JP2003137094A - 鉄道車両の排障板支持構造 - Google Patents
鉄道車両の排障板支持構造Info
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Abstract
提供する。 【解決手段】排障板1の後側に衝撃吸収用パイプ部材5
を配設し、その後端部を、車体台枠に取り付けられるエ
ネルギー吸収要素支持装置(支持部材6,7L,7R,
8L,8R)に連結する。排障板1の左右側部の上縁部
を、車体前頭部のクラッシュゾーンSより後方でかつ前
記エネルギー吸収要素支持装置の側方位置で、排障板支
持装置によって車体台枠に支持させる。
Description
道車両の排障板支持構造に関する。
えば100kg程度までの重量を有する障害物)をまき
こまずに脇に排障あるいは跳ね飛ばすために、車両前頭
部に排障装置を設けることは一般に行われている。ま
た、そのような排障装置は、障害物をまきこまずに脇に
排障あるいは跳ね飛ばす際に、車体の損傷をできるだけ
軽微に抑えることが要求されるので、衝突の際に、衝突
エネルギーの影響を受けにくい構造とする必要がある。
そのため、車両前部に変形しにくい物体を配置し、緩衝
装置を介して車体に接続させる構造が一般的である。
に、走行方向前方に凸に湾曲した鋼製の排障板101の
後方に、前記排障板101に沿うようにして板厚程度の
間隔を存して複数枚の板ばね102aを重ねた緩衝板1
02を設け、排障板101の変形で吸収しきれなかった
エネルギーは、緩衝板102で吸収する構造としたもの
が知られている。前記緩衝板102は緩衝板支持装置1
03及び取付座104を介して車体台枠105(図7参
照)に取り付けられている。また、排障板101は、左
右の両側部が取付座106を介して車体台枠105に取
り付けられている。なお、107は排障板102の落下
防止金具である。
大きくなる衝突エネルギーに対応するため必要とする板
厚が増加し、排障板101が車体台枠105より厚い鋼
板になっている。そのため、障害物と衝突した場合には
排障板101が変形しにくく、車体に大きな衝撃荷重を
与えることとなっている。
大きく軽量で車体への衝撃荷重を極力緩和した排障装置
として、例えば特開2001−55141号公報に記載
されるように、走行方向前方に凸に湾曲した形状を有す
る鋼製の排障板の両辺を横はりで連結し、前記排障板の
軌道方向中心線上で排障板と横はりとの間に、中空形状
のアルミニウム合金製形材を用いた構造が提案されてい
る。
は、前述したように線路上の障害物を排障することが目
的であり、排障板(前頭スカート)は、車体台枠の側は
りに強固に固定されているので、実際の車両同士の衝突
を考えた場合には、車体前頭部の強度が必要以上に高く
なる。そのため、やはり衝突時の衝撃が大きくなりす
ぎ、場合によっては車体前頭部が破壊するより先に前頭
部排障装置の後側に位置する運転室が破壊されるおそれ
もあり、そのような事態は乗員にとって好ましくなく、
耐衝突性に劣るといえる。ここで、「耐衝突性」とは、
乗員の生存区間(サバイバルゾーン)を確保することが
でき、乗員への衝撃が緩和されることを意味する。
で、耐衝突性に優れる鉄道車両の排障板支持構造を提供
することを目的とする。
中に軌道上の障害物を排除する排障板を車体台枠に支持
する鉄道車両の排障板支持構造であって、前記排障板の
前頭部の後側に、車両前後方向に延びるエネルギー吸収
要素が配設され、このエネルギー吸収要素の後端部が、
エネルギー吸収要素支持装置を介して前記車体台枠に取
り付けられる一方、前記排障板の左右側部の上縁部が、
前記エネルギー吸収要素支持装置の側方位置で前記車体
台枠に支持されている構成とする。ここで、エネルギー
吸収要素としては、特に制限されず、例えば角筒状のパ
イプ材などのピーク荷重が低く平均反力が高いエネルギ
ー吸収要素であれば周知のものを用いることができる。
想定した場合、予め設計段階において、衝突の各種要素
を考慮して車体前頭部のクラッシュゾーンの長さが決定
されるが、クラッシュゾーンでは、排障板を支持する強
固な部材が必要なくなり、排障板の拘束が緩和されるた
め、クラッシュゾーンの破壊時のピーク荷重を低く抑え
ることができる。一方、排障板の前頭部の後側に、車両
前後方向に延びる、ピーク荷重が低く平均反力が高いエ
ネルギー吸収要素を配設することで、衝突エネルギーの
吸収がエネルギー吸収要素で補われる。そのため、単に
排障板を設けているだけの場合に比べて、衝突エネルギ
ーの吸収性能を高め、乗員への衝撃が緩和される。ま
た、本来の排障装置の目的である、障害物を排除する際
に必要な吸収エネルギーの多くの部分をこのエネルギー
吸収要素が負担するため、障害物排障時の衝撃も緩和さ
れることになる。
に排除する排障板に必要以上に大きな衝突エネルギーが
作用した場合には、エネルギー吸収要素によって吸収さ
れ、乗員への衝撃が緩和される。
側部の上縁部が、運転室の位置より前方部位において、
排障板支持装置を介して車体台枠に取り付けられている
ことが望ましい。
よりも後方に、運転室を含む乗員の生存区間(サバイバ
ルゾーン)を位置させることで、衝突時に運転室まで圧
壊するのを回避して、乗員の生存区間を確保することが
できる。すなわち、エネルギー吸収要素による衝突エネ
ルギーの吸収は、運転室より前方に離れたクラッシュゾ
ーンにおいて行われるので、乗員の生存区間(サバイバ
ルゾーン)が確保されると共に、乗員への衝撃が緩和さ
れる。
部になるほど前方あるいは側方に位置するように傾斜す
る形状とされ、前頭部の上縁部付近にほぼ直方体形状の
ブロックが取り付けられ、このブロックの前面の略鉛直
下方に、前記排障板の前頭部の下縁部が位置しているこ
とが望ましい。
部付近にほぼ直方体形状のブロックを取り付け、ブロッ
クの前面の略鉛直下方に前記排障板の前頭部の下縁部が
位置するようにしているので、車両同士の衝突の際に、
排障板の上側部分(ブロック)と下側部分とが同時に衝
突するようになる。よって、排障板のすくい角により生
ずる上下方向の荷重が低減されて、排障板の圧壊変形が
車両前後方向に生じるように安定させることができる。
面に沿って説明する。
構造を示す側面図、図2は同平面図である。
上の障害物を排除する排障板1は、馬蹄形状に曲げられ
た形状で、前頭部1Aと、その左右両端より後方に延び
る左右側部1B,1Cとにより構成される。前記排障板
1の左右側部1B,1Cの上縁部が、複数の排障板吊り
金具2を介して、クラッシュゾーンSより後方で上部支
持部材3に固定されている。この上部支持部材3が、車
体台枠10に取り付けられている。これにより、排障板
1全体が、排障板吊り金具2および上部支持部材3を有
する排障板支持装置22を介して、車体台枠10に吊り
下げ状態で取り付けられる。つまり、排障板1の前頭部
1Aは、車体台枠10に直接的には支持されていない。
方に突出するように連結ブラケット4が設けられ、その
連結ブラケット4が、車体前後方向に配置されたエネル
ギー吸収要素としての四角筒状の衝撃吸収用パイプ部材
5の前端部に連結されている。よって、排障板1の後方
には、従来のように排障板に沿うように複数枚の板ばね
を重ねた緩衝板が設けられていない。衝撃吸収用パイプ
部材5には、切り欠き部5aが上側に向けられた形で形
成され、左右対称に配置される構成とされている。この
切り欠き部5aが形成された衝撃吸収用パイプ部材5の
前端部が、エネルギー吸収のための蛇腹変形を引き起こ
すトリガー部として機能する。このように、従来の緩衝
板に代えて、四角筒状の衝撃吸収用パイプ部材5を用い
ているので、重量軽減の点で有利な構造となっている。
である必要はなく、複数本であっても差し支えないが、
その場合は、左右対称に配置することが望ましい。排障
板1から前端部に車両進行方向の衝撃が作用したとき
に、各衝撃吸収用パイプ部材(エネルギー吸収要素)に
バランスよく荷重が作用するので、各衝撃吸収用パイプ
部材が車体左右方向において倒れることなく、蛇腹変形
によってエネルギー吸収がなされるからである。
部は、車体左右方向に延びる閉断面構造の下部支持部材
6に連結されている。この下部支持部材6の両端部に
は、それぞれ鉛直方向に配置される左右支持部材7L,
7Rの下端部に連結され、左右支持部材7L,7Rの上
端部は、クラッシュゾーンSより後方で、車体台枠10
に締結固定されている。また、下部支持部材6の後側に
は、後方にかつ斜め上方に向かって延びる左右の傾斜支
持部材8L,8Rによって車体台枠10に連結されてい
る。このようにして、衝撃吸収用パイプ部材5の後端部
を支持するエネルギー吸収要素支持装置21が、前記支
持部材6,7L,7R,8L,8Rによって構成されて
いる。
方位置で、前述したように、排障板1の左右側部の上縁
部が、排障板支持装置22(排障板吊り金具2および上
部支持部材3)を介して、車体台枠10に支持されてい
る。よって、排障板1の左右側部の上縁部が、排障板支
持装置22を介して車体台枠10に取り付けられる位置
は、運転室13が設けられている位置より前方部位であ
り、運転室13がクラッシュゾーンSより後方に位置す
る。
イプ部材5を配設し、その後端部を、車体台枠10に取
り付けられるエネルギー吸収要素支持装置21(支持部
材6,7L,7R,8L,8R)に連結する構成とする
ことで、衝突エネルギーを吸収するための変形ストロー
クを十分に長くすることが可能となる。また、車体前頭
部のクラッシュゾーンSより後方で、排障板支持装置2
1(支持部材2,3)によって排障板1を支持すること
で、クラッシュゾーンSに、支持剛性の高い支持装置を
設ける必要がなくなることおよび排障板1の拘束を緩和
することになり、衝突時のピーク荷重を抑制し、良好な
耐衝突性を得ることができる。
に、運転室13を含む乗員の生存区間(サバイバルゾー
ン)を位置させることができるようになるので、衝突時
に運転室13まで圧壊するのを回避して、乗員の生存区
間を確保することが可能となる。すなわち、衝撃吸収用
パイプ部材5による衝突エネルギーの吸収は、運転室1
3より前方に離れたクラッシュゾーンSにおいて行われ
るので、乗員の生存区間(サバイバルゾーン)が確保さ
れると共に、乗員への衝撃が緩和される。
方あるいは側方に位置するように傾斜する形状とされ、
前頭部の上縁部付近にほぼ直方体形状のブロック9が取
り付けられ、このブロック9の前面の略鉛直下方に、前
記排障板1の前頭部の下縁部が位置するようになってい
る。なお、前記ブロック9の前面はほぼ鉛直面内におい
て広がるように平面となっているが、背面は排障板1に
対応するように傾斜面となっている。
部付近にほぼ直方体形状のブロック9を取り付け、ブロ
ック9の前面の略鉛直下方に前記排障板1の前頭部の下
縁部が位置するようにしているので、車両同士の衝突の
際に、排障板1の上側部分(ブロック9の前面)と下側
部分(排障板1の下縁部)とが同時に衝突するようにな
り、排障板1のすくい角により生ずる上下方向の荷重が
低減されて、排障板1の圧壊変形が車両前後方向に生じ
るように安定させることができる。
る排障板1に必要以上に大きな衝突エネルギーが作用し
た場合には、排障板1が圧壊して衝突エネルギーを吸収
するだけでなく、衝撃吸収用パイプ部材5の蛇腹変形に
よっても吸収され、衝突エネルギーの吸収効果も、従来
構造(排障板に沿うように前記排障板の後側に複数枚の
板ばねを重ねた緩衝板を設ける構造)と同等若しくは優
れる。
障板に100kgの剛体球を時速300km/hで正面衝突
させて衝突荷重が作用した場合の変化の状態をシミレー
ション解析した結果を図3(a)〜(d)を、そのとき
の排障板(排障装置)の反力を図4にそれぞれ示す。こ
の場合、図3(a)〜(d)は、衝突からの経過時間T
がそれぞれ0sec,0.012sec,0.03sec,0.
086secの変形図である。
0kgの剛体球を時速300km/hで正面衝突させて衝突
荷重が作用した場合には、その衝突エネルギーは、衝突
から0.3sec経過するまでの排障板の変形およびそれ
の後側の衝撃吸収用パイプ部材の蛇腹変形によって、ク
ラッシュゾーンSにおいて吸収緩和される。なお、T=
0secからT=0.03secまでの間で、進行方向反力が
80tonfを超えることがなく、衝突時のピーク荷重があ
まり高くならないことがわかる。
造を採用した排障板に100kgの剛体球を時速300
km/hで正面からずれて(車体中心より750mmほど右側
にずれて)衝突させた場合を図5(a)〜(c)にそれ
ぞれ示す。この場合は、図5(a)〜(c)は、衝突か
らの経過時間Tがそれぞれ0sec,0.015sec,0.
03secの変形図である。
100kgの剛体球を時速300km/hで正面からずれて
衝突させて衝突荷重が作用した場合には、剛体球の排障
板に対する入射角が浅いため、衝突から0.3sec経過
するまでの間に、主として排障板の変形によって、衝撃
を吸収緩和すると共に、剛体球を軌道外に排除するよう
になることが分かる。
用した車体に剛壁Obを衝突させて衝突荷重が作用した
場合の変化の状態を、シミレーション解析した結果を、
図6(a)〜(e)に示す。この場合、図6(a)〜
(e)は、ストローク量Dsがそれぞれ0mm,250m
m,500mm,750mm,1000mmの変形図である。
収要素として、エネルギー吸収に有利である蛇腹変形を
起こしやすく、重量を軽減できる点から、四角筒形状の
衝撃吸収用パイプ部材を用いているが、本発明において
は、それに制限されるものではなく、他の周知のエネル
ギー吸収要素を用いることも可能である。
され、以下に述べるような効果を奏する。
ネルギー吸収要素を、クラッシュゾーンより後方で支持
するために、クラッシュゾーンでは排障板を支持する強
固な部材を不要とし、排障板の拘束を緩和して、クラッ
シュゾーンの破壊時のピーク荷重を低く抑制するように
しているので、良好な耐衝突性を得ることができる。
側部の上縁部を、運転室の位置より前方部位において、
排障板支持装置に取り付けるようにすれば、前記クラッ
シュゾーンよりも後方に、運転室を含む乗員の生存区間
(サバイバルゾーン)を位置させることが可能となり、
衝突時に運転室まで圧壊するのを回避して、乗員の生存
区間を確保することができる。
なるほど前方あるいは側方に位置するように傾斜する形
状とし、前頭部の上縁部付近にほぼ直方体形状のブロッ
クを取り付け、このブロックの前面の略鉛直下方に、前
記排障板の前頭部の下縁部が位置するようにすれば、車
両同士の衝突の際に、排障板のすくい角により生ずる上
下荷重をなくし、排障板の圧壊変形が前途方向に生じる
ように安定させることができる。
持構造を示す側面図である。
板に100kgの剛体球を時速300km/hで正面衝突さ
せて衝突荷重を作用させた場合の変化の状態をシミレー
ション解析した結果を示す模式図である。
gの剛体球を時速300km/hで正面衝突させた場合の進
行方向反力の時間的変化を示す図である。
板に100kgの剛体球を時速300km/hで正面からず
らせて衝突荷重を作用させた場合の変化の状態をシミレ
ーション解析した結果を示す模式図である。
に剛壁を衝突させて衝突荷重が作用した場合の変化の状
態を、シミレーション解析した結果を示す図である。
である。
Claims (3)
- 【請求項1】 走行中に軌道上の障害物を排除する排障
板を車体台枠に支持する鉄道車両の排障板支持構造であ
って、 前記排障板の前頭部の後側に、車両前後方向に延びるエ
ネルギー吸収要素が配設され、このエネルギー吸収要素
の後端部が、エネルギー吸収要素支持装置を介して前記
車体台枠に取り付けられる一方、 前記排障板の左右側部の上縁部が、前記エネルギー吸収
要素支持装置の側方位置で前記車体台枠に支持されてい
ることを特徴とする鉄道車両の排障板支持構造。 - 【請求項2】 前記排障板の左右側部の上縁部が、運転
室の位置より前方部位において、排障板支持装置を介し
て車体台枠に取り付けられている請求項1記載の鉄道車
両の排障板支持構造。 - 【請求項3】 前記排障板は、下部になるほど前方ある
いは側方に位置するように傾斜する形状とされ、前頭部
の上縁部付近にほぼ直方体形状のブロックが取り付けら
れ、このブロックの前面の略鉛直下方に、前記排障板の
前頭部の下縁部が位置している請求項1記載の鉄道車両
の排障板支持構造。
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- 2001-10-31 JP JP2001334317A patent/JP3657548B2/ja not_active Expired - Fee Related
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- 2003-03-31 TW TW92107216A patent/TWI227202B/zh active
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