JP2003136230A - はんだ付け噴流波形成装置 - Google Patents

はんだ付け噴流波形成装置

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JP2003136230A
JP2003136230A JP2001336279A JP2001336279A JP2003136230A JP 2003136230 A JP2003136230 A JP 2003136230A JP 2001336279 A JP2001336279 A JP 2001336279A JP 2001336279 A JP2001336279 A JP 2001336279A JP 2003136230 A JP2003136230 A JP 2003136230A
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solder
electromagnetic pump
jet wave
forming device
pump
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JP2001336279A
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English (en)
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Hideaki Toba
秀明 鳥羽
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Nihon Den Netsu Keiki Co Ltd
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Nihon Den Netsu Keiki Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電磁ポンプを用いて安定した噴流波を形成す
るとともに、総合効率を回転モータに駆動されたポンプ
と同等に高め、さらに、清掃等の作業を極めて容易にか
つ確実に行うことが可能なはんだ付け噴流波形成装置を
実現する。 【解決手段】 電磁ポンプ12が吸い込み口34をはん
だ槽1のはんだ5の液面5aに向けてはんだ5内に没設
され、吹き口37がはんだ5の液面5a上に向いてはん
だ5の噴流波27を形成する吹き口体15にはんだ5を
供給する。一方で電磁ポンプ12の内部コア19をはん
だ5の液面5a上から挿抜可能に設け、電磁ポンプ12
内の清掃を容易に行なえるように構成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子部品を搭載し
たプリント配線板のような被はんだ付けワークとはんだ
の噴流波を接触させてはんだ付けを行う際に使用するは
んだ付け噴流波形成装置に関する。はんだ付け噴流波形
成装置には、はんだの噴流波を形成するためのポンプが
必要であり、このポンプにより供給された溶融はんだを
各種形状の吹き口体に供給してその吹き口から噴流さ
せ、これによりはんだの噴流波を形成する。もちろん、
この場合のはんだはヒータ等により加熱されて溶融状態
にある。
【0002】はんだ付け噴流波形成装置に使用されてい
るポンプには各種の種類があり、メカニカル機構により
構成されたポンプとしては、遠心力型ポンプや螺旋型ポ
ンプ、回転羽根型ポンプ、ピストン型ポンプ、等々が知
られている。また、流体に直接的に電磁力を作用させる
電磁ポンプとしては、誘導型電磁ポンプ、伝導型電磁ポ
ンプ、等々が知られている。
【0003】そして、これらの各ポンプにはそれぞれ一
長一短がある。例えば、メカニカル機構により構成され
たポンプは、一般的にその駆動モータへの入力エネルギ
ーに対するポンプの吐出エネルギーへの変換損失が少な
く、高効率である等の長所を有するが、ポンプから吐出
される溶融はんだの流れが不安定で変動し易い等の短所
がある。他方、電磁ポンプは、一般的に入力エネルギー
に対するポンプ吐出エネルギーの変換損失が大きく、効
率が悪い等の短所を有するが、ポンプから吐出される溶
融はんだの流れが安定で整っている等の長所を有する。
【0004】本発明は、電磁ポンプを使用したはんだ付
け噴流波形成装置であって、高効率かつ溶融はんだの流
れが安定でメンテナンス性等にも優れたはんだ付け噴流
波形成装置に関する。
【0005】
【従来の技術】送給するべき媒体に直接に電磁力を作用
させて推力を発生させ、これをポンプの吐出力および吸
い込み力とする電磁ポンプ(LEP:linear e
lectromagnetic pump)には、大別
して誘導型(induction type)と伝導型
(conduction type)とがある。一般的
に、送給するべき媒体への通電が不要な誘導型が多く使
用されている例が多い。
【0006】この誘導型の電磁ポンプには、大別してフ
ラットリニア型(FLIP型:flat linear
induction pump)とアニュラリニア型
(ALIP型:annu1ar linear ind
uction pump)そしてへリカル型(HIP
型:helical induction pump)
とがあり、それぞれ固有の構成を有している。
【0007】はんだ付け噴流波形成装置に使用されるこ
れらの電磁ポンプは、移動磁界発生用コイルを一般的に
はんだを収容したはんだ槽の外側の温度の低い空間すな
わち大気中に設けるように構成している。例えば、特開
昭49−65934号公報や特開昭58−122170
号公報、WO97/47422号公報、特開平11−1
04817号公報、等々にその例が開示されている。そ
のため、これらの例では電磁ポンプにFLIP型を使用
している。
【0008】さらに、前記特開昭58−122170号
公報や特開平11−104817号公報に説明されてい
るように、移動磁界発生用コイルの過熱を防止するため
の手段を備えて構成している。すなわち、移動磁界発生
用コイルが冷却されやすい位置に設けるとともに、さら
にはこの移動磁界発生用コイルに向けて冷却ファン等に
より冷風を供給し、その温度が過度に上昇してこの磁界
発生用コイルの耐熱温度を越えることがないように構成
している。なお、このコイルの耐熱温度はこのコイルの
絶縁を保持し保証できる温度で決まるのが通常である。
【0009】移動磁界発生用コイルの温度上昇は、この
コイル自体に流れる電流によって発生する銅損やこのコ
イルが巻かれたコアに発生する渦電流等によって発生す
る鉄損等によって生じ、さらにははんだを収容したはん
だ槽からの熱伝導等によっても生じる。
【0010】他方、WO97/47422号公報にも記
載されているように、電磁ポンプがはんだに移動磁界を
作用させて推力ひいては吐出力と吸い込み力を与える流
路は狭くて長い形状(例えば、数mmの間隔で長さは数
10cm程度)であり、必要に応じて清掃する必要があ
ることが説明されている。すなわち、噴流波を形成する
ノズルを取り外し、この流路に細長い棒材等を挿入して
付着したドロス等の汚れを掻き落とす作業が必要となる
ことが説明されている。なお、逆洗を行うことも可能で
あることが説明されている。
【0011】はんだの酸化物等のドロスは極めて付着力
が強く、通常は一旦付着すると自ら剥離することがな
い。そのため、電磁ポンプの流路に酸化したはんだ等の
ドロスが付着し始めるとこれが次第に堆積して大きくな
る。その結果、この付着・堆積物が流路内におけるはん
だの流れを邪魔して不均一な流れを形成するようにな
り、ノズル上に形成される噴流波形が場所によって不均
一な波高となるばかりか不安定に変動する噴流波が形成
され、これによってはんだ付けされる被はんだ付けワー
クすなわちプリント配線板のはんだ付け品質を低下させ
るからである。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】このように、電磁ポン
プは部品が回転したり往復移動したりするような可動部
品を有しないため、このような運動に伴う磨耗部品が存
在せず、回転駆動手段のモータや往復駆動手段の流体圧
アクチュエータ等の運動機構を必要としない特徴があ
る。
【0013】しかし、電磁ポンプへの入力電力に対する
ポンプ吐出量すなわちポンプ仕事量が小さく、回転モー
タに駆動された回転式ポンプに比べてエネルギー効率が
半分以下で極めて効率が低く、従来のはんだ付け噴流波
形成装置よりもエネルギー消費量が大きくなる問題があ
る。すなわち、電磁ポンプで生じるエネルギー損失の殆
どは発熱(銅損や鉄損等)となって放出され、この多量
に発生するエネルギー損失を、冷却ファン等の強制冷却
手段によって冷却し、熱エネルギーとして大気中へ排出
する必要があるからである。
【0014】他方、電磁ポンプの流路は前述したように
狭く長いので、短期間のうちにドロス等の汚れが付着・
堆積し、現実的には頻繁に清掃を行う必要がある。しか
も、その清掃の度にノズルを取り外し、細長い棒を狭く
て長い流路に挿入し、付着した汚れを満遍なく掻き落と
す作業は、極めて難しく非能率的な作業である。すなわ
ち、前述のようにドロスの付着力が極めて強いため、現
実的には逆洗の作用はこの付着・堆積したドロスに対し
て殆ど及ぶことがないからである。
【0015】さらに、電磁ポンプの漏洩磁界やこの漏洩
磁界により発生する迷走電流が噴流波を流れ、被はんだ
付けワークであるプリント配線板に流れることが懸念さ
れている。
【0016】本発明の目的は、はんだ付け噴流波形成装
置全体で見た場合の電磁ポンプの総合効率を回転モータ
に駆動されたポンプと同等に高め、さらに、清掃等の作
業頻度も極めて少なく済み、しかも、この清掃作業等を
極めて容易かつ確実に行うことが可能なはんだ付け噴流
波形成装置を実現することによって、エネルギー効率が
高く、はんだの流れが整い、ひいては安定した噴流波を
維持できるようにして、はんだ付け品質の優れた製品を
安価に製造できるようにすることにある。また、噴流波
に迷走電流が流れないようにすることにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明のはんだ付け噴流
波形成装置は、電磁ポンプに供給された全てのエネルギ
ーをはんだを収容したはんだ槽内で消費されるように構
成したところに特徴がある。また、清掃作業を容易に行
えるように構成したところに特徴がある。 (1)溶融状態のはんだがその液面を雰囲気に暴露して
収容されたはんだ槽と前記はんだを加熱する加熱手段と
前記はんだの温度を測定する温度測定手段と前記はんだ
を溶融状態の予め決めた所定の温度に維持する温度制御
手段とを備え、吸い込み口から吐出口に至る直線状の流
路を有し移動磁界発生用コイルを備えて前期溶融状態の
はんだに移動する磁界を作用させて吐出力を得る電磁ポ
ンプがその移動磁界発生用コイルおよびコアを含めてそ
の全体を前記はんだ槽のはんだ内に没設するとともに前
記電磁ポンプの吸い込み口を前記はんだ槽のはんだ液面
側に向けて没設し、前記はんだ槽の槽底を向いた電磁ポ
ンプの吐出口にその吹き口が前記溶融状態のはんだの液
面上に位置する吹き口体を連係して設けて、前記電磁ポ
ンプにより前記吹き口体に供給されてその吹き口から噴
流し前記はんだ槽内に前記はんだが還流し循環する過程
で噴流波を形成する循環流路を備えて成るように構成し
たはんだ付け噴流波形成装置である。
【0018】このように構成することにより、電磁ポン
プ内で移動する磁界の作用を受けて推力を得たはんだが
吐出口へ流れ、ひいてはこのはんだが吹き口体から噴流
してこの吹き口体上に噴流波を形成する。また、電磁ポ
ンプの全体すなわち全表面をはんだ内に没設しているの
で、この電磁ポンプで発生した損失すなわち熱エネルギ
ーははんだ槽の外部へは漏洩することなくその全てがは
んだに伝導してこのはんだの加熱エネルギーとして使用
される。しかも、電磁ポンプを包み込むはんだは気体と
比較して極めて優れた熱伝導体であり、このはんだが優
れた冷却媒体として作用して電磁ポンプが冷却される。
【0019】したがって、電磁ポンプで発生した損失が
はんだを加熱するエネルギーとして使用されるため、温
度制御手段によって制御されるところのはんだの加熱手
段に供給されるエネルギー量をその分だけ少なくするこ
とができるようになる。
【0020】すなわち、電磁ポンプおよび加熱手段に供
給されたエネルギーは全てはんだ槽内のはんだへ供給さ
れ、不要なエネルギーとして排出されるエネルギーが無
くなって、はんだ付け噴流波形成装置の総合エネルギー
効率を、移動磁界発生コイルやコアを大気中に配設した
従来の構成の装置と比較して格段に高めることができる
ようになる。
【0021】また、溶融状態のはんだの液面とこの溶融
状態のはんだを循環させる過程で形成した噴流波とを雰
囲気に暴露させているので、プリント配線板等の被はん
だ付けワークを噴流波に接触させ易い反面ドロス等も発
生し易い。しかし、電磁ポンプの吸い込み口から吐出口
に至る流路が直線状に構成され、その吸い込み口をはん
だ槽のはんだ液面側に向けて設けているので、吹き口体
等を取り外すことなくこの電磁ポンプ内の吸い込み口や
その内部すなわち流路の清掃をはんだ液面側から行うこ
とができるようになり、すなわち、吹き口体等を取り外
すことなくブラシ等の清掃具をはんだ液面側から電磁ポ
ンプの流路に挿入して清掃作業を行うことができるよう
になり、電磁ポンプ内に付着するドロス等の汚れの清掃
・除去を容易に行うことができる。
【0022】また、電磁ポンプからその外部に漏洩しよ
うとする磁界は、この電磁ポンプの全表面を囲むはんだ
が漏洩磁界に対するショートリング(あるいはショート
バンド)として作用して滅衰させるので、はんだ槽の外
側やはんだ表面から磁界が漏洩することができなくな
る。すなわち、噴流波形成装置の外側には漏洩しなくな
り、作業員やプリント配線板ひいては搭載されている電
子部品に対して漏洩磁界が影響を与えることがなくな
る。もちろん、ここで使用する電磁ポンプとしてはFL
IP型、ALIP型、HIP型の何れの型の電磁ポンプ
も使用することができ、作用についても以上の作用と同
じ作用が得られる。
【0023】(2)前記(1)のはんだ付け噴流波形成
装置において、前記電磁ポンプがALIP型の電磁ポン
プであって前記電磁ポンプの流路内に設けられる内部コ
アが挿抜自在に設けられるとともに前記内部コアを前記
はんだ液面から挿抜できる向きに電磁ポンプを設けるよ
うに構成したはんだ付け噴流波形成装置である。
【0024】このはんだ付け噴流波形成装置において
も、電磁ポンプ内で推力を得たはんだが吐出口へ流れ、
吹き口体上に噴流波が形成される。また、電磁ポンプの
全体すなわち全表面をはんだ内に没設しているので、前
記(1)と同様にこの電磁ポンプで発生した損失すなわ
ち熱エネルギーははんだ槽の外部へは漏洩することなく
その全てがはんだに伝導してこのはんだの加熱エネルギ
ーとして使用され、はんだ付け噴流波形成装置の総合エ
ネルギー効率を電磁ポンプを使用した従来の装置と比較
して格段に高めることができるようになる。
【0025】そして、電磁ポンプはALIP(annu
1ar linear induction pum
p)型でその流路は直線状であり、しかもはんだ槽の液
面側すなわち上方側からこの電磁ポンプの内部コアを挿
抜することができるので、この内部コアを抜き去った後
の円形のパイプ状となった流路に清掃具等を挿入するこ
とにより、この電磁ポンプ内の流路や内部コアに付着し
た汚れ等を容易に除去し清掃することができる。しか
も、この清掃作業にあたって吹き口体等を取り外す必要
もない。
【0026】すなわち、円柱状のブラシ等の清掃具を、
内部コアが抜き去られて円形のパイプ状となった流路に
挿入することにより、全ての流路壁面に対して均等にブ
ラシ圧力を作用させ、このブラシを上下に動かしたり回
転させたりするだけの簡単な作業で清掃を行うことがで
きる。したがって、メンテナンス性に優れはんだの流れ
が安定した噴流波を容易に維持することができるように
なり、プリント配線板等の被はんだ付けワークに対して
常に優れたはんだ付け品質を維持することができるよう
になる。
【0027】しかも、円環状の推力発生流路すなわちそ
の縦断面が円状の曲面を有するこの流路にはドロスが付
着しにくい特性があるので、FLIP型電磁ポンプと比
較してALIP型の電磁ポンプの方が清掃の頻度が少な
くて済むようになる。
【0028】また、ALIP型の電磁ポンプは、従来の
はんだ付け噴流波形成装置に使用されていたFLIP型
の電磁ポンプと比較して噴流波の近傍に形成される漏洩
磁界や迷走電流が相対的に少なく、被はんだ付けワーク
に対するこれらの影響を一層有効に減衰することができ
るようになり、はんだ付けの際に被はんだ付けワークに
与えるストレス要因を無視することができるようにな
る。 (3)前記(1)または(2)のはんだ付け噴流波形成
装置において、前記電磁ポンプと前記吹き口体とが連係
された流路の底面側に微細な透孔を設けるように構成す
る。
【0029】はんだ槽の内部を清掃するために、このは
んだ槽内のはんだを抜き去ることが行われている。すな
わち、はんだ槽の底部に設けたドレン手段から他の容器
へ溶融したはんだを排出するのである。そして、この場
合に電磁ポンプと吹き口体とが連係された流路の底面側
に微細な透孔を設けてあるので、吹き口体内や電磁ポン
プ内のはんだもこの微細な透孔から抜き去ることが可能
となり、それらの清掃を容易に行うことができるように
なる。
【0030】なお、この微細な透孔の大きさは吹き口の
大きさに対して十分に小さい大きさ(例えば面積比1/
10以下)であれば、噴流波の形成に影響を与えること
がない。 (4)前記(1)または(2)のはんだ付け噴流波形成
装置において、前記電磁ポンプと前記吹き口体とが連係
された流路の底面側に透孔を設けるとともに前記はんだ
槽のはんだ液面側から操作できる前記透孔の開閉手段を
設けるように構成する。
【0031】前記(3)でも説明したように、はんだ槽
の内部を清掃するために、このはんだ槽内のはんだを抜
き去ることが行われている。すなわち、はんだ槽の底部
に設けたドレン手段から他の容器へ溶融したはんだを排
出するのである。そして、この場合に電磁ポンプと吹き
口体とが連係された流路の底面側の透孔を開くことによ
り、吹き口体内や電磁ポンプ内のはんだも抜き去ること
が可能となり、それらの清掃を容易に行うことができる
ようになる。
【0032】しかも、前記透孔の開閉手段ははんだ槽の
液面側から開閉操作を行うことができるので、このはん
だを抜き去る作業は容易に行うことが可能であり、清掃
作業も極めて容易に行うことができる。 (5)前記(2)のはんだ付け噴流波形成装置におい
て、前記電磁ポンプと前記吹き口体とが連係された流路
の底面側に透孔を設けるとともに前記透孔の開閉手段を
前記電磁ポンプの内部コアとを連係させ、前記内部コア
を抜き去った際に前記透孔が開くように連係させて構成
する。
【0033】前記(3)で説明したように、はんだ槽の
内部を清掃するために、このはんだ槽内のはんだを抜き
去ることが行われているが、電磁ポンプの内部コアと透
孔の開閉手段を連係させておくことにより、この内部コ
アを抜き去ることで吹き口体内や電磁ポンプ内のはんだ
も抜き去ることが可能となり、それらの清掃を一層容易
に行うことができるようになる。
【0034】(6)前記(1)ないし(5)のはんだ付
け噴流波形成装置において、前記吹き口体に連係した前
記電磁ポンプが着脱自在に設けられて構成する。
【0035】溶融状態のはんだに没設して設けられる電
磁ポンプは、溶融状態のはんだに移動磁界を作用させて
推力を与えこのはんだの吐出力を得る流路以外にはメン
テナンスを行うべき箇所はない。
【0036】しかし、被はんだ付けワークの種類すなわ
ちプリント配線板の種類が変更になる等して噴流波の性
状を変更する為に、この噴流波を形成するところの吹き
口体の交換や変更等に伴って電磁ポンプの吐出容量の変
更が必要になる場合がある。
【0037】このような場合に、電磁ポンプを着脱自在
に設けることにより、対応する吐出容量の電磁ポンプに
交換することで容易に対応することができるようにな
る。しかも、電磁ポンプは回転軸等の可動機構を有する
モータとは異なり電力供給用の配線のみで作動するた
め、従来の遠心力型ポンプや螺旋型ポンプ、回転羽根型
ポンプ、ピストン型ポンプ、等々よりも遥に容易に着脱
することができるようになる。
【0038】(7)前記(1)ないし(6)のはんだ付
け噴流波形成装置において、前記はんだ槽のはんだ液面
側に向けて設けられた電磁ポンプの吸い込み口の周囲に
前記吸い込み口への前記はんだの吸い込みを前記はんだ
槽の下方側から行わせる被冠部材を設けるように構成す
る。
【0039】はんだ液面側に向けられた電磁ポンプの吸
い込み口には竜巻状の渦流を生じてこの液面上の雰囲気
を巻き込み易くなり、これにより吹き口上に形成される
噴流波の波高が不安定になることがある。しかし、被冠
部材によりはんだ槽の下方側から溶融状態のはんだを吸
い込むように構成することによって、前記巻き込みの恐
れを解消して安定した噴流波を形成できるようになる。
【0040】
【発明の実施の形態】本発明のはんだ付け噴流波形成装
置は、次のような実施形態例において実現することがで
きる。 (1)構成 図1ないし図5を参照して、本発明にかかるはんだ付け
装置の実施形態例を説明する。図1は、本発明のはんだ
付け噴流波形成装置の実施形態例の側断面を示す図であ
る。また、図2は、ALIP型電磁ポンプ周辺の構成を
説明するための分解斜視図、図3は、はんだ付け噴流波
形成装置の全容を説明するための斜視図である。なお、
図1においては、電磁ポンプの制御系およびはんだの温
度の制御系をブロック図で描いてある。また、図3にお
いては、図を分かり易くするために噴流波27を破線で
示し、吹き口体15の構成が分かり易いように描いてあ
る。
【0041】すなわち、はんだ槽1内には槽底2(また
は槽壁3)に沿ってヒータ4が設けてあり、このはんだ
槽1内に収容されたはんだ5を加熱して溶融させ、目的
とする温度に保持するように構成されている。はんだ5
の温度は温度制御装置6により制御される仕組みであ
り、この温度制御装置6は温度センサ7の温度検出結果
を参照し、はんだ5の温度が予め指示された温度になる
ようにヒータ4に供給する電力を制御する仕組みであ
る。
【0042】また、はんだ5の流れを整えるとともにこ
の流れを案内して連係流路を形成するチャンバ体8が、
そのつり下げ部9をはんだ槽1の上縁部1aに係止して
ねじ10で固定してある。この吊り下げ部9に設けてあ
る把手11は、はんだ槽1内からチャンバ体8を引き上
げる際に使用する部材である。
【0043】そして、このチャンバ体8の一方にはAL
IP型の電磁ポンプ12の吐出口13を嵌合する嵌合孔
14を設けてあり、他方には吹き口体15を嵌合する吹
き口体嵌合孔16を設けてある。
【0044】ALIP型の電磁ポンプ12は、外部コア
18および移動磁界発生コイル61の形状を円柱状に配
置・形成(詳細は図示せず)することができるため、通
常はその外観も円柱状である。また、その内部コア19
も円柱状であり、この外部コア18と内部コア19との
間に突起19aで作られる環状の空間すなわち流路20
に移動磁界を発生させ、この流路20のはんだ5に推力
を与えて移動させ、吐出力および吸い込み力を発生させ
る。したがって、移動磁界は外部コア18の外側に漏洩
し難い構成となっている。なお、図に例示する構成のA
LIP型の電磁ポンプ12は、電磁ポンプ12内の流路
20が直線状であることから、ストレートスルー型と呼
称されている。
【0045】この電磁ポンプ12の吐出口13の近傍に
はフランジ21が設けてあり、電磁ポンプ12の吐出口
13をチャンバ体8の嵌合孔14に嵌合した際に、この
フランジ21がチヤンバ体8に密着するように構成して
ある。
【0046】また、この電磁ポンプ12には、チャンバ
体8に設けた固定具23に固定される固定片24を設け
てあり、この固定片24の凸部24aをチャンバ体8に
設けた固定具23の凹部23aに圧挿することでこの電
磁ポンプ12がチャンバ体8に固定されるように構成し
てある。すなわち、電磁ポンプ12を矢印方向へ挿入
してその吐出口13とチャンバ体8の嵌合孔14とを嵌
合させ、続いて矢印方向へ回転させることで電磁ポン
プ12の固定片24に設けられた凸部24aがチャンバ
体8に設けられた固定具23の凹部23aに圧挿されて
固定される仕組みである。
【0047】したがって、以上の手順と逆の手順によ
り、電磁ポンプ12をチャンバ体8から容易に離脱させ
ることができる。また、電磁ポンプ12に設けられた把
手25は、以上の作業を容易に行うための部材である
が、はんだ槽1の槽底2に通常設けられるドレン弁によ
り溶融状態のはんだ5を排出してからこの電磁ポンプ1
2の離脱や固定を行う場合には、必ずしも前記把手は必
要とはならない。
【0048】このように、チャンバ体8を介して吹き口
体15に連係した電磁ポンプ12を着脱自在に設けるこ
とにより、電磁ポンプ12の交換が必要な場合すなわち
電磁ポンプ12の最大吐出容量を変更する必要がある場
合において、電磁ポンプ12を容易に交換することがで
きるようになる。このようなケースは、噴流波27の性
状を変更するために吹き口体15を別の構成の吹き口体
15に交換する際に生じ、この交換は、通常はんだ付け
を行うプリント配線板の種類が変わりその実装状態が大
幅に異なること等により行われる。
【0049】また、配線用パイプ28はこの電磁ポンプ
12の移動磁界発生用コイル61と多相交流電源装置
(例えば、VVVF型3相インバータ電源装置)29と
を接続し、多相交流電力を電磁ポンプ12の移動磁界発
生用コイル61に供給するための配線を通す部材であ
る。
【0050】なお、この多相交流電源装置29は、制御
装置30との通信によりその出力電圧や周波数が任意に
調節され設定される構成である。そして、制御装置30
はコンピュータシステムで構成され、キーボード等の指
示操作部31とLCD等の表示部32とを備えていて、
指示操作部31からの指示により前記多相交流電源装置
29の作動を制御する構成である。
【0051】このようにして着脱自在に設けられた電磁
ポンプ12の流路20は、その吸い込み口34と流路2
0の方向がはんだ槽1に収容されたはんだ5の液面5a
の方向を向き、図1に例示する例では、はんだ5の液面
5aに対して鉛直に交わっている。この流路20には内
部コア19が挿抜自在に設けてあり、従ってその挿抜方
向がはんだ5の液面5aに対して鉛直に交わるように電
磁ポンプ12が配置され固定されている。
【0052】また、この内部コア19には把手35が設
けてあり、この把手35がはんだ5の液面5aの上方に
顕出するように構成してある。そのため、この内部コア
19はこの把手35を上方へ引き上げることにより、電
磁ポンプ12の吸い込み口34から容易に抜き去ること
ができる。また、電磁ポンプ12の吸い込み口34は、
吸い込み効率が良好となるようにホーン状の形状に構成
してあるので、内部コア19を矢印方向に挿入する際
にもこのホーンに案内されて容易に挿入することができ
る。
【0053】なお、この内部コア19の把手35に設け
られた冠状の吸い込み案内板(被冠部材)36は、前記
ホーン形状の吸い込み口34の周囲からはんだ5を吸い
込む際のはんだの流れを案内するものであり、はんだ5
の液面5aから大気や不活性ガス雰囲気を巻き込まない
ようにするための部材である。すなわち、この冠状の吸
い込み案内板36により、はんだ槽1の槽底2側から溶
融状態のはんだ5が電磁ポンプ12の吸い込み口34へ
吸い込まれるようになる。
【0054】吸い込み口34から雰囲気が巻き込まれる
と、吹き口体15の吹き口37上に形成される噴流波2
7の波高が変動し、はんだ付け中のプリント配線板のは
んだ付け品質が低下する等の問題を生じるので、はんだ
槽1の槽底2側から溶融状態のはんだ5を吸い込むよう
に構成している。
【0055】このように、はんだ5の液面5aの上方側
から電磁ポンプ12の内部コア19を挿抜できるのであ
れば、図1に例示したようにこの内部コア19とはんだ
5の液面5aとが鉛直に交わるように電磁ポンプ12を
配置し固定する必要はなく、斜めに交わるように配置し
固定してもよい。すなわち、電磁ポンプ12を斜め方向
に傾けて配置し固定する構成としてもよい。
【0056】はんだ付け噴流波形成装置に形成される噴
流波27は、溶融状態のはんだ5により形成される。は
んだ5の融点ははんだ5の種類により異なり、従来から
使用されて来た錫−鉛はんだ(例えば鉛37%で残部が
錫)では約183℃、鉛フリーはんだの錫−亜鉛はんだ
(例えば亜鉛9%で残部が錫)では約199℃、錫−銀
−銅はんだ(例えば銀約3.5%,銅約0.7%,残部
が錫)では約220℃、等々である。
【0057】そのため、使用されるはんだ5の種類によ
りプリント配線板のはんだ付けに際して使用されるはん
だ5の温度は異なるが、プリント配線板に搭載される電
子部品の耐熱温度が考慮されるため、約220℃〜26
0℃程度の範囲で使用される例が最も多い。
【0058】したがって、この溶融状態のはんだ5にそ
の全体を没設して使用する電磁ポンプ12には少なくと
もはんだ5の融点以上の耐熱温度が必要であり、具体的
には、はんだ5の使用温度すなわち約220℃〜260
℃程度を越える耐熱温度が必要である。しかも、はんだ
付け噴流波形成装置の耐用年数を越えた耐久時間が必要
である。
【0059】電磁ポンプ12の耐熱温度は、この電磁ポ
ンプ12に使用されているコイルの絶縁の耐熱温度で決
まり、マイカとアルミナによる複合絶縁により、温度6
50℃において概ね3×105 時間以上の耐久時間が
得られる(論文「マイカ・アルミナ複合絶縁の高温課電
寿命に関する検討」三井久安 熊沢良二 相澤利枝岡本
達希 伊藤哲夫 金神雅樹 電学論A,117巻8号,
平成9年)。これは24時間稼働で30年以上の耐久時
間である。また、このような技術を応用した電磁ポンプ
12の技術についても公知である(例えば、特公平5−
57821号公報)。
【0060】他方、チャンバ体8の吹き口体嵌合孔16
に嵌合された吹き口体15は、スリーブ部38を通るね
じ39により固定され、その内部には多孔板40等によ
り構成された整流手段を設けてある。また、チャンバ体
8の吹き口体嵌合孔16の近傍にも流れ案内用の板状部
材(流れ案内板)41を並べて構成した整流手段を設け
てある。これらの整流手段は、はんだ5の流れを整えて
流速の大きさと方向を揃え、吹き口体15の吹き口37
上に安定で場所的に均質な噴流波27を形成するための
手段である。
【0061】図4を参照して、電磁ポンプと吹き口体と
の連係流路すなわちチャンバ体の底面に透孔とその開閉
手段を設けたドレン手段の例を説明する。図4はチャン
バ体の底面に設けたドレン手段を説明するための図で、
図4(a)は、はんだ付け噴流波形成装置の側断面図、
(b)は、連絡孔に設けた係止手段を説明するための斜
視図である。なお、図4においては、電磁ポンプの制御
系およびはんだの温度の制御系をブロック図で描いてあ
る。
【0062】すなわち、図4の例では、チャンバ体8の
底面8bに透孔43を設けてあり、この透孔43に嵌合
する第1の嵌合体44が挿入されてこの透孔43を塞ぐ
ように構成してある。そして、この第1の嵌合体44に
ははんだ槽1の液面5a上へ伸びるポール部45とこの
ポール部45の先端に把持部46とを設けてある。ま
た、チャンバ体8の上面8aには前記第1の嵌合体44
が通過できる連絡孔47が設けてあり、さらに前記第1
の嵌合体44がチャンバ体8の底面8bに設けられた透
孔43に嵌合された際に前記連絡孔47を塞ぐ第2の嵌
合体48が前記ポール部45に設けてある。
【0063】そして、図4(b)に例示するように、前
記ポール部45に設けた係止バー49を前記連絡孔47
に設けたカギ孔部50に矢印方向そして矢印方向へ
順に嵌め合わせ、固定される仕組みである。したがっ
て、前記第1の嵌合体44と第2の嵌合体48を前記チ
ャンバ体8から抜き去るには、この手順とは逆の操作に
より行うことができる。
【0064】また、ドレン弁54は、はんだ槽1内のは
んだ5を排出するためのものである。次に、図5を参照
して、チャンバ体の底面に設けた透孔の開閉手段を電磁
ポンプの内部コアに連係して設けた例を説明する。図5
は、他のドレン手段を説明するための側断面図である。
なお、図5においては、電磁ポンプの制御系およびはん
だの温度の制御系をブロック図で描いてある。
【0065】すなわち、電磁ポンプ12ひいてはその吐
出口13と吹き口体15との連係流路であるチャンバ体
8の底面8bに透孔52を設けてあり、この透孔52に
嵌合する嵌合体53を電磁ポンプ12の内部コア19に
連係して設けて構成した例である。
【0066】したがって、電磁ポンプ12の内部コア1
9をこの電磁ポンプ12の流路20から抜き去ると、前
記透孔52に嵌合していた嵌合体53も併せて抜き去ら
れる仕組みである。逆に、電磁ポンプ12に内部コア1
9を挿入すると、前記透孔52に嵌合体53が嵌合して
この透孔52が塞がれる仕組みである。
【0067】すなわち、このように構成することによっ
て、はんだ5の液面5aの上方から前記チャンバ体8の
底面8bに設けた透孔52を開閉することができるよう
になる。つまり、この透孔52とこの透孔52への嵌合
体53とから構成された前記チャンバ体8のドレン手段
を開閉することができるように構成してある。
【0068】なお、図1に示すように、これらの開閉可
能に構成されたドレン手段に依らず、吹き口体15の吹
き口37の面積よりも十分に小さい面積(例えば1/1
0以下)の微細な透孔42をチャンバ体8の底面8bに
設けておいてもよい。 (2)作動 多相交流電源装置29から電力が供給されると、電磁ポ
ンプ12の流路20内に吸い込み口34側から吐出口1
3側へ移動する磁界が発生し、この移動磁界によりその
移動方向と同じ方向への推力を得たはんだ5が吸い込み
口34から吐出口13へ移動し、はんだ槽1のはんだ5
がチャンバ体8へ供給される。
【0069】電磁ポンプ12によりチャンバ体8に供給
されたはんだ5は流れ案内板41等の整流手段等により
流れを整えられ、吹き口体15へ供給されてその吹き口
37から噴流し、この吹き口37上に噴流波27を形成
する。そして、この噴流波27を形成したはんだ5は、
その後はんだ槽1に還流して循環する。
【0070】図示はしないが、プリント配線板等の被は
んだ付けワークは、搬送コンベアに搬送されながらこの
はんだ付け噴流波形成装置の噴流波27に接触し、その
被はんだ付け部にはんだ5が供給されてはんだ付けが行
われる。
【0071】このような誘導型の電磁ポンプ12では、
特開昭49−65934号公報にも開示されているよう
にはんだ5に流れた誘導電流によりはんだ5が加熱され
る。さらに、本発明のはんだ付け噴流波形成装置では、
電磁ポンプ12の全体すなわちその全表面をはんだ5内
に没設しているので、この電磁ポンプ12に発生する銅
損や鉄損ははんだ槽1の外部へ漏洩することなくはんだ
5を加熱するエネルギーとして使用される。しかも、電
磁ポンプ12を包み込むはんだ5は気体として極めて優
れた熱伝導体であり、このはんだ5が優れた冷却媒体と
して作用して電磁ポンプ12が冷却される。したがっ
て、従来のように電磁ポンプを大気中で使用する場合よ
りもその入力電力を大幅に大きくすることができるよう
になる。すなわち、小型でありながら高容量の運転が可
能となる。
【0072】このように、電磁ポンプ12によって発生
したこれらの損失分により、逆にはんだ5を加熱するヒ
ータ4ヘの供給電力を削減できることになる。すなわ
ち、はんだ付け噴流波形成装置としての総合効率を、電
磁ポンプを使用した従来の装置と比較して格段に高める
ことができるようになる。つまり、本発明のはんだ付け
噴流波形成装置では、電磁ポンプ12に供給された有効
電力の全てを漏れなくはんだ付け噴流波形成装置に供給
することができる。しかも、特開昭58−122170
号公報や特開平11−104817号公報に説明されて
いるような冷却手段が不要なため、このような冷却のた
めに使用される電力も節約することができる。
【0073】その結果、はんだ付け噴流波形成装置全体
で見た場合の電磁ポンプ12のエネルギー効率を回転モ
ータに駆動されるポンプと同等に高めることができるよ
うになる。
【0074】また、本発明に用いるALIP型の電磁ポ
ンプ12は、その内部コア19をはんだ槽1のはんだ5
の液面5a側から挿抜できる。したがって、長時間の運
転により電磁ポンプ12の流路20内にドロス等の汚れ
が付着した場合には、その内部コア19を抜き去って、
この流路20内や内部コア19を容易に清掃することが
できる。すなわち、はんだ5に対して非濡れ性の部材例
えばステンレス部材やカーボン部材等で構成されたブラ
シ等を流路20内に挿入すれば、この流路20内の汚れ
を容易に除去することができる。また、内部コア19の
汚れも同様のブラシにより容易に除去することができ
る。さらには、被冠部材36の清掃も併せて行うことが
できる。また、円環状の推力発生流路20すなわちその
縦断面が円状の曲面を有するこの流路にはドロスが付着
しにくい特性があるので、FLIP型の電磁ポンプと比
較してALIP型の電磁ポンプの方が清掃の頻度が少な
くて済む長所がある。
【0075】清掃が完了したら、内部コア19を電磁ポ
ンプ12の流路20内に挿入する。この挿入は、既に説
明したようにホーン状の吸い込み口34に案内されて行
われるので、その吸い込み口34がはんだ5に覆われて
見えないものの極めて容易に行うことができる。なお、
具体的には図示しないが、この内部コア19の固定に
は、吸い込み案内板36の側周の数箇所にアーム状のバ
ー部分を設けておき、この吸い込み案内板のバー部分を
電磁ポンプ12本体に設けた「L」字型の溝を設けた回
転フック機構等に嵌め合わせて係止する等の公知の技術
によって、ねじ固定に依らずに容易に着脱/挿抜するこ
とができるようになる。すなわち、公知の係止技術を用
いて着脱/挿抜することができる。
【0076】さらに、ALIP型の電磁ポンプ12は他
の電磁ポンプと比較して漏洩磁界が少ないので、これに
よってはんだ槽1のはんだ5内や噴流波27内に発生す
る迷走電流もFLIP型の電磁ポンプと比較して極めて
少ない。特に、本実施形態例のように電磁ポンプ12と
吹き口体15との間にチャンバ体8を介在させ、電磁ポ
ンプ12の吐出口13と吹き口体15の吹き口37との
距離を大きく採ることにより、前記のような迷走電流が
プリント配線板に流れることが皆無になる。
【0077】また、電磁ポンプ12からその外部に漏洩
しようとする磁界は、この電磁ポンプ12の全表面を囲
むはんだ5が漏洩磁界に対するショートリング(あるい
はショートバンドと呼称され、電源トランス等の技術分
野においては周知)として作用して滅衰させ、はんだ槽
1の外側やはんだ5の表面から磁界が漏洩することがで
きなくなる。すなわち、噴流波形成装置の外側には漏洩
しなくなり、作業員やプリント配線板ひいては搭載され
ている電子部品に対して漏洩磁界が影響を与えることが
なくなる(特にコイル等のインダクタンス部品が漏洩磁
界を受けると誘導電圧を生じ、それが耐電圧の低い半導
体素子にダメージや損傷を与えることがあるので注意を
要する)。もちろん、ここで使用する電磁ポンプ12と
してはFLIP型、ALIP型、HIP型の何れの型の
電磁ポンプも使用することができ、作用についても以上
の作用と同じ作用が得られる。
【0078】なお、本実施形態例では、電磁ポンプ12
だけをチャンバ体8から容易に離脱させてはんだ5中か
ら引き上げることができる。そのため、ユーザによって
も相違するが1年毎等の間隔で行われるオーバホール等
も極めて容易に行うことができる。
【0079】また、本実施形態例のはんだ付け噴流波形
成装置では、吹き口体15および電磁ポンプ12との連
係流路であるチャンバ体8さらにはこれに結合された電
磁ポンプ12の組み立て体が、はんだ槽1の上縁部1a
に吊り下げられた構成で固定されている。したがって、
これらをはんだ槽1内から引き上げて清掃等のメンテナ
ンス作業を行うことができる。
【0080】しかし、この引き上げの際に、吹き口体1
5および電磁ポンプ12との連係流路であるチャンバ体
8そしてこれに結合された電磁ポンプ12の内部にはは
んだ5が溜まっている。
【0081】そのため、図4や図5に例示した前記はん
だ5のドレン手段すなわち前記チヤンバ体8の底面8b
に設けられた透孔43、52とこの透孔43、52への
嵌合体44、53とから成るドレン手段を開く、すなわ
ち嵌合体44、53を透孔43、52から抜き去ること
により、チャンバ体8の内部に溜まっていたはんだ5を
排出することが可能となり、これらの清掃等のメンテナ
ンス作業を容易に行うことができるようになる。
【0082】なお、このチャンバ体8に設けたドレン手
段の開閉操作すなわち嵌合体44、53の挿抜操作は、
はんだ槽1のはんだ5の液面5aに現れるように設けた
把手46や把手35によりこのはんだ5の液面5aの上
方から行うことができるので、その開閉操作も容易に行
うことができる。
【0083】また、図4や図5に例示するように、はん
だ槽1の槽底2に設けられたドレン弁54を開いてこの
はんだ槽1内のはんだ5を排出する場合においても、前
記吹き口体15と電磁ポンプ12およびそれらのチャン
バ体8に設けたドレン手段43、44または52、53
を開いておけば、これらに溜まったはんだ5も併せては
んだ槽1の外へ排出することができる。したがって、は
んだ付け噴流波形成装置の全ての各部分について、清掃
等のメンテナンス作業を容易に行うことができる。
【0084】さらには、図1に示すように、チャンバ体
8の底面8bに微細な透孔42を設けた場合において
も、実質的に電磁ポンプ12から吹き口体15へのはん
だ5の単位時間当たりの供給流量に影響を与えることな
く、すなわち吹き口37上に形成される噴流波27の形
成に影響を与えることはなく、一方で、はんだ槽1の槽
底2に設けられたドレン弁54(図1では省略して図示
せず)を開いてこのはんだ槽1内のはんだ5を排出する
場合においても、前記の微細な透孔42からはんだ5が
排出され、吹き口体15やチャンバ体8、電磁ポンプ1
2の内部に溜まったはんだ5も併せてはんだ槽1の外へ
排出することができる。つまり、前記と同様にはんだ付
け噴流波形成装置の全ての各部分について、清掃等のメ
ンテナンス作業を容易に行うことができる。
【0085】なお、以上の例では電磁ポンプとしてAL
IP型電磁ポンプを使用した例を説明したが、その他に
HIP型電磁ポンプや推力発生流路内に内部コアの無い
FLIP型電磁ポンプを使用することもできる。
【0086】図6は、FLIP型電磁ポンプを使用した
構成例を説明する図で、その横断面を示す図である。な
お、電磁ポンプの制御系およびはんだの温度の制御系は
ブロック図で描いてある。
【0087】すなわち、ALIP型電磁ポンプ12に代
えてFLIP型電磁ポンプ62を設けることで実現でき
る。そして、図6に示すようにFLIP型電磁ポンプ6
2には内部コアは無く、コア65とこのコア65に巻回
されるコイル71(共に詳細は図示せず)に挟まれた推
力発生流路66が平板状のスリット形状を成している。
【0088】なお、推力発生流路66の一方の側のみコ
ア65とコイル71を設け、他方の側には相対コアを設
けて磁気回路を構成したFLIP型電磁ポンプもある。
【0089】また、HIP型電磁ポンプについても以上
の例と同様に構成できるので、具体的な図示は省略す
る。
【0090】なお、ALIP型電磁ポンプ12が円柱状
の形状を成しているのに対し、FLIP型電磁ポンプ6
2は直方体状の形状を成しており、吸い込み口69や吐
出口63は縦横比が大きい長方形すなわちスリット形状
を成している。そのため、フランジ67、案内板70も
それに対応した四角形状とし、FLIP型電磁ポンプ6
2の嵌合孔64もスリット形状に構成されている。その
ため、この電磁ポンプ62も固定片68をねじにより着
脱自在にチャンバ体8に固定するように構成してある。
もちろん、ねじ固定以外の周知や公知の着脱機構を使用
することができる。
【0091】
【発明の効果】以上のように、本発明のはんだ付け噴流
波形成装置によれば、はんだ付け噴流波形成装置として
の総合効率、具体的には電力効率を高めることができる
ようになり、省エネルギーのはんだ付け噴流波形成装置
を実現することができる。また、噴流波の波高の安定性
や形状の安定性等の品質に影響を与え易い電磁ポンプの
流路すなわち移動磁界を作用させる流路の清掃も極めて
容易に行うことができる。ALIP型の電磁ポンプで
は、汚れが付着しにくい特性もあるので清掃頻度も少な
くて済むようになる。
【0092】また、チャンバ体内や吹き口体内等の電磁
ポンプとの連係部内のはんだも容易に排出されるので、
これらの部位の清掃も容易に行うことができる。
【0093】また、電磁ポンプの交換も容易に行うこと
ができるようになるので、吹き口体の予定していなった
交換により、当初の予定以上の吐出容量すなわち単位時
間当たり最大流量が必要になっても、この容量を十分に
満足する電磁ポンプへの交換を容易に行うことができる
ようになる。他方では、吐出容量に関してオーバスペッ
クの電磁ポンプを設ける必要もなく、コストパフォーマ
ンスに優れたはんだ付け噴流波形成装置を実現できる。
【0094】また、電磁ポンプ内へ雰囲気を巻き込んで
吸い込むこともなく、安定した噴流波を形成することが
できるようになる。
【0095】以上の結果、プリント配線板等の被はんだ
付けワークの生産に伴うコストを低減できるようになる
とともに、そのはんだ付け品質も高めかつ安定に維持す
ることができるようになる。さらには、噴流波に迷走電
流が流れ難く漏洩磁界も極めて少ない構成であるので、
プリント配線板等のように電子部品が搭載された被はん
だ付けワークのはんだ付けに際しても、安心してはんだ
付けを行うことができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のはんだ付け噴流波形成装置の実施形態
例の側断面を示す図である。
【図2】ALIP型電磁ポンプ周辺の構成を説明するた
めの分解斜視図である。
【図3】はんだ付け噴流波形成装置の全容を説明するた
めの斜視図である。
【図4】チャンバ体の底面に設けたドレン手段を説明す
るための側断面を示す図である。
【図5】他のドレン手段を説明するための側断面を示す
図である。
【図6】FLIP型電磁ポンプを使用した実施形態例の
側断面を示す図である。
【符号の説明】
1 はんだ槽 1a 上縁部 2 槽底 3 槽壁 4 ヒータ 5 はんだ 5a 液面 6 温度制御装置 7 温度センサ 8 チャンバ体 8a 上面 8b 底面 9 つり下げ部 10 ねじ 11 把手 12 電磁ポンプ 13 吐出口 14 嵌合孔 15 吹き口体 16 吹き口体嵌合孔 18 外部コア 19 内部コア 20 流路 21 フランジ 23 固定具 23a 凹部 24 固定片 24a 凸部 25 把手 27 噴流波 28 配線用パイプ 29 多相交流電源装置 30 制御装置 31 指示操作部 32 表示部 34 吸い込み口 35 把手 36 吸い込み案内板(被冠部材) 37 吹き口 38 スリーブ部 39 ねじ 40 多孔板 41 流れ案内板 42 微細な透孔 43 透孔 44 第1の嵌合体 45 ポール部 46 把持部 47 連絡孔 48 第2の嵌合体 49 係止バー 50 カギ孔部 52 透孔 53 嵌合体 54 ドレン弁 61 移動磁界発生用コイル 62 フリップ型電磁ポンプ 63 吐出口 64 嵌合孔 65 コア 66 推力発生流路 67 フランジ 68 固定片 69 吸い込み口 70 流れ案内板 71 コイル

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶融状態のはんだがその液面を雰囲気に
    暴露して収容されたはんだ槽と前記はんだを加熱する加
    熱手段と前記はんだの温度を測定する温度測定手段と前
    記はんだを溶融状態の予め決めた所定の温度に維持する
    温度制御手段とを備え、吸い込み口から吐出口に至る直
    線状の流路を有し移動磁界発生用コイルを備えて溶融状
    態のはんだに移動する磁界を作用させて吐出力を得る電
    磁ポンプがその移動磁界発生用コイルおよびコアを含め
    てその全体を前記はんだ槽のはんだ内に没設するととも
    に前記電磁ポンプの吸い込み口を前記はんだ槽のはんだ
    液面側に向けて没設し、前記はんだ槽の槽底を向いた電
    磁ポンプの吐出口にその吹き口が前記溶融状態のはんだ
    の液面上に位置する吹き口体を連係して設けて、前記電
    磁ポンプにより前記吹き口体に供給されてその吹き口か
    ら噴流し前記はんだ槽内に前記はんだが還流し循環する
    過程で噴流波を形成する循環流路を備えて成ることを特
    徴とするはんだ付け噴流波形成装置。
  2. 【請求項2】 前記電磁ポンプがALIP型の電磁ポン
    プであって前記電磁ポンプの流路内に設けられる内部コ
    アが挿抜自在に設けられるとともに前記内部コアを前記
    はんだ液面から挿抜できる向きに電磁ポンプを設けたこ
    とを特徴とする請求項1に記載のはんだ付け噴流波形成
    装置。
  3. 【請求項3】 前記電磁ポンプと前記吹き口体とが連係
    された流路の底面側に微細な透孔を設けたことを特徴と
    する請求項1または請求項2に記載のはんだ付け噴流波
    形成装置。
  4. 【請求項4】 前記電磁ポンプと前記吹き口体とが連係
    された流路の底面側に透孔を設けるとともに前記はんだ
    槽のはんだ液面側から操作できる前記透孔の開閉手段を
    設けたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載
    のはんだ付け噴流波形成装置。
  5. 【請求項5】 前記電磁ポンプと前記吹き口体とが連係
    された流路の底面側に透孔を設けるとともに前記透孔の
    開閉手段を前記電磁ポンプの内部コアと連係させ、前記
    内部コアを抜き去った際に前記透孔が開くように連係さ
    せて構成したことを特徴とする請求項2に記載のはんだ
    付け噴流波形成装置。
  6. 【請求項6】 前記吹き口体に連係した前記電磁ポンプ
    が着脱自在に設けられたことを特徴とする請求項1ない
    し請求項5のいずれかに記載のはんだ付け噴流波形成装
    置。
  7. 【請求項7】 前記はんだ槽のはんだ液面側に向けて設
    けられた電磁ポンプの吸い込み口の周囲に前記吸い込み
    口への前記はんだの吸い込みを前記はんだ槽の下方側か
    ら行わせる被冠部材を設けたことを特徴とする請求項1
    ないし請求項6のいずれかに記載のはんだ付け噴流波形
    成装置。
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