JP2003137521A - 成膜方法 - Google Patents

成膜方法

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JP2003137521A
JP2003137521A JP2001334404A JP2001334404A JP2003137521A JP 2003137521 A JP2003137521 A JP 2003137521A JP 2001334404 A JP2001334404 A JP 2001334404A JP 2001334404 A JP2001334404 A JP 2001334404A JP 2003137521 A JP2003137521 A JP 2003137521A
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Yoshiaki Agawa
阿川  義昭
Seiichi Goto
誠一 後藤
Masato Kiuchi
正人 木内
Toshimoto Sugimoto
敏司 杉本
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Ulvac Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】大面積の基板にカーボンナノチューブを成膜す
る。 【解決手段】真空槽11内部に基板17を搬入し、試料
ステージ16とターゲット19との間に交流電圧を印加
し、まずターゲット19をスパッタリングさせて基板1
7の表面に、触媒材料であるターゲット材料からなる薄
膜を成膜させ、その後真空槽11内部を原料ガスと置換
し、触媒材料の薄膜表面に、カーボンナノチューブの薄
膜を成長させている。このため、一つの真空槽11を用
いて、基板17上に、触媒材料の薄膜と、カーボンナノ
チューブの薄膜との両方を成膜することができる。ま
た、試料ステージ16とターゲット19の面積を大きく
するだけで、大面積の基板表面にもカーボンナノチュー
ブを成膜することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は成膜方法の技術分野
にかかり、特にカーボンナノチューブを成膜する方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】近年、FED(Field emission display)
に用いられる電子放出源や、二次電池の充填材等の材料
として、カーボンナノチューブが注目されている。従来
のカーボンナノチューブの成膜方法について以下で説明
する。
【0003】図3の符号101に、従来のカーボンナノ
チューブの成膜装置を示す。この成膜装置101は、真
空槽111を有している。真空槽111の外部には排気
系112が配置されており、排気系112を起動する
と、真空槽111内部を真空排気することができるよう
に構成されている。また、真空槽111の外部には、ガ
ス導入系113が配置されており、ガス導入系113を
起動すると、真空槽111内部に後述する原料ガスを導
入できるように構成されている。
【0004】真空槽111の内部底面には孔が設けら
れ、その孔内に中空円筒状の絶縁材115が鉛直に配置
されている。絶縁材115の中空内には、電流導入端子
114が鉛直に挿通されている。電流導入端子115の
上端部には金属板からなる試料ステージ116が固定さ
れている。他方、電流導入端子115の下端部は真空槽
111の外部に引き出されている。真空槽111外部に
は直流電源129が配置されており、真空槽111外部
に引き出された電流導入端子115の下端部はその直流
電源129に接続されている。
【0005】真空槽111は接地され、電流導入端子1
14は絶縁材115により真空槽111から絶縁されて
おり、直流電源129を起動すると、電流導入端子11
4に負の直流電圧が印加され、電流導入端子114と同
電位の試料ステージ116にも負の直流電圧が印加され
るように構成されている。
【0006】真空槽111の天井側には貫通孔が設けら
れ、その貫通孔上には石英板118が配置されている。
石英板118上には導波管119が設けられている。導
波管119の一端は、貫通孔及び石英板118の全部を
覆うように石英板118上に接続され、導波管119の
他端にはマイクロ波発生器121が接続されており、マ
イクロ波発生器121を起動するとマイクロ波が発生
し、そのマイクロ波は導波管119から石英板118を
介して、真空槽111内部に導入されるように構成され
ている。
【0007】上述した成膜装置101を用いて、ガラス
からなる基板上にカーボンナノチューブを成膜する成膜
方法について以下で説明する。このようにガラスからな
る基板を用いた場合には、その表面には直接カーボンナ
ノチューブが成長しないので、予め蒸着法等で、カーボ
ンナノチューブが成長する材料(以下で触媒材料と称す
る。)の薄膜を基板表面に成膜しておく。
【0008】最初に排気系112を起動して真空槽11
1内部を真空排気し、その真空状態を維持しながら上述
した基板を真空槽111内部に搬入し、試料ステージ1
16上に載置する。図3の符号117に、その基板を示
す。
【0009】次に、ガス導入系113を起動し、メタン
ガスと水素ガスの混合ガスである原料ガスを真空槽11
1内に導入して、真空槽111内部の圧力が約266P
a(2Torr)になるようにする。
【0010】次いで、マイクロ波発生器121を起動
し、石英板118及び貫通孔を介してマイクロ波を真空
槽111内に導入する。石英板118及び貫通孔は、基
板117の大きさより大きく形成されており、マイクロ
波は、基板117の表面全面に遍く照射される。する
と、マイクロ波により基板表面近傍のメタンガスと水素
ガスとが電離し、真空槽111内部にプラズマが発生す
る。プラズマが発生したら、直流電源129を起動し、
試料ステージ116に負の直流電圧を印加する。する
と、メタンガス中の炭素原子は、基板117表面に成膜
された触媒材料の薄膜の表面に付着し、カーボンナノチ
ューブが触媒材料の薄膜の表面に成長する。所望の量の
カーボンナノチューブが得られたら、直流電源129
と、ガス導入系113を停止させて成長を終了させる。
このようにして、カーボンナノチューブを得ることがで
きる。
【0011】しかしながら、上記従来の成膜方法で、大
面積の基板にカーボンナノチューブを成膜するには、大
面積の基板全面に遍くマイクロ波を照射する必要があ
る。そのためには、基板の大きさと同じ程度の大きな貫
通孔を真空槽111の天井側に設け、その上に貫通孔よ
り大きい石英板118を設け、さらに、石英板118の
全部を覆う太い導波管119を設けなければならなかっ
た。
【0012】また、石英板118は、メタンガスのプラ
ズマにより汚染されやすい。石英板118が汚染された
状態では、マイクロ波が十分に真空槽111内部に導入
されなくなり、ひどい場合には基板表面にカーボンナノ
チューブが成膜されなくなってしまうという問題も生じ
る。
【0013】また、基板の表面にカーボンナノチューブ
が成長しない場合には、上述したように予め基板の表面
に、カーボンナノチューブの触媒材料の薄膜を成膜して
おく必要があるが、触媒材料の成膜は、基板を上述した
成膜装置101の真空槽111内部に搬入する前に、別
の成膜装置で行わなければならず、最低二個の成膜装置
が必要になってしまっていた。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記従来技術
の不都合を解決するために創作されたものであり、その
目的は、大面積の基板にカーボンナノチューブを成膜す
ることを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1記載の発明は、真空槽と、前記真空槽内に
配置されたターゲットと、前記ターゲットと対向して前
記真空槽内に配置された基板ホルダとを用い、基板を前
記基板ホルダに保持させ、真空雰囲気にされた前記真空
槽の内部に炭素原子を含む原料ガスを導入して、前記基
板の表面にカーボンナノチューブを成膜する成膜方法で
あって、前記ターゲットをスパッタリングさせた後、前
記原料ガス雰囲気にされた前記真空槽の内部の、前記タ
ーゲットと前記基板ホルダとの間に交流電圧を印加して
いる。請求項2記載の発明は、請求項1記載の成膜方法
であって、前記ターゲットをスパッタリングさせる際
に、前記真空槽内部にスパッタガスを導入し、該スパッ
タガスで前記ターゲットをスパッタリングさせる。請求
項3記載の発明は、請求項1記載の成膜方法であって、
前記ターゲットをスパッタリングさせる際に、前記真空
槽内部に残留するガスで前記ターゲットをスパッタリン
グさせる。請求項4記載の発明は、請求項1乃至3のい
ずれか1項記載の成膜方法であって、前記原料ガスは、
メタンガスと水素ガスとの混合ガスである。
【0016】本発明の成膜方法によれば、まず、ターゲ
ットをスパッタリングさせて、基板表面にターゲットの
薄膜を成膜した後に、原料ガス雰囲気中で前記ターゲッ
トと基板ホルダとの間に交流電圧を印加している。
【0017】このとき、ターゲット材料として、カーボ
ンナノチューブの触媒材料を用いれば、基板表面に触媒
材料の薄膜を成膜することができる。その後、真空槽内
部を原料ガス雰囲気に置換して、原料ガス雰囲気中でタ
ーゲットと基板ホルダとの間に交流電圧を印加すると、
ターゲットと基板ホルダとの間にグロー放電が生じ、原
料ガスが電離して、成膜された触媒材料の薄膜上に、カ
ーボンナノチューブを成長させることができる。このよ
うに、真空槽内部で触媒材料の薄膜を成膜した後、引き
続いて同じ真空槽の内部でカーボンナノチューブを成膜
することができるので、マイクロ波を用いてカーボンナ
ノチューブを成膜していた従来と異なり、一個の装置で
触媒材料の薄膜と、カーボンナノチューブの薄膜との両
方を成膜することができる。
【0018】なお、本発明において、ターゲットをスパ
ッタリングさせる際には、真空槽内部に空気等のガスを
残留させ、真空槽内部に残留したガスでターゲットをス
パッタリングさせてもよい。このように構成することに
より、スパッタガスを真空槽11内部に導入する必要が
ない。
【0019】また、原料ガス雰囲気中でターゲットと基
板ホルダとの間に交流電圧を印加することで生じるグロ
ー放電はターゲットと基板ホルダとの間に生じ、ターゲ
ットと基板ホルダの面積を基板より大きくすれば、基板
の一表面の全部にカーボンナノチューブを成膜すること
ができる。従って、大面積の基板に成膜する場合でも、
大面積の基板の面積より大きいターゲットと基板ホルダ
を用いれば、簡単に大面積の基板上にカーボンナノチュ
ーブを成膜することが可能なので、マイクロ波を用いて
カーボンナノチューブを成膜していた従来と異なり、真
空槽の貫通孔と石英板を大きくし、導波管の径を太くし
なくとも、大面積の基板表面に容易にカーボンナノチュ
ーブを成膜することができる。
【0020】また、従来必要であった石英板を必要とし
ないので、原料ガスのプラズマが発生しても、従来のよ
うに石英板が汚染し、その汚染が原因でカーボンナノチ
ューブの成長が妨げられてしまうこともない。
【0021】また、本発明において、真空槽を接地して
もよい。このように構成すると、電極と、基板ホルダと
に互いに逆極性の電圧を印加することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下で図面を参照し、本発明の実
施形態について説明する。図1の符号1に、本発明の一
実施形態の成膜方法に用いられる成膜装置を示す。この
成膜装置1は、真空槽11を有している。真空槽11に
は、真空槽11外部に配置された排気系12が接続され
ており、排気系12を起動すると、真空槽11の内部を
真空排気することができるように構成されている。
【0023】真空槽11外部には、ガス導入系13が配
置されている。ガス導入系13は、三個のガスボンベ5
1〜533を有し、各ガスボンベ531〜533は配管に
より真空槽11に接続されている。各ガスボンベ531
〜533中にはそれぞれメタンガス、水素ガス、アルゴ
ンガスが入れられ、配管の途中にはマスフロコントロー
ラ521〜523が設けられており、メタンガス、水素ガ
ス、アルゴンガスは各マスフロコントローラ521〜5
3で流量が調整された後に、真空槽11内部に導入さ
れるように構成されている。
【0024】真空槽11の内部底面には載置台15が設
けられている。載置台15の表面には、本発明の基板ホ
ルダの一例である試料ステージ16が配置されている。
載置台15は絶縁材からなり、載置台15により試料ス
テージ16は真空槽11とは絶縁されている。試料ステ
ージ16の表面は平坦にされており、その表面に後述す
る基板を載置することができるようになっている。
【0025】載置台15の内部にはヒータ21が配置さ
れている。ヒータ21には、真空槽11外部に配置され
たヒータ電源22が接続されており、ヒータ電源22を
起動してヒータ21に通電すると、ヒータ21が発熱
し、試料ステージ16を昇温させられるようになってい
る。
【0026】真空槽11の内部天井側には、電極板18
が、真空槽11と絶縁された状態で試料ステージ16と
対向して配置されている。電極板18の、試料ステージ
16と対向する側の一表面には、ターゲット19が配置
されている。
【0027】真空槽11の外部には、高周波電源25が
配置され、高周波電源25には、上述した電極18と試
料ステージ16とが接続されている。真空槽11は接地
され、また上述したように電極18と試料ステージ16
とはともに真空槽11とは絶縁されており、高周波電源
25を起動すると、電極18と試料ステージ16とにそ
れぞれ電圧を印加することができるように構成されてい
る。
【0028】以上の構成の成膜装置1を用いて、ガラス
などの基板の表面にカーボンナノチューブを成膜する成
膜方法について以下で説明する。基板がガラスの場合に
は、基板表面には直接カーボンナノチューブが成長しな
いので、基板表面にカーボンナノチューブの触媒材料の
薄膜を成膜する工程と、その後触媒材料の薄膜上にカー
ボンナノチューブを成長させる工程との合計二段階の工
程を経て、カーボンナノチューブを成膜している。
【0029】最初に、触媒材料の薄膜を成膜する工程に
ついて説明する。まず、排気系12を起動して、真空槽
11内部を真空排気する。ここでは、真空槽11の内部
圧力が約1Paになるようにしている。
【0030】次に、真空槽11内部の圧力を維持しなが
ら基板を真空槽11内部に導入し、試料ステージ16上
に載置する。その状態の基板を図1の符号17に示す。
次に、ガス導入系13を起動し、スパッタガスを真空槽
11内に導入する。ここではスパッタガスとして流量1
0sccmのアルゴンガスを導入し、真空槽11内部の圧力
が約200Paになるようにしている。
【0031】この状態で高周波電源25を起動し、電極
18に負の電圧を印加する。すると、ターゲット19が
スパッタリングされ、基板17の表面に付着する。ター
ゲット19は、カーボンナノチューブの触媒材料で構成
されており、基板17の表面に、触媒材料の薄膜が成長
しはじめる。基板17の表面全面に触媒材料の薄膜が成
膜されたら、ガス導入系13によるアルゴンガスの導入
を停止する。以上までで、基板上に触媒材料の薄膜を成
膜する工程は終了する。なお、ここでは触媒材料として
ニッケルを用いている。
【0032】引き続いて、触媒材料の薄膜上にカーボン
ナノチューブを成膜する工程について説明する。アルゴ
ンガスの導入を停止させると、排気系12により、真空
槽11内部の圧力は低下する。真空槽11内部の圧力が
所定圧力になったら、ガス導入系13を起動し、メタン
ガスと水素ガスの混合ガスを原料ガスとして真空槽11
内に導入する。ここでは、真空槽11の内部が1.33
Pa(1×10-2Torr)になったら、メタンガスと水素ガ
スとをそれぞれ10sccm、20sccmずつ導入している。
【0033】こうして原料ガスが導入され、真空槽11
内部の圧力が成膜に適した圧力になったら、ヒータ21
に通電して試料ステージ16を昇温させ、基板17の温
度を成膜に適した温度まで昇温させる。ここでは約26
6Pa(2Torr)を成膜に適した圧力とし、成膜に適した
温度を約500℃としている。この状態で高周波電源2
5を起動し、試料ステージ16と、電極18とにそれぞ
れ電圧を印加する。
【0034】図2に、高周波電源25から試料ステージ
16に印加される電圧Vsと、電極18に印加される電
圧VTのタイミングチャートを示す。試料ステージ16
には、負電圧と0Vとが交互に所定時間t1、t2ずつ印
加されている。ここでは、負電圧を−1kVとし、所定
時間t1、t2をともに500μsとしている。
【0035】他方、電極18には、試料ステージ16に
負電圧が印加される時間t1には0Vが印加され、試料
ステージ16に0Vが印加される時間t2には、正電圧
が印加されている。ここでは、正電圧を+400Vとし
ている。
【0036】その結果、試料ステージ16と電極18と
には互いに逆極性の電圧が交互に印加され、試料ステー
ジ16と電極18との間にグロー放電が発生し、グロー
放電により原料ガスの混合ガスが電離する。電離した原
料ガス中の炭素原子が、基板17上の触媒材料の薄膜表
面に付着すると、カーボンナノチューブが触媒材料の薄
膜の表面に成長しはじめる。このとき、グロー放電は試
料ステージ16と電極18との間に生じ、試料ステージ
16と電極18との面積は基板17の面積より大きくさ
れており、グロー放電は基板17の全表面上に発生し
て、基板17の全面にカーボンナノチューブが成長し始
める。成長開始から30分程度経過したら、原料ガスの
導入を停止して、カーボンナノチューブの成長を終了さ
せる。以上により、カーボンナノチューブを成膜するこ
とができる。
【0037】以上説明したように本発明の成膜方法によ
れば、真空雰囲気にある真空槽内に、メタンガスと水素
ガスの混合ガスである原料ガスを導入した状態で、電極
と、基板ホルダとの間に交流電圧を印加して、真空槽内
部にグロー放電を生じさせ、基板上にカーボンナノチュ
ーブを成長させている。
【0038】上述したように、電極18と試料ステージ
16の面積を基板17の面積より大きくすれば、基板1
7の表面全部にカーボンナノチューブを成膜することが
できるので、大面積の基板の表面全面にカーボンナノチ
ューブを成膜する場合でも、電極18と試料ステージ1
6の面積を、大面積の基板の面積より大きくすればよ
い。従って、マイクロ波を用いてカーボンナノチューブ
を成膜していた従来と異なり、真空槽の貫通孔と石英板
を大きくしたり導波管の径を太くする必要がない。
【0039】また、従来の成膜装置のように石英板を必
要としないので、石英板の汚染が生じず、その汚染が原
因となってカーボンナノチューブの成長が妨げられるこ
ともない。
【0040】また、従来では、予め、触媒材料の薄膜を
基板表面に蒸着法などで成膜しておき、その後別の装置
でカーボンナノチューブを成膜していたので、蒸着装置
と、カーボンナノチューブの成膜装置との合計二個の装
置を必要としていたが、本実施形態では、カーボンナノ
チューブの成膜装置の内部で触媒材料の薄膜を基板表面
に成膜することができ、一個の装置で触媒材料とカーボ
ンナノチューブの薄膜を成膜することができる。
【0041】なお、上述した実施形態では、基板がガラ
ス等のように、その表面にカーボンナノチューブが成長
しない材料で構成されている場合について説明したが、
基板がニッケル等のように、カーボンナノチューブの触
媒材料で構成されるものとしてもよい。この場合には、
触媒材料の薄膜を成膜しなくとも、基板表面に直接カー
ボンナノチューブが成長するので、上述した基板表面に
カーボンナノチューブの触媒材料の薄膜を成膜する工程
が不要になる。
【0042】また、上述した実施形態では、カーボンナ
ノチューブを成長させる際の真空槽11内部の圧力が2
66Pa(2Torr)となるようにしたが、カーボンナノチ
ューブを成長させる際の本発明の真空槽11内部の圧力
はこれに限られるものではなく、266Pa(2Torr)以
上1333Pa(10Torr)以下の範囲であれば、カーボ
ンナノチューブを成長させることが可能である。
【0043】また、ヒータ21に通電して基板17を昇
温させる際に、基板17の温度が約500℃になるよう
にしているが、基板17の温度はこれに限られるもので
はなく、500℃以上700℃以下の範囲であればよ
い。
【0044】また、上述した実施形態ではカーボンナノ
チューブの触媒材料として、ニッケルを用いたが、本発
明の触媒材料はこれに限られるものではなく、カーボン
ナノチューブが表面に成長できる材料であればよく、例
えば、鉄やパーマロイ、ステンレスでもよい。
【0045】
【発明の効果】大面積の基板にもカーボンナノチューブ
を成膜することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の成膜方法に用いる成膜装置の構成を説
明する図
【図2】本発明の実施形態に係る薄膜形成方法で、ター
ゲットと基板ホルダとにそれぞれ印加される電圧の一例
を説明する電圧波形図
【図3】従来技術のマイクロ波を用いた成膜装置を説明
する図
【符号の説明】
1……成膜装置 11……真空槽 12……排気系
13……ガス導入系 16……試料ステージ(基
板ホルダ) 17……基板 18……電極 19……ターゲット 25……高周波電源
フロントページの続き (72)発明者 後藤 誠一 大阪府吹田市山田丘2−1 大阪大学大学 院工学研究科超高温理工学研究施設内 (72)発明者 木内 正人 大阪府池田市緑丘1丁目8番31号 独立行 政法人産業技術総合研究所関西センター内 (72)発明者 杉本 敏司 大阪府吹田市山田丘2−1 大阪大学大学 院工学研究科超高温理工学研究施設内 Fターム(参考) 4G046 CA01 CA02 CB00 CB03 CC06 4K029 AA09 BA12 BB02 CA05 DC35 4K030 AA09 AA17 BA27 BB13 CA06 FA03

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】真空槽と、前記真空槽内に配置されたター
    ゲットと、前記ターゲットと対向して前記真空槽内に配
    置された基板ホルダとを用い、 基板を前記基板ホルダに保持させ、真空雰囲気にされた
    前記真空槽の内部に炭素原子を含む原料ガスを導入し
    て、前記基板の表面にカーボンナノチューブを成膜する
    成膜方法であって、 前記ターゲットをスパッタリングさせた後、前記原料ガ
    ス雰囲気にされた前記真空槽の内部の、前記ターゲット
    と前記基板ホルダとの間に交流電圧を印加する成膜方
    法。
  2. 【請求項2】前記ターゲットをスパッタリングさせる際
    に、前記真空槽内部にスパッタガスを導入し、該スパッ
    タガスで前記ターゲットをスパッタリングさせる請求項
    1記載の成膜方法。
  3. 【請求項3】前記ターゲットをスパッタリングさせる際
    に、前記真空槽内部に残留するガスで前記ターゲットを
    スパッタリングさせる請求項1記載の成膜方法。
  4. 【請求項4】前記原料ガスは、メタンガスと水素ガスと
    の混合ガスである請求項1乃至3のいずれか1項記載の
    成膜方法。
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