JP2004200352A - ZnTe系化合物半導体結晶の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】高キャリア濃度のZnTe系化合物半導体単結晶の成長を可能にするZnTe系化合物半導体単結晶の製造方法を提供する。
【解決手段】(111)Zn安定化面を主面とするZnTe単結晶を基板として、該基板の主面上にZnTe系化合物半導体薄膜をエピタキシャル成長させるようにした。
【解決手段】(111)Zn安定化面を主面とするZnTe単結晶を基板として、該基板の主面上にZnTe系化合物半導体薄膜をエピタキシャル成長させるようにした。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ZnTe系化合物半導体単結晶の製造方法に関し、特にエピタキシャル成長により高キャリア濃度のZnTe系化合物半導体単結晶を製造する場合に適用して有効な技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
II−VI族化合物半導体は、比較的バンドギャップが大きいことから、発光ダイオード等の緑色光の発光素子に利用できる材料として期待されている。
従来、このII−VI族化合物半導体は、例えば、GaAs等のIII−V族化合物半導体単結晶やII−VI族化合物半導体単結晶を基板として、分子線エピタキシー法(MBE)や有機金属気相成長法(MOCVD)等のエピタキシャル成長技術を用いて製造されている。また、結晶成長の容易さなどの理由から主に(100)面を結晶成長面として作製されている。
【0003】
ところで、上述したエピタキシャル成長技術を利用してII−VI族化合物半導体結晶を製造するに際し、より高品質の結晶を得るために種々の技術が提案されている。
例えば、特許文献1では、HgCdTe等のCdTe系化合物半導体結晶の製造において、基板の成長面を特定するようにした技術が提案されている。具体的には、CdTe単結晶を成長用基板として、該基板のTe原子からなる結晶面(以下、(111)Te安定化面と称する)上にHgCdTe結晶をエピタキシャル成長させる。この技術によれば、酸化膜形成等による基板表面の汚れを比較的容易に防止することができるので、高品質のHgCdTe結晶を製造できる。
【0004】
【特許文献1】
特開昭60−215600号
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ZnTe系化合物半導体に関しては、n型導電型の制御が難しく、高キャリア濃度のn型ZnTe化合物半導体結晶を成長させるに際しては多くの課題を有している。
一般には、第13(3B)族元素であるAl(アルミニウム)、Ga(ガリウム)、In(インジウム)等を結晶中にドーピングすることによりZnTe系化合物半導体結晶をn型に制御できることが知られているが、従来の方法では半導体装置に用いる基体として十分なキャリア濃度(例えば1018cm−3以上)を達成できていない。
【0006】
例えば、上記先願の技術を応用して、ZnTe単結晶を成長用基板として、該基板の(111)Te安定化面上にZnTe化合物半導体結晶をエピタキシャル成長させたところ、ZnTe単結晶基板の酸化膜形成に起因して結晶品質が悪化することはなかったが、キャリア濃度は1017cm−3程度であり、n型ドーパントの活性化率(ドーピングしたドーパントがキャリアとして有効に活性化する割合)を高くするのは困難であった。
【0007】
また、ZnTe系化合物半導体結晶の製造において、ドーパントの添加量を増加すると自己補償効果が大きくなるため、添加量を増加してもキャリア濃度は増加しない、むしろキャリア濃度は減少してしまい低抵抗とならないという問題があった。
【0008】
このように、結晶性に影響を与えない程度に不純物をドーピングした場合、従来のエピタキシャル成長法では、ZnTe化合物半導体結晶のキャリア濃度を1017cm−3以上にするのは極めて困難であった。しかし、緑色発光素子のような半導体装置を得るには1018cm−3程度のキャリア濃度が必要であるため、従来の技術で製造可能なn型ZnTe化合物半導体では所望の特性を有する半導体装置を実現することができない。
【0009】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたもので、ドーパントの活性化率の高い(高キャリア濃度)ZnTe系化合物半導体単結晶の成長を可能にするZnTe系化合物半導体単結晶の製造方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、(111)Zn安定化面を主面とするZnTe単結晶を基板として、該基板の主面上にZnTe系化合物半導体薄膜を成長させるようにしたものである。
ここで、前記ZnTe系化合物半導体薄膜の成長方法として、例えば分子線エピタキシー成長法を用いるのが望ましい。また、有機金属気相成長法等の他のエピタキシャル成長法を利用することもできる。
【0011】
これにより、ドーパントの活性化率の高いn型ZnTe系化合物半導体結晶を比較的容易に製造することができる。したがって、得られた高キャリア濃度のn型ZnTe系化合物半導体薄膜を含む半導体結晶を基体として用いることで、所望の特性を有する半導体装置(例えば緑色発光素子)を実現することができる。
【0012】
以下に、発明を完成するに至った経緯について簡単に説明する。
まず、本発明者等は、理論計算によりZnTe化合物結晶を解析し、Zn空孔が安定に存在することを解明した。そして、ZnTe結晶においてZnとTeの結合エネルギーが低いことから、Zn空孔は格子間を比較的容易に拡散でき、空孔の拡散による複合欠陥が生成されやすいと考えた。すなわち、この複合欠陥が深い順位を形成しドーパントの活性化率を低下させるのではないかと考えた。
【0013】
これより、Zn空孔の存在しにくい(111)Zn安定化面を結晶成長面とすれば、Zn空孔の拡散による複合欠陥の生成を抑制できるので、ドーパントの活性化率を向上できると推論した。そして、(111)Zn安定化面を結晶成長面としてZnTe結晶を成長させる実験を行い、前記推論が正しいことを実証した。
【0014】
このように、本発明者等が上記課題を解決するために鋭意研究を行った結果、成長用基板としてのZnTe結晶において特定の面を結晶成長面とすることによりn型ドーパントの活性化率を向上できることを見いだし本発明に到達した。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施の形態について説明する。
(実施例)
本実施例では、ZnTe結晶を基板として分子線エピタキシー(MBE)法によりZnTe化合物半導体結晶をエピタキシャル成長させた。なお、結晶成長装置としては、公知のMBE装置を用いたので成長装置の詳細な説明は省略する。
【0016】
まず、融液成長法で得られたZnTe単結晶インゴットを、主面が(111)Zn安定化面となるように厚さ0.8mmにスライスし、ラッピング、ポリッシング後、Br23%MeOHを使用したエッチングを施した。そして、該ZnTe単結晶基板を基板ホルダに固定した。
【0017】
次に、所定の圧力まで真空排気した成長室内に、基板を固定した基板ホルダを搬送し、基板と分子線源が対向する位置となるように固定した。ここで、本実施形態では、ZnとTeをMBE装置の成長室内に設けられたルツボに収納して分子線源とした。
【0018】
次に、成長温度(基板温度)を300℃にし、TeとZnの分子線を同時に照射するとともに、ドーパントであるAlをドープ濃度が3.0×1018cm−3となるように添加し、厚さ1μmのAlドープZnTeエピタキシャル層を成長させた。なお、エピタキシャル成長させる際のTeとZnの分子線量比(Te/Zn)は2とし、成長速度は0.4μm/hとした。
成長させたAlドープZnTeエピタキシャル層のキャリア濃度をファンデルパウ法にて測定した結果、1.0×1018cm−3であった。
【0019】
(比較例1)
比較例1では、結晶成長が比較的容易という理由から基板として用いられてきた、主面が(100)面であるZnTe単結晶を基板としている点が実施例と異なる。その他の条件は、実施例1と同様にしてエピタキシャル成長を行った。
成長させたAlドープZnTeエピタキシャル層のキャリア濃度をファンデルパウ法にて測定した結果、1.0×1017cm−3であった。
【0020】
(比較例2)
比較例2では、上記特許文献1の技術を応用して、主面が(111)Te安定化面であるZnTe単結晶を基板としている点が実施例と異なる。その他の条件は実施例1と同様にしてエピタキシャル成長を行った。
成長させたAlドープZnTeエピタキシャル層のキャリア濃度をファンデルパウ法にて測定した結果、1.0×1017cm−3であった。
【0021】
上述した実施例および比較例1,2より、本実施例で得られたZnTeエピタキシャル層の方が明らかにキャリア濃度が大きく、ドーパントの活性化率の向上していることがわかる。また、基板の面方位を(111)としても、比較例2より主面が(111)Te安定化面の場合にはキャリア濃度の向上が見られないことから、Zn空孔の存在がドーパントの活性化率に影響を与えていたものと考えられる。
【0022】
また、本実施例を適用することで、キャリア濃度が1.0×1018cm−3のZnTeエピタキシャル層を成長させることができるので、このZnTeエピタキシャル層を含む半導体結晶を基体とすることで所望の特性を有する半導体装置を製造することが可能となる。
【0023】
以上本発明者によってなされた発明を実施例に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではない。
例えば、ZnTeエピタキシャル層を成長させる成長方法は、分子線エピタキシー法に制限されず、有機金属気相成長法等のその他のエピタキシャル成長法によっても同様に高キャリア濃度のZnTe化合物半導体結晶を成長させることができる。
【0024】
また、本発明を適用できるエピタキシャル層は、ZnTe化合物半導体に制限されず、その他のZnTe系族化合物半導体を成長させる場合にもエピタキシャル層のn型キャリア濃度を向上させることができる。
【0025】
また、基板はオフ角のない(111)Zn安定化面に限定されない。オフ角がついていても、ミクロで見た場合(111)Zn面がテラスとして存在する割合が高い場合は同様の効果を発揮できる。すなわち(n11)Zn面等の高指数面であっても表面をミクロで見た場合に(111)Zn面の割合が高い面に対しては同様な効果を発揮できる。
【0026】
【発明の効果】
本発明によれば、(111)Zn安定化面を主面とするZnTe単結晶を基板として、該基板の主面上にZnTe系化合物半導体薄膜をエピタキシャル成長させるようにしたので、ドーパントの活性化率の高いn型ZnTe系化合物半導体結晶を比較的容易に製造することができる。したがって、得られた高キャリア濃度のn型ZnTe系エピタキシャル層を含む半導体結晶を基体として用いることで、所望の特性を有する半導体装置を実現することができる。
【発明の属する技術分野】
本発明は、ZnTe系化合物半導体単結晶の製造方法に関し、特にエピタキシャル成長により高キャリア濃度のZnTe系化合物半導体単結晶を製造する場合に適用して有効な技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
II−VI族化合物半導体は、比較的バンドギャップが大きいことから、発光ダイオード等の緑色光の発光素子に利用できる材料として期待されている。
従来、このII−VI族化合物半導体は、例えば、GaAs等のIII−V族化合物半導体単結晶やII−VI族化合物半導体単結晶を基板として、分子線エピタキシー法(MBE)や有機金属気相成長法(MOCVD)等のエピタキシャル成長技術を用いて製造されている。また、結晶成長の容易さなどの理由から主に(100)面を結晶成長面として作製されている。
【0003】
ところで、上述したエピタキシャル成長技術を利用してII−VI族化合物半導体結晶を製造するに際し、より高品質の結晶を得るために種々の技術が提案されている。
例えば、特許文献1では、HgCdTe等のCdTe系化合物半導体結晶の製造において、基板の成長面を特定するようにした技術が提案されている。具体的には、CdTe単結晶を成長用基板として、該基板のTe原子からなる結晶面(以下、(111)Te安定化面と称する)上にHgCdTe結晶をエピタキシャル成長させる。この技術によれば、酸化膜形成等による基板表面の汚れを比較的容易に防止することができるので、高品質のHgCdTe結晶を製造できる。
【0004】
【特許文献1】
特開昭60−215600号
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ZnTe系化合物半導体に関しては、n型導電型の制御が難しく、高キャリア濃度のn型ZnTe化合物半導体結晶を成長させるに際しては多くの課題を有している。
一般には、第13(3B)族元素であるAl(アルミニウム)、Ga(ガリウム)、In(インジウム)等を結晶中にドーピングすることによりZnTe系化合物半導体結晶をn型に制御できることが知られているが、従来の方法では半導体装置に用いる基体として十分なキャリア濃度(例えば1018cm−3以上)を達成できていない。
【0006】
例えば、上記先願の技術を応用して、ZnTe単結晶を成長用基板として、該基板の(111)Te安定化面上にZnTe化合物半導体結晶をエピタキシャル成長させたところ、ZnTe単結晶基板の酸化膜形成に起因して結晶品質が悪化することはなかったが、キャリア濃度は1017cm−3程度であり、n型ドーパントの活性化率(ドーピングしたドーパントがキャリアとして有効に活性化する割合)を高くするのは困難であった。
【0007】
また、ZnTe系化合物半導体結晶の製造において、ドーパントの添加量を増加すると自己補償効果が大きくなるため、添加量を増加してもキャリア濃度は増加しない、むしろキャリア濃度は減少してしまい低抵抗とならないという問題があった。
【0008】
このように、結晶性に影響を与えない程度に不純物をドーピングした場合、従来のエピタキシャル成長法では、ZnTe化合物半導体結晶のキャリア濃度を1017cm−3以上にするのは極めて困難であった。しかし、緑色発光素子のような半導体装置を得るには1018cm−3程度のキャリア濃度が必要であるため、従来の技術で製造可能なn型ZnTe化合物半導体では所望の特性を有する半導体装置を実現することができない。
【0009】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたもので、ドーパントの活性化率の高い(高キャリア濃度)ZnTe系化合物半導体単結晶の成長を可能にするZnTe系化合物半導体単結晶の製造方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、(111)Zn安定化面を主面とするZnTe単結晶を基板として、該基板の主面上にZnTe系化合物半導体薄膜を成長させるようにしたものである。
ここで、前記ZnTe系化合物半導体薄膜の成長方法として、例えば分子線エピタキシー成長法を用いるのが望ましい。また、有機金属気相成長法等の他のエピタキシャル成長法を利用することもできる。
【0011】
これにより、ドーパントの活性化率の高いn型ZnTe系化合物半導体結晶を比較的容易に製造することができる。したがって、得られた高キャリア濃度のn型ZnTe系化合物半導体薄膜を含む半導体結晶を基体として用いることで、所望の特性を有する半導体装置(例えば緑色発光素子)を実現することができる。
【0012】
以下に、発明を完成するに至った経緯について簡単に説明する。
まず、本発明者等は、理論計算によりZnTe化合物結晶を解析し、Zn空孔が安定に存在することを解明した。そして、ZnTe結晶においてZnとTeの結合エネルギーが低いことから、Zn空孔は格子間を比較的容易に拡散でき、空孔の拡散による複合欠陥が生成されやすいと考えた。すなわち、この複合欠陥が深い順位を形成しドーパントの活性化率を低下させるのではないかと考えた。
【0013】
これより、Zn空孔の存在しにくい(111)Zn安定化面を結晶成長面とすれば、Zn空孔の拡散による複合欠陥の生成を抑制できるので、ドーパントの活性化率を向上できると推論した。そして、(111)Zn安定化面を結晶成長面としてZnTe結晶を成長させる実験を行い、前記推論が正しいことを実証した。
【0014】
このように、本発明者等が上記課題を解決するために鋭意研究を行った結果、成長用基板としてのZnTe結晶において特定の面を結晶成長面とすることによりn型ドーパントの活性化率を向上できることを見いだし本発明に到達した。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施の形態について説明する。
(実施例)
本実施例では、ZnTe結晶を基板として分子線エピタキシー(MBE)法によりZnTe化合物半導体結晶をエピタキシャル成長させた。なお、結晶成長装置としては、公知のMBE装置を用いたので成長装置の詳細な説明は省略する。
【0016】
まず、融液成長法で得られたZnTe単結晶インゴットを、主面が(111)Zn安定化面となるように厚さ0.8mmにスライスし、ラッピング、ポリッシング後、Br23%MeOHを使用したエッチングを施した。そして、該ZnTe単結晶基板を基板ホルダに固定した。
【0017】
次に、所定の圧力まで真空排気した成長室内に、基板を固定した基板ホルダを搬送し、基板と分子線源が対向する位置となるように固定した。ここで、本実施形態では、ZnとTeをMBE装置の成長室内に設けられたルツボに収納して分子線源とした。
【0018】
次に、成長温度(基板温度)を300℃にし、TeとZnの分子線を同時に照射するとともに、ドーパントであるAlをドープ濃度が3.0×1018cm−3となるように添加し、厚さ1μmのAlドープZnTeエピタキシャル層を成長させた。なお、エピタキシャル成長させる際のTeとZnの分子線量比(Te/Zn)は2とし、成長速度は0.4μm/hとした。
成長させたAlドープZnTeエピタキシャル層のキャリア濃度をファンデルパウ法にて測定した結果、1.0×1018cm−3であった。
【0019】
(比較例1)
比較例1では、結晶成長が比較的容易という理由から基板として用いられてきた、主面が(100)面であるZnTe単結晶を基板としている点が実施例と異なる。その他の条件は、実施例1と同様にしてエピタキシャル成長を行った。
成長させたAlドープZnTeエピタキシャル層のキャリア濃度をファンデルパウ法にて測定した結果、1.0×1017cm−3であった。
【0020】
(比較例2)
比較例2では、上記特許文献1の技術を応用して、主面が(111)Te安定化面であるZnTe単結晶を基板としている点が実施例と異なる。その他の条件は実施例1と同様にしてエピタキシャル成長を行った。
成長させたAlドープZnTeエピタキシャル層のキャリア濃度をファンデルパウ法にて測定した結果、1.0×1017cm−3であった。
【0021】
上述した実施例および比較例1,2より、本実施例で得られたZnTeエピタキシャル層の方が明らかにキャリア濃度が大きく、ドーパントの活性化率の向上していることがわかる。また、基板の面方位を(111)としても、比較例2より主面が(111)Te安定化面の場合にはキャリア濃度の向上が見られないことから、Zn空孔の存在がドーパントの活性化率に影響を与えていたものと考えられる。
【0022】
また、本実施例を適用することで、キャリア濃度が1.0×1018cm−3のZnTeエピタキシャル層を成長させることができるので、このZnTeエピタキシャル層を含む半導体結晶を基体とすることで所望の特性を有する半導体装置を製造することが可能となる。
【0023】
以上本発明者によってなされた発明を実施例に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではない。
例えば、ZnTeエピタキシャル層を成長させる成長方法は、分子線エピタキシー法に制限されず、有機金属気相成長法等のその他のエピタキシャル成長法によっても同様に高キャリア濃度のZnTe化合物半導体結晶を成長させることができる。
【0024】
また、本発明を適用できるエピタキシャル層は、ZnTe化合物半導体に制限されず、その他のZnTe系族化合物半導体を成長させる場合にもエピタキシャル層のn型キャリア濃度を向上させることができる。
【0025】
また、基板はオフ角のない(111)Zn安定化面に限定されない。オフ角がついていても、ミクロで見た場合(111)Zn面がテラスとして存在する割合が高い場合は同様の効果を発揮できる。すなわち(n11)Zn面等の高指数面であっても表面をミクロで見た場合に(111)Zn面の割合が高い面に対しては同様な効果を発揮できる。
【0026】
【発明の効果】
本発明によれば、(111)Zn安定化面を主面とするZnTe単結晶を基板として、該基板の主面上にZnTe系化合物半導体薄膜をエピタキシャル成長させるようにしたので、ドーパントの活性化率の高いn型ZnTe系化合物半導体結晶を比較的容易に製造することができる。したがって、得られた高キャリア濃度のn型ZnTe系エピタキシャル層を含む半導体結晶を基体として用いることで、所望の特性を有する半導体装置を実現することができる。
Claims (2)
- (111)Zn安定化面を主面とするZnTe単結晶を基板として、該基板の主面上にZnTe系化合物半導体薄膜を成長させることを特徴とするZnTe系化合物半導体結晶の製造方法。
- 前記ZnTe系化合物半導体薄膜の成長方法として分子線エピタキシャル成長法を用いることを特徴とするZnTe系化合物半導体結晶の製造方法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2002366211A JP2004200352A (ja) | 2002-12-18 | 2002-12-18 | ZnTe系化合物半導体結晶の製造方法 |
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Publications (1)
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