JP2004221328A - 半導体素子収納用パッケージおよび半導体装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】半導体素子が作動する際に発する熱を大気中に効果的に放散できない。
【解決手段】半導体素子11の搭載部を有する放熱部材1と、その上面に取着された、配線導体6を有する絶縁枠体5と、その上面に搭載部を覆うように取着される蓋体10とを具備する半導体素子収納用パッケージであって、放熱部材1は、タングステンまたはモリブデンと銅とのマトリクスから成る基体2の搭載部に銅から成る複数の貫通金属体3が埋設されているとともに、貫通金属体3が埋設されている部位の上下面に銅層4が接合されており、貫通金属体3は、断面積が基体2の中心側から銅層4との接合部に向かって漸次大きくなっている。放熱部材1の熱伝導が良好で、半導体素子11との接触面を平滑にできるため、半導体素子11の発した熱を外部や大気中に良好に放散させることができる。
【選択図】 図1
【解決手段】半導体素子11の搭載部を有する放熱部材1と、その上面に取着された、配線導体6を有する絶縁枠体5と、その上面に搭載部を覆うように取着される蓋体10とを具備する半導体素子収納用パッケージであって、放熱部材1は、タングステンまたはモリブデンと銅とのマトリクスから成る基体2の搭載部に銅から成る複数の貫通金属体3が埋設されているとともに、貫通金属体3が埋設されている部位の上下面に銅層4が接合されており、貫通金属体3は、断面積が基体2の中心側から銅層4との接合部に向かって漸次大きくなっている。放熱部材1の熱伝導が良好で、半導体素子11との接触面を平滑にできるため、半導体素子11の発した熱を外部や大気中に良好に放散させることができる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は良好な放熱特性の放熱構造を有する半導体素子収納用パッケージおよびそれを用いた半導体装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、半導体素子を収容するための半導体素子収納用パッケージは、一般に酸化アルミニウム質焼結体・ムライト質焼結体・ガラスセラミックス焼結体等の電気絶縁材料から成る絶縁基体と、半導体素子が搭載されてその動作時に発生する熱を外部もしくは大気中に良好に放散させるための銅とタングステンとの合金材料または銅とモリブデンとの合金材料から成る放熱部材と蓋体とから構成されており、放熱部材の上面の半導体素子の搭載部を取り囲むように絶縁基体が配置されているとともに、これら絶縁基体および放熱部材によって形成される凹部の内側から外表面にかけて、タングステン・モリブデン・マンガン・銅・銀等から成る複数の配線導体が被着導出されている。そして、放熱部材の上面の搭載部に半導体素子をガラス・樹脂・ロウ材等の接着剤を介して接着固定するとともにこの半導体素子の各電極をボンディングワイヤを介して配線導体に電気的に接続し、しかる後、絶縁基体と放熱部材とから成る凹部にエポキシ樹脂等の封止樹脂を注入し、半導体素子を封止することによって製品としての半導体装置となる。この半導体装置は、さらに放熱効率を向上させるために、ねじ止め等によって外部放熱板に搭載される場合もある。
【0003】
このようなタングステンと銅との合金材料等から成る放熱部材を具備した半導体素子収納用パッケージは、放熱部材の熱伝導率が高く、なおかつ放熱部材の熱膨張係数が半導体素子の構成材料であるシリコン・ガリウム砒素やパッケージの構成材料として使われるセラミック材料等と熱膨張係数が近似することから、パワーICや高周波トランジスタ等の高発熱半導体素子を搭載する半導体素子収納用パッケージとして注目されている。
【0004】
【特許文献1】
特開平9−312361号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
近年、パワーICや高周波トランジスタの高集積化に伴う発熱量の増大によって、現在では300W/m・K以上の熱伝導率を持つ放熱部材が求められている。しかしながら、前述のタングステンと銅との合金材料またはモリブデンと銅との合金材料から成る放熱部材の熱伝導率は200W/m・K程度とその要求に対して低いため、放熱特性が不十分になりつつあるという問題がある。
【0006】
これに対し、タングステンと銅とがマトリクス状に構成された複合材料から成る放熱部材を用いることが提案されている。また、銅または銅合金の高熱伝導層と、Fe−Ni系合金の低熱膨張層が交互に積層され、低熱膨張層を挟み込む高熱伝導層が低熱膨張層に形成した複数の貫通孔を介して連続している複合材料から成る伝熱基板を用いることも提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0007】
しかしながら、このタングステンと銅とがマトリクス状に構成された複合材料から成る放熱部材を用いた半導体素子収納用パッケージでは、タングステンは熱伝導率・熱膨張係数が共に低く、銅は熱伝導率・熱膨張係数が共に高いため、銅の含有量を増加させるに従って放熱部材の熱伝導率・熱膨張率を共に増加させることができるものの、熱伝導率を向上させるために銅の含有量を増加させると、半導体素子と放熱部材の熱膨張係数の差が大きくなり、半導体素子を放熱部材に強固に接合することができなくなってしまうという問題が発生する。
【0008】
また、銅または銅合金の高熱伝導層とFe−Ni系合金の低熱膨張層とから成る複合材料から成る伝熱基板を用いる場合は、一般にFe−Ni系合金は熱伝導率が低く(例えばFe−42Ni合金の場合であれば約16W/m・K)、基板の厚み方向の伝熱性が低いという問題があった。
【0009】
加えて、銅または銅合金の高熱伝導層と、Fe−Ni系合金の低熱膨張層とが交互に積層され、低熱膨張層を挟み込む高熱伝導層が低熱膨張層に形成した複数の貫通孔を介して連続している複合材料の場合は、熱膨張率が異なる材料を複雑に配しているため、加熱時に基板が大きく反ってしまうという問題があった。
【0010】
また、この複合材料から成る放熱部材を用いた半導体素子収納用パッケージでは、パッケージ組み立ての際の高温時に銅が膨張しかつ塑性変形を起こすため、冷却後に元の状態に戻らず、その結果、放熱部材の表面が粗くなるという問題が発生することがある。
【0011】
一般に放熱部材の表面粗さは、半導体素子をガラス・樹脂・ロウ材等の接着剤を介して放熱部材に接着固定する際の接着剤中のボイド発生による放熱部材と半導体素子との接合強度の低下を防止するために、放熱部材の表面粗さを算術平均粗さRaでRa≦30μmにすることが必要とされる。そのため、この複合材料から成る放熱部材を用いる場合は、表面粗さを算術平均粗さRaでRa≦30μmにするために研摩によって表面を平滑にすることが行なわれるが、半導体素子の搭載部を取り囲むように絶縁枠体が取着されたパッケージでは、放熱部材の搭載部を研摩することができないという問題があった。
【0012】
本発明は上記従来の技術における問題に鑑み案出されたものであり、その目的は、半導体素子の発した熱を外部や大気中に良好に放散させることができ、かつ半導体素子を放熱部材に強固に接着させることができる半導体素子収納用パッケージおよびそれを用いた半導体装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明の半導体素子収納用パッケージは、上面の中央部に半導体素子が搭載される搭載部を有する平板状の放熱部材と、この放熱部材の上面に前記搭載部を取り囲んで取着された、内側の前記搭載部周辺から外表面に導出する複数の配線導体を有する絶縁枠体と、この絶縁枠体の上面に前記搭載部を覆うように取着される蓋体とを具備する半導体素子収納用パッケージであって、前記放熱部材は、タングステンまたはモリブデンと銅とのマトリクスから成る平板状の基体の前記搭載部の上面から下面にかけて銅から成る複数の貫通金属体が埋設されているとともに、少なくとも前記基体の前記貫通金属体が埋設されている部位の上下面に銅層が接合されており、前記貫通金属体は、断面積が前記基体の中心側から前記銅層との接合部に向かって漸次大きくなっていることを特徴とするものである。
【0014】
本発明の半導体素子収納用パッケージによれば、放熱部材の基体の半導体素子の搭載部に、基体の上面から下面まで貫通する銅から成る複数の貫通金属体を埋設したことから、タングステンと銅とのマトリクスのみで形成された放熱部材に比べて、半導体素子の搭載部の下により多くの銅から成る高熱伝導部分を配置することができるので、半導体素子で発生した熱を半導体素子の搭載面に垂直な方向により多く伝えることができ、その結果、半導体素子に発生する熱をこの放熱部材を介して大気中あるいは外部放熱板に良好に放散することができる。
【0015】
さらに、放熱部材の半導体素子の搭載部の下に埋設された、基体の上面から下面まで貫通する銅から成る複数の貫通金属体を、基体の上下面に接合されている銅層と直接接合していることから、これら銅層と貫通金属体とにより半導体素子で発生する熱の放熱部材内における伝達を極めて良好なものとすることができる。これらの結果、半導体素子の熱を良好に放散させることができ、半導体素子を長期間にわたり正常かつ安定に作動させることが可能となる。
【0016】
また、貫通金属体の断面積が、基体の中心側から銅層との接合部に向かって漸次大きくなっていることから、銅層と接触する、タングステンまたはモリブデンと銅とのマトリクスから成る平板状の基体に形成された、貫通金属体が埋設されている貫通孔の開口の周縁部が鈍角化することとなり、その結果、貫通金属体の端部と基体の貫通孔の開口部との接触摩擦抵抗が少なくなるため、半導体素子収納用パッケージの組み立て時の高温からの冷却の際に、膨張し塑性変形した銅から成る貫通金属体が元の状態へ戻りやすくなり、その結果、貫通金属体の上に位置する銅層に貫通金属体の突き上げにより発生する突起の高さを例えば30μm未満に抑えることができるようになるため、半導体素子をガラス・樹脂・ロウ材等の接着剤を介して放熱部材の搭載部に接着固定する際の接着剤中のボイド発生が無く、その結果、半導体素子を強固に接続することができることから、半導体素子で発生する熱を放熱部材へ効率良く伝達することが可能になる。
【0017】
また、本発明の半導体装置は、上記構成の本発明の半導体素子収納用パッケージの前記搭載部に半導体素子を搭載するとともにこの半導体素子の電極と前記配線導体とを電気的に接続し、前記絶縁枠体の上面に前記搭載部を覆うように前記蓋体を取着して成ることを特徴とするものである。
【0018】
本発明の半導体装置によれば、上記構成の本発明の半導体素子収納用パッケージの前記搭載部に半導体素子を搭載するとともにこの半導体素子の電極と前記配線導体とを電気的に接続し、前記絶縁枠体の上面に前記搭載部を覆うように前記蓋体を取着して成ることから、以上のような本発明の半導体素子収納用パッケージの特長を備えた、半導体素子の放熱部材への接合が強固で、放熱特性が極めて良好な、長期にわたって安定して半導体素子を作動させることができる半導体装置を提供することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
次に、本発明を添付図面に基づき詳細に説明する。
【0020】
図1は本発明の半導体素子収納用パッケージおよびそれを用いた半導体装置の実施の形態の一例を示す断面図であり、1は放熱部材、2は放熱部材1の基体、3は貫通金属体、4(4a,4b)は銅層、5は絶縁枠体、6は配線導体、7はリード端子、10は蓋体である。これら放熱部材1と絶縁枠体5と蓋体10とで半導体素子11を収納する半導体素子収納用パッケージ8が構成される。また、この放熱部材1の搭載部に半導体素子11を搭載した後に、絶縁枠体5の上面に搭載部を覆うように蓋体10を取着して封止することにより半導体装置14が構成される。
【0021】
絶縁枠体5は酸化アルミニウム質焼結体・ムライト質焼結体・ガラスセラミック質焼結体等から成り、ロウ材9を介して放熱部材1に接着固定される。なお、このロウ材9による接着固定に際しては、通常、ロウ付け用の金属層(図示せず)が絶縁枠体5と放熱部材1との接合部に形成される。
【0022】
また、放熱部材1には、その上面の中央部の搭載部に半導体素子11が樹脂・ガラス・ロウ材等の接着剤12を介して固定される。なお、接着剤12としてロウ材を用いる場合には、通常、ロウ付け用の金属層(図示せず)が放熱部材1の半導体素子11との接着部に形成される。ただし、放熱部材1の上面の搭載部に接合された銅層4(4a)により十分なロウ付けができる場合には、ロウ付け用の金属層は特に必要ではない。
【0023】
絶縁枠体5は、例えば、酸化アルミニウム質焼結体から成る場合であれば、酸化アルミニウム・酸化珪素・酸化マグネシウム・酸化カルシウム等の原料粉末に適当な有機バインダ・溶剤・可塑剤・分散剤等を混合添加して泥漿状となすとともに、これをドクターブレード法やカレンダーロール法を採用することによってセラミックグリーンシート(セラミック生シート)と成し、しかる後に、このセラミックグリーンシートに適当な打ち抜き加工を施すとともに、タングステン・モリブデン・マンガン・銅・銀・ニッケル・パラジウム・金等の金属材料粉末に適当な有機バインダ・溶剤を混合してなる導電性ペーストをグリーンシートに予めスクリーン印刷法等により所定パターンに印刷塗布した後に、このグリーンシートを複数枚積層し、約1600℃の温度で焼成することによって作製される。
【0024】
また、絶縁枠体5には、放熱部材1と絶縁枠体5とで構成される凹部Aの内側の搭載部周辺から絶縁枠体5の外表面にかけて導出する配線導体6が形成されており、配線導体6の凹部Aの内側の一端には半導体素子11の各電極がボンディングワイヤ13を介して電気的に接続される。
【0025】
配線導体6はタングステン・モリブデン等の高融点金属から成り、タングステン・モリブデン等の金属粉末に適当な有機バインダ・溶剤等を添加混合して得た金属ペーストを絶縁枠体5となるセラミックグリーンシートに予めスクリーン印刷法等によって所定のパターンに印刷塗布しておくことによって、放熱部材1および絶縁枠体5による凹部Aの内側の搭載部周辺から絶縁枠体5の外表面にかけて被着形成される。
【0026】
また、配線導体6はその露出する表面にニッケル・金等の耐食性に優れ、かつボンディングワイヤ13のボンディング性に優れる金属を1〜20μmの厚みにメッキ法によって被着させておくと、配線導体6の酸化腐食を有効に防止できるとともに配線導体6へのボンディングワイヤ13の接続を強固となすことができる。従って、配線導体6は、その露出する表面にニッケル・金等の耐食性に優れ、かつボンディング性に優れる金属を1〜20μmの厚みに被着させておくことが望ましい。
【0027】
放熱部材1は、半導体素子11の作動に伴い発生する熱を吸収するとともに大気中に放散させる、あるいは外部放熱板に伝導させる機能を有する。例えば、平均粒径が5〜40μmのタングステン粉末またはモリブデン粉末を、半導体素子11の搭載部に複数の貫通穴が形成されるように加圧成形し、これを1300〜1600℃の雰囲気中で焼結することで、10〜50質量%の銅を含浸させて得られる、半導体素子11の搭載部に上面から下面にかけて形成された複数の貫通穴を持つ多孔体をあらかじめ作製し、この多孔体に水素雰囲気下において約1200℃で銅を含浸させることにより、タングステンまたはモリブデンと銅とのマトリクスから成る平板状の基体2と、基体2の搭載部の上面から下面にかけて埋設された銅から成る複数の貫通金属体3と、基体2の絶縁枠体5の内側に位置する部位の上面に接合された銅層4aおよび基体2の貫通金属体3が埋設されている部位の下面に接合された銅層4bとから成る放熱部材1が形成される。
【0028】
貫通金属体3の断面積が銅層4(4a・4b)との接合部に向かって漸次大きくなる形状は、階段状あるいは傾斜状のどちらでもかまわない。
【0029】
貫通金属体3の断面積を基体2の中心側から銅層4(4a・4b)との接合部に向かって漸次大きくするためには、基体2となる多孔体を形成し、この多孔体に貫通金属体3が埋設される貫通孔を形成した後、エンドミル加工機等でこの貫通孔の開口の周縁部を所定形状に削除すればよく、これによって、階段状あるいは傾斜状のどちらでも作製できる。
【0030】
また、タングステン粉末またはモリブデン粉末を加圧形成して基体2となる多孔体を形成する際に、貫通金属体3が埋設される貫通孔を形成するジグピンの形状を貫通孔の開口に向けて階段状あるいは傾斜状としておくことによっても作製できる。
【0031】
銅層4の内、半導体素子11の搭載部となる基体2の上面の銅層4aは、その上面の算術平均粗さRaがRa>30(μm)の場合は、半導体素子11をガラス・樹脂・ロウ材等の接着剤12を介して接着固定する際に、接着剤12中にボイドが発生することがあり、接着剤12中に発生したボイドは半導体素子11と放熱部材1との接合強度を低下させるだけでなく、半導体素子11と放熱部材1との間の熱伝達を阻害し、半導体素子収納用パッケージ8および半導体装置14の熱放散性を低下させるおそれがある。
【0032】
貫通金属体3は、その断面積が、基体2の中心側から銅層4(4a・4b)との接合部に向かって漸次大きくなるように形成されている。通常の貫通金属体のように断面積が一様であれば、半導体素子収納用パッケージの組み立ての際の高温時に、貫通金属体は膨張して基体の上下面の銅層をそれぞれ押し上げ、その後、冷却の際に貫通金属体は収縮を始めるが、銅が塑性変形を起こしているため完全に元の状態には戻らず、その結果、銅層の表面粗さが大きくなる。これに対し、貫通金属体3の断面積を基体2の中心側から銅層4(4a・4b)との接合部に向かって漸次大きくなるように形成することにより、銅層4(4a・4b)と接触する、タングステンまたはモリブデンと銅とのマトリクスから成る平板状の基体2に形成された、貫通金属体3が埋設されている貫通孔の開口の周縁部が鈍角化することとなり、その結果、貫通金属体3と基体2との接触摩擦抵抗が少なくなるため、半導体素子収納用パッケージ8の組み立て時等の高温状態時に膨張し塑性変形した貫通金属体3が冷却の際に元の状態へ戻りやすくなり、その結果、貫通金属体3の上下に位置する銅層4(4a・4b)が突き上げられ、また引き戻されて、その表面粗さが大きくなることを防止することができる。
【0033】
このように貫通金属体3の断面積を基体2の中心側から銅層4(4a・4b)との接合部に向かって漸次大きくする場合は、銅層4(4a・4b)との接合部における貫通金属体3の断面積は、基体2の中心部に位置する部分の断面積より10%以上大きいことが望ましい。また、この貫通金属体3の断面積は、隣接する貫通金属体3との間隔の中間点に達するまでの大きさで大きくすることが可能である。
【0034】
一方、半導体素子11が搭載される上面とは反対側の基体2の下面に接合された銅層4bの下面の算術平均粗さRaは、Ra≦30(μm)であることが好ましい。通常、半導体素子収納用パッケージ8は、アルミニウムや銅等の金属体あるいは、高熱伝導を有するセラミック体から成る支持基板へネジ止めにより、またははんだ等の溶融金属・ロウ材を用いて接続される。このとき、基体2の下面の銅層4bの下面の算術平均粗さRaがRa>30(μm)の場合には、半導体素子収納用パッケージ8と支持基板とを十分に密着させることが困難となり、両者の間に空隙やボイドが発生してしまい、その結果、半導体素子7で発生した熱を半導体素子収納用パッケージ8からこの支持基板へ効率良く伝達させることができなくなるおそれがある。したがって、下面の銅層4bの外側表面となる下面は、支持基板との良好な密着性が得られるように平滑であることが望ましい。
【0035】
よって、半導体素子11が搭載される上面とは反対側の、基体2の貫通金属体3が埋設されている部位の下面に接合された銅層4bの下面の算術平均粗さRaは、Ra≦30(μm)で表面が平滑であることが好ましい。
【0036】
銅層4(4a,4b)の厚みは、それぞれ800μmより厚くなると基体2と銅層4(4a,4b)との熱膨張差によって発生する応力が大きくなり十分な接合強度が得られない傾向があることから、800μm以下としておくことが望ましい。また、銅層4(4a,4b)の厚みが50μm以上であれば、半導体素子11の作動に伴い発生する熱が銅層4(4a,4b)の平面方向に十分広がるので、放熱部材1の熱放散性はさらに向上する。
【0037】
なお、放熱部材1の基体2の上下面に接合される銅層4(4a,4b)の材料は、純銅に限られるものではなく、熱伝導性が良好でタングステンまたはモリブデンと銅とのマトリックスである基体2と十分な接合強度が得られるものであれば、銅を主成分とする各種の銅合金であっても構わない。これは、銅から成る貫通金属体3についても同様である。
【0038】
また、放熱部材1の基体2の上下面に接合される銅層4(4a,4b)は、少なくとも複数の貫通金属体3が埋設されている部位の上下面のうち、例えば半導体素子11の搭載部および外部放熱板との接合部に形成されれば十分であり、必ずしも図1に示すように放熱部材1の上下面の全面を覆うように形成される必要はない。
【0039】
かくして、上述の半導体素子収納用パッケージ8によれば、放熱部材1の搭載部上に半導体素子11をガラス・樹脂・ロウ材等から成る接着剤12を介して接着固定するとともに、半導体素子11の各電極をボンディングワイヤ13を介して所定の配線導体6に電気的に接続し、しかる後に、絶縁枠体5の上面に搭載部を覆うように蓋体10を取着して凹部A内に半導体素子11を封止することによって、製品としての半導体装置14となる。
【0040】
【実施例】
次に、以下のようにしてサンプルを作製し、本発明の半導体素子収納用パッケージの評価を行なった。
【0041】
まず、図1に示した放熱部材1として、大きさが34mm×17.4mmで、厚みが1.9mmのものを準備した。
【0042】
放熱部材1の基体2は、タングステンと銅とから成るマトリックス材で形成し、その厚みは1.52mmとした。また、放熱部材1の銅層4(4a・4b)は、それぞれ厚みを0.19mmとした。
【0043】
貫通金属体3は基体2に1.3mm間隔で形成し、その大きさはその中央部で0.8mmφの場合には、銅層4(4a・4b)との接合部では0.80mm,0.84mm,0.88mm,1.00m,1.20m,1.30mmの6種類のものを、またその中央部で1.0mmφの場合には、銅層4(4a・4b)との接合部では1.00mm,1.10mm,1.20mm,1.30の4種類のものを準備した。
【0044】
これら放熱部材1に、材質がアルミナセラミックスの絶縁枠体5とFe−Ni−Co合金の端子7とをAg−Cuロウ材を用いて接続し、半導体素子収納用パッケージ8を得た。この後、表面粗さ測定装置を用いて放熱部材1の貫通金属体3の突き上げにより発生する、銅層4(4a・4b)上の突起の高さを測定した。
【0045】
以上の評価試験について、表1に試験結果を示す。
【0046】
表1は、半導体素子収納用パッケージ8における銅層4(4a・4b)との接合部における貫通金属体3の断面積(貫通金属体3の直径(単位:mm)で表す)と銅層4(4a・4b)上に発生した突起の高さ(単位:μm)との関係を、貫通金属体3の中央部の直径が0.80mmおよび0.10mmの場合毎に示したものである。
【0047】
【表1】
【0048】
表1に示す結果から明らかなように、銅層4(4a・4b)との接合部における貫通金属体3の断面積とその銅層4(4a・4b)上に発生した突起の高さには、明確な関係があることが分かった。
【0049】
すなわち、表1に示すように、銅層4(4a・4b)との接合部における貫通金属体3の断面積が中央部と同じ断面積の場合には、銅層4(4a・4b)上に発生する突起の高さが50μmを超える大きなものとなることを見出した。
またはそれより大きくても10%未満の場合には、銅層4(4a・4b)上に発生する突起の高さが30μmを超えることを見出した。
【0050】
これに対し、本発明の半導体素子収納用パッケージ8である、銅層4(4a・4b)との接合部における貫通金属体3の断面積が中央部の断面積より大きく、基体2の中心側から漸次大きくなっているサンプルにおいては、銅層4(4a・4b)上に発生する突起の高さが40μmを超えることがなく、30μm程度以下に抑えられることが分かった。特に、銅層4(4a・4b)との接合部における貫通金属体3の断面積が中央部の断面積より10%以上大きくなっているサンプルにおいては、銅層4(4a・4b)上に発生する突起の高さが30μmを下回って小さく抑えられており、これによって、この銅層4(4a)上に半導体素子11を強固に接続することができるものとなっていることが分かった。
【0051】
なお、本発明は以上の実施の形態の例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲であれば種々の変更が可能である。例えば、半導体素子11で発生した熱を放熱部材1から大気中に効率良く放散させるために、放熱部材1の基体2の下面に接合された銅層4bに、放熱フィンを接続したり、放熱フィンをロウ付け等で接合して放熱フィンが放熱部材1と一体化した形状としてもよく、これによって、半導体素子11の作動に伴い発生する熱を放熱部材1により吸収するとともに大気中に放散させる作用をさらに向上することができる。
【0052】
【発明の効果】
本発明の半導体素子収納用パッケージによれば、放熱部材の基体の半導体素子の搭載部に、基体の上面から下面まで貫通する銅から成る複数の貫通金属体を埋設したことから、タングステンと銅とのマトリクスのみで形成された放熱部材に比べて、半導体素子の搭載部の下により多くの銅から成る高熱伝導部分を配置することができるので、半導体素子で発生した熱を半導体素子の搭載面に垂直な方向により多く伝えることができ、その結果、半導体素子に発生する熱をこの放熱部材を介して大気中あるいは外部放熱板に良好に放散することができる。
【0053】
さらに、放熱部材の半導体素子の搭載部の下に埋設された、基体の上面から下面まで貫通する銅から成る複数の貫通金属体を、基体の上下面に接合されている銅層と直接接合していることから、これら銅層と貫通金属体とにより半導体素子で発生する熱の放熱部材内における伝達を極めて良好なものとすることができる。これらの結果、半導体素子の熱を良好に放散させることができ、半導体素子を長期間にわたり正常かつ安定に作動させることが可能となる。
【0054】
また、貫通金属体の断面積が、基体の中心側から銅層との接合部に向かって漸次大きくなっていることから、銅層と接触する、タングステンまたはモリブデンと銅とのマトリクスから成る平板状の基体に形成された、貫通金属体が埋設されている貫通孔の開口の周縁部が鈍角化することとなり、その結果、貫通金属体の端部と基体の貫通孔の開口部との接触摩擦抵抗が少なくなるため、半導体素子収納用パッケージの組み立て時の高温からの冷却の際に、膨張し塑性変形した銅から成る貫通金属体が元の状態へ戻りやすくなり、その結果、貫通金属体の上に位置する銅層に貫通金属体の突き上げにより発生する突起の高さを例えば30μm未満に抑えることができるようになるため、半導体素子をガラス・樹脂・ロウ材等の接着剤を介して放熱部材の搭載部に接着固定する際の接着剤中のボイド発生が無く、その結果、半導体素子を強固に接続することができることから、半導体素子で発生する熱を放熱部材へ効率良く伝達することが可能になる。
【0055】
また、本発明の半導体装置によれば、上記構成の本発明の半導体素子収納用パッケージの前記搭載部に半導体素子を搭載するとともにこの半導体素子の電極と前記配線導体とを電気的に接続し、前記絶縁枠体の上面に前記搭載部を覆うように前記蓋体を取着して成ることから、以上のような本発明の半導体素子収納用パッケージの特長を備えた、半導体素子の放熱部材への接合が強固で、放熱特性が極めて良好な、長期にわたって安定して半導体素子を作動させることができる半導体装置を提供することができる。
【0056】
以上により、本発明によれば、半導体素子の発した熱を外部や大気中に良好に放散させることができ、かつ半導体素子を放熱部材に強固に接着させることができる半導体素子収納用パッケージおよびそれを用いた半導体装置を提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の半導体素子収納用パッケージおよびそれを用いた半導体装置の実施の形態の一例を示す断面図である。
【符号の説明】
1・・・・・放熱部材
2・・・・・基体
3・・・・・貫通金属体
4、4a、4b・・・・・銅層
5・・・・・絶縁枠体
6・・・・・配線導体
7・・・・・端子
8・・・・・半導体素子収納用パッケージ
10・・・・・蓋体
11・・・・・半導体素子
14・・・・・半導体装置
【発明の属する技術分野】
本発明は良好な放熱特性の放熱構造を有する半導体素子収納用パッケージおよびそれを用いた半導体装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、半導体素子を収容するための半導体素子収納用パッケージは、一般に酸化アルミニウム質焼結体・ムライト質焼結体・ガラスセラミックス焼結体等の電気絶縁材料から成る絶縁基体と、半導体素子が搭載されてその動作時に発生する熱を外部もしくは大気中に良好に放散させるための銅とタングステンとの合金材料または銅とモリブデンとの合金材料から成る放熱部材と蓋体とから構成されており、放熱部材の上面の半導体素子の搭載部を取り囲むように絶縁基体が配置されているとともに、これら絶縁基体および放熱部材によって形成される凹部の内側から外表面にかけて、タングステン・モリブデン・マンガン・銅・銀等から成る複数の配線導体が被着導出されている。そして、放熱部材の上面の搭載部に半導体素子をガラス・樹脂・ロウ材等の接着剤を介して接着固定するとともにこの半導体素子の各電極をボンディングワイヤを介して配線導体に電気的に接続し、しかる後、絶縁基体と放熱部材とから成る凹部にエポキシ樹脂等の封止樹脂を注入し、半導体素子を封止することによって製品としての半導体装置となる。この半導体装置は、さらに放熱効率を向上させるために、ねじ止め等によって外部放熱板に搭載される場合もある。
【0003】
このようなタングステンと銅との合金材料等から成る放熱部材を具備した半導体素子収納用パッケージは、放熱部材の熱伝導率が高く、なおかつ放熱部材の熱膨張係数が半導体素子の構成材料であるシリコン・ガリウム砒素やパッケージの構成材料として使われるセラミック材料等と熱膨張係数が近似することから、パワーICや高周波トランジスタ等の高発熱半導体素子を搭載する半導体素子収納用パッケージとして注目されている。
【0004】
【特許文献1】
特開平9−312361号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
近年、パワーICや高周波トランジスタの高集積化に伴う発熱量の増大によって、現在では300W/m・K以上の熱伝導率を持つ放熱部材が求められている。しかしながら、前述のタングステンと銅との合金材料またはモリブデンと銅との合金材料から成る放熱部材の熱伝導率は200W/m・K程度とその要求に対して低いため、放熱特性が不十分になりつつあるという問題がある。
【0006】
これに対し、タングステンと銅とがマトリクス状に構成された複合材料から成る放熱部材を用いることが提案されている。また、銅または銅合金の高熱伝導層と、Fe−Ni系合金の低熱膨張層が交互に積層され、低熱膨張層を挟み込む高熱伝導層が低熱膨張層に形成した複数の貫通孔を介して連続している複合材料から成る伝熱基板を用いることも提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0007】
しかしながら、このタングステンと銅とがマトリクス状に構成された複合材料から成る放熱部材を用いた半導体素子収納用パッケージでは、タングステンは熱伝導率・熱膨張係数が共に低く、銅は熱伝導率・熱膨張係数が共に高いため、銅の含有量を増加させるに従って放熱部材の熱伝導率・熱膨張率を共に増加させることができるものの、熱伝導率を向上させるために銅の含有量を増加させると、半導体素子と放熱部材の熱膨張係数の差が大きくなり、半導体素子を放熱部材に強固に接合することができなくなってしまうという問題が発生する。
【0008】
また、銅または銅合金の高熱伝導層とFe−Ni系合金の低熱膨張層とから成る複合材料から成る伝熱基板を用いる場合は、一般にFe−Ni系合金は熱伝導率が低く(例えばFe−42Ni合金の場合であれば約16W/m・K)、基板の厚み方向の伝熱性が低いという問題があった。
【0009】
加えて、銅または銅合金の高熱伝導層と、Fe−Ni系合金の低熱膨張層とが交互に積層され、低熱膨張層を挟み込む高熱伝導層が低熱膨張層に形成した複数の貫通孔を介して連続している複合材料の場合は、熱膨張率が異なる材料を複雑に配しているため、加熱時に基板が大きく反ってしまうという問題があった。
【0010】
また、この複合材料から成る放熱部材を用いた半導体素子収納用パッケージでは、パッケージ組み立ての際の高温時に銅が膨張しかつ塑性変形を起こすため、冷却後に元の状態に戻らず、その結果、放熱部材の表面が粗くなるという問題が発生することがある。
【0011】
一般に放熱部材の表面粗さは、半導体素子をガラス・樹脂・ロウ材等の接着剤を介して放熱部材に接着固定する際の接着剤中のボイド発生による放熱部材と半導体素子との接合強度の低下を防止するために、放熱部材の表面粗さを算術平均粗さRaでRa≦30μmにすることが必要とされる。そのため、この複合材料から成る放熱部材を用いる場合は、表面粗さを算術平均粗さRaでRa≦30μmにするために研摩によって表面を平滑にすることが行なわれるが、半導体素子の搭載部を取り囲むように絶縁枠体が取着されたパッケージでは、放熱部材の搭載部を研摩することができないという問題があった。
【0012】
本発明は上記従来の技術における問題に鑑み案出されたものであり、その目的は、半導体素子の発した熱を外部や大気中に良好に放散させることができ、かつ半導体素子を放熱部材に強固に接着させることができる半導体素子収納用パッケージおよびそれを用いた半導体装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明の半導体素子収納用パッケージは、上面の中央部に半導体素子が搭載される搭載部を有する平板状の放熱部材と、この放熱部材の上面に前記搭載部を取り囲んで取着された、内側の前記搭載部周辺から外表面に導出する複数の配線導体を有する絶縁枠体と、この絶縁枠体の上面に前記搭載部を覆うように取着される蓋体とを具備する半導体素子収納用パッケージであって、前記放熱部材は、タングステンまたはモリブデンと銅とのマトリクスから成る平板状の基体の前記搭載部の上面から下面にかけて銅から成る複数の貫通金属体が埋設されているとともに、少なくとも前記基体の前記貫通金属体が埋設されている部位の上下面に銅層が接合されており、前記貫通金属体は、断面積が前記基体の中心側から前記銅層との接合部に向かって漸次大きくなっていることを特徴とするものである。
【0014】
本発明の半導体素子収納用パッケージによれば、放熱部材の基体の半導体素子の搭載部に、基体の上面から下面まで貫通する銅から成る複数の貫通金属体を埋設したことから、タングステンと銅とのマトリクスのみで形成された放熱部材に比べて、半導体素子の搭載部の下により多くの銅から成る高熱伝導部分を配置することができるので、半導体素子で発生した熱を半導体素子の搭載面に垂直な方向により多く伝えることができ、その結果、半導体素子に発生する熱をこの放熱部材を介して大気中あるいは外部放熱板に良好に放散することができる。
【0015】
さらに、放熱部材の半導体素子の搭載部の下に埋設された、基体の上面から下面まで貫通する銅から成る複数の貫通金属体を、基体の上下面に接合されている銅層と直接接合していることから、これら銅層と貫通金属体とにより半導体素子で発生する熱の放熱部材内における伝達を極めて良好なものとすることができる。これらの結果、半導体素子の熱を良好に放散させることができ、半導体素子を長期間にわたり正常かつ安定に作動させることが可能となる。
【0016】
また、貫通金属体の断面積が、基体の中心側から銅層との接合部に向かって漸次大きくなっていることから、銅層と接触する、タングステンまたはモリブデンと銅とのマトリクスから成る平板状の基体に形成された、貫通金属体が埋設されている貫通孔の開口の周縁部が鈍角化することとなり、その結果、貫通金属体の端部と基体の貫通孔の開口部との接触摩擦抵抗が少なくなるため、半導体素子収納用パッケージの組み立て時の高温からの冷却の際に、膨張し塑性変形した銅から成る貫通金属体が元の状態へ戻りやすくなり、その結果、貫通金属体の上に位置する銅層に貫通金属体の突き上げにより発生する突起の高さを例えば30μm未満に抑えることができるようになるため、半導体素子をガラス・樹脂・ロウ材等の接着剤を介して放熱部材の搭載部に接着固定する際の接着剤中のボイド発生が無く、その結果、半導体素子を強固に接続することができることから、半導体素子で発生する熱を放熱部材へ効率良く伝達することが可能になる。
【0017】
また、本発明の半導体装置は、上記構成の本発明の半導体素子収納用パッケージの前記搭載部に半導体素子を搭載するとともにこの半導体素子の電極と前記配線導体とを電気的に接続し、前記絶縁枠体の上面に前記搭載部を覆うように前記蓋体を取着して成ることを特徴とするものである。
【0018】
本発明の半導体装置によれば、上記構成の本発明の半導体素子収納用パッケージの前記搭載部に半導体素子を搭載するとともにこの半導体素子の電極と前記配線導体とを電気的に接続し、前記絶縁枠体の上面に前記搭載部を覆うように前記蓋体を取着して成ることから、以上のような本発明の半導体素子収納用パッケージの特長を備えた、半導体素子の放熱部材への接合が強固で、放熱特性が極めて良好な、長期にわたって安定して半導体素子を作動させることができる半導体装置を提供することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
次に、本発明を添付図面に基づき詳細に説明する。
【0020】
図1は本発明の半導体素子収納用パッケージおよびそれを用いた半導体装置の実施の形態の一例を示す断面図であり、1は放熱部材、2は放熱部材1の基体、3は貫通金属体、4(4a,4b)は銅層、5は絶縁枠体、6は配線導体、7はリード端子、10は蓋体である。これら放熱部材1と絶縁枠体5と蓋体10とで半導体素子11を収納する半導体素子収納用パッケージ8が構成される。また、この放熱部材1の搭載部に半導体素子11を搭載した後に、絶縁枠体5の上面に搭載部を覆うように蓋体10を取着して封止することにより半導体装置14が構成される。
【0021】
絶縁枠体5は酸化アルミニウム質焼結体・ムライト質焼結体・ガラスセラミック質焼結体等から成り、ロウ材9を介して放熱部材1に接着固定される。なお、このロウ材9による接着固定に際しては、通常、ロウ付け用の金属層(図示せず)が絶縁枠体5と放熱部材1との接合部に形成される。
【0022】
また、放熱部材1には、その上面の中央部の搭載部に半導体素子11が樹脂・ガラス・ロウ材等の接着剤12を介して固定される。なお、接着剤12としてロウ材を用いる場合には、通常、ロウ付け用の金属層(図示せず)が放熱部材1の半導体素子11との接着部に形成される。ただし、放熱部材1の上面の搭載部に接合された銅層4(4a)により十分なロウ付けができる場合には、ロウ付け用の金属層は特に必要ではない。
【0023】
絶縁枠体5は、例えば、酸化アルミニウム質焼結体から成る場合であれば、酸化アルミニウム・酸化珪素・酸化マグネシウム・酸化カルシウム等の原料粉末に適当な有機バインダ・溶剤・可塑剤・分散剤等を混合添加して泥漿状となすとともに、これをドクターブレード法やカレンダーロール法を採用することによってセラミックグリーンシート(セラミック生シート)と成し、しかる後に、このセラミックグリーンシートに適当な打ち抜き加工を施すとともに、タングステン・モリブデン・マンガン・銅・銀・ニッケル・パラジウム・金等の金属材料粉末に適当な有機バインダ・溶剤を混合してなる導電性ペーストをグリーンシートに予めスクリーン印刷法等により所定パターンに印刷塗布した後に、このグリーンシートを複数枚積層し、約1600℃の温度で焼成することによって作製される。
【0024】
また、絶縁枠体5には、放熱部材1と絶縁枠体5とで構成される凹部Aの内側の搭載部周辺から絶縁枠体5の外表面にかけて導出する配線導体6が形成されており、配線導体6の凹部Aの内側の一端には半導体素子11の各電極がボンディングワイヤ13を介して電気的に接続される。
【0025】
配線導体6はタングステン・モリブデン等の高融点金属から成り、タングステン・モリブデン等の金属粉末に適当な有機バインダ・溶剤等を添加混合して得た金属ペーストを絶縁枠体5となるセラミックグリーンシートに予めスクリーン印刷法等によって所定のパターンに印刷塗布しておくことによって、放熱部材1および絶縁枠体5による凹部Aの内側の搭載部周辺から絶縁枠体5の外表面にかけて被着形成される。
【0026】
また、配線導体6はその露出する表面にニッケル・金等の耐食性に優れ、かつボンディングワイヤ13のボンディング性に優れる金属を1〜20μmの厚みにメッキ法によって被着させておくと、配線導体6の酸化腐食を有効に防止できるとともに配線導体6へのボンディングワイヤ13の接続を強固となすことができる。従って、配線導体6は、その露出する表面にニッケル・金等の耐食性に優れ、かつボンディング性に優れる金属を1〜20μmの厚みに被着させておくことが望ましい。
【0027】
放熱部材1は、半導体素子11の作動に伴い発生する熱を吸収するとともに大気中に放散させる、あるいは外部放熱板に伝導させる機能を有する。例えば、平均粒径が5〜40μmのタングステン粉末またはモリブデン粉末を、半導体素子11の搭載部に複数の貫通穴が形成されるように加圧成形し、これを1300〜1600℃の雰囲気中で焼結することで、10〜50質量%の銅を含浸させて得られる、半導体素子11の搭載部に上面から下面にかけて形成された複数の貫通穴を持つ多孔体をあらかじめ作製し、この多孔体に水素雰囲気下において約1200℃で銅を含浸させることにより、タングステンまたはモリブデンと銅とのマトリクスから成る平板状の基体2と、基体2の搭載部の上面から下面にかけて埋設された銅から成る複数の貫通金属体3と、基体2の絶縁枠体5の内側に位置する部位の上面に接合された銅層4aおよび基体2の貫通金属体3が埋設されている部位の下面に接合された銅層4bとから成る放熱部材1が形成される。
【0028】
貫通金属体3の断面積が銅層4(4a・4b)との接合部に向かって漸次大きくなる形状は、階段状あるいは傾斜状のどちらでもかまわない。
【0029】
貫通金属体3の断面積を基体2の中心側から銅層4(4a・4b)との接合部に向かって漸次大きくするためには、基体2となる多孔体を形成し、この多孔体に貫通金属体3が埋設される貫通孔を形成した後、エンドミル加工機等でこの貫通孔の開口の周縁部を所定形状に削除すればよく、これによって、階段状あるいは傾斜状のどちらでも作製できる。
【0030】
また、タングステン粉末またはモリブデン粉末を加圧形成して基体2となる多孔体を形成する際に、貫通金属体3が埋設される貫通孔を形成するジグピンの形状を貫通孔の開口に向けて階段状あるいは傾斜状としておくことによっても作製できる。
【0031】
銅層4の内、半導体素子11の搭載部となる基体2の上面の銅層4aは、その上面の算術平均粗さRaがRa>30(μm)の場合は、半導体素子11をガラス・樹脂・ロウ材等の接着剤12を介して接着固定する際に、接着剤12中にボイドが発生することがあり、接着剤12中に発生したボイドは半導体素子11と放熱部材1との接合強度を低下させるだけでなく、半導体素子11と放熱部材1との間の熱伝達を阻害し、半導体素子収納用パッケージ8および半導体装置14の熱放散性を低下させるおそれがある。
【0032】
貫通金属体3は、その断面積が、基体2の中心側から銅層4(4a・4b)との接合部に向かって漸次大きくなるように形成されている。通常の貫通金属体のように断面積が一様であれば、半導体素子収納用パッケージの組み立ての際の高温時に、貫通金属体は膨張して基体の上下面の銅層をそれぞれ押し上げ、その後、冷却の際に貫通金属体は収縮を始めるが、銅が塑性変形を起こしているため完全に元の状態には戻らず、その結果、銅層の表面粗さが大きくなる。これに対し、貫通金属体3の断面積を基体2の中心側から銅層4(4a・4b)との接合部に向かって漸次大きくなるように形成することにより、銅層4(4a・4b)と接触する、タングステンまたはモリブデンと銅とのマトリクスから成る平板状の基体2に形成された、貫通金属体3が埋設されている貫通孔の開口の周縁部が鈍角化することとなり、その結果、貫通金属体3と基体2との接触摩擦抵抗が少なくなるため、半導体素子収納用パッケージ8の組み立て時等の高温状態時に膨張し塑性変形した貫通金属体3が冷却の際に元の状態へ戻りやすくなり、その結果、貫通金属体3の上下に位置する銅層4(4a・4b)が突き上げられ、また引き戻されて、その表面粗さが大きくなることを防止することができる。
【0033】
このように貫通金属体3の断面積を基体2の中心側から銅層4(4a・4b)との接合部に向かって漸次大きくする場合は、銅層4(4a・4b)との接合部における貫通金属体3の断面積は、基体2の中心部に位置する部分の断面積より10%以上大きいことが望ましい。また、この貫通金属体3の断面積は、隣接する貫通金属体3との間隔の中間点に達するまでの大きさで大きくすることが可能である。
【0034】
一方、半導体素子11が搭載される上面とは反対側の基体2の下面に接合された銅層4bの下面の算術平均粗さRaは、Ra≦30(μm)であることが好ましい。通常、半導体素子収納用パッケージ8は、アルミニウムや銅等の金属体あるいは、高熱伝導を有するセラミック体から成る支持基板へネジ止めにより、またははんだ等の溶融金属・ロウ材を用いて接続される。このとき、基体2の下面の銅層4bの下面の算術平均粗さRaがRa>30(μm)の場合には、半導体素子収納用パッケージ8と支持基板とを十分に密着させることが困難となり、両者の間に空隙やボイドが発生してしまい、その結果、半導体素子7で発生した熱を半導体素子収納用パッケージ8からこの支持基板へ効率良く伝達させることができなくなるおそれがある。したがって、下面の銅層4bの外側表面となる下面は、支持基板との良好な密着性が得られるように平滑であることが望ましい。
【0035】
よって、半導体素子11が搭載される上面とは反対側の、基体2の貫通金属体3が埋設されている部位の下面に接合された銅層4bの下面の算術平均粗さRaは、Ra≦30(μm)で表面が平滑であることが好ましい。
【0036】
銅層4(4a,4b)の厚みは、それぞれ800μmより厚くなると基体2と銅層4(4a,4b)との熱膨張差によって発生する応力が大きくなり十分な接合強度が得られない傾向があることから、800μm以下としておくことが望ましい。また、銅層4(4a,4b)の厚みが50μm以上であれば、半導体素子11の作動に伴い発生する熱が銅層4(4a,4b)の平面方向に十分広がるので、放熱部材1の熱放散性はさらに向上する。
【0037】
なお、放熱部材1の基体2の上下面に接合される銅層4(4a,4b)の材料は、純銅に限られるものではなく、熱伝導性が良好でタングステンまたはモリブデンと銅とのマトリックスである基体2と十分な接合強度が得られるものであれば、銅を主成分とする各種の銅合金であっても構わない。これは、銅から成る貫通金属体3についても同様である。
【0038】
また、放熱部材1の基体2の上下面に接合される銅層4(4a,4b)は、少なくとも複数の貫通金属体3が埋設されている部位の上下面のうち、例えば半導体素子11の搭載部および外部放熱板との接合部に形成されれば十分であり、必ずしも図1に示すように放熱部材1の上下面の全面を覆うように形成される必要はない。
【0039】
かくして、上述の半導体素子収納用パッケージ8によれば、放熱部材1の搭載部上に半導体素子11をガラス・樹脂・ロウ材等から成る接着剤12を介して接着固定するとともに、半導体素子11の各電極をボンディングワイヤ13を介して所定の配線導体6に電気的に接続し、しかる後に、絶縁枠体5の上面に搭載部を覆うように蓋体10を取着して凹部A内に半導体素子11を封止することによって、製品としての半導体装置14となる。
【0040】
【実施例】
次に、以下のようにしてサンプルを作製し、本発明の半導体素子収納用パッケージの評価を行なった。
【0041】
まず、図1に示した放熱部材1として、大きさが34mm×17.4mmで、厚みが1.9mmのものを準備した。
【0042】
放熱部材1の基体2は、タングステンと銅とから成るマトリックス材で形成し、その厚みは1.52mmとした。また、放熱部材1の銅層4(4a・4b)は、それぞれ厚みを0.19mmとした。
【0043】
貫通金属体3は基体2に1.3mm間隔で形成し、その大きさはその中央部で0.8mmφの場合には、銅層4(4a・4b)との接合部では0.80mm,0.84mm,0.88mm,1.00m,1.20m,1.30mmの6種類のものを、またその中央部で1.0mmφの場合には、銅層4(4a・4b)との接合部では1.00mm,1.10mm,1.20mm,1.30の4種類のものを準備した。
【0044】
これら放熱部材1に、材質がアルミナセラミックスの絶縁枠体5とFe−Ni−Co合金の端子7とをAg−Cuロウ材を用いて接続し、半導体素子収納用パッケージ8を得た。この後、表面粗さ測定装置を用いて放熱部材1の貫通金属体3の突き上げにより発生する、銅層4(4a・4b)上の突起の高さを測定した。
【0045】
以上の評価試験について、表1に試験結果を示す。
【0046】
表1は、半導体素子収納用パッケージ8における銅層4(4a・4b)との接合部における貫通金属体3の断面積(貫通金属体3の直径(単位:mm)で表す)と銅層4(4a・4b)上に発生した突起の高さ(単位:μm)との関係を、貫通金属体3の中央部の直径が0.80mmおよび0.10mmの場合毎に示したものである。
【0047】
【表1】
【0048】
表1に示す結果から明らかなように、銅層4(4a・4b)との接合部における貫通金属体3の断面積とその銅層4(4a・4b)上に発生した突起の高さには、明確な関係があることが分かった。
【0049】
すなわち、表1に示すように、銅層4(4a・4b)との接合部における貫通金属体3の断面積が中央部と同じ断面積の場合には、銅層4(4a・4b)上に発生する突起の高さが50μmを超える大きなものとなることを見出した。
またはそれより大きくても10%未満の場合には、銅層4(4a・4b)上に発生する突起の高さが30μmを超えることを見出した。
【0050】
これに対し、本発明の半導体素子収納用パッケージ8である、銅層4(4a・4b)との接合部における貫通金属体3の断面積が中央部の断面積より大きく、基体2の中心側から漸次大きくなっているサンプルにおいては、銅層4(4a・4b)上に発生する突起の高さが40μmを超えることがなく、30μm程度以下に抑えられることが分かった。特に、銅層4(4a・4b)との接合部における貫通金属体3の断面積が中央部の断面積より10%以上大きくなっているサンプルにおいては、銅層4(4a・4b)上に発生する突起の高さが30μmを下回って小さく抑えられており、これによって、この銅層4(4a)上に半導体素子11を強固に接続することができるものとなっていることが分かった。
【0051】
なお、本発明は以上の実施の形態の例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲であれば種々の変更が可能である。例えば、半導体素子11で発生した熱を放熱部材1から大気中に効率良く放散させるために、放熱部材1の基体2の下面に接合された銅層4bに、放熱フィンを接続したり、放熱フィンをロウ付け等で接合して放熱フィンが放熱部材1と一体化した形状としてもよく、これによって、半導体素子11の作動に伴い発生する熱を放熱部材1により吸収するとともに大気中に放散させる作用をさらに向上することができる。
【0052】
【発明の効果】
本発明の半導体素子収納用パッケージによれば、放熱部材の基体の半導体素子の搭載部に、基体の上面から下面まで貫通する銅から成る複数の貫通金属体を埋設したことから、タングステンと銅とのマトリクスのみで形成された放熱部材に比べて、半導体素子の搭載部の下により多くの銅から成る高熱伝導部分を配置することができるので、半導体素子で発生した熱を半導体素子の搭載面に垂直な方向により多く伝えることができ、その結果、半導体素子に発生する熱をこの放熱部材を介して大気中あるいは外部放熱板に良好に放散することができる。
【0053】
さらに、放熱部材の半導体素子の搭載部の下に埋設された、基体の上面から下面まで貫通する銅から成る複数の貫通金属体を、基体の上下面に接合されている銅層と直接接合していることから、これら銅層と貫通金属体とにより半導体素子で発生する熱の放熱部材内における伝達を極めて良好なものとすることができる。これらの結果、半導体素子の熱を良好に放散させることができ、半導体素子を長期間にわたり正常かつ安定に作動させることが可能となる。
【0054】
また、貫通金属体の断面積が、基体の中心側から銅層との接合部に向かって漸次大きくなっていることから、銅層と接触する、タングステンまたはモリブデンと銅とのマトリクスから成る平板状の基体に形成された、貫通金属体が埋設されている貫通孔の開口の周縁部が鈍角化することとなり、その結果、貫通金属体の端部と基体の貫通孔の開口部との接触摩擦抵抗が少なくなるため、半導体素子収納用パッケージの組み立て時の高温からの冷却の際に、膨張し塑性変形した銅から成る貫通金属体が元の状態へ戻りやすくなり、その結果、貫通金属体の上に位置する銅層に貫通金属体の突き上げにより発生する突起の高さを例えば30μm未満に抑えることができるようになるため、半導体素子をガラス・樹脂・ロウ材等の接着剤を介して放熱部材の搭載部に接着固定する際の接着剤中のボイド発生が無く、その結果、半導体素子を強固に接続することができることから、半導体素子で発生する熱を放熱部材へ効率良く伝達することが可能になる。
【0055】
また、本発明の半導体装置によれば、上記構成の本発明の半導体素子収納用パッケージの前記搭載部に半導体素子を搭載するとともにこの半導体素子の電極と前記配線導体とを電気的に接続し、前記絶縁枠体の上面に前記搭載部を覆うように前記蓋体を取着して成ることから、以上のような本発明の半導体素子収納用パッケージの特長を備えた、半導体素子の放熱部材への接合が強固で、放熱特性が極めて良好な、長期にわたって安定して半導体素子を作動させることができる半導体装置を提供することができる。
【0056】
以上により、本発明によれば、半導体素子の発した熱を外部や大気中に良好に放散させることができ、かつ半導体素子を放熱部材に強固に接着させることができる半導体素子収納用パッケージおよびそれを用いた半導体装置を提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の半導体素子収納用パッケージおよびそれを用いた半導体装置の実施の形態の一例を示す断面図である。
【符号の説明】
1・・・・・放熱部材
2・・・・・基体
3・・・・・貫通金属体
4、4a、4b・・・・・銅層
5・・・・・絶縁枠体
6・・・・・配線導体
7・・・・・端子
8・・・・・半導体素子収納用パッケージ
10・・・・・蓋体
11・・・・・半導体素子
14・・・・・半導体装置
Claims (2)
- 上面の中央部に半導体素子が搭載される搭載部を有する平板状の放熱部材と、該放熱部材の上面に前記搭載部を取り囲んで取着された、内側の前記搭載部周辺から外表面に導出する複数の配線導体を有する絶縁枠体と、該絶縁枠体の上面に前記搭載部を覆うように取着される蓋体とを具備する半導体素子収納用パッケージであって、前記放熱部材は、タングステンまたはモリブデンと銅とのマトリクスから成る平板状の基体の前記搭載部の上面から下面にかけて銅から成る複数の貫通金属体が埋設されているとともに、少なくとも前記基体の前記貫通金属体が埋設されている部位の上下面に銅層が接合されており、前記貫通金属体は、断面積が前記基体の中心側から前記銅層との接合部に向かって漸次大きくなっていることを特徴とする半導体素子収納用パッケージ。
- 請求項1記載の半導体素子収納用パッケージの前記搭載部に半導体素子を搭載するとともに該半導体素子の電極と前記配線導体とを電気的に接続し、前記絶縁枠体の上面に前記搭載部を覆うように前記蓋体を取着して成ることを特徴とする半導体装置。
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JP2003007011A JP2004221328A (ja) | 2003-01-15 | 2003-01-15 | 半導体素子収納用パッケージおよび半導体装置 |
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Cited By (3)
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-
2003
- 2003-01-15 JP JP2003007011A patent/JP2004221328A/ja active Pending
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WO2021181649A1 (ja) * | 2020-03-13 | 2021-09-16 | 太陽誘電株式会社 | 半導体モジュールおよびその製造方法 |
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