JP3771676B2 - 局所はんだ付け装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電磁誘導ポンプを用いた局所はんだ付け装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
噴流式またはリフロー式のはんだ付け装置によりプリント基板の全面に対する一括式はんだ付けを完了した後の工程で、部分的に比較的大形の電気部品を後付けする場合がある。この場合、既にはんだ付け済みの部位は、後付け用の溶融はんだに晒したくないので、局所はんだ付けを行う必要がある。
【0003】
例えば、実開平4−113158号公報には、発泡フラックス槽と噴流式はんだ槽を備えた自動はんだ付け装置において、特殊構造のスポット接触治具を、フラックス槽の上部およびはんだ槽の上部にそれぞれフラックス吐出口およびはんだ噴出ノズルを覆うようにかつ取り外し自在に装着してなり、前記スポット接触治具は、板形状の基体と、この基体のうち所定の部位について形成された開口部と、この開口部を包囲するように一定の高さに設けられた囲繞壁と、この囲繞壁のうち所定の部分について切欠形成された段差部とを有してなり、そして、プリント基板の走行時に基板がフラックス吐出口の上方およびはんだ噴出ノズルの上方に到来したときスポット接触治具をプリント基板の下面に当接させる昇降機構を備えてなる局所はんだ付け装置が示されている。
【0004】
一方、この種の噴流式はんだ槽は、例えば特開昭59−22391号公報に示されるように、一つの回転羽根を有するポンプから一つのはんだ噴出ノズルに溶融はんだを圧送するものである。このようなはんだ噴出ノズルのみでは、はんだ付け部位を選択できないので、前記スポット接触治具を用いてプリント基板の特定の部品のみをはんだ付けするようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来の噴流式はんだ槽の回転羽根式ポンプは、構造的に小形化しにくい問題がある。このため、一つのはんだ槽内に複数の回転羽根式ポンプを設け、複数の回転羽根式ポンプより複数のはんだ噴出ノズルに溶融はんだをそれぞれ個別に供給するようにした場合は、プリント基板のはんだ付け部位によって異なるはんだ付け浸漬時間などを得ることも理論上は可能であるが、構造的にはんだ槽が著しく大形化して、設置場所、はんだ消費量および製造コストなどが莫大なものとなり、一方、はんだ噴流ノズルは小形化する必要があるので、はんだ槽とはんだ噴流ノズルとがあまりにもアンバランスとなり、実際上は実現できない。
【0006】
また、従来は、はんだ付けされる複数の部品をスポット接触治具により選択するようにしているが、共通のポンプより吐出された溶融はんだをスポット接触治具により複数の部品に分流させるにすぎないので、スポット接触治具を経た各溶融はんだ波による、はんだ付け浸漬時間や温度などのはんだ付け条件は、各部品に共通である。このため、部品の熱容量や耐熱特性などの相違に適合した個別の局所はんだ付けを行うことができない。
【0007】
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、ワークの個々のはんだ付け部位に応じた局所はんだ付けを行える局所はんだ付け装置を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載された発明は、高さ方向に設けられた板状の縦板部を有し溶融はんだを収容する槽体と、この槽体の縦板部に沿ってそれぞれ設けられ槽体内の溶融はんだを上方へ送る複数の電磁誘導ポンプと、これらの複数の電磁誘導ポンプにより送られた溶融はんだをそれぞれ噴流させてはんだ付けされるワークの限られた複数の場所に溶融はんだをそれぞれ供給する複数の局所ノズルとを具備し、複数の電磁誘導ポンプは、複数の局所ノズル内を上昇する溶融はんだによるそれぞれのはんだ付け浸漬時間およびはんだ波高を、ワークのはんだ付け部位に応じて独立制御するものとした局所はんだ付け装置である。
【0009】
そして、ワークの個々のはんだ付け部位に応じて調整された電磁誘導ポンプにより局所ノズルから安定した溶融はんだ波を確保し、局所はんだ付けを行う。特に、槽体の縦板部に沿って設けられた小形の電磁誘導ポンプとの関係で、局所ノズルも平面形状が小形のものを用いることができ、例えば高密度実装基板などに対する後付け部品の局所はんだ付けを、その部品に応じた条件で行える。さらに、各電磁誘導ポンプから溶融はんだを供給される複数の局所ノズルにより、ワークの複数のはんだ付け部位を、それぞれに適する条件ではんだ付けする。特に、各局所ノズルの溶融はんだ波を個別に制御して、はんだ付け浸漬時間や波高を、ワークの個々のはんだ付け部位に応じて個別に調整する。
【0010】
請求項2に記載された発明は、請求項1記載の局所はんだ付け装置において、一つのワークに対し複数の槽体が設けられたものである。
【0011】
そして、各槽体の電磁誘導ポンプおよび局所ノズルにより、ワークの複数のはんだ付け部位を、それぞれに適する条件ではんだ付けする。特に、槽体ごとに溶融はんだ温度を制御できるから、ワークの各はんだ付け部位のはんだ付け温度が異なる場合は、各槽体の溶融はんだ温度を変えて対応する。
【0012】
請求項3に記載された発明は、請求項1または2に記載の局所はんだ付け装置において、一つの電磁誘導ポンプに対し複数の局所ノズルが設けられたものである。
【0013】
そして、共通の電磁誘導ポンプから溶融はんだの供給を受ける複数の局所ノズルにより、はんだ付け条件が同一の複数のはんだ付け部位を一度にはんだ付けする。
【0014】
請求項4に記載された発明は、請求項1乃至3のいずれかに記載の局所はんだ付け装置において、槽体に対しワークを移送するワーク移送手段を具備したものである。
【0015】
そして、ワーク移送手段によりワークを移送し、槽体側では定位置の電磁誘導ポンプおよび局所ノズルより安定した溶融はんだ波を得るようにする。
【0016】
請求項5に記載された発明は、請求項4記載の局所はんだ付け装置において、ワーク移送手段によって移送されるワークが停止される複数のワーク停止位置と、複数のワーク停止位置にそれぞれ設けられた槽体とを具備したものである。
【0017】
そして、はんだ付け浸漬時間の異なる複数のはんだ付け部位が接近している場合でも、ワーク移送手段を介して別のワーク停止位置に離間配置された複数の槽体の電磁誘導ポンプおよび局所ノズルにより、隣合う複数のはんだ付け部位を別の場所にてそれぞれはんだ付けする。
【0018】
請求項6に記載された発明は、請求項1乃至3のいずれかに記載の局所はんだ付け装置において、槽体が移動可能に設けられたものである。
【0019】
そして、槽体を移動して、ワークの複数のはんだ付け部位を、それぞれに適する条件で順次はんだ付けする。
【0020】
請求項7に記載された発明は、請求項1乃至6のいずれかに記載の局所はんだ付け装置において、槽体の上部に、溶融はんだの表面に不活性ガスを供給して溶融はんだの酸化を防止する不活性ガス供給手段が設けられたものである。
【0021】
そして、不活性ガス供給手段により供給された不活性ガスにより、溶融はんだの表面での酸化を防止する。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の一形態を図1乃至図3を参照しながら、また本発明の実施の他の形態を図4乃至図6を参照しながら説明する。
【0023】
図1に示されるように、多数の電子部品を一括はんだ付けにより表面実装したプリント基板などのワーク(以下、ワークは「部品実装基板」を意味する)Wを移送するワーク移送手段11に沿って、ワークWが停止される第1のワーク停止位置12、第2のワーク停止位置13および第3のワーク停止位置14がそれぞれ設けられている。
【0024】
第1のワーク停止位置12は、第1はんだ付け工程位置であり、この位置12には一つのワークWに対応する複数の槽体15,16がそれぞれ設けられている。
【0025】
第3のワーク停止位置14は、第2はんだ付け工程位置であり、この位置14にも一つのワークWに対応する複数の槽体17,18がそれぞれ設けられている。
【0026】
第2のワーク停止位置13は、第2はんだ付け工程用のプリヒート位置であり、この位置13には、一つのワークWに対応する複数のプリヒータ21,22,23,24がそれぞれ設けられている。
【0027】
前記第1および第2のはんだ付け工程位置における個々の槽体15〜18には、槽体内の溶融はんだを上方へ送る複数の電磁誘導ポンプ25,26がそれぞれ設けられている。個々の電磁誘導ポンプ25,26の吐出口27,28にはダクト29,30を介して複数の局所ノズル31,32,33,34が設けられている。
【0028】
これらの局所ノズル31〜34は、電磁誘導ポンプ25,26より圧送された溶融はんだを噴流させて、はんだ付けされるワークWの限られた場所に供給するものである。
【0029】
図2に示されるように、各槽体15〜18は、底板部41と、この底板部41の周囲から高さ方向に垂直に立上げ形成された板状の縦板部42とにより、ポンプ槽部43が形成され、また、このポンプ槽部43の上側に位置する水平板部44と、その周囲から高さ方向に立上げ形成された縦板部45と、この縦板部45の上部にて外側へ折曲形成された上縁部46とにより、上面を開口した溶融はんだ噴流槽部47が形成されている。
【0030】
各槽体15〜18の内部には、錫、インジウムなどの導電性を有する溶融はんだSが収容されている。
【0031】
複数の電磁誘導ポンプ25,26は、槽体15〜18における縦板部42の外側面に沿って上下方向に、多数の誘導コイル48の巻回されたE形積層鉄心からなる一次鉄心49を縦板部42に密着させてそれぞれ配置し、各縦板部42の内側に、溶融はんだ上昇間隙50を介して上下方向に、I形積層鉄心からなる二次鉄心51をそれぞれ配置したものである。
【0032】
二次鉄心51の下端部には吸込口52が設けられ、二次鉄心51の上端部にはノズル取付台部53が一体に設けられ、この取付台部53の付け根部分に前記吐出口27,28が形成され、この吐出口27,28に前記ダクト29,30が接続され、このダクト29,30の上部に、溶融はんだSを噴流させる局所ノズル31〜34が設けられている。
【0033】
ポンプ槽部43の中央部には、複数の電磁誘導ポンプ25,26に共通の、はんだ溶融用のヒータ54が上下方向に配置されている。このヒータ54はワーク移送方向(図2紙面に対し垂直方向)に長尺のシーズヒータである。
【0034】
槽体15〜18の上部には、溶融はんだSの表面に不活性ガスを供給して溶融はんだSの酸化を防止する不活性ガス供給手段61が設けられている。
【0035】
この不活性ガス供給手段61は、槽体15〜18の上部にて、前記局所ノズル31〜34と嵌合するノズル挿入穴62が設けられた覆い板63が設置され、この覆い板63の下面から四方の縦板部45の内側へ突出された突板64の下部が溶融はんだS中に浸漬され、これらの覆い板63および突板64により囲まれた溶融はんだ面上の空間65内に、窒素ガスなどの不活性ガスを供給するための不活性ガス供給管66が挿入されている。
【0036】
前記覆い板63の上側には、前記ワーク移送手段11が設けられている。このワーク移送手段11は、左右のガイドレール67にそれぞれ回行自在に組込まれた左右の無端チェン(図示されない)より多数のワーク移送爪68を所定ピッチで突出させ、左右の無端チェンを同期させて回行駆動することにより、左右のワーク移送爪68を同一方向へ等速で移動させ、これらのワーク移送爪68間に係止されたワークWを移送する。
【0037】
次に、この図2に示された槽体15〜18の作用を説明する。
【0038】
電磁誘導ポンプ25,26は、溶融はんだ上昇間隙50に沿って上下方向に配列した誘導コイル48に3相交流などの位相のずれた交流電流を供給することにより、溶融はんだ上昇間隙50内に移動磁界を生じさせ、溶融はんだ上昇間隙50内の導電性溶融はんだSに電磁誘導による起電力を生じさせ、溶融はんだSの起電力による電流が移動磁界の磁束の中で流れることにより、溶融はんだ上昇間隙50内の溶融はんだSに上方への推力を発生させ、溶融はんだSを上昇移動させる。
【0039】
これにより、共通のヒータ54により溶融した溶融はんだSは、各々の電磁誘導ポンプ25,26によりそれぞれの吸込口52から吸込まれ、槽体15〜18の縦板部42に沿って溶融はんだ上昇間隙50を上昇し、それぞれの吐出口27,28から吐出し、ダクト29,30を経て局所ノズル31〜34より噴流し、ワークWの基板実装部品Pのリード線Lを基板下面にはんだ付けし、覆い板63のノズル挿入穴62を経て溶融はんだ噴流槽部47に落下し、ポンプ槽部43に循環する。
【0040】
溶融はんだ噴流槽部47の溶融はんだSの表面は、不活性ガス供給手段61により供給された窒素ガスなどの不活性ガスにより覆われているので、この溶融はんだSの表面での酸化が防止される。前記突板64は、槽体15〜18の上縁部46と覆い板63との間から不活性ガスが漏出することを防止し、不活性ガスの消費量を抑制するとともに、空間の不活性ガス濃度を維持する働きがある。
【0041】
次に、図1に示された実施形態の作用を説明する。
【0042】
先ず、各槽体15〜18に設けられた電磁誘導ポンプ25,26および各電磁誘導ポンプ25,26から溶融はんだSを供給される複数の局所ノズル31〜34により、ワークWの複数のはんだ付け部位を、それぞれに適する条件で局所はんだ付けする。
【0043】
例えば、一つの槽体における複数の電磁誘導ポンプ25,26または二つ以上の各槽体15〜18における複数の電磁誘導ポンプ25,26を個別に制御することにより、局所ノズル31〜34内を上昇する溶融はんだSによるはんだ付け浸漬時間、はんだ波高を、ワークWのはんだ付け部位に応じて独立制御するとともに、各槽体15〜18のヒータ54を個別に制御して、はんだ温度を独立制御する。
【0044】
すなわち、各槽体15〜18の電磁誘導ポンプ25,26への通電時間および通電量を可変調整することにより、はんだ付け浸漬時間、はんだ波高を制御するとともに、ヒータ54への通電量を可変調整することにより各槽体15〜18の溶融はんだSの温度を制御し、ワークWの各はんだ付け部位のはんだ付け条件に適合する槽体15〜18および電磁誘導ポンプ25,26を選択して用いる。
【0045】
また、ワークWの局所はんだ付け部位が接近している場合は、ワーク移送手段11を介して別々のワーク停止位置12,14に離間配置された複数の槽体15〜18の電磁誘導ポンプ25,26および局所ノズル31〜34により、隣合うはんだ付け部位を別の場所にてそれぞれはんだ付けする。
【0046】
例えば、局所ノズル32と局所ノズル33とは接近し過ぎているので、同一のワーク停止位置12でこれらの局所32,33によるはんだ付けを行うのではなく、第1のワーク停止位置12では、槽体15,16の電磁誘導ポンプ25を駆動して、局所ノズル31,32から噴流する溶融はんだSにより局所はんだ付けを行い、また、第3のワーク停止位置14では、槽体17,18の電磁誘導ポンプ26を駆動して、局所ノズル33,34から噴流する溶融はんだSにより局所はんだ付けを行う。
【0047】
一方、はんだ付け条件が同一でよい複数のはんだ付け部位は、共通のダクト29に設けられた複数の局所ノズル31,32により、または共通のダクト30に設けられた複数の局所ノズル33,34により、一度に効率良くはんだ付けする。
【0048】
次に、図3により、局所はんだ付け方法の全体的な作用を説明する。
【0049】
プリント基板に搭載されたチップ部品などの小形部品を、図示されない噴流式またはリフロー式の一括式はんだ付け装置により一度にはんだ付けする。このようにして基板の片面または両面に部品実装されたワークWの特定部位にパワー関連部品などの大形部品を部分的に後付けする場合に、局所はんだ付けを行う。
【0050】
先ず、ワークWに局所はんだ付け用のフラックスが塗布されるフラックス塗布工程71が実施され、次に、このワークWの局所はんだ付け対象となる部位がプリヒータ(図示せず)により局所的にプリヒートされる第1プリヒート工程72が実施される。
【0051】
それから、図1における第1のワーク停止位置12で、槽体15,16の電磁誘導ポンプ25,26によりその吐出口27,28からダクト29,30を経て局所ノズル31〜34に供給された溶融はんだSにより、特定部品が局所はんだ付けされる第1局所はんだ付け工程73が実施される。
【0052】
さらに、第1局所はんだ付け工程73で局所はんだ付けされた部位と異なる別の部位を局所はんだ付けするために、図1における第2のワーク停止位置13にて、次の局所はんだ付け対象となる部位がプリヒータ21〜24により選択的にプリヒートされる第2プリヒート工程74が実施される。
【0053】
さらに、図1における第3のワーク停止位置14で、槽体17,18の電磁誘導ポンプ25,26によりその吐出口27,28からダクト29,30を経て局所ノズル31〜34に供給された溶融はんだSにより、第2局所はんだ付け工程75が実施され、最後に冷却ファンなどによりワークWが冷却される冷却工程76が実施される。
【0054】
次に、図4は、本発明に係る局所はんだ付け装置の他の実施形態を示し、槽体81を形成している相対する位置の縦板部82に複数の電磁誘導ポンプ83をそれぞれ設けただけでなく、これらの間に位置する縦板部84にも電磁誘導ポンプ85が設けられ、各電磁誘導ポンプ83,85の吐出口86にダクト87が設けられ、そのダクト87の先端に局所ノズル88が設けられ、溶融はんだSの表面から突出されたものであり、一つの槽体81内の6個の局所ノズル88をそれぞれ独立に制御できる実施形態である。
【0055】
以上の実施形態は、ワーク移送手段11によりワークWを移送し、槽体15〜18または81を固定設置したものであり、定位置の電磁誘導ポンプ25,26または83,85および局所ノズル31〜34または88より安定した溶融はんだ波を得ることができるが、次のように槽体を移動可能に設けることも可能である。
【0056】
すなわち、図5に示されるように、小形に形成された槽体91を、図示されないガイドレールによって、図示されない流体圧シリンダ、送りネジ、リンク機構またはカム機構などにより、X軸方向、Y軸方向およびZ軸方向に移動可能に設け、この槽体91に設けられた電磁誘導ポンプ92およびこの電磁誘導ポンプ92から溶融はんだの供給を受ける局所ノズル93を移動させるようにしても良い。
【0057】
そして、槽体91をX軸、Y軸およびZ軸の各方向に移動して、ワークWの複数のはんだ付け部位A,Bに局所ノズル93を順次対向させ、各はんだ付け部位A,Bをそれぞれに適する条件で順次はんだ付けする。
【0058】
このとき、槽体91をZ軸方向に上昇させてから、電磁誘導ポンプ92により溶融はんだを局所ノズル93内で上昇させて噴流直前で停止させ、または噴流させることにより、はんだ付けを行う。
【0059】
例えば、図6におけるワークWに搭載された中形電気部品P1 のリード線L1 は、3秒の浸漬時間ではんだ付けし、大形電気部品のリード線L2 は、4秒の浸漬時間ではんだ付けし、小形電気部品P3 のリード線L3 は、2秒の浸漬時間ではんだ付けするように、槽体91の上昇停止時間を制御すると良い。
【0060】
なお、槽体を定位置に固定設置した場合は、ワークWをX−Y−Zテーブルなどに位置決めしてX軸方向、Y軸方向およびZ軸方向に移動可能としても良い。この場合も、同様に局所はんだ付け位置を調整できる。
【0061】
以上のように、噴流式またはリフロー式の一括式はんだ付け装置によりはんだ付けが完了した高密度実装基板に、異なる電気部品を後付けする場合は、はんだ付け済みの部位に溶融はんだが接触しないように局所はんだ付けを行う必要があるので、この小形の電磁誘導ポンプおよび局所ノズルを備えた小形の槽体が適する。
【0062】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、ワークの個々のはんだ付け部位に応じて調整された電磁誘導ポンプにより局所ノズルから安定した溶融はんだ波を確保して、良好な局所はんだ付けを行うことができる。特に、電磁誘導ポンプを槽体の縦板部に沿って設けることにより小形にできるから、この小形の電磁誘導ポンプとの関係で、局所ノズルも平面形状が小形のものを用いることができ、例えば全面を一括はんだ付けした後のワークの狭い部位に対しても、後付け部品などの局所はんだ付けを、部品に応じた条件で行える。さらに、一つの槽体に対し複数の電磁誘導ポンプが設けられたから、各電磁誘導ポンプから溶融はんだを供給される複数の局所ノズルにより、ワークの複数のはんだ付け部位を、それぞれに適する条件ではんだ付けでき、特に、各電磁誘導ポンプにより個々の溶融はんだ波を制御して、はんだ付け浸漬時間や波高を、ワークの個々のはんだ付け部位に応じて容易に独立制御できる。
【0063】
請求項2記載の発明によれば、一つのワークに対し複数の槽体が設けられたから、各槽体の電磁誘導ポンプおよび局所ノズルにより、ワークの複数のはんだ付け部位を、それぞれに適する条件ではんだ付けできる。特に、槽体ごとに溶融はんだ温度を制御できるから、ワークの各はんだ付け部位のはんだ付け温度が異なる場合にも対応できる。
【0064】
請求項3記載の発明によれば、一つの電磁誘導ポンプに対し複数の局所ノズルが設けられたから、はんだ付け条件が同一の複数のはんだ付け部位を一度に効率良くはんだ付けできる。
【0065】
請求項4記載の発明によれば、ワーク移送手段によりワークを移送するから、定位置の槽体の電磁誘導ポンプおよび局所ノズルより安定した溶融はんだ波を得ることができる。
【0066】
請求項5記載の発明によれば、複数のワーク停止位置に槽体がそれぞれ設けられているから、はんだ付け浸漬時間の異なる複数のはんだ付け部位が接近している場合でも、ワーク移送手段を介して別のワーク停止位置に離間配置された複数の槽体にて、それらの電磁誘導ポンプおよび局所ノズルにより隣合う複数のはんだ付け部位を相互干渉し合うことなく、それぞれに適する条件ではんだ付けでき、ワークのあらゆるパターンに対応できる。
【0067】
請求項6記載の発明によれば、槽体を移動することにより、一つの槽体でもワークの複数のはんだ付け部位をそれぞれに適する条件ではんだ付けできる。
【0068】
請求項7記載の発明によれば、槽体の上部に設けられた不活性ガス供給手段により供給された不活性ガスにより、溶融はんだの表面での酸化を防止して、酸化物によるはんだ付け不良を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る局所はんだ付け装置の一実施形態を示す平面図である。
【図2】 同上局所はんだ付け装置における槽体の一例を示す断面図である。
【図3】 同上局所はんだ付け装置のはんだ付け工程を示すブロック図である。
【図4】 同上局所はんだ付け装置の他の実施形態を示す斜視図である。
【図5】 同上局所はんだ付け装置のさらに別の実施形態を示す斜視図である。
【図6】 同上局所はんだ付け装置のはんだ付け時の作用を示す断面図である。
【符号の説明】
W ワーク
S 溶融はんだ
11 ワーク移送手段
12,14 ワーク停止位置
15〜18 槽体
25,26 電磁誘導ポンプ
31〜34 局所ノズル
42 縦板部
61 不活性ガス供給手段
91 移動可能の槽体
Claims (7)
- 高さ方向に設けられた板状の縦板部を有し溶融はんだを収容する槽体と、
この槽体の縦板部に沿ってそれぞれ設けられ槽体内の溶融はんだを上方へ送る複数の電磁誘導ポンプと、
これらの複数の電磁誘導ポンプにより送られた溶融はんだをそれぞれ噴流させてはんだ付けされるワークの限られた複数の場所に溶融はんだをそれぞれ供給する複数の局所ノズルとを具備し、
複数の電磁誘導ポンプは、複数の局所ノズル内を上昇する溶融はんだによるそれぞれのはんだ付け浸漬時間およびはんだ波高を、ワークのはんだ付け部位に応じて独立制御するものとした
ことを特徴とする局所はんだ付け装置。 - 一つのワークに対し設けられた複数の槽体
を具備したことを特徴とする請求項1記載の局所はんだ付け装置。 - 一つの電磁誘導ポンプに対し設けられた複数の局所ノズル
を具備したことを特徴とする請求項1または2に記載の局所はんだ付け装置。 - 槽体に対しワークを移送するワーク移送手段
を具備したことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の局所はんだ付け装置。 - ワーク移送手段によって移送されるワークが停止される複数のワーク停止位置と、
複数のワーク停止位置にそれぞれ設けられた槽体と
を具備したことを特徴とする請求項4記載の局所はんだ付け装置。 - 移動可能に設けられた槽体
を具備したことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の局所はんだ付け装置。 - 槽体の上部に設けられ溶融はんだの表面に不活性ガスを供給して溶融はんだの酸化を防止する不活性ガス供給手段
を具備したことを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の局所はんだ付け装置。
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JP18117097A JP3771676B2 (ja) | 1997-07-07 | 1997-07-07 | 局所はんだ付け装置 |
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JP18117097A JP3771676B2 (ja) | 1997-07-07 | 1997-07-07 | 局所はんだ付け装置 |
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