JP2003136091A - 汚水処理方法及び汚水処理装置並びにその汚水処理装置を備えた汚水処理システム - Google Patents
汚水処理方法及び汚水処理装置並びにその汚水処理装置を備えた汚水処理システムInfo
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Abstract
おく必要をなくし、且つその値を計測する計測器の精度
として高い精度が常に維持されていなければならないと
いった制約をなくしながらも生物反応槽内での生物反応
処理を効率良く行えるようにする。 【解決手段】 嫌気工程を行う予定時間及びその後に好
気工程を行う予定時間をそれぞれ設定しておく。嫌気工
程の終了予定時刻Bに生物反応槽内部の溶存酸素値を計
測し、この計測値が目標嫌気DOに達していない場合に
は嫌気工程を上記予定時間よりも延長させる。この延長
時間中に溶存酸素値が目標嫌気DOに達した時点Cで、
好気工程に切り換え、嫌気工程が延長された時間だけ、
この好気工程の予定時間を短縮させる。
Description
気状態と好気状態とに交互に切り換えることによって脱
窒や脱リンを行うようにした汚水処理方法及び汚水処理
装置並びにその汚水処理装置を備えた汚水処理システム
に係る。特に、本発明は、汚水処理動作の信頼性の向上
を図るための対策に関する。
ムとして、例えば特開2000−84585号公報に開
示されているように、生物反応槽内部に曝気装置を備え
させ、この曝気装置を停止状態にする嫌気工程とこの曝
気装置を駆動状態にする好気工程とを交互に切り換えて
汚水の脱窒や脱リンを行うものが知られている。つま
り、汚水中に含まれる窒素化合物が好気工程において活
性汚泥により酸化されて硝酸性窒素になり、その後、嫌
気工程に切り換えられることによって硝酸性窒素から酸
素を奪って窒素ガスを発生させ、これによって脱窒を行
うようにしている。また、嫌気工程において活性汚泥か
らリンが一旦放出され、その後、好気工程に切り換えら
れることによって活性汚泥にリンを過剰採取させること
により脱リンを行うようにしている。
の切り換え手法としては、生物反応槽内部に溶存酸素計
を設けておき、その計測値に基づいて各工程を切り換え
るといったDO(Dissolved Oxygen)制御運転を行って
いた。つまり、生物反応槽内部の溶存酸素値に上限値
(目標好気溶存酸素値)及び下限値(目標嫌気溶存酸素
値)を予め設定しておき、嫌気工程中に溶存酸素値が下
限値に達した時点で好気工程に切り換える一方、この好
気工程中に溶存酸素値が上限値に達した時点で嫌気工程
に切り換えるようにしていた。
うに生物反応槽内部の溶存酸素値のみによって嫌気工程
と好気工程とを切り換えるようにした場合には、生物反
応槽内部の溶存酸素値を溶存酸素計によって常時計測し
ておく必要があり、且つ溶存酸素計の計測精度として高
い精度が常に維持されていることが必要である。
面に活性汚泥などが付着し、実際の生物反応槽内部の溶
存酸素値よりも検出された溶存酸素値が低くなってしま
うことが多い。この場合、好気工程中の溶存酸素の計測
値が上限値に達しないことになり、好気工程が長期間に
亘って継続して行われてしまい(嫌気工程への切り換え
が行われず)、所定の汚水処理動作を行うことができな
くなってしまう。
的に溶存酸素計の洗浄作業が必要である。つまり、DO
制御運転を一旦中断して溶存酸素計を生物反応槽から取
り出し、計測部の水洗いなどの洗浄を行った後に、この
溶存酸素計を生物反応槽内に沈めてDO制御運転を再開
させるといった作業が必要である。
が必要である場合、この洗浄作業中には生物反応槽内で
の有効な酸素供給が行われなくなり、汚水処理の効率の
悪化を招いてしまう。
酸素値に基づいて嫌気工程と好気工程とを切り換える場
合に限らず、酸化還元電位値によって嫌気工程と好気工
程とを切り換える場合も同様に生ずる。
であり、その目的とするところは、溶存酸素値や酸化還
元電位値を常時計測しておく必要をなくし、且つその値
を計測する計測器の精度として高い精度が常に維持され
ていなければならないといった制約をなくしながらも生
物反応槽内での生物反応処理を効率良く行えるようにす
ることにある。
部を嫌気状態と好気状態とに交互に切り換えることによ
って汚水の浄化を行うに際し、嫌気工程とその後の好気
工程とによって汚水処理の1サイクルを構成し、この1
サイクルの時間を固定した状態で、各工程の時間配分を
適切に設定するようにしている。つまり、1サイクルの
終了時間を固定することで、計測手段(溶存酸素値や酸
化還元電位値の計測手段)による計測動作を不要とする
時間帯を予め決定しておき、この時間帯での計測手段の
メンテナンスを、DO制御運転を停止させることなく実
行可能とするようにしている。
と好気状態にする好気工程とを交互に切り換えることに
よって汚水の浄化を行う汚水処理方法を前提とする。こ
の汚水処理方法として、先ず、嫌気工程を行う予定時間
及びその後に好気工程を行う予定時間をそれぞれ設定し
ておく。そして、嫌気工程の終了予定時刻に生物反応槽
内部の溶存酸素値または酸化還元電位値を計測し、この
計測値が目標値に達していない場合には嫌気工程を上記
予定時間よりも延長させる。一方、この嫌気工程が延長
された時間だけ、この嫌気工程の後に行われる好気工程
の予定時間を短縮させるようにしている。
処理装置の構成としては以下のものが掲げられる。先
ず、生物反応槽内部を嫌気状態にする嫌気工程と好気状
態にする好気工程とを交互に切り換え可能とするように
生物反応槽内部に設置された曝気手段と、生物反応槽内
部の溶存酸素値または酸化還元電位値を計測する計測手
段とを備えた汚水処理装置を前提とする。この汚水処理
装置に対し、上記嫌気工程を行う予定時間及びその後に
好気工程を行う予定時間をそれぞれ設定する。そして、
嫌気工程の終了予定時刻に、計測手段によって生物反応
槽内部の溶存酸素値または酸化還元電位値を計測させ、
この計測値が目標値に達していない場合には嫌気工程を
上記予定時間よりも延長させる嫌気工程延長手段と、こ
の嫌気工程延長手段の出力を受け、嫌気工程が延長され
た時間だけ、この嫌気工程の後に行われる好気工程の予
定時間を短縮させる好気工程短縮手段とを備えさせてい
る。
後に行われる好気工程とによって汚水処理の1サイクル
を構成させ、この1サイクルのトータル時間を固定した
状態で、各工程の時間配分を設定することになる。例え
ば、この1サイクルの時間を1時間とし、嫌気工程及び
好気工程の予定時間をそれぞれ30分とした場合におい
て、嫌気工程を5分延長して35分間行った場合には、
好気工程を5分短縮して25分間行うことになる。つま
り、毎サイクルの嫌気工程の開始時刻が一定時間(1時
間)毎に決定されることになる。嫌気工程の開始時刻を
毎時0分とした場合、嫌気工程の終了予定時刻は毎時3
0分となる。つまり、この毎時30分のタイミングで生
物反応槽内部の溶存酸素値または酸化還元電位値を計測
することによって嫌気工程を延長させるべきか否かを判
定することができる。言い換えると、毎時0分から30
分の直前までの間の時間は、生物反応槽内部の溶存酸素
値または酸化還元電位値を計測する必要がない。このた
め、この時間帯に計測手段のメンテナンスを行うことが
できる。つまり、DO制御運転を停止させることなしに
計測手段のメンテナンスが可能になり、このメンテナン
スにより、常に計測手段の計測精度を高く維持すること
ができる。
下のとおりである。つまり、嫌気工程の最大延長時間を
予め設定しておく。そして、嫌気工程延長手段が、嫌気
工程の延長時間中に計測手段からの計測信号を受け、生
物反応槽内部の溶存酸素値または酸化還元電位値が目標
値に達した時点で嫌気工程を停止させるようにしてい
る。これによれば、嫌気工程の最大延長時間の範囲内
で、生物反応槽内部の溶存酸素値または酸化還元電位値
が目標値に達するまで嫌気工程が継続して行われるの
で、生物反応槽内部の嫌気状態を確実に得ることがで
き、所定の汚水処理動作を確実に実行することができ
る。また、計測手段の計測動作に不具合が生じて、生物
反応槽内部の溶存酸素値または酸化還元電位値が目標値
に達しているにも拘わらずそれが検出できない状況とな
っても、嫌気工程の最大延長時間は予め設定されてお
り、この時間に達すると強制的に嫌気工程が停止される
ため、長時間に亘って不必要な嫌気工程が継続されてし
まうといった状況を回避することができる。
構成としては、好気工程時に計測手段からの計測信号を
受け、それに応じて曝気手段による生物反応槽内部の曝
気量を制御する好気制御手段を備えさせている。これに
よれば、嫌気工程の終了時における溶存酸素値または酸
化還元電位値に応じた好気工程を実行することができ
る。例えば、嫌気工程の終了時の溶存酸素値が極めて小
さい場合には、曝気手段による曝気量が大きくなるよう
に制御することにより、生物反応槽内部の溶存酸素値を
目標値まで急速に上昇させることができる。逆に、嫌気
工程の終了時の溶存酸素値が比較的大きい場合には、曝
気手段による曝気量が小さくなるように制御することに
より、生物反応槽内部の溶存酸素値の過上昇による過曝
気の発生を抑制することができる。
構成としては、嫌気工程時、この嫌気工程の終了予定時
刻においてのみ生物反応槽内部の溶存酸素値または酸化
還元電位値を計測するべく計測手段を生物反応槽内部に
浸漬させる計測制御手段を備えさせている。これによ
り、嫌気工程時、この嫌気工程の終了予定時刻以外の時
間帯では計測手段を生物反応槽内部から引き上げておく
ことができ、この計測手段のメンテナンスを容易に行う
ことができる。
って生物反応槽内部の嫌気状態と好気状態とを交互に切
り換えながら汚水の浄化を行うように構成された汚水処
理システムも本発明の技術的思想の範疇である。
に基づいて説明する。本形態では、連続流入間欠曝気法
により汚水処理を行う汚水処理システムに本発明を適用
した場合について説明する。本発明はこれに限らず、回
分式活性汚泥法やオキシデーションディッチ法などの汚
水処理を行う汚水処理システムにも適用可能である。
ムの概略構成を示す図である。この図に示すように、本
汚水処理システムは、原水槽1、流量調整槽2、生物反
応槽3、沈殿槽4、消毒槽5、汚泥濃縮槽6及び汚泥貯
留槽7を備えている。
から砂を分離するための沈砂槽11及びこの沈砂槽11
において砂が分離除去された後の原水が導入される原水
ポンプ槽12を備えている。上記沈砂槽11には分離除
去された砂を排出する沈砂排出ポンプ13が、原水ポン
プ槽12には原水を流量調整槽2へ供給する原水ポンプ
14がそれぞれ備えられている。
2内を撹拌するための撹拌ポンプ21及びこの流量調整
槽2から生物反応槽3へ向けて原水を供給するための流
量調整ポンプ22が備えられている。
を備えた槽であって、活性汚泥による生物反応処理によ
って原水が浄化され、この処理水が汚泥と共に沈殿槽4
へ流出されるようになっている。この生物反応処理とし
ては、曝気撹拌装置31を停止状態にする嫌気工程とこ
の曝気撹拌装置31を駆動状態にする好気工程とを交互
に切り換えて汚水の脱窒や脱リンが行われる。つまり、
汚水中に含まれる窒素化合物が好気工程において活性汚
泥により酸化されて硝酸性窒素になり、その後、嫌気工
程に切り換えられることによって硝酸性窒素から酸素を
奪って窒素ガスを発生させ、これによって脱窒が行われ
る。また、嫌気工程において活性汚泥からリンが一旦放
出され、その後、好気工程に切り換えられることによっ
て活性汚泥にリンを過剰採取させることにより脱リンが
行われる。
泥濃度を測定するための濃度センサ32が設けられてい
る。この濃度センサ32は、生物反応槽3内に設置した
図示しないストレーナから吸い込んだサンプリング液よ
り汚泥濃度を測定するものであって、その測定信号を後
述するコントローラ9に送信するようになっている。
3内の溶存酸素値を計測するための溶存酸素計33が取
り付けられている。この溶存酸素計33は、生物反応槽
3の上面に固定されたリール33aと、このリール33
aによって巻き取り可能とされたケーブル33bと、こ
のケーブル33bの先端に取り付けられた溶存酸素検出
器33cとを備えている。そして、生物反応槽3内の溶
存酸素値を計測する際には、図中実線で示すようにリー
ル33aの回転駆動によってケーブル33bを繰り出し
て溶存酸素検出器33cを生物反応槽3内の汚水中に沈
める。逆に、生物反応槽3内の溶存酸素値を計測する必
要がないときには、図中破線で示すようにリール33a
の回転駆動によってケーブル33bを巻き取って溶存酸
素検出器33cを生物反応槽3内の汚水の水面よりも上
方に位置させる。このようにして溶存酸素検出器33c
を生物反応槽3内の汚水の水面よりも上方に位置させた
状態では、この溶存酸素検出器33cのメンテナンスを
行うことが可能となる。このメンテナンスとしては例え
ば酸素検出面の水洗いによる洗浄などである。
し、これによって処理水と汚泥とを分離するものであ
る。この分離によって上澄み水となった処理水は、消毒
槽5へ供給され、この消毒槽5内で塩素消毒器などによ
って消毒されて排出されるようになっている。一方、沈
殿槽4内に沈殿した汚泥の一部は、返送汚泥ポンプ8に
よって沈殿槽4から引き抜かれて上記生物反応槽3へ返
送されるようになっている。この沈殿槽4と生物反応槽
3とを連結する返送通路81の途中には返送汚泥バルブ
81aが設けられており、このバルブ81aの開閉動作
を制御することによって生物反応槽3への汚泥の返送量
を調整できるようになっている。
分岐した分岐通路82によって、返送用汚泥を生物反応
槽3へ返送することなく汚泥濃縮槽6へ溜めることがで
きるように構成されている。この分岐通路82の途中に
は余剰汚泥バルブ82aが設けられており、このバルブ
82aの開閉制御によって沈殿槽4からの汚泥引き抜き
量を調整できるようになっている。
水とを分離するものであって、この分離の後、沈殿した
濃縮汚泥は、汚泥引抜ポンプ61によって汚泥貯留槽7
へ送り出され、上澄み水となった脱離液は、通路62に
よって原水ポンプ槽12へ戻されるようになっている。
この通路62には脱離液返送バルブ62aが設けられて
いる。
81a,82aの開閉制御やポンプ13,14,21,
22,8の駆動制御などを行うためのコントローラ9を
備えている。このコントローラ9の特徴としては、工程
予定時間設定手段91、嫌気工程延長手段92、好気工
程短縮手段93、好気制御手段94、計測制御手段95
を備えていることにある。以下、各手段について説明す
る。
行う予定時間及びその後に好気工程を行う予定時間を予
め設定し、これら予定時間を記憶するものである。例え
ば、システム管理者による操作パネルの操作によって各
予定時間が設定され、嫌気工程時間を30分間、好気工
程時間を30分間とし、嫌気工程とその後に行われる好
気工程を合わせて1サイクルとして1時間に設定すると
いったように各予定時間が設定されている。尚、これら
予定時間としては上述したものに限らず、システム管理
者によって任意の値に設定可能である。
間設定手段91に記憶されている嫌気工程の終了予定時
刻に、溶存酸素計33による生物反応槽3内部の溶存酸
素値の計測を実行させるものである。つまり、図中実線
で示すようにリール33aの回転駆動によってケーブル
33bを繰り出して溶存酸素検出器33cを生物反応槽
3内の汚水中に沈めて溶存酸素値を計測可能な状態にす
る。この際、溶存酸素の計測値が目標値(目標嫌気溶存
酸素値、以下目標嫌気DOと呼ぶ)に達していない場合
には嫌気工程を上記予定時間よりも延長させるようにし
ている。また、この嫌気工程延長手段92では、嫌気工
程の最大延長時間が予め設定されており(例えば10分
間)、嫌気工程の延長時間中に溶存酸素計33からの計
測信号を受け、生物反応槽3内部の溶存酸素値が目標値
に達した時点で嫌気工程を停止させるようにしている。
尚、この最大延長時間についてもシステム管理者によっ
て任意の値に設定可能である。
長手段92の出力を受け、嫌気工程が延長された時間だ
け、この嫌気工程の後に行われる好気工程の予定時間を
短縮させるものである。つまり、嫌気工程が行われた時
間に拘わらず、この嫌気工程の実行時間とその後に行わ
れる好気工程の実行時間との総和(上記1サイクルの時
間)を不変とするようにしている。
素計33からの計測信号を受け、それに応じて曝気撹拌
装置31による生物反応槽3内部の曝気量を制御するよ
うになっている。具体的には、曝気撹拌装置31はイン
バータ制御されるように構成されており、好気工程の開
始後における溶存酸素値が極端に低い場合には、曝気撹
拌装置31の出力を大きくする一方、好気工程の開始後
における溶存酸素値が比較的高い場合には、曝気撹拌装
置31の出力を小さくするようにインバータ制御が行わ
れる。また、好気工程中においても生物反応槽3内部の
溶存酸素値が目標値(目標好気溶存酸素値、以下目標好
気DOと呼ぶ)程度の値に維持されるように曝気撹拌装
置31をインバータ制御するようになっている。
は、この嫌気工程の終了予定時刻においてのみ生物反応
槽3内部の溶存酸素値を計測するべく溶存酸素計33を
生物反応槽3内部に浸漬させるものである。具体的に
は、嫌気工程の開始時から嫌気工程の終了予定時刻の直
前までは、溶存酸素計33のケーブル33bをリール3
3aに巻き取って溶存酸素検出器33cを生物反応槽3
内の汚水の水面よりも上方に位置させておく。そして、
嫌気工程の終了予定時刻から好気工程の終了時刻までは
ケーブル33bをリール33aから繰り出して溶存酸素
検出器33cを生物反応槽3内の汚水中に沈める。つま
り、嫌気工程の終了予定時刻及び好気工程中にのみ生物
反応槽3内部の溶存酸素値を計測するように溶存酸素計
33を制御する。
テムの嫌気工程時及び好気工程時における生物反応槽3
内部の溶存酸素値の変化状態について図2及び図3を用
いて説明する。図2は、嫌気工程終了予定時刻前に、溶
存酸素値が目標嫌気DO以下まで低下した状況における
溶存酸素値の変化状態を示している。一方、図3は、嫌
気工程終了予定時刻において未だ溶存酸素値が目標嫌気
DOに達していない状況における溶存酸素値の変化状態
を示している。
ついて説明する。先ず、前工程(好気工程)において溶
存酸素値が目標好気DO程度まで高くなっている状況
で、曝気撹拌装置31が停止されて嫌気工程が開始され
る(図2におけるタイミングA)。この嫌気工程の開始
に伴って、活性汚泥による汚水処理により溶存酸素値が
徐々に低下していく。この間、溶存酸素計33による溶
存酸素値の計測は必要ないので、図1中に破線で示すよ
うにリール33aの回転駆動によってケーブル33bを
巻き取って溶存酸素検出器33cを生物反応槽3内の汚
水の水面よりも上方に位置させ、溶存酸素検出器33c
のメンテナンスを行う。
程が開始されてから30分経過時点であって、図2にお
けるタイミングB)の直前に、リール33aの回転駆動
によってケーブル33bを繰り出して溶存酸素検出器3
3cを生物反応槽3内の汚水中に沈める。これにより、
生物反応槽3内の溶存酸素値の計測が可能な状態とな
る。
生物反応槽3内の溶存酸素値の計測を行い、この計測値
が目標嫌気DOに達しているか否かを判定する。図2に
示すように、この時点での計測値が目標嫌気DOに達し
ている場合には、この時点で嫌気工程を停止し、曝気撹
拌装置31を駆動させて好気工程に切り換える。
時刻まで溶存酸素計33による溶存酸素値の計測を継続
して行い、インバータ制御によって曝気撹拌装置31の
出力を制御する。つまり、好気工程の開始後における溶
存酸素値が極端に低い場合には、曝気撹拌装置31の出
力を大きくして溶存酸素値を目標好気DOまで急速に高
める。逆に、好気工程の開始後における溶存酸素値が比
較的高い場合には、曝気撹拌装置31の出力を小さくし
て溶存酸素値の上昇を抑えるようにする。
好気工程終了時刻(図2におけるタイミングD)になっ
た時点で曝気撹拌装置31を停止して好気工程を終了さ
せ、次のサイクルとしての嫌気工程に切り換える。
溶存酸素値が目標嫌気DOに達していない状況について
図3を用いて説明する。ここでは、上述した図2での説
明との相違点について説明する。
状況において、嫌気工程の終了予定時刻になった時点
(タイミングB)で、生物反応槽3内の溶存酸素値の計
測を行い、この計測値が目標嫌気DOに達しているか否
かを判定する。そして、図3に示すように、この時点で
の計測値が目標嫌気DOに達していない場合には、嫌気
工程を延長し、この延長時間の間、溶存酸素検出器33
cによる溶存酸素値の計測を継続して行う。この際、嫌
気工程の最大延長時間は10分に設定されているので、
嫌気工程の延長開始後、10分を経過しても計測値が目
標嫌気DOに達しない場合には、強制的に嫌気工程を停
止して好気工程に切り換える。一方、図2に示すよう
に、嫌気工程の延長開始後、10分を経過する前に計測
値が目標嫌気DOに達した場合(図中タイミングC)に
は、その時点で嫌気工程を停止し、曝気撹拌装置31を
駆動させて好気工程に切り換える。
時刻まで溶存酸素計33による溶存酸素値の計測を継続
して行い、インバータ制御によって曝気撹拌装置31の
出力を制御する。つまり、好気工程の開始後における溶
存酸素値が極端に低い場合には、曝気撹拌装置31の出
力を大きくして溶存酸素値を目標好気DOまで急速に高
める。逆に、好気工程の開始後における溶存酸素値が比
較的高い場合には、曝気撹拌装置31の出力を小さくし
て溶存酸素値の上昇を抑えるようにする。
気工程が延長された時間だけ、好気工程の予定時間を短
縮させ、所定の好気工程終了時刻になった時点で曝気撹
拌装置31を停止して好気工程を終了させ、次のサイク
ルとしての嫌気工程に切り換える。
定された嫌気工程終了予定時刻において生物反応槽3内
の溶存酸素値を計測し、その溶存酸素値が目標嫌気DO
に達していない場合には嫌気工程を延長する。また、こ
の嫌気工程を延長した時間だけ、次工程である好気工程
の予定時間を短縮させている。このため、嫌気工程とそ
の後に行われる好気工程とによって構成される汚水処理
の1サイクルのトータル時間を固定することができ、毎
サイクルの嫌気工程の開始時刻が一定時間(本形態にお
いては1時間)毎に決定されることになる。その結果、
嫌気工程の開始時刻から嫌気工程の終了予定時刻の直前
までの間であって溶存酸素計33をメンテナンスできる
時間帯をシステム管理者は予め把握しておくことが可能
になる。つまり、コントローラ9から嫌気工程開始信号
を受けて嫌気工程の開始をシステム管理者に報知すると
いった手段を必要とすることなしに、嫌気工程開始タイ
ミングを把握でき、それによって溶存酸素計33のメン
テナンスが可能な時間帯を認識できることになる。そし
て、この時間帯では溶存酸素計33による計測を行う必
要がないので、DO制御運転を停止させることなしに溶
存酸素計33のメンテナンスを行うことができて、常に
溶存酸素計33の計測精度を高く維持することができ
る。
程終了タイミング及び好気工程の終了タイミングは、時
間によって強制的に設定されているので、仮に溶存酸素
計33に計測不良が発生していたとしても、嫌気工程と
好気工程とを所定時間内に繰り返すことができ、汚水処
理動作(脱窒、脱リン)を良好に行わせることができ
る。
に基づいて嫌気工程の終了タイミングの調節や曝気撹拌
装置31のインバータ制御を行うようにしていたが、本
発明はこれに限らず、生物反応槽3内部の酸化還元電位
値に基づいて嫌気工程の終了タイミングの調節や曝気撹
拌装置31のインバータ制御を行うようにしてもよい。
時間中に生物反応槽3内部の溶存酸素値が目標値に達し
た時点で嫌気工程から好気工程に切り換えるようにして
いたが、これに限らず、嫌気工程終了予定時刻において
目標嫌気DOに達していない場合には、一律に所定時間
(例えば5分間)だけ嫌気工程の延長させるようにして
もよい。これによれば、嫌気工程の延長時間中にも生物
反応槽3内部の溶存酸素値を計測する必要がなくなり、
この時間帯においても溶存酸素計33のメンテナンスを
行うことが可能になる。
気撹拌装置31を停止するようにしていたが、散気のみ
を停止して嫌気工程時にも撹拌運転を行うシステムに適
用した場合にも同様の方法で汚水処理が可能である。
内部を嫌気状態と好気状態とに交互に切り換えることに
よって汚水の浄化を行うに際し、嫌気工程とその後の好
気工程とによって汚水処理の1サイクルを構成し、この
1サイクルの時間を固定した状態で、各工程の時間配分
を適切に設定するようにしている。つまり、1サイクル
の終了時間を固定することで、計測手段による計測動作
を不要とする時間帯を予め決定しておき、この時間帯で
の計測手段のメンテナンスを、DO制御運転を停止させ
ることなく実行できるようにしている。このため、常に
計測手段の計測精度を高く維持することができ、信頼性
の高い汚水処理動作を行わせることが可能になる。
定時刻においてのみ生物反応槽内部の溶存酸素値または
酸化還元電位値を計測するべく計測手段を生物反応槽内
部に浸漬させるようにしておけば、嫌気工程時、この嫌
気工程の終了予定時刻以外の時間帯では計測手段を生物
反応槽内部から引き上げておくことができ、この計測手
段のメンテナンスを容易に行うことができる。
示す図である。
化状態の一例を示す図である。
化状態の他の一例を示す図である。
Claims (6)
- 【請求項1】 生物反応槽内部を嫌気状態にする嫌気工
程と好気状態にする好気工程とを交互に切り換えること
によって汚水の浄化を行う汚水処理方法において、 上記嫌気工程を行う予定時間及びその後に好気工程を行
う予定時間をそれぞれ設定しておき、 上記嫌気工程の終了予定時刻に生物反応槽内部の溶存酸
素値または酸化還元電位値を計測し、この計測値が目標
値に達していない場合には嫌気工程を上記予定時間より
も延長させる一方、 この嫌気工程が延長された時間だけ、この嫌気工程の後
に行われる好気工程の予定時間を短縮させることを特徴
とする汚水処理方法。 - 【請求項2】 生物反応槽内部を嫌気状態にする嫌気工
程と好気状態にする好気工程とを交互に切り換え可能と
するように生物反応槽内部に設置された曝気手段と、生
物反応槽内部の溶存酸素値または酸化還元電位値を計測
する計測手段とを備えた汚水処理装置において、 上記嫌気工程を行う予定時間及びその後に好気工程を行
う予定時間がそれぞれ設定されており、 上記嫌気工程の終了予定時刻に、計測手段によって生物
反応槽内部の溶存酸素値または酸化還元電位値を計測さ
せ、この計測値が目標値に達していない場合には嫌気工
程を上記予定時間よりも延長させる嫌気工程延長手段
と、 この嫌気工程延長手段の出力を受け、嫌気工程が延長さ
れた時間だけ、この嫌気工程の後に行われる好気工程の
予定時間を短縮させる好気工程短縮手段とを備えている
ことを特徴とする汚水処理装置。 - 【請求項3】 請求項2記載の汚水処理装置において、 嫌気工程の最大延長時間が予め設定されており、嫌気工
程延長手段は、嫌気工程の延長時間中に計測手段からの
計測信号を受け、生物反応槽内部の溶存酸素値または酸
化還元電位値が目標値に達した時点で嫌気工程を停止さ
せるよう構成されていることを特徴とする汚水処理装
置。 - 【請求項4】 請求項2または3記載の汚水処理装置に
おいて、 好気工程時に計測手段からの計測信号を受け、それに応
じて曝気手段による生物反応槽内部の曝気量を制御する
好気制御手段を備えていることを特徴とする汚水処理装
置。 - 【請求項5】 請求項2、3または4記載の汚水処理装
置において、 嫌気工程時、この嫌気工程の終了予定時刻においてのみ
生物反応槽内部の溶存酸素値または酸化還元電位値を計
測するべく計測手段を生物反応槽内部に浸漬させる計測
制御手段を備えていることを特徴とする汚水処理装置。 - 【請求項6】 上記請求項2〜5のうち何れか一つに記
載の汚水処理装置によって生物反応槽内部の嫌気状態と
好気状態とを交互に切り換えながら汚水の浄化を行うよ
うに構成されていることを特徴とする汚水処理システ
ム。
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