JP2003134967A - 集魚灯 - Google Patents

集魚灯

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JP2003134967A JP2001332040A JP2001332040A JP2003134967A JP 2003134967 A JP2003134967 A JP 2003134967A JP 2001332040 A JP2001332040 A JP 2001332040A JP 2001332040 A JP2001332040 A JP 2001332040A JP 2003134967 A JP2003134967 A JP 2003134967A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】光の海面への照射効率が高く、もって魚獲効率
を高くでき、さらに魚船の燃費や船内環境を改善でき、
漁師の健康を阻害しない集魚灯を提供する。 【解決手段】青色系発光ダイオード12を複数個、基板
11の上にマトリックス状に配置して、LED面状光源
10に構成し、このLED面状光源10を2枚用い、船
の右側の海面を照射する右側面状光源および船の左側の
海面を照射する左側面状光源として組合せる。この左右
のLED面状光源10,10が光を海面にのみ照射さ
れ、かつ発光ダイオードの放つ青色光が水中での光減衰
が少なく、発光波長そのものがイカなどの魚を集めるの
に最適な波長であるので、これらの相乗効果により同じ
漁獲量を得るのに電力消費量が格段に少なくてすむ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、漁業用集魚灯に関
する。集魚灯とは魚群を集めるために用いられる光照射
器具である。ある種の魚種には光に集まる性質(光走
性)のあることが知られており、集魚灯に集まる種類と
しては、ニシン・イワシ類、アジ類、サバ類、サンマ、
サヨリ、トビウオ、ダツ、イサキ、イカナゴなどの魚の
ほか、スルメイカ、カニ類、クルマエビなどが知られて
いる。集魚灯利用の漁業として重要なのはサンマ棒受
網、サバはね釣りおよびサバたもすくい、イワシ・アジ
・サバなどの巻網、それにイカ釣りなどが挙げられる。
本発明はこれらの魚業に用いられ、さらに漁船だけでな
くレジャー・スポーツにおける釣り舟や遊魚船等にも利
用できる集魚灯に関するものである。
【0002】
【従来の技術】集魚灯の歴史は古く、日本の場合、明治
時代まではかがり火を用いて魚を磯や船べりに集めるい
さり火漁法が行われていた。大正時代に入ると石油灯や
アセチレン灯を用いた集魚灯が用いられるようになり、
昭和に入ると集魚灯は電化され電球タイプのものに代わ
っていった。この電球はタングステンフィラメント形式
の白熱灯であったが、電気/光変換効率が低く、発熱が
大きく、寿命が短いなどの欠点があった。そのため、19
70年代の後半から電力効率の良いハロゲンランプに取っ
て代わるようになった。このハロゲンランプは白熱灯の
一種であるが、球内に不活性ガスとともにハロゲン元素
またはハロゲン化合物を封入することにより、ランプ寿
命を大幅に延ばすとともに光束の減衰を少なくしたもの
であった。さらに1980年に入るとより光力の大きいメタ
ルハライド灯が主流を占めるようになり、今日に至って
いる。全国的に見ると、現在、1灯2kW〜3kWのメタル
ハライド灯が最もよく使われている。とくにイカ釣り漁
では大きな光力を発する集魚灯が使われており、イカ釣
り漁が漁業において大きなウエイトを占める日本海沿
岸、北海道沿岸、三陸沿岸および対馬海峡沿岸の漁船の
多くはメタルハライド灯を装備している。現在、最も隻
数の多い10トン級〜20トン級の小型漁船でランプの
総電力消費量が20kW〜200kWもの集魚灯(平均的な1個
3kWのランプにしてランプ総数6〜70個)が装備され
ている。集魚灯の光力については地域ごとに最大値に関
する取り決めがあるようだが、概して東北や北海道など
北にいくほど光力は大きいようである。街の夜景よりも
はるかに明るくまばゆい北海道函館市沖合のイカ釣り漁
風景は観光名物にもなっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来のメタ
ルハライド集魚灯では、つぎのような問題がある。 (1)光が空中に放射され、利用効率が悪い。 現行の集魚灯漁船では、図17〜図18に示すように、
魚船Sの甲板dの上方において、前後方向に掛け渡した
支持棒bに、数個〜数10個のメタルハライド灯などの
管球型集魚灯100 がぶら下げられている図17は現行の
管球型集魚灯の光放射の様子を示したもので、管球型集
魚灯100 は点光源のような全空間的光放射をするため海
水中Wに入射する光束の割合は総放射光束の10〜20
%程度と小さく無駄が多い。なお、上方への無駄な光放
射を抑えるために反射傘を付けた集魚灯も考案されてい
るが実際にはまったくと言っていいほど使われてはいな
い。現行の集魚灯100 の光が宇宙衛星から眺められるの
は図17のような光放射のせいである。集魚灯は明るい
ほどよく釣れるのではないかとの漁師の思い込みや漁船
間の競争意識、そして集魚灯メーカーの宣伝などによ
り、水産庁等による適切な規制や指導のないままその光
力は異常なまでに増大の一途をたどってきた。今日、宇
宙衛星から送られてくる日本とその周辺の夜景画像に
は、関東、中部、近畿地区をはじめとする都市の街明か
りに加えて東北・北海道の近海や日本海上に大きな光塊
が認められる。一見信じ難いことであるが、この光塊
は、漁船とりわけイカ釣り漁船の集団が放つ集魚灯の明
かりなのである。この事実からだけでも、現在使われて
いる集魚灯にはいかに光の無駄が多いか明白であろう。
ところで、イカ釣り漁において「集魚灯は明るければ明
るいほど釣獲は大きい」というのは本当だろうか。こう
した疑問に関してこれまでに多くの研究者が学会や論文
誌等において否定的な見解を示してきた。水産庁の外郭
団体である海洋水産資源開発センターは1998年から5ヵ
年をかけ、小型イカ釣り漁船(30トン未満)を用いて
船上集魚灯光力と漁獲量の関係を詳しく調査中である。
2000年11月と12月に刊行された調査の中間報告(海
洋水産資源開発ニュースNo.249およびNo.252)によれ
ば、光力を60kWとした場合と180kWとした場合では漁
獲量に統計的な差異は認められず、光力の増大による漁
獲量の向上は必ずしも期待できないことが示唆されてい
る。この調査報告は集魚灯漁を長年行ってきた漁師や水
産関係者に大きなショックを与えている。
【0004】(2)光の水中への透過率が悪い 図13は水中での光の波長別透過率を表した古典的デー
タである。図13のデータから水中においては、赤色光
は20m、橙色光は30m、黄色光は100mでそれぞれ強度
ゼロとなってしまうことが分かる。これに対し、470nm
〜475nmの青色光は100mの深度でも60%近い強度を保
っており、水中透過率が抜群に高いことが分かる。一
方、メタルハライド集魚灯やハロゲン集魚灯は概して白
色ランプが使われているが、メタルハライドランプ等の
白色光の波長は、図20に示すように、570〜600nmに最
も集中している。通常イカが生息している深さ100mの
海中にまで達する光は、水中での減衰が少ない波長500n
mの青緑色光から400nmの青色光までであり、530nmの緑
色光よりも長波長側の光、すなわち黄色、橙色、赤色、
赤外などの光は水中での減衰が大きいため100mの深さ
までは到達できない。きれいな海に深く潜ると青一色の
世界となるのはこのためである。こうしたことから、眼
がくらむほどの強力な白色光を放ち、しかも電気/光変
換が良いとされるメタルハライド集魚灯でさえも、海水
中での光波長利用効率はかなり悪いと考えられる。結
局、現行のメタルハライドランプを用いた集魚灯は非常
に強力な光束を放つものではあるが、海中深く入射して
イカや魚を集めるに寄与している光成分は全放射光束の
ほんの数%程度と思われる。
【0005】(3)燃費の高負担と環境破壊 メタルハライド灯は、白熱灯は無論、一般のハロゲン灯
に比べても一定消費電力に対する光力の大きさ、すなわ
ち電気/光変換効率が良いことから急速に普及したもの
である。しかし総光力200kWのメタルハライド灯を搭載
した20トン未満の漁船が1晩(8〜9時間)操業する
と、発電のための燃料(軽油または重油)消費だけでも
1000リットル(ドラム缶で5本)に達し、軽油換算で5
0円/リッターとするとおよそ3〜5万円もの油代とな
る。この油代に航行のための重油代を加えた経費をその
日のイカやその他の漁獲の水揚げでまかなうのは容易な
ことではなく、漁師泣かせとなっている。このように、
集魚灯の異常なまでの光力増大の弊害は、i漁師に対す
る設備購入費・維持費および燃費における経済的負担を
増大させ、さらにはii二酸化炭素(CO2)や窒素酸化物
(NOx)などの排気ガスの多量排出による海上空気汚染
と地球温暖化へも影響を与えているのである。
【0006】(4)設備の大型化と船内スペスースの狭
隘化 メタルハライドランプは高輝度放電ランプ(HIDラン
プ)の一種で、高圧水銀ランプに金属ハロゲン化物(メ
タルハライド)を添加し、これら金属蒸気中の放電によ
る発光および発生する紫外放射を変換した蛍光体からの
発光を利用したランプである。なお、添加する金属の種
類により様々な発光色が得られる。このメタルハライド
ランプそれ自身は小型で非常に強力な光を放つが、メタ
ルハライド集魚灯の場合にはランプを水や急激な温度変
化から守るために、外径が30cm、長さが50cmぐらいの外
球で覆った二重構造されるため大型なものとなる。さら
にメタルハライドランプは蛍光灯と同様放電灯であるた
め、図19に示すように、一般に交流発電機101 から供
給される交流220〜230Vで駆動され、通常ランプ1灯に
ついて安定器102 を1台ずつ接続する必要がある。とこ
ろが例えば3kWのメタルハライドランプ100 の場合、安
定器102 は重量約20kg、サイズが縦20cm×横20cm
×奥行40cmと非常に重くかつ大きな体積を占める。こ
のため50個のランプ100 を搭載すると、安定器102 だ
けでも総重量1トン、体積1?となる。わずかな作業空間
しか持たない小型漁船にとってこのことは物理的、場所
的に多大の犠牲を強いられることになり、さらに船体の
重量バランスにも影響を与えてしまう。なお、総光力が
50kW以上のメタルハライドランプ集魚灯100 を搭載し
た船は集魚灯のための補助発電機を積んでいるが、これ
もまた、維持・管理面でも経済的負担にもつながってい
る。
【0007】(5)漁師の健康悪化 メタルハライド集魚灯は数時間で一般釣り客の肌を黒く
するほどの強力な紫外線を放射しており、漁師の皮膚や
眼に有害である。またメタルハライド集魚灯は白熱灯や
ハロゲンランプに比べるとその割合は少ないが、相当な
熱や赤外線をも放射するため、集魚灯直下にいると汗ば
むほどである。このため、漁師の健康を損なうことが多
い。
【0008】本発明は、上記事情に鑑み、光の海面への
照射効率や水中への透過率が高く、もって魚獲効率を高
くでき、さらに魚船の燃費や船内環境を改善でき、漁師
の健康を阻害しない集魚灯を提供することを目的とす
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1の集魚灯は、波
長領域400nmから500nmの青色光を放つ青色系発光ダイオ
ードを光源とすることを特徴とする。請求項2の集魚灯
は、請求項1記載の青色系発光ダイオードを複数個、基
板の上にマトリックス状に配置して、LED面状光源に
構成したことを特徴とする。請求項3の集魚灯は、請求
項2記載のLED面状光源を、船の甲板の上方におい
て、海面を照射できる位置に取付けたことを特徴とす
る。請求項4の集魚灯は、請求項3記載の発明におい
て、請求項2記載のLED面状光源を2枚用い、船の右
側の海面を照射する右側面状光源および船の左側の海面
を照射する左側面状光源として組合せて面状光源ユニッ
トを構成したことを特徴とする。請求項5の集魚灯は、
請求項4記載の発明において、前記右側面状光源と前記
左側面状光源の間に、甲板上を照らすための白色光を照
射する発光ダイオードを基板上にマトリックス状に配置
した作業用面状光源を配置して面状光源ユニットを構成
したことを特徴とする。請求項6の集魚灯は、請求項3
記載の発明において、請求項5記載の面状光源ユニット
を、船の甲板の略中心線上の上方において、複数個並べ
て配置したことを特徴とする。請求項7の集魚灯は、請
求項2記載のLED面状光源を1枚用いて海面照射用と
し、白色光を照射する発光ダイオードを用いた作業用面
状光源を甲板照射用として組合せ、面状光源ユニットを
構成したことを特徴とする。請求項8の集魚灯は、請求
項7記載の面状光源ユニットを複数用い、船の甲板の上
方における船の中心線から左右に離れた位置において、
各面状光源ユニットの海面照射用LED面状光源を海側
に向けて配置したことを特徴とする。請求項9の集魚灯
は、請求項2記載のLED面状光源を、船の舷側または
ブリッジの側面において、海面を照射できる位置に取付
けたことを特徴とする。請求項10の集魚灯は、波長領
域400nmから570nmの青色から緑色の光を放つ発光ダイオ
ードを複数個水中で外部を照射できるように組合せ、か
つ、防水加工を施して水中投込み型光源ユニットに構成
したことを特徴とする。請求項11の集魚灯は、請求項
4、7、9または10記載の発明において、前記光源ユ
ニットの内部に、交流を直流に変換する整流回路を組み
込んだことを特徴とする。
【0010】本発明の技術原理を以下に説明する。図1
3に示すように、水中における光の伝播において、近赤
外波長域から橙色域(1000nm〜600nm)の光は減衰が著
しく、例えば660nmの赤色光は伝播距離20mで光強度
は元の値の1%程度まで減少し、距離25mだとほとん
どゼロとなる。これに対し、青色〜緑色波長域(450nm
から550nm)の光は減衰が少なく、とくに波長470nmの青
色光は水中での減衰率が最小であり、伝播距離100mでも
57%の光強度を保持する。この470nmという光波長は
市販されている青色発光ダイオードの標準的な発光波長
とほぼ等しい。本発明では、発光ダイオード、それも水
中での光減衰が小さい青色光(波長域400nm〜500nm)を
放つ青色発光ダイオードまたは放射スペクトルにおいて
青色光を主成分とする白色発光ダイオード(以下、青色
発光ダイオードと青色光成分を放つ白色発光ダイオード
を総称するとき、青色系発光ダイオードという)を集魚
灯光源として使うものである。これらの青色系発光ダイ
オードを使用した場合、深さ100mの海底においても水
面入射光強度の約50%程度が確保できるきわめて効率
の良い集魚灯が実現する。図15は正の走光性を示す
(つまり光に集まる性質を持つ)いろいろな魚につい
て、光波長と集魚率の関係を示したものである。この図
から青色光(波長430nm〜490nm)から緑色光(波長520n
m〜560nm)にかけて集魚率が最大となることがわかる。
図16はいろいろなイカの視感度ピークを示したもので
あり、同図よりイカの眼は種類により多少の違いはある
が、一般に470nm〜500nmの青色光に最大の感度を有する
ことがわかる。したがって、470nmもしくはその付近の
光波長を主成分とする青色系発光ダイオードを基板上に
多数個並べた光源を集魚灯とすることにより、集魚効率
(=集魚数/ランプ消費電力)が良いイカ釣り用ないし
は汎用集魚灯とすることができる。青色系発光ダイオー
ドは紫外線や赤外線、熱線など、不要な光成分を放射し
ないことから青色系発光ダイオードを光源とした集魚灯
(LED集魚灯)は現行のメタルハライドランプと比較
して桁違いに小さな消費電力で従来と変わらぬ漁獲を得
ることが可能である。また発光ダイオード集魚灯はメタ
ルハライドランプと比較して上述のような集魚電力効率
において優れているばかりでなく、次のようにi機械的
強度、ii寿命、iii 使用電圧、およびiv付帯設備等にお
いても数々の大きな長所を有している。すなわち、現行
のバルブ型(管球型)ランプは物理的衝撃や熱的衝撃
(急激な温度変化)で割れやすく寿命も4000時間程度で
あるが、i発光ダイオードは非常に硬いエポキシ樹脂レ
ンズで完全に覆われた半導体発光素子であるため機械的
強度が大きく、また高熱を発しないため海水や雨水がか
かっても熱的衝撃を受けない。ii 発光ダイオードの寿
命は数万〜十数万時間とバルブ型ランプの十倍以上もあ
る。メタルハライド集魚灯はAC(交流)220〜230Vの高
電圧で駆動されるため、海水で濡れた甲板においては感
電や漏電の危険性がある。これに対しiii 発光ダイオー
ド集魚灯では多数個の発光ダイオードを適切に直・並列
接続することにより家庭用電源と同じAC100Vの低圧交流
電源や自動車用バッテリー電圧DC(直流)12Vで駆動
することが可能であり、発光ダイオード光源は通常、直
流で駆動されるが交流発電機からの交流電流を直流に変
換するのは小型でごく簡単なAC/DCコンバータを使用す
れば済む。iv発光ダイオード集魚灯の場合、安定器はま
ったく不要であり、しかも総消費電力も小さい(最大で
も2kW程度)ので補助発電機を必要とせず、主エンジン
附属の主発電機だけで駆動できる。
【0011】上記の技術原理を踏まえた各請求項の発明
の作用効果は、つぎのとおりである。請求項1の発明に
よれば、発光ダイオードの放つ青色光が水中での光減衰
が少なく、発光波長そのものがイカなどの魚を集めるの
に最適な波長であるので、これらの相乗効果により漁獲
効果が高くなるか、あるいは同じ漁獲量を得るのに電力
消費量が格段に少なくてすむ。さらに、発光ダイオード
自体の消費電力が少ないことと相まって、燃料について
の経済負担が軽く、排ガスによる種々の環境汚染が生じ
ない。さらに小型の電源と整流器等で運転できるので船
内スペースをいたずらに占拠せず、紫外線の放射も少な
いので漁師の健康を損なうこともない。請求項2の発明
によれば、複数の発光ダイオードが基板上に取り付けら
れているので取扱いや設置が容易であり、複数の発光ダ
イオードをマトリックス状に設置して面状の光源を構成
したことから、発光ダイオードの放射光を束状に集中さ
せることができるので、必要な光強度を確保しやすい。
請求項3の発明によれば、LED面状光源が海面のみを
照射して空中を照射しないので、光の漁獲への利用効率
が極めて高くなる。よって、LED光の水中への透過率
が高いことと相乗的に働いて、きわめて低い電力消費量
で、漁獲に必要な光量を海中に生成でき、しかも光源が
甲板の上方にあることから甲板上面を船の設備や作業空
間に利用できるので、使い勝手がよくなる。請求項4の
発明によれば、右側面状光源と左側面状光源によって船
の左右両側の海面に光を照射して、魚を釣り上げる環境
を生成でき、しかもこれらの光源を一つのユニットとし
て扱えるので、船上での設置等の取扱いが容易となる。
請求項5の発明によれば、作業用面状光源が自然の光に
近い白色光で甲板上を照らすため、明るい作業環境を低
い電力消費量で環境を生成でき、しかも紫外線や熱の影
響がないので、漁師の作業能率が向上し健康を損なうこ
ともない。請求項6の発明によれば、ユニット化された
面状光源を複数個並べることで、必要な光量を容易に確
保でき、その光源は船の甲板の略中心線上の上方に配置
することから、船の左右両側への光照射を可能とし、か
つ甲板上の作業スペースの確保が可能となる。請求項7
の発明によれば、船の片側の海面に光を照射して魚群を
集める環境を生成でき、かつ甲板上を白色光で照射して
明るい作業環境を作ることができる。請求項8の発明に
よれば、船幅の広い船において、甲板で影を作ることな
く海面照射用のLED面状光源で海面を照射でき、同時
に船の甲板上を作業用面状光源で明るく照射することが
できる。請求項9の発明によれば、LED面状光源が船
の舷側またはブリッジの側面から海面を照射するので、
船の周囲の海中の魚を釣り上げる環境を生成できる。請
求項10の発明によれば、船上には法規上設置できない
緑色光を発光する発光ダイオードでも、その波長自体は
魚の視覚を刺激するものなので、水中に投げ込むことに
より、魚をおびき寄せ、魚を釣り上げるための漁獲環境
を生成できる。請求項11の発明によれば、光源ユニッ
トの内部に整流回路を組み込んでいるので、船側に整流
回路を置く必要はなく、船内のスペースを有効に利用す
ることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】発明の実施形態を図面に基づき説
明する。図1は本発明の一実施形態に係る集魚灯を構成
する面状光源ユニットの断面図、図2は同面状光源ユニ
ットの斜視図、図3は本発明の集魚灯を取付けた魚船の
側面図、図4はLED面状光源の平面図、図5はLED
の光照射域の説明図、図6は整流回路を面状光源ユニッ
トに組込んだ集魚灯の電気回路図、図7は整流回路を面
状光源ユニットの外部に設置した集魚灯の電気回路図、
図8は本発明の集魚灯の海面上における光照射域の説明
図、図9は本発明の集魚灯を用いた魚船におけるイカ釣
り漁の説明図、図10は自動イカ釣り機の説明図であ
る。
【0013】図1〜図2に示すように、本発明の集魚灯
Aを構成する面状光源ユニット1は、左右2枚の海面照
射用(集魚用)のLED面状光源10と作業用面状光源
20を備え、これらが適宜のフレームに取り付けられ、
さらに外周を防水ケース30で覆われ、フレームの上部
には取付用金具35が取付けられている。左右のLED
面状光源10は、いずれも基板11上に青色系発光ダイ
オード12を多数個マトリックス状に配置したもので、
集魚用に用いるものである。なお、その詳細は後述す
る。作業用面状光源20は、左右のLED面状光源1
0,10の間に設けられたもので、基板21上に甲板を
照らすための白色発光ダイオード22を多数個マトリッ
クス状に配置したものである。この詳細も後述する。防
水ケース30は、前記面状光源10,20に面する部分
は透明材料、例えばアクリル板31で作成され、光源に
面しない上面や側面は、強度や耐腐食性を考慮して耐腐
食処理をした金属板等32で構成される。取付金具35
はとくに制限なく種々のものを用いてよいが、例えば、
逆J形のフック36と固定ネジ37を組合せたものが用
いられる。
【0014】図3において、魚船Sの甲板dの上方には
前後に立設された支柱pによって支持棒bが水平に渡し
掛けられている。図2に示すように、この支持棒bに前
記フック36と固定ネジ37で面状光源ユニット1を取
付けることができる。また、支持棒bに沿わせて配線し
た電源ケーブル38により、面状光源ユニット1内に交
流電源を供給することができる。そして、図3に示すよ
うに、魚船Sの大きさ(あるいは全長)に合わせて所望
の数の面状光源ユニット1を船に装備することができ
る。たとえば10トン程度の小型漁船(船長10m程
度)の場合は、1台から十数台前後を懸架させて集魚灯
Aを構成するとよい。なお、現行の集魚灯漁船を本発明
仕様に改造する場合は、メタルハライドランプが懸架さ
れている支持棒bをそのまま利用し、メタルハライドラ
ンプを除去した後、これに本発明の面状光源ユニット1
を懸架すればよい。
【0015】つぎに、集魚用のLED面状光源10の詳
細を説明する。このLED面状光源10は、図4に示す
ように、基板11上に多数の青色系発光ダイオード12
をマトリックス状に配置したものである。図4の例は、
直径5mmの発光ダイオード500個を縦20cm×横25cm
の基板上にマトリックス状に並べてLED面状光源を構
成したものであるが、これに限らず、基板11の縦横寸
法を大きくしてもよく、小さくしてもよい。また、発光
ダイオードの個数もより多く用いてもよく、少なくして
もよい。本発明に好適な青色系発光ダイオードは、つぎ
の3種である。図14は3種の青色系発光ダイオード
(いずれも日亜化学工業製)、の発光スペクトルを示し
ており、ここに示す470nmにピーク波長のある青色発光
ダイオード、475nm付近にピークがあり、青色成分を含
む光を放射する白色発光ダイオード、および500nmがピ
ークの青緑色発光ダイオード(交通信号機用として特に
開発されたもの)が、既述のごとく、水中透過率が高
く、イカをはじめとする種々の魚の視感度ピークに近い
光波長を有している。よって、青色発光ダイオードおよ
び白色発光ダイオードが利用できる。なお、青緑色発光
ダイオードについては後述する。
【0016】発光ダイオードには発光色(波長)だけで
なく放射角において2〜3のタイプがある。すなわち図
5に示すように、発光ダイオード12の光放射角θが小
さいものを用いればLED面状光源10、ひいては、集
魚灯Aの光照射域aを狭くかつ明るくでき、光放射角θ
が大きいものを用いれば光照射域aを広くすることがで
きる。また、図1に示すように、LED面状光源10の
鉛直線に対する取付角度∠Aを調整可能にしておくと、
甲板dから集魚灯1までの高さや船幅に合わせて海面へ
の照射範囲を最適に調整することができる。
【0017】つぎに、作業用面状光源20を説明する。
この面状光源20は、甲板dを照射するための光源すな
わち作業用光源であり、これには白色発光ダイオードを
用いる。白色発光ダイオードの場合、そのスペクトルか
ら分かるように主成分は青色光であるが520nmの緑色光
よりも長波長側(黄色、橙色、赤色など)の光成分もか
なり含むため集魚灯光源としては波長利用効率が悪いと
考えられるが、白色光はたとえエネルギー的には小さく
とも人間の眼には明るく感じられるとともに、物を自然
の色で見ることができるので船上での作業灯として利用
できる。図1に示すように、この作業用面状光源20は
面状光源ユニット1の下面に直下方を照射するように取
り付けられているので、甲板d上における漁労作業の環
境を向上させることができる。
【0018】本発明における発光ダイオードを用いた集
魚灯は、漁船に標準装備されているAC100Vの交流発電機
で点灯できる。この場合、各面状光源ユニット1の筐体
内部にAC/DC変換回路(すなわち整流回路)を有してい
るタイプのものに関しては、図6に示すように交流発電
機51からのAC100Vの給電線に各面状光源ユニット1を
並列接続すればよい。また、各面状光源ユニット1の筐
体内部にAC/DC変換回路を持たないタイプのものについ
ては図7のように交流発電機51で駆動される直流電源
52につながれた給電線に並列接続すればよい。なお、
漁船に装備されている電源がAC200V(200V〜220V)の場
合は、AC200VをAC100Vに下げるトランスを使用するか、
あるいは発光ダイオードそのものをAC200V仕様のものと
すればよい。
【0019】青色発光ダイオード、白色発光ダイオード
いずれも1個あたりの定格入力電圧、電流は、それぞれ
3.4V、20mAであり、したがって消費電力は約70mWで
ある。面状光源10,20にこのような発光ダイオード
を500個配置したとすると、回路接続(直列、並列)に
かかわらず発光ダイオードのみで35Wの消費電力とな
る。図1の面状光源ユニット1を2基用いた場合、面状
光源10,20(LEDパネル)の使用総数は計6枚
(青色パネル4枚、白色パネル2枚、発光ダイオードの
総使用数3000個)なので、駆動用電子回路(整流回路+
定電流回路)の消費電力を除けば35W/枚×6枚=210W
となる。駆動用電子回路の消費電力はもちろん回路設計
により異なるが、50W〜100W程度なので、2基の集魚
灯一式の消費電力は過大に見積もっても400W程度であ
る。また、試作した面状光源ユニット1のおおよそのサ
イズは幅40cm×高さ30cm×奥行50cm、重量は約9
kgであるので、小型化、軽量化はともに十分可能であ
る。
【0020】図9〜図10は、本発明の集魚灯Aを用い
たイカ釣り漁船の漁法を示したものである。集魚灯Aを
点灯すると船の周囲にはまず小魚類が寄ってくる。そし
て、これを食餌にしようとより中位の魚等が集まり、ま
たそれを捕食しようと大きな魚がやってくる。さらに空
からはカモメなどが水面に舞い降りてくる。つまり漁船
Sの周囲に3次元的食物連鎖系がにわかに形成されるの
である。イカは通常は100m〜200mぐらいの海底にいるが
集魚灯1の光に惹き寄せられて50m位まで浮上し、船
体Sの下にできる光の影の部分に身を潜め、集魚灯Aの
照射光下に群がっている魚等に敏捷に飛びつき足を絡め
てこれを捕食しようとする。自動イカ釣り機60は図1
0にも示すように、菱形のローラ61と船外に突出し可
能なガイドローラ62を備えており、釣り糸63は菱形
のローラ61に巻き付けられ、自由端側をガイドローラ
62を介して海中に投入されるようになっている。ま
た、釣り糸63には擬餌針64(魚の形をしたプラスチ
ック体に釣針を多数取り付けたもの)が取付けられてい
る。漁労中は、漁船Sの両舷から垂下された釣り糸63
は自動イカ釣り機60の「しゃくり」により上下に運動
する。このときイカは釣り糸63に取り付けられた擬餌
針64を魚と勘違いしてこれに抱きつき、擬餌針64に
引っかかってしまう。自動イカ釣り機60は5〜10分
ごとに釣り糸63を巻き上げるが、擬餌針64にイカが
掛かると巻き上げ時にガイドローラ62を超えたところ
で針64から外れ、ネット65でバウンドした後甲板d
上に放り出される。イカ釣り操業は全てが自動的に行わ
れるので、漁師の主な仕事は船の位置と向きを一定に保
つ操船と、甲板d上に転がったイカを拾い集め冷凍箱に
入れる作業のみとなる。
【0021】本発明の集魚灯Aは、従来の管球式集魚灯
の場合(図17)と違って、図8に示すように、光照射
域aが海面にのみ向けられているので、放射光を効率良
く水面に入射させることが可能であり、上方や水平方向
への無駄な光放射をなくすことができる。また、水中に
おける透過率が高くかつ魚類やイカなどの水中動物がよ
り集まり易い、青色ないしは青緑色または緑色の光を放
つので、これらの相乗効果により、従来のメタルハライ
ド光源やハロゲン灯を用いた集魚灯に比べはるかに少な
い消費出力で従来の集魚灯と変わらない漁獲が期待でき
る。
【0022】現行のメタルハライド集魚灯やハロゲンラ
ンプ集魚灯を本発明による発光ダイオード集魚灯Aに置
き換えれば、集魚灯Aを点灯するに要する発電のための
燃料油量を現状の数分の1〜数十分の1にまで減らせる
ことができる。また、日本国内にある約4000隻の集魚灯
漁船に搭載されているメタルハライド集魚灯やハロゲン
ランプ集魚灯を全て本発明の発光ダイオード集魚灯Aで
置き換えれば、莫大な量の石油(重油または軽油)が節
約され、空気汚染および地球温暖化防止に寄与すること
になる。また現状のメタルハライド集魚灯は相当量の紫
外線を放射し、漁師など漁業従事者の健康(とくに眼や
皮膚)を脅かしているが、発光ダイオード集魚灯は紫外
線を一切放射しないので安全である。
【0023】図11は本発明の他の実施形態に係る集魚
灯Bの概略図である。漁船Sは大形になると、例えば2
0トン級以上になると船幅が広くなるので、集魚灯吊下
げ用の支持棒bが2本、甲板d上で前後方向に設けられ
ることがある。この場合に用いる面状光源ユニット1B
は、海側に集魚用のLED面状光源10を取付け、下面
と船中央側に作業用面状光源20を取付けるとよい。な
お、下面の作業用面状光源20で甲板d上の照度が充分
であれば、船中央側には作業用面状光源20を設けなく
てもよい。この構成であると、船幅の広い漁船Sからも
甲板dで邪魔することなく海面を充分に照射することが
でき、しかも甲板d上を明るく照らすことができる。そ
してこの実施形態によるとき、LED面状光源10が海
面のみを照射して空中を照射しないので、光の漁獲への
利用効率が極めて高くなる。よって、きわめて低い電力
消費量で、漁獲に必要な光量を海中に生成でき、しかも
甲板上面を船の設備や作業空間に利用できるので、使い
勝手がよくなる。
【0024】図12の(A)図は水中投込み型集魚灯C
の一例の斜視図、(B)図は同集魚灯Cの他の例の斜視
図、(C)図は水中投込み型集魚灯Cの使用方法の説明
図である。発光ダイオードのうち、青緑色や緑色の発光
ダイオードは、海上では緑色に見えるため、船舶等の右
舷用航行灯(航行規則により緑色灯を標示しなければな
らない)と誤視する危険性がある。このため、船上に懸
垂したり船体に固定したりするタイプの集魚灯とするに
は不適であるが、投げ込み型とするならば問題ない。こ
の場合、発光ダイオードを必要な数だけ組合せ、水中で
外部を照射できるように配置してユニット化し、かつ全
体を防水加工しておけばよい。例えば、図12の(A)
図は円筒形のケース33a の外周面に青色系発光ダイオー
ド12を取付け、透明の防水耐圧ケース34a で覆ったも
のである。また同(B)図は半球形のケース33b の外周
面に青色系発光ダイオード12を取付け、透明の防水耐
圧ケース34b で覆ったものである。このような水中投込
み型の集魚灯Cは、同(C)図に示すように、漁船Sか
ら吊下げロープ39等で海中に投入しておけば、集魚灯
C下面の海中に明るい半球状の照射域aが出来、その上
面の海中にやや暗い照射域a´が出来、これらの照射域
a,a´の周囲に魚が群集するので、図示のような釣り
具63等で漁労することができる。この実施形態の場合
も、LED面状光源が海中のみを照射して空中を照射し
ないので、光の漁獲への利用効率が極めて高くなる。よ
って、きわめて低い電力消費量で、漁獲に必要な光量を
海中に生成できる。
【0025】つぎに、本発明の他の実施形態を説明す
る。 (1)前記実施形態におけるLED面状光源10を船の
舷側やブリッジの側面に置き、直接海面を照射できるよ
うにしてもよい。この場合でも放射光を空中に散乱させ
ず、直接海面を照射すれば、前記実施形態と同様に桁違
いに少ない消費電力で従来と変わらぬ漁獲を期待でき
る。 (2)前記図11および図12の実施形態においても、
各面状光源ユニットには、整流回路を組込むことがで
き、この場合船内スペースを有効に利用することができ
る。また、整流回路を船内においてもよいこと勿論であ
る。 (3)前記各実施形態では、主としてイカ釣りの場合を
例にとって説明したが、他の光性を有する魚の漁獲にも
利用できる。また、その際に用いる船は水産用の漁船の
他、レジャースポーツにおける釣り舟や遊覧魚船にも利
用することができる。
【0026】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、漁獲効果が高
くなるか同じ漁獲量を得るのに電力消費量が格段に少な
くてすむ。また、燃料についての経済負担が軽く、排ガ
スによる種々の環境汚染が生じない。さらに船内スペー
スをいたずらに占拠せず、紫外線の放射も少ないので漁
師の健康を損なうこともない。請求項2の発明によれ
ば、発光ダイオードの取扱いや設置が容易であり、発光
ダイオードの放射光を束状に集中させることができるの
で、必要な光強度を確保しやすい。請求項3の発明によ
れば、LED面状光源が海面のみを照射して空中を照射
しないので、光の漁獲への利用効率が極めて高くなる。
よって、きわめて低い電力消費量で、漁獲に必要な光量
を海中に生成でき、しかも甲板上面を船の設備や作業空
間に利用できるので、使い勝手がよくなる。請求項4の
発明によれば、右側面状光源と左側面状光源を一つのユ
ニットとして扱えるので、船上での設置等の取扱いが容
易となる。請求項5の発明によれば、自然の光に近い白
色光で甲板上を照らすため、明るい作業環境を低い電力
消費量で生成でき、しかも紫外線や熱の影響がなく漁師
の健康を損なうこともない。請求項6の発明によれば、
ユニット化された面状光源を複数個並べることで、必要
な光量を容易に確保でき、その光源は船の左右両側への
光照射を可能とし、かつ甲板上の作業スペースの確保が
可能となる。請求項7の発明によれば、船の片側の海面
に光を照射して魚群を集める環境を生成でき、かつ甲板
上を白色光で照射して明るい作業環境を作ることができ
る。請求項8の発明によれば、船幅の広い船において、
甲板で影を作ることなく海面照射用のLED面状光源で
海面を照射でき、同時に船の甲板上を作業用面状光源で
明るく照射することができる。請求項9の発明によれ
ば、面状光源が船の舷側またはブリッジの側面から海面
を照射するので、船の周囲の海中の魚を釣り上げる環境
を生成できる。請求項10の発明によれば、水中に投げ
込むことにより、魚をおびき寄せ、魚を釣り上げるため
の漁獲環境を生成できる。請求項11の発明によれば、
光源ユニットの内部に整流回路を組み込んでいるので、
船側に整流回路を置く必要はなく、船内のスペースを有
効に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る集魚灯を構成する面
状光源ユニットの断面図である。
【図2】図1の面状光源ユニットの斜視図である。
【図3】本発明の集魚灯を取付けた魚船の側面図であ
る。
【図4】LED面状光源の平面図である。
【図5】LEDの光照射域の説明図である。
【図6】整流回路を面状光源ユニットに組込んだ集魚灯
の電気回路図である。
【図7】整流回路を面状光源ユニットの外部に設置した
集魚灯の電気回路図である。
【図8】本発明の集魚灯の海面上に置ける光照射域の説
明図である。
【図9】本発明の集魚灯を用いた魚船におけるイカ釣り
漁の説明図である。
【図10】自動イカ釣り機の説明図である。
【図11】本発明の他の実施形態に係る集魚灯Bの概略
図である。
【図12】(A)図は水中投込み型集魚灯Cの一例の斜
視図、(B)図は同集魚灯Cの他の例の斜視図、(C)
図は水中投込み型集魚灯Cの使用方法の説明図である。
【図13】光の水中透過率の説明図である(光源として
太陽光を用いたもの。水面上での光強度を100%とす
る。)。
【図14】発光ダイオードの光波長と光強度の説明図
(即ち、分光スペクトル)である。
【図15】各種光色の光源に対する海産稚魚の集魚率の
説明図である(各種の光色の光源に対する海産稚魚の集
魚率(水面照度50lx) (社)照明学会発行「光バイ
オインダストリー」より)。
【図16】イカの種類と最大視感度波長の説明図である
(水産庁水産工学研究所のデータより)。
【図17】メタルハライド集魚灯の光照射域の説明図で
ある。
【図18】メタルハライド集魚灯を装備した魚船の側面
図である。
【図19】メタルハライド集魚灯の電気配線図である。
【図20】メタルハライド集魚灯の分光放射特性図であ
る(白色系(200V−2KW)(定格200V−3KW)の過電圧(240
V)点灯時の分光放射照度を示す。いずれも測定距離は灯
心より3.46m.図中の破線はハロゲン集魚灯 メタルハ
ライド集魚灯の分光放射特性(稲田・小倉,1988) 那
須・奥谷・小倉編著:イカ、全国いか加工業協同組合発
行(平成3年)より)。
【符号の説明】
1 面状光源ユニット 10 LED面状光源 11 基板 12 青色発光ダイオード 20 作業用面状光源 21 基板 22 白色発光ダイオード
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成14年2月14日(2002.2.1
4)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 集魚灯
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、漁業用集魚灯に関
する。集魚灯とは魚群を集めるために用いられる光照射
器具である。ある種の魚種には光に集まる性質(光走
性)のあることが知られており、集魚灯に集まる種類と
しては、ニシン・イワシ類、アジ類、サバ類、サンマ、
サヨリ、トビウオ、ダツ、イサキ、イカナゴなどの魚の
ほか、スルメイカ、カニ類、クルマエビなどが知られて
いる。集魚灯利用の漁業として重要なのはサンマ棒受
網、サバはね釣りおよびサバたもすくい、イワシ・アジ
・サバなどの巻網、それにイカ釣りなどが挙げられる。
本発明はこれらの魚業に用いられ、さらに漁船だけでな
くレジャー・スポーツにおける釣り舟や遊魚船等にも利
用できる集魚灯に関するものである。
【0002】
【従来の技術】集魚灯の歴史は古く、日本の場合、明治
時代まではかがり火を用いて魚を磯や船べりに集めるい
さり火漁法が行われていた。大正時代に入ると石油灯や
アセチレン灯を用いた集魚灯が用いられるようになり、
昭和に入ると集魚灯は電化され電球タイプのものに代わ
っていった。この電球はタングステンフィラメント形式
の白熱灯であったが、電気/光変換効率が低く、発熱が
大きく、寿命が短いなどの欠点があった。そのため、19
70年代の後半から電力効率の良いハロゲンランプに取っ
て代わるようになった。このハロゲンランプは白熱灯の
一種であるが、球内に不活性ガスとともにハロゲン元素
またはハロゲン化合物を封入することにより、ランプ寿
命を大幅に延ばすとともに光束の減衰を少なくしたもの
であった。さらに1980年に入るとより光力の大きいメタ
ルハライド灯が主流を占めるようになり、今日に至って
いる。全国的に見ると、現在、1灯2kW〜3kWのメタル
ハライド灯が最もよく使われている。とくにイカ釣り漁
では大きな光力を発する集魚灯が良いとされており、イ
カ釣り漁が漁業において大きなウエイトを占める日本海
沿岸、北海道沿岸、三陸沿岸および対馬海峡沿岸の漁船
の多くはメタルハライド灯を装備している。現在、最も
隻数の多い10トン級〜20トン級の小型漁船でランプ
の総電力消費量が20kW〜200kWもの集魚灯(平均的な1
個3kWのランプにしてランプ総数6〜70個)が装備さ
れている。集魚灯の光力については地域ごとに最大値に
関する取り決めがあるようだが、概して東北や北海道な
ど北にいくほど光力は大きいようである。街の夜景より
もはるかに明るくまばゆい北海道函館市沖合のイカ釣り
漁風景は観光名物にもなっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来のメタ
ルハライド集魚灯では、つぎのような問題がある。 (1)光が空中に放射され、利用効率が悪い。 現行の集魚灯漁船では、図17〜図18に示すように、
魚船Sの甲板dの上方において、前後方向に掛け渡した
支持棒bに、数個〜数10個のメタルハライド灯などの
管球型集魚灯100 がぶら下げられている図17は現行の
管球型集魚灯の光放射の様子を示したもので、管球型集
魚灯100 は点光源のような全空間的光放射をするため海
水中Wに入射する光束の割合は総放射光束の10〜20
%程度と小さく無駄が多い。なお、上方への無駄な光放
射を抑えるために反射傘を付けた集魚灯も考案されてい
るが実際にはまったくと言っていいほど使われてはいな
い。現行の集魚灯100 の光が宇宙衛星から眺められるの
は図17のような光放射のせいである。集魚灯は明るい
ほどよく釣れるのではないかとの漁師の思い込みや漁船
間の競争意識、そして集魚灯メーカーの宣伝などによ
り、水産庁等による適切な規制や指導のないままその光
力は異常なまでに増大の一途をたどってきた。今日、宇
宙衛星から送られてくる日本とその周辺の夜景画像に
は、関東、中部、近畿地区をはじめとする都市の街明か
りに加えて東北・北海道の近海や日本海上に大きな光塊
が認められる。一見信じ難いことであるが、この光塊
は、漁船とりわけイカ釣り漁船の集団が放つ集魚灯の明
かりなのである。この事実からだけでも、現在使われて
いる集魚灯にはいかに光の無駄が多いか明白であろう。
ところで、イカ釣り漁において「集魚灯は明るければ明
るいほど釣獲は大きい」というのは本当だろうか。こう
した疑問に関してこれまでに多くの研究者が学会や論文
誌等において否定的な見解を示してきた。水産庁の外郭
団体である海洋水産資源開発センターは1998年から5ヵ
年をかけ、小型イカ釣り漁船(30トン未満)を用いて
船上集魚灯光力と漁獲量の関係を詳しく調査中である。
2000年11月と12月に刊行された調査の中間報告(海
洋水産資源開発ニュースNo.249およびNo.252)によれ
ば、光力を60kWとした場合と180kWとした場合では漁
獲量に統計的な差異は認められず、光力の増大による漁
獲量の向上は必ずしも期待できないことが示唆されてい
る。この調査報告は集魚灯漁を長年行ってきた漁師や水
産関係者に大きなショックを与えている。
【0004】(2)光の水中への透過率が悪い 図13は水中での光の波長別透過率を表した古典的デー
タである。図13のデータから水中においては、赤色光
は20m、橙色光は30m、黄色光は100mでそれぞれ強度
ゼロとなってしまうことが分かる。これに対し、470nm
〜475nmの青色光は100mの深度でも60%近い強度を保
っており、水中透過率が抜群に高いことが分かる。一
方、メタルハライド集魚灯やハロゲン集魚灯は概して白
色ランプが使われているが、メタルハライドランプ等の
白色光の波長は、図20に示すように、570〜600nmに最
も集中している。通常イカが生息している深さ100mの
海中にまで達する光は、水中での減衰が少ない波長500n
mの青緑色光から400nmの青色光までであり、530nmの緑
色光よりも長波長側の光、すなわち黄色、橙色、赤色、
赤外などの光は水中での減衰が大きいため100mの深さ
までは到達できない。きれいな海に深く潜ると青一色の
世界となるのはこのためである。こうしたことから、眼
がくらむほどの強力な白色光を放ち、しかも電気/光変
換が良いとされるメタルハライド集魚灯でさえも、海水
中での光波長利用効率はかなり悪いと考えられる。結
局、現行のメタルハライドランプを用いた集魚灯は非常
に強力な光束を放つものではあるが、海中深く入射して
イカや魚を集めるに寄与している光成分は全放射光束の
ほんの数%程度と思われる。
【0005】(3)燃費の高負担と環境破壊 メタルハライド灯は、白熱灯は無論、一般のハロゲン灯
に比べても一定消費電力に対する光力の大きさ、すなわ
ち電気/光変換効率が良いことから急速に普及したもの
である。しかし総光力200kWのメタルハライド灯を搭載
した20トン未満の漁船が1晩(8〜9時間)操業する
と、発電のための燃料(軽油または重油)消費だけでも
1000リットル(ドラム缶で5本)に達し、軽油換算で5
0円/リッターとするとおよそ3〜5万円もの油代とな
る。この油代に航行のための重油代を加えた経費をその
日のイカやその他の漁獲の水揚げでまかなうのは容易な
ことではなく、漁師泣かせとなっている。このように、
集魚灯の異常なまでの光力増大の弊害は、(i)漁師に
対する設備購入費・維持費および燃費における経済的負
担を増大させ、さらには(ii)二酸化炭素(CO2)や窒
素酸化物(NOx)などの排気ガスの多量排出による海上
空気汚染と地球温暖化へも影響を与えているのである。
【0006】(4)設備の大型化と船内スペスースの狭
隘化 メタルハライドランプは高輝度放電ランプ(HIDラン
プ)の一種で、高圧水銀ランプに金属ハロゲン化物(メ
タルハライド)を添加し、これら金属蒸気中の放電によ
る発光および発生する紫外放射を変換した蛍光体から
の発光を利用したランプである。なお、添加する金属の
種類により様々な発光色が得られる。このメタルハライ
ドランプそれ自身は小型で非常に強力な光を放つが、メ
タルハライド集魚灯の場合にはランプを水や急激な温度
変化から守るために、外径が30cm、長さが50cmぐらいの
外球で覆った二重構造されるため大型なものとなる。
さらにメタルハライドランプは蛍光灯と同様放電灯であ
るため、図19に示すように、一般に交流発電機101 か
ら供給される交流200 〜230 Vで駆動され、通常ランプ
1灯について安定器102 を1台ずつ接続する必要があ
る。ところが例えば3kWのメタルハライドランプ100 の
場合、安定器102 は重量約20kg、サイズが縦20cm×
横20cm×奥行40cmと非常に重くかつ大きな体積を占
める。このため50個のランプ100 を搭載すると、安定
器102 だけでも総重量1トン、体積1m(以上)とな
る。わずかな作業空間しか持たない小型漁船にとってこ
のことは物理的、場所的に多大の犠牲を強いられること
になり、さらに船体の重量バランスにも影響を与えてし
まう。なお、総光力が50kW以上のメタルハライドラン
プ集魚灯100 を搭載した船は集魚灯のための補助発電機
を積んでいるが、これもまた、維持・管理面でも経済的
負担にもつながっている。
【0007】(5)漁師の健康悪化 メタルハライド集魚灯は数時間で一般釣り客の肌を黒く
するほどの強力な紫外線を放射しており、漁師の皮膚や
眼に有害である。またメタルハライド集魚灯は白熱灯や
ハロゲンランプに比べるとその割合は少ないが、相当な
熱や赤外線をも放射するため、集魚灯直下にいると汗ば
むほどである。このため、漁師の健康を損なうことが多
い。
【0008】本発明は、上記事情に鑑み、光の海面への
照射効率や水中への透過率が高く、もって魚獲効率を高
くでき、さらに魚船の燃費や船内環境を改善でき、漁師
の健康を阻害しない集魚灯を提供することを目的とす
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1の集魚灯は、波
長領域400nmから500nmの青色光を放つ青色系発光ダイオ
ードを光源とすることを特徴とする。請求項2の集魚灯
は、請求項1記載の青色系発光ダイオードを複数個、基
板の上にマトリックス状に配置して、LED面状光源に
構成したことを特徴とする。請求項3の集魚灯は、請求
項2記載のLED面状光源を、船の甲板の上方におい
て、海面を照射できる位置に取付けたことを特徴とす
る。請求項4の集魚灯は、請求項3記載の発明におい
て、請求項2記載のLED面状光源を2枚用い、船の右
側の海面を照射する右側面状光源および船の左側の海面
を照射する左側面状光源として組合せて面状光源ユニッ
トを構成したことを特徴とする。請求項5の集魚灯は、
請求項4記載の発明において、前記右側面状光源と前記
左側面状光源の間に、甲板上を照らすための白色光を照
射する発光ダイオードを基板上にマトリックス状に配置
した作業用面状光源を配置して面状光源ユニットを構成
したことを特徴とする。請求項6の集魚灯は、請求項3
記載の発明において、請求項5記載の面状光源ユニット
を、船の甲板の略中心線上の上方において、複数個並べ
て配置したことを特徴とする。請求項7の集魚灯は、請
求項2記載のLED面状光源を1枚用いて海面照射用と
し、白色光を照射する発光ダイオードを用いた作業用面
状光源を甲板照射用として組合せ、面状光源ユニットを
構成したことを特徴とする。請求項8の集魚灯は、請求
項7記載の面状光源ユニットを複数用い、船の甲板の上
方における船の中心線から左右に離れた位置において、
各面状光源ユニットの海面照射用LED面状光源を海側
に向けて配置したことを特徴とする。請求項9の集魚灯
は、請求項2記載のLED面状光源を、船の舷側または
ブリッジの側面において、海面を照射できる位置に取付
けたことを特徴とする。請求項10の集魚灯は、波長領
域400nmから570nmの青色から緑色の光を放つ発光ダイオ
ードを複数個水中で外部を照射できるように組合せ、か
つ、防水加工を施して水中投込み型光源ユニットに構成
したことを特徴とする。請求項11の集魚灯は、請求項
4、6、7、9または10記載の発明において、前記光
源ユニットの内部に、交流を直流に変換する整流回路を
組み込んだことを特徴とする。
【0010】本発明の技術原理を以下に説明する。図1
3に示すように、水中における光の伝播において、近赤
外波長域から橙色域(1000nm〜600nm)の光は減衰が著
しく、例えば660nmの赤色光は伝播距離20mで光強度
は元の値の1%程度まで減少し、距離25mだとほとん
どゼロとなる。これに対し、青色〜緑色波長域(450nm
から550nm)の光は減衰が少なく、とくに波長470nmの青
色光は水中での減衰率が最小であり、伝播距離100mでも
57%の光強度を保持する。この470nmという光波長は
市販されている青色発光ダイオードの標準的な発光波長
とほぼ等しい。本発明では、発光ダイオード、それも水
中での光減衰が小さい青色光(波長域400nm〜500nm)を
放つ青色発光ダイオードまたは放射スペクトルにおいて
青色光を主成分とする白色発光ダイオード(以下、青色
発光ダイオードと青色光成分を放つ白色発光ダイオード
を総称するとき、青色系発光ダイオードという)を集魚
灯光源として使うものである。これらの青色系発光ダイ
オードを使用した場合、深さ100mの海底においても水
面入射光強度の約50%程度が確保できるきわめて効率
の良い集魚灯が実現する。図15は正の走光性を示す
(つまり光に集まる性質を持つ)いろいろな魚につい
て、光波長と集魚率の関係を示したものである。この図
から青色光(波長430nm〜490nm)から緑色光(波長520n
m〜560nm)にかけて集魚率が最大となることがわかる。
図16はいろいろなイカの視感度ピークを示したもので
あり、同図よりイカの眼は種類により多少の違いはある
が、一般に470nm〜500nmの青色光に最大の感度を有する
ことがわかる。したがって、470nmもしくはその付近の
光波長を主成分とする青色系発光ダイオードを基板上に
多数個並べた光源を集魚灯とすることにより、集魚効率
(=集魚数/ランプ消費電力)が良いイカ釣り用ないし
は汎用集魚灯とすることができる。青色系発光ダイオー
ドは紫外線や赤外線、熱線など、不要な光成分を放射し
ないことから青色系発光ダイオードを光源とした集魚灯
(LED集魚灯)は現行のメタルハライドランプと比較
して桁違いに小さな消費電力で従来と変わらぬ漁獲を得
ることが可能である。また発光ダイオード集魚灯はメタ
ルハライドランプと比較して上述のような集魚電力効率
において優れているばかりでなく、次のようにi機械的
強度、ii寿命、iii 使用電圧、およびiv付帯設備等にお
いても数々の大きな長所を有している。すなわち、現行
のバルブ型(管球型)ランプは物理的衝撃や熱的衝撃
(急激な温度変化)で割れやすく寿命も4000時間程度で
あるが、(i)発光ダイオードは非常に硬いエポキシ樹
脂レンズで完全に覆われた半導体発光素子であるため機
械的強度が大きく、高熱を発しないため海水や雨水がか
かっても熱的衝撃を受けない。また(ii) 発光ダイオ
ードの寿命は数万〜十数万時間とバルブ型ランプの十倍
以上もある。メタルハライド集魚灯はAC(交流)200〜2
30Vの高電圧で駆動されるため、海水で濡れた甲板にお
いては感電や漏電の危険性がある。これに対し(iii)
発光ダイオード集魚灯では多数個の発光ダイオードを適
切に直・並列接続することにより家庭用電源と同じAC10
0Vの低圧交流電源や自動車用バッテリー電圧DC(直流)
12Vで駆動することが可能であり、発光ダイオード光
源は通常、直流で駆動されるが交流発電機からの交流電
流を直流に変換するのは小型でごく簡単なAC/DCコンバ
ータを使用すれば済む。(iv)発光ダイオード集魚灯の
場合、安定器はまったく不要であり、しかも総消費電力
も小さい(最大でも2kW程度)ので補助発電機を必要と
せず、主エンジン附属の主発電機だけで駆動できる。
【0011】上記の技術原理を踏まえた各請求項の発明
の作用効果は、つぎのとおりである。請求項1の発明に
よれば、発光ダイオードの放つ青色光が水中での光減衰
が少なく、発光波長そのものがイカなどの魚を集めるの
に最適な波長であるので、これらの相乗効果により漁獲
効果が高くなるか、あるいは同じ漁獲量を得るのに電力
消費量が格段に少なくてすむ。さらに、発光ダイオード
自体の消費電力が少ないことと相まって、燃料について
の経済負担が軽く、排ガスによる種々の環境汚染が生じ
ない。さらに小型の電源と整流器等で運転できるので船
内スペースをいたずらに占拠せず、紫外線の放射も少な
いので漁師の健康を損なうこともない。請求項2の発明
によれば、複数の発光ダイオードが基板上に取り付けら
れているので取扱いや設置が容易であり、複数の発光ダ
イオードをマトリックス状に設置して面状の光源を構成
したことから、発光ダイオードの放射光を束状に集中さ
せることができるので、必要な光強度を確保しやすい。
請求項3の発明によれば、LED面状光源が海面のみを
照射して空中を照射しないので、光の漁獲への利用効率
が極めて高くなる。よって、LED光の水中への透過率
が高いことと相乗的に働いて、きわめて低い電力消費量
で、漁獲に必要な光量を海中に生成でき、しかも光源が
甲板の上方にあることから甲板上面を船の設備や作業空
間に利用できるので、使い勝手がよくなる。請求項4の
発明によれば、右側面状光源と左側面状光源によって船
の左右両側の海面に光を照射して、魚を釣り上げる環境
を生成でき、しかもこれらの光源を一つのユニットとし
て扱えるので、船上での設置等の取扱いが容易となる。
請求項5の発明によれば、作業用面状光源が自然の光に
近い白色光で甲板上を照らすため、明るい作業環境を低
い電力消費量で環境を生成でき、しかも紫外線や熱の影
響がないので、漁師の作業能率が向上し健康を損なうこ
ともない。請求項6の発明によれば、ユニット化された
面状光源を複数個並べることで、必要な光量を容易に確
保でき、その光源は船の甲板の略中心線上の上方に配置
することから、船の左右両側への光照射を可能とし、か
つ甲板上の作業スペースの確保が可能となる。請求項7
の発明によれば、船の片側の海面に光を照射して魚群を
集める環境を生成でき、かつ甲板上を白色光で照射して
明るい作業環境を作ることができる。請求項8の発明に
よれば、船幅の広い船において、甲板で影を作ることな
く海面照射用のLED面状光源で海面を照射でき、同時
に船の甲板上を作業用面状光源で明るく照射することが
できる。請求項9の発明によれば、LED面状光源が船
の舷側またはブリッジの側面から海面を照射するので、
船の周囲の海中の魚を釣り上げる環境を生成できる。請
求項10の発明によれば、船上には法規上設置できない
緑色光を発光する発光ダイオードでも、その波長自体は
魚の視覚を刺激するものなので、水中に投げ込むことに
より、魚をおびき寄せ、魚を釣り上げるための漁獲環境
を生成できる。請求項11の発明によれば、光源ユニッ
トの内部に整流回路を組み込んでいるので、船側に整流
回路を置く必要はなく、船内のスペースを有効に利用す
ることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】発明の実施形態を図面に基づき
説明する。図1は本発明の一実施形態に係る集魚灯を構
成する面状光源ユニットの断面図、図2は同面状光源ユ
ニットの斜視図、図3は本発明の集魚灯を取付けた魚船
の側面図、図4はLED面状光源の平面図、図5はLE
Dの光照射域の説明図、図6は整流回路を面状光源ユニ
ットに組込んだ集魚灯の電気回路図、図7は整流回路を
面状光源ユニットの外部に設置した集魚灯の電気回路
図、図8は本発明の集魚灯の海面上における光照射域の
説明図、図9は本発明の集魚灯を用いた魚船におけるイ
カ釣り漁の説明図、図10は自動イカ釣り機の説明図で
ある。
【0013】図1〜図2に示すように、本発明の集魚灯
Aを構成する面状光源ユニット1は、左右2枚の海面照
射用(集魚用)のLED面状光源10と作業用面状光源
20を備え、これらが適宜のフレームに取り付けられ、
さらに外周を防水ケース30で覆われ、フレームの上部
には取付用金具35が取付けられている。左右のLED
面状光源10は、いずれも基板11上に青色系発光ダイ
オード12を多数個マトリックス状に配置したもので、
集魚用に用いるものである。なお、その詳細は後述す
る。作業用面状光源20は、左右のLED面状光源1
0,10の間に設けられたもので、基板21上に甲板を
照らすための白色発光ダイオード22を多数個マトリッ
クス状に配置したものである。この詳細も後述する。防
水ケース30は、前記面状光源10,20に面する部分
は透明材料、例えばアクリル板31で作成され、光源に
面しない上面や側面は、強度や耐腐食性を考慮して耐腐
食処理をした金属板等32で構成される。取付金具35
はとくに制限なく種々のものを用いてよいが、例えば、
逆J形のフック36と固定ネジ37を組合せたものが用
いられる。
【0014】図3において、魚船Sの甲板dにおける略
中心線の上方には前後に立設された支柱pによって支持
棒bが水平に渡し掛けられている。図2に示すように、
この支持棒bに前記フック36と固定ネジ37で面状光
源ユニット1を取付けることができる。また、支持棒b
に沿わせて配線した電源ケーブル38により、面状光源
ユニット1内に交流電源を供給することができる。そし
て、図3に示すように、魚船Sの大きさ(あるいは全
長)に合わせて所望の数の面状光源ユニット1を船に装
備することができる。たとえば10トン程度の小型漁船
(船長10m程度)の場合は、1台から十数台前後を懸
架させて集魚灯Aを構成するとよい。なお、現行の集魚
灯漁船を本発明仕様に改造する場合は、メタルハライド
ランプが懸架されている支持棒bをそのまま利用し、メ
タルハライドランプを除去した後、これに本発明の面状
光源ユニット1を懸架すればよい。
【0015】つぎに、集魚用のLED面状光源10の詳
細を説明する。このLED面状光源10は、図4に示す
ように、基板11上に多数の青色系発光ダイオード12
をマトリックス状に配置したものである。図4の例は、
直径5mmの発光ダイオード500個を縦20cm×横25cm
の基板上にマトリックス状に並べてLED面状光源を構
成したものであるが、これに限らず、基板11の縦横寸
法を大きくしてもよく、小さくしてもよい。また、発光
ダイオードの個数もより多く用いてもよく、少なくして
もよい。本発明に好適な青色系発光ダイオードは、つぎ
の3種である。図14は3種の青色系発光ダイオード
(いずれも日亜化学工業製)、の発光スペクトルを示し
ており、ここに示す470nmにピーク波長のある青色発光
ダイオード、475nm付近にピークがあり、青色成分を含
む光を放射する白色発光ダイオード、および500nmがピ
ークの青緑色発光ダイオード(交通信号機用として特に
開発されたもの)が、既述のごとく、水中透過率が高
く、イカをはじめとする種々の魚の視感度ピークに近い
光波長を有している。よって、青色発光ダイオードおよ
び白色発光ダイオードが利用できる。なお、青緑色発光
ダイオードについては後述する。
【0016】発光ダイオードには発光色(波長)だけで
なく放射角において2〜3のタイプがある。すなわち図
5に示すように、発光ダイオード12の光放射角θが小
さいものを用いればLED面状光源10、ひいては、集
魚灯Aの光照射域aを狭くかつ明るくでき、光放射角θ
が大きいものを用いれば光照射域aを広くすることがで
きる。また、図1に示すように、LED面状光源10の
鉛直線に対する取付角度∠Aを調整可能にしておくと、
甲板dから集魚灯1までの高さや船幅に合わせて海面へ
の照射範囲を最適に調整することができる。
【0017】つぎに、作業用面状光源20を説明する。
この面状光源20は、甲板dを照射するための光源すな
わち作業用光源であり、これには白色発光ダイオードを
用いる。白色発光ダイオードの場合、そのスペクトルか
ら分かるように主成分は青色光であるが520nmの緑色光
よりも長波長側(黄色、橙色、赤色など)の光成分もか
なり含むため集魚灯光源としては波長利用効率が悪いと
考えられるが、白色光はたとえエネルギー的には小さく
とも人間の眼には明るく感じられるとともに、物を自然
の色で見ることができるので船上での作業灯として利用
できる。図1に示すように、この作業用面状光源20は
面状光源ユニット1の下面に直下方を照射するように取
り付けられているので、甲板d上における漁労作業の環
境を向上させることができる。
【0018】本発明における発光ダイオードを用いた集
魚灯は、漁船に標準装備されているAC100Vの交流発電機
で点灯できる。この場合、各面状光源ユニット1の筐体
内部にAC/DC変換回路(すなわち整流回路)を有してい
るタイプのものに関しては、図6に示すように交流発電
機51からのAC100Vの給電線に各面状光源ユニット1を
並列接続すればよい。また、各面状光源ユニット1の筐
体内部にAC/DC変換回路を持たないタイプのものについ
ては図7のように交流発電機51で駆動される直流電源
52につながれた給電線に並列接続すればよい。なお、
漁船に装備されている電源がAC200V(200V〜220V)の場
合は、AC200VをAC100Vに下げるトランスを使用するか、
あるいは発光ダイオード点灯回路そのものをAC200V仕様
のものとすればよい。
【0019】青色発光ダイオード、白色発光ダイオード
いずれも1個あたりの定格入力電圧、電流は、それぞれ
3.4V、20mAであり、したがって消費電力は約70mWで
ある。面状光源10,20にこのような発光ダイオード
を500個配置したとすると、回路接続(直列、並列)に
かかわらず発光ダイオードのみで35Wの消費電力とな
る。図1の面状光源ユニット1を2基用いた場合、面状
光源10,20(LEDパネル)の使用総数は計6枚
(青色パネル4枚、白色パネル2枚、発光ダイオードの
総使用数3000個)なので、駆動用電子回路(整流回路+
定電流回路)の消費電力を除けば35W/枚×6枚=210W
となる。駆動用電子回路の消費電力はもちろん回路設計
により異なるが、50W〜100W程度なので、2基の集魚
灯一式の消費電力は過大に見積もっても400W程度であ
る。また、試作した面状光源ユニット1のおおよそのサ
イズは幅40cm×高さ30cm×奥行50cm、重量は約9
kgであるが、さらなる小型化、軽量化はともに十分可能
である。
【0020】図9〜図10は、本発明の集魚灯Aを用い
たイカ釣り漁船の漁法を示したものである。集魚灯Aを
点灯すると船の周囲にはまず小魚類が寄ってくる。そし
て、これを食餌にしようとより中位の魚等が集まり、ま
たそれを捕食しようと大きな魚がやってくる。さらに空
からはカモメなどが水面に舞い降りてくる。つまり漁船
Sの周囲に3次元的食物連鎖系がにわかに形成されるの
である。イカは通常は100m〜200mぐらいの海底にいるが
集魚灯1の光に惹き寄せられて50m位まで浮上し、船
体Sの下にできる光の影の部分に身を潜め、集魚灯Aの
照射光下に群がっている魚等に敏捷に飛びつき足を絡め
てこれを捕食しようとする。自動イカ釣り機60は図1
0にも示すように、菱形のローラ61と船外に突出可
なガイドローラ62を備えており、釣り糸63は菱形の
ローラ61に巻き付けられ、自由端側をガイドローラ6
2を介して海中に投入されるようになっている。また、
釣り糸63には擬餌針64(魚の形をしたプラスチック
体に釣針を多数取り付けたもの)が取付けられている。
漁労中は、漁船Sの両舷から垂下された釣り糸63は自
動イカ釣り機60の「しゃくり」により上下に運動す
る。このときイカは釣り糸63に取り付けられた擬餌針
64を魚と勘違いしてこれに抱きつき、擬餌針64に引
っかかってしまう。自動イカ釣り機60は5〜10分ご
とに釣り糸63を巻き上げるが、擬餌針64にイカが掛
かると巻き上げ時にガイドローラ62をえたところで
針64から外れ、ネット65でバウンドした後甲板d上
に放り出される。イカ釣り操業は全てが自動的に行われ
るので、漁師の主な仕事は船の位置と向きを一定に保つ
操船と、甲板d上に転がったイカを拾い集め冷凍箱に入
れる作業のみとなる。
【0021】本発明の集魚灯Aは、従来の管球式集魚灯
の場合(図17)と違って、図8に示すように、光照射
域aが海面にのみ向けられているので、放射光を効率良
く水面に入射させることが可能であり、上方や水平方向
への無駄な光放射をなくすことができる。また、水中に
おける透過率が高くかつ魚類やイカなどの水中動物がよ
り集まり易い、青色ないしは青緑色または緑色の光を放
つので、これらの相乗効果により、従来のメタルハライ
ド光源やハロゲン灯を用いた集魚灯に比べはるかに少な
い消費出力で従来の集魚灯と変わらない漁獲が期待でき
る。
【0022】現行のメタルハライド集魚灯やハロゲンラ
ンプ集魚灯を本発明による発光ダイオード集魚灯Aに置
き換えれば、集魚灯Aを点灯するに要する発電のための
燃料油量を現状の数分の1〜数十分の1にまで減らせる
ことができる。また、日本国内にある約4000隻の集魚灯
漁船に搭載されているメタルハライド集魚灯やハロゲン
ランプ集魚灯を全て本発明の発光ダイオード集魚灯Aで
置き換えれば、莫大な量の石油(重油または軽油)が節
約され、空気汚染および地球温暖化防止に寄与すること
になる。さらに現状のメタルハライド集魚灯は相当量の
紫外線を放射し、漁師など漁業従事者の健康(とくに眼
や皮膚)を脅かしているが、発光ダイオード集魚灯は紫
外線を一切放射しないので安全である。
【0023】図11は本発明の他の実施形態に係る集魚
灯Bの概略図である。漁船Sは大形になると、例えば2
0トン級以上になると船幅が広くなるので、集魚灯吊下
げ用の支持棒bが2本、甲板d上で前後方向に設けられ
ることがある。この場合に用いる面状光源ユニット1B
は、海側に集魚用のLED面状光源10を取付け、下面
と船中央側に作業用面状光源20を取付けるとよい。な
お、下面の作業用面状光源20で甲板d上の照度が充分
であれば、船中央側には作業用面状光源20を設けなく
てもよい。この構成であると、船幅の広い漁船Sからも
甲板dで邪魔することなく海面を充分に照射することが
でき、しかも甲板d上を明るく照らすことができる。そ
してこの実施形態によるとき、LED面状光源10が海
面のみを照射して空中を照射しないので、光の漁獲への
利用効率が極めて高くなる。よって、きわめて低い電力
消費量で、漁獲に必要な光量を海中に生成でき、しかも
甲板上面を船の設備や作業空間に利用できるので、使い
勝手がよくなる。
【0024】図12の(A)図は水中投込み型集魚灯C
の一例の斜視図、(B)図は同集魚灯Cの他の例の斜視
図、(C)図は水中投込み型集魚灯Cの使用方法の説明
図である。発光ダイオードのうち、青緑色や緑色の発光
ダイオードは、海上では緑色に見えるため、船舶等の右
舷用航行灯(航行規則により緑色灯を標示しなければな
らない)と誤視する危険性がある。このため、船上に懸
垂したり船体に固定したりするタイプの集魚灯とするに
は不適であるが、投げ込み型とするならば問題ない。こ
の場合、発光ダイオードを必要な数だけ組合せ、水中で
外部を照射できるように配置してユニット化し、かつ全
体を防水加工しておけばよい。例えば、図12の(A)
図は円筒形のケース33a の外周面に青色系発光ダイオー
ド12を取付け、透明の防水耐圧ケース34a で覆ったも
のである。また同(B)図は半球形のケース33b の外周
面に青色系発光ダイオード12を取付け、透明の防水耐
圧ケース34b で覆ったものである。なお、38は給電ケ
ーブル、39は吊り下げロープである。このような水中
投込み型の集魚灯Cは、同(C)図に示すように、漁船
Sから吊下げロープ39等で海中に投入しておけば、集
魚灯C下面の海中に明るい半球状の照射域aが出来、そ
の上面の海中にやや暗い照射域a´が出来、これらの照
射域a,a´の周囲に魚が群集するので、図示のような
釣り63等で漁労することができる。この実施形態の
場合も、LED面状光源が海中のみを照射して空中を照
射しないので、光の漁獲への利用効率が極めて高くな
る。よって、きわめて低い電力消費量で、漁獲に必要な
光量を海中に生成できる。
【0025】つぎに、本発明の他の実施形態を説明す
る。 (1)前記実施形態におけるLED面状光源10を船の
舷側やブリッジの側面に置き、直接海面を照射できるよ
うにしてもよい。この場合でも放射光を空中に散乱させ
ず、直接海面を照射すれば、前記実施形態と同様に桁違
いに少ない消費電力で従来と変わらぬ漁獲を期待でき
る。 (2)前記図11および図12の実施形態においても、
各面状光源ユニットには、整流回路を組込むことがで
き、この場合船内スペースを有効に利用することができ
る。また、整流回路を船内においてもよいこと勿論であ
る。 (3)前記各実施形態では、主としてイカ釣りの場合を
例にとって説明したが、他の光性を有する魚の漁獲に
も利用できる。また、その際に用いる船は水産用の漁船
の他、レジャースポーツにおける釣り舟や遊覧魚船にも
利用することができる。
【0026】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、漁獲効果が高
くなるか同じ漁獲量を得るのに電力消費量が格段に少な
くてすむ。また、燃料についての経済負担が軽く、排ガ
スによる種々の環境汚染が生じない。さらに船内スペー
スをいたずらに占拠せず、紫外線の放射も少ないので漁
師の健康を損なうこともない。請求項2の発明によれ
ば、発光ダイオードの取扱いや設置が容易であり、発光
ダイオードの放射光を束状に集中させることができるの
で、必要な光強度を確保しやすい。請求項3の発明によ
れば、LED面状光源が海面のみを照射して空中を照射
しないので、光の漁獲への利用効率が極めて高くなる。
よって、きわめて低い電力消費量で、漁獲に必要な光量
を海中に生成でき、しかも甲板上面を船の設備や作業空
間に利用できるので、使い勝手がよくなる。請求項4の
発明によれば、右側面状光源と左側面状光源を一つのユ
ニットとして扱えるので、船上での設置等の取扱いが容
易となる。請求項5の発明によれば、自然の光に近い白
色光で甲板上を照らすため、明るい作業環境を低い電力
消費量で生成でき、しかも紫外線や熱の影響がなく漁師
の健康を損なうこともない。請求項6の発明によれば、
ユニット化された面状光源を複数個並べることで、必要
な光量を容易に確保でき、その光源は船の左右両側への
光照射を可能とし、かつ甲板上の作業スペースの確保が
可能となる。請求項7の発明によれば、船の片側の海面
に光を照射して魚群を集める環境を生成でき、かつ甲板
上を白色光で照射して明るい作業環境を作ることができ
る。請求項8の発明によれば、船幅の広い船において、
甲板で影を作ることなく海面照射用のLED面状光源で
海面を照射でき、同時に船の甲板上を作業用面状光源で
明るく照射することができる。請求項9の発明によれ
ば、面状光源が船の舷側またはブリッジの側面から海面
を照射するので、船の周囲の海中の魚を釣り上げる環境
を生成できる。請求項10の発明によれば、水中に投げ
込むことにより、魚をおびき寄せ、魚を釣り上げるため
の漁獲環境を生成できる。請求項11の発明によれば、
光源ユニットの内部に整流回路を組み込んでいるので、
船側に整流回路を置く必要はなく、船内のスペースを有
効に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る集魚灯を構成する面
状光源ユニットの断面図である。
【図2】図1の面状光源ユニットの斜視図である。
【図3】本発明の集魚灯を取付けた魚船の側面図であ
る。
【図4】LED面状光源の平面図である。
【図5】LEDの光照射域の説明図である。
【図6】整流回路を面状光源ユニットに組込んだ集魚灯
の電気回路図である。
【図7】整流回路を面状光源ユニットの外部に設置した
集魚灯の電気回路図である。
【図8】本発明の集魚灯の海面上に置ける光照射域の説
明図である。
【図9】本発明の集魚灯を用いた魚船におけるイカ釣り
漁の説明図である。
【図10】自動イカ釣り機の説明図である。
【図11】本発明の他の実施形態に係る集魚灯Bの概略
図である。
【図12】(A)図は水中投込み型集魚灯Cの一例の斜
視図、(B)図は同集魚灯Cの他の例の斜視図、(C)
図は水中投込み型集魚灯Cの使用方法の説明図である。
【図13】光の水中透過率の説明図である(光源として
太陽光を用いたもの。水面上での光強度を100%とす
る。)。
【図14】発光ダイオードの光波長と光強度の説明図
(即ち、分光スペクトル)である。
【図15】各種光色の光源に対する海産稚魚の集魚率の
説明図である(各種の光色の光源に対する海産稚魚の集
魚率(水面照度50lx) (社)照明学会発行「光バイ
オインダストリー」より)。
【図16】イカの種類と最大視感度波長の説明図である
(水産庁水産工学研究所のデータより)。
【図17】メタルハライド集魚灯の光照射域の説明図で
ある。
【図18】メタルハライド集魚灯を装備した魚船の側面
図である。
【図19】メタルハライド集魚灯の電気配線図である。
【図20】メタルハライド集魚灯の分光放射特性図であ
る(白色系(200V−2KW)(定格200V−3KW)の過電圧(240
V)点灯時の分光放射照度を示す。いずれも測定距離は灯
心より3.46m.図中の破線はハロゲン集魚灯 メタルハ
ライド集魚灯の分光放射特性(稲田・小倉,1988) 那
須・奥谷・小倉編著:イカ、全国いか加工業協同組合発
行(平成3年)より)。
【符号の説明】 1 面状光源ユニット 10 LED面状光源 11 基板 12 青色発光ダイオード 20 作業用面状光源 21 基板 22 白色発光ダイオード
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図12
【補正方法】変更
【補正内容】
【図12】

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】波長領域400nmから500nmの青色光を放つ青
    色系発光ダイオードを光源とすることを特徴とする集魚
    灯。
  2. 【請求項2】請求項1記載の青色系発光ダイオードを複
    数個、基板の上にマトリックス状に配置して、LED面
    状光源に構成したことを特徴とする集魚灯。
  3. 【請求項3】請求項2記載のLED面状光源を、船の甲
    板の上方において、海面を照射できる位置に取付けたこ
    とを特徴とする集魚灯。
  4. 【請求項4】請求項2記載のLED面状光源を2枚用
    い、船の右側の海面を照射する右側面状光源および船の
    左側の海面を照射する左側面状光源として組合せて面状
    光源ユニットを構成したことを特徴とする請求項3記載
    の集魚灯。
  5. 【請求項5】前記右側面状光源と前記左側面状光源の間
    に、甲板上を照らすための白色光を照射する発光ダイオ
    ードを基板上にマトリックス状に配置した作業用面状光
    源を配置して面状光源ユニットを構成したことを特徴と
    する請求項4記載の集魚灯。
  6. 【請求項6】請求項5記載の面状光源ユニットを、船の
    甲板の略中心線上の上方において、複数個並べて配置し
    たことを特徴とする請求項3記載の集魚灯。
  7. 【請求項7】請求項2記載のLED面状光源を1枚用い
    て海面照射用とし、白色光を照射する発光ダイオードを
    用いた作業用面状光源を甲板照射用として組合せ、面状
    光源ユニットを構成したことを特徴とする集魚灯。
  8. 【請求項8】請求項7記載の面状光源ユニットを複数用
    い、船の甲板の上方における船の中心線から左右に離れ
    た位置において、各面状光源ユニットの海面照射用LE
    D面状光源を海側に向けて配置したことを特徴とする集
    魚灯。
  9. 【請求項9】請求項2記載のLED面状光源を、船の舷
    側またはブリッジの側面において、海面を照射できる位
    置に取付けたことを特徴とする集魚灯。
  10. 【請求項10】波長領域400nmから570nmの青色から緑色
    の光を放つ発光ダイオードを複数個水中で外部を照射で
    きるように組合せ、かつ、防水加工を施して水中投込み
    型光源ユニットに構成したことを特徴とする集魚灯。
  11. 【請求項11】前記光源ユニットの内部に、交流を直流
    に変換する整流回路を組み込んだことを特徴とする請求
    項4、7、9または10記載の集魚灯。
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