JP2003136606A - 樹脂成形体の表面再仕上法 - Google Patents
樹脂成形体の表面再仕上法Info
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Abstract
するものであり、樹脂成形体を交換することなく、パタ
ーンを変更する成形技術を提供する。 【解決手段】樹脂成形体表面をサンディングする第1工
程、サンディングした表面に樹脂をライニングする第2
工程、ライニング表面にコアマットを敷設する第3工
程、コアマットに樹脂を含浸させる第4工程、表面再仕
上板の裏側に樹脂層をコーティングする第5工程、コア
マット上に表面再仕上板の裏側を圧接する第6工程、再
仕上板の周囲をパテ埋めする第7工程、樹脂成形体の全
表面をトップ塗装する第8工程、からなる樹脂成形体の
再仕上法。1‥樹脂成形体(防水パン)、2‥コアマッ
ト、3‥ビニルエステル系樹脂、4‥再表面仕上用板、
4a‥パターン、5‥コーティングされた樹脂層、6‥
パテ埋め材、7‥トップ塗装材、10‥得られた樹脂成
形体(防水パン)。
Description
様・微細な凹凸形状(以下、単にパターンという)を備
えた樹脂成形体の成形法に関するものであり、更に具体
的には、表面がリフォームされた樹脂成形体の成形法に
係るものである。
トバス等に用いられる防水パンをもって説明するが、従
来の防水パンはガラス不織布に例えば不飽和ポリエステ
ル樹脂を含浸させ、これを硬化(架橋)させて成形され
るのが一般的であり、その表面には防水パンにふさわし
い格子状の模様や極く微細な波模様(パターン)が形成
されている。勿論、用いられる樹脂の種類や配合物によ
り、大理石様や木目調の模様等が付けられる場合もあ
る。
は、主として温水の使用によってトップコート層と樹脂
層との間に剥離が生じることがある。又、樹脂表面のト
ップコート塗装が剥れてしまい見栄えの点でやや劣るこ
とがあり、更には、防水パン自体の劣化によりパターン
にヘアークラックや波打ち等が生じることもあり、場合
によっては補修工事が必要となるケースがある。
してバスルームのリフォームが行われるケースがある
が、この際に防水パン表面のパターンも変更したいとの
要請も多くある。しかるに、今までは防水パン自体の交
換を行う必要性から、バスルームの構成部材を殆どを取
り外して行う必要から、工事が極めて大掛かりになり、
費用の点でもかなりのものとなってしまう。
換の要請に対処した防水パンの成形法を提供するもので
あり、防水パンを交換することなく、その表面の形状や
模様を変更する成形技術を提供するものである。
形体の表面再仕上法であって、再仕上げを行う樹脂成形
体表面をサンディングする第1工程、サンディング表面
に樹脂をライニングする第2工程、ライニングした表面
にコアマットを敷設する第3工程、コアマットに樹脂を
含浸させる第4工程、表面再仕上板の裏側に樹脂層をコ
ーティングする第5工程、コアマット上に表面再仕上板
の裏側を圧接する第6工程、再仕上板の周囲をパテ埋め
する第7工程、樹脂成形体の全表面をトップ塗装する第
8工程、からなる樹脂成形体の再仕上法である。
ており、樹脂成形体即ち既存の防水パンの表面に新たな
パターンを備えた樹脂板を更に積層してなるものであっ
て、防水パンが設置されたままで樹脂板を成形可能とし
たものである。このため、リフォームの際にも防水パン
の交換をすることなく施工可能となったものである。こ
の成形法にあっては、予めパターンの異なる表面仕上板
を製作しておき、顧客にこの中より好みのものを選択し
てもらうことになる。
脂成形体は熱可塑性樹脂或いは熱硬化性樹脂による成形
体であり、通常はガラス繊維と熱硬化性樹脂にて成形さ
れたいわゆるFRP成形体(モ−ルド成形体、ハンドレ
イアップ成形体)である。そして、第1工程にあって、
樹脂成形体に施されたトップ塗装層、形成されたパター
ン部をサンディングにて取り除く。
後、ガラス不織布を敷き、樹脂をライニングする。樹脂
は熱硬化性樹脂である。即ち、ガラスマットを防水パン
の大きさにカットし、熱熱硬化樹脂を立ち面からライニ
ングを始め、順次平面部に樹脂をライニングする。
マットが敷設されるが、通常はガラス不織布が用いられ
る。このコアマットは既存の樹脂成形体と再仕上板との
積層を強固とするためのものであり、両者を繋げる樹脂
の含浸層をなす。
樹脂は例えば不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル
系樹脂、エポキシ樹脂等があるが、通常はビニルエステ
ル系樹脂が耐熱性、耐腐食性の点で優れているため特に
好んで用いられる。
熱可塑性樹脂或いは熱硬化性樹脂による合成樹脂製板が
用いられ、中でも熱硬化性樹脂製のハンドレイアップ法
によって得られた板が一般的である。場合によっては、
金属製或いは木製のものであってもよい。この表面再仕
上板には各種のパターンが施されたものであり、板材そ
のままのパターンを用いてもよいが、通常はモールド成
形或いはプレス成形等にて複数のパターンが形成され、
この中より選択される。尚、この表面再仕上板の厚みは
任意ではあるが、取扱のしやすさから3〜5mm程度の
厚みのものが好んで用いられる。
上板の裏側にコーティングされる樹脂はコアマットに含
浸される樹脂と同系のものがよく、従って、好ましく
は、ビニルエステル系樹脂であり、これにエアロジルを
配合したものがよい。
裏側にコーティングした樹脂層を圧接させるものである
が、両者における樹脂材の一体化と硬化(架橋)が十分
に行われるだけの圧力と時間が必要であり、通常は2〜
3時間以上を要する。
板の周囲に施されるが、これは既存の樹脂成形体との段
差等をなくすためのものである。パテ埋め材としてはコ
アマットに含浸される樹脂材と近い樹脂が用いられるの
がよく、従って、通常は不飽和ポリエステル樹脂或いは
ビニルエステル系樹脂が用いられる。
存の樹脂成形体の表面を塗装することとなる。この塗装
にあって、耐候性、耐熱性、傷付きにくさ等の観点から
アクリル系塗料が好適である。
る。図1は本発明の成形法の工程図を示すものであっ
て、図2は得られた防水パン(樹脂成形体)10の断面
を示すものである。図中、符号1は既存のFRP製の防
水パン、2は2〜3mm厚のガラス不織布よりなるコア
マット、3はコアマット2に含浸させたビニルエステル
系樹脂、4は再表面仕上用の樹脂板であり、これはガラ
ス繊維が配合されたモールド成形によって得られた熱硬
化性樹脂板で、その表面には所定のパターン4aが施さ
れている。5は再表面仕上用の樹脂板4の裏側にコーテ
ィングされたエアロジル(日本エアロジル社)が配合さ
れたビニルエステル系樹脂層である。6は再仕上板4の
周囲の主として段差の解消をもたらすパテ埋め材であ
り、ここでは不飽和ポリエステル樹脂を用いた。更に、
7は樹脂成形体の全表面に塗布されるトップ塗装材であ
り、アクリル樹脂系塗料をもって行った。尚、トップ塗
装を行う際には、予め少なくともパターン部の表面には
プライマー塗装を行うことが好ましい。
脂成形体1は側壁と接触していることから、その境目に
マスキングを施すことが必要であり、更に、樹脂成形体
1の表面のパターンが完全になくなるまでサンディング
を施す必要がある。又、第4工程にあって、樹脂成形体
1に溝部分がある場合には溝部に添って表面再仕上板4
が窪む危険性があるため、十分に樹脂を流し込んでおく
必要がある。表面再仕上板4の圧接時間はほぼ3時間程
であるが、その後、パテ塗り6にて周囲及び必要な箇所
を補修する。このパテ塗りは表面再仕上板4の周囲(境
目)の段差の解消作業は勿論であるが、樹脂の窪み部分
があればパテ埋めを行い、サンディングにて平らにす
る。更に、通常は表面再仕上板4に樹脂の抜け穴を開け
てあるので、圧接した際に樹脂が内部よりはみ出す。従
って、そのはみ出した樹脂を落とし、穴にパテを充填す
る。パテ処理及び乾燥時間はほぼ5時間を要する。次い
で、防水パン以外の面をマスキングし、防水パンの表面
にトップコートする前に下地処理を行う。下地処理はス
プレー塗布によるのが一般的であり、このため、他の部
位に飛散するのを防ぐため、バキュームしながら処理す
るのがよい。その後、凹み等があれば再度パテ埋め処理
を行いサンディングをする。そして、厚めに処理しても
ダレのないように粘度を調整したアクリル樹脂系塗料を
もってトップコート処理7を行う。この処理にはほぼ1
5分を要した。
1上に新たなパターン4aをもった樹脂層4を成形した
防水パン10が得られたものである。
の防水パンを設置されたままでその表面上に新たなパタ
ーンをもつ樹脂成形層を構成するものであって、その作
業は従来の作業よりも比較的簡単な作業で済むことにな
る。尚、本発明にあっては、防水パンをもって説明した
が、他の樹脂成形体に適用できることは勿論であって、
その利用範囲は極めて広い。
る。
断面図である。
層、 6‥パテ埋め材、 7‥トップ塗装材、 10‥得られた防水パン(樹脂成形体)。
Claims (14)
- 【請求項1】樹脂成形体の表面再仕上法であって、再仕
上げを行う樹脂成形体表面をサンディングする第1工
程、サンディングした表面に樹脂をライニングする第2
工程、ライニングした表面にコアマットを敷設する第3
工程、コアマットに樹脂を含浸させる第4工程、表面再
仕上板の裏側に樹脂層をコーティングする第5工程、コ
アマット上に表面再仕上板の裏側を圧接する第6工程、
再仕上板の周囲をパテ埋めする第7工程、樹脂成形体の
全表面をトップ塗装する第8工程、からなることを特徴
とする樹脂成形体の再仕上法。 - 【請求項2】第1工程にあって、樹脂成形体がFRP成
形体である請求項1記載の樹脂成形体の再仕上法。 - 【請求項3】第2工程にあって、ガラスマットを敷設し
ライニングを施す請求項1記載の樹脂成形体の再仕上
法。 - 【請求項4】第3工程にあって、コアマットがガラスマ
ットである請求項1記載の樹脂成形体の再仕上法。 - 【請求項5】ガラスマットが不織布である請求項4記載
の樹脂成形体の再仕上法。 - 【請求項6】第4工程にあって、含浸する樹脂が熱硬化
性樹脂である請求項1記載の樹脂成形体の再仕上法。 - 【請求項7】含浸する樹脂がビニルエステル系樹脂であ
る請求項6記載の樹脂成形体の再仕上法。 - 【請求項8】第5工程にあって、表面再仕上板が合成樹
脂製板である請求項1記載の樹脂成形体の再仕上法。 - 【請求項9】表面再仕上板に所定の色彩模様や微細な凹
凸模様が形成されている請求項8記載の樹脂成形体の再
仕上法。 - 【請求項10】表面再仕上板が熱硬化性樹脂板である請
求項8記載の樹脂成形体の再仕上法。 - 【請求項11】第6工程にあって、表面再仕上板の裏側
にコーティングされる樹脂がビニルエステル系樹脂であ
る請求項1記載の樹脂成形体の再仕上法。 - 【請求項12】第7工程にあって、パテ埋め材が熱硬化
性樹脂である請求項1記載の樹脂成形体の再仕上法。 - 【請求項13】パテ埋め材が不飽和ポリエステル樹脂で
ある請求項12記載の樹脂成形体の再仕上法。 - 【請求項14】第8工程にあって、トップ塗装材がアク
リル系塗料である請求項1記載の樹脂成形体の再仕上
法。
Priority Applications (1)
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JP2001335357A JP3795375B2 (ja) | 2001-10-31 | 2001-10-31 | 樹脂成形体の表面再仕上法 |
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Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JP2003136606A true JP2003136606A (ja) | 2003-05-14 |
JP3795375B2 JP3795375B2 (ja) | 2006-07-12 |
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JP2001335357A Expired - Lifetime JP3795375B2 (ja) | 2001-10-31 | 2001-10-31 | 樹脂成形体の表面再仕上法 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2011105007A1 (ja) * | 2010-02-24 | 2011-09-01 | 三菱航空機株式会社 | 繊維強化樹脂からなる部材の補修方法 |
-
2001
- 2001-10-31 JP JP2001335357A patent/JP3795375B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (4)
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WO2011105007A1 (ja) * | 2010-02-24 | 2011-09-01 | 三菱航空機株式会社 | 繊維強化樹脂からなる部材の補修方法 |
JP2011173321A (ja) * | 2010-02-24 | 2011-09-08 | Mitsubishi Aircraft Corp | 繊維強化樹脂からなる部材の補修方法 |
US8696842B2 (en) | 2010-02-24 | 2014-04-15 | Mitsubishi Aircraft Corporation | Method for repairing a member comprising a fiber-reinforced plastic |
US9701073B2 (en) | 2010-02-24 | 2017-07-11 | Mitsubishi Aircraft Corporation | Method for repairing a member comprising a fiber-reinforced plastic |
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