JP2003133394A - サセプタおよびその製造方法 - Google Patents

サセプタおよびその製造方法

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JP2003133394A
JP2003133394A JP2001331917A JP2001331917A JP2003133394A JP 2003133394 A JP2003133394 A JP 2003133394A JP 2001331917 A JP2001331917 A JP 2001331917A JP 2001331917 A JP2001331917 A JP 2001331917A JP 2003133394 A JP2003133394 A JP 2003133394A
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Hirofumi Furukawa
古河洋文
Kazumi Ogura
小倉佳積
Kiyoshi Watanabe
渡邊潔
Mureyasu Minawa
三縄群容
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TOYO JIGU KK
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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TOYO JIGU KK
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 超高真空中での高温下での使用が可能で、熱
膨張差による応力で載置面層の破壊あるいは基体からの
剥離を防止したサセプタを提供する。 【構成】 サセプタ1の基体2は、アルミニウムあるい
はアルミニウム合金で構成する。ウエーハ等を搭載する
載置面には、アルミナあるいは窒化アルミニウムで形成
した載置面層8を設ける。基体2と載置面層8の間に
は、基体2の構成物質と載置面層8の構成物質との両方
を互いに異なる所定の割合で含み線膨張率を調整した第
1、第2の熱膨張差緩和層6、7を固着し、基体と載置
面層との熱膨張差を緩和する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半導体、液晶パネル等
の製造時に、半導体ウエーハ、液晶パネル等を支持して
それらの加工を可能とするサセプタに関する。
【0002】
【従来技術】サセプタは、半導体ウエーハ、液晶パネル
等を加工する際、これらを真空容器中で支持するのに利
用されることから、その材料としては、真空に用いるの
に適した材料、すなわち吸蔵ガス量や表面に吸着するガ
ス量が少なく、かつ表面に付着した水分等の分子を放出
させるためのベーキングが可能で、加工性、経済性に優
れた材料であることが要求される。また、多くのサセプ
タでは、載置するウエーハ等の被加工物を加熱あるいは
冷却することから、熱伝導性が優れた材料であること等
も要求される。これらの要求に応える材料として、サセ
プタの基体には、アルミニウムやアルミニウム合金が用
いられることが多い。
【0003】また、サセプタは、PVD(物理気相成長
法=Physical VaporDepositio
n)、CVD(化学気相成長法=Chemical V
apor Deposition)等による薄膜形成、
拡散処理、エッチング処理等を施す半導体等の製造装置
で使用されるが、この場合、サセプタのウエーハ等の載
置面が、プラズマ照射を受けて消耗したり、あるいはク
リーニングガスやエッチングガスとしてのClF等の
ハロゲン系腐食性ガスに晒されて腐食したりすることが
ある。そこで、耐プラズマ性やハロゲン系腐食性ガスに
対する耐食性に優れた材料として、特開昭62−124
735号公報や特開平11−343571号公報等に記
載の技術のように、窒化アルミニウム(AlN)やアル
ミナ(酸化アルミニウム=Al)といったセラミ
ックスを基体に溶射したり、あるいはそれらで形成した
セラミックス製の薄板を基体の表面にろう付けしたりし
て、基体の載置面を覆う載置面層を形成するようにして
いる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】半導体等の製造によっ
ては、載置した半導体ウエーハ等を支持するサセプタ
が、マイナス数百℃からプラス数百℃といった広い範囲
で冷却・加熱されるなど、これらの使用温度の上限・下
限がますます広がる傾向にある。この場合、載置面層と
基体とでこれらを構成する物質の熱膨張率が異なるた
め、それらの熱膨張差に起因した応力により載置面層に
割れが生じたり、載置面層が基体から剥離したりするこ
とがある。この不具合は、上記のように使用温度範囲の
拡大またウエーハ等大型化に伴い、より顕著になってく
る。
【0005】一方、このような熱膨張差の問題に対処す
るため、特開平6−204326号公報に記載の静電チ
ャックを備えたサセプタでは、電極板としての電解箔銅
をこの両側から線膨張率の等しい第一の絶縁膜で被覆し
てサンドイッチ構造とし、この第一の絶縁膜とサセプタ
の基体との間を上記第一の絶縁膜とは異なる線膨張率を
有する第二の絶縁膜で着接するようにしている。この場
合、上記絶縁膜はいずれもポリイミド・フィルムから構
成されており、上記着接はポリイミド系接着材にて行わ
れている。
【0006】また、上記とは別の技術として、特開平6
−283594号公報に記載の静電チャックを備えたサ
セプタがある。この技術では、サセプタの基体と載置部
材との間を着接する接合部材を、これらの熱膨張差を弾
性吸収する弾性体(脱アセトン性のシリコーンゴム)で
構成することで対処するようにしている。
【0007】しかしながら、前者の技術にあっては、そ
の明細書の記載から明らかなように、ポリイミド・フィ
ルムやポリイミド系接着材では、それらの耐熱温度が低
く(後者では120℃で溶解)、使用範囲が50℃〜−
120℃程度といった狭い範囲に限られてしまう。ま
た、上記ポリイミド系の材料では、熱伝導性が良くなく
ウエーハ等の加熱・冷却に劣る上、熱膨張率差を吸収す
るための線膨張率を設定する設定範囲の自由度も限られ
るといった問題がある。さらに、これらのようなポリイ
ミド系物質は、ジョン F.オハンロン著の「真空技術
マニュアル」(昭和58年7月30日 産業図書株式会
社発行)の第141ページ〜第142ページの記載にも
あるように、ガス放出両が割と少ないものの、大気に再
び曝されると大量の水を吸収してしまうという問題もあ
る。
【0008】一方、後者の技術は、弾性体の材質によっ
ては弾性率の設定自由度が大きく熱膨張差を吸収しやす
いものの、上記「真空技術マニュアル」の第141ペー
ジ等に記載されているように、シリコーン系物質では気
体透過速度が異常に高く、また耐熱性も300℃程度ま
でとそれほど高くない。また、弾性体にエラストマを用
いた場合、上記本の同ページ、および清水肇、榎本祐
嗣、一村信吾 編著の「超高真空」(平成9年11月3
0日 株式会社オーム社発行)の第20ページに記載さ
れているように、エラストマが水蒸気や他の空気中の基
体を吸収する性質を有しかつガス放出量が多いことか
ら、高真空系では用いることができない上、200℃程
度までしか耐熱性がなく高温でのベーキングができない
といった問題がある。
【0009】
【発明の目的】本発明の目的は、ガス放出量が少なく、
ベーキングも容易で、かつ超高真空下で半導体ウエーハ
や液晶パネル等の被加工物を高温加熱あるいは低温冷却
しても、基体と載置面層との熱膨張率の差に起因して発
生する応力により載置面層が破壊されたり、あるいは載
置面層が基体から剥離したりするのを防止できるように
したサセプタおよびその製造方法を提供することにあ
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の本発明
のサセプタは、アルミニウムあるいはアルミニウム合金
を構成物質とする基体と、アルミナあるいは窒化アルミ
ニウムを構成物質とし、被加工物を載置可能な載置面層
と、基体の構成物質と載置面層の構成物質とを構成物質
とし、載置面層と基体との間に介在されてこれらに固着
され、基体と載置面層との熱膨張差を緩和する熱膨張差
緩和層と、有する構成としたことを特徴とする。この場
合、熱膨張差緩和層は、必要に応じて1層あるいは多層
構造とする。
【0011】請求項2に記載の本発明のサセプタは、上
記熱膨張差緩和層を、望ましくは、基体から載置面層に
向かうにしたがって基体の構成物質に対する載置面層の
構成物質の配合割合が連続的に増加するように構成す
る。
【0012】請求項3に記載の本発明のサセプタは、上
記熱膨張差緩和層を、望ましくは、基体の構成物質に対
する載置面層の構成物質の配合割合を異ならせた複数の
層から構成し、これらの複数の層を基体から載置面層に
向けて上記配合割合が大きくなる層の順に重ねて固着す
るように構成する。この場合、通常は2層あるいは3層
で十分である。
【0013】請求項4に記載の本発明のサセプタは、上
記複数の層を、望ましくは、基体と載置面層との間で線
膨張率が略等分となるような配合割合として構成する。
【0014】請求項5に記載の本発明のサセプタは、上
記熱膨張緩和層を構成する各層あるいは前記載置面層
を、望ましくは、厚みが0.1mm〜1mm程度となる
層に形成する。
【0015】請求項6に記載の本発明のサセプタの製造
方法は、アルミニウムあるいはアルミニウム合金を構成
物質とした基体の表面を覆うようにアルミナあるいは窒
化アルミニウムを構成物質とする載置表面層を形成する
サセプタの製造方法であって、基体の構成物質と載置表
面層の構成物質とを、混合して熱膨張差緩和層を形成
し、この熱膨張差緩和層により載置表面層を基体へ固着
させるようにすることを特徴とする。
【0016】請求項7に記載の本発明のサセプタの製造
方法は、基体の構成物質と前載置表面層の構成物質と
を、望ましくは、個別に所定の配合割合で供給して、溶
射することにより少なくとも熱膨張差緩和層を形成する
ようにする。ここでは、上記物質の配合割合を変化させ
ながら熱膨張差緩和層を形成するが、さらにこの熱膨張
差緩和層上に基体の構成物質が実質ゼロで載置面層の構
成物質のみとなるように配合割合を変化させて溶射して
いくことで載置面層まで併せて形成するようにしても良
い。
【0017】請求項8に記載の本発明のサセプタの製造
方法は、基体の構成物質と載置表面層の構成物質とを、
望ましくは、予め所定の割合で混合しておき、この混合
物を供給しながら溶射することにより熱膨張差緩和層を
形成するようにする。
【0018】請求項9に記載の本発明のサセプタの製造
方法は、基体の構成物質と載置表面層の構成物質とを、
望ましくは、予め所定の配合割合に混合した後に一体結
合した結合物とし、この結合物を供給しながら溶射する
ことにより熱膨張差緩和層を形成するようにする。
【0019】請求項10に記載の本発明のサセプタの製
造方法は、上記載置面層を、望ましくは、アルミナある
いは窒化アルミニウムで形成した焼結板で構成し、この
焼結板を熱膨張差緩和層に真空中でろう付けするように
する。
【0020】請求項11に記載の本発明のサセプタの製
造方法は、上記載置面層を、望ましくは、アルミナある
いは窒化アルミニウムを熱膨張差緩和層上に溶射して形
成する。
【0021】請求項12に記載の本発明のサセプタの製
造方法は、上記熱膨張差緩和層を、望ましくは、基体の
構成物質と載置表面層の構成物質とをホットプレス法あ
るいはドクターブレード法で形成して得られる複合材薄
板で構成し、基体と載置面層との間でこれらに真空中で
ろう付けするようにする。
【0022】請求項13に記載の本発明のサセプタの製
造方法は、上記熱膨張緩和層を、望ましくは、基体の構
成物質と載置表面層の構成物質との配合割合を異ならせ
た複数の層から構成し、これらの複数の層を基体から載
置面層へ向けて配合割合が多くなる層となるように配置
して固着するようにする。この場合、熱膨張差緩和層を
構成する複数の層を予め一体的に固着しておき、その後
この一体層を基体に固着してもよく、あるいは基体に各
層を1層ずつ固着していくようにしても良い。また、載
置面層は、熱膨張差緩和層に予め固着させた後、これら
を基体に固着するようにしても良く、あるいは熱膨張層
を基体に固着した後に熱膨張層上に固着するようにして
もよい。
【0023】
【発明の効果】上記請求項1の本発明のサセプタにあっ
ては、基体をアルミニウムあるいはアルミニウム合金で
形成し、ウエーハ等を載置する載置面層をアルミナある
いは窒化アルミニウムで形成しているので、超高真空中
高温下で使用することが可能で、しかもこの場合ガス放
出が少なく高温でのベーキングも可能で、かつ耐プラズ
マ性、フッ素系ガス等に対する耐腐食性に優れている。
また、超高真空中低温下で使用することも可能となる。
【0024】また、基体と載置面層との間に、これらを
構成する各物質の配合割合を変えてその線膨張率を調整
した熱膨張差緩和層を溶射法やろう付け法等にて固着形
成するようにしたので、基体と熱膨張差緩和層との間、
および熱膨張差緩和層と載置面層との間における熱膨張
差を小さくして熱膨張差により発生する応力を低減する
ことで、載置面層の割れや載置面層の基体等からの剥離
を防止できる。
【0025】しかも、この防止にあっては、熱膨張差緩
和層を基体と同じアルミニウムあるいはアルミニウム合
金、および載置面層と同じアルミナあるいは窒化アルミ
ニウムの混合物で形成しているので、超高真空中高温下
あるいは低温下でも使用することが可能であり、ガス放
出が少なく高温のベーキングも可能で、かつ耐プラズマ
性、フッ素系ガス等に対する耐腐食性に優れている。ま
た、上記両物質の配合割合を任意に変更することで線膨
張率の範囲を幅広く設定することが可能となり、またこ
の場合、連続的に熱膨張差緩和層、さらには載置面層ま
でも基体上に連続形成することもできるようになる。し
たがって、この熱膨張差緩和層は、1層から多層まで容
易に形成することが可能である。また、従来技術のよう
に熱膨張緩和層に強度・耐熱上、またガス放出上、望ま
しくない材料やこれを固着するための接着剤を用いる必
要もなし、その材料も基体や載置面層を構成する物質と
同じ材料で良い。
【0026】上記請求項2の本発明のサセプタにあって
は、基体から載置面層に向かうにしたがって基体の構成
物質に対する載置面層の構成物質の配合割合が連続的に
増加するように熱膨張差緩和層を構成したので、熱膨張
差緩和層が基体から載置面層に向けて基体と同じ線膨張
率から載置面層と同じ線膨張率となるまで少しずつ連続
的に変化させていくことができる。この結果、どの箇所
にあっても大きい熱膨張差が発生することはなく、載置
面面積の大型化や使用温度範囲の拡大化に対しても十分
対応することが可能となる。
【0027】上記請求項3の本発明のサセプタにあって
は、基体の構成物質に対する載置面層の構成物質の配合
割合を異ならせた複数の層を、基体から載置面層に向け
て配合割合が大きくなる層の順に重ねて固着するように
したので、各層内では同じ配合割合とすればよく、予め
この配合割合の物質を作っておくことができ、製造が容
易になる。
【0028】すなわち、溶射ガン上記両構成物質の粉末
粒子等を供給するときは、配合割合調整装置や粉末供給
口を多く設ける必要がなく、あるいは上記層を薄板や焼
結板等で予め成形しておき、ろう付け等で固着すること
で製造を容易にすることができる。また、この層数を調
整することで発生する熱膨張差による最大応力を容易に
コントロールすることが可能である。
【0029】上記請求4の本発明のサセプタにあって
は、基体と載置面層との間で線膨張率が略等分となるよ
うな配合割合とした2層あるいは3層により複数の層を
構成するようにしたので、できるだけ少ない層数で、各
層間、層と基体との間、層と載置面層との間のいずれか
で発生した熱膨張差による応力が突出して大きくなると
いった応力のアンバランスを抑え、全体の応力をバラン
ス良く許容値内に収めることができる。
【0030】上記請求5の本発明のサセプタにあって
は、熱膨張緩和層を構成する各層あるいは前記載置面層
の厚みを0.1mm〜1mm程度としたので、これらの
層が厚くなりすぎて剥離しやすくなったり、あるいは薄
くなりすぎて熱膨張差を緩和できなかったり、またプラ
ズマやガス等からダメージを受けたりするのを避けるこ
とができる。
【0031】上記請求6の本発明のサセプタの製造方法
にあっては、アルミニウムあるいはアルミニウム合金を
構成物質とした基体の表面を覆うようにアルミナあるい
は窒化アルミニウムを構成物質とする載置表面層を形成
するにあたって、基体の構成物質と載置表面層の構成物
質とを、混合して熱膨張差緩和層を形成し、この熱膨張
差緩和層により載置表面層を基体へ固着するようにした
ので、基体を構成する物質と載置面層を構成する物質と
により熱膨張差緩和層を形成することができ、少ない種
類の材料で済むだけでなく、耐プラズマ性、耐熱性、耐
腐食性等に優れガス発生の少ない材料でサセプタを構成
できる。この結果、超高真空中高温下等で使用可能なサ
セプタを製造することが可能となる。
【0032】上記請求7の本発明のサセプタの製造方法
にあっては、基体の構成物質と載置表面層の構成物質と
を個別に所定の配合割合で供給して溶射することにより
少なくとも熱膨張差緩和層を形成するので、配合割合を
自由に変更しながら供給した混合物質を溶射ガン等へ供
給することが容易になる。したがって、熱膨張差緩和層
の配合割合を基体から載置面層に向けて連続的に変化さ
せることも、また熱膨張差緩和層から載置面層まで連続
形成することも可能になる。
【0033】上記請求8の本発明のサセプタの製造方法
にあっては、熱膨張差緩和層を形成するにあたって基体
の構成物質と載置表面層の構成物質とを予め所定の配合
割合で混合しておき、この混合物を供給しながら溶射す
るようにしたので、粉末供給口やその供給量調整装置が
少なくて済み、かつ層における配合割合を安定化させる
ことが容易となる。
【0034】上記請求9の本発明のサセプタの製造方法
にあっては、熱膨張差緩和層を形成するにあたって基体
の構成物質と載置表面層の構成物質とを予め所定の配合
割合に混合した後に一体結合した結合物とし、この結合
物を供給しながら溶射するようにしたので、粉末粒子供
給口やその供給量調整装置が少なくて済み、かつ層にお
ける配合割合をさらに一層安定化させることが容易とな
る。
【0035】上記請求10の本発明のサセプタの製造方
法にあっては、載置面層をアルミナあるいは窒化アルミ
ニウムで形成した焼結板で構成し、この焼結板を熱膨張
差緩和層に真空中でろう付けするようにしたので、載置
面を安価かつ容易に形成することができ、製造が容易に
なる。
【0036】上記請求11の本発明のサセプタの製造方
法にあっては、載置面層をアルミナあるいは窒化アルミ
ニウムを熱膨張差緩和層上に溶射して形成するようにし
たので、容易かつ確実に載置面層を形成できる。特に熱
膨張差緩和層を溶射法で形成する場合は、連続して載置
面層を形成することも可能となるし、ホットプレス法あ
るいはドクターブレード法で複合材薄板を形成する場合
は複合材薄板の上に溶射で載置面層を複合材薄板形成し
た後、複合材部材を基体上にろう付け等で固着すること
で容易に製作することが可能となる。
【0037】上記請求12の本発明のサセプタの製造方
法にあっては、熱膨張差緩和層を基体の構成物質と載置
表面層の構成物質とをホットプレス法あるいはドクター
ブレード法で形成して得られる複合材薄板で構成し、基
体と載置面層との間でこれらに真空中でろう付けするよ
うにしたので、熱膨張差緩和層を予め複合材薄板とする
ことで熱膨張差緩和層を安価かつ容易に形成することが
でき、製造も容易になる。また、ドクターブレード法で
複合材薄板を形成する場合には、その厚さを薄くするこ
とが可能となり、多数の薄板を重ねても熱膨張差緩和層
をできるだけ厚くならないように形成することが可能と
なる。
【0038】上記請求13の本発明のサセプタの製造方
法にあっては、熱膨張緩和層を基体の構成物質と載置表
面層の構成物質との配合割合を異ならせた複数の層から
構成し、これらの複数の層を基体から載置面層へ向けて
配合割合が多くなる層の順に重ねて固着するようにした
ので、熱膨張差緩和層を安価な複合材薄板で容易に形成
することができ、また、複数の層により各層間、層と基
体との間、層と載置面層との間の熱膨張差を小さく抑え
ることが可能となり、載置面面積の大型化、使用温度範
囲の拡大化にも十分対応することができる。
【0039】
【実施態様】本発明による実施例につき、以下図に基づ
き説明する。本発明の第1実施例につき、図1に基づき
説明する。サセプタ1は、その基体2を、アルミニウム
あるいはアルミニウム合金で構成し、その使用目的に応
じてウエーハ等の被加工物を支持する載置面をその上方
からみて円状あるいは角状に形成する。アルミニウム合
金としては、アルミニウム−マグネシウム合金、アルミ
ニウム−銅−マグネシウム合金、アルミニウム−マグネ
シウム−珪素合金などを用いる。
【0040】サセプタ1の基体2は、上部と下部に分割
し、下部に形成した溝にシーズヒーター3を内蔵させた
後、上部と下部をろう付けで一体化・密封して形成する
(図1では、一体化した状態を示してある)。上記溝お
よびこの溝に挿入したシーズヒーター3は、基体2が円
柱形状である場合は、たとえば特開平11−21448
8号公報の図1や図4に記載のような配置パターンと
し、基体2が角柱形状である場合は、たとえば特開11
−343571号公報の図4に記載のような配置パター
ンとする。ただし、これらに限ることなく要はウエーハ
等の被加工物を載置する表面をできるだけ均一に加熱で
きるように配置すれば良い。シーズヒーター3は、これ
に電力を供給可能とするためその端部をサセプタ1の下
部中央部分に設けた支持部4から取り出し、電力供給ケ
ーブル5を介して図外の電源に接続する。
【0041】基体2の表面、すなわち被加工物載置面側
には、3つの重ねた層を設ける。すなわち、基体2の表
面から上方に向けて、第1の熱膨張差緩和層6、第2の
熱膨張差緩和層7、被加工物を載置する載置面層8をこ
の順に重ねて設ける。なお、同図において、これらの第
1の熱膨張差緩和層6、第2の熱膨張差緩和層7、載置
面層8は、理解しやすくするためそれらの厚さを厚くし
て強調して描いてある。載置面層8は、アルミナ(酸化
アルミニウム=Al)あるいは窒化アルミニウム
(AlN)から構成し、耐熱性、耐プラズマ性、クリー
ンガス等に対する耐腐食性を確保する。
【0042】第1の熱膨張差緩和層6および第2の熱膨
張差緩和層7は、基体2と載置面層8をそれぞれ構成す
る上記両構成物質を用い、所定の配合割合で混合して構
成する。すなわち、これらの熱膨張差緩和層6、7は、
サセプタ1の基体2を構成する物質(アルミニウムある
いはアルミニウム合金)と同じ物質と、載置面層8を構
成する物質(アルミナあるいは窒化アルミニウム)と同
じ物質とを所定の配合割合で混合した状態で、後述の溶
射ガンに供給し溶射により構成する。
【0043】この場合、載置面層8側の第2の熱膨張差
緩和層7では、基体2側の第1の熱膨張差緩和層6に比
べて、上記基体2を構成する物質に対する上記載置面層
8を構成する物質の配合割合を多くする。この配合割合
としては、たとえば第1の熱膨張差緩和層6で30%前
後、第2の熱膨張差緩和層7で70%前後とする。した
がって、第2の熱膨張差緩和層7では、載置面層8を構
成する物質であるアルミナ(あるいは窒化アルミニウ
ム)の割合が第1の熱膨張差緩和層6に比べて増える結
果、その線膨張率が載置面層6の線膨張率により近づく
ことになる。これに対し、第1の熱膨張差緩和層6で
は、基体2を構成する物質であるアルミニウム(あるい
はアルミニウム合金)の割合が増える結果、その線膨張
率が基体2の線膨張率に近くなる。また、第1の熱膨張
差緩和層6と第2の熱膨張差緩和層7との熱膨張率の差
も小さく抑えることになる。
【0044】上記各熱膨張差緩和層の厚さは、0.1〜
1mm程度とする。この厚みをあまりに薄くし過ぎると
熱膨張差を緩和する効果が小さくまたプラズマ等のダメ
ージも受けやすくなるし、また逆にあまりに厚くし過ぎ
ると剥離等が発生しやすくなる。
【0045】次に、上記載置面層8や熱膨張差緩和層
6、7の形成方法、および上記構成物質の基体2への固
着方法について説明する。図2において、溶射ガン9は
電極10をその内部に有している。電極10は、高電圧
の電源11に接続し、高周波電力を供給可能としてあ
る。
【0046】溶射ガン9内にはガス供給口12からガス
を供給可能とするとともに、電極10の下方に基体2の
構成物質(アルミニウム粒子あるいはアルミニウム合金
粒子)の粉末を供給する第1の粉末供給口13と、載置
面層8の構成物質(アルミナ粒子あるいは窒化アルミニ
ウム粒子)の粉末を供給する第2の粉末供給口14とを
設けて、これらの粉末供給口13、14からそれぞれ溶
射ガン9内に所定の量、したがって所定の配合割合で粉
末を供給することができるようにしてある。
【0047】溶射ガン9の下部には透過孔15を設け、
その下方に置いたサセプタの基体2を電気的に接地す
る。電極10からガスに高周波電力を印加して基体2と
の間でプラズマ16を発生させる。このとき発生するプ
ラズマ流により、各粉末供給口13、14からその供給
量を所定の配合割合になるように調整されたアルミナ粒
子の粉末(窒化アルミニウム粒子の粉末)とアルミニウ
ム粒子の粉末(アルミニウム合金粒子の粉末)が放出さ
れ、これらの粉末が溶融されながらプラズマ流とともに
基体2へ向かい、基体2上に溶射被膜17を形成してい
く。なお、このプラズマ16による溶射は、減圧雰囲気
中あるいは大気中のいずれの環境下における実施でも良
い。
【0048】したがって、上記第1の実施例にあって
は、当初、基体2を構成する物質の方を、載置面層8を
構成する物質に比べて多く供給して基体2の表面に溶射
することで図1に示す第1の熱膨張差緩和層6を形成
し、次いで基体の構成物質を減らし載置面層の物質を増
やして供給し溶射することで第1の熱膨張差緩和層6の
上に第2の熱膨張差緩和層7を形成した後、基体の物質
の供給を停止し載置面層の物質のみ供給することで、ア
ルミナあるいは窒化アルミニウムで構成した載置面層8
を形成する。
【0049】したがって、上記第1の実施例では、基体
2およびその表面側の各層6〜8をアルミニウム系物質
で構成したので、超高真空中でもガス放出量が少なく、
かつ高温・低温下でも使用可能であり、またフッ素系ガ
ス等に対する耐腐食性にも優れたサセプタとすることが
でき、超高真空下で、かつ従来技術よりさらに高温、低
温の環境での使用が可能となる。しかも、熱膨張差緩和
層6、7は、基体2の構成物質と載置面層8の構成物質
とで形成したので、別材料を必要としない。また、基体
2と第1の熱膨張差緩和層6との間、第1の熱膨張差緩
和層6と第2の熱膨張差緩和層7との間、および第2の
熱膨張差緩和層7と載置面層8との間における線膨張率
の差を小さく抑え熱膨張差を小さくして、載置面層8の
割れや載置面層8の基体2からの剥離を防止することが
できる。
【0050】次に、図2の上記溶射装置を、若干変更し
た溶射装置につき説明する。図2の溶射装置では、粉末
供給口を二個設け各粉末供給口から異なる粒子の粉末を
供給するようにしたが、この実施例では粉末供給口を1
個とする。したがって、その粉末の供給は、図3に示す
ように、基体2を構成する物質(アルミニウムあるいは
アルミニウム合金)18と、載置面層8を構成する物質
(アルミナあるいは窒化アルミニウム)19を予め所定
の配合割合で配合した混合物からなる粉末群(第1の熱
膨張差緩和層6用の混合物粉末と第2の熱膨張差緩和層
7用の混合物粉末)を、基体の構成物質が多い配合割合
と載置面層の構成物質が多い配合割合のものに分けて作
っておき、形成する層に応じて供給する粉末群を切り換
えるようにする。
【0051】あるいは、上記のように両構成物質からな
る粉末粒子が各々独立した混合粉末とするのではなく、
図4に示すように溶射ガンに供給する前に、基体2を構
成する物質18と、載置面層8を構成する物質19を予
め所定の配合割合で配合した後、溶解等で一体化させた
結合物群(第1の熱膨張差緩和層6用の結合物粉末と第
2の熱膨張差緩和層7用の結合物粉末)を作っておき、
形成する層に応じて供給する結合物群を切り換えるよう
にしてもよい。
【0052】上記の粉末の供給方法を変更した溶射装置
にあっては、溶射装置の粉末供給口および供給量調整装
置が一個で済むというメリットがある。また、供給する
粉末粒子の物質を後者の場合のように予め混合溶解など
で一体結合した結合物とすれば、供給する粉末粒子の構
成物質の配合割合を安定化することが可能となる。
【0053】次に、第2の実施例につき図5に基づき、
説明する。この実施例にあっては、サセプタ1の基体2
上に形成する熱膨張差緩和層の構成が図1のものと異な
っており、その他の部分は図1のものと同様であり、そ
の説明を省略する。この実施例においても第1の実施例
と同様に載置面層8と基体2との間に熱膨張差緩和層2
0を介在させるものの、この熱膨張差緩和層20は第1
の実施例のように多層構造とするのでなく、基体2から
載置面層8に向けて、基体2を構成する物質(アルミニ
ウムあるいはアルミニウム合金)に対する載置面層8を
構成する物質(アルミナあるいは窒化アルミニウム)の
配合割合が連続的に増加していくように形成する。
【0054】この形成にあっては、図2の溶射装置を用
いて、第1の粉末供給口13から供給する粉末粒子物質
の量を次第に減らしていくのに応じて、第2の粉末供給
口14から供給する粉末粒子物質の量をゼロから次第に
増加させていき溶射することで熱膨張差緩和層20を形
成する。そして、第1の粉末供給口13から供給する粉
末粒子物質の量をゼロとし、第2の粉末供給口14から
供給する粉末粒子物質の量だけとすることで、アルミナ
あるいは窒化アルミニウムからなる、耐プラズマ性、耐
温度性、フッ素系ガス等に対する耐食性に優れた載置面
層8をそのまま連続して熱膨張差緩和層20上に形成し
ていくことができる。
【0055】この実施例にあっては、配合割合が連続的
に変化しているので、熱膨張差に起因した応力を最小限
に保つことができ、この応力による載置面層の割れや載
置面層の基体からの剥離をほぼ完全に防止できる。ま
た、そのまま粉末粒子物質を連続供給し連続溶射してい
くだけで熱膨張差緩和層20から載置面層8まで形成し
てしまうことが可能となる。
【0056】次に、本発明の第3の実施例につき説明す
る。本実施例の場合、図1のサセプタ1と同様に熱膨張
差緩和層および載置面層を設けるものの、載置面層の形
成およびその基体側への固着方法が異なっている。載置
面層8は、予めアルミナあるいは窒化アルミニウムで形
成した焼結板で構成しておく。一方、第1の熱膨張差緩
和層6、第2の熱膨張差緩和層7は、第1の実施例の場
合と同様に、基体2を構成する物質(アルミニウムある
いはアルミニウム合金)と載置面層8を構成する物質
(アルミナあるいは窒化アルミニウム)とを、所定の配
合割合で混合したものを溶射して形成する。この配合割
合も第1の実施例と同様にする。
【0057】すなわち、基体2の上に第1の熱膨張差緩
和層6を溶射形成し、その上に第2の熱膨張差緩和層7
を溶射形成した後、上記載置面層8としての焼結板を真
空中でろう付けする。このろう付けとしては、アルミニ
ウムやアルミニウム合金中にマグネシウム、チタン、ジ
ルコニウム、ハフニウムの中から1種類以上の活性金属
を添加し、さらにろうの流動性を良くする珪素またはホ
ウ素を添加したアルミニウムろう、あるいはアルミ合金
ろう等を用いることが望ましいが、これらに限る必要は
ない。
【0058】この実施例にあっても、アルミナあるいは
窒化アルミニウムで形成した焼結板により耐プラズマ
性、耐温度性、耐腐食性等を確保しながら、超高真空下
で使用してもガス排出量が少ない上、高温ベーキングも
実施可能な載置面層を得ることができる。また、載置面
層を焼結板で構成することで安価に製造することができ
るようになる。なお、第1の実施例と同様、第1の熱膨
張差緩和層6、第2の熱膨張差緩和層7により、熱膨張
差を小さくしてこれに起因した応力による載置面層の割
れや基体からの剥離を防止することが可能となる。ま
た、別材料も不要である。
【0059】次に、本発明の第4の実施例につき説明す
る。本実施例にあっては、第3の実施例と同様に、載置
面層8を予めアルミナあるいは窒化アルミニウムで形成
した焼結板で構成しておく。一方、熱膨張緩和層は、第
1、第3の実施例と異なり、第1の熱膨張緩和層6、第
2の熱膨張緩和層7を、予め基体2を構成する物質(ア
ルミニウムあるいはアルミニウム合金)と載置面層8を
構成する物質(アルミナあるいは窒化アルミニウム)と
を、それぞれ異なる所定の配合割合で混合してホットプ
レス法にて形成した複合材薄板で構成しておく。
【0060】そして、基体2の上にアルミニウムあるい
はアルミニウム合金の配合割合を多くした方の複合材薄
板を、その上にアルミナあるいは窒化アルミニウムの配
合割合を多くした方の複合材薄板を、またさらにその上
にアルミナあるいは窒化アルミニウムの焼結板を配置
し、これら間を第3の実施例と同様に真空中でろう付け
する。この実施例の場合も、第3の実施例と同様の効果
が得られる上に、熱膨張緩和層を複合材薄板で構成する
ことで安価に製造することが可能となる。
【0061】次に、本発明の第5の実施例につき説明す
る。この実施例では、上記第4の実施例の場合と同様
に、載置面層8を予めアルミナあるいは窒化アルミニウ
ムで形成した焼結板で構成しておく。
【0062】また、第1の熱膨張差緩和層6と第2の熱
膨張差緩和層7を、第4の実施例と同様に、予め基体2
を構成する物質(アルミニウムあるいはアルミニウム合
金)と載置面層8を構成する物質(アルミナあるいは窒
化アルミニウム)とを、それぞれ異なる所定の配合割合
で混合して形成した複合材薄板で構成するものの、ホッ
トプレス法の代わりに、上記両粒子を一旦液体中に分散
させてスラリーとし、ドクターブレード法で複合材薄板
を形成する。
【0063】上記第1の熱膨張差緩和層6と第2の熱膨
張差緩和層7を上記ホットプレス法あるいはドクターブ
レード法で形成するとき、それらの層を個別に形成した
後、固着するようにしても良く、あるいは一方の層上に
他方の層を一体形成するようにしても良い。このように
して形成した複合材薄板と焼結板とは、第4の実施例と
同様に、重ね合わせて相対する板同士の間および基体2
との間を真空中でろう付けする。このようにしても、上
記第第3の実施例と同様の効果が得られる上に、熱膨張
緩和層を複合材薄板で構成することで安価に製造するこ
とが可能となる。また、複合材薄板の厚さを容易に薄く
することができる。これは、熱膨張差をできるだけ小さ
く抑えるべく熱膨張緩和層を多数の層から構成するとき
に有利となる。
【0064】なお、本発明では上記記載の実施例に限ら
れることなく、下記のような種々の変更等が可能であ
る。すなわち、図1の実施例にあっては、基体と載置面
層との間に介在させる熱膨張差緩和層を2層としたが、
これに限る必要はない。たとえば、これを3層とするこ
とでより広い面積の載置面やより高温での加工に対応す
ることが容易になる。この場合、たとえば基体を構成す
る物質に対する載置面層を構成する物質の配合割合を、
基体側の第1の熱膨張差緩和層では25〜30%程度、
この上の第2の熱膨張差緩和層では50%前後、この上
で載置面層側の第3の熱膨張差緩和層では70〜75%
程度とし、各熱膨張差緩和層の厚さを0.1〜1mm程
度とする。
【0065】また、載置面積が小さく使用温度もそれほ
ど高くないときは、熱膨張差緩和層を1層とし、基体を
構成する物質に対する載置面層を構成する物質の配合割
合を50%程度とする。このように、載置面の面積や使
用温度等に応じて熱膨張差緩和層の総数を決定するが、
通常は1層から3層程度で十分である。第4の実施例あ
るいは第5の実施例における複合材薄板を用いる場合も
同様である。なお、熱膨張差緩和層をドクターブレード
法あるいはドクターブレード法により形成した複合材薄
板を用いるにしろあるいは溶射法を用いるにしろアルミ
ナか窒化アルミニウムを溶射して載置面層を形成しても
良いことは言うまでもない。
【0066】また、溶射工法については、上記実施例の
ようにプラズマ溶射法に限ることなく、ガス式溶射法、
アーク式溶射法等を用いるようにしてもよい。また、上
記実施例にあっては、サセプタ内にシーズヒーターを内
蔵し、これにより加熱するようにしたが、シーズヒータ
ー以外の加熱器を用いるようにしても良いし、加熱器を
サセプタ外に設置するようにしても良い。加工によって
は、加熱器でなく冷却器を用いて冷却することもある
が、この場合は加熱器に代えて冷却器を用いるようにす
ることは言うまでもない。また、静電チャックを内蔵さ
せるようにしてもよい。サセプタ1の基体2は、上部と
下部とを一体化して形成しているが、鋳造法で加熱器を
鋳込んで最初から一体形成するようにしても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例によるサセプタの断面図で
ある。
【図2】図1のサセプタに熱膨張緩和層等を形成する溶
射装置の図である。
【図3】溶射装置に供給する粉末粒子物質の状態を示す
図である。
【図4】溶射装置に供給する粉末粒子物質の図3とは別
の状態を示す図である。
【図5】本発明の第2の実施例によるサセプタの断面図
である。
【符号の説明】
1 サセプタ 2 基体 3 シーズヒーター 6 第1の熱膨張差緩和層 7 第2の熱膨張差緩和層 8 載置面層 9 溶接ガン 10 電極 13 第1の粉末供給口 14 第2の粉末供給口 16 プラズマ 17 溶射被膜 18 アルミニウムあるいはアルミニウム合金の粒
子 19 アルミナあるいは窒化アルミニウムの粒子 20 熱膨張差緩和層
フロントページの続き (72)発明者 小倉佳積 兵庫県神戸市兵庫区和田崎町1丁目1番1 号 三菱重工業株式会社神戸造船所内 (72)発明者 渡邊潔 兵庫県兵庫区和田崎町1丁目1番1号 三 菱重工業株式会社神戸造船所内 (72)発明者 三縄群容 神奈川県横浜市金沢区福浦2−11−7 株 式会社東洋治具内 Fターム(参考) 5F031 CA02 CA05 HA02 HA03 HA37

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミニウムあるいはアルミニウム合金
    を構成物質とする基体と、 アルミナあるいは窒化アルミニウムを構成物質とし、被
    加工物を載置可能な載置面層と、 前記基体の構成物質と前記載置面層の構成物質とを構成
    物質とし、前記載置面層と前記基体との間に介在されて
    これらに固着され前記基体と前記載置面層との熱膨張差
    を緩和する熱膨張差緩和層と、 を有するサセプタ。
  2. 【請求項2】 前記熱膨張差緩和層は、前記基体から前
    記載置面層に向かうにしたがって前記基体の構成物質に
    対する前記載置面層の構成物質の配合割合が連続的に増
    加するようにしたことを特徴とする請求項1に記載のサ
    セプタ。
  3. 【請求項3】 前記熱膨張差緩和層は、前記基体の構成
    物質に対する前記載置面層の構成物質の配合割合を異な
    らせた複数の層から構成し、該複数の層を前記基体から
    前記載置面層に向けて前記配合割合が大きくなる層の順
    に重ねて固着するようにしたことを特徴とする請求項1
    に記載のサセプタ。
  4. 【請求項4】 前記複数の層は、前記基体と前記載置面
    との間で各固着箇所における線膨張率が略等分となるよ
    うな配合割合とすることを特徴とする請求項3に記載の
    サセプタ。
  5. 【請求項5】 前記熱膨張緩和層を構成する各層あるい
    は前記載置面層は、厚みが0.1mm〜1mm程度の層
    から形成したことを特徴とする請求項1から4のいずれ
    かに記載のサセプタ。
  6. 【請求項6】 アルミニウムあるいはアルミニウム合金
    を構成物質とした基体の表面を覆うようにアルミナある
    いは窒化アルミニウムを構成物質とする載置表面層を形
    成するサセプタの製造方法であって、 前記基体の構成物質と前記載置表面層の構成物質とを、
    混合して熱膨張差緩和層を形成し、該熱膨張差緩和層に
    より前記載置表面層を前記基体へ固着するようにしたサ
    セプタの製造方法。
  7. 【請求項7】 前記基体の構成物質と前記載置表面層の
    構成物質とは、個別に所定の配合割合で供給して溶射す
    ることにより少なくとも前記熱膨張差緩和層を形成する
    ようにしたことを特徴とする6に記載のサセプタの製造
    方法。
  8. 【請求項8】 前記基体の構成物質と前記載置表面層の
    構成物質とは、予め所定の割合で混合しておき、該混合
    物を供給しながら溶射することにより前記熱膨張差緩和
    層を形成するようにしたことを特徴とする請求項6に記
    載のサセプタの製造方法。
  9. 【請求項9】 前記基体の構成物質と前記載置表面層の
    構成物質とは、予め所定の配合割合に混合した後に一体
    結合した結合物とし、該結合物を供給しながら溶射する
    ことにより前記熱膨張差緩和層を形成するようにしたこ
    とを特徴とする請求項6に記載のサセプタの製造方法。
  10. 【請求項10】 前記載置面層は、アルミナあるいは窒
    化アルミニウムで形成した焼結板で構成し、該焼結板を
    前記熱膨張差緩和層に真空中でろう付けするようにした
    ことを特徴とする請求項6から9のいずれかに記載のサ
    セプタの製造方法。
  11. 【請求項11】 前記載置面層は、アルミナあるいは窒
    化アルミニウムを前記熱膨張差緩和層上に溶射して形成
    したことを特徴とする請求項6から9のいずれかに記載
    のサセプタの製造方法。
  12. 【請求項12】 前記熱膨張差緩和層は、前記基体の構
    成物質と前記載置表面層の構成物質とをホットプレス法
    あるいはドクターブレード法で形成して得られる複合材
    薄板で構成し、前記基体と前記載置面層との間でこれら
    に真空中でろう付けするようにしたことを特徴とする請
    求項6、10、11のいずれかに記載のサセプタの製造
    方法。
  13. 【請求項13】 前記熱膨張緩和層は、前記基体の構成
    物質と前記載置表面層の構成物質との配合割合を異なら
    せた複数の層から構成し、該複数の層を前記基体から前
    記載置面層へ向けて前記配合割合が多くなる層となるよ
    うに配置して固着するようにしたことを特徴とする請求
    項6、10、11、12のいずれかに記載のサセプタの
    製造方法。
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