JP2003137257A - 蓋付き紙容器及びそのプレス加工機 - Google Patents

蓋付き紙容器及びそのプレス加工機

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JP2003137257A
JP2003137257A JP2001335370A JP2001335370A JP2003137257A JP 2003137257 A JP2003137257 A JP 2003137257A JP 2001335370 A JP2001335370 A JP 2001335370A JP 2001335370 A JP2001335370 A JP 2001335370A JP 2003137257 A JP2003137257 A JP 2003137257A
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die
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JP2001335370A
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Tatsuya Mochida
達也 持田
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MA Aluminum Corp
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Mitsubishi Aluminum Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 経済的に原紙を切り出すことができ、食品を
収容して流通過程におくことが可能となる蓋付き紙容器
及びそのプレス加工機を提供する。 【解決手段】 外周にフランジ部6を具備する本体2
と、外周にフランジ部8を具備する蓋部3と、本体と蓋
部との間に配置され本体と蓋部とを連結するヒンジ部4
とを一体に備え、本体のフランジ部と蓋部のフランジ部
との形状は略同一であるとともに、本体と蓋部とがヒン
ジ部にて折り返されて、両フランジ部が重なり合うよう
に構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、蓋付き紙容器及び
その製造に使用されるプレス加工機に関する。
【0002】
【従来の技術】食品を収容するケースに蓋を一体に取り
付けた技術が実開平4−121214の明細書に開示さ
れている。ここでは、金属箔または紙部材をカップ状ま
たは舟形状に型押し成型してなる食品ケースにおいて、
ケース体の周縁の任意の個所にケース体の開口部を覆う
蓋片を一体に形成したことを特徴とする食品ケースが開
示されている。また、同明細書では、蓋が開かないよう
にするための留片をケース体の周縁であって蓋片が連結
されていない部分の反対側に一体に突設した食品ケース
が開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記技術にか
かる容器は、蓋により容器内に収容された食品にほこり
がかかるのを防止する程度の機能を有しているに過ぎ
ず、容器内に食品を収容して、保存するような場合、た
とえば冷凍食品などを収容して流通過程におくような用
途に使用する場合、十分な機能を有しているとは言えな
かった。また、留片を蓋の先端にのみ設けると、一枚の
原材料紙から多数の原紙を切り出す場合に経済性に問題
があった。
【0004】そこで、本発明は、経済的に原紙を切り出
すことができ、食品を収容して流通過程におくことが可
能となる蓋付き紙容器及びそのプレス加工機を提供する
ことを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】以下、本発明について説
明する。なお、本発明の理解を容易にするために添付図
面の参照符号を括弧書きにて付記するが、それにより本
発明が図示の形態に限定されるものではない。
【0006】前記課題を解決するために、本発明の第一
態様である蓋付き紙容器(1)は、外周にフランジ部
(6)を具備する本体(2)と、外周にフランジ部
(8)を具備する蓋部(3)と、本体と蓋部との間に配
置され本体と蓋部とを連結するヒンジ部(4)とを一体
に備え、本体のフランジ部と蓋部のフランジ部との形状
は略同一であるとともに、本体と蓋部とがヒンジ部にて
折り返されて、両フランジ部が重なり合うように構成さ
れている。
【0007】このようにすれば、本体フランジ部のなす
平面と、蓋部フランジ部のなす平面とを重ね合わせて、
必要により密着することができる。すなわち、この両面
を接着、ラミネート等することにより容器の内部の密閉
を図ることができる。したがって、上部に蓋をかぶせて
ほこり等から容器内部の収容物を保護するといった方法
から一歩踏み込み、本体及び蓋部の外周に設けたフラン
ジ部により積極的に外部塵埃等が容器内部へ侵入するの
を防止して、内部収容物の保護を図ることができる。
【0008】上記態様において、蓋部には両フランジ部
が重ね合わされたときに、本体側に嵌入する凹部(7)
が形成されていることとしてもよい。
【0009】このようにした場合には、蓋部自体に凹凸
が形成されるので機械的強度が増し、また蓋部と本体と
が嵌合することになるので、本体に対する蓋部の納まり
がよい。また、嵌合部分が密着することにより前記密閉
効果を高めることができる。さらに、本体と蓋部とが嵌
合することで、容器全体としての強度を高めることがで
きる。
【0010】また、上記態様で、蓋部には、両フランジ
部が重ね合わされた姿勢において、本体とは反対方向に
突出する凸部が形成されていることとしてもよい。
【0011】このようにした場合にも、蓋部自体に凹凸
が形成されるので機械的強度が増し、また、容器全体と
しての容積を増すことができる。
【0012】また、上記態様において、本体フランジ部
の外周にはさらに縁巻き部(50)が形成されているこ
ととしてもよい。
【0013】このようにすれば、フランジ部の強度を高
めることができ、また見た目にも高級感が生じるので、
蓋付き紙容器の商品価値を高めることができる。
【0014】さらに上記諸態様において、蓋部のフラン
ジ部外周には少なくともひとつの留片(39〜41)が
一体に形成されており、成型前の原紙の状態において、
ヒンジ部にて本体側に折り返された留片の先端部分は、
本体部分のフランジ部外周に略一致するように構成して
もよい。
【0015】このように構成した場合には、各蓋付き紙
容器の原紙を原材料紙から効率よく切り出すことができ
るので、資材費のコストダウンを図ることができる。さ
らに容器の平面形状を略四辺形にすれば、さらに効率よ
く原紙を原材料紙から切り出すことができる 本発明の第二の態様では、外周にフランジ部を具備する
本体と、外周にフランジ部を具備する本体の蓋部と、本
体と蓋部との間に配置され本体と蓋部とを連結するヒン
ジ部とを一体に備え、本体のフランジ部と蓋部のフラン
ジ部との形状は略同一であるとともに、本体と蓋部とが
ヒンジ部にて折り返されて、両フランジ部が重なり合う
ように構成された蓋付き紙容器(1)を、原紙(9)か
ら一回のプレスにて成型するプレス加工機(P)であっ
て、本体フランジ部の一面に当接される第一の型(2
9)と、第一の型の内周側に配置され本体の内面に当接
される第二の型(28)と、本体の外面及びそのフラン
ジ部の他の一面に当接される第三の型(17)と、蓋部
を成型する雌雄一対の型(18、27)とを備え、第一
の型および第三の型はそれぞれ雌雄一対の型に隣接して
配置され、第一の型をプレス加工機基部に取り付ける緩
衝機構に所定量のひずみを生じさせる力をP1、第二の
型を基部に取り付ける緩衝機構に前記所定量のひずみを
生じさせる力をP2、第三の型を基部に対向する側の基
部に取り付ける緩衝機構に前記所定量のひずみを生じさ
せる力をP3としたとき、 P1<P2≦P3 となるように各緩衝機構を構成することにより、本体に
続いて蓋部の成型をすることを特徴とするプレス加工機
を提供して前記課題を解決する。ここに力P1〜3は、
たとえば緩衝機構がばねで構成され、前記所定量のひず
みをa、当該ばねのばね定数をk、としたとき P=ak により与えられるものをいう。したがって力P1〜3
は、緩衝機構がばねで構成されている場合、各ばねのば
ね定数に比例する。
【0016】このプレス加工機によれば、本体と蓋部と
が同時に成型されることはないので、本体を形成すべき
原紙の部分と、蓋部を形成すべき原紙の部分とが互いを
引き合って破断されるような事態が回避される。また、
本体と蓋部とがわずか一回のプレス加工により成型され
るので、加工費用のコストダウンに資することができ
る。
【0017】本発明のこのような作用及び利得は、次に
説明する実施の形態から明らかにされる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下本発明を図面に示す実施形態
に基づき説明する。
【0019】図1は、第一実施形態の蓋付き紙容器1を
示す斜視図である。また、図2は、図1に示される蓋付
き紙容器1のII−II線矢視断面図である。この第一実施
形態の蓋付き紙容器1は、本体2と蓋部3とを備え、本
体2と蓋部3とは、ヒンジ部4にて連結され、一体に形
成されている。本体2は、その内側に内容物を収容でき
るように凹形状に形成された容器部5と、容器部5の外
周に使用状態において略水平に周設されたフランジ部6
とを備えている。また、蓋部3は、ヒンジ部4にて折り
返された際に本体2の容器部5の上部に嵌入するように
形成された凹部7と、凹部7の外周に周設されたフラン
ジ部8とを備えている。本体のフランジ部6と蓋部のフ
ランジ部8とは、前述したヒンジ部4にて連結されてい
る。図1及び2からも明らかなように、本体のフランジ
部6と蓋部のフランジ部8とは略同一形状に形成されて
いる。したがって、ヒンジ部8にて蓋部3を本体2側に
折り返すことにより、両フランジ部6、8は、重ね合わ
せることができる。
【0020】このような蓋付き紙容器1は、所定形状に
切断された原紙をプレス成型して得られるものである。
図3は、このような成型前の原紙の一例を示す図であ
る。この原紙9は、原紙本体部10と原紙蓋部11とが
原紙ヒンジ部12を介して一体の形状を有している。原
紙本体部10と原紙蓋部11の各コーナー部分にはプレ
ス成型の際にしわの形成が偏りなく一様に行われるよう
にそれぞれの中心部に向けて放射状の押し罫13、1
3、13、・・・が形成されている。この原紙9は、一
枚の大きな原材料紙から切り出された複数の原紙の一枚
であり、通常原材料紙の厚さは、200〜500g/m
の範囲から選定される。原紙の厚さがこの範囲以下で
あると成型後の形状安定性に不安があり、また容器とし
ての強度自体も不足するような場合が多い。逆に原紙の
厚さがこの範囲以上に厚くなると成型が困難となり、破
断等が生じやすくなる傾向が認められる。また、この範
囲より厚くなるとコストも上昇するので不利である。
【0021】また、使用される蓋付き紙容器1の用途に
より、必要に応じて適宜、外面となるべき面には印刷が
施され、またワックス、樹脂のコーティングが行われ
る。また、内面となるべき面には必要に応じて適宜、ワ
ックスや樹脂のコーティングが行われいる。さらに必要
に応じて、片面又は両面に樹脂フィルム等を貼り合せた
紙を使用してもよい。
【0022】このような原紙9をプレス成型して蓋付き
紙容器1を成型するには、原紙9を上下の型の間に配置
し、蓋付き紙容器1の上下の面が逆型に彫られた上下の
型を圧着させて、原紙9を所定形状に成型する方法がと
られる。
【0023】図4は、上型を示す斜視図である。図4
は、実際にプレス成型が行われる際の上型の姿勢を上下
逆に表している。すなわち、図4で上面として示されて
いる面が実際のプレス加工機には下向となるように取り
付けられる。この上型14は、ベース15と、ベース1
5に取り付けられた座16と、座16上に互いに隣接し
て取り付けられた本体部上型(第三の型)17及び蓋部
上型18とを備えている。本体部上型17は、凹部とし
て形成され、容器部5の下面に当接されるべき容器部下
面当接面20と、前記凹部の淵の外周に沿って周設さ
れ、フランジ部6の下面に当接されるべきフランジ部下
面当接面19とを備えている。また、蓋部上型18は、
凹部7の下面(蓋付き紙容器が展開された姿勢、すなわ
ち図1に示された姿勢における下面である。以下のプレ
ス成型に関する説明において同様の前提により説明す
る。)に当接されるべき凹部下面当接面21と、フラン
ジ部8の下面に当接されるべきフランジ部下面当接面2
2とを備えている。
【0024】図5は、下型を示す斜視図である。この下
型23は、ベース24と、ベース24に取り付けられた
座25と、座25上に互いに隣接して取り付けられた本
体部下型26及び蓋部下型27とを備えている。本体部
下型26は、凸部として形成され容器部5の内面に当接
されるべき中型(第二の型)28と、中型28の外周に
所定の間隔をもって設けられた環状の外周型(第一の
型)29とを備えている。外周型29の内周側にはフラ
ンジ部6の上面に当接されるべきフランジ部上面当接面
30が設けられている。また、蓋部下型27は、凹部7
の上面に当接されるべき凹部上面当接面31と、フラン
ジ部8の上面に当接されるべきフランジ部上面当接面3
2とを備えている。
【0025】以上に説明した上型と下型とを対向させ
て、油圧シリンダ等の機構を取り付けて、プレス加工機
を構成することができる。いずれか一方の型は固定して
もよくまたは両者に油圧シリンダ等を取り付けてもよ
い。二つの型を縦方向に配置してもよく、また、横方向
に配置してもよい。
【0026】図6は、このような二つの型を縦方向に配
置したプレス加工機Pの断面を示す図である。上型14
の部分は図4における垂直面によるVIA−VIA線矢視断面
を示している。また、下型23の部分は図5における垂
直面によるVIB−VIB線矢視断面を示している。本実施形
態においては、下型23のベース24は固定されてお
り、上型14はそのベース15の上面が上下方向に伸縮
可能な油圧シリンダのシリンダロッド(不図示)下端に
取り付けられている。
【0027】図4および図5では斜視図のために表され
ていなかったが、外周型29は、第一緩衝機構33を介
して、また、中型28は第二緩衝機構34を介してそれ
ぞれベース24に取り付けられている。また、本体部上
型17は、第三緩衝機構35を介してベース15に取り
付けられている。ここに、第一緩衝機構33に所定量の
ひずみを生じさせる力をP1、第二緩衝機構34に前記
所定量のひずみを生じさせる力をP2、第三緩衝機構3
5に前記所定量のひずみを生じさせる力をP3としたと
き、 P1<P2<P3 なる関係が成立するように各緩衝機構の硬さが設定され
ている。また、それぞれの緩衝機構33〜35に対応し
て、各型がベース15、24に対して垂直方向に相対移
動可能なように、それぞれに第1摺動機構36、第二摺
動機構37、第三摺動機構38が設けられている。各緩
衝機構及び摺動機構は、それぞれの型に適宜3組から4
組ずつ取り付けられている。緩衝機構はばねや、エアダ
ンパー、油圧ダンパー等で構成することができる。
【0028】図6は、プレス加工機Pの上死点における
姿勢を示しており、この姿勢においては、上下の型1
4、23の間に水平面が入り込むことができる隙間が存
在し得る。この状態にて、原紙9を所定の位置決めをし
た上で下型23上に載置する。
【0029】図7〜10は、図6の上死点の位置から油
圧シリンダのシリンダロッドを下方に伸長させて、上下
の型14、23を次第に近接させつつ蓋付き紙容器1を
成型してゆく様子を連続的に示したものである。各図は
加工中のプレス加工機の上下の型の位置を示す断面図で
ある。
【0030】図6の上死点から、上型14が下降してく
ると、まず本体上部上型17のフランジ部下面当接面1
9と、外周型29のフランジ部上面当接面30とが上下
から環状に原紙9を圧縮する(図7参照)。この状態に
おいては、シリンダロッドの下方への圧縮力は、上方か
ら下方に向かって、ベース15、第三緩衝機構35、本
体上部上型17、外周型29、第一緩衝機構33の順に
下部に固定されているベース24へと伝えられる。
【0031】さらにシリンダロッドを下方に伸張させる
と、ベース24は固定されているので、上下の第三緩衝
機構35と第一緩衝機構33との押し合いとなり、反発
力の小さな第一緩衝機構33が縮小される。そして上型
14全体と外周型29が下降されて、ついには本体部上
型17の凹部に中型28が嵌入して密着する(図8参
照)。図8の状態において、本体上部上型17、外周型
29及び中型28はすでに一体となっているので、さら
にシリンダロッドを下方に伸張させると、第三緩衝機構
35と、第二緩衝機構34との押し合いとなる。第三緩
衝機構35の反発力P3は、第二緩衝機構34の反発力
P2より大であるので、シリンダロッドの下方への伸張
により、第二緩衝機構34が先に縮小される。そして上
型14全体並びに外周型29及び中型28が下降され、
ついには外周型29及び中型28の下面は座25の上面
に当接され、これ以上第二緩衝機構34が縮小されるこ
とのない位置まで達する(図9参照)。
【0032】この状態からさらにシリンダロッドを下方
へ伸張させると、第三緩衝機構35が縮小し、蓋部上型
18の凹部下面当接面21と蓋部下型27の凹部上面当
接面31とが密着する位置まで接近し(図10参照)、
プレス成型は終了する。すなわち図10はプレス加工機
Pの下死点の姿勢を示すものである。
【0033】次に上記プレス加工の間に原紙9がどのよ
うに変形されるかについて簡単に説明する。図6の状態
において一枚の平面であった原紙9は、シリンダロッド
が伸張されることにより、図7の状態においては、本体
上型17と外周型29とにより上下から環状に挟持さ
れ、その一部は中型28の上面に当接されている。この
状態からさらにシリンダロッドが伸張されると、本体部
上型17と中型28とが密着して容器部5とフランジ部
6とからなる本体2がこの時点においてすでに形成され
ている(図8参照)。この姿勢から、さらに図9に示さ
れる姿勢にまでプレスが継続され、上記本体2の形状が
固定される。さらにこの姿勢からシリンダロッドが伸張
されると、蓋部上型18と蓋部下型27とが密着され
て、蓋部3が形成される。
【0034】一般に、このような紙容器を雌雄の型を利
用してプレス成型する場合、成型が進行するにつれて原
紙の周辺部は容器中央部方向に引き込まれてゆく。した
がって、本実施形態における原紙9において、本体2と
蓋部3とを同時に成型すると、両側から引っ張られて、
原紙ヒンジ部12が破断されてしまう場合がある。しか
し、本実施形態のプレス加工機Pによれば、まず始めに
変形量の大きな本体2の成型が行われ、しかる後に比較
的変形量の小さな蓋部3の成型が行われるので、両者が
引き合って原紙が破断されるような事態が回避される。
しかも、容器部5の成型中はフランジ部下面当接面22
とフランジ部上面当接面30とにより、容器部5を形成
すべき部分の周囲が一定の力(主に第一緩衝機構33の
反力)によって環状に拘束されているので、偏りなく一
様な成型を実現することができる。
【0035】なお、以上の実施形態においては、第二緩
衝機構に所定量のひずみを生じさせる力P2と、第三緩
衝機構に所定量のひずみを生じさせる力P3とが、 P2<P3 なる関係を有する場合について説明してきたが、 P2=P3 の場合であっても、本体2の後に蓋部3が成型されるの
で、上記したものと同様の作用効果を得ることができ
る。
【0036】また、各金型には、紙容器の成型性を高め
るために内部にヒーターが設けられている。このヒータ
ーによって、各金型は加工前に80〜180℃に余熱さ
れ、加工中もこの温度に保たれる。したがって成型され
る原紙も金型と同程度の温度まで加温されるので、成型
後の蓋付き紙容器の形状保持性を高めることができる。
【0037】図11は、第二実施形態の蓋付き紙容器を
示す斜視図である。この蓋付き紙容器101には、蓋部
103のフランジ部の外周3箇所に留片39、40、4
1が設けられている。本体102の上面に蓋部103を
かぶせたときにこれらの留片39、40、41を、下側
に折り返して本体のフランジ部106の下面に密着させ
ることにより蓋部103を本体102により強固に密着
させることができる。
【0038】図12は、蓋付き紙容器101の成型前の
原紙42を示す図である。原紙42は、原紙本体部43
と原紙蓋部44とが原紙ヒンジ部48を介して一体とな
っている。原紙本体部43と原紙蓋部44の各コーナー
部分にはプレス成型の際にしわが偏りなく一様に形成さ
れるように放射状の押し罫49、49、49、・・・が
形成されている。原紙蓋部44の3辺には留片45、4
6、47が形成されている。各留片の先端を結ぶ形状
(図の一点差線で示される部分)は、原紙本体部43の
幅にほぼ等しく設定されている。このように設定するこ
とにより、一枚の大きな原材料紙から多数の原紙を効率
よく経済的に切り出すことができる。
【0039】図13は、本発明の実施形態の変形例を示
す図である。各図は本発明にかかる蓋付き紙容器の垂直
断面図を表している。(a)は、上記した第一実施形態
の蓋付き紙容器1を示すものである。また、(b)は、
第一実施形態の蓋付き紙容器1の本体フランジ部6のヒ
ンジ部4を除く外周部分に縁巻き50を形成した例を示
すものである。このような縁巻きを形成することによ
り、容器内に収容する内容物が水分を含むものであって
も、フランジ部6の先端の部分から水分を吸収して膨潤
し、容器本体2の機械的強度が低下することが防止され
る。またこのような縁巻きにより蓋付き紙容器の外観に
高級感を与えることができる。図14に、縁巻きなしの
蓋付き紙容器1と縁巻きを設けた蓋付き紙容器201の
外観を比較して斜視図で示す。
【0040】図13(c)は、蓋部3の凹部7を逆方向
に凸部として設けた例を示している。このような構成を
とることにより容器本体の内容積を増やすことができ
る。(d)は、蓋部フランジ部の外周にさらに下方への
折り返し部を設けた例を示すものである。このように構
成することにより、本体部と蓋部との密着をより強固な
ものとすることができる。(e)は、蓋部を平面上に形
成したもので、このように構成した場合には蓋部の機械
的強度は低下するが、蓋部を成型する必要がないので、
プレス成型機の構成を簡略なものとすることができる。
(f)は、蓋部に縁巻きを、(g)は容器本体及び蓋部
に縁巻きを設けた例を示している。このようにすること
により、蓋部が本体から外れにくくなるという利点があ
る。また、蓋部自体の強度が増し、また外観に高級感を
与えることができる。
【0041】変形例として、蓋部のフランジ部の幅を本
体のフランジ部より小さく形成し、本体フランジ部にス
リットを形成して、そのスリットに蓋部の留片を差し入
れられるように構成してもよい。このようにすることに
より蓋部を本体に堅固に固定することができる。
【0042】以上、現時点において、もっとも、実践的
であり、かつ、好ましいと思われる実施形態に関連して
本発明を説明したが、本発明は、本願明細書中に開示さ
れた実施形態に限定されるものではなく、請求の範囲お
よび明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に
反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を
伴う蓋付き紙容器及びそのプレス加工機もまた本発明の
技術的範囲に包含されるものとして理解されなければな
らない。
【0043】
【発明の効果】以上に説明したように、外周にフランジ
部を具備する本体と、外周にフランジ部を具備する蓋部
と、本体と蓋部との間に配置され本体と蓋部とを連結す
るヒンジ部とを一体に備え、本体のフランジ部と蓋部の
フランジ部との形状は略同一であるとともに、本体と蓋
部とがヒンジ部にて折り返されて、両フランジ部が重な
り合うように構成されている蓋付き紙容器によれば、本
体フランジ部のなす平面と、蓋部フランジ部のなす平面
とを重ね合わせて、必要により密着することができる。
すなわち、この両面を接着、ラミネート等することによ
り容器の内部の密閉を図ることができる。したがって、
上部に蓋をかぶせてほこり等から容器内部の収容物を保
護するといった方法から一歩踏み込み、本体及び蓋部の
外周に設けたフランジ部により積極的に外部塵埃等が容
器内部へ侵入するのを防止して、内部収容物の保護を図
ることができる。
【0044】上記態様において、蓋部には両フランジ部
が重ね合わされたときに、本体側に嵌入する凹部が形成
されていることとした場合には、蓋部自体に凹凸が形成
されるので機械的強度が増し、また蓋部と本体とが嵌合
することになるので、本体に対する蓋部の納まりがよ
い。また、容器全体としての強度を高めることができ
る。
【0045】また、上記態様で、蓋部には、両フランジ
部が重ね合わされた姿勢において、本体とは反対方向に
突出する凸部が形成されていることとした場合にも、蓋
部自体に凹凸が形成されるので機械的強度が増し、ま
た、容器全体としての容積を増すことができる。
【0046】また、上記態様において、本体フランジ部
の外周にはさらに縁巻き部が形成されているようにすれ
ば、フランジ部の強度を高めることができ、また見た目
にも高級感が生じるので、蓋付き紙容器の商品価値を高
めることができる。
【0047】さらに上記諸態様において、蓋部のフラン
ジ部外周には少なくともひとつの留片が一体に形成され
ており、成型前の原紙の状態において、ヒンジ部にて本
体側に折り返された留片の先端部分は、本体部分のフラ
ンジ部外周に略一致するように構成した場合には、各蓋
付き紙容器の原紙を原材料紙から効率よく切り出すこと
ができるので、資材費のコストダウンを図ることができ
る。
【0048】また、外周にフランジ部を具備する本体
と、外周にフランジ部を具備する本体の蓋部と、本体と
蓋部との間に配置され本体と蓋部とを連結するヒンジ部
とを一体に備え、本体のフランジ部と蓋部のフランジ部
との形状は略同一であるとともに、本体と蓋部とがヒン
ジ部にて折り返されて、両フランジ部が重なり合うよう
に構成された蓋付き紙容器を、原紙から一回のプレスに
て成型するプレス加工機であって、本体フランジ部の一
面に当接される第一の型と、第一の型の内周側に配置さ
れ本体の内面に当接される第二の型と、本体の外面及び
そのフランジ部の他の一面に当接される第三の型と、蓋
部を成型する雌雄一対の型とを備え、第一の型および第
三の型はそれぞれ雌雄一対の型に隣接して配置され、第
一の型をプレス加工機基部に取り付ける緩衝機構に所定
量のひずみを生じさせる力をP1、第二の型を基部に取
り付ける緩衝機構に前記所定量のひずみを生じさせる力
をP2、第三の型を基部に対向する側の基部に取り付け
る緩衝機構に前記所定量のひずみを生じさせる力をP3
としたとき、P1<P2≦P3となるように各緩衝機構
を構成することにより、本体に続いて蓋部の成型をする
ことを特徴とするプレス加工機によれば、本体と蓋部と
が同時に成型されることはないので、本体を形成すべき
原紙の部分と、蓋部を形成すべき原紙の部分とが互いを
引き合って破断されるような事態が回避される。
【図面の簡単な説明】
【図1】第一実施形態の蓋付き紙容器を示す斜視図であ
る。
【図2】図1に示される蓋付き紙容器のII−II線矢視断
面図である。
【図3】第一実施形態の蓋付き紙容器の成型前の原紙を
示す図である。
【図4】上型を示す斜視図である。
【図5】下型を示す斜視図である。
【図6】上死点におけるプレス加工機を示す断面図であ
る。
【図7】加工中のプレス加工機の一姿勢を示す断面図で
ある。
【図8】加工中のプレス加工機の他の一姿勢を示す断面
図である。
【図9】加工中のプレス加工機のさらに他の一姿勢を示
す断面図である。
【図10】下死点におけるプレス加工機を示す断面図で
ある。
【図11】第二実施形態の蓋付き紙容器を示す斜視図で
ある。
【図12】第二実施形態の蓋付き紙容器の成型前の原紙
を示す図である。
【図13】実施形態の変形例を示す図である。
【図14】縁巻きなしの蓋付き紙容器と縁巻きを設けた
蓋付き紙容器の外観を比較して示した斜視図である。
【符号の説明】
P プレス加工機 1 蓋付き紙容器 2 本体 3 蓋部 4 ヒンジ部 6 フランジ部 7 凹部 8 フランジ部 9 原紙 15 ベース 17 本体部上型(第三の型) 18 蓋部上型 24 ベース 27 蓋部下型 28 中型(第二の型) 29 外周型(第三の型) 33 第一緩衝機構 34 第二緩衝機構 35 第三緩衝機構 39 第一留片(留片) 40 第二留片(留片) 41 第三留片(留片) 50 縁巻き(縁巻き部)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外周にフランジ部を具備する本体と、外
    周にフランジ部を具備する前記本体の蓋部と、前記本体
    と前記蓋部との間に配置され前記本体と前記蓋部とを連
    結するヒンジ部とを一体に備え、 前記本体のフランジ部と前記蓋部のフランジ部との形状
    は略同一であるとともに、前記本体と前記蓋部とが前記
    ヒンジ部にて折り返されて、前記両フランジ部が重なり
    合うように構成された蓋付き紙容器。
  2. 【請求項2】 外周にフランジ部を具備する本体と、外
    周にフランジ部を具備する前記本体の蓋部と、前記本体
    と前記蓋部との間に配置され前記本体と前記蓋部とを連
    結するヒンジ部とを一体に備え、前記本体のフランジ部
    と前記蓋部のフランジ部との形状は略同一であるととも
    に、前記本体と前記蓋部とが前記ヒンジ部にて折り返さ
    れて、前記両フランジ部が重なり合うように構成された
    蓋付き紙容器を、原紙から一回のプレスにて成型するプ
    レス加工機であって、 前記本体フランジ部の一面に当接される第一の型と、前
    記第一の型の内周側に配置され、前記本体の内面に当接
    される第二の型と、前記本体の外面及びその前記フラン
    ジ部の他の一面に当接される第三の型と、前記蓋部を成
    型する雌雄一対の型とを備え、 前記第一の型および前記第三の型はそれぞれ前記雌雄一
    対の型に隣接して配置され、 前記第一の型を前記プレス加工機基部に取り付ける緩衝
    機構に所定量のひずみを生じさせる力をP1、前記第二
    の型を前記基部に取り付ける緩衝機構に前記所定量のひ
    ずみを生じさせる力をP2、前記第三の型を前記基部に
    対向する側の基部に取り付ける緩衝機構に前記所定量の
    ひずみを生じさせる力をP3としたとき、 P1<P2≦P3 となるように各緩衝機構を構成することにより、前記本
    体に続いて前記蓋部の成型をすることを特徴とするプレ
    ス加工機。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006131290A (ja) * 2004-11-09 2006-05-25 Eiichi Shimomura 板紙製蓋付成型容器とその成型方法及び成型装置
JP2018034820A (ja) * 2016-08-30 2018-03-08 東洋アルミエコープロダクツ株式会社 紙製蓋及び紙製蓋付容器

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