JP2003133335A - ZnTe系化合物半導体の製造方法およびZnTe系化合物半導体並びに半導体装置 - Google Patents
ZnTe系化合物半導体の製造方法およびZnTe系化合物半導体並びに半導体装置Info
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Abstract
キャリア濃度が高く、かつ低抵抗なn型ZnTe系化合
物半導体を製造する方法および該製造方法により製造さ
れるZnTe系化合物半導体並びに該ZnTe系化合物
半導体を用いた半導体装置を提供する。 【解決手段】 基板上にZnTe系化合物半導体をエピ
タキシャル成長させる際、ZnTe系化合物結晶をn型
に制御する第13(3B)族元素からなる第1のドーパ
ントと、Te元素との結合エネルギーがZn元素と同等
またはそれ以上である第2(2A)族元素からなる第2
のドーパントとを、前記ZnTe系化合物結晶中に同時
にドーピングするようにした。また、前記第2のドーパ
ントを、原子個数でZn空孔の濃度以上(〜1018c
m−3以上)、かつ、前記ZnTe系化合物結晶中の濃
度が1%以下となるようにドーピングするようにした。
Description
に適したZnTe系化合物半導体の製造方法およびZn
Te系化合物半導体並びに半導体装置に関する。
ば発光ダイオード等の緑色光の発光素子に利用できる材
料として期待されている。しかしながら、II-VI族
化合物半導体は発光ダイオードを製造するのに必要な伝
導型の制御が困難であるため、発光ダイオードに利用で
きる材料が限定されていた。
シャル成長法により何層ものZnSe系の混晶薄膜を成
長させたZnSe系化合物半導体結晶を用いてpn接合
型のダイオードが作製されている。このとき、ZnSe
系化合物半導体は、熱平衡状態ではp型半導体の制御が
困難であると考えられていたため、ラジカル粒子ビーム
源とよばれる特殊な装置を用いて形成される。しかし、
この方法で得られたp型ZnSe系化合物半導体はドー
パントの活性化率が低く低抵抗な結晶とはならなかっ
た。
導体は容易に達成できるが、n型半導体はキャリア濃度
が低く低抵抗にならないという問題がある。つまり、一
般にZnTe系化合物半導体においては、分子線エピタ
キシャル成長法(MBE)や有機金属気相成長法(MO
CVD)等のエピタキシャル成長技術を用い、第13
(3B)族元素であるAl(アルミニウム)、Ga(ガ
リウム)、In(インジウム)をZnTe系化合物結晶
中にドーピングすることによりn型半導体を得られるこ
とが知られているが、従来は半導体原料の純度が悪いた
めにn型半導体を得ることができなかった。近年では原
料の高純度化とエピタキシャル成長技術の向上によりn
型半導体を達成できるようになったが、ドーパントの添
加量を増加させると自己補償効果が大きくなるため、添
加量を増加させてもキャリア濃度は増加しない、むしろ
キャリア濃度は減少してしまい、低抵抗化の問題は解決
されていない。
E法でCl(塩素)をドーピングして作製した場合のキ
ャリア濃度は3×1016cm−3となり、MOCVD
法でAlをドーピングして作製した場合のキャリア濃度
は4×1017cm−3となる。このように、結晶性に
影響を与えない程度にドーピングした場合、キャリア濃
度は1017cm−3が限界であったが、半導体装置の
作製には1018以上のキャリア濃度が必要であり、現
在得られるn型ZnTe化合物半導体ではキャリア濃度
が低いため、低抵抗とならず特性の良い半導体装置を得
ることができなかった。
造を有する結晶の材料については、導電性を制御する実
験はなされていない。このような現状から、現在のとこ
ろZnSe系化合物半導体以外のII-VI族化合物半
導体を用いた発光ダイオードは実用化には至っていな
い。
導体の導電性を制御する手法が提案され、GaNやZn
O系の材料でその効果が確かめられている(NEW DIAMON
D 第60号 Vol.17 No.1 p18-23)。
導体を得るために、n型(もしくはp型)の導電性を得
るための第1のドーパントとともにp型(もしくはn
型)の導電性を得るための第2のドーパントを前記第1
のドーパントの約半分の量だけ結晶中に導入する方法で
ある。この方法によりドーパントの禁制帯中の順位が浅
くなりキャリア濃度を増加させることができる。
で添加するとドーパント同士の斥力により結晶中にとけ
込むドーパントの量が制限されるが、同時ドーピング法
によれば第2のドーパントとの引力により第1のドーパ
ント同士の斥力が緩和されるので結晶中にとけ込む量を
増大することができ、より低抵抗の結晶を得ることがで
きる。
してイオン化されるが、第2のドーパントにより結晶内
のクーロン場がスクリーニングされるのでキャリアの散
乱が抑制される。そのため、キャリアの移動度が低下す
ることなく高濃度にドーパントを添加することが可能と
なり、低抵抗の半導体結晶を得ることができる。このよ
うに、理論的には同時ドーピング法により半導体結晶の
低抵抗を実現できることが期待される。
れた同時ドーピング法の実証実験について簡単に説明す
る。従来、GaN化合物のp型半導体を形成することは
困難とされていた。つまり、一般にGaN化合物半導体
においてはp型ドーパントとしてMg(マグネシウム)
を導入するが、Mgは禁制帯中の順位が比較的高くフェ
ルミ−ディラック統計からわかるとおり常温で正孔が十
分に活性化されないために、Mgをドーピングして低抵
抗のp型半導体を得ることが困難であった。
計算すると、低抵抗のp型GaN化合物半導体を得るた
めに、p型ドーパントのMgとともにn型ドーパントと
なりうるO(酸素)をMgの約半分の量ドーピングする
のが有効であると予想できた。そして、MOCVDによ
りOをMgと同時にドーピングした結果、キャリア濃度
が約2桁増加することが観察された。また、キャリアの
移動度の低下は観察されなかった。
ては同時ドーピング法の理論は実証され、低抵抗の半導
体を得るのに有効であることが確認された。
た同時ドーピング法は、ZnTe系化合物半導体につい
ては理論的検討や実験的な検証が行われていないため、
ZnTe系化合物半導体の導電性を制御するのに有効で
あるか未だ解明されていない。
めに有効な、キャリア濃度が高く、かつ低抵抗なn型Z
nTe系化合物半導体を製造する方法および該製造方法
により製造されるZnTe系化合物半導体並びに該Zn
Te系化合物半導体を用いた半導体装置を提供すること
を目的とする。
成するためになされたものであり、基板上にZnTe系
化合物半導体をエピタキシャル成長させる際、ZnTe
系化合物結晶をn型に制御する第13(3B)族元素か
らなる第1のドーパントと、Te元素との結合エネルギ
ーが、Zn元素とTe元素との結合エネルギーと同等ま
たはそれ以上である第2(2A)族元素からなる第2の
ドーパントとを、前記ZnTe系化合物半導体中に同時
にドーピングするようにしたZnTe系化合物半導体の
製造方法である。なお、ZnTe系化合物とは第12
(2B)族元素であるZnか第16(6B)族元素であ
るTeの少なくとも一方を含み、第12(2B)族元素
の空孔が第16(6B)族元素の空孔よりもエネルギー
的に安定である化合物であることを意味する。具体的に
は、ZnTe、CdTe、CdZnTe、ZnOTe、
ZnSTe、ZnSeTe、CdSeTe、CdST
e、CdOTe、CdZnOTe、CdZnSTe、C
dZnSeTeなどである。
にドーピングする方法(同時ドーピング法)により、Z
nTe系化合物半導体の導電型を比較的容易に制御する
ことが可能となる。また、同時ドーピング法によるとド
ーパントの活性化率(ドーピングしたドーパントがキャ
リアとして有効に活性化する割合)が高くなるので、従
来に比較して少量のドーピング量で所望のキャリア濃度
を達成することができる。したがって、ドーピングされ
る不純物の量が少ないので得られる結晶の結晶性は向上
する。
でZn空孔の濃度以上(〜1018cm−3以上)、か
つ、前記ZnTe系化合物結晶中の濃度が1%以下とな
るようにドーピングするのが望ましい。これにより、格
子整合条件が取りやすくなるとともに、バンド構造に与
える影響を抑えることができる。
Ga、Inのうちの少なくとも一つを含み、前記第2
(2A)族元素はBe、Mg、Caのうち少なくとも一
つを含むように同時にドーピングすればよい。
には、ZnTe、CdTe、CdZnTe、ZnOT
e、ZnSTe、ZnSeTe、CdSeTe、CdS
Te、CdOTe、CdZnOTe、CdZnSTe、
CdZnSeTeなどである。また、Mgを含むZnT
e系化合物半導体であるZnMgTe、ZnMgSeT
e等の場合は、第2(2A)族元素としてBeを結晶中
の濃度が1%以内となる量で同時ドーピングするのが望
ましい。これは、Mgを含むZnTe系化合物半導体の
場合はMgよりもBeの方が同時ドーピングの効果が得
やすいためである。なお、前記第2のドーパントを、原
子個数でZn空孔の濃度以上(〜1018cm−3以
上)、かつ、前記ZnTe系化合物結晶中の濃度が1%
以下となるようにドーピングするのが望ましいとした
が、例えば、ZnTe基板上にZnTeをエピタキシャ
ル成長で成膜する場合、第2(2A)族元素を結晶中の
濃度が原子個数でZn空孔の濃度以上(〜1018cm
−3以上)、かつ、前記ZnTe系化合物結晶中の濃度
が0.2%以内となる量でドーピングするのが、格子整
合されたZnTeエピ膜を得る上で、さらに望ましい。
Te基板上に分子線エピタキシャル成長(MBE:Mole
cular Beam Epitaxy)法、または、化学気相成長法(CV
D法:Chemical Vaper Deposition)、特に、有機金属気
相成長(MOCVD:Meta-organic Chemical Vaper De
position)法により形成することができる。
造されたZnTe系化合物半導体は、キャリア濃度が1
×1018cm−3以上で、かつキャリア移動度が13
0cm2/V・sec以上となり、抵抗が0.05Ω・
m以下のn型半導体となる。同時ドーピング法では、ド
ーパントの活性化率が高くなるため従来の方法に比較し
てドーピング量を少量に抑えることができるので、得ら
れるZnTe系化合物半導体は結晶性に優れ半導体装置
材料として好適である。
基板として有する半導体装置によれば、ドーパントの活
性化率が高いため活性化しないドーパントによる深い順
位の形成がないため量子効率の高い光電変換が得られる
だけでなく、n型電極とのコンタクト抵抗が低減するの
で動作電圧を低くすることができる。これにより、半導
体装置の低電力化を図ることができるとともに発熱を低
減させることができるので、半導体装置の長寿命化の実
現が期待できる。
する。従来はZnTe化合物のn型半導体層を得るため
に、MBE法やMOCVD等のエピタキシャル成長技術
を用いて第13(3B)族元素であるAl、Ga、In
等を単独でドーピングしていた。しかし、ドーパントの
ドーピング量を増加させると自己補償効果が大きくなる
ので、ドーピング量を増加させてもキャリア濃度は増加
しない、または、キャリア濃度が減少するという現象が
観察された。また、結晶性に影響を与えない程度にドー
ピングした場合、キャリア濃度は101 7cm−3が限
界であった。
材料でその効果が確かめられている同時ドーピングによ
り半導体の導電型を制御する手法をZnTe系材料に応
用することを考えた。
において、n型(もしくはp型)を得るための第1のド
ーパントとともにp型(もしくはn型)を得るための第
2のドーパントを結晶中に同時ドーピングするという方
法を利用して、さらに前記第2のドーパントを前記第1
のドーパントの約半分の量だけ結晶中に導入することに
より、高キャリア濃度のZnTe系化合物半導体を得る
ことに成功した。このとき、第1のドーパントとして第
13(3B)族元素を用いる場合は第2のドーパントと
して第15(5B)族元素を用いた。
いて研究を進めた結果、理論計算よりZnTe化合物結
晶においてはZn空孔が安定に存在することを見出し
た。また、ZnとTeの結合エネルギーが低いためにZ
n空孔は格子間を比較的容易に拡散でき、空孔の拡散に
よる複合欠陥が生成され、この複合欠陥が深い順位を形
成しドーパントの活性化率を低下させるためにZnTe
はn型に制御しにくいことを突き止めた。
べく検討を重ねた結果、Teとの結合エネルギーが大き
い元素をZnの格子位置に置くことにより、Zn格子位
置をエネルギー的に安定とできることが判明した。つま
り、Teとの結合エネルギーが大きい元素をZnの格子
位置に置くことにより、Zn空孔の形成を抑制でき、Z
n空孔の拡散による複合欠陥の生成を抑制することがで
きた。また、第13(3B)族元素がZn格子位置と置
換しn型ドーパントとして活性化する際、第一近接のZ
n格子位置が空孔となった場合エネルギー的に安定化す
ることが確認された。
が大きい元素をZnの格子位置に置くと、Zn格子位置
がエネルギー的に安定となり、Zn空孔の形成が抑制さ
れ、Zn空孔の拡散による複合欠陥ができにくくなるの
で、第13(3B)族元素がZn格子位置と置換しn型
ドーパントとして活性化する際の活性化率を充分に向上
させることができた。
元素としては、第2(2A)族元素のBeまたはMgま
たはCaが適当であり、これらの元素をドーピングする
ことにより半導体の導電型を効果的に制御できた。特
に、BeとTeとの結合エネルギーが最も大きいので、
同時ドーピングに用いる元素としてはBeが最適である
といえる。
で、ZnTe化合物結晶に第13(3B)族元素である
Al、Ga、Inをドーピングしてn型半導体にする場
合に、第2(2A)族元素のBeまたはMgまたはCa
の少なくとも一つを前記第13(3B)族元素と同時に
ドーピングするようにしたものである。これにより、キ
ャリア濃度が高く低抵抗のn型半導体を得ることができ
る。
グ量は、原子個数でZn空孔の濃度以上(〜1018c
m−3以上)、かつ結晶中の濃度が1%以下となる量と
するのがよい。すなわち、同時ドーピングする第2(2
A)族元素は、ZnTe化合物結晶中の濃度が1%以上
となる量ドーピングしても同様の効果が得られるが、格
子整合条件が取りにくくなったり、バンド構造に影響を
与えたりするため、結晶中の濃度が1%以下となる量だ
けドーピングするのが実用的である。実際に、この条件
で結晶を育成した結果、キャリア濃度が高く低抵抗のn
型ZnTe化合物半導体を得ることができた。
nTe結晶を基板としてMBEによりZnTe化合物半
導体をエピタキシャル成長させるにあたり、n型ドーパ
ントとしてAlを用い、Alと同時にドーピングする第
2(2A)族元素としてBeを用いてn型半導体を形成
する例である。
ファ層を形成した。このとき、半導体原料であるZn源
としては高純度Znメタルを用い、Te源としては高純
度Teメタルを用いた。
前記ZnTeバッファ層上にn型ZnTe化合物半導体
層を形成した。このとき、n型ドーパント源としては高
純度Alメタルを用い、Be元素源としては高純度Be
メタルを用いた。なお、Alのドーピング量は結晶中の
キャリア濃度が〜1019cm−3になる量とし、Be
のドーピング量は結晶中の濃度が〜1018cm−3と
なる量とした。
までエピタキシャル成長させた後、結晶成長装置から取
り出しファンデアポー法でキャリア濃度を測定した。そ
の結果、〜5×1018cm−3のn型のキャリア濃度
が得られた。また、キャリア移動度は200cm2/V
・secであり、十分に高い値であった。
で結晶中のドーパント濃度を測定した結果、Al濃度は
〜1019cm−3であり、Be濃度は〜1018cm
−3であることを確認した。
を単独でドーピングして作製したZnTe化合物半導体
について同様の測定を行ったところ、n型のキャリア濃
度は〜1017cm−3であり、移動度も10cm2/
V・secと低かった。
晶を基板としてMBE法によりZnCdSeTe化合物
半導体をエピタキシャル成長させるにあたり、n型ドー
パントとしてGaを用い、同時にドーピングする第2
(2A)族元素としてBeを用いてn型半導体を形成す
る例である。
ファ層を形成した。このとき、半導体原料であるZn源
としては高純度のZnメタルを用い、 Te源としては
高純度Teメタルを用いた。
て前記ZnTeバッファ層上にn型ZnCdSeTe化
合物半導体層を形成した。このとき、Cd源としては高
純度のCdメタルを用い、Se源としては高純度のSe
を用い、Te源としては高純度のTeメタルを用いた。
また、n型ドーパント源としては高純度Gaメタルを用
い、第2(2A)族元素源としては高純度Beメタルを
用いた。なお、Gaのドーピング量は結晶中のキャリア
濃度が〜1019cm−3になる量とし、Beのドーピ
ング量は結晶中の濃度が〜1020cm−3となる量と
した。
μmまでエピタキシャル成長させた後、結晶成長装置か
ら取り出しファンデアポー法でキャリア濃度を測定し
た。その結果、〜5×1018cm−3のn型のキャリ
ア濃度が得られた。また、キャリア移動度は250cm
2/V・secであり、十分に高い値であった。
を測定した結果、Ga濃度は〜1×1019cm
−3で、Be濃度は〜1020cm−3であることを確
認した。さらに、前記半導体結晶のフォトルミネッセン
ス特性を評価した結果、ほとんど深い順位からの発光は
確認されなかった。
を単独でドーピングして作製したZnCdSeTe化合
物半導体について同様の測定を行ったところ、n型のキ
ャリア濃度は〜8×1016cm−3であり、移動度も
10cm2/V・secと低かった。また、フォトルミ
ネッセンス特性を評価したところ、長波長の発光が観察
されたことから深い順位が幅広く形成されていることが
確認された。
晶を基板としてMBEによりZnTe系化合物半導体を
エピタキシャル成長させるにあたり、n型ドーパントと
してAlを用い、同時にドーピングする第2(2A)族
元素としてBeを用いてn型半導体を形成する例であ
る。
グしてp型ZnTe基板上にp型ZnTeバッファ層を
形成した。さらに、p型ドーパントとしてNをドーピン
グしてp型ZnTeバッファ層上にp型ZnMgSeT
eクラッド層を形成した。このとき、半導体原料である
Zn源としては高純度Znメタルを用い、Te源として
は高純度Teメタルを用いた。また、p型ドーパントで
あるN源としてはラジカルビーム活性窒素を用いた。
上にアンドープのCdZnSeTe活性層を育成した。
前記CdZnSeTe活性層上にn型ZnMgSeTe
クラッド層を形成した。さらに、AlとBeを同時ドー
ピングをして前記ZnMgSeTeクラッド層上にn型
ZnTeコンタクト層を形成してZnTe系化合物半導
体を作製した。このとき、n型ドーパント源としては高
純度Alメタルを用い、第2(2A)族元素源としては
高純度Beメタルを用いた。なお、Beのドーピング量
は結晶中の濃度が1%となる量とした。また、得られた
ZnTe系化合物半導体におけるn型ZnMgSeTe
クラッド層のキャリア濃度は7×1017cm−3であ
り、n型ZnTeコンタクト層のキャリア濃度は5×1
018cm−3であった。
し、n型ZnTeコンタクト層側にW(タングステン)
電極を形成して発光ダイオードを作製した。
評価した結果、2.5Vの動作電圧で高輝度の緑色発光
を観察できた。このように、本実施例の発光ダイオード
によれば、n型ZnTeコンタクト層とW電極とのコン
タクト抵抗が低減するので動作電圧を低くすることがで
きる。これにより、発光ダイオードの低電力化を図るこ
とができるとともに、発熱を低減させることができるの
で発光ダイオードの長寿命化の実現が期待できる。
を単独でドーピングしてn型半導体層を形成したZnT
e系化合物半導体において、n型コンタクト層のキャリ
ア濃度を測定したところ〜1018cm−3であった。
また、このZnTe系化合物半導体を用いて作製した発
光ダイオードにおいては、動作電圧は5Vと高く、深い
順位からの発光も観察され発光効率が低下した。また、
n型ZnTeコンタクト層側の電極部分で発熱による劣
化が観測され寿命の長い素子が得られなかった。
施例に基づいて具体的に説明したが、本発明は上記実施
例に限定されるものではない。例えば、同時ドーピング
に用いられるドーパントの組み合わせは、第13(3
B)族元素であるAl、Ga、Inの少なくとも一つを
含むn型ドーパントと、第2(2A)族元素であるM
g、Be、Caの少なくとも一つを含む組み合わせであ
ってもよい。またn型ドーパントとして一般的なCl
と、第2(2A)族元素であるMg、Be、Caの少な
くとも一つを含む組み合わせであってもよい。
と同時にドーピングされる第2(2A)族元素のドーピ
ング量を、結晶中の濃度が〜1018cm−3になる量
としたが、Zn空孔濃度以上(〜1018cm−3)
で、結晶中の濃度が1%以内となる範囲で調整すればよ
い。また、ZnTe化合物半導体結晶をエピタキシャル
成長させるときの育成温度としては350℃以上が望ま
しい。
にに格子整合するZnTe化合物半導体やZnMgSe
Te化合物半導体以外にも、CdTe、CdZnTe、
ZnOTe、ZnSTe、ZnSeTe、CdSeT
e、CdSTe、CdOTe、CdZnOTe、CdZ
nSTe、CdZnSeTeCdSeTe、CdZnS
eTeのn型半導体を形成する場合にも適用できる。
合物半導体をエピタキシャル成長させる際、ZnTe系
化合物結晶をn型に制御する第13(3B)族元素から
なる第1のドーパントと、Te元素との結合エネルギー
がZn元素と同等またはそれ以上である第2(2A)族
元素からなる第2のドーパントとを、前記ZnTe系化
合物結晶中に同時にドーピングするようにしたので、Z
nTe系化合物半導体の導電型を比較的容易に制御する
ことができるという効果を奏する。
でZn空孔の濃度以上(〜1018cm−3以上)、か
つ、前記ZnTe系化合物結晶中の濃度が1%以下とな
るようにドーピングすれば格子整合条件をとりやすいの
で、結晶性に優れたZnTe系化合物半導体結晶を得る
ことができる。
Claims (7)
- 【請求項1】 基板上にZnTe系化合物半導体をエピ
タキシャル成長させる際、ZnTe系化合物結晶をn型
に制御する第13(3B)族元素からなる第1のドーパ
ントと、Te元素との結合エネルギーが、Zn元素とT
e元素との結合エネルギーと同等またはそれ以上である
第2(2A)族元素からなる第2のドーパントとを、前
記ZnTe系化合物半導体中に同時にドーピングするこ
とを特徴とするZnTe系化合物半導体の製造方法。 - 【請求項2】 前記第2のドーパントは、原子個数でZ
n空孔の濃度以上(〜1018cm−3以上)、かつ、
前記ZnTe系化合物結晶中の濃度が1%以下となるよ
うにドーピングされることを特徴とする請求項1に記載
のZnTe系化合物半導体の製造方法。 - 【請求項3】 前記第13(3B)族元素はAl、G
a、Inのうちの少なくとも一つを含み、前記第2(2
A)族元素はBe、Mg、Caのうち少なくとも一つ含
むことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のZ
nTe系化合物半導体の製造方法。 - 【請求項4】 前記ZnTe系化合物半導体は、ZnT
e、CdTe、CdZnTe、ZnOTe、ZnST
e、ZnSeTe、CdSeTe、CdSTe、CdO
Te、CdZnOTe、CdZnSTe、CdZnSe
Teのいずれかであることを特徴とする請求項1から請
求項3のいずれかに記載のZnTe系化合物半導体の製
造方法。 - 【請求項5】 請求項1から請求項4に記載の製造方法
により得られるn型ZnTe系化合物半導体であって、
キャリア濃度が1×1018cm−3以上で、かつキャ
リア移動度が130cm2/V・sec以上であること
を特徴とするZnTe系化合物半導体。 - 【請求項6】 抵抗が0.05Ω・m以下であることを
特徴とする請求項5に記載のZnTe系化合物半導体。 - 【請求項7】 請求項5または請求項6のいずれかに記
載のZnTe系化合物半導体を基体として有することを
特徴とする半導体装置。
Priority Applications (11)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001330194A JP3976543B2 (ja) | 2001-10-29 | 2001-10-29 | ZnTe系化合物半導体の製造方法およびZnTe系化合物半導体並びに半導体装置 |
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