JP2003133487A - 半導体素子収納用パッケージ - Google Patents

半導体素子収納用パッケージ

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JP2003133487A
JP2003133487A JP2001323785A JP2001323785A JP2003133487A JP 2003133487 A JP2003133487 A JP 2003133487A JP 2001323785 A JP2001323785 A JP 2001323785A JP 2001323785 A JP2001323785 A JP 2001323785A JP 2003133487 A JP2003133487 A JP 2003133487A
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heat
heat dissipation
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Seigo Matsuzono
清吾 松園
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の放熱部品を具備する半導体素子収納用
パッケージでは、放熱基体の熱伝導率が低いために、高
信頼性で良好な熱放散を行なうことが困難であった。 【解決手段】 上面に半導体素子4が載置される載置部
を有する放熱基体3と、その上面に取着された絶縁枠体
1と、絶縁枠体1の上面に取着される蓋体2とから成
り、放熱基体3は、炭化珪素の多孔質体に銅を含浸させ
て成る複合材料層3aとその上下面に形成された銅層3
bとから成るとともに、複合材料層3aの厚みをt1、
銅層3bの厚みt2としたとき、30μm≦t2≦300μ
mかつt2≦0.15×t1である半導体素子収納用パッケ
ージである。半導体素子4の高発熱を効率良く放散でき
るとともに、放熱基体3の熱膨張係数を絶縁枠体1に近
づけて高信頼性の接合を得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体素子収納用
パッケージに関し、特にガリウム砒素(GaAs)・イ
ンジウム燐(InP)・シリコン(Si)等の高発熱の
半導体素子が搭載される放熱特性に優れた高信頼性用途
の半導体素子収納用パッケージに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、半導体素子を収容するための半導
体素子収納用パッケージは、一般に酸化アルミニウム質
焼結体・ムライト質焼結体・ガラスセラミックス焼結体
等の電気絶縁材料から成り、上面に半導体素子を収容す
るための凹部を有する絶縁基体と、この絶縁基体の凹部
から外表面にかけて被着導出されたタングステン・モリ
ブデン・マンガン・銅・銀等の金属粉末から成る複数個
の配線導体と、蓋体とから構成されており、絶縁基体の
凹部底面に半導体素子をガラス・樹脂・ロウ材等の接着
剤を介して接着固定するとともにこの半導体素子の各電
極をボンディングワイヤを介して配線導体に電気的に接
続し、しかる後、絶縁基体に蓋体をガラス・樹脂・ロウ
材等からなる封止材を介して接合させ、絶縁基体と蓋体
とからなる容器内部に半導体素子等の発熱部品を収容す
ることによって製品としての半導体装置となる。
【0003】この従来の半導体素子収納用パッケージ
は、絶縁基体を構成する酸化アルミニウム質焼結体の熱
伝導率が低い(約15W/mK)ため、絶縁基体に収容さ
れる半導体素子が作動時に多量の熱を発生した場合、そ
の熱を大気中に良好に放散させることができず、その結
果、半導体素子はその発生する熱によって高温となリ、
半導体素子に熱破壊を起こさせたり、特性に熱変化を与
え誤動作を生じるという欠点を有していた。
【0004】そこで、高発熱の半導体素子を収納する半
導体素子収納用パッケージにおいては、絶縁基体を介し
て半導体素子の熱を良好に放熱させるために、銅−タン
グステン・銅−モリブデンといった複合金属材料からな
る放熱部品が半導体素子の真下に位置するように設けら
れている。
【0005】例えば、銅−タングステン複合材料からな
る放熱部品はタングステンと銅がマトリクス状に構成さ
れているが、銅−タングステン複合材料の熱伝導率は比
率により異なるが、一般的に150乃至200W/mK程度で
ある。
【0006】しかしながら、パワーICや高周波トラン
ジスタ等の大電流を必要とする半導体素子の発展に伴っ
て、半導体素子の発熱量は年々増加する傾向にあり、現
在では250W/mK以上の熱伝導率を持つ放熱部品が求
められている。
【0007】この問題を解決するために、特開平6−26
8115号公報には、半導体装置用放熱基板として、モリブ
デンから成る第1の部材(基材)と銅から成る第2の部
材とのクラッド材でC.M.C.(Cu/Mo/Cu)
構造のものが開示されている。このC.M.C.構造の
クラッド材から成る半導体装置用放熱基板の熱伝導率は
200W/mK以上と非常に高い。
【0008】また、特開平6−268117号公報には、タン
グステン−銅合金またはモリブデン−銅合金からなる群
より選ばれた少なくとも一種の金属材料から成る第1の
部材(基材)の両主面に銅を主材料とする金属材料から
成る第2の部材が熱間一軸加圧法または圧延法のいずれ
かで接合された半導体装置用放熱基板が提案されてお
り、この半導体装置用放熱基板では250W/mK以上の
熱伝導率を達成している。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開平
6−268115号公報や特開平6−268117号公報に開示され
た半導体装置用放熱基体は、熱伝導率が約250W/mK
と非常に高いが、製造方法として圧延法や熱間一軸加工
法により基材層と銅層とを貼り合わせているため、これ
を半導体素子収納用パッケージの放熱基体として絶縁枠
体を接合すると、接合時の熱応力により基材層と銅層と
の界面にクラックが発生し易いという問題点がある。
【0010】また、銅層と基材層との間に界面が存在す
るために、両層の接触抵抗により、熱伝導率が低下する
こととなるといった問題点がある。
【0011】本発明は上記従来の技術における問題点に
鑑み案出されたものであり、その目的は、放熱基体を銅
−炭化珪素の多孔質体の両面に溶浸法により銅層を形成
することにより、半導体素子の発生した熱を大気中ある
いは外部の放熱基板等に良好に放散させることができ、
かつ、銅層を熱間一軸法や圧延等の貼合せではない溶浸
法により形成しているために、絶縁枠体や絶縁基体と放
熱基体とを強固に信頼性よく接合させることが可能な半
導体素子収納用パッケージを提案することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の半導体収納用パ
ッケージは、上面に半導体素子が載置される載置部を有
する放熱基体と、この放熱基体の上面に前記載置部を囲
繞するように取着された絶縁枠体と、この絶縁枠体の上
面に取着される蓋体とから成る半導体素子収納用パッケ
ージであって、前記放熱基体は、炭化珪素の多孔質体に
銅を含浸させて成る複合材料層とその上下面に形成され
た銅層とから成るとともに、前記複合材料層の厚みをt
1、前記銅層の厚みをt2としたとき、30μm≦t2≦
300μmでかつt2≦0.15×t1であることを特徴とす
るものである。
【0013】また、本発明の半導体素子収納用パッケー
ジは、上記構成において、前記複合材料層は、炭化珪素
の多孔質体に20乃至35重量%の銅を含浸させて成ること
を特徴とするものである。
【0014】また本発明の半導体素子収納用パッケージ
は、上記構成において、前記絶縁枠体は、熱膨張係数が
6乃至8×10-6/℃(室温〜800℃)のセラミックスか
ら成ることを特徴とするものである。
【0015】本発明の半導体素子収納用パッケージによ
れば、放熱基体が、炭化珪素セラミックの多孔質体に20
乃至35重量%の銅を含浸させて成る複合材料層とその上
下面に形成された銅層とから成るとともに、複合材料層
の厚みをt1、銅層の厚みをt2としたとき、30μm≦
t2≦300μmかつt2≦0.15×t1であることから、
炭化珪素の多孔質体に銅を含浸させて成る複合材料層の
みで形成された放熱基体に比べて、これに載置される半
導体素子で発生した熱を、まず表面近傍で銅層によって
面内の水平方向により多く逃がすことができるととも
に、銅層と複合材料層中の銅とは連続的につながってい
るため熱伝導の損失が小さくなり、その結果、複合材料
層内により多く熱を逃がすことができる。また、複合材
料層内は、銅−炭化珪素材料であるので230W/mK以
上の熱伝導率が確保されている。これによって、放熱基
体の熱伝導率を250W/mK以上と極めて高いものとす
ることが可能となる。
【0016】また、複合材料層の上下面に形成された銅
層は、複合材料層を炭化珪素に銅を溶浸法で含浸させる
際に同時に形成することができることから、熱間一軸法
や圧延法で貼り合わせた銅層と異なり、放熱基体に絶縁
枠体を接合する時の熱応力により銅層と複合材料層との
界面にクラックが発生することはほとんどなく、その結
果、放熱基体に載置されてパッケージ内部に収納される
半導体素子を長期にわたり正常に、かつ安定に作動させ
ることが可能となる。
【0017】また、放熱基体が、炭化珪素の多孔質体に
銅を含浸させて成る複合材料層とその上下面に形成され
た銅層とから成るとともに、複合材料層の厚みをt1、
銅層の厚みをt2としたとき、30μm≦t2≦300μm
でかつt2≦0.15×t1であることから、放熱基体の上
面に設けられた半導体素子の載置部では熱伝導率ととも
に熱膨張係数も大きい銅の占める割合が多いにもかかわ
らず、放熱基体の熱膨張率を絶縁枠体の熱膨張係数に近
づけることが可能となる。
【0018】特に、複合材料層を炭化珪素の多孔質体に
20乃至35重量%の銅を含浸させて成るものとしたとき
は、放熱基体の熱膨張係数は9×10-6/℃以下の値にな
るため、放熱基体と絶縁枠体とを長期間にわたり良好
に、かつ安定に接合させることが可能となる。
【0019】また、絶縁枠体を熱膨張係数が6乃至8×
10-6/℃(室温〜800℃)のセラミックスから成るもの
としたときには、放熱基体の熱膨張係数をその絶縁枠体
の熱膨張係数の近傍の値にすることが可能となるので、
放熱基体と絶縁枠体とを長期間にわたり良好に、かつ安
定に接合させることが可能となる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下に本発明を添付図面に基づき
詳細に説明する。
【0021】図1は本発明の半導体素子収納用パッケー
ジの実施の形態の一例を示す断面図であり、1は絶縁枠
体、2は蓋体、3は放熱基体であり、4は半導体素子で
ある。放熱基体3は、上面の中央部に半導体素子4が載
置される載置部を有しており、絶縁枠体1は放熱基体3
の上面に載置部を囲繞するように取着されており、これ
ら絶縁枠体1と蓋体2と放熱基体3とで半導体素子4を
収納する容器が構成される。
【0022】絶縁枠体1は酸化アルミニウム質焼結体・
ムライト質焼結体・ガラスセラミックス質焼結体等の電
気絶縁材料であるセラミックスから成り、放熱基体3と
ロウ材6を介して接着固定される。なお、ロウ付け用の
金属層(非図示)が絶縁枠体1の放熱基体3との接合部
に形成される。
【0023】絶縁枠体1は、例えば酸化アルミニウム質
焼結体から成る場合、酸化アルミニウム粉末とホウ珪酸
ガラス等のガラス粉末から成る原料粉末に適当な有機バ
インダや溶剤等を添加混合して泥漿物を作るとともに、
この泥漿物をドクターブレード法やカレンダーロール法
を採用することによってセラミックグリーンシート(セ
ラミック生シート)と成し、しかる後に、これらセラミ
ックグリーンシートに適当な打ち抜き加工を施すととも
にこれを複数枚積層し、約1600℃の温度で焼成すること
によって作製される。
【0024】また、絶縁枠体1には、その内側の半導体
素子4の載置部を取り囲む部位から外表面にかけて導出
する配線導体8が形成されており、絶縁枠体1の内側に
露出する配線導体8の一端には半導体素子4の各電極が
ボンディングワイヤ5を介して電気的に接続される。
【0025】配線導体8はタングステン・モリブデン等
の高融点金属から成り、タングステン・モリブデン等の
金属粉末に適当な有機バインダや溶剤等を添加混合して
得た金属ペーストを絶縁枠体1となるセラミックグリー
ンシートに予め従来周知のスクリーン印刷法等によって
所定のパターンに印刷塗布しておくことによって絶縁枠
体1の内側から外表面にかけて被着形成される。
【0026】なお、配線導体8はその露出する表面にニ
ッケル・金等の耐食性に優れ、かつボンディングワイヤ
5のボンディング性に優れる金属を1μm乃至20μmの
厚みにメッキ法によって被着させておくと、配線導体8
の酸化腐食を有効に防止できるとともに配線導体8への
ボンディングワイヤ5の接続を強固となすことができ
る。従って、配線導体8は、その露出する表面にニッケ
ル・金等の耐食性に優れ、かつボンディング性に優れる
金属を1μm乃至20μmの厚みに被着させておくことが
望ましい。
【0027】放熱基体3はその上面に半導体素子4の載
置部を有しており、この載置部には半導体素子4が樹脂
・ガラス・ロウ材等の接着材7を介して固定される。な
お、接着材7としてロウ材を用いる場合には、通常、ロ
ウ付け用の金属層(非図示)が放熱基体3と半導体素子
4との接合部に形成される。また、絶縁枠体1と放熱基
体3とは、銀−銅合金等からなるロウ材6を用い、ロウ
材6を600℃から900℃の還元雰囲気中で溶融された後に
冷却固化されることで接合される。
【0028】放熱基体3は、図2にその概略構成を断面
図で示すように、炭化珪素の多孔質体に銅を含浸させて
成る複合材料層3aとその上下面に形成された銅層3b
とから成る。放熱基体3は、半導体素子4の作動に伴い
発生する熱を吸収するとともに大気中に放散させる機能
を有する。放熱基体3の作製は、予め形成された炭化珪
素の多孔質体に溶浸法により上下面から銅を溶融含浸さ
せて複合材料3aを形成し、その際に複合材料層3aの
上下面に残った銅が銅層3bとなって上下面を被覆して
いるため、この銅層3bを30μm乃至200μmの厚みで
残すように研磨することによって行なわれる。その後、
必要に応じて、銅層3bの表面の耐食性を高め、またロ
ウ材6や接着材7との濡れ性を高める等の目的で、露出
する表面にニッケル等のメッキ層(非表示)を施す。
【0029】放熱基体3において、複合材料層3aを構
成する炭化珪素の多孔質体は、例えば中心粒径が数μm
乃至100μmの炭化珪素粉末に適量のバインダを混合し
た後、約1t/cm3程度の圧力でプレス体を成形し、
このプレス成形体を約1500℃程度の温度で焼成して焼結
させることによって得ることができる。
【0030】そして、この多孔質体に銅を含浸させて複
合材料層3aが形成されるとともに、その上下面に銅層
3bが形成されている。この銅層3bは、通常は、複合
材料層3aに多孔質体の上下面から含浸させた銅のうち
内部に含浸されきれずに残った分が複合材料層3aの上
下面に配置されて形成される。
【0031】そして、この放熱基体3においては、図2
中に示すように、上下面にそれぞれの銅層3bの厚みを
t2、複合材料層3aの厚みをt1としたとき、30μm
≦t2≦300μmかつt2≦0.15×t1とすることが重
要である。t2<30μmとなると表面近傍で銅層3bに
よって面内の水平方向により多く熱を逃がすことができ
なくなるために、半導体素子4が発生する熱を大気中に
良好に放散することが困難になり、半導体素子4の熱破
壊が起きたり、特性に熱変化を与え誤動作を生じさせる
傾向がある。他方、t2>300μmとなると、半導体素
子4の載置部における銅の占める割合が大きくなり過
ぎ、熱膨張係数が大きくなり、半導体素子4および放熱
基体3と接合材7との間ならびに絶縁枠体1および放熱
基体3と接合材6との間で破壊や剥離が生じやすくなる
傾向がある。
【0032】また、t2>0.15×t1となると、上記と
同様に、半導体素子4の載置部における銅の占める割合
が大きくなり過ぎ、熱膨張係数が大きくなり、半導体素
子4および放熱基体3と接合材7との間ならびに絶縁枠
体1および放熱基体3と接合材6との間で破壊や剥離が
生じやすくなる傾向がある。
【0033】また、複合材料層3aにおいて炭化珪素の
多孔質体に含浸させる銅の含有量は、放熱基体3の熱膨
張係数を6.5乃至9.0×10-6/℃とセラミックスから成る
絶縁枠体1の熱膨張係数の近傍の値にするために、20乃
至35重量%としておくことが好ましい。この銅の含有量
が20重量%未満となると、放熱基体3の熱膨張係数が6
×10-6/℃以下になるために、半導体素子4および放熱
基体3と接合材7との間ならびに絶縁枠体1および放熱
基体3と接合材7との間で破壊や剥離が生じやすくなる
傾向がある。他方、35重量%を超えると、放熱基体3の
熱膨張係数が9×10-6/℃以上になるために、半導体素
子4および放熱基体3と接合材7との間ならびに絶縁枠
体1および放熱基体3と接合材7との間で破壊や剥離が
生じやすくなる傾向がある。
【0034】なお、このような放熱基体3に対し、絶縁
枠体1としては、放熱基体3との熱膨張係数をその絶縁
枠体1の熱膨張係数の近傍の値にする観点からは、熱膨
張係数が6乃至8×10-6/℃(室温〜800℃)のセラミ
ックスから成ることが好ましい。このようなセラミック
スとしては、酸化アルミニウム質焼結体やガラスセラミ
ックス焼結体等を用いればよい。中でも、酸化アルミニ
ウム質焼結体を用いると、焼結体自体の熱伝導率が30W
/mKと高い点で好適なものとなる。
【0035】かくして上述の本発明の半導体素子収納用
パッケージによれば、放熱基体3の上面の載置部に半導
体素子4をガラス・樹脂・ロウ材等から成る接着材7を
介して接着固定して載置するとともにこの半導体素子4
の各電極をボンディングワイヤ5を介して所定の配線導
体8に接続させ、しかる後に、絶縁枠体1の上面に蓋体
2をガラス・樹脂・ロウ材等から成る封止材を介して接
合させ、絶縁枠体1と放熱基体3と蓋体2とから成る容
器内部に半導体素子4を気密に収容することによって製
品としての半導体装置となる。
【0036】
【実施例】[実施例1]まず、中心粒径が数μm乃至10
0μmの炭化珪素粉末に適量のバインダを混合した後、
約1t/cm3の圧力でプレス体を成形し、このプレス
成形体を約1500℃の温度で焼成して得た炭化珪素から成
る焼結多孔質体を準備した。次に、この多孔質体に1200
℃の温度で25重量%の銅の溶浸を行なって含浸させ、上
下面のそれぞれの銅層の厚みが0、0.015、0.030、0.05
0、0.10、0.20、0.30、0.50mmになるようにして、評
価用の放熱基体試料の作製を行なった。
【0037】そして、これら評価用放熱基体試料につ
き、JIS R1611に規定のファインセラミックスのレ
ーザーフラッシュ法により熱拡散・比熱容量・熱伝導率
試験方法に基づき評価用放熱基体試料の熱伝導率(W/
mK)を測定し、またTMA(Thermomechanical Analy
sis)法により評価用放熱基体試料を昇温させながら各
温度に対する評価用放熱基体試料の伸び量を測定し、そ
の値を温度上昇幅の値で除算することによって熱膨張係
数(×10-6/℃)を測定した。また、接合界面につい
て、倍率が40倍の顕微鏡にて界面観察を行なった。その
後、超音波深傷装置にて同様の観察を行なった。その結
果について、表1にこれら炭化珪素と銅とから成る複合
材料層とその上下面の銅層との厚み比率を変化させた場
合の放熱基体の熱膨張係数と熱伝導率の物性値と温度サ
イクル試験(TCT:−65/+150℃、1000サイクル)
後の10.0mm□、0.60mmtのシリコン製の半導体素子
と放熱基体との接合界面状態および外形サイズが20.0m
mt、キャビティサイズが12.0mm□で、厚みが1.0m
mtの絶縁枠体と放熱基体との接合界面状態を示す。
【0038】
【表1】
【0039】表1に示す結果より分かるように、No.1
乃至No.8の放熱基体では、複合材料層の厚みを2.0mm
tに固定して銅層の厚みを0乃至0.5mmtで変更した
場合に、複合材料層/銅層厚み比率(t2/t1)は0
乃至0.25と大きくなる、これに伴い熱伝導率および熱膨
張率も大きい値を示している。特に、t2/t1=0.01
5以上で250W/mK以上の値を示した。しかし、銅層厚
みが300μm以上では熱伝導率は多く変化しないが、t
2/t1=0.15を超えると放熱基体と絶縁基体との接合
界面でクラックが発生することが確認できた。放熱基体
として、250W/mK以上の高放熱性があり半導体素子
および絶縁枠体との接合の信頼性が確保できる複合材料
層との銅層との厚み比率は、0.15以下が好適である。
【0040】また、No.9乃至No.10の放熱基体では、複
合材料層の厚みを1.0mmtと3.0mmtに、銅層の厚み
を0.1と0.3mmtに変更した場合でも、熱伝導率が250
W/mK以上で熱膨張係数も8×10-6/℃以下の値を示
すことが分かる。
【0041】[実施例2]中心粒径が数μm乃至100μ
mの炭化珪素粉末に適量のバインダを混合した後、約1
t/cm3の圧力でプレス体を成形し、このプレス成形
体を約1500℃の温度で焼成して得た炭化珪素から成る焼
結多孔質体を準備した。次に、この多孔質体に1200℃の
温度で銅をそれぞれ20乃至70重量%の含有量(炭化珪素
の量が30乃至80重量%)となるように溶浸させて含浸さ
せ、上下面のそれぞれの銅層の厚みは0.10mmになるよ
うにして評価用の放熱基体試料を作製した。そして、実
施例1と同様の評価を行なった。その結果について、表
2に複合材料層とその上下面の銅層との厚み比率が0.05
での複合材料層の銅量を20重量%乃至70重量%の間で変
化させた場合の放熱基体の熱膨張係数および熱伝導率の
物性と温度サイクル試験(TCT:−65/150℃、1000
サイクル)後の半導体素子との放熱基体との接合界面状
態および絶縁枠体と放熱基体との接合界面状態を示す。
【0042】
【表2】
【0043】表2に示す結果より分かるように、No.1
乃至No.8の放熱基体では、銅−炭化珪素複合材料層の
銅含有率は20乃至70重量%の範囲で変更を行なった。こ
れから複合材料層の銅量の比率を上げることで熱膨張係
数は除々に増加する。また、特に銅比率が40重量%以上
では熱膨張係数が9×10-6/℃以上となり、放熱基体と
絶縁枠体との界面でクラック等が発生する。よって信頼
性が確保できる複合材料層の銅量の比率は、20乃至35重
量%が好適である。
【0044】なお、本発明は上述の実施の形態の例に限
定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲
で種々の変更を加えることは何ら差し支えない。
【0045】
【発明の効果】本発明の半導体素子収納用パッケージに
よれば、放熱基体が、炭化珪素の多孔質体に20乃至35重
量%の銅を含浸させて成る複合材料層とその上下面に形
成された銅層とから成るとともに、複合材料層の厚みを
t1、銅層の厚みをt2としたとき、30μm≦t2≦30
0μmかつt2≦0.15×t1であることから、炭化珪素
の多孔質体に銅を含浸させて成る複合材料層のみで形成
された放熱基体に比べて、これに載置される半導体素子
で発生した熱を、まず表面近傍で銅層によって面内の水
平方向により多く逃がすことができるとともに、銅層と
複合材料層中の銅とは連続的につながっているため熱伝
導の損失が小さくなり、その結果、複合材料層内により
多く熱を逃がすことができる。また、複合材料層内は、
銅−炭化珪素材料であるので230W/mK以上の熱伝導
率が確保されている。これによって、放熱基体の熱伝導
率を250W/mK以上と極めて高いものとすることが可
能となる。
【0046】また、複合材料層の上下面に形成された銅
層は、複合材料層を炭化珪素に銅を溶浸法で含浸させる
際に同時に形成することができることから、熱間一軸法
や圧延法で貼り合わせた銅層と異なり、放熱基体に絶縁
枠体を接合する時の熱応力により銅層と複合材料層との
界面にクラックが発生することはほとんどなく、その結
果、放熱基体に載置されてパッケージ内部に収納される
半導体素子を長期にわたり正常に、かつ安定に作動させ
ることが可能となる。
【0047】また、放熱基体が、炭化珪素の多孔質体に
銅を含浸させて成る複合材料層とその上下層に形成され
た銅層とから成るとともに、複合材料層の厚みをt1、
銅層の厚みをt2としたとき、30μm≦t2≦300μm
かつt2≦0.15×t1であることから、放熱基体の上面
に設けられた半導体素子の載置部では熱伝導率とともに
熱膨張係数も大きい銅の占める割合が多いにもかかわら
ず、放熱基体の熱膨張率を絶縁枠体の熱膨張係数に近づ
けることが可能となる。
【0048】特に、複合材料層を炭化珪素の多孔質体に
20乃至35重量%の銅を含浸させて成るものとしたときに
は、放熱基体の熱膨張係数は9×10-6/℃以下の値にな
るため、放熱基体と絶縁枠体とを長期間にわたり良好
に、かつ安定に接合させることが可能となる。
【0049】また、絶縁枠体を熱膨張係数が6乃至8×
10-6/℃(室温〜800℃)のセラミックスから成るもの
としたときには、放熱基体の熱膨張係数をその絶縁枠体
の熱膨張係数の近傍の値にすることが可能となるので、
放熱基体と絶縁枠体とを長期間にわたり良好に、かつ安
定に接合させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の半導体素子収納用パッケージの実施の
形態の一例を示す断面図である。
【図2】本発明の半導体素子収納用パッケージにおける
放熱基体の概略構成を示す断面図である。
【符号の説明】
1・・・・・絶縁体 2・・・・・蓋体 3・・・・・放熱基体 3a・・・・・炭化珪素と銅との複合材料層 3b・・・・・銅層 4・・・・・半導体素子

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上面に半導体素子が載置される載置部を
    有する放熱基体と、該放熱基体の上面に前記載置部を囲
    繞するように取着された絶縁枠体と、該絶縁枠体の上面
    に取着される蓋体とから成る半導体素子収納用パッケー
    ジであって、前記放熱基体は、炭化珪素の多孔質体に銅
    を含浸させて成る複合材料層とその上下面に形成された
    銅層とから成るとともに、前記複合材料層の厚みをt
    1、前記銅層の厚みをt2としたとき、30μm≦t2
    ≦300μmかつt2≦0.15×t1であることを特
    徴とする半導体素子収納用パッケージ。
  2. 【請求項2】 前記複合材料層は、炭化珪素の多孔質体
    に20乃至35重量%の銅を含浸させて成ることを特徴
    とする請求項1記載の半導体素子収納用パッケージ。
  3. 【請求項3】 前記絶縁枠体は、熱膨張係数が6乃至8
    ×10-6/℃(室温〜800℃)のセラミックスから成
    ることを特徴とする請求項1記載の半導体素子収納用パ
    ッケージ。
JP2001323785A 2001-10-22 2001-10-22 半導体素子収納用パッケージ Pending JP2003133487A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007527105A (ja) * 2003-06-06 2007-09-20 ハネウエル・インターナシヨナル・インコーポレーテツド 熱連結システムとその製造方法

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