を摂取
飲食物中のカフェイン含有量の2倍当量以上10倍当量
以下とする。カフェイン興奮作用抑制剤は、液状、顆粒
状又はパウダー状に加工して飲食物の添加剤とすること
が好ましいが、錠剤、カプセル剤、顆粒剤又はシロップ
剤として飲食物と別個に摂取するようにしてもよい。
の品質を劣化させることなく、カフェインによる興奮作
用を抑制することができるカフェイン興奮作用抑制剤を
提供する。 【解決手段】 テアニンを有効成分として含有するカフ
ェイン興奮作用抑制剤において、テアニン含有量を摂取
飲食物中のカフェイン含有量の2倍当量以上10倍当量
以下とする。カフェイン興奮作用抑制剤は、液状、顆粒
状又はパウダー状に加工して飲食物の添加剤とすること
が好ましいが、錠剤、カプセル剤、顆粒剤又はシロップ
剤として飲食物と別個に摂取するようにしてもよい。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カフェイン興奮作
用抑制剤に関するものである。
用抑制剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】カフェイン過敏症の人でも茶、コーヒー
等が飲めるように、茶、コーヒー等に含まれるカフェイ
ンを物理的又は化学的に除去する方法が提案されてい
る。例えば、水抽出法(特公昭59−41692号公
報、同59−46576号公報)、有機溶媒抽出法(特
公昭59−41378号公報)、超臨界ガス抽出法(特
公昭59−41377号公報)又はスチレン・ジビニー
ル・ベンゼン系ポリマーを充填した液体クロマトグラフ
ィーに流下させて物理的に吸着除去する方法等が知られ
ている。
等が飲めるように、茶、コーヒー等に含まれるカフェイ
ンを物理的又は化学的に除去する方法が提案されてい
る。例えば、水抽出法(特公昭59−41692号公
報、同59−46576号公報)、有機溶媒抽出法(特
公昭59−41378号公報)、超臨界ガス抽出法(特
公昭59−41377号公報)又はスチレン・ジビニー
ル・ベンゼン系ポリマーを充填した液体クロマトグラフ
ィーに流下させて物理的に吸着除去する方法等が知られ
ている。
【0003】しかし、水抽出法にあってはタンニンやポ
リフェノールが変質し、有機溶媒抽出法にあってはカフ
ェイン以外の味を構成する成分まで除去してしまい、超
臨界ガス抽出法にあってはクロロフィルやタンニン類が
変質し、吸着法にあってはカフェイン以外のタンニン、
アミノ酸等の成分まで除去してしまい、いずれにあって
も味、香りが劣化するという問題があった。
リフェノールが変質し、有機溶媒抽出法にあってはカフ
ェイン以外の味を構成する成分まで除去してしまい、超
臨界ガス抽出法にあってはクロロフィルやタンニン類が
変質し、吸着法にあってはカフェイン以外のタンニン、
アミノ酸等の成分まで除去してしまい、いずれにあって
も味、香りが劣化するという問題があった。
【0004】そこで、カフェインを除去することなく、
天然物に含まれる既知の物質をカフェインの拮抗剤と
し、これを飲料や食品に添加することによってカフェイ
ンの興奮作用を抑制する方法が提案されている。例え
ば、このようなカフェインの拮抗剤としてアデノシン
(特開昭63−88126号公報)、テアニン(特開平
4−253916号公報)を添加する方法等が知られて
いる。
天然物に含まれる既知の物質をカフェインの拮抗剤と
し、これを飲料や食品に添加することによってカフェイ
ンの興奮作用を抑制する方法が提案されている。例え
ば、このようなカフェインの拮抗剤としてアデノシン
(特開昭63−88126号公報)、テアニン(特開平
4−253916号公報)を添加する方法等が知られて
いる。
【0005】このうちカフェインの拮抗剤としてテアニ
ンを添加する方法は、テアニン自体が茶等に含有されて
いることから、茶、コーヒー等の味、香りを劣化させる
程度を少なくすることが可能であり、飲食物に含有され
たカフェインによる興奮作用を抑制する方法としては極
めて好適である。
ンを添加する方法は、テアニン自体が茶等に含有されて
いることから、茶、コーヒー等の味、香りを劣化させる
程度を少なくすることが可能であり、飲食物に含有され
たカフェインによる興奮作用を抑制する方法としては極
めて好適である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来にあって
は、カフェインの拮抗剤として使用するテアニンに関し
ての定量的な検討が十分になされておらず、摂取カフェ
イン量の10倍当量以上でないと有効ではないとされて
おり、このような大量添加をしたのでは、茶、コーヒー
等の味、香りを劣化させる程度を少なくすることが可能
であるという利点を実質的に発揮させることができなか
った。
は、カフェインの拮抗剤として使用するテアニンに関し
ての定量的な検討が十分になされておらず、摂取カフェ
イン量の10倍当量以上でないと有効ではないとされて
おり、このような大量添加をしたのでは、茶、コーヒー
等の味、香りを劣化させる程度を少なくすることが可能
であるという利点を実質的に発揮させることができなか
った。
【0007】本発明は、かかる従来における問題点に鑑
みて為されたものであり、実質的にカフェイン含有飲食
物の味、香り等の品質を劣化させることなく、カフェイ
ンによる興奮作用を抑制することができるカフェイン興
奮作用抑制剤を提供することを目的とする。
みて為されたものであり、実質的にカフェイン含有飲食
物の味、香り等の品質を劣化させることなく、カフェイ
ンによる興奮作用を抑制することができるカフェイン興
奮作用抑制剤を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明者等は茶、コーヒー等に含有されるカフェイ
ン量とこれに拮抗するテアニン量を定量的に把握するこ
とに関して鋭意研究を続け、種々実験を重ねた結果、本
発明をするに到ったのである。
に、本発明者等は茶、コーヒー等に含有されるカフェイ
ン量とこれに拮抗するテアニン量を定量的に把握するこ
とに関して鋭意研究を続け、種々実験を重ねた結果、本
発明をするに到ったのである。
【0009】すなわち、本発明は、テアニンを有効成分
として含有するカフェイン興奮作用抑制剤において、テ
アニン含有量を摂取飲食物中のカフェイン含有量の2倍
当量以上10倍当量以下としたことを特徴とするカフェ
イン興奮作用抑制剤である。尚、テアニン含有量を摂取
飲食物中のカフェイン含有量の2倍当量以上5倍当量以
下とすればより好ましい。
として含有するカフェイン興奮作用抑制剤において、テ
アニン含有量を摂取飲食物中のカフェイン含有量の2倍
当量以上10倍当量以下としたことを特徴とするカフェ
イン興奮作用抑制剤である。尚、テアニン含有量を摂取
飲食物中のカフェイン含有量の2倍当量以上5倍当量以
下とすればより好ましい。
【0010】テアニンは、上記のように茶等に含有され
ているものであるから、無害な添加剤であり、例えば、
茶葉を水、熱水又はエタノール等の有機溶媒で抽出し、
或いは化学合成、微生物醗酵又は植物組織培養等するこ
とによって製造される。
ているものであるから、無害な添加剤であり、例えば、
茶葉を水、熱水又はエタノール等の有機溶媒で抽出し、
或いは化学合成、微生物醗酵又は植物組織培養等するこ
とによって製造される。
【0011】カフェイン興奮作用抑制剤は、液状、顆粒
状又はパウダー状に加工して飲食物の添加剤とすること
が好ましいが、錠剤、カプセル剤、顆粒剤又はシロップ
剤として飲食物と別個に摂取するようにしてもよい。
状又はパウダー状に加工して飲食物の添加剤とすること
が好ましいが、錠剤、カプセル剤、顆粒剤又はシロップ
剤として飲食物と別個に摂取するようにしてもよい。
【0012】
〔実験例1〕先ず、飲食物に含有される程度のカフェイ
ンによる興奮作用を検討するために、カフェインを投与
したラットの脳波の経時的変化を観測した。
ンによる興奮作用を検討するために、カフェインを投与
したラットの脳波の経時的変化を観測した。
【0013】1.供試動物と群構成 9週齢のwister/st系雄性ラット(体重260−320
g )を1週間予備飼育した後に、ネンブタール麻酔下で
電極埋込手術を行なって標本を作製した。ステンレスス
チール製ネジ電極を左右前頭部に固定し、ステンレスス
チール製並列型双極電極を海馬及び篇桃体に埋め込ん
だ。術後4日間は感染予防のためにセフタメゾンを筋注
し、術後10日以降に3回の予備試験を行ない、脳波が
安定している標本を1群6匹としてA群からE群までの
5群を構成した。
g )を1週間予備飼育した後に、ネンブタール麻酔下で
電極埋込手術を行なって標本を作製した。ステンレスス
チール製ネジ電極を左右前頭部に固定し、ステンレスス
チール製並列型双極電極を海馬及び篇桃体に埋め込ん
だ。術後4日間は感染予防のためにセフタメゾンを筋注
し、術後10日以降に3回の予備試験を行ない、脳波が
安定している標本を1群6匹としてA群からE群までの
5群を構成した。
【0014】2.被験物質の調製と投与 ブドウ糖加生理食塩水に無水カフェインを溶解してカフ
ェイン生理食塩水溶液を調製し、上記A群からE群の標
本に静脈注射によって以下の量のカフェインを投与し
た。被験物質の投与量 A群:カフェイン 0μM /kg体重投与 B群:カフェイン 1μM /kg体重投与 C群:カフェイン 2μM /kg体重投与 D群:カフェイン 5μM /kg体重投与 E群:カフェイン10μM /kg体重投与
ェイン生理食塩水溶液を調製し、上記A群からE群の標
本に静脈注射によって以下の量のカフェインを投与し
た。被験物質の投与量 A群:カフェイン 0μM /kg体重投与 B群:カフェイン 1μM /kg体重投与 C群:カフェイン 2μM /kg体重投与 D群:カフェイン 5μM /kg体重投与 E群:カフェイン10μM /kg体重投与
【0015】3.脳波測定 脳波測定は双極導出法により行ない、検出した脳波を遮
断周波数50Hz、減衰特性24db/oct の高域遮断フィ
ルターを通過させ、デジタルレコーダ(ティアック社
製:DR-M2a)によりサンプリング周波数200Hzで光磁
気ディスク上に記録した。記録された脳波につき、後日
パーソナルコンピュータ(日本電気社製:PC-9801BA )
と波形解析ソフト(Development Corporation 社製:DA
DISP Work-sheet)を用いて、高速フーリエ変換法によ
りパワースペクトラムを求め、δ帯域、θ帯域、α1帯
域、α2帯域、β帯域の相対パワーを算出した。脳波測
定はカフェイン投与5分後、15分後、30分後、60
分後にそれぞれ3分間行ない、アーティファクトの少な
い部分を5秒間1区間として5回の加算によりスペクト
ラムの平滑化を行なった。尚、一般に、α波は目を閉じ
て安静にしている時、β波は脳が活発に活動している
時、δ波は熟睡状態の時、θ波はうとうと居眠りしてい
る時に現れる脳波である。
断周波数50Hz、減衰特性24db/oct の高域遮断フィ
ルターを通過させ、デジタルレコーダ(ティアック社
製:DR-M2a)によりサンプリング周波数200Hzで光磁
気ディスク上に記録した。記録された脳波につき、後日
パーソナルコンピュータ(日本電気社製:PC-9801BA )
と波形解析ソフト(Development Corporation 社製:DA
DISP Work-sheet)を用いて、高速フーリエ変換法によ
りパワースペクトラムを求め、δ帯域、θ帯域、α1帯
域、α2帯域、β帯域の相対パワーを算出した。脳波測
定はカフェイン投与5分後、15分後、30分後、60
分後にそれぞれ3分間行ない、アーティファクトの少な
い部分を5秒間1区間として5回の加算によりスペクト
ラムの平滑化を行なった。尚、一般に、α波は目を閉じ
て安静にしている時、β波は脳が活発に活動している
時、δ波は熟睡状態の時、θ波はうとうと居眠りしてい
る時に現れる脳波である。
【0016】4.実験結果 カフェイン投与15分後、30分後、60分後の皮質及
び篇桃体におけるδ波及びβ波の相対パワーを図1乃至
図3に示した。皮質と篇桃体における顕著な速波化がカ
フェイン5μM /kg体重投与以上でカフェイン投与5分
後、15分後、30分後、60分後のいずれにもみられ
た。従って、カフェインの最小有効濃度は5μM /kg
(0.971mg/kg)体重投与程度と推定された。一
方、茶葉の1回当たりの飲用濃度に含有されるカフェイ
ン濃度は、茶葉3gに2%のカフェインが含有されてい
るとして、 3,000×0.02/50(人の体重)=1.2mg/
kg体重 となる。従って、カフェインの吸収率等を考慮すると、
上記のカフェインの最小有効濃度は通常のカフェイン摂
取濃度に近いことが明らかになった。
び篇桃体におけるδ波及びβ波の相対パワーを図1乃至
図3に示した。皮質と篇桃体における顕著な速波化がカ
フェイン5μM /kg体重投与以上でカフェイン投与5分
後、15分後、30分後、60分後のいずれにもみられ
た。従って、カフェインの最小有効濃度は5μM /kg
(0.971mg/kg)体重投与程度と推定された。一
方、茶葉の1回当たりの飲用濃度に含有されるカフェイ
ン濃度は、茶葉3gに2%のカフェインが含有されてい
るとして、 3,000×0.02/50(人の体重)=1.2mg/
kg体重 となる。従って、カフェインの吸収率等を考慮すると、
上記のカフェインの最小有効濃度は通常のカフェイン摂
取濃度に近いことが明らかになった。
【0017】〔実験例2〕次に、飲食物に含有される程
度のカフェインに対するテアニンの拮抗作用を検討する
ために、カフェイン及びテアニンを投与したラットの脳
波の経時的変化を観測した。
度のカフェインに対するテアニンの拮抗作用を検討する
ために、カフェイン及びテアニンを投与したラットの脳
波の経時的変化を観測した。
【0018】1.供試動物と群構成 実験例1と同様に電極埋込手術等を行なったwister/st
系雄性ラット(体重260−320g )を1群6匹とし
てF群からJ群までの5群よりなる標本を構成した。
系雄性ラット(体重260−320g )を1群6匹とし
てF群からJ群までの5群よりなる標本を構成した。
【0019】2.被験物質の調製と投与 ブドウ糖加生理食塩水に無水カフェインを溶解してカフ
ェイン生理食塩水溶液を、又、ブドウ糖加生理食塩水に
無水テアニンを溶解してテアニン生理食塩水溶液を調製
した。飲食物に含有される程度のカフェイン量、すなわ
ち通常のカフェイン摂取濃度は、上記のようにカフェイ
ンの最小有効濃度に近いから、上記F群からJ群の標本
に静脈注射によって5μM /kg体重のカフェインを投与
し、その10分後に以下の量のテアニンを投与した。 被験物質の投与量 F群:カフェイン 5μM /kg体重にテアニン 0μM /kg体重投与 G群:カフェイン 5μM /kg体重にテアニン 5μM /kg体重投与 H群:カフェイン 5μM /kg体重にテアニン10μM /kg体重投与 I群:カフェイン 5μM /kg体重にテアニン25μM /kg体重投与 J群:カフェイン 5μM /kg体重にテアニン50μM /kg体重投与
ェイン生理食塩水溶液を、又、ブドウ糖加生理食塩水に
無水テアニンを溶解してテアニン生理食塩水溶液を調製
した。飲食物に含有される程度のカフェイン量、すなわ
ち通常のカフェイン摂取濃度は、上記のようにカフェイ
ンの最小有効濃度に近いから、上記F群からJ群の標本
に静脈注射によって5μM /kg体重のカフェインを投与
し、その10分後に以下の量のテアニンを投与した。 被験物質の投与量 F群:カフェイン 5μM /kg体重にテアニン 0μM /kg体重投与 G群:カフェイン 5μM /kg体重にテアニン 5μM /kg体重投与 H群:カフェイン 5μM /kg体重にテアニン10μM /kg体重投与 I群:カフェイン 5μM /kg体重にテアニン25μM /kg体重投与 J群:カフェイン 5μM /kg体重にテアニン50μM /kg体重投与
【0020】3.脳波測定 実験例1と同様に脳波測定を行ない、パワースペクトラ
ムを求め、δ帯域、θ帯域、α1帯域、α2帯域、β帯
域の相対パワーを算出した。
ムを求め、δ帯域、θ帯域、α1帯域、α2帯域、β帯
域の相対パワーを算出した。
【0021】4.実験結果 テアニン投与5分後、15分後、30分後、60分後の
皮質におけるδ波及びβ波の相対パワーを図4に示し
た。又、テアニン10μM /kg体重投与した場合の皮質
及び篇桃体におけるδ波及びβ波の相対パワーの経時的
変化を図5に、テアニン25μM /kg体重投与した場合
の皮質及び篇桃体におけるδ波及びβ波の相対パワーの
経時的変化を図6に示した。テアニン50μM /kg体重
投与では全ての部位において5〜60分後まで興奮波が
顕著に抑制された。25μM /kg体重投与でも50μM
/kg体重投与とほぼ同様の結果がみられた。10μM /
kg体重投与では60分後に皮質と篇桃体において徐波化
がみられた。これより、カフェイン5μM /kg体重投与
に対してはテアニン10μM /kg体重投与でも部位によ
っては有意に抑制され、テアニン25μM /kg体重投与
では明らかに抑制されることが明らかになった。従っ
て、カフェイン濃度に対して2倍当量濃度、つまりテア
ニン10μM /kg体重程度がテアニンの最少有効濃度と
推定された。
皮質におけるδ波及びβ波の相対パワーを図4に示し
た。又、テアニン10μM /kg体重投与した場合の皮質
及び篇桃体におけるδ波及びβ波の相対パワーの経時的
変化を図5に、テアニン25μM /kg体重投与した場合
の皮質及び篇桃体におけるδ波及びβ波の相対パワーの
経時的変化を図6に示した。テアニン50μM /kg体重
投与では全ての部位において5〜60分後まで興奮波が
顕著に抑制された。25μM /kg体重投与でも50μM
/kg体重投与とほぼ同様の結果がみられた。10μM /
kg体重投与では60分後に皮質と篇桃体において徐波化
がみられた。これより、カフェイン5μM /kg体重投与
に対してはテアニン10μM /kg体重投与でも部位によ
っては有意に抑制され、テアニン25μM /kg体重投与
では明らかに抑制されることが明らかになった。従っ
て、カフェイン濃度に対して2倍当量濃度、つまりテア
ニン10μM /kg体重程度がテアニンの最少有効濃度と
推定された。
【0022】
【発明の効果】本発明によれば、テアニンの有する利点
を十分に発揮させることができ、実質的にカフェイン含
有飲食物の味、香り等の品質を劣化させることなく、カ
フェインによる興奮作用を抑制することができるカフェ
イン興奮作用抑制剤を提供することが可能である。
を十分に発揮させることができ、実質的にカフェイン含
有飲食物の味、香り等の品質を劣化させることなく、カ
フェインによる興奮作用を抑制することができるカフェ
イン興奮作用抑制剤を提供することが可能である。
【図1】カフェイン投与15分後の皮質及び篇桃体にお
けるδ波及びβ波の相対パワーを示す図である。
けるδ波及びβ波の相対パワーを示す図である。
【図2】カフェイン投与30分後の皮質及び篇桃体にお
けるδ波及びβ波の相対パワーを示す図である。
けるδ波及びβ波の相対パワーを示す図である。
【図3】カフェイン投与60分後の皮質及び篇桃体にお
けるδ波及びβ波の相対パワーを示す図である。
けるδ波及びβ波の相対パワーを示す図である。
【図4】テアニン投与5分後、15分後、30分後、6
0分後の皮質におけるδ波及びβ波の相対パワーを示す
図である。
0分後の皮質におけるδ波及びβ波の相対パワーを示す
図である。
【図5】テアニン10μM /kg体重投与した場合の皮質
及び篇桃体におけるδ波及びβ波の相対パワーの経時的
変化を示す図である。
及び篇桃体におけるδ波及びβ波の相対パワーの経時的
変化を示す図である。
【図6】テアニン25μM /kg体重投与した場合の皮質
及び篇桃体におけるδ波及びβ波の相対パワーの経時的
変化を示す図である。
及び篇桃体におけるδ波及びβ波の相対パワーの経時的
変化を示す図である。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成7年8月7日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】変更
【補正内容】
【0015】3.脳波測定 脳波測定は双極導出法により行ない、検出した脳波を遮
断周波数50Hz、減衰特性24db/oct の高域遮断フィ
ルターを通過させ、デジタルレコーダ(ティアック社
製:DR-M2a) によりサンプリング周波数200Hzで光磁
気ディスク上に記録した。記録された脳波につき、後日
パーソナルコンピュータ(日本電気社製:PC-9801BA)
と波形解析ソフト (Development Corporation 社製:D
ADISP Work-sheet) を用いて、高速フーリエ変換法によ
りパワースペクトラムを求め、δ波、θ波、α1波、α
2波、β波の相対パワーを算出した。脳波測定はカフェ
イン投与5分後、15分後、30分後、60分後にそれ
ぞれ3分間行ない、アーティファクトの少ない部分を5
秒間1区間として5回の加算によりスペクトラムの平滑
化を行なった。なお、一般に、α波は目を閉じて安静に
している時、β波は脳が活発に活動している時、δ波は
熟睡状態の時、θ波はうとうと居眠りしている時に現れ
る脳波である。
断周波数50Hz、減衰特性24db/oct の高域遮断フィ
ルターを通過させ、デジタルレコーダ(ティアック社
製:DR-M2a) によりサンプリング周波数200Hzで光磁
気ディスク上に記録した。記録された脳波につき、後日
パーソナルコンピュータ(日本電気社製:PC-9801BA)
と波形解析ソフト (Development Corporation 社製:D
ADISP Work-sheet) を用いて、高速フーリエ変換法によ
りパワースペクトラムを求め、δ波、θ波、α1波、α
2波、β波の相対パワーを算出した。脳波測定はカフェ
イン投与5分後、15分後、30分後、60分後にそれ
ぞれ3分間行ない、アーティファクトの少ない部分を5
秒間1区間として5回の加算によりスペクトラムの平滑
化を行なった。なお、一般に、α波は目を閉じて安静に
している時、β波は脳が活発に活動している時、δ波は
熟睡状態の時、θ波はうとうと居眠りしている時に現れ
る脳波である。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0020
【補正方法】変更
【補正内容】
【0020】3.脳波測定 実験例1と同様に脳波測定を行ない、パワースペクトラ
ムを求め、δ波、θ波、α1波、α2波、β波の相対パ
ワーを算出した。
ムを求め、δ波、θ波、α1波、α2波、β波の相対パ
ワーを算出した。
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
Claims (1)
- 【請求項1】 テアニンを有効成分として含有するカフ
ェイン興奮作用抑制剤において、テアニン含有量を摂取
飲食物中のカフェイン含有量の2倍当量以上10倍当量
以下としたことを特徴とするカフェイン興奮作用抑制
剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7195618A JPH0940568A (ja) | 1995-07-31 | 1995-07-31 | カフェイン興奮作用抑制剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7195618A JPH0940568A (ja) | 1995-07-31 | 1995-07-31 | カフェイン興奮作用抑制剤 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0940568A true JPH0940568A (ja) | 1997-02-10 |
Family
ID=16344171
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7195618A Pending JPH0940568A (ja) | 1995-07-31 | 1995-07-31 | カフェイン興奮作用抑制剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0940568A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001089365A (ja) * | 1998-02-23 | 2001-04-03 | Taiyo Kagaku Co Ltd | 不安惹起抑制組成物 |
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1995
- 1995-07-31 JP JP7195618A patent/JPH0940568A/ja active Pending
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